JPH10324702A - ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマー、その製造および使用 - Google Patents

ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマー、その製造および使用

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JPH10324702A
JPH10324702A JP10134023A JP13402398A JPH10324702A JP H10324702 A JPH10324702 A JP H10324702A JP 10134023 A JP10134023 A JP 10134023A JP 13402398 A JP13402398 A JP 13402398A JP H10324702 A JPH10324702 A JP H10324702A
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heparin
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Guenter Wulff
ヴルフ ギュンター
Christine Dr Anders
アンデルス クリスティアーネ
Susanne Bellmann
ベルマン ズザンネ
Achim Brock
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Huels AG
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    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマ
ー、その製造および医学的用途への使用。 【解決手段】 式I: 【化1】 〔式中、R1は、いずれも独立して、水素またはメチル
基、R2は、架橋要素、およびAは、硫酸化ポリオール
基、ポリアミン基または(ポリ)アミン(ポリ)オール
基を表し、これは、場合によれば1種またはそれ以上の
アセタール化またはアミナール化したカルボニル官能基
を有している〕の反復単位を有するヘパリン類似ホモポ
リマーまたはコポリマーにより解決される。 【作用】 血液と接触する物体の被覆に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘパリン類似、硫
酸化モノマーを有するホモポリマーまたはコポリマー、
これらのホモポリマーまたはコポリマーの製造方法なら
びに医学的用途へのこれらの利用に関する。本発明は、
さらに、ヘパリン類似ポリマーの製造のための中間製品
としての硫酸化モノマーならびにその前段階物質にも関
する。
【0002】
【従来の技術】
1.従来の技術 ヘパリンとして、分子量約17000を有しO−硫酸化
およびN−硫酸化されているD−グルコサミンおよびD
−グルクロン酸から成る公知のグリコサミノグリカン
(あるいはムコ多糖体)が呼ばれでいる。D−グルコサ
ミンおよびD−グルクロン酸は、いずれも1,4−グリ
コシド結合の二糖類下部構成単位を構成し、これらはさ
らに分子量に相当する数が1,4−グリコシド性に結合
してヘパリンとなる。ヘパリンは、抗凝血剤として作用
し、血液の凝固を阻止する。薬剤として、ヘパリンは、
血栓塞栓症の治療および予防に、多くの場合に水に易溶
性ナトリウム塩の形で使用されている。ヘパリンはしば
しばポリマー上に吸着させ、このような「無毒化」され
たポリマーは、医学的利用の際に血液と接触する物品、
例えば心臓弁、カテーテル、内視鏡およびドレナージ管
に好適である。しかし、多くは、血液がポリマー材料と
接触するような手術の場合であり、予防的にヘパリンを
血液に直接付加える場合である。
【0003】
【発明の構成】
2.本発明によるヘパリン類似ポリマー 本発明により、式I:
【0004】
【化12】
【0005】〔式中、R1は、いずれも独立して、水素
またはメチル基、R2は、架橋要素、およびAは、硫酸
化ポリオール基、ポリアミン基または(ポリ)アミン
(ポリ)オール基を表し、これは、場合によれば1種ま
たはそれ以上のアセタール化またはアミナール化したカ
ルボニル官能基を有している〕の反復単位を有するヘパ
リン類似ホモポリマーまたはコポリマーを提供する。
【0006】式Iの反復単位中で、R1は有利には水素
を表す。
【0007】架橋要素R2は、有機または無機性であっ
てもよく、かつ有利にはO、S、SO、SO2またはN
R’〔式中、R’は、炭素原子1〜12個を有する炭化
水素基を表す〕、二価有機基、殊には炭素原子10個以
下を有する脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基、カ
ルボンエステル架橋−O−CO−、カルボンアミド架橋
−NR’−CO−またはウレタン架橋−O−CO−N
R’−〔式中、R’は上記のものを表す〕、またはC−
C−単結合を表す。
【0008】基Aは、少なくとも2個のヒドロキシル基
および/またはアミノ基および有利には2〜8個、殊に
は5個または6個の炭素原子を有する化合物から誘導さ
れ、少なくとも1個の−O−SO3−M+(O−スルフェ
ート基)または−NH−SO 3−M+(Nスルフェート基
またはアミドスルフェート基)を有し〔式中、Mは、ア
ルカリ金属イオン、殊にはナトリウムイオンを表す〕、
かつ場合によれば追加して少なくとも1個、有利には1
個または2個のカルボニル官能基を有し、これはテトラ
ヒドロフラン環ならびにピロリジン環(いずれも5員
環)またはピラン環ならびにペンタメチレンイミン環
(いずれも6員環)を形成して分子内でアセタール化ま
たはアミナール化されている。
【0009】基Aを誘導できる化合物には、なかでもエ
チレングリコール、エチレンジアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ネオペンチルグリコール、グ
リセリン、グリセリンアルデヒド、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリトリトール、エリトロース、エリトリ
トール、トレオース、トレイトール、ヘプタノース、ヘ
プチトール、オクタノース、オクチトール、ならびに殊
には炭素原子5個または6個を有する単糖類(ペントー
スまたはヘキソース)およびアルデヒド基またはケト基
を有する単糖類(アルドースまたはケトース)ならびに
これらに従属する糖アルコール(ペンチトールまたはヘ
キシトール)が挙げられる。
【0010】本発明によるヘパリン類似ホモポリマーま
たはコポリマーは、有利には、膜浸透法で測定して分子
量5000〜1500000、殊には50000〜80
0000を有する。これらは、ヘパリンと同様に利用で
き、かつ殊には医学的用途のためのポリマーから成る対
象物の被覆に好適である。これらの一部は、ヘパリン自
体よりも強い抗凝血作用を有する。トロンビン時間(T
Z)および血液凝固時間(PTT=部分トロンボプラス
チン時間)は、従って長くなる。その上、本発明による
ヘパリン類似ポリマーの抗凝血作用は、ヘパリンよりも
長く継続する。明らかに、この新規のポリマーは、非生
理学的物質であって、ヘパリナーゼによる分解は困難で
あり、これはポリマー鎖の基Aの非グリコシド性結合に
起因すると考えられる。これとは反対に、ヘパリンのグ
リコシド結合は、容易に分解できる。
【0011】ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマ
ーは、すでに特性基R2およびAを有するモノマーまた
はコモノマーの重合により構成できる。あるいは、好適
なポリマーを後から目的に沿って変化させてもよい。す
なわち、(例えばアセトンを用いるケタール化により)
保護されている反復単位を有するポリマーを脱保護し、
その後、硫酸化してもよい。基R2およびAを有するモ
ノマーの重合は、良好な収率および純粋な生成物が得ら
れる巧みな方法であり、従って有利である。基Aが誘導
される化合物からの新規のモノマーの製造は、自体公知
で以下に説明する反応により実行できる。この製造は、
一部は、一貫して良好な収率が得られるかなり多数の段
階を通って行われる。特別な有利さは、中間生成物を精
製する必要がなく、かつモノマーも本発明によるホモポ
リマーまたはコポリマーへの粗生成物としていかなる欠
点もなく重合できることにある。
【0012】3.新規のヘパリン類似ホモポリマーまた
はコポリマーのためのモノマー 新規のヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマーの反
復単位Iは、式II:
【0013】
【化13】
【0014】〔式中、R1、R2およびAは、有利なもの
も含み式Iに記載のものを表す〕の新規のモノマーに相
当する。
【0015】3.1 ペンチトールまたはヘキシトール
から誘導されるモノマー 有利なモノマーの種類は、(式IIに含まれる)式II
I:
【0016】
【化14】
【0017】〔式中、R1およびR2は、有利なものも含
み上記のものを表し、R3は、OまたはNH、R4は、水
素または基−SO3−Na+を表し、かつnは、4または
5を表し、ただし、少なくとも1個の置換基R4は基−
SO3−Na+である〕に相当する。
【0018】モノマーIIIの中で、R2は有利には炭
素原子1〜4個を有するアルキレン基、フェニレン基ま
たはC−C−単結合を表す。
【0019】モノマーIIIに式IIIa:
【0020】
【化15】
【0021】〔式中、R1、R2、R3、R4およびnは、
有利なものも含み式IIIに記載のものを表す〕の反復
単位が相当する。
【0022】式IIIおよび式IIIaにより、炭素鎖
の置換基は、立体化学的には束縛されない。記載の表示
は、フィッシャー投影には相当しない。
【0023】モノマーIII(および反復単位III
a)は、基A(式IIによる)として、ペントース、例
えばアラビノースまたはヘキソースに再び戻るペンチト
ールまたはヘキシトールから誘導された基を有する。こ
れらの基は、少なくとも1個の基−O−SO3−Na
+(O−スルフェート)または−HN−SO3−Na
+(N−スルフェート)を、有利には基R2に隣接して有
する。これらは、5個(ペンチトール)ならびに6個
(ヘキシトール)以下のスルフェート基を有していても
よく、有利にはこの基1〜4個を有する。同じ基の中に
O−スルフェート基およびN−スルフェート基が同時に
存在していてもよく、その際、有利にはN−スルフェー
ト基が基R2に隣接して位置する。あるいは、基は一種
類のこれらの基のみ、例えばO−スルフェート基のみを
有していてもよい。
【0024】3.1.1 ペンチトールから誘導される
モノマーIII モノマーIIIの製造を、D−グルコノ−1,5−ラク
トンから出発してペントース、例えばD−アラビノー
スから誘導されるモノマーIIIへの誘導の特定の場合
に関して記載する。しかし、専門家は、この方法を容易
に他の好適な原料に適用できる。
【0025】第一段階において、ラクトンのヒドロキ
シル基をアセタール化、例えばアセトンを用いて保護
し、同時に(環状)ラクトンをメタノールを用いて(開
鎖状)メチルエステルに変換する。メチル−3,4;
5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコナート
およびメチル−2,3;5,6−ジ−O−イソプロピ
リデン−D−グルコナートから成る異性体混合物が得
られる。この混合物を第二段階において、例えば水素化
アルミニウムリチウムを用いて還元して、これによりカ
ルボンエステル官能基がカルビノール官能基となる。再
び、異性体混合物、すなわち、3,4;5,6−ジ−O
−イソプロピリデン−D−ソルビットおよび2,3;
5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−ソルビット
が得られる。第三段階において、この異性体混合物を酸
化剤、例えば過ヨウ素酸ナトリウムを用いて炭素鎖を開
裂して単一の化合物であるアラビノースアルデヒド
2,3;4,5−ジ−O−イソプロピリデンアルデヒド
−D−アラビノースに酸化する。引き続く第四段階に
おいて、例えば塩化4−ビニルフェニルマグネシウムを
用いるグリニャール反応により、ビニル官能基を導入す
る。部分保護4−ビニルフェニルペンタペンタオール、
2,3;4,5−ジ−O−イソプロピリデン−1−(4
−ビニルフェニル)−D−グルコ(D−マンノ)ペンチ
トールが得られ、これは以下に略してアラスティと呼
ぶ。
【0026】これら1〜4の各段階は、下記の反応式を
示す図により表される。
【0027】
【化16】
【0028】段階1〜3(すなわち化合物まで)の反
応経過は、レーゲリンクら(H. Regeling er al., Recl.
