JPH10324736A - 熱可塑性組成物、熱可塑性組成物の成形方法、熱可塑性組成物からなる成形体 - Google Patents

熱可塑性組成物、熱可塑性組成物の成形方法、熱可塑性組成物からなる成形体

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JPH10324736A
JPH10324736A JP29528097A JP29528097A JPH10324736A JP H10324736 A JPH10324736 A JP H10324736A JP 29528097 A JP29528097 A JP 29528097A JP 29528097 A JP29528097 A JP 29528097A JP H10324736 A JPH10324736 A JP H10324736A
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epoxy resin
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molding
resin
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Tadashi Fukunaga
正 福永
Akira Ehata
晶 江幡
Hiroaki Shimomura
裕明 下村
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐加水分解性を向上して十分な強度を備え、
リサイクル、低コスト化が可能な浴槽に適したPETを
含む熱可塑性ポリエステル樹脂を得る。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂と、平均エポ
キシ当量が80〜1000であるエポキシ樹脂と、前記
エポキシ樹脂で使用される硬化促進剤とを含有し、か
つ、前記エポキシ樹脂が前記熱可塑性ポリエステル樹脂
100重量部に対し1〜10重量部、前記硬化促進剤が
前記エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重
量部の範囲で配合した熱可塑性組成物を、1軸押出機に
より溶融してプレス成形機にて成形して所定形状の浴槽
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレートを含む、いわゆるポリエステル樹脂を利用し
た熱可塑性組成物、この熱可塑性組成物の成形方法及び
この熱可塑性組成物からなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂からなる浴槽は、熱硬化
性樹脂をプレス成形法、注型成形法等を用いて成形して
いる。この熱硬化性樹脂を用いた浴槽の問題点は、その
コストと、産業廃棄物としての処理の方法にある。すな
わち、熱硬化性樹脂はその特性上、成形後の再利用が難
しく、一般には粉砕等を行った後に埋立てるなどして処
理を行っている。また、その材料費についても、熱可塑
性樹脂に比べて高価であり、生産コストに上記の廃棄コ
ストを加算すると、極めて高価な成形品となってしまっ
ている。そこで、材料費が安く、しかも成形品の再利用
が可能な熱可塑性樹脂を用いた浴槽のニーズが極めて高
くなっている。
【0003】ところで、この熱可塑性樹脂には様々なも
のが存在し、一例を挙げれば、ポリプロピレン、アクリ
ル等が存在する。しかしながら、これらの熱可塑性樹脂
を材料として、例えばプレス成形法を用いて浴槽を成形
すれば、一応の製品である浴槽を成形することは可能で
ある。ところが、昨今のコスト競争は厳しく、(1)低
コストであること、(2)高品質を維持することなど、
様々な要求を満たさなければならない。すなわち、前述
のポリプロピレンでは、その強度の点で問題があり、ま
た、アクリルでは、通常白色を基調とする浴槽において
は、使用される顔料が嵩むといった問題点がある。
【0004】一方、特公平7−80236号公報には、
ポリエチレンテレフタレート(PET)製の瓶のような
容器の製造方法が開示されている。この製造方法は、P
ETを再加熱することにより必要な部分の結晶化を図ろ
うとするものである。また、特開昭60−28446号
公報や特開昭64−16861号公報には、ポリエステ
ル樹脂の機械的性質、成形時の滞留安定性、更には、成
形品の耐加水分解性を改善するため、ポリエステル樹脂
にエポキシ化合物を同時添加することが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記浴槽な
どの低コスト化を図るためには、上述のようなポリエチ
レンテレフタレート(PET)が着目されるが、このP
ETを成形して得られる浴槽に要求される必要特性は、
(1)煮沸しても外観の変化がないこと、(2)十分な
硬さ(硬度)を備えていること、(3)その外観が人工
大理石調のように奇麗であること、(4)耐汚染性に優
れていることなどが挙げられる。
【0006】これらの必要特性に対しては、上述の結晶
化によってもある程度は対応することが可能であるが、
