JPH10323563A - チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法

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JPH10323563A
JPH10323563A JP10058677A JP5867798A JPH10323563A JP H10323563 A JPH10323563 A JP H10323563A JP 10058677 A JP10058677 A JP 10058677A JP 5867798 A JP5867798 A JP 5867798A JP H10323563 A JPH10323563 A JP H10323563A
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silica
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純平 辻
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健司 内田
Masaru Ishino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオキ
サイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチタ
ン含有固体触媒であって、活性が高く、公知法より小さ
な反応器で目的の変換を行うことを可能とする触媒、及
び該触媒を用いるオキシラン化合物の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
チタン含有固体触媒であって、(1)担体シリカを水に
含浸後乾燥し、(2)チタン化合物を上記(1)の処理
をした担体シリカ上に担持し、(3)焼成する、ことに
よって得られる触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン含有固体触
媒及びオキシラン化合物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、オレフィン型化合物と有
機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン化
合物を製造するチタン含有固体触媒であって、活性が高
く、公知法より小さな反応器で目的の変換を行うことを
可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合物
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン型化合物と、有機ハイドロパ
ーオキサイドをチタン含有固体触媒触媒を用いて反応さ
せ、オレフィン型化合物をオキシラン化合物に変換する
方法は公知である(特公昭56−35941号公報、特
公昭54−40525号公報、特公昭54−40526
号公報、特公昭50−30049号公報、特開平8−2
69031号公報)。
【0003】チタン含有固体触媒触媒はいろいろな方法
で作ることができる。担体シリカを溶媒中でチタン化合
物で含浸し焼成する調製法は、有用な方法の一つであ
る。この方法により作られた触媒は、活性が不十分であ
り、工業規模の生産においては、過大な反応器を必要と
し、製造コストが増大する結果となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、オレフィン型化合物と
有機ハイドロパーオキサイドとを反応させてオキシラン
化合物を製造するチタン含有固体触媒であって、活性が
高く、公知法より小さな反応器で目的の変換を行うこと
を可能とする触媒、及び該触媒を用いるオキシラン化合
物の製造方法を提供する点に存するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
一の発明は、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオ
キサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造するチ
タン含有固体触媒であって、(1)担体シリカを水に含
浸後乾燥し、(2)チタン化合物を上記(1)の処理を
した担体シリカ上に担持し、(3)焼成する、ことによ
って得られる触媒に係るものである。
【0006】また、本発明のうち他の発明は、上記の触
媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパーオ
キサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法に
係るものである。
【0007】本発明の方法を用いれば、担体シリカを水
に含浸処理しない場合に比較して活性が著しく向上し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】適当な固体シリカは、二酸化物の
形の珪素を50%以上、好ましくは75%以上、最も好
ましくは90%以上含有するものである。固体シリカ
は、比較的大きい比表面積を有することが好ましく、比
表面積は好ましくは1m2/g以上であり、一層好まし
くは25〜800m2/gである。
【0009】シリカは、凝固又は相互に結合した非晶質
シリカ粒子からなる比較的高密度かつ密充填型の多孔性
合成シリカであることが好ましく、その例にはシリカゲ
ルや沈降シリカなどがあげられる。これらの製法及び性
質は、R.G.アイラー著「ザ、コロイド、ケミスト
リ、オブ、シリカ、アンド、シリケート」(米国ニュー
ヨークのコーネル大学出版部1955年発行)の第VI
章、及び米国特許第2,657,149号明細書に記載
されている。市場で入手できるシリカゲルのうちでは、
比表面積25〜700m2/g、細孔容積0.3〜2.