Trav. Chim. Pays-Bas 1987 (106)461)およびジャクソ
ン(D.Y.Jackson, Synth. Commun. 1988(18) 337)に記載
されている。段階4(化合物へ)は、ヴルフら(G. Wu
lff et al., Macromol. Chem. Phys. 1996 (197)1285)
で始めて公開された。
【0029】アミノ基を1位置に有するアラスティ
相当する化合物の製造のために、第一段階においてアラ
スティを相当するケトン(2,3;4,5−ジ−O−イ
ソプロピリデン−D−アラビノ)−(4−ビニルフェニ
ル)−ケトンに酸化してもよい。これを第二段階にお
いて還元して1−アミノ−1−デスオキシ−2,3;
4,5−ジ−O−イソプロピリデン−1−(4−ビニル
フェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトール
に変換する。この反応連鎖は、下記の反応式を示す図
により説明される。
【0030】
【化17】
【0031】第一段階において、アラスティは、例え
ば塩化オキサリルとジメチルスルホキシドを用いて、温
度−50℃以下、不活性溶剤中で酸化できる。第二段階
における還元的アミノ化は、有利には反応試薬としてシ
アノヒドロホウ酸ナトリウムを還元剤として用いて、酢
酸アンモニウムの存在下、溶剤中で水を遮断して室温に
おいて達成される。
【0032】ヘパリンは、非保護ヒドロキシル基を有
し、かつO−硫酸化およびN−硫酸化されている。従っ
て、化合物およびは、第一段階で脱保護(脱アセタ
ール)され、第二段階でO−硫酸化またはN−硫酸化さ
れ、これによりこれから製造されたポリマーは、可能な
限りヘパリンに近い。脱保護は、ケタールが安定ではな
い酸性媒体中で起きる。保護された化合物を、例えば希
鉱酸または酸性イオン交換体と一緒に加熱すると、
ら1−(4−ビニルフェニル)−D−グルコ(D−マン
ノ)−ペンチトール10、およびから1−アミノ−1
−デスオキシ−1−(4−ビニルフェニル)−D−グル
コ(D−マンノ)−ペンチトール11が得られる。脱保
護および引き続く硫酸化は、下記の反応式を示す図で表
される。
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】両方の化合物10および11は、有利には
三酸化硫黄−ピリジン−錯体を用いて硫酸化される。あ
らかじめ行った脱アセタール化のために、硫酸化の際に
は、特定の位置に1個または数個のスルフェート基を有
する単一の生成物とはならない。しかし、第一級ヒドロ
キシル基およびアミノ基が優先して硫酸化されるといわ
れている。三酸化硫黄のヒドロキシル基ならびにアミノ
基に対する好適なモル比の選定により、硫酸化度を制御
できる。有利には、平均して1個より多いスルフェート
基が分子当たりに導入されるが、これはヘパリンがスル
フェート基約2.7個を二糖類単位当たりに有する(モ
ノマーI分子当たりの1.35スルフェート基に相当)
からである。脱保護したアミン化合物11の硫酸化によ
り、同時にO−スルフェート基およびN−スルフェート
基を分子中に得て、これは目的とするヘパリン類似体に
関しては望ましいものである。
【0036】硫酸化は、早すぎる重合を避けるために、
有利には室温で実施される。長めの反応期間、例えば1
00時間以下により、反応は、すべてのOH基ならびに
NH 2 基の完全な変換となるまで行うことができる。溶
剤としては、例えば過剰のピリジンまたはエーテル、例
えばテトラヒドロフランが使用できる。反応生成物のス
ルフェート基が酸に不安定なので、三酸化硫黄−ピリジ
ン−錯体の添加前の原料溶液に、水と結合性の物質、例
えばモレキュラーシーブの添加が推奨される。同じ理由
から、反応の終了後に、反応混合物を先ず水、その直後
に塩基を添加(pHをアルカリ性範囲に維持する)して
加水分解することが推奨される。好適な塩基は、例え
ば、硫酸イオンを同時に析出させる飽和水酸化バリウム
溶液である。過剰のバリウムイオンは、例えば、場合に
よれば注意して溶剤を除去して濃縮した後に、二酸化炭
素の導入により沈殿させることができる。炭酸バリウム
を濾別し、バリウムイオンをナトリウムイオンと交換す
るために、濾液をNa+ 形のイオン交換カラムに通す
か、あるいはイオン交換体を用いて処理する。さらに濃
縮した溶液から、冷凍乾燥により、生成物、O−硫酸化
1−ヒドロキシ−1−デスオキシ−1−(4−ビニルフ
ェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトール
ならびにN−硫酸化およびO−硫酸化1−アミノ−
(4−ビニルフェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−
ペンチトール13が、いずれもナトリウム塩の形で粉末
状固体として得られる。
【0037】3.1.2 ヘキシトールから誘導される
モノマーIII このモノマーの製造は、この場合にも、D−グルコノ−
1,5−ラクトンから出発し、形式的にヘキソース、
すなわちD−グルコースから誘導される二種類のモノマ
ーが得られる別の特定の場合を記載する。しかし、専門
家は、この方法を直ちに他の好適な原料に適用し、他の
本発明によるモノマーを製造できる。
【0038】D−グルコノ−1,5−ラクトンを、先
ず第二級アミンとアセトンを酸性媒体中で用いるワンポ
ット反応により、3,4;5,6−ジ−O−イソプロピ
リデン−D−グルコン酸ジエチルアミド14および2,
3;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコン
酸ジエチルアミド15の位置異性体混合物に変換する。
この混合物からグリニャール反応により、塩化フェニル
マグネシウムを用いて、3,4;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−ケト−D
−グルコース16および2,3;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−ケト−D
−グルコース17から成る異性体混合物が得られる。
【0039】異性体混合物1617を、例えば水素化
ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムを
用いて水添(または還元)し、これにより、二種の位置
異性ジアステレオマーの対、3,4;5,6−ジ−O−
イソプロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−D−
グリセロ−D−グロ(D−イド)−ヘキシトールおよび
2,3;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−1−(4
−ビニルフェニル)−D−グリセロ−D−グロ(D−イ
ド)−ヘキシトール20が得られる(下記の反応式を表
す図には記載していない)。これは酸性媒体中で脱保護
でき、これにより1−(4−ビニルフェニル)−D−グ
リセロ−D−グロ(D−イド)−ヘキシトール21が生
成する。硫酸化、例えば上記のように三酸化硫黄−ピリ
ジン−錯体を用いて、これからモノマーIIIである硫
酸化生成物22が得られる。
【0040】あるいは、異性体混合物1617を例え
ばシアノヒドロホウ酸ナトリウムおよびアンモニウム塩
を用いてアミノ化水添(または還元)できる。これによ
り二種類の位置異性体のジアステレオマーの対、1−ア
ミノ−1−デスオキシ−3,4;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−D−グリ
セロ−D−グロ(D−イド)−ヘキシトールおよび1−
アミノ−1−デスオキシ−2,3;5,6−ジ−O−イ
ソプロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−D−グ
リセロ−D−グロ(D−イド)−ヘキシトール23(下
記の反応経路には記載していない)が得られる。この場
合にも、これらは酸性媒体中で脱保護でき、これによ
り、1−アミノ−1−デスオキシ−1−(4−ビニルフ
ェニル)−D−グリセロ−D−グロ(D−イド)−ヘキ
シトール24が得られる。これは、上記のように、硫酸
化生成物25に硫酸化され、これは同様にモノマーII
Iである。
【0041】両方の変法において、水添ならびにアミノ
化水添と、脱保護の順序は反対にしてもよい。
【0042】上記の反応系列は、下記の反応式を示す図
により表されるが、その際、中間段階20および23
記載していない。
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】3.1.3アセタール化またはアミナール
化したカルボニル官能基を有するモノマー この種類の有利なモノマーは、(式IIに含まれる)式
IV:
【0046】
【化22】
【0047】〔式中、R1、R2、R3、R4およびnは、
有利なものも含み、上記式IIIに記載のものを表し、
ただし、(1)分子当たり少なくとも1回は、有利には
分子当たり1回または2回、同じ炭素原子に結合してい
る置換基Hおよび−R3−R4がその炭素原子と一緒にカ
ルボニル官能基C=Oを形成し、これはヒドロキシル官
能基ならびにアミノ官能基を介してカルボニル基に関し
て3位にテトラヒドロフラン環ならびにピロリジン環を
形成、またはヒドロキシル官能基ならびにアミノ官能基
を介してカルボニル基に関して4位にピラン環ならびに
ペンタメチレンイミン環を形成するように分子内でアセ
タール化ならびにアミナール化されており、かつ(2)
少なくとも1個の置換基R4は、基−SO3−Na+であ
る〕に相当する。
【0048】モノマーIVは、(コ)ポリマー中で、式
IVa:
【0049】
【化23】
【0050】〔式中、R1、R2、R3、R4およびnは、
有利なものも含み式IIIに記載のものを表し、かつ式
IVの限定条件も該当する〕の反復単位に相当する。
【0051】モノマーIVも、明らかに式IIIに相当
するが、しかし、限定条件(1)がモノマーIIIとは
異なる。モノマーIVは、ペントース(n=4)または
ヘキソース(n=5)から誘導される。これらは、硫酸
