JPH10321175A - イオンビーム発生装置 - Google Patents
イオンビーム発生装置Info
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- JPH10321175A JPH10321175A JP9129747A JP12974797A JPH10321175A JP H10321175 A JPH10321175 A JP H10321175A JP 9129747 A JP9129747 A JP 9129747A JP 12974797 A JP12974797 A JP 12974797A JP H10321175 A JPH10321175 A JP H10321175A
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Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板の大きさに応じてイオンビームの照射面
積を変えることが可能で、イオンビームの照射処理を効
果的に行い得るイオンビーム発生装置の提供。 【解決手段】 イオン発生部1で発生したパルス的イオ
ンを加速電極2により加速してイオンビームを発生して
基板4に照射するイオンビーム発生装置において、イオ
ンの流れを阻止するシャッタ5を、加速電極2のイオン
流入側近傍個所に、加速電極一部領域を覆い・開放し得
る2位置開閉動可能に、又はさらに面積可変に覆い得る
無段階開閉動可能に設ける。また、パルス的イオンのパ
ルス間隔又は/及びパルス長をシャツタ5の開閉に連動
して大小調節するパルス制御手段がイオン発生部1に関
連して設けられる。
積を変えることが可能で、イオンビームの照射処理を効
果的に行い得るイオンビーム発生装置の提供。 【解決手段】 イオン発生部1で発生したパルス的イオ
ンを加速電極2により加速してイオンビームを発生して
基板4に照射するイオンビーム発生装置において、イオ
ンの流れを阻止するシャッタ5を、加速電極2のイオン
流入側近傍個所に、加速電極一部領域を覆い・開放し得
る2位置開閉動可能に、又はさらに面積可変に覆い得る
無段階開閉動可能に設ける。また、パルス的イオンのパ
ルス間隔又は/及びパルス長をシャツタ5の開閉に連動
して大小調節するパルス制御手段がイオン発生部1に関
連して設けられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速度エネルギーを
有する金属イオンビームを照射して基板の表面改質を行
なわせるイオンビーム発生装置に関する。
有する金属イオンビームを照射して基板の表面改質を行
なわせるイオンビーム発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板における硬さ、耐摩耗性、耐蝕性な
どの表面の特性を改善するための技術分野における装置
の一つとして、基板の表面に金属イオンビームを照射す
る方法がある。このようなイオンビームはイオンビーム
発生装置(イオン源)で発生させる。このイオン源の典
型的な先行技術として特開昭63−276858号公報、特開平
4−315754号公報に開示される如き真空アーク放電を利
用したものがある。
どの表面の特性を改善するための技術分野における装置
の一つとして、基板の表面に金属イオンビームを照射す
る方法がある。このようなイオンビームはイオンビーム
発生装置(イオン源)で発生させる。このイオン源の典
型的な先行技術として特開昭63−276858号公報、特開平
4−315754号公報に開示される如き真空アーク放電を利
用したものがある。
【0003】上記先行技術のイオン源は、真空アーク放
電をパルス的に陽極と陰極の間に発生させることで、陰
極材料(ターゲット)のイオンを生成し、このイオンを
3枚のグリッドで構成されるイオンビーム加速電極によ
って加速して基板に照射するものであり、主として金属
イオンの照射に使用される。
電をパルス的に陽極と陰極の間に発生させることで、陰
極材料(ターゲット)のイオンを生成し、このイオンを
3枚のグリッドで構成されるイオンビーム加速電極によ
って加速して基板に照射するものであり、主として金属
イオンの照射に使用される。
【0004】このイオン源の特徴としては、真空アー
ク放電で純粋な金属イオンを発生し、それを加速するた
め、イオンビーム発生後の質量分離が必要なく、コンパ
クトな装置構成が可能である、真空アーク放電では大
量の金属イオンが発生可能であるため、大きな電流のイ
オンビームの発生が可能であり、数mAから数百mAの
範囲の平均電流を達成できる、ことが挙げられる。さら
に、このイオン源の今一つの特徴としては、イオンビー
ム加速電極の設計によって、比較的小さな領域にイオン
を照射したり、例えば別の公知技術である拡散型のイオ
ンビーム発生可能なグリッドを使用してビームを拡大照
射して大きな領域にイオンを照射したりすることが可能
であった。
ク放電で純粋な金属イオンを発生し、それを加速するた
め、イオンビーム発生後の質量分離が必要なく、コンパ
クトな装置構成が可能である、真空アーク放電では大
量の金属イオンが発生可能であるため、大きな電流のイ
オンビームの発生が可能であり、数mAから数百mAの
範囲の平均電流を達成できる、ことが挙げられる。さら
に、このイオン源の今一つの特徴としては、イオンビー
ム加速電極の設計によって、比較的小さな領域にイオン
を照射したり、例えば別の公知技術である拡散型のイオ
ンビーム発生可能なグリッドを使用してビームを拡大照
射して大きな領域にイオンを照射したりすることが可能
であった。
【0005】ところでこの種のイオン源の場合、そのイ
オンビームを加速するための電源が構成上の大きなウエ
イトを占めるものであって、イオン源の性能に関しては
電源の形態によって決定されることから、その性能は、
通常、イオンビームを加速する電圧とイオンビームの電