0ml/g、シリカ含有量99重量%以上のシリカゲル
が好ましく使用される。
【0010】さらにまた、凝固操作によって生成され、
オープンパック構造を有し、崩壊し易く、かつゆるく結
合している非晶質シリカ粒子からなる合成シリカ粉末も
適当であり、その例には、水素及び酸素を四塩化珪素又
は四弗化珪素と燃焼操作を行うことによって得られる焼
成シリカ(fumed pyrogenic sili
ca)があげられる。この種のシリカは種々の業者によ
って製造、販売されており、たとえばカボット社(キャ
ブ−O−ジル)及びデグツサ社(エアロジル)から販売
されている(前記の「キャブ−O−ジル」及び「エアロ
ジル」は登録商標である)。これらのシリカ製品のうち
では、比表面積が50〜500m2/gであり、シリカ
含有量が99%以上である製品が最も好ましい。
【0011】さらに、固体シリカとして、結晶質の多孔
性シリカも適当である。結晶質の多孔性シリカとしては
例えばハイシリカゼオライト(アルミ等他の金属が僅か
しか入っていない)があげられる。ハイシリカゼオライ
トの例としてはペンタシル型ゼオライトであるシリカラ
イト等が知られている( R.W. Grose and E. M.Fl
anigen, US4061724(1977)(to UCC))。また結晶質では
ないが、規則的な細孔構造を有するMCM41(J.S.Beck, e
t al., J. Am. Chem. Soc., 114, 10834(199))も担体
として用いることができる。
【0012】チタン化合物を担持する前に担体シリカを
水で含浸処理する。水は中性でも酸性でもアルカリ性で
も良い。水を酸性にするには酸を、アルカリ性にするに
は塩基を水に溶解すればよい。酸としては塩酸、硫酸、
硝酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸
等の有機酸があげられる。塩基としてはアンモニア、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、トリエ
チルアミン等の有機塩基があげられる。含浸処理は担体
シリカを水に浸し、10〜100℃で1〜50時間放置
することにより行われる。攪拌は行っても行わなくても
良い。含浸処理終了後水を濾過などの方法により除き、
濾液が中性になるまで固体を水で洗う。その後シリカを
真空下あるいは空気又は窒素気流下で、100〜200
℃で乾燥する。
【0013】チタン担持には気相担持法、液相担持法の
両者が適用できる。気相担持においては担持温度におい
て蒸気となりうる無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチ
タン酸エステル類が適用される。また液相担持において
は溶媒に可溶性の無機酸及び有機酸のチタン塩類及びチ
タン酸エステル類が適用されるを用いることができる。
【0014】チタン化合物の例としては、チタン酸テト
ラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロ
ピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブ
チル、チタン酸テトライソブチル、チタン酸テトラ−2
−エチルヘキシル、チタン酸テトラオクタデシル、四塩
化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン、チタニウム
(IV)オキシアセチルアセトナート、チタニウム(IV)
ジイソプロポキシドビスアセチルアセトナートをあげる
ことができる。乾燥及び/又は焼成段階を経るか又は経
ない多段階含浸法を用いることもできる。
【0015】液相担持における好適な担持・洗浄用溶媒
としては、一般に炭素数1〜約12の常温で液状のオキ
サ及び/又はオキソ置換炭化水素を用いることができ
る。この種類の好適な溶媒としてはアルコール類、ケト
ン類、エーテル類(非環式及び環式のもの)及びエステ
ル類を用いることができる。例えば、メタノール、エタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
イソプロパノール、n−ブタノール及びオクタノールの
ようなヒドロキシ置換炭化水素;アセトン、ジエチルケ
トン、メチルエチルケトン 及びメチルイソブチルケト
ンのようなオキソ置換炭化水素;ジイソブチルエーテル
やテトラヒドロフランのような炭化水素エーテル;及び
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル及びプロピオン酸
ブチルのような炭化水素エステル等があげられる。
【0016】液相担持に引続いて、吸収されている溶媒
が除かれる。この溶媒除去操作はデカンテーション、濾
過、遠心分離、真空排気、乾燥及びその他の操作を含ん
でいてもよい。この溶媒除去段階ではシリカから少なく
とも80%、好ましくは少なくとも95%の過剰の担持
用溶媒を除くように条件を選択することが重要である。
【0017】特開平8−269031号公報に記載のあ
