JPH10322887A - 地絡距離継電器 - Google Patents

地絡距離継電器

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JPH10322887A
JPH10322887A JP12974497A JP12974497A JPH10322887A JP H10322887 A JPH10322887 A JP H10322887A JP 12974497 A JP12974497 A JP 12974497A JP 12974497 A JP12974497 A JP 12974497A JP H10322887 A JPH10322887 A JP H10322887A
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田 隆 文 前
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川 寛 山
Hiroshi Saito
藤 浩 斎
Yasuhiro Kurosawa
沢 保 広 黒
Hideya Amo
羽 秀 也 天
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高抵抗接地系に適用しても、負荷電流及び事
故点抵抗の影響を受け難い地絡距離継電器を提供する。 【解決手段】 電力系統の電圧及び電流を導入して事故
点までの距離を演算するに当たり、第1の手段(11)が逆
相電流を算出する一方、第2の手段(12)が地絡事故相を
検出すると、第3の手段(13,14,15)が地絡事故によって
も大きさ及び位相が変化しない基準電圧と第1の手段に
よって算出された逆相電流との位相差を、地絡事故が検
出される前後に亘って算出し、少なくとも地絡事故が検
出される以前の逆相電流及び位相差を保持するように
し、さらに、第4の手段(16,17) が地絡事故後の逆相電
流、地絡事故発生前の逆相電流及び位相差、並びに地絡
事故発生後の位相差に基づいて、負荷電流及び事故点抵
抗に起因する逆相電流の位相変化分を算出し、この位相
変化分により地絡事故後の逆相電流を移相して極性量と
するもので、この極性量に基づいて測距演算手段(18)が
事故点までの距離を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高抵抗接地系統に
適用するディジタル形の地絡距離継電器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高抵抗接地系統における送電線の
地絡事故検出には地絡方向継電器が用いられていた。し
かし、この地絡方向継電器は方向判別のみを主目的とし
ているため、事故区間の識別は時限協調によって行なわ
ざるを得なかった。このため、電源端子事故ではしゃ断
遅延となること、零相循環電流が存在するような系統で
は方向判別を誤る恐れがあること等の問題があった。ま
た、近年の電力系統の構成の複雑化、多様化に伴い時限
のみでは他装置との協調をとりづらく保護機能上必ずし
も十分とは言えない状況になっている。
【0003】このような状況下では、地絡保護について
も事故区間識別能力を有する距離継電方式を適用するこ
とが望まれる。距離継電方式は周知のとおり、継電器設
置点から事故点までの距離を測定することから事故区間
識別能力が高く、前述のように電力系統の構成にあまり
左右されずに高速化が図られ、しかも自回線及び隣回線
の零相電流補償を実施すれば零相循環電流の影響を受け
ずに安定した事故検出が可能となる。
【0004】しかるに、高抵抗接地系に地絡距離継電器
を適用するには、次のa,b項の対策を講じる必要があ
る。 a.電力系統周辺への誘導障害の問題上、対地電流を抑
制するために事故電流が負荷電流より小さい場合があ
り、距離測定値精度(以下、距離測定を測距と略記し、
これを測距値精度とも言う)は負荷電流による事故前後
の電流位相の変化に影響を受ける。このため、負荷電流
成分を除去する必要がある。 b.継電器設置端子で入力した電気量で測距演算をする
ため、例えば、図11に示したような系統事故、すなわ
ち、継電器RYから見て距離Xの点で事故が発生した場
合、継電器に入力される電圧をVa 、電流をIa とし、
事故点の電圧をVF 、線路降下電圧をVL とすると、 Va =VL +VF …(1) の関係が成立するので、インピーダンスとして計算され
る距離Xは次式で表される。
【0005】
【数1】 この(2)式において、第1項が真値であり、第2項が
誤差分となり、事故点電圧VF が測距誤差の要因になっ
ている。高抵抗接地系における事故点電圧VFを線路降
下電圧VL と比較するとVF >VL の関係にあること
が、例えば、文献「保護継電技術」(昭和54年.東京
電気大学出版局発行、第8章、電力系統の中性点方式)
に記載されている。従って、事故点電圧VF の影響をで