流値で規定されるが、同一の仕様のイオン源であって
も、その加速電極の設計によって、小さな面積に高い電
流密度でイオンビームを照射するものと、大きな面積に
低めの電流密度でイオンビームを照射するものとの何れ
かが製作可能であり、使用目的に応じて何れかの仕様の
ものが選定されていた。
オンビームを加速するための電源が構成上の大きなウエ
イトを占めるものであって、イオン源の性能に関しては
電源の形態によって決定されることから、その性能は、
通常、イオンビームを加速する電圧とイオンビームの電
流値で規定されるが、同一の仕様のイオン源であって
も、その加速電極の設計によって、小さな面積に高い電
流密度でイオンビームを照射するものと、大きな面積に
低めの電流密度でイオンビームを照射するものとの何れ
かが製作可能であり、使用目的に応じて何れかの仕様の
ものが選定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記するように、真空
アーク放電を利用したイオン発生装置では、イオンビー
ムの照射面積の設定が自由であるが、実際に基板の表面
改質を行なおうとする際には以下に述べるような不都合
が生じた。即ち、イオンビームの照射面積は基板の中で
最大の面積を持つ基板を基準として決定されるのが通常
であるが、実際には、これよりも遙かに面積が小さい基
板に対してイオンビームの照射が必要となる場合も多
い。しかし従来のイオン源では照射面積が固定的な構造
であるため、照射面積が小さい基板の表面改質を行なう
場合には、イオンビーム発生装置(イオン源)で発生し
たイオンビームの一部分が使用されるに過ぎない。
アーク放電を利用したイオン発生装置では、イオンビー
ムの照射面積の設定が自由であるが、実際に基板の表面
改質を行なおうとする際には以下に述べるような不都合
が生じた。即ち、イオンビームの照射面積は基板の中で
最大の面積を持つ基板を基準として決定されるのが通常
であるが、実際には、これよりも遙かに面積が小さい基
板に対してイオンビームの照射が必要となる場合も多
い。しかし従来のイオン源では照射面積が固定的な構造
であるため、照射面積が小さい基板の表面改質を行なう
場合には、イオンビーム発生装置(イオン源)で発生し
たイオンビームの一部分が使用されるに過ぎない。
【0007】イオンビーム照射面積の狭い形態の別のイ
オンビーム発生装置を使用すれば、小さな面積へのイオ
ンビーム照射が可能で、同一のイオンビーム電流値であ
れば、イオンビーム電流の密度が高まるため、イオンビ
ームの一部分が使用される場合に比べて短時間で処理を
完了できるが、反対にこれで大きい面積の基板に照射し
ようとした場合には、イオンビームを基板に相対的に平
行移動させるなどの手段を講じなければならない問題が
生じた。
オンビーム発生装置を使用すれば、小さな面積へのイオ
ンビーム照射が可能で、同一のイオンビーム電流値であ
れば、イオンビーム電流の密度が高まるため、イオンビ
ームの一部分が使用される場合に比べて短時間で処理を
完了できるが、反対にこれで大きい面積の基板に照射し
ようとした場合には、イオンビームを基板に相対的に平
行移動させるなどの手段を講じなければならない問題が
生じた。
【0008】このように従来のイオン発生装置では、照
射面積が大小異なる基板に対する適応性に劣る問題があ
る事実に鑑みて本発明は成されたものであって、従っ
て、本発明の目的は、基板の大きさに応じてイオンビー
ムの照射面積を変えることが可能で、しかもイオンビー
ムの照射処理を効果的に行い得る新規な構成のイオンビ
ーム発生装置を提供する点にある。
射面積が大小異なる基板に対する適応性に劣る問題があ
る事実に鑑みて本発明は成されたものであって、従っ
て、本発明の目的は、基板の大きさに応じてイオンビー
ムの照射面積を変えることが可能で、しかもイオンビー
ムの照射処理を効果的に行い得る新規な構成のイオンビ
ーム発生装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明の請求項1の発明は、イオン発生部でパルス
的なイオンを繰り返し発生し、このイオンを多孔構造ま
たはスリット構造のグリッドで構成される加速電極によ
り加速してイオンビームを発生して基板に照射するイオ
ンビーム発生装置において、イオンの流れを阻止するた
めのシャッタが、前記加速電極に対しイオン流入側の近
傍個所に、加速電極の一部領域を覆いまたは開放し得る
開閉動可能に設けられてなることを特徴とする。
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明の請求項1の発明は、イオン発生部でパルス
的なイオンを繰り返し発生し、このイオンを多孔構造ま
たはスリット構造のグリッドで構成される加速電極によ
り加速してイオンビームを発生して基板に照射するイオ
ンビーム発生装置において、イオンの流れを阻止するた
めのシャッタが、前記加速電極に対しイオン流入側の近
傍個所に、加速電極の一部領域を覆いまたは開放し得る
開閉動可能に設けられてなることを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項2の発明は、イオン
発生部でパルス的なイオンを繰り返し発生し、このイオ
ンを多孔構造またはスリット構造のグリッドで構成され
る加速電極により加速してイオンビームを発生して基板
に照射するイオンビーム発生装置において、イオンの流
れを阻止するためのシャッタが、前記加速電極に対しイ
オン流入側の近傍個所に、加速電極の一部領域を覆い、
開放し、またはそれらの間での無段階的な面積可変に覆
い得る開閉動可能に設けられてなることを特徴とする。
発生部でパルス的なイオンを繰り返し発生し、このイオ
ンを多孔構造またはスリット構造のグリッドで構成され
る加速電極により加速してイオンビームを発生して基板
に照射するイオンビーム発生装置において、イオンの流
れを阻止するためのシャッタが、前記加速電極に対しイ