るとおり液相担持処理後に洗浄を行うことが好ましい。
洗浄用溶媒とチタン担持後の触媒を十分に混合した後、
液相部を、濾過あるいはデカンテーションなどの方法に
より分離する。この操作を必要回数繰り返す。洗浄の終
了はたとえば液相部の分析により知ることができる。洗
浄温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは1
0〜60℃である。洗浄終了後、担持溶媒除去工程と同
様の手法により残存する洗浄用溶媒を除く。この溶媒除
去は多量の溶媒の回収を行うと同時に、焼成期間中にお
ける引火危険を少なくし、かつその後のより高温度での
焼成中における触媒組織中での多量の揮発性溶媒の急激
な蒸発に起因する触媒の物理的強度の低下を防止するの
に役立っている。25℃〜200℃での乾燥は溶媒除去
法として有効である。
【0018】チタン担持後、この触媒組成物を焼成す
る。即ち非還元性気体、例えば窒素、アルゴン又は二酸
化炭素もしくは酸素含有気体、例えば空気の雰囲気下に
加熱する。焼成の1つの役割はチタンをその担持された
形、即ちハロゲン化物又はアルカノレート等から不溶性
の化学結合した酸化物に転化させることにある。同様に
不溶性の化学結合した酸化物に転化される。焼成の他の
役割は触媒を活性化することにある。焼成温度は400
〜900℃で十分であり、400〜800℃の温度が推
奨される。通常の焼成時間は1〜18時間である。
【0019】得られた触媒はその使用前にシリル化剤と
反応させるのが好ましい。シリル化剤の例には有機シラ
ン、有機シリルアミン、有機シリルアミドとその誘導
体、及び有機シラザン及びその他のシリル化剤があげら
れる。
【0020】有機シランの例としては、クロロトリメチ
ルシラン、ジクロロジメチルシラン、クロロブロモジメ
チルシラン、ニトロトリメチルシラン、クロロトリエチ
ルシラン、ヨードジメチルブチルシラン、クロロジメチ
ルフェニルシラン、クロロジメチルシラン、ジメチルn
−プロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロ
シラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリプロピ
ルクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、トリ
ブチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメ
チルエチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロ
シラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、ブロモメチ
ルジメチルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロ
シラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジ
メトキシメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシ
ラン、トリエトキシクロロシラン、ジメチルフェニルク
ロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、ベン
ジルジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、
ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルビニルクロ
ロシラン、トリベンジルクロロシラン、3−シアノプロ
ピルジメチルクロロシランがあげられる。
【0021】有機シリルアミンの例としては、N−トリ
メチルシリルイミダゾール、N−t−ブチルジメチルシ
リルイミダゾール、N−ジメチルエチルシリルイミダゾ
ール、N−ジメチルn−プロピルシリルイミダゾール、N
−ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール、N−トリ
メチルシリルジメチルアミン、N−トリメチルシリルジ
エチルアミン,N−トリメチルシリルピロール、N−トリ
メチルシリルピロリジン、N−トリメチルシリルピペリ
ジン、ペンタフルオロフェニルジメチルシリルアミン、
1−シアノエチル(ジエチルアミノ)ジメチルシランが
あげられる。
【0022】有機シリルアミド及び誘導体の例として
は、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N,O−ビ
ストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−ト
リメチルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチ
ルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリ
ルトリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメ
【0023】チルシリルヘプタフルオロブチルアミド、
N−(t−ブチルジメチルシリル)−N−トリフルオロアセ
トアミド、N,O−ビス(ジエチルハイドロシリル)トリ
フルオロアセトアミドがあげられる。
【0024】有機シラザンの例としてはヘキサメチルジ
シラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラ
メチルジシラザン,1,3−ビス(クロロメチル)テトラメ
チルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザ
ンがあげられる。
【0025】その他のシリル化剤としては、N−メトキ
シ−N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトア
ミド、N−メトキシ−N,O−ビストリメチルシリルカーバ
メート、N,O−ビストリメチルシリルスルファメートメ
ート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナー
ト、N,N−ビストリメチルシリル尿素があげられる。
【0026】好ましいシリル化剤はヘキサメチルジシラ
ザンである。
【0027】シリル化の前の焼成済触媒に水和処理を施
すこともできる。この水和処理は、(シリル化の前に)
触媒を水と接触させそれからそれを加熱すること、又は
触媒を高温で、一般には100℃以上で、好ましくは1
50〜450℃の範囲内で0.5〜6時間水蒸気と接触
させることを意味する。水和処理を300〜450℃の
温度で1〜6時間水蒸気にさらすことによって行なう
と、最も良い結果が得られる。
【0028】前記の触媒は、たとえば粉末、フレーク、
球状粒子、ペレットのごとき任意の物理的形態で使用で
きる。
【0029】エポキシ化反応は上述の方法により調製し
た触媒の存在下、有機ハイドロパーオキサイドとオレフ
ィンとの反応により実施される。
【0030】有機ハイドロパーオキサイドは、一般式
R−O−O−H(ここにRは1価のヒドロカルビル基で
ある。)を有する化合物であって、これはオレフィン型
化合物と反応して、オキシラン化合物及び化合物R−O
Hを生成する。好ましくは、基Rは炭素原子を3〜20
個を有する基である。最も好ましくは、これは炭素原子
3〜10個のヒドロカルビル基、特に、第2又は第3ア
ルキル基又はアラルキル基である。これらの基のうちで
特に好ましい基は第3アルキル基、及び第2又は第3ア
ラルキル基であって、その具体例には第3ブチル基、第
3ペンチル基、シクロペンチル基、1−フェニルエチル
−1基、2−フェニルプロピル−2基があげられ、さら
にまた、テトラリン分子の脂肪族側鎖から水素原子を除
去することによって生じる種々のテトラニリル基もあげ
られる。
【0031】エチルベンゼンハイドロパーオキサイドを
使用した場合には、その結果得られるヒドロキシル化合
物は1−フェニルエタノールであり、これは脱水反応に
よってスチレンに変換できる。クメンハイドロパーオキ
サイドを使用した場合には、その結果得られるヒドロキ
シル化合物は2−フェニル−2−プロパノールである。
これは脱水反応によってα−メチルスチレンに変換でき
る。スチレン及びα−メチルスチレンの両者は工業的に
有用な物質である。
【0032】第3ペンチルハイドロパーオキサイドを使
用したときに得られる第3ペンチルアルコールの脱水反
応によって生じる第3アミレンは、イソプレンの前駆体
として有用な物質である。第3ペンチルアルコールはオ
クタン価向上剤であるメチル第3ペンチルエーテルの前
駆体としても有用である。t−ブチルハイドロパーオキ
サイドを使用したときに得られるt−ブチルアルコール
はオクタン価向上剤であるメチル−t−ブチルエーテル
の前駆体として有用な物質である。
【0033】原料物質として使用される有機ハイドロパ
ーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物で
あってよい。
【0034】少なくとも1つのオレフィン型二重結合を
有する有機化合物を有機ハイドロパーオキサイドと反応
させることができる。該化合物は非環式、単環式、二環
式又は多環式化合物であってよく、かつ、モノオレフィ
ン型、ジオレフィン型又はポリオレフィン型のものであ
ってよい。オレフィン結合が2以上ある場合には、これ
は共役結合又は非共役結合であってよい。炭素原子2〜
60個のオレフィン型化合物が一般に好ましい。置換基
を有していてもよいが、置換基は比較的安定な基である
ことが好ましい。このような炭化水素の例にはエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ヘキセン
−1、ヘキセン−2、ヘキセン−3、オクテン−1、デ
セン−1、スチレン、シクロヘキセンがあげられる。適
当なジオレフィン型炭化水素の例にはブタジエン、イソ
プレンがあげられる。置換基が存在してもよく、その例