きるだけ受けないようにする必要がある。しかして、高
抵抗接地系へ地絡距離継電器を適用するに当たって、負
荷電流及び事故点抵抗の影響を受け難い測距演算をする
必要がある。
【0006】因みに、事故点電圧を消去する方式とし
て、特公昭58−29471号公報に開示されたよう
に、事故電流と同位相となる極性量を選択することによ
って除去できることは知られており、この極性量にはα
回路(α・β・O法によるα変換量)の事故前後の電流
変化分を用いるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】極性量に事故前後の電
流変化分を使用することによって、前述の負荷電流の影
響を除去できるが、距離継電器に単なる変化分電流を適
用すると次のA,B,C項の問題がでてくる。 A.事故継続中に変化分量が零になると安定した極性量
が得られなくなり、測距演算誤差を生じてしまう。 B.周波数変動を伴う事故の場合には、変化分電流に誤
差を生じ、極性量が不安定となって、正しく測距できな
い。 C.進展あるいは追いかけ事故等では極性量自身の位相
が変化するため、正確な動作判定を期待することができ
ない。 このため、距離継電器における極性量は、事故前後の電
流変化分によらない方法で負荷電流成分を除去する必要
性があった。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、高抵抗接地系に適用するに当たり、負荷
電流及び事故点抵抗の影響を受けにくい測距演算を行う
ことにより、測距性能を向上させて安定動作が期待でき
る信頼性の高い地絡距離継電器を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る地絡事故継
電器は、電力系統の電圧及び電流を導入し、送電線に発
生した地絡事故を検出すると共に、事故点までの距離を
演算するに当たり、第1の手段が逆相電流を算出する一
方、第2の手段が地絡事故相を検出すると、第3の手段
が地絡事故によっても大きさ及び位相が変化しない基準
電圧と第1の手段によって算出された逆相電流との位相
差を、地絡事故が検出される前後に亘って算出し、少な
くとも地絡事故が検出される以前の逆相電流及び位相差
を保持するようにし、さらに、第4の手段が地絡事故後
の逆相電流、地絡事故発生前の逆相電流及び位相差、並
びに地絡事故発生後の位相差に基づいて、負荷電流及び
事故点抵抗に起因する逆相電流の位相変化分を算出し、
この位相変化分により地絡事故後の逆相電流を移相して
極性量とするもので、この極性量に基づいて事故点まで
の距離を演算することにより負荷電流及び事故点抵抗の
影響を受け難い測距演算を可能にしている。
【0010】第3の手段の具体的構成として、基準電圧
と逆相電流との外積値及び内積値を算出する位相差算出
手段と、算出された外積値及び内積値に基づき逆相電流
の基準電圧に対する位相差を演算し、地絡事故検出時刻
よりも所定時間だけ前の逆相電流及び位相差を保持する
事故前位相差保持手段と、算出された外積値及び内積値
に基づき、地絡事故検出時刻より後における逆相電流の
基準電圧に対する位相差を算出する事故後位相差算出手
段とを含むようにする。
【0011】また、第4の手段の具体的構成として、地
絡事故後の逆相電流、事故前位相差保持手段に保持され
た地絡事故前の逆相電流及び位相差、並びに事故後位相
差算出手段によって算出された地絡事故後の位相差に基
づき、負荷電流及び事故点抵抗に起因する逆相電流の位
相変化分を算出する事故前後の位相差算出手段と、算出
された位相変化分に従って、地絡事故後の逆相電流を移
相して極性量とする移相演算手段とを含むようにする。
【0012】さらに、地絡事故によっても大きさ及び位
相が変化しない基準電圧としては、地絡事故相に対する
健全相の線間電圧を用いたり、あるいは、正相電圧を用
いたりすることができるので、これらの機能を第2の手
段に持たせ、それぞれ基準電圧として第3の手段に加え
るようにしている。
【0013】第3の手段が基準電圧に対する逆相電流の
位相差を求めたり、第4の手段が負荷電流及び事故点抵
抗に起因する逆相電流の位相変化分を求めるに際して、
正接関数値から逆正接関数値を求める演算を余儀無くさ
れるが、この演算を行う代わりに、正接関数値とこれに
対応する逆正接関数値とをテーブルとして記憶させた記
憶手段を設け、この記憶手段を参照することによって、
処理の負担を軽減することができる。
【0014】ところで、事故点までの距離を演算する場
合の極性量としては上述した逆相電流に限定されるもの
ではなく、零相電流を採用することもできる。そこで、
もう一つの発明は、この零相電流を用いて上述したと全
く同様な演算を実行するように構成したもので、これに
よっても、負荷電流及び事故点抵抗の影響を受け難い測
距演算が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実