オン流入側の近傍個所に、加速電極の一部領域を覆い、
開放し、またはそれらの間での無段階的な面積可変に覆
い得る開閉動可能に設けられてなることを特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項3の発明は、前記請
求項1又は2に記載のイオンビーム発生装置において、
パルス的なイオンのパルス間隔とパルス長との少なくと
も何れか一方を前記シャツタの開閉動作に連動して大小
調節するパルス制御手段がイオン発生部に関連して設け
られてなることを特徴とする。
求項1又は2に記載のイオンビーム発生装置において、
パルス的なイオンのパルス間隔とパルス長との少なくと
も何れか一方を前記シャツタの開閉動作に連動して大小
調節するパルス制御手段がイオン発生部に関連して設け
られてなることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項4の発明は、前記請
求項3に記載のイオンビーム発生装置において、前記パ
ルス制御手段が、シャッタの開閉動作による覆い面積の
増加・減少に応答して、パルス間隔の狭小・拡大とパル
ス長の長大・短小との少なくとも何れか一方が調節さ
れ、平均イオンビーム電流値を一定に保持可能に形成さ
れることを特徴とする。
求項3に記載のイオンビーム発生装置において、前記パ
ルス制御手段が、シャッタの開閉動作による覆い面積の
増加・減少に応答して、パルス間隔の狭小・拡大とパル
ス長の長大・短小との少なくとも何れか一方が調節さ
れ、平均イオンビーム電流値を一定に保持可能に形成さ
れることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態に係
るイオン発生装置について添付図面を参照して以下に説
明する。図1は、前記イオン発生装置の基本的な態様を
示す模式図、図2は、このイオン発生装置における基板
の大きさとイオンビーム量の関係を示す線図である。図
1を参照して上記イオン発生装置は、イオンIを発生す
るイオン発生部1と、イオンIを加速してイオンビーム
IBを発生する加速電極2と、基板4が配置されるイオ
ンビーム照射部3と、加速電極2に関連して設けられる
シャッタ5とを含んで構成され、従来から用いられるイ
オン源構成に対して開閉自在なシャッタ5が付設されて
なる構造である。
るイオン発生装置について添付図面を参照して以下に説
明する。図1は、前記イオン発生装置の基本的な態様を
示す模式図、図2は、このイオン発生装置における基板
の大きさとイオンビーム量の関係を示す線図である。図
1を参照して上記イオン発生装置は、イオンIを発生す
るイオン発生部1と、イオンIを加速してイオンビーム
IBを発生する加速電極2と、基板4が配置されるイオ
ンビーム照射部3と、加速電極2に関連して設けられる
シャッタ5とを含んで構成され、従来から用いられるイ
オン源構成に対して開閉自在なシャッタ5が付設されて
なる構造である。
【0014】このイオン発生装置によれば、シャッタ5
が開かれた図1(A)図示の状態では、イオンビーム照
射部3のAに相当する面積に対してイオンビームの照射
が可能である。一方、シャッタ5が閉じられた図1
(B)図示の状態では、図1(A)において照射面積
(A)に対応する全面部に向かってイオンビームIBを
加速していた加速電極2の約半分の孔が塞がれているた
め、イオンビームIBの照射が行なわれるのは、加速電
極2の上半部を通過して加速されたイオンビームIBが
照射される基板4のB部であり、シャッタ5によって加
速電極2の約半分の面積を塞がせたことで、イオンビー
ムIBが照射される基板の面積が約半分になっている。
が開かれた図1(A)図示の状態では、イオンビーム照
射部3のAに相当する面積に対してイオンビームの照射
が可能である。一方、シャッタ5が閉じられた図1
(B)図示の状態では、図1(A)において照射面積
(A)に対応する全面部に向かってイオンビームIBを
加速していた加速電極2の約半分の孔が塞がれているた
め、イオンビームIBの照射が行なわれるのは、加速電
極2の上半部を通過して加速されたイオンビームIBが
照射される基板4のB部であり、シャッタ5によって加
速電極2の約半分の面積を塞がせたことで、イオンビー
ムIBが照射される基板の面積が約半分になっている。
【0015】このように、大きな面積を持つ基板4にイ
オンビームIBを照射する場合には、シャッタ5を開け
た状態でイオンビーム照射を行い、小さな面積を持つ基
板4にイオンビームIBを照射する場合には、シャッタ
5を閉じることで、基板4以外の部分に無駄に照射され
ていたイオンビームIBを発生させぬようにすることが
可能になった。
オンビームIBを照射する場合には、シャッタ5を開け
た状態でイオンビーム照射を行い、小さな面積を持つ基
板4にイオンビームIBを照射する場合には、シャッタ
5を閉じることで、基板4以外の部分に無駄に照射され
ていたイオンビームIBを発生させぬようにすることが
可能になった。
【0016】さらに、シャッタ5を閉じた状態では、加
速電極2から引き出されるイオンビームIBの平均電流
値が下がっているので、同時に、さらに、イオンIを発
生させるパルス的な真空アーク放電のパルス長、パルス
間隔(パルス頻度)、またはその両方を増加させると、
基板4に到達する単位時間当たりのイオンビーム量の増
加が可能である。例えば、図1の例では照射するイオン
ビーム量が半分になっているので、イオン発生のパルス
頻度を倍にする(パルス間隔を半分にする)ことで、シ
ャッタ5を閉じる前と同一のイオンビーム総量が得られ
る。このとき、基板4に対するイオンビームIBの密度
は、パルス頻度分増加して、約倍になっており、小さな
面積の基板4に対しては、2倍の効率でイオンビーム照
射が可能になることが判る。
速電極2から引き出されるイオンビームIBの平均電流
値が下がっているので、同時に、さらに、イオンIを発