化されたアルドースまたケトースであって、これらの両
者共にそのアセタールならびにアミナールの形で存在し
ていてもよい。式IVは、この場合にも、炭素鎖の実際
の立体化学的関係を表しているわけではなく、モノマー
IVが誘導されるペントースまたはヘキソースが存在す
るあらゆる立体異性体形を含む。
【0052】モノマーIVは、例えば、先ず3.1.2
項に記載のようにして処理して製造できるが、しかし、
異性体混合物1617から、酸性媒体中での脱保護に
より単一の生成物、すなわち、1−(4−ビニルフェニ
ル)−ケト−D−グルコース18が製造される。これ
は、そのアセタール形で硫酸化、この場合にも例えば三
酸化硫黄−ピリジンを用いて、硫酸化化合物19に変換
され、これはモノマーIVである。段階の経過は、下記
の反応式を示す図に記載する。
【0053】
【化24】
【0054】本発明による他のモノマーIVは、先ず、
まだ分子間アセタール化(アセトン使用)により保護さ
れており、かつスルフェート基を有しないモノマーから
出発して製造できる。ケトヘキソースから誘導されるス
ルフェート基を有しない非保護モノマーの製造は、例え
ば1−(4−ビニルフェニル)−D−マンノ(D−グル
コ)−ヘキスロ−2,6−ピラノース27が記載されて
いる。さらに、アセトン保護2,3;4,5−ジ−O−
イソプロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−D−
マンノ(D−グルコ)−ヘキスロ−2,6−ピラノース
26から出発する。その製造は、ヴルフら(G. Wulff,
J. Schmidt, T.P. Venhoff, Macromol. Chem. Phys. 19
7, 1285 (1996))に記載されている。アルドヘキソース
から誘導される、スルフェート基を有しないモノマーの
製造の例は、6−(4−ビニルフェニル)−D−グリセ
ロ(L−グリセロ)−α−D−ガラクトピラノース30
の合成である。出発物質は、この場合に1,2;3,4
−ジ−O−イソプロピリデン−6−(4−ビニルフェニ
ル)−D−グリセロ(L−グリセロ)−α−D−ガラク
トピラノース29であり、その製造も同様に、上記のヴ
ルフら(G. Wulff, J.Schmidt, T.P. Venhoff)が記載し
ている。ヒドロキシル基の脱保護は、両方の場合、不活
性溶剤、例えばアルコール中で酸性イオン交換体を用
い、温和に高い温度、例えば50〜100℃において、
有利には不活性雰囲気中、かつ酸化防止剤の存在下で行
える。
【0055】まだスルフェート基を有しないモノマー
および30(R4はいずれもH)から、硫酸化によ
り、これらの完全またな部分的に硫酸化された(R=S
3−Na+)誘導体が製造できる。例えば、この場合に
も、三酸化硫黄−ピリジン−錯体を用い、早すぎる重合
を避けるために有利には室温で操作する。しかし、長め
の時間の後に反応は完了する。硫酸化度は、三酸化硫黄
のヒドロキシル基に対する適切なモル比の選定により決
定される。
【0056】モノマーIV28および31の製造は、下
記の反応式を示す図により表される。
【0057】
【化25】
【0058】
【化26】
【0059】4.モノマーII、IIIおよびIVの新
しい前段階物質 スルフェート基を有するモノマーII、IIIおよびI
Vのためのスルフェート基を有しない前段階物質も、上
記のように、硫酸化してスルフェート基を有するモノマ
ーII、IIIおよびIVが生成する新規の物質であ
る。例外は、1−(4−ビニルフェニル)−D−グルコ
(D−マンノ)−ペンチトール〔シュミット(J. Scmid,
Dissertation Universitaet Duesseldorf 1993); フェ
ンホフ(T.Venhoff, Dissertation Universitaet Duesse
ldorf 1993)〕、6−(4−ビニルフェニル)−D,L
−グリセロ−α,β−D−ガラクトピラノース〔フェン
ホフ(T. Venhoff, Dissertation Universitaet Duessel
dorf 1993)〕、1−(4−ビニルフェニル)−D−マン
ノ(D−グルコ)−ヘキスロ−2,6−ピラノース〔デ
ィーデリックス(H. Diederichs, Dissertation Univers
itaet Duesseldorf 1996) 〕および1−ビニル−β−D
−フルクトピラノース〔フェンホフ(T. Venhoff, Disse
rtation Universitaet Duesseldorf 1993)〕である。新
規の前段階物質は下記の式で表される。
【0060】
【化27】
【0061】〔式中、R1およびR2は、式IIに記載の
ものまたは有利なものを表し、かつ、A’は、硫酸化さ
れていないポリオール基、ポリアミン基または(ポリ)
アミン(ポリ)オール基を表し、これらは、場合によれ
ば1種またはそれ以上のアセタール化またはアミナール
化カルボニル官能基を有する〕;
【0062】
【化28】
【0063】〔式中、R1、R2、R3およびnは、有利
なものも含み式IIIに記載のものを表す〕;
【0064】
【化29】
【0065】〔式中、R1、R2、R3およびnは、式I
Vに記載のものならびに有利なものを表し、ただし、分
子当たり少なくとも1回、有利には分子当たり1回また
は2回、同じ炭素原子に結合している置換基Hおよび−
3−Hがその炭素原子と一緒にカルボニル官能基C=
Oを形成し、これはヒドロキシル官能基ならびにアミノ
官能基を介してカルボニル基に関して3位にテトラヒド
ロフラン環ならびにピロリジン環を形成、またはヒドロ
キシル官能基ならびにアミノ官能基を介してカルボニル
官能基に関して4位にピラン環ならびにペンタメチレン
イミン環を形成するように分子内でアセタール化ならび
にアミナール化されている〕 5.ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマーの製造 新規のヘパリン類似ポリマーは、有利にはモノマーI
I、IIIおよび/またはIVの重合または共重合によ
り製造される。ポリマーは、例えば、反復単位I、II
IaまたはIVaのみをただ一種類の種として有するこ
とができ、例えば式IIIaの反復単位として、平均
2.5個のO−スルフェート基を有する。この場合、な
らびに相当する場合に、ホモポリマーである。しかし、
反復単位IIIaは、2種類またはそれ以上の種類から
成る混合物として成っていてもよく、例えば上記の種類
およびR2に隣接してN−スルフェート基1個およびさ
らに平均1〜3個のO−スルフェート基を有する。この
場合に、ポリマーはコポリマーである。種々の種類のモ
ル比は、広い範囲内に変化してもよい。例えば、反復単
位IIIaが、O−スルフェート基のみを有する種類な
らびにN−スルフェート基のみを有する種類および場合
によれば別のO−スルフェート基から成っている場合
に、これは100:0から0:100であってもよい。
より狭く実証された範囲は、20:1〜1:20であ
る。
【0066】1種またはそれ以上のモノマーII、II
IまたはIVを他のスルフェートを有しないコモノマー
V、VI、VII、VIIIまたはIXと共重合させで
も、コポリマーが生成する。
【0067】好適なコモノマーVIIIは、一般式VI
II:
【0068】
【化30】
【0069】〔式中、R1およびR2は、有利なものを含
み式IIIに記載のものを表し、R5は、水素、メチル
基または基−R2−COOR6、かつR6は、水素または
アルカリ金属イオン、殊にはナトリウムイオンを表す〕
に相当する。
【0070】コモノマーVIIIは、式VIIIa:
【0071】
【化31】
【0072】〔式中、R1、R2、R5およびR6は、式V
IIIに記載のものを表す〕の反復単位に導く。
【0073】コモノマーVIIIは、エチレン性不飽和
モノカルボン酸またはジカルボン酸またはこれらのカル
ボキシレート、すなわちこれらのアルカリ金属塩、殊に
はナトリウム塩である。好適なモノマーVIIIの例
は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、4−ビニル安息
香酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルサルチル酸、イタ
コン酸、ビニル酢酸、ケイ皮酸、2−ビニル安息香酸、
4−ビニル安息香酸、メチルマレイン酸、ジメチルフマ
ル酸、メチルフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸および
アリル酢酸またはこれらのナトリウム塩である。コモノ
マーVIIIの代わりに、その官能基が重合の後にカル
ボキシル基またはカルボキシレート基に変換できる誘導
体も共重合できる。このような基としては、アルデヒド
基、カルボンエステル基、無水カルボン酸基、およびカ
ルボニトリル基が挙げられる。コモノマーVIIIおよ
びこれらの上記の誘導体は、コポリマーのヘパリン類似
性質に関して有利なコモノマーである。この場合にも、
種々の種類のコモノマーVIII、例えばモノカルボン
酸およびジカルボン酸を共重合できる。カルボキシル基
および/またはカルボキシレート基のO−スルフェート
基および/またはN−スルフェート基に対するコポリマ
ー中でのモル比は、広い範囲、例えば100:1〜1:
100に変化できるが、有利にはこの場合にも20:1
〜1:20である。
【0074】コモノマーIXとして、スルフェート基
も、またカルボキシル基またはカルボキシレート基も有
していないで、かつヘパリン類似コポリマーの性質を望
ましい方向に変性するビニルモノマーを意味する。すな
わち、親水性化したコノモノマーIXまたは他のコモノ
マーIXから由来する反復単位IXaが存在していても
よく、これはヘパリン類似コポリマーと被覆するべき基
体ポリマーとの許容性、従ってその上への接着性を改善
することができる。好適なコモノマーIXとしては、例
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブ
タジエン、C5−アルキレンおよびC6−アルキレン、ス
チレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、アセチレン、アクロレイン、
(メタ)アクリル酸エステル、塩化アリル、シンナマー
ト、クロトナート、N−ビニルイミダゾール、マレイン
酸イミド、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルスクシンイミド、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよ
びビニルブチルエーテルならびにビニルメチルケトンお
よびビニルエチルケトンが挙げられる。別の反復単位が
存在する場合には、反復単位IおよびIIの和に対する
その割合は、通常90モル%以下、殊には70モル%以
下である。ヘパリン類似ポリマーの分子量に関し、また
反復単位I、IIa、IIIaおよび/またはIVaの
種々の種のモル比に関し、ならびにカルボキシル基およ
び/またはカルボキシレート基のO−スルフェート基お
よび/またはN−スルフェート基に対する割合に関する
上記の記載は、別の反復単位を有するコポリマーに対し
ても該当する。
【0075】モノマーII、IIIおよび/またはI
V、場合によればII、IIIおよび/またはIVの2
種類またはそれ以上、ならびに場合によればコモノマー
VIIIおよび/またはIXは、公知の方法で重合でき
る。すなわち、モノマー22、25または31から、ヘ
パリン類似ホモポリマーが製造できる。コポリマーの製
造のためには、例えばモノマーIとして化合物12およ
びモノマーVIIIとしてメタクリル酸ナトリウム、マ
レイン酸ナトリウムおよび/または4−ビニル安息香酸
ナトリウムが使用できる。あるいは、化合物13から出
発しても、同じモノマーVIIIを使用できる。著しく
良好なヘパリン類似作用は、いずれもスルフェート基1
〜4個を分子当たりに有する化合物12および13およ
びモノマーVIII、例えば4−ビニル安息香酸ナトリ
ウムを共重合させて得られる。上記のように、カルボキ
シル基および/またはカルボキシレート基のO−スルフ
ェート基および/またはN−スルフェート基に対する上
記のモノマー中ならびに相当する反復単位中の割合は、
広い範囲に変化でき、例えば1:100〜100:1、
殊には20:1〜1:20であってもよい。またO−ス
ルフェート基のN−スルフェート基に対するモル比も、
上記のように広い範囲に変化でき、例えば0:100〜
100:0でもよい。この場合にも、より狭い実証され
た範囲は、20:1〜1:20である。このようなコポ
リマーは、下記の式で表される。
【0076】
【化32】
【0077】〔式中、Rは、水素または基−SO3−N
+を表し、ただし、少なくとも1個の基Rは基−SO3
−Na+である。xおよびzは、いずれも0または整数
を表し、かつyは整数を表す〕。コポリマーは、膜浸透
法で測定して、有利には分子量50000〜80000
0を有する。これに対応して、和x+y+zは、反復単
位の割合に応じて、約80〜1100である。
【0078】重合は、水溶液中、高い温度、例えば60
〜90℃において起きる。反応時間は、モノマー、開始
剤、開始剤の量および温度により著しく変動し、通常、
5〜80時間である。開始剤として、2,2’−アゾ−
ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドが特に
認められている。完全な変換に達するために、これを有
利には0.5〜4モル%の量でモノマーIおよびIIの
和に対して使用する。反応混合物から、コポリマーをア
ルコールを加えて析出させ、通常のようにして、注意し
て水およびアルコール基を分離する。
【0079】6.ヘパリン類似コポリマーの利用 ヘパリン類似コポリマーは、物体、殊にはポリマーから
成り、かつ医学的利用のためであって、特に血液と接触
する物体の被覆に好適である。このような物体は、例え
ば心臓弁、プロテーゼ、インプラント、カテーテル、内
視鏡、酸素供給器、透析膜および管である。
【0080】被覆は、通常の方法、例えば水溶液を用い
て、浸漬、塗布、噴霧またはスピンコーティングにより
行うことができる。ポリマー基体およびコポリマーの目
的に応じた選択により、コポリマーのポリマー基体上へ
の接着を有利に影響させることができる。
【0081】本発明をさらに良く理解するために、下記
の実施例を記載するが、これは本発明の適用範囲を制限
するものではない。
【0082】
【実施例】
7.実施例 7.1 メチル−3,4;5,6−ジ−O−イソプロピ
リデン−D−グルコナートおよびメチル−2,3;
5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコナート
の製造 D−グルコノ−D−1,5−ラクトン142.4g
(0.8モル)、2,2−ジメトキシプロパン240m
l、アセトン80ml、メタノール24mlおよびp−
トルエンスルホン酸1.2gから成る混合物を室温で4
8時間撹拌する。得られた混合物を炭酸水素ナトリウム
溶液を用いて中和する。濾過および濾液の濃縮の後、得
られた高粘度のシロップをジクロロメタン500ml中
に取込み、水を用いてこれを洗浄する。溶液を濃縮し、
残留物を油ポンプ真空中で蒸留する。収率198g(8
5%)、沸点112℃/0.04ミリバール、nD 20
1.455。
【0083】7.2 3,4;5,6−ジ−O−イソプ
ロピリデン−D−ソルビット、および−2,3;5,
6−ジ−O−イソプロピリデン−D−ソルビットの製
造 窒素パージした、KPG攪拌機、強力冷却器およびバブ
ルカウンター(Blasenzaehler) 付き滴下漏斗を有する4
l三口フラスコ中に、乾燥THF1.3l中のLiAl
4 40gを装入し、乾燥THF300ml中に溶か
したエステルおよび232g(0.8モル)をゆっ
くりと氷/食塩浴により冷却しながら滴下する。溶液を
16時間、還流しながら加熱し、冷却の後、1,2−ジ
メトキシエタン400mlおよび氷約120ml(滴下
漏斗)から成る混合物と混合させる。次いで、氷150
mlと水150mlから成る混合物を加える。生成した
沈殿物を遠心分離し、THFを用いて十分に洗浄し、再
び遠心分離する。一緒にした有機相を回転蒸発器で濃縮
し、ジクロロメタン中に取込み、10%硫酸アンモニウ
ム溶液、その後塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄する。
有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、回転蒸発器で濃縮
する。生成物を真空中で分別蒸留する。留出物は、しば
らくすると白色結晶に固化する。収率180g(86
%)、沸点115〜120℃/0.1ミリバール、融点
40〜41℃。
【0084】7.3 2,3;4,5−ジ−O−イソプ
ロピリデン−アルデヒド−D−アラビノースの製造 KPG攪拌機、還流冷却器および滴下漏斗を有する2l
三口フラスコ中に、ジクロロメタン1.3l中に溶かし
た両方のジオールおよび131g(0.5モル)を
溶かし、強く撹拌しながらメタ過ヨウ素酸ナトリウム1
60.4g(0.75モル)と混合する。懸濁液を2時
間、33〜35℃で強く撹拌し、その後、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液50mlを加えた。次いで、硫酸マグネ
シウム50mlを加え、さらに15分間撹拌する。濾過
し、濾過ケークをジクロロメタンを用いて数回十分に洗
浄する。濾液を一緒にし、溶剤を回転蒸発器で除去し、
生成物を分別蒸留する。
【0085】収率86g(75%)、沸点85〜90℃
/0.1ミリバール、nD 20:1.444。
【0086】7.4 2,3;4,5−ジ−O−イソプ
ロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−D−グルコ
(D−マンノ)−ペンチトールの製造 不活性条件(窒素雰囲気および水分遮断)下において、
KPG攪拌機、還流冷却器および滴下漏斗を有する1l
三口フラスコ中に、マグネシウム9.9g(0.41モ
ル)を装入する。4−クロロスチレン57g(0.41
モル)を乾燥THF200ml中に溶かし、反応開始の
後に、若干量の1,2−ジブロモメタンを反応混合物が
緩やかに沸騰する程度に滴下する。滴下が終わった後
に、さらに2時間、室温で攪拌する。反応混合物を氷/
食塩浴を用いて15℃以下に冷却する。次いで、乾燥T
HF200ml中のアルデヒド80g(0.34モ
ル)を、温度15℃を越えないようにして加える。その
後、さらに2時間室温で撹拌する。氷水を注入して加水
分解させる。析出したマグネシウム塩を注意して10%
塩酸を加えて溶解させる。その際、pH値4.5より低
くならないようにしなければなない。水相をエーテル抽
出する。一緒にした有機相を炭酸水素ナトリウム溶液を
用いて中和し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶剤を回
転蒸発器で除去する。得られたシロップは、カラムクロ
マトグラフィー(溶離液A、Rf =0.40)で精製で
きる。その際、なかでも最初に溶離するスチレンおよび
生成ポリマーを分離する。この前精製の後に、生成物を
冷蔵庫内で結晶化し、石油エーテル/ジエチルエーテル
から再結晶できる。収率60〜70%、融点77℃(ジ
アステレオマーA)または59℃(ジアステレオマー混
合物A+B)。
【0087】7.5 (2,3;4,5−ジ−O−イソ
プロピリデン−D−アラビノ)−(4−ビニルフェニ
ル)−ケトンの製造 不活性条件下で、乾燥ジクロロメタン160ml中の塩
化オキサリル15.7ml(0.18モル)を装入し、
アセトン/乾燥氷浴を用いて−60℃に冷却する。後に
続く反応の間に、温度は−50℃を越えてはならない。
強く撹拌しながら、ジクロロメタン50ml中に溶かし
たジメチルスルホキシド15.3ml(0.22モル)
を滴下する。添加が終わった後、さらに15分間攪拌す
る。次いで、ジクロロメタン150ml中のアラスティ
50g(0.15モル)を加え、さらに25分間攪拌
する。引き続き、トリエチルアミン55.0ml(0.