施形態の構成を示すブロック図で、特に、マイクロプロ
セッサ等に持たせた機能をブロックに示したものであ
る。図1において、図示省略の電流検出器及びAーD変
換器を介して得られる、ディジタル化された三相交流電
流の検出値(以下、単に電流とも言う)iが逆相電流算
出手段11に加えられ、同じく、図示省略の電圧検出器及
びAーD変換器を介して得られる、ディジタル化された
三相交流電圧の検出値(以下、単に電圧とも言う)vが
事故相検出手段12及び位相差算出手段13に加えられる。
逆相電流算出手段11は電流iに基づき測距演算に用いる
極性量として逆相電流I2 を算出して位相差算出手段1
3、事故前後の位相差算出手段16及び移相演算手段17に
加える。
【0016】事故相検出手段12は電圧vに基づき各相電
圧の合成値を求め、その振幅値が基準値を超えたとき地
絡事故発生と判定し、そのタイミング信号を測距演算の
起動信号として事故前位相差保持手段14に加える一方、
事故相を判定し、健全な相の線間電圧(一般に、健全相
直角電圧と言う)を選択して基準電圧Vp を位相差算出
手段13に加えるものである。位相差算出手段13はこれに
加えられる電圧v、逆相電流I2 及び基準電圧Vp を用
いて逆相電流I2 と基準電圧Vp の内積I2 *Vpcos
び外積I2 *Vpsinを演算して事故前位相差保持手段14
及び事故後位相差算出手段15に加えるものである。
【0017】事故前位相差保持手段14はその内部にメモ
リを含み、逆相電流I2 と基準電圧Vp との外積と内積
との比を用いて基準電圧に対する逆相電流I2 の位相を
演算して順次記憶し、これに加えられる起動信号を基準
にして数サイクル遡った時点、すなわち、事故前の逆相
電流I2L及びその位相φ2Lを出力して事故前後の位相差
算出手段16に加える。一方、事故後位相差算出手段15は
逆相電流I2 と基準電圧Vp の外積と内積との比を用い
て基準電圧に対する逆相電流I2 の位相φ2Fを演算して
事故前後の位相差算出手段16に加える。事故前後の位相
差算出手段16は、これに加えられる事故前後の逆相電流
2L、I2F及びその位相差φ2L及びφ2Fを用いて負荷の
逆相成分によって生じる極性量の位相ずれθを算出して
移相演算手段17に加えるものである。また、移相演算手
段17は位相ずれθを用いて逆相電流の移相演算を実行し
て有効成分のみの極性量I2m′を求めるものであり、こ
こで求められた極性量I2m′に従って測距演算手段18が
周知の距離測定演算を実行する構成になっている。
【0018】上記のように構成された本実施形態の詳細
な動作について、図2乃至図6をも参照して以下に説明
する。逆相電流算出手段11はこれに加えられた電流iを
もとに測距演算に用いる極性量として逆相電流I2 を算
出する。極性量の考え方は前述の特公昭58−2947
1号公報に基本原理が詳しく記載されているので詳述は
避けるが、本実施形態では逆相電流I2 を極性量として
いる。以下に、逆相電流I2 の位相と事故電流IF の位
相との関係について説明する。図2に示した如く、A端
の電源EA とB端の電源EB との間に地絡事故が発生
し、事故点の電圧、すなわち、事故電圧をVαF 、A,
B端から事故点を見たインピータンスをZA 、ZB 、α
回路におけるA,B端子から事故点に流れる電流をI
αA 、IαB とした場合、次の(3)〜(5)式が成立
する。
【0019】
【数2】 ただし IαA ,IαB :α回路におけるA,B端子からの電流
(大地へは流れない) ZA ,ZB :α回路の事故点より見たA,B端側のイ
ンピーダンス Iβ :β回路電流(事故相、大地へは流れない) である。そこで、(5)式を変形すると次式が得られ
る。 EA −EB =IαA ・ZA −IαB ・ZB …(6) この(6)式を(4)式に代入すると次式が得られる。
【0020】
【数3】 従って、逆相電流I2 であるIαA −jIβは(7)式
を用いて次式により演算できる。
【0021】
【数4】 この場合、インピータンスZA 、ZB 及びZA +ZB
図3に示す関係にあり、インピーダンスZA +ZB の抵
抗角をφAB、インピータンスZB の抵抗角をφB とすれ
ば、逆相電流I2 と事故電流IF との位相差はφAB−φ
B となる。しかるに、A,B端ともに電源であればイン
ピータンスZA ,ZB の抵抗角φA ,φB はほぼ等し
く、又、B端子が負荷であれば抵抗角に差を生じるが、
この場合でもZB >>ZA であるので、位相差φAB−φ
B は小さい。
【0022】以上の理由から、逆相電流I2 を用いるこ
とによって位相が事故電流IF に近似した極性量、すな
わち、事故点電圧VF を消去できる極性量が得られる。
ここで、常時の負荷に含まれる逆相電流の影響について
説明する。(8)式から負荷成分を考慮した場合には下
記(9)式に書き換えられる。
【0023】
【数5】 この(9)式中のI2Lは負荷に含まれる逆相電流であ
