JPH10340796A - プラズマ導入装置及びその制御方法 - Google Patents

プラズマ導入装置及びその制御方法

Info

Publication number
JPH10340796A
JPH10340796A JP9163423A JP16342397A JPH10340796A JP H10340796 A JPH10340796 A JP H10340796A JP 9163423 A JP9163423 A JP 9163423A JP 16342397 A JP16342397 A JP 16342397A JP H10340796 A JPH10340796 A JP H10340796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
plasma
potential
diffusion
processing chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9163423A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Koizumi
浩治 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP9163423A priority Critical patent/JPH10340796A/ja
Publication of JPH10340796A publication Critical patent/JPH10340796A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ中のイオンと電子とを分離してイオ
ンのみを選択的にプラズマ処理室内に導入可能なプラズ
マ導入装置及びその制御方法を提供する。 【解決手段】 成膜装置100のプラズマ源102と処
理室104との間に,プラズマ源102側から第1電極
106と,第2電極108と,第3電極110とを順次
配置する。第1電極106と第2電極108とは,拡散
電位供給装置112に接続され,第3電極110は,ス
イッチング装置114を介して拡散電位供給装置112
に接続される。第3電極110は,スイッチング装置1
14を介してイオン加速電位供給装置116に接続され
る。スイッチング装置114は,制御器118に接続さ
れると共に,制御器118は,拡散電位供給装置112
とイオン加速電位供給装置116とに接続される。制御
器118によってスイッチング装置114が切り替えら
れ,第3電極110に拡散電位とイオン加速電位とが反
復して供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,プラズマ導入装置
及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,プラズマ源内で電離され発生
したプラズマ中のイオンを,プラズマ源とプラズマ処理
室との間に配置された引き出し電極により引き出し,そ
の引き出されたイオンをプラズマ処理室内に導入して,
プラズマ処理室内に配置された被処理体に対して所定の
プラズマ処理を施すような,プラズマ導入装置を備えた
プラズマ処理装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,かかる
プラズマ処理装置では,プラズマ源から処理に要求され
るイオンのみ成らず,プラズマ中の電子も同時に拡散し
て引き出され,その電子がイオンと共にプラズマ処理室
内の被処理体に入射してしまうことがある。また,それ
らイオンと電子との間には,電気的中性状態を維持する
べく力が働いているため,それらの分離は非常に困難で
ある。その結果,イオンの入射方向が電子によって乱さ
れるため,被処理体に対する均一な処理が困難となると
共に,電子と分離したイオンの密度が低下するため,ス
ループットが低下する原因となる場合がある。
【0004】また,イオンの入射方向を所定の方向に維
持するために,または往復運動するイオンの衝突確率を
増加させるために,被処理体に過大なバイアス電力を印
加しなければならず,被処理体に非常に大きな負荷をか
けなければならない場合があった。その結果,その大き
な負荷によって被処理体が破損し,歩留まりが低下する
場合があるため,最近の被処理体の大型化・薄型化を阻
害すると共に,該装置の大型化やイオンの入射方向制御
の複雑化を招く要因の一つとなっている。
【0005】さらに,上述の如く被処理体にバイアス電
