JP3099819B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3099819B2 JP10276221A JP27622198A JP3099819B2 JP 3099819 B2 JP3099819 B2 JP 3099819B2 JP 10276221 A JP10276221 A JP 10276221A JP 27622198 A JP27622198 A JP 27622198A JP 3099819 B2 JP3099819 B2 JP 3099819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置及
びイオン注入方法に関するものである。特には、イオン
発生源からイオンを引き出す経路に汚れが付着するのを
抑制することにより装置稼働率を向上させたイオン注入
装置及びイオン注入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来のイオン注入装置を示す模
式図である。このイオン注入装置は、イオン化が行われ
るイオンソース31及びボンベボックス35等から構成
されている。イオンソース31の内側にはアークチャン
バー32とベーパーライザー33が設けられており、イ
オンソース31外側のボンベボックス35の内側にはA
r等の不活性ガスボンベ82及び原料ガスボンベ81が
設置されている。
【0003】次に動作について説明する。
【0004】アークチャンバー32内へのガスの供給方
法としては、2つの方法が主に用いられている。1つ
は、イオンソース31内に設置したベーパーライザー3
3の内部に充填した固体原料をヒーター(図示せず)に
よって気化させてアークチャンバー32に供給する方法
である。他の1つは、外部のボンベボックス35内に設
置した原料ガスボンベ81をガス導入管34に接続され
た電磁弁63、64、マスフローコントローラー(流量
調節器)72を介してアークチャンバー32内に供給す
る方法である。
【0005】このようにしてアークチャンバー32内に
供給されたイオンソースガスは、アークチャンバー32
内のフィラメント(図示せず)から発生した電子の衝突
によりイオン化される。このイオンは引き出し電極(図
示せず)により引出され、加速電極(図示せず)にてイ
オンが加速され、次いで質量分析器(図示せず)で所望
のイオンが選択され、そのイオンがウェーハに注入され
る。
【0006】ところで、上記イオン注入装置では、定期
的にアークチャンバー32をはじめとしてイオン注入装
置内部のイオンビーム軌道の真空チャンバー内壁をクリ
ーニングして装置内部の導電性の固体(汚れ)を取り除
く必要がある。この具体的な方法としては、イオン注入
の生産作業を一旦中止し、専用に設けたアルゴンガス導
入系統(不活性ガスボンベ82、電磁弁61,62、マ
スフローコントローラー71)からイオン発生源にアル
ゴンガスを導入し、それをイオン化して付着物をスパッ
タリングにより除去する方法がある。また、別の方法に
は、イオン注入装置の真空を破り長時間かけて分解クリ
ーニングをして除去する方法がある。
【0007】このようにクリーニングをしなければなら
ない理由は以下の通りである。
【0008】イオン注入装置における高電圧印加部位で
の放電を防ぎ、装置故障を事前に防ぐためである。ま
た、ベーパーライザー33で固体原料を気化させて使用
する場合にアークチャンバー32内にアークを発生し易
くするためである。また、アークチャンバー32、アー
クチャンバー内のフィラメント、引き出し電極を中空に
浮かせるための絶縁碍子に導電性の被膜が付着してしま
う。すると、フィラメントが絶縁破壊を起し不安定にな
り更に異常放電に至り、希望するイオンの加速ができな
くなる。その結果、イオン注入が中断したり、適切なイ
オン注入が行われないことによって半導体装置の特性を
変化させることとなる。したがって、イオン注入装置内
部におけるイオンビーム軌道の真空チャンバー内壁を定
期的にクリーニングする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のイオン注入
装置では、上述したようにイオン注入の生産作業の合間