り、逆相電流I2 は事故電流IF と逆相電流I2Lの大き
さに関係する。この傾向は、図4に示すように、I2L
0の場合の事故電流IF と逆相電流I2 の位相差をφと
し、逆相電流I2Lの大きさにより生じる逆相電流I2
位相のずれをδとすると、負荷に含まれる逆相電流I2L
の影響により位相差φがφ±δに変化することになる。
すなわち、事故電流IF とほぼ同位相となる逆相電流I
2 が、負荷電流に含まれる逆相電流I2Lの位相変化の影
響を受けると測距値誤差の要因となる。
【0024】本実施形態では、この位相変化分δを次の
ようにして消去する。すなわち、事故相検出手段12は、
これに加えられた電圧vから各相電圧の合成値Vam+V
bm+Vcmより零相電圧の振幅値|V0m|を求め、続い
て、感度値Vksetとの大小比較を行い、|V0m|>V
ksetと判断すれば動作となる、いわゆる、地絡過電圧継
電器の機能を備えており、その動作タイミングを後述の
地絡事故発生の起動条件としている。さらに、事故相検
出手段12はこの地絡過電圧継電器が動作した時に限り、
各相電圧の振幅値からその最小値|Vmin |を判定して
事故相を検出し、健全相の線間電圧を選択し、これを基
準電圧Vp として出力するる。
【0025】位相差算出手段13は、逆相電流算出手段11
で得られた逆相電流I2 と、事故相検出手段12で選択さ
れた基準電圧Vp との位相差を演算するために、それぞ
れ外積値I2 *Vpsin、内積値I2 *Vpcosを算出して
いる。この場合、基準電圧Vp は、事故相、大地には無
関係であるため、事故前後で位相差を生じることはな
く、位相差算出の基準量として有効である。従来より、
地絡距離継電器の方向判別においても事故相電圧より9
0度進んだ健全相直角電圧を用いていることは良く知ら
れており、例えば、文献「保護継電工学」(平成2年、
電気学会発行、第5版、第124頁)にも記載されたと
おりである。
【0026】図5は、a相事故時における健全相直角電
圧Vbcと、事故前後の逆相電流I2との位相の関係を示
すベクトル図である。いま、健全相直角電圧Vbcを基準
ベクトルとし、事故前後の逆相電流をそれぞれI2L,I
2Fとすれば、事故前の逆相電流I2Lの位相角φ2Lは下記
(10)式により、事故後の逆相電流I2Fの位相角φ2F
は下記(11)式によってそれぞれ算出できる。
【0027】
【数6】 そこで、事故前位相差保持手段14は、事故相検出手段12
で事故判定した時刻tF をもとに、事故検出までの動作
遅延時間及びマージン等を考慮し、例えば、3サイクル
前の逆相電流I2L(逆相電流算出手段11で検出)及び位
相差量I2L・Vβsin ,I2L・Vβcos から(10)式
で事故前位相差φ2Lを求め、I2L及びφ2Lを保持する。
同様にして、事故後位相差算出手段15は、事故判定した
時刻tF以降の事故後に得られた逆相電流I2F(逆相電
流算出手段11で検出)及び位相差量I2F・Vβsin ,I
2F・Vβcos から(11)式で事故後位相差φ2Fを求め
る。事故前後の位相差算出手段16は、負荷の逆相成分に
よって生じる位相ずれθを直接求めるもので、この位相
ずれθは図5に示したように、事故前逆相電流I2Lと事
故後逆相電流I2Fとの変化分I2 (=I2F−I2L)と、
事故後逆相電流I2Fとの位相差に相当し、次式によって
算出する。
【0028】
【数7】 すなわち、図5から明らかなように、事故後逆相電流I
2Fをθだけ移相すれば、逆相電流電流I2 と同位相の成
分となり、負荷電流に含まれる逆相電流I2Lによる位相
ずれを消去することができる。この場合、事故前の位相
差量φ2Lは事故前位相差保持手段14により保持されてお
り、常時一定の事故前の逆相電流I2L、位相差量φ2L
基準にするので、事故が長期に亘って継続する場合、あ
るいは、周波数変動が生じるような事故においても正確
な位相差が求められ、安定した極性量の移相演算が可能
となる。
【0029】移相演算手段17はこの移相演算を実行する
ものである。一般に、移相演算は所定の大きさのサンプ
リングデータを合成することによって任意の位相シフト
が可能であり、例えば、図6に示すように、事故後の逆
相電流I2Fm から前述のθだけ移相した逆相電流I2m
を求めるには次の(13)式を用いることができる。因
みに、サンプリング周期を30度としている。 I2m′=k1 ・I2Fm +k2 ・I2Fm-1 …(13) ただし、k1 ,k2 は次の(14)式の正接関数を満足
するように選ぶ。
【0030】
【数8】 よって、(13)式の演算により事故後の逆相電流I
2Fm に対してθだけ移相された逆相電流I2m′を得るこ
とができ、事故電流IF に位相が近似し、かつ、負荷電
流に含まれる逆相電流I2Lの影響を受けない有効成分の
みの極性量が求められる。このようにして求められた極
性量I2m′に基づいて測距演算手段18が事故点までの距