力を印加したのみでは,電子が混在したイオンを所望の
状態に制御,すなわちイオンに所望の入射方向性を持た
せることは困難であり,例えばプラズマ処理室内に所定
の磁界を発生させる磁界発生手段を始めとする各種イオ
ン流制御手段を,当該装置に設けなければならない場合
がある。その結果,さらに装置の大型化を招くと共に,
イオンの入射方向性の制御が複雑化し,その制御が困難
となることがある。
【0006】本発明は,従来のプラズマ導入装置及びそ
の制御方法が有する上記のような問題点に鑑みてなされ
たものであり,プラズマ源内で励起され,発生したプラ
ズマ中のイオンのみを選択的にプラズマ処理室内に導入
し,そのイオンのみによって被処理体に対して所定のプ
ラズマ処理を施すと共に,相対的に少ない電力で相対的
に多くのイオンを引き出すことが可能な,新規かつ改良
されたプラズマ導入装置及びその制御方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,プラズマ源で
生成されたプラズマをプラズマ処理室に導入するプラズ
マ導入装置に適用されるものである。そして,請求項1
に記載の発明は,プラズマ源からプラズマを引き出す第
1電極と,第1電極に対して,プラズマ中に含まれる粒
子が拡散するに十分な距離分だけ離隔された位置に配さ
れる第2電極と,第2電極よりもプラズマ処理室側に配
される第3電極と,第1電極と第2電極と第3電極との
電位を実質的に同一電位に保持する拡散電位供給装置
と,第1電極と第2電極の電位に相対して第3電極の電
位を下げるイオン加速電位供給装置と,拡散電位供給装
置とイオン加速電位供給装置とを所定の時間間隔で切り
換えるスイッチング装置と,から成ることを特徴として
いる。
【0008】かかる構成によれば,プラズマを引き出す
第1電極以外に,さらに第2電極と第3電極とが配置さ
れ,第1電極と第2電極と第3電極とに拡散電位を供給
する拡散電位供給装置と,第3電極に拡散電位と同期し
たイオン加速電位を供給するイオン加速電位供給装置と
がスイッチング装置により,所定の時間間隔をもって切
り替えられるため,プラズマ中のイオンのみを選択的に
プラズマ処理室内に導入することができる。すなわち,
第1電極と第2電極と第3電極とに拡散電位が供給する
ことにより,まずプラズマ源内で励起されたプラズマ中
の電子を伴ったイオンが第1電極により引き出される。
次いで,それらイオンと電子とが第1電極と第2電極と
の間に形成される拡散領域内で拡散する。そして,第3
電極のみに,拡散電位よりも相対的に低い電位のイオン
加速電位が供給されることにより,拡散領域内のイオン
のみが選択的に第3電極により引き出され,プラズマ処
理室内に飛翔するように構成されている。
【0009】従って,プラズマ処理室内にはイオンのみ
が選択的に導入されるため,プラズマ処理室内に配置さ
れた被処理体に対するイオンの入射方向が電子によって
乱されず,かつイオン密度の増加により,被処理体に対
して均一な処理を施すことができ,かつスループットを
向上させることができる。また,イオン流には電子が混
在しないため,イオンの入射方向性の制御が容易とな
り,イオンの入射方向性を調整するための過大なバイア
ス電力を被処理体に印加する必要がない。その結果,過
大な負荷が被処理体に加わらないため,被処理体を大型
化・薄型化した場合でも,被処理体が破損することがな
い。
【0010】また,第3電極にイオン加速電位が供給さ
れた際には,上述の如く拡散領域内のイオンのみが選択
的に第3電極方向に引き出されると共に,拡散領域内の
電子は,再び第1電極を介してプラズマ源内に引き戻さ
れる構成となっている。従って,プラズマ源内のプラズ
マ生成空間内で励起されたプラズマ中の電子に加えて,
プラズマ源内に戻された電子により,プラズマ生成空間
の電子密度が増加し,かつ高密度の状態を維持すること
ができる。その結果,プラズマ密度及びプラズマ生成量
が増加するため,被処理体に対して,高密度のイオンを
照射させることができ,さらに均一な処理を施すことが
できる。
【0011】また,請求項2に記載の発明は,上述した
プラズマ導入装置において,プラズマ源からプラズマを
引き出す第1電極と,第1電極に対して,プラズマ中に
含まれる粒子が拡散するに十分な距離分だけ離隔された
位置に配される第2電極と,第2電極よりもプラズマ処
理室側に配される第3電極と,第1電極と第2電極とに
拡散電位を供給する第1電位供給装置と,第3電極に拡
散電位と,拡散電位よりも相対的に低い電位であるイオ
ン加速電位とを供給する第2電位供給装置と,第2電位