にはハロゲン原子があげられ、さらにまた、酸素、硫
黄、窒素原子を、水素及び/又は炭素原子と共に含有す
る種々の置換基が存在してもよい。特に好ましいオレフ
ィン型化合物はオレフィン型不飽和アルコール、及びハ
ロゲンで置換されたオレフィン型不飽和炭化水素であ
り、その例にはアリルアルコール、クロチルアルコー
ル、塩化アリルがあげられる。特に好適なものは炭素原
子3〜40個のアルケンであって、これはヒドロキシル
基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0035】オキシラン化合物は有用な工業用化学品で
ある。プロピレンオキサイドは、重合反応又は共重合反
応によって有用な重合体生成物に変換できる。塩化アリ
ルから得られるエピクロロヒドリンも工業的に重要であ
る。エピクロロヒドリンはグリセリンに変換できる。ア
リルアルコールから得られたオキシラン化合物から、グ
リセリンを製造することも可能である。
【0036】エポキシ化反応は、溶媒及び/又は希釈剤
を用いて液相中で実施できる。溶媒及び希釈剤は、反応
時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ、反応体及
び生成物に対して実質的に不活性なものでなければなら
ない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中
に存在する物質からなるものであってよい。例えばエチ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド(EBHP)がEB
HPとその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物
であるばあいには、特に溶媒を添加することなく、これ
を溶媒の代用とすることも可能である。
【0037】希釈剤としてさらに第二の溶媒を用いるこ
とができ、希釈剤として有用な溶媒としては、芳香族の
単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、オルトジクロロベンゼン)、
及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)
などがあげられる。余剰量のオレフィン型反応体を溶媒
として使用することも可能である。すなわち、有機ハイ
ドロパーオキサイドと
【0038】一緒に供給された溶媒と共に、余剰量のオ
レフィン型反応体が溶媒として使用できる。溶媒全体の
使用量は、(ハイドロパーオキサイドモル当たり)20
モル以下であることが好ましい。
【0039】エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃
であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、
反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。
一般に圧力は100〜10000KPaであることが有
利である。
【0040】エポキシ化反応の終了後に、所望生成物を
含有する液状混合物が触媒組成物から容易に分離でき
る。次いで液状混合物を適当な方法によって精製でき
る。精製は分別蒸留、選択抽出、濾過、洗浄等を含む。
溶媒、触媒、未反応オレフィン、未反応ハイドロパーオ
キサイドは再循環して再び使用することもできる。本発
明方法は、スラリー、固定床の形の触媒を使用して有利
に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床
を用いるのが好ましい。本発明の方法は、回分法、半連
続法又は連続法によって実施できる。反応体を含有する
液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混
合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含
まれていない。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明が実施例により限定されないことは言うまでもな
い。
【0042】実施例1触媒調製 : 市販シリカゲル(10〜20mesh、表面積326m
2 /g、平均細孔径10nm、55g)を2N HCl
(200g)に含浸し、14時間静置した。濾過し、炉
液が中性になるまで脱イオン水で洗った。固体を真空乾
燥(200℃,2mmHg,2h)して前処理済みのシ
リカを得た。窒素気流下、チタン酸テトライソプロピル
(2.2g)のイソプロパノール(20ml)溶液に攪
拌下アセチルアセトン(1.6g)をゆっくり滴下した
後30分室温で攪拌した。上記のように水含浸処理した
シリカゲル(50g)とイソプロパノール(230m
l)の混合物に、上記の液を滴下した後、1時間室温で
攪拌後混合物を濾過した。固体部分をイソプロパノール
で洗浄した(60℃、20h)。固体部を空気雰囲気下
150℃で2時間乾燥した。更に空気雰囲気下600℃