特に浴槽などに対しては、長期の耐熱水性を十分に満足
し、しかも、温水や紫外線による変色も小さくすること
が必要となる。すなわち、PETでは、加水分解による
強度の低下によりその衝撃強度の低下が著しく、これを
抑制する必要があり、かつ、浴槽として十分な硬さ(硬
度)を備える必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、熱
可塑性ポリエステル樹脂と、平均エポキシ当量が80〜
1000であるエポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂で使
用される硬化促進剤とを含有し、かつ、前記エポキシ樹
脂が前記熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し
0.1〜10重量部、前記硬化促進剤が前記エポキシ樹
脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で配
合してなる熱可塑性組成物により、加水分解による強度
低下をおさえる。
【0008】また、本発明では、熱可塑性ポリエステル
樹脂と、カルボジイミド化合物と硬化促進剤とを含有
し、かつ、前記カルボジイミド化合物が前記熱可塑性ポ
リエステル樹脂100重量部に対し0.1〜10重量
部、前記硬化促進剤が前記カルボジイミド化合物に対し
て0.1〜10重量部の範囲で配合してなる熱可塑性組
成物により、加水分解による強度低下をおさえる。
【0009】即ち、ポリエステル樹脂に、エポキシ樹脂
またはカルボジイミド化合物と、硬化促進剤を添加する
ことにより、上記浴槽として必要な特性である耐加水分
解性の向上に加えて、長期耐熱水性を十分満足し、しか
も、温水や紫外線による変色も小さくなる。このことに
より、熱可塑性ポリエステル樹脂を浴槽の材料としても
使用することが可能になる。
【0010】また、本発明によれば、前記した熱可塑性
組成物において、前記熱可塑性ポリエステルとして、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート樹脂の何れかを使用する
ことにより、例えばポリエチレンテレフタレートを使用
することにより、その形成体である浴槽を安価に提供す
ることができ、ポリブチレンテレフタレートによればそ
の結晶化がし易く、ポリエチレンナフタレートによれ
ば、特に、その耐加水分解性に優れた形成体である浴槽
を提供することが可能になる。
【0011】また、前記エポキシ樹脂としては、例え
ば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水素
添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはトリアジン
系エポキシ樹脂等が適当であり、また、前記硬化促進剤
としては、ホスホニウム塩、DBUの有機酸塩またはジ
メチルウレア化合物若しくはこれらの混合物が適当であ
る。
【0012】さらに、本発明にかかる熱可塑性組成物を
成形する方法にあっては、当該熱可塑性組成物を構成す
る熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に金
型を加熱することにより、金型内でも、前記熱可塑性ポ
リエステル樹脂と前記エポキシ樹脂とを十分反応させる
ことを可能にしている。
【0013】また、本発明にかかる熱可塑性組成物の成
形体は、熱可塑性組成物の成形時に結晶化を行ない、更
には、この熱可塑性組成物を所定の形状に成形して浴槽
とすることにより、耐熱性の向上と熱変形温度の向上を
図り、煮沸しても外観の変化が少なく、表面硬度を向上
し、更に、耐汚染性や外観を向上し、その外観も大理石
調の美観にも優れた浴槽を得ることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら説明する。まず、図1に
基づき、ポリエチレンテレフタレートを用いた浴槽の成
形方法について説明する。この成形方法では、まず、P
ET製ペレット(日本ユニペット(株)ユニペットRT
553C)と共に、エポキシ樹脂又はカルボジイミド化
合物と硬化促進剤とを、図2に示すような2軸押出機
(同方向回転2軸スクリュー式)10に供給し、250
℃以上(好ましくは、270℃〜290℃)で溶融混練
(S100)を行って押し出し、これを冷却水槽20で
冷却した後、ペレタイザー30によってカットしてペレ
ット化する。その後、このペレット化した熱可塑性組成
物を加熱乾燥(100℃〜150℃で約4時間)して
(S200)、吸入した水分を除去すると共に、その結
晶化を図る。
【0015】或いは、上記の方法に代え、予めこのPE
T製ペレットとエポキシ樹脂とをミキサーでプレミック
スして供給することも可能である。また、上記2軸押出
機10における混練では、この時、上記のようにPET
製ペレット、エポキシ樹脂、硬化促進剤の三者を同時に
混練することなく、例えば、PET製ペレットとエポキ
シ樹脂との組合せ、あるいは、PET製ペレットと硬化
促進剤との組合せで混練製造しておき、後にペレット同
