JPH10325378A - ホール型燃料噴射ノズル - Google Patents
ホール型燃料噴射ノズルInfo
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- JPH10325378A JPH10325378A JP15301797A JP15301797A JPH10325378A JP H10325378 A JPH10325378 A JP H10325378A JP 15301797 A JP15301797 A JP 15301797A JP 15301797 A JP15301797 A JP 15301797A JP H10325378 A JPH10325378 A JP H10325378A
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- fuel
- nozzle
- passage
- combustion chamber
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02M—SUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
- F02M61/00—Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
- F02M61/16—Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
- F02M61/162—Means to impart a whirling motion to fuel upstream or near discharging orifices
- F02M61/163—Means being injection-valves with helically or spirally shaped grooves
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 NOxの生成を抑制しつつディーゼルエンジ
ンから排出される黒煙を低減する。 【解決手段】 ノズルサック8から燃焼室に至る主通路
9aと、該主通路9aの途中から分岐して燃焼室に至る
副通路9bでホール式の燃料噴射ノズルの噴口9を構成
したことにより、噴射量に応じて実質噴口数を変化させ
て混合気分布を改善することにより、黒煙の増加を予防
しつつ、噴霧体積を抑制してNOxの生成を抑えること
ができるようにした。
ンから排出される黒煙を低減する。 【解決手段】 ノズルサック8から燃焼室に至る主通路
9aと、該主通路9aの途中から分岐して燃焼室に至る
副通路9bでホール式の燃料噴射ノズルの噴口9を構成
したことにより、噴射量に応じて実質噴口数を変化させ
て混合気分布を改善することにより、黒煙の増加を予防
しつつ、噴霧体積を抑制してNOxの生成を抑えること
ができるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
に用いられる燃料噴射ノズルに係り、特に、ディーゼル
エンジンから排出されるNOxおよび黒煙を効果的に低
減することができるようにしたホール型の燃料噴射ノズ
ルに関するものである。
に用いられる燃料噴射ノズルに係り、特に、ディーゼル
エンジンから排出されるNOxおよび黒煙を効果的に低
減することができるようにしたホール型の燃料噴射ノズ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ディーゼルエンジンのように運
転される回転・負荷域が広いディーゼルエンジンにおい
ては、燃料噴射量の制御範囲が広い。従って、例えば軽
負荷域のように噴射量が少ない領域での初期噴射率を低
くしてNOxの生成を抑制すべく噴口径を小さくする
と、噴射量が多い高負荷域での噴射期間が必要以上に長
くなり過ぎてしまう。
転される回転・負荷域が広いディーゼルエンジンにおい
ては、燃料噴射量の制御範囲が広い。従って、例えば軽
負荷域のように噴射量が少ない領域での初期噴射率を低
くしてNOxの生成を抑制すべく噴口径を小さくする
と、噴射量が多い高負荷域での噴射期間が必要以上に長
くなり過ぎてしまう。
【0003】また、高負荷域での噴射期間を適正化すべ
く噴口径を大きくすると、軽負荷域においても初期噴射
率が高くなってNOxが生成され易くなる。なお、噴口
径を大きくした場合は燃料噴霧の粒径が大きくなってし
まうために黒煙の排出量が増加する傾向がある。
く噴口径を大きくすると、軽負荷域においても初期噴射