に一旦作業を中止し、メンテナンス作業として不活性ガ
スイオンによるクリーニングを行う必要がある。このた
め、クリーニング作業時間により装置稼働率が低下し、
生産効率が著しく低下するという問題がある。
【0010】一方、特開平3−163735号公報のよ
うに、O,C,COのイオンソースガスによってイオン
導入経路の内壁が酸化されることや炭素で汚染されるこ
とを防止するため、このイオンソースガスに20〜80
vol%の不活性なアルゴンを混合することによりイオン
注入を行いながら装置内部をクリーニングする方法があ
る。しかし、上記従来のイオン注入方法には、この特開
平3−163735号公報に記載されているアルゴンを
混合する方法が以下の理由により適用できない。
【0011】上記従来のイオン注入方法では、不純物の
イオンソースガスとして三弗化ホウ素BF3、ホスフィ
ンPH3、アルシンAsH3などを水素などの活性なガス
で希釈したガスを使用している。このガスを用いるイオ
ン注入の場合に、該ガスに20〜80vol%のアルゴン
を混合するのは、アルゴンの混合割合が大きすぎる。こ
のため、三弗化ホウ素、ホスフィン、アルシンなどのイ
オン注入では、目的のイオンの集率が減少しイオン注入
の処理能力を著しく低下させてしまうからである。
【0012】このような事情から、ホウ素、ホスフィ
ン、アルシンなどの所望する不純物のイオン注入を行う
と同時に、イオン注入経路の内壁に導電性被膜が付着す
るのを防止、除去することができ、更に目的のイオン電
流の集率を向上させることができるイオン注入方法が求
められている。また、高電圧印可部位での放電要因を減
少させることで半導体装置の特性を安定させること、イ
オン注入を停止させて行なう導電性の付着物除去作業の
頻度を減少させることにより、半導体装置の品質の安定
と生産性の向上を実現することが求められている。
【0013】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、イオン発生源からイオン
を引き出す経路に汚れが付着するのを抑制することによ
り装置稼働率を向上させたイオン注入装置及びイオン注
入方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板
へのイオン注入工程を有する半導体装置の製造方法であ
って、前記イオン注入工程において、前記半導体基板へ
注入されるイオンの原料ガスに、20Vol%以下の不活
性ガスを添加することを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体基板へのイオン注入工程を有する半導体装置
の製造方法であって、前記イオン注入工程において、前
記半導体基板へ注入されるイオンの原料ガスに、20Vo
l%以下の不活性ガスがあらかじめ添加されている混合
ガスを用いることを特徴とする。また、不活性ガスの混
合割合は10Vo1%以下がより好ましい。
【0016】上記の半導体装置の製造方法では、半導体
基板へ注入されるイオンの原料ガスに20Vo1%以下の
不活性ガスを混合した混合ガスを用いることにより、イ
オン発生源において前記不活性ガスも熱電子の衝撃によ
りプラズマ状態となり、前記原料ガスと共にイオン化さ
れる。その結果、イオン発生源で発生したイオンを基板
に注入するためのイオンの経路に付着した付着物(導電
性の固体)を、不活性ガスのイオンのスパッタリングに
よるクリーニング効果によって除去し、抑制することが
できる。
【0017】また、前記原料ガスと前記不活性ガスを別
系統から流入させて混合させることにより、原料ガス又
は不活性ガスを供給する量を調整することにより混合濃
度を20Vo1%以下の範囲で任意に変化させることが可
能となる。
【0018】さらに、本発明に係る半導体装置の製造方
法は、前記原料ガスはBF3、PH3、ASH3、GeF4、及び
SiF4のうちのいずれかを有するガスであることを特徴
とする。
【0019】あるいは、本発明に係る半導体装置の製造
方法は、ベーパーライザーに充填した固体原料を気化さ
せ、前記固体原料が気化した気化ガスをアークチャンバ
ー内に供給してイオン化し、電界で加速したのち所望す