供給装置から出力される拡散電位とイオン加速電位とを
所定の時間間隔で切り替える制御装置と,から成ること
を特徴としている。
【0012】かかる構成によれば,切り替え装置の制御
により,第2電位供給装置から拡散電位と,この拡散電
位と同期したイオン加速電位とが第3電極に供給される
ため,上述した請求項1に記載の発明の如く,プラズマ
処理室内にイオンのみが選択的に導入されると共に,イ
オン源内のプラズマ密度を向上させることができる。ま
た,第1電位供給源と第2電位供給源とがスイッチング
装置を介することなく独立して設けられるため,第3電
位に対する拡散電位とイオン加速電位との供給の制御が
容易となる。さらに,第2電位供給装置内には,イオン
加速電位発生源だけでなく拡散電位発生源が設けられる
ため,イオン加速電位を拡散電位と同期させることが容
易となる。
【0013】また,請求項3に記載の発明は,所定の時
間間隔は,プラズマ中に含まれる粒子が拡散するに十分
な時間間隔であることを特徴としている。かかる構成に
よれば,第3電極には,上述した拡散領域にプラズマ中
の電子を伴ったイオンが十分に拡散する間,拡散電位が
供給された後,イオン加速電位が供給されるため,所望
の高密度イオンを選択的にプラズマ処理室内に導入する
ことができると共に,プラズマ源内に高密度プラズマを
励起することができる。
【0014】さらに,請求項4に記載の発明は,第3電
極よりもプラズマ処理室側に第4電極が設けられ,第4
電極は,第3電極と実質的に同じタイミングで,第1電
極と第2電極の電位に相対して低い電位に制御されるこ
とを特徴としている。かかる構成によれば,第4電極に
第3電極と実質的に同じタイミングで拡散電位とイオン
加速電位とが供給されるため,イオン加速電位供給時に
拡散領域内のイオンのみを選択的に第3電極により引き
出し,さらに第4電極により引き出すことができる。そ
の結果,イオンのみを選択的に非常に効率よく引き出す
ことが可能となり,プラズマ処理室内に導入されるイオ
ンの密度を増加させることができる。
【0015】また,上述したプラズマ源とプラズマ処理
室の間に配されて,プラズマ源からプラズマを引き出す
第1電極と,第1電極に対してプラズマ中に含まれる粒
子が拡散するに十分な距離分だけ離隔された位置に配さ
れる第2電極と,第2電極よりもプラズマ処理室側に配
される第3電極とを備えたプラズマ導入装置は,次のよ
うにして制御される。すなわち,請求項5に記載の発明
は,第1電極と第2電極と第3電極とを,第1電極と第
2電極間のプラズマ中の粒子が十分に拡散する時間間隔
にわたり,実質的に同一電位に保持するプラズマ拡散工
程と,第3電極の電位を,第1電極と第2電極の電位よ
りも相対的に低く制御するイオン引き出し工程と,プラ
ズマ拡散工程とイオン引き出し工程とを所定時間間隔で
反復する工程と,を含むことを特徴としている。
【0016】かかる構成によれば,上述した拡散領域内
に電子を伴ったイオンを十分に拡散させるプラズマ拡散
工程と,第3電極によってプラズマ拡散領域内のイオン
のみを選択的に引き出すイオン引き出し工程とが,所定
時間間隔で反復されるため,効率よく引き出されたイオ
ンのみをプラズマ処理室内に導入することができると共
に,プラズマ源内で高密度プラズマを生成させることが
できる。
【0017】また,請求項6に記載の発明は,イオン引
き出し工程は,プラズマ拡散工程に比較して短時間実施
されることを特徴としている。かかる構成によれば,プ
ラズマ拡散工程がイオン引き出し工程よりも相対的に長
時間実施されるため,上述した拡散領域内に電子を伴っ
たイオンを十分に拡散させることができ,かつ効率よく
イオンのみを不要な時間的を要することなく選択的に引
き出すことができる。
【0018】さらに,請求項7に記載の発明は,プラズ
マ拡散工程とイオン引き出し工程とは,実質的に同じ時
間間隔で反復されることを特徴としている。かかる構成
によれば,実質的に同じ時間間隔でプラズマ拡散工程と
イオン引き出し工程とが反復されるため,イオン引き出
し工程を相対的に長時間実施することができ,さらに効
率よくイオンのみを選択的にプラズマ処理室内に導入す
ることができる。また,各電極に所定の電力を印加する
電源の制御方法も,容易となる。
【0019】さらにまた,請求項8に記載の発明は,第
3電極よりもプラズマ処理室側にさらに第4電極が設け
られており,第4電極は,第3電極と実質的に同じタイ
ミングで,第1電極と第2電極の電位に相対して低い電
位に制御されることを特徴としている。かかる構成によ