率が高くなってNOxが生成され易くなる。なお、噴口
径を大きくした場合は燃料噴霧の粒径が大きくなってし
まうために黒煙の排出量が増加する傾向がある。
【0004】一方、NOxの生成を抑制するためには、
排気の一部を燃焼室に戻すEGRを行ない、あるいは、
燃料の噴射時期を遅らせるタイミングリタードを行な
い、もしくは、低スワール化することによって空気と燃
料の混合を抑えることが有効であるとされてきた。
排気の一部を燃焼室に戻すEGRを行ない、あるいは、
燃料の噴射時期を遅らせるタイミングリタードを行な
い、もしくは、低スワール化することによって空気と燃
料の混合を抑えることが有効であるとされてきた。
【0005】ところが、NOxの生成を抑制すべくEG
Rを行なうと、新気の充填効率が低下して燃費の悪化お
よび黒煙の増加を招き、パティキュレートの排出量が増
加する懸念がある。また、タイミングリタードを行なっ
た場合はエンジン性能が犠牲になり、低スワール化する
と空気利用率が低下して黒煙の排出量が増大する可能性
が高いというように、NOxの生成を抑制しつつ黒煙の
排出を減少させることは至難であるとされていた。
Rを行なうと、新気の充填効率が低下して燃費の悪化お
よび黒煙の増加を招き、パティキュレートの排出量が増
加する懸念がある。また、タイミングリタードを行なっ
た場合はエンジン性能が犠牲になり、低スワール化する
と空気利用率が低下して黒煙の排出量が増大する可能性
が高いというように、NOxの生成を抑制しつつ黒煙の
排出を減少させることは至難であるとされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、NOxの生成を抑制しつつ
ディーゼルエンジンから排出される黒煙を低減すること
ができる燃料噴射ノズルを提供することを課題としてい
る。
みてなされたものであって、NOxの生成を抑制しつつ
ディーゼルエンジンから排出される黒煙を低減すること
ができる燃料噴射ノズルを提供することを課題としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、ノズルサックから燃焼室に至る主
通路と、該主通路の途中から分岐して燃焼室に至る副通
路でホール式燃料噴射ノズルの噴口を構成したことを特
徴としている。なお、ノズルサックの燃料に旋回流を与
える偏向手段を設け、主通路をノズルサックの法線を基
準として円錐断面上で前記旋回流の上流側にオフセット
させるとともに、副通路を旋回流の下流側に向って分岐
させることにより、NOxの生成および黒煙の排出をよ
り効果的に減少させることができる。
に本発明においては、ノズルサックから燃焼室に至る主
通路と、該主通路の途中から分岐して燃焼室に至る副通
路でホール式燃料噴射ノズルの噴口を構成したことを特
徴としている。なお、ノズルサックの燃料に旋回流を与
える偏向手段を設け、主通路をノズルサックの法線を基
準として円錐断面上で前記旋回流の上流側にオフセット
させるとともに、副通路を旋回流の下流側に向って分岐
させることにより、NOxの生成および黒煙の排出をよ
り効果的に減少させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る燃料噴射ノ
ズルの一実施形態を示すノズル先端部の縦断面図、図2
は図1のA−A断面図、図3は図1に示した燃料噴射ノ
ズルによる軽負荷域での燃料噴霧の状態を示す燃焼室の
断面図、図4は同じく高負荷域での燃料噴霧の状態を示
す燃焼室の断面図である。
づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る燃料噴射ノ
ズルの一実施形態を示すノズル先端部の縦断面図、図2
は図1のA−A断面図、図3は図1に示した燃料噴射ノ
ズルによる軽負荷域での燃料噴霧の状態を示す燃焼室の
断面図、図4は同じく高負荷域での燃料噴霧の状態を示
す燃焼室の断面図である。
【0009】これらの図において、ノズルボディ1に設
けた燃料溜り2にニードル3の受圧面4を臨ませてい
る。そして、図示しないノズルスプリングでニードル3
を図中下方に押圧付勢してシート部5をノズルボディ1
のノズルシート6に着座保持させることにより、常時は
燃料溜り2から延設された流入通路7を閉鎖してノズル
サック8への燃料の流入を防止している。
けた燃料溜り2にニードル3の受圧面4を臨ませてい
る。そして、図示しないノズルスプリングでニードル3
を図中下方に押圧付勢してシート部5をノズルボディ1
のノズルシート6に着座保持させることにより、常時は
燃料溜り2から延設された流入通路7を閉鎖してノズル
サック8への燃料の流入を防止している。