るイオンを選択して半導体基板に注入するイオン注入工
程を有する半導体装置の製造方法において、前記アーク
チャンバー内に、前記気化ガスと同時に20Vol%以下
の不活性ガスを供給してイオン化することを特徴とす
る。
【0020】そして、上記の半導体装置の製造方法は、
固体原料を気化させて使用する場合においても同様の効
果を得るため、アークチャンバー内に固体原料からの気
化ガスとともに所定量の不活性ガスを導入するようにし
たものである。
【0021】さらには、本発明に係る半導体装置の製造
方法において、前記不活性ガスはアルゴンであることを
特徴とする。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0028】図1は、本発明の第1の実施の形態による
イオン注入装置を示す模式図である。
【0029】図1に示すように、このイオン注入装置
は、アークチャンバー5内に電界及び磁界をかけ、フィ
ラメント7より発生する熱電子とガス導入管4より導入
するイオンソースガスにより、プラズマを生成してい
る。
【0030】アルゴン等の不活性ガスボンベ2は電磁弁
16、マスフローコントローラー3を介してガス導入管
4に接続されている。三弗化ホウ素(BF3)のイオン
ソースガスボンベ1aは電磁弁16、マスフローコント
ローラー3を介してガス導入管4に接続されている。水
素ベースのホスフィンのイオンソースガスボンベ(PH
3/H2)1bは電磁弁16、マスフローコントローラー
3を介してガス導入管4に接続されている。このときの
イオンソースガスボンベ1bにおけるPH3の混合比は
15〜50%である。アルシンのイオンソースガスボン
ベ(AsH3/H2)1cは電磁弁16、マスフローコン
トローラー3を介してガス導入管4に接続されている。
このときのイオンソースガスボンベ1cにおけるAsH
3の混合比は約15%である。ガス導入管4はアークチ
ャンバー5に接続されている。つまり、三弗化ホウ素に
20Vo1%以下のアルゴンを混合した混合ガス、ホスフ
ィンに20Vo1%以下のアルゴンを混合した混合ガス、
又は、アルシンに20Vo1%以下のアルゴンを混合した
混合ガスそれぞれが、ガス導入管4を通してアークチャ
ンバー5に導入される構成になっている。また、ガス導
入管4内において三弗化ホウ素、ホスフィン又はアルシ
ンにアルゴンを混合する際は、マスフローコントローラ
ー16によりアルゴンの流量が20Vo1%以下となるよ
うに調節される。
【0031】アークチャンバー5内にはフィラメント7
が配置されており、アークチャンバー5の外側には電磁
石6が配置されている。したがって、アークチャンバー
5内に導入されたイオンソースガスは、真空中で電流を
流したフィラメント7から発生する熱電子と、電磁石6
の磁場と、アークチャンバー5とフィラメント7にかけ
られた電界によりプラズマ状態8となりイオン化する。
【0032】アークチャンバー5から発生したイオンが
引き出されたイオン電流10が通過する軌道に沿って順
に引き出し電極9、質量分析器11、イオン加速器1
3、イオン走査部14、半導体基板15が配置されてい
る。
【0033】すなわち、発生したイオンを引き出すため
の引き出し電極9はアークチャンバー5のスリットに対
向する位置に設置されている。この引き出し電極9に負
の電位を印加することにより該スリットを介して発生し
た全てのイオン電流10が引き出される。
【0034】このように引き出されたイオン電流10か
ら所定のイオンのみを抽出するための磁場による質量分
析器11が引き出し電極9に対向する位置に設置されて
いる。この質量分析器11の中をイオン電流10が通過
することにより、所定のイオンのみが注出され、アルゴ
ンイオンを含む分離されたその他のイオン12は質量分
析器11内で消滅する。
【0035】質量分析器11における抽出されたイオン
の出口に対向する位置にイオン加速部13が配置されて
おり、その隣りにはイオン走査部14が配置されてい
る。イオン走査部14におけるイオンの出口に対向する
位置には半導体基板15が載置されている。したがっ
て、質量分析器11で抽出されたイオンは、イオン加速
部13において所定の加速エネルギーを与えられ、イオ