生させるパルス的な真空アーク放電のパルス長、パルス
間隔(パルス頻度)、またはその両方を増加させると、
基板4に到達する単位時間当たりのイオンビーム量の増
加が可能である。例えば、図1の例では照射するイオン
ビーム量が半分になっているので、イオン発生のパルス
頻度を倍にする(パルス間隔を半分にする)ことで、シ
ャッタ5を閉じる前と同一のイオンビーム総量が得られ
る。このとき、基板4に対するイオンビームIBの密度
は、パルス頻度分増加して、約倍になっており、小さな
面積の基板4に対しては、2倍の効率でイオンビーム照
射が可能になることが判る。
【0017】このことについては図2に示す如く、シャ
ッタ5閉の場合のイオンビーム量を例えばパルス頻度が
シャッタ5開の場合と同じ破線図示の状態から倍にした
一点鎖線図示の状態にすることによって、シャッタ5を
閉じる前と同一のイオンビーム総量を保持し得ることが
容易に理解される。以上は、シャッタ5の開閉の2位置
の動作について述べたが、さらに、図1(C)に示すよ
うにシャッタ5をスライド構造に形成することで、塞ぐ
面積を自在に変えることができるように無段階開度可変
方式にすれば、よりきめ細かな照射面積の制御が可能で
あり、これによって本発明の効果が一段と発揮される。
ッタ5閉の場合のイオンビーム量を例えばパルス頻度が
シャッタ5開の場合と同じ破線図示の状態から倍にした
一点鎖線図示の状態にすることによって、シャッタ5を
閉じる前と同一のイオンビーム総量を保持し得ることが
容易に理解される。以上は、シャッタ5の開閉の2位置
の動作について述べたが、さらに、図1(C)に示すよ
うにシャッタ5をスライド構造に形成することで、塞ぐ
面積を自在に変えることができるように無段階開度可変
方式にすれば、よりきめ細かな照射面積の制御が可能で
あり、これによって本発明の効果が一段と発揮される。
【0018】なお、シャッタ5の材質としては、真空中
で使用可能な材料であれば特に限定されなく、例えば、
ステンレス鋼(SUS)、Ti、Al、鉄、セラミック
ス、カーボンプレートのうちから適宜選択される。ま
た、シャッタを、前記加速電極に対しイオン流出側でな
くイオン流入側の近傍個所に設けたのは、加速電極での
イオンビーム生成能を制限する上で有効な配置形態であ
るからに他ならなく、これがイオン流出側に設けられた
とすると、イオン発生部からのイオンをカットする役割
はあっても、このときイオンは加速電極で加速された後
なので、シャッタでカットされた分についてもイオンビ
ーム電流が流れることとなって、シャッタでカットした
イオンビーム電流分を残りの部分に振り分けて電源能力
を有効に使うとする本発明の主旨から外れる点で好まし
くない。
で使用可能な材料であれば特に限定されなく、例えば、
ステンレス鋼(SUS)、Ti、Al、鉄、セラミック
ス、カーボンプレートのうちから適宜選択される。ま
た、シャッタを、前記加速電極に対しイオン流出側でな
くイオン流入側の近傍個所に設けたのは、加速電極での
イオンビーム生成能を制限する上で有効な配置形態であ
るからに他ならなく、これがイオン流出側に設けられた
とすると、イオン発生部からのイオンをカットする役割
はあっても、このときイオンは加速電極で加速された後
なので、シャッタでカットされた分についてもイオンビ
ーム電流が流れることとなって、シャッタでカットした
イオンビーム電流分を残りの部分に振り分けて電源能力
を有効に使うとする本発明の主旨から外れる点で好まし
くない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図3(A),(B)には、本発明
の第1、第2各実施例に係るイオン発生装置の構造が概
要示される。図3(A)において上記イオン発生装置
(イオン源)は、真空チャンバ6と、この真空チャンバ
6内の後壁側に配設されるイオン発生部1と、同じく前
壁側に配設されるイオンビーム照射部3と、それら両部
1,3の中間部に位置して配設されるイオン加速部とし
ての加速電極2と、この加速電極2に対して近傍個所に
設けられるシャッタ5と、このシャッタ5の開閉を制御
し、また、前記両部1,3におけるイオン発生及び加速
を制御するための電気制御回路とを含んで構成される。
照しながら説明する。図3(A),(B)には、本発明
の第1、第2各実施例に係るイオン発生装置の構造が概
要示される。図3(A)において上記イオン発生装置
(イオン源)は、真空チャンバ6と、この真空チャンバ
6内の後壁側に配設されるイオン発生部1と、同じく前
壁側に配設されるイオンビーム照射部3と、それら両部
1,3の中間部に位置して配設されるイオン加速部とし
ての加速電極2と、この加速電極2に対して近傍個所に
設けられるシャッタ5と、このシャッタ5の開閉を制御
し、また、前記両部1,3におけるイオン発生及び加速
を制御するための電気制御回路とを含んで構成される。
【0020】イオン発生部1は、基板に照射するイオン
の元素で構成された陰極7と、中央部にイオン通過孔が
開口されて前記陰極7の前方に対峙して設けられる陽極
8と、アーク着火機構9とを備え、アーク放電によって
生成されたイオンIをイオン通過孔を経て前方に拡散し
て照射するようになっている。前記イオン加速部は、生
成されたイオンIに対して加速電極2により所定の電圧
を印加することで加速されたイオンビームIBを発生さ
せる装置であって、イオン発生部1側の上手側からプラ
ズマグリッド2A、サプレッサグリッド2B及び接地グ
リッド2Cの3枚の電極で形成された多孔構造のグリッ
ドにより構成される。プラズマグリッド2Aは、加速電
源10によってイオンIの加速エネルギーに相当する正
の電位が与えられ、サプレッサグリッド2Bは、サプレ
ッサ電源11によって負の電位が与えられている。
の元素で構成された陰極7と、中央部にイオン通過孔が
開口されて前記陰極7の前方に対峙して設けられる陽極
8と、アーク着火機構9とを備え、アーク放電によって