【0010】なお、燃料溜り2の燃料の圧力の上昇にと
もなって受圧面4を介してニードル3に作用するリフト
力が前記ノズルスプリングによる閉弁付勢力より大きく
なると、ニードル3が図中上方にリフトしてシート部5
をノズルシート6から浮上させる。すると、燃料溜り2
の燃料が流入通路7を経てノズルサック8に流入し、こ
のノズルサック8に設けた複数個の噴口9から燃焼室1
0に噴射されるホール式の燃料噴射ノズル11を構成し
ている。
もなって受圧面4を介してニードル3に作用するリフト
力が前記ノズルスプリングによる閉弁付勢力より大きく
なると、ニードル3が図中上方にリフトしてシート部5
をノズルシート6から浮上させる。すると、燃料溜り2
の燃料が流入通路7を経てノズルサック8に流入し、こ
のノズルサック8に設けた複数個の噴口9から燃焼室1
0に噴射されるホール式の燃料噴射ノズル11を構成し
ている。
【0011】ここに本実施形態においては、燃料溜り2
からノズルサック8に至る流入通路7を狭搾する大径部
12をニードル3の先端近傍に形成している。そして、
吸気によって燃焼室10に誘起されるスワール13と同
一方向に向って偏向する螺旋状の溝14を上記大径部1
2に設けることにより、この溝14による偏向案内作用
でノズルサック8の燃料にスワール13と同一方向に向
う旋回流15を発生させるようにしている。
からノズルサック8に至る流入通路7を狭搾する大径部
12をニードル3の先端近傍に形成している。そして、
吸気によって燃焼室10に誘起されるスワール13と同
一方向に向って偏向する螺旋状の溝14を上記大径部1
2に設けることにより、この溝14による偏向案内作用
でノズルサック8の燃料にスワール13と同一方向に向
う旋回流15を発生させるようにしている。
【0012】一方、ノズルサック8から燃焼室10に至
る主通路9aと、該主通路9aの途中から分岐して燃焼
室10に至る副通路9bで噴口9を構成している。ま
た、主通路9aをそれぞれノズルサック8の法線16と
平行に、しかも、この法線16を基準として円錐断面上
で旋回流15の上流側にオフセットさせるとともに、副
通路9bを旋回流15の下流側に向って分岐させてい
る。17a、17bは主通路9aおよび副通路9bから
噴射された燃料による燃料噴霧、18は燃料溜り2に燃
料を給送する燃料通路である。
る主通路9aと、該主通路9aの途中から分岐して燃焼
室10に至る副通路9bで噴口9を構成している。ま
た、主通路9aをそれぞれノズルサック8の法線16と
平行に、しかも、この法線16を基準として円錐断面上
で旋回流15の上流側にオフセットさせるとともに、副
通路9bを旋回流15の下流側に向って分岐させてい
る。17a、17bは主通路9aおよび副通路9bから
噴射された燃料による燃料噴霧、18は燃料溜り2に燃
料を給送する燃料通路である。
【0013】以上のように構成された燃料噴射ノズル1
1において、図示しない燃料噴射ポンプなどから吐出さ
れた燃料は、燃料通路18を経て燃料溜り2に送り込ま
れ、流入通路7に供給保持されている。
1において、図示しない燃料噴射ポンプなどから吐出さ
れた燃料は、燃料通路18を経て燃料溜り2に送り込ま
れ、流入通路7に供給保持されている。
【0014】燃料溜り2の燃料の圧力は、受圧面4を介
してニードル3にリフト力として作用する。ところが、
噴射時期以外では図示しないニードルスプリングによる
閉弁付勢力が上記リフト力よりも大きくなっているため
に、ニードル3のシート部5がノズルボディ1のノズル
シート6に着座保持されてノズルサック8への燃料の流
入を阻止している。
してニードル3にリフト力として作用する。ところが、
噴射時期以外では図示しないニードルスプリングによる
閉弁付勢力が上記リフト力よりも大きくなっているため
に、ニードル3のシート部5がノズルボディ1のノズル
シート6に着座保持されてノズルサック8への燃料の流
入を阻止している。
【0015】噴射時期に到達して燃料溜り2の圧力が上
昇すると、これにともなってニードル3に作用するリフ
ト力がノズルスプリングによる付勢力よりも大きくな
る。すると、ニードル3が図中上方にリフトしてシート
部5をノズルシート6から浮上させるために、燃料溜り
2の燃料が流入通路7を経てノズルサック8に送り込ま
れ、このノズルサック8から噴口9を経て燃焼室10に
噴射される。
昇すると、これにともなってニードル3に作用するリフ
ト力がノズルスプリングによる付勢力よりも大きくな
る。すると、ニードル3が図中上方にリフトしてシート
部5をノズルシート6から浮上させるために、燃料溜り