れば,第3電極と第4電極とに,同時にイオン加速電位
を供給することができるため,第3電極によって拡散領
域内のイオンのみを選択的に引き出し,さらに第4電極
によってそのイオンをより効率よく引き出すことができ
る。その結果,プラズマ処理室内に導入されるイオンの
密度をさらに増加させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明にかかるプラズマ導入装置及びその制御方法
を,成膜装置及びその制御方法に適用した,実施の形態
について詳細に説明する。なお,以下の説明において,
略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同
一符号を付することにより,重複説明を省略することと
する。
【0021】第1の実施の形態に係る成膜装置100
は,図1に示したように,プラズマ源102と,処理室
104と,プラズマ源102と処理室104との間にプ
ラズマ源102側から順次配置される第1電極106と
第2電極108と第3電極110とから構成されてい
る。また,第1電極106と第2電極108とは,拡散
電位供給装置112に接続されると共に,第3電極11
0は,スイッチング装置114を介して拡散電位供給装
置112に接続される構成となっている。さらに,第3
電極110には,スイッチング装置114を介してイオ
ン加速電位供給装置116が接続されている。また,拡
散電位供給装置112とイオン加速電位供給装置116
とスイッチング装置114とには,制御装置118が接
続されている。
【0022】次に,本実施の形態に適用可能な第1電極
106と第2電極108と第3電極110とに対する拡
散電位とイオン加速電位との供給方法について,処理室
104内に配置された不図示の被処理体,例えば半導体
ウェハ(以下,「ウェハ」と称する。)に対して,所定
の成膜処理を施す場合を例に挙げて説明する。
【0023】かかる方法は,後述する如く,プラズマ源
102内のプラズマ中の電子を伴ったイオンを,第1電
極106と第2電極との間に形成される拡散領域内に十
分に拡散させるプラズマ拡散工程と,その拡散領域内の
イオンのみを第3電極110によって引き出すイオン引
き出し工程と,それらプラズマ拡散工程とイオン引き出
し工程とを所定時間間隔で反復する反復工程とから構成
されている。以下,プラズマ拡散工程と,イオン引き出
し工程と,反復工程とを順次詳細に説明する。
【0024】(1)プラズマ拡散工程 まず,処理室104内にウェハを配置すると共に,例え
ばプラズマ源102内に所定のマイクロ波を導入し,そ
のプラズマ源102内に導入された所定の処理ガスを解
離させて,プラズマを生成させる。次いで,拡散電位供
給装置112から第1電極106と第2電極108とに
パルス制御された拡散電位を供給すると共に,同様にし
て該装置からスイッチング装置114を介して拡散電位
を第3電極110に供給する。この際,第1電極106
と第2電極108と第3電極110とは,実質的に同一
電位に維持される構成となっている。そして,プラズマ
源102内で生成されたプラズマ中の電子を伴ったイオ
ンは,その拡散電位により第1電極106により引き出
され,さらに第1電極106と第2電極108との間に
形成される拡散領域内に進入して十分に拡散する。
【0025】(2)イオン引き出し工程 次いで,拡散領域内に電子を伴ったイオンが十分に拡散
した後,制御器118の制御によってスイッチング装置
114内の不図示のスイッチング素子が切り替えられ
る。その結果,第3電極110に対しては,拡散電位供
給装置112に変えてイオン加速電位供給装置116か
ら拡散電位よりも相対的に低い電位のパルス制御された
イオン加速電位が供給される。また,拡散電位供給装置
112から第1電極106と第2電極108とに供給さ
れている拡散電位と,イオン加速電位供給装置116か
ら第3電極110に供給されているイオン加速電位と
は,図2に示したように,制御器118の制御によって
同期して供給されるように構成されている。
【0026】また,同図は,拡散電位のパルスのオフ時
の電位を基準電位として,第1電極106及び第2電極
108に供給される電位と,第3電極110に供給され
る電位とを示したものである。そして,イオン加速電位
を第3電極110に供給した場合には,同図に示したよ
うに,イオン加速電位のパルスのオン時の電位が拡散電
位のパルスのオン時の電位よりも,またイオン加速電位
のパルスのオフ時の電位が拡散電位のパルスのオフ時の
電位よりも,それぞれ相対的に低い電位となるように構
成されている。