39モル)を加え、10分間攪拌する。溶液を室温まで
温めた後に、反応混合物に等体積量の水を加える。水相
を2回ジクロロメタンを用いて抽出し、一緒にした有機
相を、10%HCl、飽和NaHCO3溶液および水を
順に用いて洗浄する。硫酸ナトリウム上で乾燥し、回転
蒸発器で濃縮する。粗生成物の精製は、溶離液A(Rf
=0.53)を用いるカラムクロマトグラフィーで行
う。生成物は、白色針状の結晶として析出する。
【0088】収率:86% 元素分析:C19245332.40 C(%) H(%) 理論値 68.66 7.28 実験値 68.75 7.14 7.6 1−アミノ−1−デスオキシ−2,3;4,5
−ジ−O−イソプロピリデン−1−(4−ビニルフェニ
ル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトールの製
造 バブルカウンターおよびN2導入口を有する固定1l三
口フラスコ中に、ケトン20g(60.2ミリモル)
および、無水酢酸アンモニウム60g(0.78モル)
を装入し、これを乾燥メタノール600ml中に溶か
す。痕跡量の水を除くために、若干量のモレキュラーシ
ーブ3Åを加える。30分間室温で攪拌した後に、窒素
向流中でシアノヒドロホウ酸ナトリウム3g(47.7
ミリモル)を加え、48時間、室温で攪拌する。反応溶
液を濾過し、約200mlに濃縮し(33℃)し、蒸留
水200mlと混合する。水溶液のpH値を固体水酸化
カリウムを用いて10に調整し、エーテルを用いて抽出
する。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥、回転蒸
発器で濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製する
〔溶離液D、Rf=0.19(ジアステレオマーA)、
f =0.27(ジアステレオマーB)または溶離液
E、Rf=0.16(ジアステレオマーA)、Rf=0.
21(ジアステレオマーB)〕。生成物は黄色の油状物
である。
【0089】収率:11.58g(57.7%) 元素分析:C19274N 333.42 C(%) H(%) N(%) 理論値 68.44 8.16 4.20 実験値 68.31 8.17 4.06 7.7 1−(4−ビニルフェニル)−D−グルコ(D
−マンノ)−ペンチトール10 反応の前に、強酸性イオン交換体アンバライト(Amberli
te) IR120をその都度新規に活性化する。さらに溶
融ガラスフィルター上のイオン交換体15gを、メタノ
ール200ml、蒸留水1l、2nHCl200mlを
順に用い、かつ濾液が酸性を示さなくなるまで再び蒸留
水を用いて洗浄する。KPG攪拌機(テフロン羽根)、
2パージ付きの滴下漏斗および開放口の1l三口フラ
スコ中に、蒸留エタノール100ml中に溶かした保護
された化合物25gを装入する。p−メトキシフェノ
ール250mgと混合し、ゆっくりと攪拌しながら滴下
漏斗を通して蒸留水50mlを注入し、引き続き活性化
イオン交換体15gを加える。ゆっくりと80℃に加熱
し、50℃からゆっくりと水650mlを加える。反応
の間に生成するアセトンならびにエタノールを反応混合
物から除去するために、常にN2を装置内に通す。18
時間、80℃で攪拌する。反応は、薄層クロマトグラフ
ィーで追跡してもよい(溶離液A)。原料とは反対に、
生成物は基線に残る。室温に冷却し、イオン交換体を濾
別し、水相をジエチルエーテルを用いて抽出する。水相
は、回転蒸発器で、33℃において濃縮し、冷凍乾燥す
る。生成物は、エタノールから、または酢酸エチルエス
テルから再結晶できる。
【0090】収率:17.1g(90%) 融点:140〜141℃。
【0091】1−(4−ビニルフェニル)−D−グルコ
(D−マンノ)−ペンチトール10の硫酸化 窒素パージしたフラスコ中で、非保護ビニル糖10
1.27g(44.3ミリモル)を乾燥ピリジン450
ml中に溶かし、若干量のモレキュラーシーブ4Åを加
えた後に、三酸化硫黄/ピリジン−錯体(98%)2
7.71g(170.5ミリモル≒3.85モル当量)
と一緒に室温で攪拌する。反応の終了は、48時間後に
半量の蒸留水を用いる加水分解により起こす。内容物を
飽和水酸化バリウム溶液を用いてpH7に調整し、濾過
する。濾液から、水とのピリジン共沸混合物として浴温
度40℃以下で除去し、その際、pH値の維持を常に検
査し、場合によればさらに水酸化バリウム溶液を加えて
修正する。過剰のバリウムイオンは、CO2 ガス流を導
入して沈殿、濾別する。引き続き、溶液をイオン交換体
アンバライトIR−120(Na+−形)と一緒に攪拌
し、再度濾過、濃縮および冷凍乾燥する。生成物12
は、これにより白色から黄色の無定形の固体として生
じ、元素分析により、スルフェート基の置換度DS=
3.82と確認された。
【0092】収率:22.5g(79%) 7.8 1−アミノ−1−デスオキシ−1−(4−ビニ
ルフェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトー
11の製造 アミン1g(3ミリモル)を蒸留エタノール10ml
中に溶かし、へら先端(Spatelspitze)抑制剤(p−メト
キシフェノール)を加える。次いで、ゆっくりと80℃
に加熱し、その際、滴状で0.1nHClを合計して6
0ml(6ミリモル)加える。8時間、80℃の後に冷
却し、水溶液をジエチルエーテルを用いて抽出する。溶
液を大過剰のアニオン交換体IRA400(OH-
形) と一緒に攪拌し、引き続きイオン交換体を濾別す
る。これにより、溶液は強アルカリ性となる。これを回
転蒸発器で小体積まで濃縮し(33℃)、冷凍乾燥す
る。
【0093】収率:0.5g(65.8%) 元素分析:C13194N 253.30 C(%) H(%) N(%) 理論値 61.64 7.56 5.53 実験値 61.53 7.53 5.45 7.9 N−硫酸化およびO−硫酸化(ナトリウム塩)
1−アミノ−1−デスオキシ−1−(4−ビニルフェニ
ル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトール13
製造 バブルカウンターおよびN2導入口を有する固定500
ml三口フラスコ中で、脱保護アミン111g(3.9
5ミリモル)をピリジン60ml中に溶かし、若干量の
モレキュラーシーブ(4Å)を加える。室温で15分間
攪拌の後に、三酸化硫黄−ピリジン−錯体3.77g
(23.7ミリモル)を加え、68時間、室温で攪拌す
る。加水分解は、先ず、蒸留水100ml、引き続き飽
和水酸化バリウム溶液を用いて、pH値が約9.5に達
するまで行う。ピリジンを共沸により水と一緒に(35
℃)除去する。その際、溶液は、常にアルカリ性であ
る。過剰のバリウムイオンは、二酸化炭素を導入すると
炭酸バリウムとして沈殿する。遠心分離の後に、溶液を
大過剰のアンバライトIR120(Na+ −形)と一緒
に攪拌する。回転蒸発器で濃縮および冷凍乾燥の後に、
白色の粉末が得られる。
【0094】収率:84% 元素分析:C1315.315.1NS3.7Na 630.84 C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 24.75 2.44 2.22 18.80 実験値 24.45 2.46 2.00 19.20 7.10 4−ビニル安息香酸の製造 不活性条件下で、乾燥THF150ml中の4−クロロ
スチレン28g(0.20モル)を、切削層状マグネシ
ウム4.9g(0.20モル)に滴下し、反応混合物を
穏やかに沸騰させる。添加の終了後に、攪拌しながら室
温に冷却する。この溶液上に乾燥二酸化炭素流を導入す
る。その際、氷/食塩浴を用いて内部温度が15℃を越
えないように冷却する。温度上昇が認められなくなっ
て、さらに30分間二酸化炭素を導入する。氷水を注入
して、グリニャール溶液を加水分解する。10%塩酸を
注意深く用いて、最終的にpH値1に達するように溶液
を酸性化する。水相をジエチルエーテル200mlを用
いて抽出し、NaClを用いて飽和し、再び3回それぞ
れジエチルエーテル100mlを用いて抽出する。一緒
にした有機相を3回それぞれ10%炭酸ナトリウム溶液
100mlと一緒に十分に振とうし、一緒にしたソーダ
抽出液をジエチルエーテルを用いて洗浄する。水相を濃
塩酸を用いて注意して酸性化し、再びNaClで飽和さ
せ、完全にジエチルエーテルを用いて抽出する。一緒に
した有機相を回転蒸発器で乾燥するまで濃縮する。得ら
れた残留物をエタノール/水から再結晶する。
【0095】収率:16g(52%)、融点143℃ 元素分析:C21286376.45 C(%) H(%) 理論値 67.00 7.50 実験値 67.00 7.67 7.11 4−ビニル安息香酸ナトリウムの製造 4−ビニル安息香酸5.93g(40ミリモル)を1m
NaOH溶液39.9ml(39.9ミリモル)と混合
する。過剰の4−ビニル安息香酸を除去するために、水
相をエーテルで抽出する。水溶液を冷凍乾燥する。4−
ビニル安息香酸ナトリウム6.79gが白色の固体とし
て得られる。
【0096】7.12 モノマー1213および4−
ビニル安息香酸ナトリウムからターポリマーの製造 脱アセタールしたO−硫酸化(ナトリウム塩)化合物
1g(2ミリモル)、脱アセタールしたN−硫酸化お
よびO−硫酸化(ナトリウム塩)化合物131g(2ミ
リモル)、4−ビニル安息香酸ナトリウム0.35g
(2ミリモル)およびABAH0.012g(0.75
モル%、すべての使用モノマーに対して)を、3方コッ
クを用いて真空ラインと接続し、隔壁を設けた固定25
ml一口フラスコ中に装入する。二回蒸留水を3回脱ガ
スし、これを真空中の溶液の冷凍および溶解により行
う。ハミルトン注射器を用いてN2 ガス向流中で脱ガス
した水8mlを取り、同様に向流中でモノマーに入れ
る。この溶液を磁気攪拌しながら油浴中で72時間、8
0℃に加熱する。反応の終了の後、冷却し、ポリマーを