2の燃料が流入通路7を経てノズルサック8に送り込ま
れ、このノズルサック8から噴口9を経て燃焼室10に
噴射される。
【0016】このようにしてニードル3がリフトされて
燃料溜り2から流入通路7を経てノズルサック8に燃料
が供給されると同時に、燃料通路18を通って燃料溜り
2に燃料が補給される。このとき、流入通路7の一部を
スワール13と同一方向に向って偏向する螺旋状の溝1
4で構成している。
燃料溜り2から流入通路7を経てノズルサック8に燃料
が供給されると同時に、燃料通路18を通って燃料溜り
2に燃料が補給される。このとき、流入通路7の一部を
スワール13と同一方向に向って偏向する螺旋状の溝1
4で構成している。
【0017】従って、流入通路7の終端部においては該
流入通路7の一部を構成する溝14による偏向案内作用
を受けてスワール13と同一の方向に旋回する燃料の流
れが誘起されており、この流れがそのままノズルサック
8に持ち込まれるために、スワール13と同一方向の旋
回流15がノズルサック8に誘起される。
流入通路7の一部を構成する溝14による偏向案内作用
を受けてスワール13と同一の方向に旋回する燃料の流
れが誘起されており、この流れがそのままノズルサック
8に持ち込まれるために、スワール13と同一方向の旋
回流15がノズルサック8に誘起される。
【0018】ところで、上記のようにして誘起されるノ
ズルサック8の旋回流15は、ニードル3のリフト量が
大きくなってノズルサック8に流入する燃料の量が増加
するにつれて強くなる。また、噴口9の主通路9aをそ
れぞれノズルサック8の法線16と平行にしたうえで、
この法線16を基準として円錐断面上で旋回流15の上
流側にオフセットさせている。
ズルサック8の旋回流15は、ニードル3のリフト量が
大きくなってノズルサック8に流入する燃料の量が増加
するにつれて強くなる。また、噴口9の主通路9aをそ
れぞれノズルサック8の法線16と平行にしたうえで、
この法線16を基準として円錐断面上で旋回流15の上
流側にオフセットさせている。
【0019】このために、ノズルサック8から各主通路
9aに流入した燃料の流速は、主通路9aの断面ごとに
異なり、各主通路9aにおける旋回流15の上流側断面
における燃料の流速が旋回流15の下流側断面における
燃料の流速よりも高くなる。また、主通路9aを流れる
燃料の一部は副通路9bに流入するが、燃料は主通路9
aを流れ易いために、主通路9aから流出した燃料によ
る燃料噴霧17aのペネトレーションが副通路9bから
流出した燃料による燃料噴霧17bのペネトレーション
より大きくなるために、混合気の分布が改善されて黒煙
の発生が減少する。
9aに流入した燃料の流速は、主通路9aの断面ごとに
異なり、各主通路9aにおける旋回流15の上流側断面
における燃料の流速が旋回流15の下流側断面における
燃料の流速よりも高くなる。また、主通路9aを流れる
燃料の一部は副通路9bに流入するが、燃料は主通路9
aを流れ易いために、主通路9aから流出した燃料によ
る燃料噴霧17aのペネトレーションが副通路9bから
流出した燃料による燃料噴霧17bのペネトレーション
より大きくなるために、混合気の分布が改善されて黒煙
の発生が減少する。
【0020】さらに、主通路9aおよび副通路9bを流
れる燃料の流速は上記のように各断面ごとに異なるもの
となる。そして、これらの流速差による影響を受けて各
燃料噴霧17a、17bがそれぞれスワール13の下流
側に曲るために、空気との接触面積が増大する。また、
各燃料噴霧17aの流速がスワール13の上流側と下流
側で異なったものとなり、この流速差による影響で空気
の取り込み性が向上して空気との混合が改善されるため
に、NOxの生成を抑制すべく低スワール化を行なった
としても黒煙の排出量が増加することがない。
れる燃料の流速は上記のように各断面ごとに異なるもの
となる。そして、これらの流速差による影響を受けて各
燃料噴霧17a、17bがそれぞれスワール13の下流
側に曲るために、空気との接触面積が増大する。また、
各燃料噴霧17aの流速がスワール13の上流側と下流
側で異なったものとなり、この流速差による影響で空気
の取り込み性が向上して空気との混合が改善されるため
に、NOxの生成を抑制すべく低スワール化を行なった
としても黒煙の排出量が増加することがない。
【0021】さらにまた、上記のように燃料は主通路9
aに流れ易い。このために、噴射量が少ない軽負荷域で
の運転時は、例えば図3に示したようにほとんどの燃料
が主通路9aから噴射されてスワール13による押し流
し作用を受けて拡散する。一方、噴射量が多くなる高負