士を混ぜることも可能である。しかし、PET製ペレッ
トに硬化促進剤のみを多量に混練したものは、著しい粘
度の低下を生じることから好ましくない。
【0016】なお、上記加熱乾燥時における結晶化は、
必ずしも行う必要はないが、しかしながら、これにより
成形の際に押出機や射出成形機のスクリューでのブロッ
キングの発生を防止することから好ましい。
【0017】なお、上記のエポキシ樹脂としては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、ジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式ノボラック型
エポキシ樹脂、トリアジン系エポキシ樹脂が挙げられ
る。また、このエポキシ樹脂は、0.1〜10重量部
(ただし、エポキシ当量による)が添加される。ここ
で、エポキシ当量とは、1g当量のエポキシ基を含む樹
脂の質量であり、(g/eq)の単位で表わされる。
【0018】このエポキシ樹脂の添加量は、0.1重量
部よりも少ないと、浴槽としての必要な耐加水分解性が
得られなくなり、また、10重量部よりも多いと、溶
融時の滞留安定性(変色につながる)が悪くなること、
成形品の黄色化が大きくなり、顔料等での任意の色へ
の着色が困難となること、成形性が悪くなることから
上記の範囲に設定した。
【0019】さらに、このエポキシ樹脂は、常温で固体
の方が、その取り扱い性から好ましい。また、この固体
のエポキシ樹脂の中でも、特に、その軟化点の高いもの
の方が、成形機でのブロッキングの問題が生じ難いこと
から、好ましい。また、平均エポキシ当量は80〜10
00の範囲に選択されているが、この値が小さい方が耐
加水分解性の効果が大きい。さらに、このエポキシ樹脂
は、融点が250℃(一般的)以上のPETと溶融混練
する為、分解開始温度が高いものが良い。
【0020】また、このエポキシ樹脂は、その成形品が
着色されないものが好ましい。特に、上記の水素添加ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂およびトリアジン系エポ
キシ樹脂は、成形品の着色も小さく、紫外線による変色
も少ないことから好ましい。
【0021】一方、硬化促進剤としては、例えば、第4
級ホスホニウム塩が挙げられ、その一例としては、例え
ば、テトラヒドロホスホニウムブロマイド、テトラヒド
ロホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウ
ムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマ
イド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベ
ンジルトリフェニルホスホニウムクロライド等がある。
【0022】また、硬化促進剤としては、例えば、DB
Uの有機酸塩が挙げられる。DBUの一例としては、1,
8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)、6-ジメチ
ルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DMA
-DBU)、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]
ウンデセン-7(DBA-DBU)等があり、DBUの有機酸塩を
構成する酸としては、フェノール、オクチル酸、トルエ
ンスルホン酸、ギ酸、テレフタル酸、安息香酸、酢酸、
ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸等がある。
【0023】また、硬化促進剤としては、上記第4級ホ
スホニウム塩やDBUの他にも、さらに、DBNの有機
酸塩、ジメチルウレア化合物、オクチル酸スズ、ベンジ
ルジメチルアミン、トリエタノールアミンポレート、2
−エチル−4メチルイミダゾール、オクチル酸スズ等が
挙げられる。
【0024】なお、これらの硬化促進剤は、エポキシ樹
脂に対し、0.1〜10重量部の範囲の割合で混入され
る。これは、硬化促進剤がエポキシ樹脂に対して少ない
とその効果がなく、一方、多すぎると極端な粘度変化を
引き起こしてしまい、成形が困難になってしまうことに
よる。
【0025】上記のようにして得られたペレットを、次
に、圧縮成形により浴槽を成形する工程について説明す
ると、先ず、上記PET組成物のペレットを、1軸押出
機へ供給する。なお、この1軸押出機では、成形時にお
ける加水分解を少なくするため再び乾燥(ベント)する
ことが好ましいが、しかしながら、このベントは乾燥が
十分ならば必要はない。
【0026】1軸押出機(ベント有)では、上記PET
組成物を樹脂温度270℃〜290℃で溶融し(S30
0)、これをプレス成形機の金型内に流し込んで供給し
(S400)、プレス成形機により浴槽を成形し、同時
に、結晶化する(S500)。なお、この時、一般的な
成形においては金型の加熱は行わないが、ここでは金型
の加熱を行う。一例として、このプレス成形時の条件と
しては、金型温度145℃、成形圧力100kg/cm