離演算を実行する。なお、演算原理そのものは前述の特
公昭58−29471号公報に記載されたとおりである
が、参考までに示すとその演算式は次のようになる。
【0031】
【数9】 ただし X :事故点までのリアクタンス Im( ):( )内の虚数成分 XSET :整定値 である。この場合、(15)式に示した除算を行う代わ
りに、例えば、(15)式の除数を両辺に乗じた次の
(16)式を用いても同様な動作を行わせることができ
る。 Im(Va ・I2m′)≦Im(Ia ・I2m′)・XSET …(16) なお、事故前位相差保持手段14に保存された事故前のデ
ータは、地絡距離継電器が不動作(動作ゾーン以遠の事
故)であるか、あるいは、地絡方向継電器が不動作(背
後事故)である場合にリセットされる。これにより、内
部事故中は事故前データは有効となり、進展事故にも対
応できる利点がある。
【0032】かくして、本発明の第1の実施形態によれ
ば、高抵抗接地系の地絡距離を判別するに当たり、負荷
電流及び事故点抵抗の影響を受け難い距離演算を行うこ
とができ、測距性能を向上させて安定動作が期待できる
信頼性の高い地絡距離継電器を提供することができる。
【0033】ところで、上記第1の実施形態では、事故
前後で求めた逆相電流の位相差量から、負荷電流の影響
によって生じる位相ずれを正接関数の演算により直接算
出したが、この代わりに、予め正接関数値の数列とこれ
に対応する逆正接関数値をROM等に設定、記憶させて
おき、位相差量の除算値をこの設定値に近似するところ
の逆正接関数値を選択することによって事故前後の位相
差を求め、この位相差の分だけ移相させて負荷電流成分
を消去することもできる。
【0034】図7はこの考えに従った第2の実施形態の
構成を示すブロック図である。図中、図1と同一の要素
には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施
形態は、正接関数値の数列とこれに対応する逆正接関数
値を記憶させた記憶手段20が図1の構成要素に付加され
ており、この記憶手段20を参照して逆正接関数値を求め
るべく、図1中の事故前位相差保持手段14、事故後位相
差算出手段15及び事故前後の位相差算出手段16の代わり
に、事故前位相差選択手段24、事故後位相差選択手段25
及び事故前後の位相差選択手段26を備えている。図8は
記憶手段20に記憶された逆正接関数表の一部を示したも
のである。
【0035】上記のように構成された第2の実施形態の
動作について、特に、図1と構成を異にする部分を中心
にして以下に説明する。事故前位相差選択手段24及び事
故後位相差選択手段25は事故前後の負荷電流の健全相直
角電圧に対する位相差を演算するに当たり、それぞれ
(10)式及び(11)式にて逆正接関数値を求める際
に算出される除算結果が、図8に示す逆正接関数表の数
列(tan φ)内の近似するところの逆正接算数値(φ)
を選択して、事故前の逆相電流I2Lの位相角φ2L、事故
後の逆相電流I2Fの位相角φ2Fを得る。同様にして、事
故前後の位相差選択手段26は(12)式にて逆正接関数
値を求める際に算出される除算結果が、図8に示す逆正
接関数表の数列(tan φ)内の近似するところの逆正接
算数値(φ)を選択して直接位相差θを求める。
【0036】よって、第2の実施形態によれば、正接関
数値とこれに対応する逆正接関数との対応表を用いるこ
とにより、関数演算を実行することなく、処理負担を軽
減して位相差θを得ることができ、第1の実施形態と同
様の効果が得られる。
【0037】図9は本発明の第3の実施形態の構成を示
すブロック図であり、図中、図1と同一の要素には同一
の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、
位相差演算における基準電圧を正相電圧としたもので、
基準電圧として線間電圧を選択する図1中の事故相検出
手段12の代わりに、基準電圧として正相電圧を算出する
事故相検出手段32を設けると共に、図1中の位相差算出
手段13の代わりに正相電圧を用いる位相差算出手段33を
設けた構成になっている。
【0038】ここで、事故相検出手段32は事故相の判定
機能と正相電圧算出機能とを備えている。この場合、事
故相検出手段32は、正相電圧V1 を対称座標法とαβO
法との関係によって算出するもので、例えば、a相基準
の場合には次の(17)式にて算出する。
【0039】
【数10】 a相1線地絡の場合、前記αβO変換法によれば、β回
路は開放でα回路と零相回路が直列接続の関係にあるた
め、本電圧量としても事故前後の位相の変化は少ないと
言える。よって、正相電圧を位相差算出における基準量
としても、上述したと同様な動作を行わせることができ
るため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。な
お、図9に示した正相電圧を基準電圧とする場合でも、