生成されたイオンIをイオン通過孔を経て前方に拡散し
て照射するようになっている。前記イオン加速部は、生
成されたイオンIに対して加速電極2により所定の電圧
を印加することで加速されたイオンビームIBを発生さ
せる装置であって、イオン発生部1側の上手側からプラ
ズマグリッド2A、サプレッサグリッド2B及び接地グ
リッド2Cの3枚の電極で形成された多孔構造のグリッ
ドにより構成される。プラズマグリッド2Aは、加速電
源10によってイオンIの加速エネルギーに相当する正
の電位が与えられ、サプレッサグリッド2Bは、サプレ
ッサ電源11によって負の電位が与えられている。
【0021】このようなイオン電源において、イオン発
生部1で真空アーク放電によりイオンIを生成すると、
このイオンIはプラズマグリッド2Aとサプレッサグリ
ッド2Bとの間の電界によって加速され、その後、接地
グリッド2Cとサプレッサグリッド2Bの間で減速さ
れ、最終的にはプラズマグリッド2Aと接地グリッド2
Cの電位差に相当するエネルギーを保有してイオンビー
ム照射部3の基板4Aに向けて照射される。サプレッサ
グリッド2Bは、接地グリッド2Cに対して負の電位を
与え、接地グリッド2Cの孔から流入してくる電子がイ
オン発生部1に流れ込まぬようにブロックする役割を有
している。本実施例では、3枚のグリッド2A,2B,
2CはA,B,Cの3つのセグメントから形成されてい
て、それぞれのセグメントが発生するイオンビームIB
を基板4A上で重ね合わせることで、均一なイオンビー
ムIBを得られるように構成されている。
生部1で真空アーク放電によりイオンIを生成すると、
このイオンIはプラズマグリッド2Aとサプレッサグリ
ッド2Bとの間の電界によって加速され、その後、接地
グリッド2Cとサプレッサグリッド2Bの間で減速さ
れ、最終的にはプラズマグリッド2Aと接地グリッド2
Cの電位差に相当するエネルギーを保有してイオンビー
ム照射部3の基板4Aに向けて照射される。サプレッサ
グリッド2Bは、接地グリッド2Cに対して負の電位を
与え、接地グリッド2Cの孔から流入してくる電子がイ
オン発生部1に流れ込まぬようにブロックする役割を有
している。本実施例では、3枚のグリッド2A,2B,
2CはA,B,Cの3つのセグメントから形成されてい
て、それぞれのセグメントが発生するイオンビームIB
を基板4A上で重ね合わせることで、均一なイオンビー
ムIBを得られるように構成されている。
【0022】このイオン電源では、陰極7・陽極8間の
真空アーク放電はパルス制御装置16の制御によってパ
ルス的に行なわれており、このときのパルスの幅及び間
隔(頻度)は制御装置16によって自動的に制御され
る。このようにパルス的にイオンIが発生するため、加
速電極2付近にはイオンIがパルス的に供給され、結果
としてパルス的なイオンビーム照射がイオンビーム照射
部3の基板4Aに対して行なわれるのである。加速電源
10には、パルスが生じている内は数百mA以上の大き
な電流が流れるが、パルス間では電流が流れなくなり、
この時間的な平均値をイオンビーム電流と呼んでいる。
この加速電源10は、電圧発生部13とキャパシタバン
ク14とにより構成されていて、パルス的に流れる大き
な電流はキャパシタバンク14から供給し、電圧発生部
13からはキャパシタバンク14にイオンビーム電流に
相当する電流が供給されている。
真空アーク放電はパルス制御装置16の制御によってパ
ルス的に行なわれており、このときのパルスの幅及び間
隔(頻度)は制御装置16によって自動的に制御され
る。このようにパルス的にイオンIが発生するため、加
速電極2付近にはイオンIがパルス的に供給され、結果
としてパルス的なイオンビーム照射がイオンビーム照射
部3の基板4Aに対して行なわれるのである。加速電源
10には、パルスが生じている内は数百mA以上の大き
な電流が流れるが、パルス間では電流が流れなくなり、
この時間的な平均値をイオンビーム電流と呼んでいる。
この加速電源10は、電圧発生部13とキャパシタバン
ク14とにより構成されていて、パルス的に流れる大き
な電流はキャパシタバンク14から供給し、電圧発生部
13からはキャパシタバンク14にイオンビーム電流に
相当する電流が供給されている。
【0023】このような構成のイオン源において、図3
(A)に示す第1実施例においては加速電極2に関連し
て本発明の特徴とされる開閉自在のシャッタ5が取り付
けられている。このシャッタ5は、例えば一対のシャッ
タ5が上下位置において加速電極2にに対しイオン流入
側の近傍個所に、該電極2の3つのセグメントの内Aと
Cとを覆いまたは開放し得る2位置動作の開閉可能に設
けられている。従って、シャッタ5が開いている状態で
の動作は前述した通りであるが、シャッタ5が閉じた場
合における動作は次のようになる。
(A)に示す第1実施例においては加速電極2に関連し
て本発明の特徴とされる開閉自在のシャッタ5が取り付
けられている。このシャッタ5は、例えば一対のシャッ
タ5が上下位置において加速電極2にに対しイオン流入
側の近傍個所に、該電極2の3つのセグメントの内Aと
Cとを覆いまたは開放し得る2位置動作の開閉可能に設
けられている。従って、シャッタ5が開いている状態で
の動作は前述した通りであるが、シャッタ5が閉じた場
合における動作は次のようになる。
【0024】即ち、シャッタ5によって加速電極2の3
つのグリッドの各セグメント中の2つ(A,C)の孔が
完全に塞がれた形態になり、グリッドのセグメントA,
Cからは加速されたイオンビームIBが出てこなくな
る。結果として、基板中、イオンビームIBが照射され
るのはセグメントBから引き出されてくるイオンビーム
に対応する部分のみである。従って、基板の大きさが破
線示する基板4Bのように小さい場合には、セグメント
BからのイオンビームIBの照射を行い、基板の存在し
ない部分には無駄なビームを照射することなく表面処理
が行なわれる。
つのグリッドの各セグメント中の2つ(A,C)の孔が