【0027】そして,第1電極106と第2電極108
との間に形成される拡散領域内で十分に拡散した電子を
伴ったイオンは,その部分に存在するイオン加速電位分
布によってイオンと電子とに分離され,イオンのみが選
択的に第3電極の方向に引き出される。さらに,そのイ
オンのみが,処理室104内に導入され,処理室104
内のウェハに到達するように構成されている。その結
果,イオンと電子との分離を容易に行うことができると
共に,イオンのみを選択的にウェハに入射させることが
できる。従って,電子によってイオンの入射方向が乱さ
れることがないと共に,イオン密度が増加するためウェ
ハに対して均一な処理を施すことができる。また,イオ
ン中に電子が含まれていないため,イオンの入射方向性
の制御が容易となり,例えばウェハに過大なバイアス電
力を印加する必要がない。その結果,ウェハに過大な負
荷が加わってウェハが損傷することがなく,歩留まりを
向上させることができる。
【0028】また,第3電極110へのイオン加速電位
供給時には,拡散領域内の電子が第1電極106を介し
て,プラズマ源102内のプラズマ生成空間内に飛翔す
るため,その電子によってプラズマ生成空間の電子密度
を増加させ,かつ高密度状態を維持することができる。
従って,プラズマの生成効率が向上し,高密度プラズマ
が生成されるため,ウェハに対して高密度のイオンを入
射させることができ,スループットを向上させることが
できる。
【0029】(3)反復工程 次いで,所定のイオンの引き出しが行われた後,再び上
述したプラズマ拡散工程が行われると共に,これらプラ
ズマ拡散工程とイオン引き出し工程とが,所定時間間隔
で反復される。この反復時間は,拡散領域内に電子を伴
ったイオンが十分に拡散する時間と,拡散領域内のイオ
ンのみを選択的に効率よく引き出すことができる時間と
から算出され,設定される構成となっている。そして,
例えばイオン引き出し工程の間隔がプラズマ拡散工程の
間隔よりも相対的に短く設定されることにより,拡散領
域内に電子を伴ったイオンが所望の状態で拡散され,か
つ効率よく拡散領域内のイオンのみが選択的に第3電極
110方向に引き出される構成となっている。
【0030】次に,第2の実施の形態に係る成膜装置2
00について,図3を参照しながら説明する。かかる成
膜装置200は,拡散電位及びイオン加速電位の供給構
成以外は,上述した成膜装置100と略同一の構成とな
っている。そして,成膜装置200の特徴である,かか
る電位の供給構成について説明すると,第1電極106
と第2電極108とは,上述した拡散電位供給装置11
2と略同一の構成である第1電位供給装置202に接続
されている。また,第3電極110は,拡散電位とイオ
ン加速電位との両電位を供給可能な第2電位供給装置2
04に接続されている。さらに,第1電位供給装置20
2と第2電位供給装置204とは,制御器206に接続
されている。
【0031】そして,第1電位供給装置202から第1
電極106と第2電極108とに供給される拡散電位
と,第2電位供給装置204から第3電極110に供給
される拡散電位又はイオン加速電位とは,制御器206
の制御により,それぞれ同期して各電極に供給されるよ
うに構成されている。従って,第1電極106及び第2
電極108と,第3電極110とは,それぞれ独立した
電位供給装置から所定の電位が供給されるため,拡散電
位とイオン加速電位との供給の制御を容易に行うことが
できる。また,第2電位供給装置204内には,不図示
の拡散電位発生源とイオン加速電位発生源とが設けられ
ているため,イオン加速電位発生源から発振されるイオ
ン加速電位を,拡散電位発生源から発振される拡散電位
に基づいて容易に制御することができ,容易に同期させ
ることができる。
【0032】次に,第3の実施の形態に係る成膜装置3
00について,図4を参照しながら説明する。かかる成
膜装置300は,電極の配置構成以外は上述した成膜装
置100と略同一に構成されている。そして,成膜装置
300の電極の配置構成について説明すると,上述した
如くプラズマ源102と処理室104との間に配置され
た第1電極106,第2電極108,第3電極110以
外に,さらに第4電極302が配置される構成となって
いる。この第4電極は,第3電極110と処理室104
との間に配置されると共に,第3電極110に供給され
る電位と略同一の電位が,第3電極110と実質的に同
一のタイミングで供給されるように,スイッチング機構
114に接続される構成となっている。また,第1電極
106と,第2電極108と,第3電極110と,第4