で4時間焼成した。この物質(10g)、ヘキサメチル
ジシラザン(4g)、トルエン(50g)を混合し、攪
拌下、1時間加熱還流した。混合物から濾過により液を
留去した。トルエン(100g)で洗浄し、真空乾燥
(120℃、10mmHg、3時間)することにより触
媒を得た。
【0043】プロピレンのエチルベンゼンハイドロパー
オキサイト゛(EBHP)を用いるエポキシ化反応による
プロピレンオキサイド(PO)の合成: 上記のようにして合成した触媒(仕込み基準のTi含有
量0.75wt%、3g)、35%エチルベンゼンハイド
ロパーオキサイド(24g)、プロピレン(17g)を
磁気攪拌機付きオートクレーブに仕込み、90℃で1時
間反応した。反応成績を表1に示す。
【0044】実施例2 固体部分を、60℃ではなく、室温で3回イソプロパノ
ールで洗浄する点を除き、実施例1と同等の方法により
触媒を得た。エポキシ化反応成績を表1に示す。
【0045】実施例3 担体水含浸の水が、pH=3のHCl水である点を除き
実施例2と同等の方法により触媒を得た。エポキシ化反
応成績を表1に示す。
【0046】実施例4 担体水含浸の水が、pH=5.5の水である点を除き実
施例3と同等の方法により触媒を得た。エポキシ化反応
成績を表1に示す。
【0047】実施例5 担体水含浸の水が、pH=11のアンモニア水である点
を除き実施例4と同等の方法により触媒を得た。エポキ
シ化反応成績を表1に示す。
【0048】比較例1 水含浸処理を行わない担体を用いる点を除き実施例1と
同等の方法により触媒を得た。エポキシ化反応成績を表
2に示す。
【0049】比較例2 水含浸処理を行わない担体を用いる点を除き、実施例2
と同等の方法により触媒を得た。エポキシ化反応成績を
表2に示す。
【0050】表1及び表2において、担体水含浸により
プロピレンオキサイド選択率は変化することなく活性が
約2倍に上昇することをを示している(反応速度定数を
比較)。この結果より、担体水含浸の効果は明らかであ
る。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】 ・EBHP転化率=消費EBHP(mol)/仕込みE
BHP(mol)×100 ・k=ln((仕込みEBHP(mol)/残存EBH
P(mol))/触媒重量(g)/反応時間(h) ・PO選択率= 生成PO(mol)/消費EBHP
(mol)×100
【0054】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、オ
レフィン型化合物と有機ハイドロパーオキサイドとを反
応させてオキシラン化合物を製造するチタン含有固体触
媒であって、活性が高く、公知法より小さな反応器で目
的の変換を行うことを可能とする触媒、及び該触媒を用
いるオキシラン化合物の製造方法を提供することができ
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
    オキサイドとを反応させてオキシラン化合物を製造する
    チタン含有固体触媒であって、(1)担体シリカを水に
    含浸後乾燥し、(2)チタン化合物を上記(1)の処理
    をした担体シリカ上に担持し、(3)焼成する、ことに
    よって得られる触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法により得られた触媒をさ
    らにシリル化することにより得られる請求項1記載の触
    媒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の触媒又は請求項2記載の
    触媒の存在下、オレフィン型化合物と有機ハイドロパー
    オキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 オレフィン型化合物がプロピレンである
    請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機ハイドロパーオキサイドがエチルベ
    ンゼンハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがエチルベンゼン
    ハイドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 オレフィン型化合物がプロピレンであ
    り、かつ有機ハイドロパーオキサイドがt−ブチルハイ
    ドロパーオキサイドである請求項3記載の製造方法。
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JP2003535686A (ja) * 2000-06-21 2003-12-02 シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー 触媒組成物、その調製方法およびその使用

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