完全に塞がれた形態になり、グリッドのセグメントA,
Cからは加速されたイオンビームIBが出てこなくな
る。結果として、基板中、イオンビームIBが照射され
るのはセグメントBから引き出されてくるイオンビーム
に対応する部分のみである。従って、基板の大きさが破
線示する基板4Bのように小さい場合には、セグメント
BからのイオンビームIBの照射を行い、基板の存在し
ない部分には無駄なビームを照射することなく表面処理
が行なわれる。
【0025】但しこの場合、イオン源から発生するイオ
ンビームの量は、単純にA,B,Cの3セグメント中一
つを使用するだけであるから、図4においてシャッタ開
状態の場合が示される(A)に対して、(B)に示され
るように総量は1/3になり、また、セグメントBに対
応する部分に単位時間当たりに照射されるイオンビーム
量に変化はない。この場合におけるシャッタ開閉に対す
る真空アーク放電電流及びイオンビーム電流の状態は、
図4(A),(B)にグラフ線図で示される通りであ
る。
ンビームの量は、単純にA,B,Cの3セグメント中一
つを使用するだけであるから、図4においてシャッタ開
状態の場合が示される(A)に対して、(B)に示され
るように総量は1/3になり、また、セグメントBに対
応する部分に単位時間当たりに照射されるイオンビーム
量に変化はない。この場合におけるシャッタ開閉に対す
る真空アーク放電電流及びイオンビーム電流の状態は、
図4(A),(B)にグラフ線図で示される通りであ
る。
【0026】これに対して、図3(A)に示す第1実施
例においては、シャッタ5の開閉動作に連動してイオン
発生部1のパルスアーク放電の間隔を制御するパルス制
御手段が更に設けられている。このパルス制御手段は、
加速電源10の出力電流(イオンビーム電流)Ii と設
定電流Is とを比較してその差に応じたパルス間隔修正
信号S1 を出力する比較回路18と、この比較回路18
からのパルス間隔修正信号S1 が入力されて、シャッタ
5を開閉動作させるためのシャッタ動作指令信号S2 と
パルス的なイオンIのパルス間隔を制御するためのパル
ス間隔指令信号S3 とを出力する制御装置17と、この
制御装置17からのパルス間隔指令信号S3 が入力され
て、アーク電源12及びアーク点火電源15に対して所
定のパルス幅・間隔を持つパルス信号S4 を出力するパ
ルス制御装置16とにより形成される。
例においては、シャッタ5の開閉動作に連動してイオン
発生部1のパルスアーク放電の間隔を制御するパルス制
御手段が更に設けられている。このパルス制御手段は、
加速電源10の出力電流(イオンビーム電流)Ii と設
定電流Is とを比較してその差に応じたパルス間隔修正
信号S1 を出力する比較回路18と、この比較回路18
からのパルス間隔修正信号S1 が入力されて、シャッタ
5を開閉動作させるためのシャッタ動作指令信号S2 と
パルス的なイオンIのパルス間隔を制御するためのパル
ス間隔指令信号S3 とを出力する制御装置17と、この
制御装置17からのパルス間隔指令信号S3 が入力され
て、アーク電源12及びアーク点火電源15に対して所
定のパルス幅・間隔を持つパルス信号S4 を出力するパ
ルス制御装置16とにより形成される。
【0027】上記パルス制御手段が設けられることによ
って、前述したようにシャッタ5によって加速電極2の
3つのグリッドの各セグメント中の2つ(A,C)の孔
を塞がせた場合には、例えばイオン発生部1におけるパ
ルスアーク放電のパルス間隔(頻度)をシャッタ開の場
合の1/3(3倍)になるように、シャッタ5の閉動作
と連動してパルス信号S4 が出力され、これによって基
板4Bに到達するイオンビームIBのパルスも1/3の
間隔(3倍の頻度)となり(図4(C)参照)、結果と
して同じ時間当たりに照射されるイオンビーム電流量が
増加する。このとき、加速電源10に流れる電流は、パ
ルス数は3倍になっているが、各パルスに対応して流れ
る電流がシャッタの作用で約1/3になっているため、
平均として流れる電流値はシャッタの開動作時と同じで
あり、加速電源10の容量上での問題もない。しかしな
がらこの場合、基板4Bに照射されるイオンビームの量
が3倍に増加しており、広い面積に対してのイオンビー
ム照射は行なえないが、狭小な面積に対して高能率下で
の照射が達成される。
って、前述したようにシャッタ5によって加速電極2の
3つのグリッドの各セグメント中の2つ(A,C)の孔
を塞がせた場合には、例えばイオン発生部1におけるパ
ルスアーク放電のパルス間隔(頻度)をシャッタ開の場
合の1/3(3倍)になるように、シャッタ5の閉動作
と連動してパルス信号S4 が出力され、これによって基
板4Bに到達するイオンビームIBのパルスも1/3の
間隔(3倍の頻度)となり(図4(C)参照)、結果と
して同じ時間当たりに照射されるイオンビーム電流量が
増加する。このとき、加速電源10に流れる電流は、パ
ルス数は3倍になっているが、各パルスに対応して流れ
る電流がシャッタの作用で約1/3になっているため、
平均として流れる電流値はシャッタの開動作時と同じで
あり、加速電源10の容量上での問題もない。しかしな
がらこの場合、基板4Bに照射されるイオンビームの量
が3倍に増加しており、広い面積に対してのイオンビー
ム照射は行なえないが、狭小な面積に対して高能率下で
の照射が達成される。
【0028】上記実施例から明らかなように、本発明に
よれば広い面積の基板4Aに対すると同じように、狭小
な面積の基板4Bに対してもイオンビーム照射を無駄な
くかつ効率良く行なわせることが可能である。
よれば広い面積の基板4Aに対すると同じように、狭小
な面積の基板4Bに対してもイオンビーム照射を無駄な
くかつ効率良く行なわせることが可能である。
【0029】次に、本発明の第2実施例について図3
(B)に基づいて説明する。この第2実施例において、
シャッタの構成を除いて他の構成は前記第1実施例と基