冷エタノール150ml中に析出させる。ポリマーを油
ポンプで五酸化リンを用いて乾燥する。収率75%。
【0097】7.13 2種の提供血漿においてターポ
リマーおよびヘパリンの添加による血液凝固時間の比較
による、ターポリマー5.12のヘパリン類似作用の測
定 部分トロンボプラスチン時間(PTT)を用いて測定し
た血液凝固時間は、凝血防止性物質、例えばヘパリンに
より影響を受ける。PTTの測定のために、血漿を接触
活性化剤ならびにリン脂質およびカルシウムイオンと混
合し、これにより接触活性化剤の活性化を発現させ、か
つ内因性凝血系の活性化に触媒作用をする。試験の実際
の実施の際に、血漿と接触活性化剤(例えばカオリン)
およびリン脂質(例えばケファリン)とを混合し、3分
間、37℃でインキュベーションする。次いで、塩化カ
ルシウムを加え、凝血時間(PTT)を測定する。ヘパ
リン類似作用の試験のために、ターポリマーのPTTを
ヘパリンのPTTと投与量に関して比較する。投与量
は、I.E./mlで表される。I.E.(ヘパリンの
国際単位)は、米国薬局方XXIIIで規定されたヘパ
リン量であって、これは同じ条件下で、基体1μモル/
分の変換の触媒作用をするものである。
【0098】トロンビン時間(TZ)は、物質の凝血防
止作用の別の尺度である。凝血の最終相において、フィ
ブリノーゲンから不溶性フィブリンが軟質凝血となり、
これは架橋共有結合により硬質凝血に転換する。この反
応は、トロンビンにより触媒作用を受け、凝血防止性物
質、例えばヘパリンにより遅延する。ターポリマーの凝
血防止作用の測定のために、ターポリマーのTZとヘパ
リンのTZとを、投与量に関して比較する。この場合に
も投与量は、I.E./mlで表した。
【0099】ターポリマーの凝血時間(PTTおよびT
Z)とヘパリンのそれとの比較の際に、ヘパリン30m
g/mlを含む標準ヘパリン試料(分子量13000)
を用い、その含有量は製造者の情報によると1000
I.E./mlであった。測定したターポリマーの分子
量149000(GPC/光散乱)を100000に切
り捨てたが、それは分子量の下方への誤差は、ポリマー
の量の減少の方向であり、これにより凝血試験の結果に
は、ターポリマーに不利に影響するだけであるからであ
る。大きく見積もり過ぎた分子量は、反対に、より強い
作用と誤解される。従って、ターポリマー0.23g/
mlの量は、同様に5000I.E./mlの含有量と
なる。ヘパリンと比較したターポリマーの血液凝固時間
(PTTおよびTZ)に及ぼす影響は、0.1〜5I.
E.の間で試験する。比較試験の実施のために、全血9
体積部をヘパリンならびにターポリマーの相当する希釈
標準溶液1体積部と混合した。凝血時間PTTおよびP
Tは、血液の遠心分離および血漿の分離の後に、上記の
ようにして測定する。10分を上回る凝血時間は、凝血
計〔アメルンク社(Firma Amelung) 、D32657、レ
ムゴ(Lemgo) 〕により検出されず、従って、600秒よ
り大と記載した。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】表から分かるように、ターポリマーは、ヘ
パリンと比較して、低い投与量でも高いPTTに達して
いる。TZの測定の場合に、ターポリマーは、5.0
I.E.以上で0.2I.E.のヘパリンの値に達して
いる。
【0103】7.14 3,4;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−D−グルコン酸ジエチルアミド14およ
び2,3;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グ
ルコン酸ジエチルアミド15 D−グルコラクトン250gをジエチルアミン500
ml中に懸濁し、一晩、室温で攪拌する。この溶液を真
空中で濃縮し、高粘度のシロップを凝血の前にボウルに
入れ、晶出するD−グルコン酸ジエチルアミドから残っ
たジエチルアミンを蒸発させた。黄色の粗生成物80g
に、アセトン1500mlと濃硫酸35mlの混合物に
加え、15分間、室温で攪拌する。中和のために、内容
物を氷冷却下で1nカセイソーダ溶液1800ml中に
注入し、アセトンを回転蒸発器で除去し、水溶液を塩化
メチレンを用いて十分に抽出する。一緒にした有機相を
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥、濃縮する。
粗生成物を油ポンプ真空中で分別蒸留する。黄色いシロ
ップの形の両方の保護した位置異性体アミド1415
の混合物の収率は、88%である。
【0104】7.15 2,3;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−ケト−D
−グルコース16および3,4;5,6−ジ−O−イソ
プロピリデン−1−(4−ビニルフェニル)−ケト−D
−グルコース17 窒素でパージした装置中に、乾燥テトラヒドロフラン1
20ml中の保護した位置異性体アミド1415
9.20g(0.24モル)を装入する。0℃以下の内
部温度において、1m臭化エチルマグネシウム210m
l(0.21モル)をゆっくりと滴下し、次いで、温度
を15℃に上昇させた後に、テトラヒドロフラン(0.
46モル)中の塩化4−ビニルフェニルマグネシウムの
1m溶液460mlを加える。3時間、室温で攪拌した
後に、内容物を氷冷却しながら水500mlを注意して
滴下して加水分解し、濃塩酸を用いてpH2に調整し、
有機相を分離する。水相を3回ジエチルエーテルを用い
て抽出し、一緒にした有機相を飽和炭酸水素ナトリウム
溶液を用いて中性となるまで洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、浴温度35℃以下で濃縮する。粗生成物
として、黄色いシロップが収率100%で得られる。分
析純度の異性体混合物1617は、カラムクロマトグ
ラフィー精製により、溶離液の石油エーテル40/60
とジエチルエーテル(3:2)中に得られる。しかし、
最終生成物の純度による不利を確認しないで、引き続く
反応に粗生成物を常に使用する。
【0105】7.16 1−(4−ビニルフェニル)−
ケト−D−グルコース18 脱保護のために、粗生成物161725gを蒸留エタ
ノール300ml中に滴下し、析出するポリマー部分を
濾別する。濾液を5時間以内に水1300ml、蒸留エ
タノール200ml、イオン交換体アンバライト(R)
R−120(H+−形)20gおよび4−メトキシフェ
ノール300mgの混合物に,80℃でゆっくりと滴下
する。さらに1時間後にイオン交換体を濾別し、濾液を
150mlに濃縮し、2回、ジエチルエーテルを用いて
抽出する。水相の冷凍乾燥により、無定形白色粉末が、
1617に対する収率70〜75%で得られる。
【0106】7.17 1−(4−ビニルフェニル)−
D−グリセロ−D−グロ(D−イド)−ヘキシトール
この場合にも、粗生成物1617から出発する。還元
のために、10g(最大28ミリモル)を蒸留エタノー
ル100ml中に滴下し、析出したポリマー部分を濾別
する。氷冷却した濾液に、蒸留エタノール40ml中の
水素化ホウ素ナトリウム0.76g(20ミリモル)の
溶液を1時間以内に加える。さらに2時間室温で攪拌し
た後に、還元は完全となる(流展剤n−ヘキサン/酢酸
エステル2:1中の薄層クロマトグラフィーにより検
査)。反応溶液を半分に濃縮し、水100mlと混合
し、ジエチルエーテルを用いて抽出する。一緒にした有
機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥、濃縮
する。
【0107】黄色でシロップ状の残留物を蒸留エタノー
ル150ml中に取込み、水500ml、蒸留エタノー
ル80ml、イオン交換体アンバライト(R)IR120
(H+−形)8gおよび4−メトキシフェノール120
mgの混合物に、3時間以内に、80℃で滴下する。こ
の混合物をさらに1時間攪拌し、次いでイオン交換体を
濾別し、濾液を約150mlに濃縮し、2回、ジエチル
エーテルを用いて抽出し、冷凍乾燥する。生成物21
は、これにより無定形で白色の粉末として生じ、酢酸エ
ステルまたはエタノールから再結晶できるが、しかしこ
れはジアステレオマー比率に影響するが、生成物の純度
には影響しない。収率は、1617に対して75〜8
0%である。
【0108】7.18 1−アミノ−1−デスオキシ−
1−(4−ビニルフェニル)−D−グリセロ−D−グロ
(D−イド)−ヘキシトール24 還元的アミノ化のために、粗生成物161710gを
乾燥メタノール100ml中に滴下し、析出したポリマ
ー部分を濾別する。濾液を窒素中に装入し、若干量のモ
レキュラーシーブ3Åと混合する。窒素の向流中で、酢
酸アンモニウム21.58g(0.28モル)を加え、
室温で1時間攪拌の後に、室温でシアノヒドロホウ酸ナ
トリウム(90%)1.31g(18.8ミリモル)を
加える。48時間後に、内容物を濾過し、半分に濃縮
し、水100mlと混合し、ジエチルエーテルを用いて
抽出する。引き続き、水相を固体水酸化カリウムを用い
てpH10に調整し、再びジエチルエーテルを用いて抽
出する。一緒にした有機相を水を用いて洗浄し、無水硫
酸ナトリウム上で乾燥、濃縮する。未利用原料ならびに
副生成物は、フィルターカラム(Rf>0.35、溶離
液 酢酸エステル/n−ヘキサン/トリエチルアミン8
0:20:1)を用いて分離する。
【0109】その後の画分をすべて濃縮し、蒸留エタノ
ール150ml中に取込み、4時間以内に、水500m
l、蒸留エタノール80ml、イオン交換体アンバライ
(R )IR120(H+−形)8gおよび4−メトキシフ
ェノール120mgの混合物に滴下する。添加終了の1
時間後にイオン交換体を濾別し、濾液を約150mlに
濃縮し、2回ジエチルエーテルを用いて抽出し冷凍乾燥
する。生成物24は、これにより無定形の白色粉末とし
て生じる。収率は、1617に対して17%以下であ