位相差及び移相量の算出に際して、図7及び図8に示し
た記憶手段20を参照することにより処理負担を軽減さ
せることができる。
【0040】図10は本発明の第4の実施形態の構成を
示すブロック図であり、図中、図1と同一の要素には同
一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態
は、極性量として零相電流を選択するもので、図1中の
逆相電流算出手段11の代わりに零相電流算出手段41を用
い、さらに、図1中の位相差算出手段13の代わりに位相
差演算における基準電圧を正相電圧とする位相差算出手
段43を用いた構成になっている。なお、逆相電流I2
代わりに零相電流I0 を用いたことに対応して、図1中
のI2 がI0 に、φ2 がφ0 に置き換えられ、各演算式
もこれと同様の置換で済むため、図1と構成を異なる点
を中心にしてその動作を以下に説明する。
【0041】零相電流検出手段41は、これに加えられた
電流iをもとに測距演算に用いる極性量と零相電流I0
を算出する。なお、図10には示していないが、零相電
流検出手段41は相電流を加算するものであっても、零相
電流I0 を直接検出するものであっても良い。零相電流
0 の位相と事故電流IF の位相とは次の関係がある。
すなわち、図2において、O回路の事故点から見たA,
B端側の零相インピーダンスをそれぞれZ0A,Z0Bとす
ると、(8)式は次の(18)式に置換できる。
【0042】
【数11】 そして、図3中のZA をZ0A、ZB をZ0Bとして扱う
と、前述したようにA,Bの両端が共に電源であれば零
相インピーダンスZ0A,Z0Bの抵抗角はほぼ等しく、B
端子が負荷端子であればZ0B>>Z0Aであるため位相差
は少なく、(8)式の関係より零相電流I0Fを用いるこ
とで事故電流IF に位相が近似することとなり、上述し
たと同質の極性量とすることができる。しかして、図1
に示した第1の実施形態で逆相電流I2 としている極性
量を零相電流I0 で考えることによって、第1の実施形
態と同様の作用、効果が得られるなお、極性量として零
相電流I0 を選択した場合でも、図7に示す第2の実施
形態で用いた逆正接関数表によって同様な位相算出を行
っても上述したと同様の作用、効果が得られることは言
うまでもない。
【0043】ところで、上述した第1乃至第4の各実施
形態では、距離継電器の動作判定に、リアクタンス成分
を直接算出する演算方式を採用したが、これ以外の判定
方式を採用することもできる。すなわち、距離継電器の
動作判定原理には、例えば、上記文献「保護継電工学」
(電気学会発行、第5版、第122頁)に記述されてい
る電流と整定値から電圧に変換し、等価的にインピーダ
ンスを電圧に置き換えて判定する位相比較判定方式及び
絶対値比較方式がある。次の(19)式は一般的な位相
比較方式の判定式である。 X・I2 −VIsin φ−k≧0 …(19) ただし k:抑制項 φ:電圧Vと電流Iの位相差である。
【0044】この判定式自体は本発明の主旨ではないの
で詳述は避けるが文献「保護継電工学」(電気学会発
行、第5版、第101頁)に記載されているものであ
る。因みに、(13)式で得られた逆相電流I2m′を
(19)式の両辺に乗算して整理すると次の(20)式
が得られる。 X・I2 ・I2m′≧(VIsin φ+k)I2m′…(20) この(20)式は第1の実施形態として説明した(1
6)式と等価であり、測距演算手段18の内部構成を変更
するだけで済み、この判定法を用いても上述したと同様
の動作を行わせることができる。
【0045】また、動作量、抑制量の算出手段として絶
対値比較方式を採用しても上述したと同様の動作を行わ
せることができる。なおまた、上記実施例ではマイクロ
プロセッサ等に持たせた機能を合計8個の機能ブロック
で表現したが、これらの機能の分解又は合併により新た
なブロック名を付して表現することもできる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、極性量の位相ずれの要因となる負荷電流
の影響を、変化分電流を用いずに消去することができ、
事故継続中も安定した極性量を維持し、かつ、周波数変
動、進展事故にも演算誤差の少ない距離演算を行うこと
により、測距性能を向上させ安定動作の期待できる信頼
性の高い地絡継電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地絡距離継電器に係る第1の実施形態
の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した実施形態の適用線路を示した等価
回路図。
【図3】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、逆相電流と事故電流との位相差の関係を、インピー
ダンスを用いて示したベクトル図。