荷域での運転時には主通路9aの圧力が上昇するため
に、該主通路9aから副通路9bに流入する燃料の流量
が増加する。従って、この場合は例えば図4に示したよ
うに主副の通路9a、9bからそれぞれ燃料が噴射され
て燃料噴霧17a、17bを形成するというように、噴
射量の増大にともなって噴口の数が実質的に増加するた
めに、混合気分布が改善される。
aに流れ易い。このために、噴射量が少ない軽負荷域で
の運転時は、例えば図3に示したようにほとんどの燃料
が主通路9aから噴射されてスワール13による押し流
し作用を受けて拡散する。一方、噴射量が多くなる高負
荷域での運転時には主通路9aの圧力が上昇するため
に、該主通路9aから副通路9bに流入する燃料の流量
が増加する。従って、この場合は例えば図4に示したよ
うに主副の通路9a、9bからそれぞれ燃料が噴射され
て燃料噴霧17a、17bを形成するというように、噴
射量の増大にともなって噴口の数が実質的に増加するた
めに、混合気分布が改善される。
【0022】同様に、図示しない燃料噴射ポンプの送油
率が低い領域では流路抵抗が小さくて流量係数が大きい
主通路9aから主として燃料が噴射される。従って、軽
負荷域での運転時のように噴射量が少ないときは噴霧体
積を抑制することができるために、静粛な燃焼が行なわ
れるとともに、NOxの生成が抑制される。
率が低い領域では流路抵抗が小さくて流量係数が大きい
主通路9aから主として燃料が噴射される。従って、軽
負荷域での運転時のように噴射量が少ないときは噴霧体
積を抑制することができるために、静粛な燃焼が行なわ
れるとともに、NOxの生成が抑制される。
【0023】なお、スワール13による影響を受けない
状態では燃料噴霧17は図3および図4にそれぞれ実線
で示したように分布するが、実際にはスワール13によ
る押し流し作用を受けるために、同図に二点鎖線で示し
たようにスワール13の下流側に向って拡散して空気と
混合される。従って、適度な強さのスワール13を燃焼
室10に誘起させることにより、燃料噴霧17と空気と
の接触面積をさらに増大させることができるとともに、
混合をより促進させて黒煙の悪化を確実に予防すること
ができる。
状態では燃料噴霧17は図3および図4にそれぞれ実線
で示したように分布するが、実際にはスワール13によ
る押し流し作用を受けるために、同図に二点鎖線で示し
たようにスワール13の下流側に向って拡散して空気と
混合される。従って、適度な強さのスワール13を燃焼
室10に誘起させることにより、燃料噴霧17と空気と
の接触面積をさらに増大させることができるとともに、
混合をより促進させて黒煙の悪化を確実に予防すること
ができる。
【0024】また、燃料噴霧17a、17bの拡散速度
は、主通路9aおよび副通路9bの各断面における燃料
の流速差とスワール13の強さに応答して変化するもの
であり、燃料噴霧17a、17bの流速に対比してスワ
ール13が強い場合は、スワール13の上流側に位置す
る通路から噴射された燃料噴霧が隣接する下流側の噴口
から噴射された燃料噴霧に追いついて重なり合ってしま
う可能性がある。従って、このように燃料噴霧が重なり
合う可能性がある場合は、例えば副通路9bのコーン角
と主通路9aのコーン角を異ならせて燃料噴霧の重なり
による不具合を回避することが望まれる。
は、主通路9aおよび副通路9bの各断面における燃料
の流速差とスワール13の強さに応答して変化するもの
であり、燃料噴霧17a、17bの流速に対比してスワ
ール13が強い場合は、スワール13の上流側に位置す
る通路から噴射された燃料噴霧が隣接する下流側の噴口
から噴射された燃料噴霧に追いついて重なり合ってしま
う可能性がある。従って、このように燃料噴霧が重なり
合う可能性がある場合は、例えば副通路9bのコーン角
と主通路9aのコーン角を異ならせて燃料噴霧の重なり
による不具合を回避することが望まれる。
【0025】さらに、通常は副通路9bの径を主通路9
aの径と同等にするが、副通路9bの分岐角度によって
は該副通路9bの径を主通路9aの径よりも小さくして
主副通路9a、9bの流量係数比を最適制御することが
でき、あるいは、副通路9bの分岐角度の変更によって
も主副通路9a、9bの流量係数比を変化させることが
できる。
aの径と同等にするが、副通路9bの分岐角度によって
は該副通路9bの径を主通路9aの径よりも小さくして
主副通路9a、9bの流量係数比を最適制御することが
でき、あるいは、副通路9bの分岐角度の変更によって
も主副通路9a、9bの流量係数比を変化させることが
できる。
【0026】さらにまた、一般的には副通路9bのコー