電極302とに供給される拡散電位とイオン加速電位と
の供給構成は,第1の実施の形態に係る成膜装置100
と略同一に構成されている。
【0033】そして,処理時には,まず制御器118の
制御によってスイッチング装置114が所定の状態に切
り替えられ,拡散電位供給装置112から第1電極10
6と,第2電極と108と,第3電極110と,第4電
極302とに拡散電位が供給される。この際,プラズマ
源102内で生成されたプラズマ中の電子を伴ったイオ
ンが,第1電極106と第2電極108との間に形成さ
れた拡散領域内に十分に拡散する。次いで,所定時間間
隔が経過した後,制御器118の制御によってスイッチ
ング装置114が所定の状態に切り替えられ,イオン加
速電位供給装置116からイオン加速電位が第3電極1
10と第4電極302とに供給される。
【0034】その結果,拡散領域内のイオンのみが選択
的に第3電極110により引き出され,さらに第4電極
302によっても引き出されるため,効率よくイオンの
みを引き出し,処理室104内のウェハに入射させるこ
とができる。すなわち,第3電極110のイオン加速電
位によって拡散領域内から引き出されたイオンは,第4
電極302のイオン加速電位によってさらに引き出し速
度が加速されるため,非常に高密度のイオンを所望の入
射角度でウェハに照射することができる。さらに,相対
的に短時間でイオン引き出し工程を完了することができ
るため,プラズマ拡散工程の間隔を相対的に延長するこ
とができ,拡散領域内にさらに十分な電子を伴ったイオ
ンを拡散させることができる。その結果,さらに高密度
のイオンを処理室104内に導入することができると共
に,プラズマ源102内のプラズマ生成空間内に対して
さらに多くの電子を供給して,高密度プラズマを生成さ
せることができる。また,プラズマ拡散工程と,イオン
引き出し工程とを相対的に短時間で反復させることがで
きるため,イオンをさらに高密度化することができ,ス
ループットを向上させることができる。
【0035】以上,本発明の好適な実施の形態につい
て,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において,当業者であれば,各種変更例
及び修正例に相当し得るものであり,それら変更例及び
修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了
解される。
【0036】例えば,上記実施の形態において,パルス
制御された拡散電位とイオン加速電位とを用いた例を挙
げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されるもの
ではなく,例えば半波整流された交流電力を用いても本
発明は実施可能である。
【0037】また,上記実施の形態において,マイクロ
波を用いてプラズマを生成するプラズマ源を例に挙げて
説明したが,本発明はかかる構成に限定されるものでは
なく,ECR型プラズマ源やフィラメント型プラズマ源
を使用しても本発明を実施することができる。
【0038】さらに,上記実施の形態において,ウェハ
に対して成膜処理を施す成膜装置を例に挙げて説明した
が,本発明はかかる構成に限定されるものではなく,例
えばLCD用ガラス基板を被処理体として使用すること
ができ,また本発明は,スパッタ装置やイオン注入装置
などの各種プラズマ処理装置のプラズマ導入装置に適用
することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば,プラズマ源とプラズマ
処理室との間に,拡散電位が供給される第1電極及び第
2電極と,所定時間間隔で拡散電位とイオン加速電位と
が供給される第3電極とを配置したため,電離され発生
したプラズマ中のイオンと電子とを効果的に分離し,イ
オンのみを選択的に引き出してプラズマ処理室内に導入
することができる。また,分離された電子を再びプラズ
マ源内に戻すことができるため,高密度プラズマを生成
させることができる。従って,高密度のイオンのみによ
り,プラズマ処理室内に配置された被処理体に対して所
望の均一な処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な成膜装置を示した概略的な
説明図である。
【図2】図1に示した各電極に対する各電位の供給構成
を説明するための概略的な説明図である。
【図3】他の実施の形態に係る成膜装置を示した概略的
な説明図である。
【図4】他の実施の形態に係る成膜装置を示した概略的
な説明図である。