本的に同じであるので図示を省略している。図示の第2
実施例におけるシャッタ5は、加速電極2の面に対して
平行な面内で移動し得るスライド型開閉方式により前記
加速電極2に対しイオン流入側の近傍個所に設置されて
いる。このように設けられるシャッタ5は、加速電極2
の一部領域を覆い、開放し、またはそれらの間での無段
階的な面積可変に覆い得る開閉動可能となっており、従
って、前記制御手段についてもシャッタの閉位置に応動
してパルス間隔を無段階的に制御し得るように構成する
ことが望ましい。
(B)に基づいて説明する。この第2実施例において、
シャッタの構成を除いて他の構成は前記第1実施例と基
本的に同じであるので図示を省略している。図示の第2
実施例におけるシャッタ5は、加速電極2の面に対して
平行な面内で移動し得るスライド型開閉方式により前記
加速電極2に対しイオン流入側の近傍個所に設置されて
いる。このように設けられるシャッタ5は、加速電極2
の一部領域を覆い、開放し、またはそれらの間での無段
階的な面積可変に覆い得る開閉動可能となっており、従
って、前記制御手段についてもシャッタの閉位置に応動
してパルス間隔を無段階的に制御し得るように構成する
ことが望ましい。
【0030】また、前記制御手段において、シャッタの
閉動作で減じたイオンビーム電流量を補完する方法とし
て、前記両実施例ではパルス間隔の狭小・拡大(頻度の
増減)による手法を説明したが、この他に図4(D)に
例示するように、パルス間隔を一定に保ちながらパルス
長さを長短調節することで、平均イオンビーム電流値を
所定値に保持させるようにすることも可能であり、さら
に、パルス間隔とパルス長の両方の調節を組み合わせる
ことも勿論可能であって、制御手段に係るこれらの変型
も当然本発明の範囲に包含されるものである。
閉動作で減じたイオンビーム電流量を補完する方法とし
て、前記両実施例ではパルス間隔の狭小・拡大(頻度の
増減)による手法を説明したが、この他に図4(D)に
例示するように、パルス間隔を一定に保ちながらパルス
長さを長短調節することで、平均イオンビーム電流値を
所定値に保持させるようにすることも可能であり、さら
に、パルス間隔とパルス長の両方の調節を組み合わせる
ことも勿論可能であって、制御手段に係るこれらの変型
も当然本発明の範囲に包含されるものである。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、
本発明によれば、イオン発生部及びイオン加速部の電気
容量を含む構造面を基板の大きさに応じて調節する必要
がなくシャッタの開閉操作を行なわせることで、大きさ
が異なる各基板に対してイオンビームの照射処理を効果
的に行なうことが可能である。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、
本発明によれば、イオン発生部及びイオン加速部の電気
容量を含む構造面を基板の大きさに応じて調節する必要
がなくシャッタの開閉操作を行なわせることで、大きさ
が異なる各基板に対してイオンビームの照射処理を効果
的に行なうことが可能である。
【0032】さらに本発明は、イオン発生部で発生させ
るパルス的イオンのパルス間隔又は/及びパルス長の調
節をシャッタの開閉操作に連動して行なわせることによ
って、基板に対してその面積の大小には関係なく、イオ
ンビームの照射を常に無駄がなく、かつ、高効率の下で
実行することができる。
るパルス的イオンのパルス間隔又は/及びパルス長の調
節をシャッタの開閉操作に連動して行なわせることによ
って、基板に対してその面積の大小には関係なく、イオ
ンビームの照射を常に無駄がなく、かつ、高効率の下で
実行することができる。
【図1】本発明の実施の形態に係るイオン発生装置の基
本的構成の態様を示す模式図である。
本的構成の態様を示す模式図である。
【図2】図1図示イオン発生装置における基板の大きさ
とイオンビーム量の関係を示す線図である。
とイオンビーム量の関係を示す線図である。
【図3】本発明の各実施例に係るイオン発生装置の構造
図であり、(A)は第1実施例の全体構造が、(B)は
第2実施例の要部構造がそれぞれ示される。
図であり、(A)は第1実施例の全体構造が、(B)は
第2実施例の要部構造がそれぞれ示される。
【図4】本発明の実施例に係るイオン発生装置のパルス
制御手段の作動説明図である。
制御手段の作動説明図である。
1…イオン発生部、 2…加速電極、 3…
イオンビーム照射部、4…基板、 5…シャ
ッタ、 6…真空チャンバ、7…陰極、
8…陽極、 9…アーク着火機構、
10…加速電源、 11…サプレッサ電源、 12
…アーク電源、13…電圧発生部、 14…キャパシ
タバンク、15…アーク点火電源、16…パルス制御装
置、17…制御装置、 18…比較回路、
イオンビーム照射部、4…基板、 5…シャ
ッタ、 6…真空チャンバ、7…陰極、
8…陽極、 9…アーク着火機構、
10…加速電源、 11…サプレッサ電源、 12
…アーク電源、13…電圧発生部、 14…キャパシ
タバンク、15…アーク点火電源、16…パルス制御装
置、17…制御装置、 18…比較回路、
Claims (4)
- 【請求項1】 イオン発生部でパルス的なイオンを繰り
返し発生し、このイオンを多孔構造またはスリット構造
のグリッドで構成される加速電極により加速してイオン
ビームを発生して基板に照射するイオンビーム発生装置
において、イオンの流れを阻止するためのシャッタが、
前記加速電極に対しイオン流入側の近傍個所に、加速電
極の一部領域を覆いまたは開放し得る開閉動可能に設け
られてなることを特徴とするイオンビーム発生装置。 - 【請求項2】 イオン発生部でパルス的なイオンを繰り
返し発生し、このイオンを多孔構造またはスリット構造
のグリッドで構成される加速電極により加速してイオン
ビームを発生して基板に照射するイオンビーム発生装置
において、イオンの流れを阻止するためのシャッタが、