ン角を主通路9aのコーン角と同等にし、あるいは、副
通路9bのコーン角を主通路9aのコーン角より大きく
することにより、噴射量の増大時にキャビティの浅い部
分もしくはスキッシュエリアの空気をも積極的に有効利
用して空気利用率をより高くすることが望まれるが、燃
焼室の形状によっては副通路9bのコーン角を主通路9
aのコーン角より小さくしてもよい。
ン角を主通路9aのコーン角と同等にし、あるいは、副
通路9bのコーン角を主通路9aのコーン角より大きく
することにより、噴射量の増大時にキャビティの浅い部
分もしくはスキッシュエリアの空気をも積極的に有効利
用して空気利用率をより高くすることが望まれるが、燃
焼室の形状によっては副通路9bのコーン角を主通路9
aのコーン角より小さくしてもよい。
【0027】上記実施形態においては燃焼室10に誘起
されるスワール13と同一の方向に向う旋回流15をノ
ズルサック8に発生させるとともに、主通路9aをそれ
ぞれノズルサック8の法線16と平行に保持させたまま
旋回流15の上流側にオフセットさせることにより、主
通路9aの各断面における燃料の流速差を積極的に確保
して噴射量に対する主副通路9a、9bの間の流量配分
の対応ならびに燃料噴霧の拡がりを確実に行なわせるよ
うにしているが、スワール13と逆方向の旋回流15を
ノズルサック8に発生させるようにしてもよい。
されるスワール13と同一の方向に向う旋回流15をノ
ズルサック8に発生させるとともに、主通路9aをそれ
ぞれノズルサック8の法線16と平行に保持させたまま
旋回流15の上流側にオフセットさせることにより、主
通路9aの各断面における燃料の流速差を積極的に確保
して噴射量に対する主副通路9a、9bの間の流量配分
の対応ならびに燃料噴霧の拡がりを確実に行なわせるよ
うにしているが、スワール13と逆方向の旋回流15を
ノズルサック8に発生させるようにしてもよい。
【0028】また、エンジンの特性によっては旋回手段
を省略し、あるいは、主通路9aのオフセットを省略す
ることもできる。さらに、燃焼室10のスワール13を
弱くし、もしくは、スワール13をなくしてNOxの生
成を抑制するようにしたエンジンの場合においても、主
副通路9a、9bの流量係数比を適度に設定することに
より、燃料噴霧17a、17bの拡散および空気のとり
込み性を充分に高くして空気との混合を改善することが
できるために、黒煙の排出量が増加することがない。
を省略し、あるいは、主通路9aのオフセットを省略す
ることもできる。さらに、燃焼室10のスワール13を
弱くし、もしくは、スワール13をなくしてNOxの生
成を抑制するようにしたエンジンの場合においても、主
副通路9a、9bの流量係数比を適度に設定することに
より、燃料噴霧17a、17bの拡散および空気のとり
込み性を充分に高くして空気との混合を改善することが
できるために、黒煙の排出量が増加することがない。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、ノズルサックから燃焼室に至る主通路と、該主通路
の途中から分岐して燃焼室に至る副通路でホール式の燃
料噴射ノズルの噴口を構成したものであるから、噴射量
に応じて噴口の実質開口面積が変化するために、噴射期
間の長期化および黒煙の増加を予防しつつ噴霧体積を抑
制することができるためにNOxの生成を抑制すること
ができる。また、主通路から噴射された燃料による燃料
噴霧のペネトレーションと副通路から噴射された燃料に
よる燃料噴霧のペネトレーションが異なるものとなるた
めに、混合気の分布が改善されて黒煙の発生が減少す
る。
は、ノズルサックから燃焼室に至る主通路と、該主通路
の途中から分岐して燃焼室に至る副通路でホール式の燃
料噴射ノズルの噴口を構成したものであるから、噴射量
に応じて噴口の実質開口面積が変化するために、噴射期
間の長期化および黒煙の増加を予防しつつ噴霧体積を抑
制することができるためにNOxの生成を抑制すること
ができる。また、主通路から噴射された燃料による燃料
噴霧のペネトレーションと副通路から噴射された燃料に
よる燃料噴霧のペネトレーションが異なるものとなるた
めに、混合気の分布が改善されて黒煙の発生が減少す
る。
【0030】なお、請求項2の発明のようにノズルサッ
クの燃料に旋回流を与える一方、主通路をノズルサック
の法線を基準として円錐断面上で前記旋回流の上流側に
オフセットさせるとともに、副通路を旋回流の下流側に
向って分岐させた場合は、混合気の分布が改善されるた
めに、NOxの生成および黒煙の排出をより効果的に減
少させることがができる利点がある。
クの燃料に旋回流を与える一方、主通路をノズルサック