【符号の説明】
100 成膜装置 102 プラズマ源 104 処理室 106 第1電極 108 第2電極 110 第3電極 112 拡散電位供給装置 114 スイッチング装置 116 イオン加速電位供給装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ源で生成されたプラズマをプラ
    ズマ処理室に導入するプラズマ導入装置であって:前記
    プラズマ源からプラズマを引き出す第1電極と;前記第
    1電極に対して,プラズマ中に含まれる粒子が拡散する
    に十分な距離分だけ離隔された位置に配される第2電極
    と;前記第2電極よりも前記プラズマ処理室側に配され
    る第3電極と;前記第1電極と前記第2電極と前記第3
    電極との電位を実質的に同一電位に保持する拡散電位供
    給装置と;前記第1電極と前記第2電極の電位に相対し
    て前記第3電極の電位を下げるイオン加速電位供給装置
    と;前記拡散電位供給装置と前記イオン加速電位供給装
    置とを所定の時間間隔で切り換えるスイッチング装置
    と;から成ることを特徴とする,プラズマ導入装置。
  2. 【請求項2】 プラズマ源で生成されたプラズマをプラ
    ズマ処理室に導入するプラズマ導入装置であって:前記
    プラズマ源からプラズマを引き出す第1電極と;前記第
    1電極に対して,プラズマ中に含まれる粒子が拡散する
    に十分な距離分だけ離隔された位置に配される第2電極
    と;前記第2電極よりも前記プラズマ処理室側に配され
    る第3電極と;前記第1電極と前記第2電極とに拡散電
    位を供給する第1電位供給装置と;前記第3電極に前記
    拡散電位と,前記拡散電位よりも相対的に低い電位であ
    るイオン加速電位とを供給する第2電位供給装置と;前
    記第2電位供給装置から出力される前記拡散電位と前記
    イオン加速電位とを所定の時間間隔で切り替える制御装
    置と;から成ることを特徴とする,プラズマ導入装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の時間間隔は,前記プラズマ中
    に含まれる粒子が拡散するに十分な時間間隔であること
    を特徴とする,請求項1又は2に記載のプラズマ導入装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第3電極よりも前記プラズマ処理室
    側に第4電極が設けられ,前記第4電極は,前記第3電
    極と実質的に同じタイミングで,前記第1電極と前記第
    2電極の電位に相対して低い電位に制御されることを特
    徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載のプラ
    ズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 プラズマ源とプラズマ処理室の間に配さ
    れて,前記プラズマ源からプラズマを引き出す第1電極
    と,前記第1電極に対してプラズマ中に含まれる粒子が
    拡散するに十分な距離分だけ離隔された位置に配される
    第2電極と,前記第2電極よりも前記プラズマ処理室側
    に配される第3電極とを備えたプラズマ導入装置の制御
    方法であって:前記第1電極と前記第2電極と前記第3
    電極とを,前記第1電極と前記第2電極間のプラズマ中
    の粒子が十分に拡散する時間間隔にわたり,実質的に同
    一電位に保持するプラズマ拡散工程と;前記第3電極の
    電位を,前記第1電極と前記第2電極の電位よりも相対
    的に低く制御するイオン引き出し工程と;前記プラズマ
    拡散工程と前記イオン引き出し工程とを所定時間間隔で
    反復する工程と;を含むことを特徴とする,プラズマ導
    入装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記イオン引き出し工程は,前記プラズ
    マ拡散工程に比較して短時間実施されることを特徴とす
    る,請求項5に記載のプラズマ導入装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ拡散工程と前記イオン引き
    出し工程とは,実質的に同じ時間間隔で反復されること
    を特徴とする,請求項5に記載のプラズマ導入装置の制
    御方法。