2、成形時間5分であった。
【0027】また、この金型の加熱温度としては、上記
PET組成物の熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移
温度以上(70℃以上であればよい)にすることによ
り、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂とを十分
に反応させることが出来ることから、70℃以上に設定
することが好ましい。これは、以下にも述べる押出機や
射出機においても、上記熱可塑性ポリエステル樹脂とエ
ポキシ樹脂とは溶融して反応を起こすが、しかしなが
ら、その滞留時間は短く、反応は十分に完了しない場合
がある。そこで、上記のように金型を加熱することによ
り、この金型内でも反応が継続して十分に反応を完了さ
せる。ここでは、特に、配合量の多い熱可塑性ポリエス
テル樹脂の反応性を高めることが出来る。
【0028】また、1軸押出機によりPET組成物を溶
融する際、同時に、使用目的に応じた添加剤、例えば顔
料、熱安定剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、結晶核
剤、結晶化促進剤などを添加することも可能である。さ
らに、成形法については、上記の例ではプレス成形(圧
縮型)法についてのみ示したが、本発明はこれのみに限
定されることなく、その他、例えば射出成形、射出圧縮
成形、押出成形であっても構わないことは言うまでもな
い。また、この段階で、上記の組成成分になるように希
釈することも可能である。
【0029】次に、上記のようにして得られた成形体
(すなわち、浴槽)について、その必要な特性を満足し
ている否かを確認するため、以下の試験を行った。
【0030】・シャルピー衝撃試験:この試験では、得
られた成形体から試験片を切断加工し、イニシャルと9
8℃の温水に浸漬し、20日後に、その衝撃値を測定し
た。なお、JISによる浴槽性能から、成形品として浴
槽を想定した場合、45℃で10年使用する為には、9
8℃×20日で、シャルピー衝撃値が20[kj/
2]以上必要である。また、その試験方法は、JIS-
K-7111に準じた。ただし、切欠き(ノッチ)なし
で行った。
【0031】その結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0032】上記(表1)からも明らかなように、本発
明の実施例1〜9では、98℃×20日処理後において
も、シャルピー衝撃値が20[kj/m2]以上の測定
値が得られ、比較例1〜5に比較すると、加水分解によ
る強度の低下を抑制して、より優れた耐加水分解性が得
られることが分かる。
【0033】・変色試験:なお、この試験では、以下の
2種の試験を行った。なお、浴槽としては、色差(ΔΕ
≦5)ならば規格を満たすものである。 サンシャインウェザメータ JIS-A-1415に準じ、試料の促進暴露を行った。
ただし、条件としては、サンシャインカーボンを使用
し、ブラックパネル温度60℃、120分中18分スプ
レーである。そして、イニシャルと100時間後の色差
(ΔΕ)を、色差計にてJIS-K-7105に準じて測
定した。
【0034】温水 この温水試験では、イニシャルと98℃×20日浸漬後
の色差(ΔΕ)を、やはり、上記のJIS-K-7105
に準じて測定した。
【0035】上記の試験の結果、以下の表2に示す結果
が得られた。
【表2】
【0036】上記(表2)からも明らかなように、本発
明の実施例1〜7では、サンシャインウェザメータ10
0時間後の色差(ΔΕ)、及び、98℃×20日浸漬後
の色差(ΔΕ)の値はいずれも5以下の測定値が得ら
れ、比較例1及び2に比較し、変色が抑制されているこ
とが分かる。
【0037】なお、上述の例では、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)についてのみ説明したが、本発明ではこれのみに限
定されず、さらに、例えば、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンナフタレート等を使用すること
が可能である。
【0038】また、上述の例では成形体としては浴槽に
ついてのみ説明したが、本発明ではこれのみに限定され
ず、更に例えばカウンター、床パン等の水廻り製品にも
使用することが可能である。また、この技術はリサイク
ル品にも有用である。
【0039】以下の(表3)に、廃PETボトルを再生
した本発明の実施例10では、98℃×20日処理後に
おいても、シャルピー衝撃値が28[kj/m2]以上
の測定値が得られ、比較例6,7に比較すると、加水分
解による強度の低下を抑制して、より優れた耐加水分解
性が得られることが分かる。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明になる熱可塑性組成物によれば、浴槽として
必要な特性である耐加水分解性の向上に加えて、長期耐
熱水性を十分満足し、しかも、温水や紫外線による変色
も小さな、浴槽の材料としても使用することが可能な熱