【図4】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、負荷に含まれる逆相分による逆相電流の位相ずれを
示したベクトル図。
【図5】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、健全相電圧を基準として事故前後の逆相電流の位相
差を示したベクトル図。
【図6】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、逆相電流のサンプリングデータをもとに移相演算を
行う手法を示すベクトル図。
【図7】本発明の地絡距離継電器に係る第2の実施形態
の構成を示すブロック図。
【図8】図7に示した実施形態で参照する逆正接関数表
を示した図表。
【図9】本発明の地絡距離継電器に係る第3の実施形態
の構成を示すブロック図。
【図10】本発明の地絡距離継電器に係る第4の実施形
態の構成を示すブロック図。
【図11】本発明を適用する送電線系統事故を説明する
系統図。
【符号の説明】
11 逆相電流算出手段 12,32 事故相検出手段 13,33,43 位相差算出手段 14,24 事故前位相差保持手段 15,25 事故後位相差算出手段 16,26 事故前後の位相差算出手段 17 移相演算手段 18 測距演算手段 20 記憶手段 41 零相電流算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 川 寛 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 斎 藤 浩 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 黒 沢 保 広 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 天 羽 秀 也 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の電圧及び電流を導入し、送電線
    に発生した地絡事故を検出すると共に、事故点までの距
    離を演算する地絡事故継電器において、 前記電流の逆相電流を算出する第1の手段と、 前記電圧に基づいて地絡事故相を検出する第2の手段
    と、 前記電圧に基づいて予め算出された基準電圧と前記第1
    の手段によって算出された逆相電流との位相差を、前記
    第2の手段によって地絡事故が検出される前後に亘って
    算出し、少なくとも地絡事故が検出される以前の前記逆
    相電流及び前記位相差を保持する第3の手段と、 前記第1の手段によって算出された地絡事故後の逆相電
    流、前記第3の手段によって算出、保持された地絡事故
    発生前の前記逆相電流及び前記位相差、並びに前記第3
    の手段によって算出された地絡事故発生後の前記位相差
    に基づいて、負荷電流及び事故点抵抗に起因する前記逆
    相電流の位相変化分を算出し、この位相変化分により前
    記第1の手段によって算出された地絡事故後の前記逆相
    電流を移相して極性量とする第4の手段と、 を備え、前記第4の手段によって得られた前記極性量に
    基づいて事故点までの距離を演算することを特徴とする
    地絡事故継電器。
  2. 【請求項2】前記第3の手段は、 前記基準電圧と前記第1の手段によって算出された逆相
    電流との外積値及び内積値を算出する位相差算出手段
    と、 前記位相差算出手段により算出された外積値及び内積値
    に基づき前記逆相電流の前記基準電圧に対する位相差を
    演算し、前記第2の手段による地絡事故検出時刻よりも
    所定時間だけ前の前記逆相電流及び前記基準電圧に対す
    る位相差を保持する事故前位相差保持手段と、 前記位相差算出手段により算出された外積値及び内積値
    に基づき、前記第2の手段による地絡事故検出時刻より
    後における前記逆相電流の前記基準電圧に対する位相差
    を算出する事故後位相差算出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地絡事故継
    電器。
  3. 【請求項3】前記第4の手段は、 前記第1の手段によって算出された地絡事故後の逆相電
    流、前記事故前位相差保持手段に保持された地絡事故前
    の前記逆相電流及び位相差、並びに前記事故後位相差算
    出手段によって算出された地絡事故後の位相差に基づ
    き、負荷電流及び事故点抵抗に起因する前記逆相電流の
    位相変化分を算出する事故前後の位相差算出手段と、 前記事故前後の位相差算出手段によって算出された位相
    変化分に従って、前記第1の手段によって算出された地
    絡事故後の逆相電流を移相して極性量とする移相演算手
    段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地絡事故継