  8. 【請求項8】 前記第3電極よりも前記プラズマ処理室
    側にさらに第4電極が設けられており,前記第4電極
    は,前記第3電極と実質的に同じタイミングで,前記第
    1電極と前記第2電極の電位に相対して低い電位に制御
    されることを特徴とする,請求項5,6又は7のいずれ
    かに記載のプラズマ導入装置の制御方法。
JP9163423A 1997-06-04 1997-06-04 プラズマ導入装置及びその制御方法 Withdrawn JPH10340796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9163423A JPH10340796A (ja) 1997-06-04 1997-06-04 プラズマ導入装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9163423A JPH10340796A (ja) 1997-06-04 1997-06-04 プラズマ導入装置及びその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10340796A true JPH10340796A (ja) 1998-12-22

Family

ID=15773628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9163423A Withdrawn JPH10340796A (ja) 1997-06-04 1997-06-04 プラズマ導入装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10340796A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014067943A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 薄膜形成装置、薄膜形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014067943A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 薄膜形成装置、薄膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4099804B2 (ja) ワークピースの表面を処理する方法及びその装置
US6924493B1 (en) Ion beam lithography system
US5818040A (en) Neutral particle beam irradiation apparatus
US4851668A (en) Ion source application device
JP2000054125A (ja) 表面処理方法および装置
JP3099819B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH10340796A (ja) プラズマ導入装置及びその制御方法
US20040051053A1 (en) Universal pattern generator with multiplex addressing
JPH07335163A (ja) イオンビーム発生方法およびその装置
JP3577785B2 (ja) イオンビーム発生装置
JP4754684B2 (ja) イオン注入装置
JPS63279552A (ja) イオンビ−ム照射装置
JP3509343B2 (ja) イオン源
JP3031043B2 (ja) イオン照射装置とその制御方法
JP2655146B2 (ja) イオン照射装置
JP3473219B2 (ja) イオンビーム発生装置
JP2654769B2 (ja) イオン注入装置
JPH05314940A (ja) イオンビ−ム応用装置のイオン源
JPH07211279A (ja) イオン注入装置
JPH0676751A (ja) パルス駆動型の電子サイクロトロン共振イオン源
JPH0638391B2 (ja) X線露光装置
JP2738326B2 (ja) イオン源及びイオン生成方法
JPH0794466A (ja) 表面処理装置
JPH06196119A (ja) 高エネルギーイオン打ち込み装置
JP2004037875A (ja) 配向層形成装置および配向層形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040907