る。
【0110】7.19 182124の硫酸化/標
準処方 窒素でパージしたフラスコ中に、脱保護したビニルモノ
マーを装入し、ビニルモノマーg当たりに乾燥ピリジン
40mlを窒素向流中で混合して溶かす。若干量のモレ
キュラーシーブ4Åの添加の後に、30分間、室温で攪
拌し、次いで、希望する硫酸化度に相当するモル当量の
SO3/ピリジン−錯体(98%)を加える。24時間
後に、半体積量の蒸留水を加えて反応を終了させる。内
容物を飽和水酸化バリウム溶液を用いてpH7に調整
し、濾過する。濾液から、ピリジンを水とを共沸混合物
として40℃以下で除去し、その際、pHを常に検査
し、場合によればさらに水酸化バリウム溶液を加えて補
正する。過剰のバリウムイオンは、CO2ガス流を導入
して沈殿させ、沈殿物を濾別する。次いで、溶液をイオ
ン交換体アンバライト(R)IR120(Na+−形)と一
緒に攪拌し、再び濾過、濃縮および冷凍乾燥する。硫酸
化した生成物22および25は、これにより白色で、硫
酸化生成物19は黄色の粉末として生じる。収率は、そ
れぞれの原料に対して、70〜95%である。
【0111】7.20 モノマーII、IIIおよび/
またはIVおよびコモノマーVIIIから成るコポリマ
ー、標準処方 水溶性硫酸化モノマーII、IIIおよび/またはIV
は、コモノマーVIIIとしての4−ビニル安息香酸ナ
トリウムと一緒に、上に設置した三方コックおよび隔膜
を有するフラスコ中に、ラジカル開始剤V50(2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ジヒドロク
ロリド)と一緒に装入する。二回蒸留水を3回脱ガス
し、これは溶液を真空中で冷凍および融解して得られ
る。ガスシールした注射器を用いてこの水を隔膜上に加
える。得られた溶液を温度調節式油浴を用いて60℃に
加熱する。重合を中断するために、冷却した内容物に体
積15倍量の冷エタノールを加え、析出したポリマーを
遠心分離により単離する。五酸化リンを通る油ポンプに
よる乾燥の後に、モノマー22および25を含むコポリ
マーが白色粉末として生成し、モノマー19のものは、
黄褐色を有している。収率は50〜98%である。
【0112】7.21 2225および/または19
ならびに4−ビニル安息香酸ナトリウムから成るコポリ
マーのヘパリン類似作用の測定。
【0113】コポリマーのヘパリン類似作用は、5.1
3項記載のように、コポリマーならびに標準化ヘパリン
の添加による部分トロンボプラスチン時間(PTT)お
よびトロンボプラスチン時間(PT)の比較により試験
した。本発明によるコポリマーは、両方の試験におい
て、標準ヘパリンより優れた作用を示す。
【0114】7.22 1−(4−ビニルフェニル)−
D−マンノ(D−グルコ)−ヘキスロ−2,6−ピラノ
ース イオン交換体アンバライト(R)IR120 10gを、
10分間、2N HCl100mlを用いて処理し、蒸
留水100ml、メタノール100mlおよび再び蒸留
水100mlを順に用いて洗浄して、これを活性化す
る。次いで、フラスコ内に、窒素中でエタノール100
ml中の2,3;4,5−ジ−O−イソプロピリデン−
1−(4−ビニルフェニル)−D−マンノ(D−グル
コ)−ヘキスロ−2,6−ピラノース10gを装入し、
4−メチルフェノール250mgを加える。攪拌しなが
ら、ゆっくりと水50mlを加え、次いで活性化イオン
交換体を加える。イオン交換体の粒状構造を維持するた
めに、攪拌機には、テフロン(R ) 羽根を用いる。フラス
コ内の混合物を攪拌しながら穏やかに加熱する。温度が
50℃に達したら、水の滴下添加を始める。フラスコ内
の混合物を18〜24時間、70〜80℃に維持する。
脱保護の程度は、薄層クロマトグラフィーにより検査す
る。移動層には、石油エーテル(40〜60℃)とジエ
チルエーテルの体積比3:2の混合物を用いる。混合物
を冷却した後に、イオン交換体を濾別し、水溶液を3
回、ジエチルエーテルを用いて抽出する。この水溶液を
循環蒸発器で、真空中、35〜38℃で濃縮する。凍結
乾燥により、粗生成物が白色粉末として得られる。エタ
ノール中への溶解および過剰のジエチルエーテル中の溶
液の濾過により、純粋な生成物が、融点161〜163
℃の白色結晶の形で得られる。 〔α〕D=−40.8°dm-1・g-1Ncm3(c=1.0g/
dlH2O)、IR(KBr):3520、3400
(OH)、3180(C=CH)、2960、292
0、2880(C−H)、1630(C=C)、151
0cm-1(C=C芳香族)。
【0115】7.23 6−(4−ビニルフェニル)−
D−グリセロ(L−グリセロ)−α−D−ガラクトピラ
ノース 実施例5.22と同様に操作するが、しかし、出発原料
として、1,2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン−
6−(4−ビニルフェニル)−D−グリセロ(L−グリ
セロ)−α−D−ガラクトピラノース15gを用いる。
生成物は、白色粉末として得られ、これは再結晶できな
い。収率は80%である。〔α〕D=+45.1°deg d
m-1・g-1・cm3(c=1.0g/dlH2O)、IR(K
Br):3330(OH)、2900(C−H)、16
25(C=C)および1510cm-1(C=C芳香
族)。
【0116】7.24 1−(4−ビニルフェニル)−
D−マンノ(D−グルコ)−ヘキスロ−2,6−ピラノ
ースの硫酸化 バブルカウンターおよび還流冷却器を有する固定500
ml三口フラスコ中で、出発原料1g(3.5ミリモ
ル)をピリジン60ml中に溶かし、若干量のモレキュ
ラーシーブAを加える。15分間攪拌した後に、三酸化
硫黄−ピリジン−錯体1.69gを加え、4時間、室温
で攪拌する。加水分解は、先ず蒸留水100mlを加え
て行い、引き続き飽和水酸化バリウム溶液をpH9.5
に達するまで加える。ピリジンは、水との共沸混合物
(35℃)として除去され、その際、溶液は常にアルカ
リ性である。過剰のバリウムイオンは、二酸化炭素の導
入により炭酸バリウムとして沈殿する。遠心分離による
この分離の後に、溶液を大過剰のアンバライト(R) IR
−120(Na+ −形)と一緒に攪拌する。回転蒸発器
で濃縮した後に、生成物が白色粉末として得られる。
【0117】7.25 硫酸化ホモポリマーのヘパリン
類似作用の測定 ホモポリマーは式
【0118】
【化33】
【0119】〔式中、R=Hまたは−SO3Na、硫酸
化度2.68、nは光散乱法で測定した分子量約100
000に相当する〕を有していた。実施例5.13によ
るPTTの測定は、ホモポリマーの添加の場合(投与量
0.5I.E./ml)の63秒の値が、これを加えな
い場合には30秒PTTに対して得られた。ホモポリマ
ーも抗凝血性に作用する。0.5I.E./mlの投与
量は、非分別ヘパリンの0.17I.E./mlの投与
量に相当する。このように抗凝血性作用はヘパリンのも
のよりは、著しく低い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 18/04 C08F 18/04 26/00 26/00 28/00 28/00 246/00 246/00 (72)発明者 ズザンネ ベルマン ドイツ連邦共和国 デュッセルドルフ イ ッカースヴァルダー シュトラーセ 7 (72)発明者 アッヒム ブロック ドイツ連邦共和国 ミュールハイム ヘレ ーネンシュトラーセ 57

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 〔式中、R1は、いずれも独立して、水素またはメチル
    基、R2は、架橋要素、およびAは、硫酸化ポリオール
    基、ポリアミン基または(ポリ)アミン(ポリ)オール
    基を表し、これは、場合によれば1種またはそれ以上の
    アセタール化またはアミナール化したカルボニル官能基
    を有している〕の反復単位を有するヘパリン類似ホモポ
    リマーまたはコポリマー。
  2. 【請求項2】R1は、いずれも水素を表し、R2は、無機
    性または有機性であり、かつO、S、SO、SO2また
    はNR’〔式中、R’は炭素原子1〜12個を有する炭
    化水素基を表す〕、二価の有機基、殊には脂肪族、脂環
    式または芳香族で炭素原子10個以下を有する炭化水素
    基、カルボンエステル架橋−O−CO−、カルボンアミ
    ド架橋−NR’−CO−またはウレタン架橋−O−CO
    −NR’−〔式中、R’は上記のものを表す〕またはC
    −C単結合を表し、および/またはAは、一価の基を表
    し、これは少なくとも1個の基−O−SO3−M+(O−
    スルフェート基)または−NH−SO3−M+(N−スル
    フェート基またはアミドスルフェート基)を有する少な
    くとも2個のヒドロキシル基および/またはアミノ基を
    有する化合物から誘導され、その際、Mはアルカリ金属
    イオンを表し、かつ場合によれば追加して少なくとも1
    個のカルボニル官能基を有し、これはテトラヒドロフラ
    ン環ならびにピロリジン環(いずれも5員環)またはピ
    ラン環ならびにペンタメチレンイミン環(いずれも6員
    環)を分子内に構成してアセタール化ならびにアミナー
    ル化されている、請求項1に記載のポリマー。
  3. 【請求項3】 R2が、炭素原子10個以下を有する脂
    肪族、脂環式または芳香族の炭化水素基を表し、および
    /またはAが、炭素原子2〜8個を有する化合物〔式
    中、M+はナトリウムイオンを表す〕から誘導され、か
    つ分子内にアセタール化またはアミナール化カルボニル
    官能基1個または2個を有する、請求項2に記載のポリ
    マー。
  4. 【請求項4】 Aが、炭素原子5個または6個を有する
    化合物から誘導される、請求項2または3に記載のポリ
    マー。