    電器。
  4. 【請求項4】前記第2の手段は、地絡事故相に対する健
    全相の線間電圧を検出する手段を備え、この線間電圧を
    基準電圧として前記第3の手段に加えることを特徴とす
    る請求項1に記載の地絡事故継電器。
  5. 【請求項5】前記第2の手段は、地絡事故相に対する正
    相電圧を検出する手段を備え、この正相電圧を基準電圧
    として前記第3の手段に加えることを特徴とする請求項
    1に記載の地絡事故継電器。
  6. 【請求項6】正接関数値とこれに対応する逆正接関数値
    とをテーブルとして記憶させた記憶手段を備え、前記第
    3の手段は前記記憶手段を参照して前記位相差を求め、
    前記第4の手段は前記記憶手段を参照して前記位相変化
    分を求めることを特徴とする請求項1に記載の地絡事故
    継電器。
  7. 【請求項7】電力系統の電圧及び電流を導入し、送電線
    に発生した地絡事故を検出すると共に、事故点までの距
    離を演算する地絡事故継電器において、 前記電流の零相電流を算出又は導入する第1の手段と、 前記電圧に基づいて地絡事故相を検出する第2の手段
    と、 前記電圧に基づいて算出された基準電圧と前記第1の手
    段によって算出された零相電流との位相差を、前記第2
    の手段によって地絡事故が検出される前後に亘って算出
    し、少なくとも地絡事故が検出される以前の前記零相電
    流及び前記位相差を保持する第3の手段と、 前記第1の手段によって算出された地絡事故後の零相電
    流、前記第3の手段によって算出、保持された地絡事故
    発生前の前記零相電流及び前記位相差、並びに前記第3
    の手段によって算出された地絡事故発生後の前記位相差
    に基づいて、負荷電流及び事故点抵抗に起因する前記零
    相電流の位相変化分を算出し、この位相変化分により前
    記第1の手段によって算出された地絡事故後の前記零相
    電流を移相して極性量とする第4の手段と、 を備え、前記第4の手段によって得られた前記極性量に
    基づいて事故点までの距離を演算することを特徴とする
    地絡事故継電器。
  8. 【請求項8】前記第3の手段は、 前記基準電圧と前記第1の手段によって算出された零相
    電流との外積値及び内積値を算出する位相差算出手段
    と、 前記位相差算出手段により算出された外積値及び内積値
    に基づき前記零相電流の前記基準電圧に対する位相差を
    演算し、前記第2の手段による地絡事故検出時刻よりも
    所定時間だけ前の前記零相電流及び前記基準電圧に対す
    る位相差を保持する事故前位相差保持手段と、 前記位相差算出手段により算出された外積値及び内積値
    に基づき、前記第2の手段による地絡事故検出時刻より
    後における前記零相電流の前記基準電圧に対する位相差
    を算出する事故後位相差算出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項7に記載の地絡事故継
    電器。
  9. 【請求項9】前記第4の手段は、 前記第1の手段によって算出された地絡事故後の零相電
    流、前記事故前位相差保持手段に保持された地絡事故前
    の前記零相電流及び位相差、並びに前記事故後位相差算
    出手段によって算出された地絡事故後の位相差に基づ
    き、負荷電流及び事故点抵抗に起因する前記零相電流の
    位相変化分を算出する事故前後の位相差算出手段と、 前記事故前後の位相差算出手段によって算出された位相
    変化分に従って、前記第1の手段によって算出された地
    絡事故後の零相電流を移相して極性量とする移相演算手
    段と、 を備えたことを特徴とする請求項7に記載の地絡事故継
    電器。
  10. 【請求項10】前記第2の手段は、地絡事故相に対する
    健全相の線間電圧を検出する手段を備え、この線間電圧
    を基準電圧として前記第3の手段に加えることを特徴と
    する請求項7に記載の地絡事故継電器。
  11. 【請求項11】前記第2の手段は、地絡事故相に対する
    正相電圧を検出する手段を備え、この正相電圧を基準電
    圧として前記第3の手段に加えることを特徴とする請求
    項7に記載の地絡事故継電器。
  12. 【請求項12】正接関数値とこれに対応する逆正接関数
    値とをテーブルとして記憶させた記憶手段を備え、前記
    第3の手段は前記記憶手段を参照して前記位相差を求
    め、前記第4の手段は前記記憶手段を参照して前記位相
    変化分を求めることを特徴とする請求項7に記載の地絡
    事故継電器。
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