前記加速電極に対しイオン流入側の近傍個所に、加速電
極の一部領域を覆い、開放し、またはそれらの間での無
段階的な面積可変に覆い得る開閉動可能に設けられてな
ることを特徴とするイオンビーム発生装置。 - 【請求項3】 パルス的なイオンのパルス間隔とパルス
長との少なくとも何れか一方を前記シャツタの開閉動作
に連動して大小調節するパルス制御手段がイオン発生部
に関連して設けられてなる請求項1または2に記載のイ
オンビーム発生装置。 - 【請求項4】 前記パルス制御手段が、シャッタの開閉
動作による覆い面積の増加・減少に応答して、パルス間
隔の狭小・拡大とパルス長の長大・短小との少なくとも
何れか一方が調節され、平均イオンビーム電流値を一定
に保持可能である請求項3記載のイオンビーム発生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9129747A JPH10321175A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | イオンビーム発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9129747A JPH10321175A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | イオンビーム発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10321175A true JPH10321175A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=15017211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9129747A Pending JPH10321175A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | イオンビーム発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10321175A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100732770B1 (ko) | 2006-02-13 | 2007-06-27 | 주식회사 하이닉스반도체 | 불균일 이온 주입 장비 및 방법 |
JP2010056336A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Ulvac Japan Ltd | イオン照射装置 |
KR101119282B1 (ko) * | 2003-10-31 | 2012-03-15 | 로트 운트 라우 악치엔게젤샤프트 | 표면들을 이온 빔 처리하기 위한 방법 및 장치 |
KR101361719B1 (ko) * | 2011-12-29 | 2014-02-13 | 한국원자력연구원 | 펄스 운전을 이용한 이온빔 조사량 조절방법 |
WO2014136158A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | キヤノンアネルバ株式会社 | イオンビーム処理方法、およびイオンビーム処理装置 |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP9129747A patent/JPH10321175A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101119282B1 (ko) * | 2003-10-31 | 2012-03-15 | 로트 운트 라우 악치엔게젤샤프트 | 표면들을 이온 빔 처리하기 위한 방법 및 장치 |
KR100732770B1 (ko) | 2006-02-13 | 2007-06-27 | 주식회사 하이닉스반도체 | 불균일 이온 주입 장비 및 방법 |
US7488959B2 (en) | 2006-02-13 | 2009-02-10 | Hynix Semiconductor Inc. | Apparatus and method for partial ion implantation |
JP2010056336A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Ulvac Japan Ltd | イオン照射装置 |
KR101361719B1 (ko) * | 2011-12-29 | 2014-02-13 | 한국원자력연구원 | 펄스 운전을 이용한 이온빔 조사량 조절방법 |
WO2014136158A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | キヤノンアネルバ株式会社 | イオンビーム処理方法、およびイオンビーム処理装置 |
JP6059335B2 (ja) * | 2013-03-08 | 2017-01-11 | キヤノンアネルバ株式会社 | イオンビーム処理方法、およびイオンビーム処理装置 |
JPWO2014136158A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2017-02-09 | キヤノンアネルバ株式会社 | イオンビーム処理方法、およびイオンビーム処理装置 |
US9852879B2 (en) | 2013-03-08 | 2017-12-26 | Canon Anelva Corporation | Ion beam processing method and ion beam processing apparatus |
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