の法線を基準として円錐断面上で前記旋回流の上流側に
オフセットさせるとともに、副通路を旋回流の下流側に
向って分岐させた場合は、混合気の分布が改善されるた
めに、NOxの生成および黒煙の排出をより効果的に減
少させることがができる利点がある。
【図1】本発明に係る燃料噴射ノズルの一実施形態を示
すノズル先端部の縦断面図である。
すノズル先端部の縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1に示した燃料噴射ノズルによる軽負荷域で
の燃料噴霧の状態を示す燃焼室の断面図である。
の燃料噴霧の状態を示す燃焼室の断面図である。
【図4】図1に示した燃料噴射ノズルによる高負荷域で
の燃料噴霧の状態を示す燃焼室の断面図である。
の燃料噴霧の状態を示す燃焼室の断面図である。
1 ノズルボディ 2 燃料溜り 3 ニードル 4 受圧面 5 シート部 6 ノズルシート 7 流入通路 8 ノズルサック 9 噴口 9a 主通路 9b 副通路 10 燃焼室 11 燃料噴射ノズル 12 大径部 13 スワール 14 螺旋状の溝 15 旋回流 16 ノズルサック8の法線 17a、17b 燃料噴霧 18 燃料通路
Claims (2)
- 【請求項1】 ノズルボディに設けた燃料溜りの燃料圧
力の上昇にともなってニードルをリフトさせることによ
り、前記燃料溜りの燃料をノズルサックの法線に沿う複
数個の噴口から燃焼室に噴射させるようにしたホール式
の燃料噴射ノズルにおいて、ノズルサックから燃焼室に
至る主通路と、該主通路の途中から分岐して燃焼室に至
る副通路で前記噴口を構成したことを特徴とするホール
型燃料噴射ノズル。 - 【請求項2】 ノズルサックの燃料に旋回流を与える偏
向手段を設け、主通路をノズルサックの法線を基準とし
て円錐断面上で前記旋回流の上流側にオフセットさせる
とともに、副通路を旋回流の下流側に向って分岐させた
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15301797A JPH10325378A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15301797A JPH10325378A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10325378A true JPH10325378A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=15553152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15301797A Pending JPH10325378A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10325378A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1508689A1 (de) * | 1999-08-11 | 2005-02-23 | Robert Bosch Gmbh | Brennstoffeinspritzventil |
CN102720613A (zh) * | 2012-07-07 | 2012-10-10 | 中国船舶重工集团公司第七�三研究所 | 多角度涡旋喷孔喷油嘴 |
CN102720614A (zh) * | 2012-07-07 | 2012-10-10 | 中国船舶重工集团公司第七�三研究所 | 多角度喷孔喷油嘴 |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP15301797A patent/JPH10325378A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1508689A1 (de) * | 1999-08-11 | 2005-02-23 | Robert Bosch Gmbh | Brennstoffeinspritzventil |
CN102720613A (zh) * | 2012-07-07 | 2012-10-10 | 中国船舶重工集团公司第七�三研究所 | 多角度涡旋喷孔喷油嘴 |
CN102720614A (zh) * | 2012-07-07 | 2012-10-10 | 中国船舶重工集团公司第七�三研究所 | 多角度喷孔喷油嘴 |
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