可塑性ポリエステル樹脂を提供することが可能になる。
【0042】また、上述の本発明になる熱可塑性組成物
の形成方法によれば、金型内でも、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂とエポキシ樹脂とを十分反応させることが可能と
なり、これを利用した成形体、特に浴槽によれば、耐熱
性の向上と熱変形温度の向上を図り、煮沸しても外観の
変化が少なく、表面硬度が向上し、更に、耐汚染性や外
観を向上し、その外観も大理石調の美観にも優れた浴槽
を得ることが可能になるり、リサイクル品にも有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるポリエチレンテレフ
タレートを用いた浴槽の形成方法を説明するフロー図。
【図2】上記浴槽の形成方法の溶融混練において使用す
る押出機の一例を示す図。
【符号の説明】
10…2軸押出機(同方向回転2軸スクリュー式)、2
0…冷却水槽、30…ペレタイザー、

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂と、平均エポ
    キシ当量が80〜1000であるエポキシ樹脂と、前記
    エポキシ樹脂で使用される硬化促進剤とを含有し、か
    つ、前記エポキシ樹脂が前記熱可塑性ポリエステル樹脂
    100重量部に対し0.1〜10重量部、前記硬化促進
    剤が前記エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜1
    0重量部の範囲で配合されていることを特徴とする熱可
    塑性組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂と、カルボジ
    イミド化合物と硬化促進剤とを含有し、かつ、前記カル
    ボジイミド化合物が前記熱可塑性ポリエステル樹脂10
    0重量部に対し0.1〜10重量部、前記硬化促進剤が
    前記カルボジイミド化合物に対して0.1〜10重量部
    の範囲で配合されていることを特徴とする熱可塑性組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の熱可塑
    性組成物において、前記熱可塑性ポリエステルが、ポリ
    エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリエチレンナフタレート樹脂の何れかであること
    を特徴とする熱可塑性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の熱可塑性組成物におい
    て、前記エポキシ樹脂がオルソクレゾールノボラック型
    エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹
    脂またはトリアジン系エポキシ樹脂であることを特徴と
    する熱可塑性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の熱可塑
    性組成物において、前記硬化促進剤がホスホニウム塩、
    DBUの有機酸塩またはジメチルウレア化合物若しくは
    これらの混合物であることを特徴とする熱可塑性組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の熱可塑性組成物を成形
    する方法であって、成形に用いる金型の温度を、当該熱
    可塑性組成物を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂のガ
    ラス転移温度以上に加熱することを特徴とする熱可塑性
    組成物の成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の熱可塑性組成物の成形
    方法において、成形時に結晶化を行うことを特徴とする
    熱可塑性組成物の成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の熱可塑
    性組成物の成形方法にて成形される成形体であって、こ
    の成形体は浴槽であることを特徴とする熱可塑性組成物
    からなる成形体。
JP29528097A 1997-03-25 1997-10-28 熱可塑性組成物、熱可塑性組成物の成形方法、熱可塑性組成物からなる成形体 Pending JPH10324736A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203801A1 (ja) * 2013-06-17 2014-12-24 オーケー化成株式会社 模様形成用樹脂組成物
WO2015072216A1 (ja) 2013-11-18 2015-05-21 東レ株式会社 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物および成形品

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