  5. 【請求項5】 式IIIa: 【化2】 〔式中、R1およびR2は、請求項1から4に記載のもの
    を表し、R3は、OまたはNH、R4は、水素または基−
    SO3−Na+を表し、かつnは、4または5を表し、た
    だし、少なくとも1個の置換基R4は基−SO3−Na+
    である〕の反復単位を有する、請求項2から4までのい
    ずれか1項に記載のポリマー。
  6. 【請求項6】 反復単位がペンチトールから誘導されて
    いる、請求項5に記載のポリマー。
  7. 【請求項7】 反復単位がヘキシトールから誘導されて
    いる、請求項5に記載のポリマー。
  8. 【請求項8】 式: 【化3】 〔式中、R1、R2、R3、R4およびnは、請求項1から
    4に記載のものを表し、ただし、(1)分子当たり少な
    くとも1回は、同じ炭素原子に結合している置換基Hお
    よび−R3−R4がその炭素原子と一緒にカルボニル官能
    基C=Oを形成し、これはヒドロキシル官能基ならびに
    アミノ官能基を介してカルボニル官能基に関して3位に
    テトラヒドロフラン環ならびにピロリジン環を形成、ま
    たはヒドロキシル官能基ならびにアミノ官能基を介して
    カルボニル官能基に関して4位にピラン環ならびにペン
    タメチレンイミン環を形成するように分子内でアセター
    ル化ならびにアミナール化されており、かつ(2)少な
    くとも1個の置換基R4は、基−SO3−Na+である〕
    の反復単位を有する、請求項2から4までのいずれか1
    項に記載のポリマー。
  9. 【請求項9】 反復単位が、分子内のアセタール化なら
    びにアミナール化カルボニル官能基を1個または2個有
    する、請求項8に記載のポリマー。
  10. 【請求項10】 R2が、炭素原子1〜4個を有するア
    ルキレン基、フェニレン基またはC−C−単結合を表
    す、請求項5から9までのいずれか1項に記載のポリマ
    ー。
  11. 【請求項11】 反復単位がペントースから誘導されて
    いる、請求項8から10までのいずれか1項に記載のポ
    リマー。
  12. 【請求項12】 反復単位がヘキソースから誘導されて
    いる、請求項8から10までのいずれか1項に記載のポ
    リマー。
  13. 【請求項13】 1〜4個の置換基R4が、−O−SO3
    −Na+(O−スルフェート)および/または−NH−
    SO3−Na+(N−スルフェート)を表す、請求項5か
    ら12までのいずれか1項に記載のポリマー。
  14. 【請求項14】 式I、IIIaまたはIVaに相当す
    る反復単位1個のみを有するホモポリマーである、請求
    項1から13までのいずれか1項に記載のポリマー。
  15. 【請求項15】 式I、IIIaまたはIVaに相当す
    る反復単位少なくとも2個から成るコポリマーである、
    請求項1から13までのいずれか1項に記載のポリマ
    ー。
  16. 【請求項16】 O−スルフェート基のみを有する反復
    単位IIIaまたはIVaを有し、かつRに隣接するN
    −スルフェート基を有する別の反復単位IIIaまたは
    IVaを有する、請求項15に記載のコポリマー。
  17. 【請求項17】 両方の種のモル比が、1:100から
    100:1である、請求項15に記載のコポリマー。
  18. 【請求項18】 少なくとも1個の式I、IIIaまた
    はIVaに相当する反復単位および少なくとも1個の一
    般式VIIIa: 【化4】 〔式中、R1およびR2は、請求項1から4に記載のもの
    を表し、R5は、水素、メチル基または基−R2−COO
    6、かつR6 は、水素またはナトリウムイオンを表
    す〕の別の反復単位から成るコポリマーである、請求項
    15から17までのいずれか1項に記載のコポリマー。
  19. 【請求項19】 反復単位VIIIa中のカルボキシル
    基および/またはカルボキシレート基と、反復単位I、
    IIIaまたはIVa中のO−スルフェート基および/
    またはN−スルフェート基の和とのモル比が、100:
    1から1:100である、請求項18に記載のコポリマ
    ー。
  20. 【請求項20】 さらに、スルフェート基あるいはカル
    ボキシル基またはカルボキシレート基を有していない少
    なくとも1個の反復単位を有する、請求項15から19
    までのいずれか1項に記載のコポリマー。
  21. 【請求項21】 分子量が5000から1500000
    である、請求項1から20までのいずれか1項に記載の
    ホモポリマーまたはコポリマー。
  22. 【請求項22】 分子量が50000から800000
    である、請求項21に記載のホモポリマーまたはコポリ
    マー。
  23. 【請求項23】 式II: 【化5】 〔式中、R1、R2およびAは、請求項1から4に記載の
    ものを表す〕のスルフェート基を有するモノマー。
  24. 【請求項24】 式IIに含まれる式III: 【化6】 〔式中、R1およびR2は、請求項1から4に記載のもの
    を表し、R3は、OまたはNH、R4は、水素または基−
    SO3−Na+を表し、かつnは、4または5を表し、た
    だし、少なくとも1個の置換基R4は基−SO3−Na+
    である〕に相当する、請求項23に記載のスルフェート
    基を有するモノマー。
  25. 【請求項25】 式IIに含まれる式IV: 【化7】 〔式中、R1、R2、R3、R4およびnは、請求項24に
    記載のものを表し、ただし、(1)分子当たり少なくと
    も1回は、同じ炭素原子に結合している置換基Hおよび
    −R3−R4がその炭素原子と一緒にカルボニル官能基C
    =Oを形成し、これはヒドロキシル官能基ならびにアミ
    ノ官能基を介してカルボニル官能基に関して3位にテト
    ラヒドロフラン環ならびにピロリジン環を形成、または
    ヒドロキシル官能基ならびにアミノ官能基を介してカル
    ボニル官能基に関して4位にピラン環ならびにペンタメ
    チレンイミン環を形成するように分子内でアセタール化
    ならびにアミナール化されており、かつ(2)少なくと
    も1個の置換基R4は、基−SO3−Na+である〕に相
    当する、請求項23に記載のスルフェート基を有するモ
    ノマー。
  26. 【請求項26】 式V、VIまたはVII: 【化8】 〔式中、R1およびR2は、請求項1から4に記載のもの
    を表し、かつA’は、非硫酸化ポリオール基、ポリアミ
    ン基または(ポリ)アミン(ポリ)オール基を表し、こ
    れらは、場合によれば1種またはそれ以上のアセタール
    化またはアミナール化カルボニル官能基を有する〕; 【化9】 〔式中、R1、R2、R3およびnは、請求項24に記載
    のものを表す〕; 【化10】 〔式中、R1、R2、R3およびnは、請求項25に記載
    のものを表し、ただし、分子当たり少なくとも1回は、
    同じ炭素原子に結合している置換基Hおよび−R 3−H
    がその炭素原子と一緒にカルボニル官能基C=Oを形成
    し、これはヒドロキシル官能基ならびにアミノ官能基を
    介してカルボニル官能基に関して3位にテトラヒドロフ
    ラン環ならびにピロリジン環を形成、またはヒドロキシ
    ル官能基ならびにアミノ官能基を介してカルボニル官能
    基に関して4位にピラン環ならびにペンタメチレンイミ
    ン環を形成するように分子内でアセタール化ならびにア
    ミナール化されている〕のスルフェート基を有していな
    いモノマーにおいて、1−(4−ビニルフェニル)−D
    −グルコ(D−マンノ)−ペンチトール、6−(4−ビ
    ニルフェニル)−D,L−グリセロ−α,β−D−ガラ
    クトピラノース、1−(4−ビニルフェニル)−D−マ
    ンノ(D−グルコ)−ヘキスロ−2,6−ピラノースお
    よび1−ビニル−β−D−フルクトピラノースは除外す
    ることを特徴とする、硫酸基を有していないモノマー。
  27. 【請求項27】 請求項1から22までのいずれか1項
    に記載のヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマーの
    製造方法において、少なくとも1種の請求項23から2
    5までのいずれか1項に記載のスルフェート基を有する
    モノマーおよび場合によれば少なくとも1種の一般式V
    III: 【化11】 〔式中、R1、R2、R5およびR6は、請求項18に記載
    のものを表す〕の別のモノマーおよび/または場合によ
    れば少なくとも1種のスルフェート基およびカルボキシ
    ル基またはカルボキシレート基を有していないビニルモ
    ノマーIXをラジカル開始共重合することを特徴とす
    る、ヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマーの製造
    方法。
  28. 【請求項28】 医学的使用のための物体の被覆のため
    の、請求項1から22までのいずれか1項に記載のヘパ
    リン類似ホモポリマーまたはコポリマーの使用。
  29. 【請求項29】 請求項1から22までのいずれか1項
    に記載のヘパリン類似ホモポリマーまたはコポリマーか
    ら成る被覆を特徴とする、医学的使用のための製品。
  30. 【請求項30】 製品が、心臓弁、プロテーゼ、インプ
    ラント、カテーテル、内視鏡、酸素供給器、透析膜また
    は管であることを特徴とする、請求項29に記載の製
    品。
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