ン走査部14を経て半導体基板15へ均一に注入され
る。
【0036】上記第1の実施の形態によれば、三弗化ホ
ウ素、ホスフィン及びアルシンのうちのいずれかにアル
ゴンの体積比が20Vo1%以下になるようにマスフロー
コントローラーを制御し、得られた混合ガスをアークチ
ャンバー5に導入してイオン注入を行う。このため、こ
のようにイオンソースガスに混合したアルゴンは、イオ
ン発生源で所定のイオンやその他のイオンと同時にイオ
ン化され、引き出し電極9によって引き出される。その
過程で、イオンソースガス又はそれがイオン化されたイ
オンが堆積することによってアークチャンバー5や引き
出し電極9周辺のスリット、絶縁物などに付着している
導電膜を、アルゴンでスパッタリングしながら他のイオ
ンの付着防止と除去を行なう。このようにイオン注入を
行うと同時に不活性ガスイオンによるクリーニングも行
うことができるため、従来のイオン注入装置のようにイ
オン注入作業を一旦停止してクリーニング作業を行わな
くても、イオンを引き出す引き出し電極9での異常放電
の発生がなくなり、安定した電圧でイオンを供給でき
る。更にイオンの加速エネルギーが安定するため、半導
体装置の特性も安定させることができる。その結果、半
導体装置の品質も向上させることができる。したがっ
て、クリーニング作業時間による装置稼働率の低下を防
止でき、従来のイオン注入装置に比べて生産効率を向上
させることができる。なお、アークチャンバー5で発生
したアルゴンイオンは、その後質量分析器11内で分離
されるため、半導体基板15に導入されるのは所定のイ
オンだけとなりアルゴンは半導体装置の基板には到達し
ない。従って、従来の半導体装置の特性が変化すること
なく、同じ特性を維持できる。
【0037】また、三弗化ホウ素等のイオンソースガス
に混合するアルゴンなどの不活性ガスの比率を20Vo1
%以下としているのは、20Vo1%以下で十分クリーニ
ング効果を有することを確認したからである。
【0038】図2は、三弗化ホウ素BF3にアルゴンを
混合した混合ガスをイオンソースガスとして図1に示す
イオン注入装置に用いた場合、及び、ホスフィンにアル
ゴンを混合した混合ガスをイオンソースガスとして図1
に示すイオン注入装置に用いた場合それぞれにおけるア
ルゴン混合割合とイオン電流量との関係を示すグラフで
ある。この図において縦軸は、アルゴンを含まないイオ
ンソースガスにより得られるイオン電流量を1とした場
合、それと比較した混合ガスにより得られる電流量の割
合である。
【0039】図2に示す通り、アルゴン混合割合が20
Vo1%を超える混合ガスでは、所定のイオンの集率が混
合しない場合(混合割合0Vo1%)と比較して約半分以
下となってしまう。このため、アルゴン混合割合が20
Vo1%を超える混合ガスを用いると、アルゴンイオンに
よるクリーニングを行うことはできるが、イオン注入時
間が増大し逆に生産効率を低下させてしまうことにな
る。したがって、アルゴン混合割合が20Vo1%以下で
あれば、十分に所定イオンの集率を確保しながらアルゴ
ンのクリーニング効果を発揮させることができる。ま
た、より好ましくは、アルゴンの混合割合が10Vo1%
以下である。
【0040】尚、上記第1の実施の形態では、アルゴン
などの不活性ガスを用いているが、必ずしも不活性ガス
に限らず、スパッタリング効果が期待できる元素であれ
ば他の元素を用いることも可能である。
【0041】また、イオンソースガスとしてBF3、P
3又はAsH3を用いているが、他のイオンソースガス
を用いることも可能であり、例えばGeF4又はSiF4
を用いることも可能である。
【0042】また、本実施の形態では、イオン注入装置
においてアルゴン等の不活性ガスボンベ2及びイオンソ
ースガスボンベ1a〜1cを別々に準備し、不活性ガス
ボンベ2から単独のアルゴンガスをマスフローコントロ
ーラー3により流量を制御しながら引き出すと共に、イ
オンソースガスボンベから単独のイオンソースガスをマ
スフローコントローラー3により流量を制御しながら引
き出し、両者をアークチャンバー5直前のガス導入管4
内で混合させているが、これに限らず他の混合方法によ
って混合することも可能である。例えば、あらかじめア
ルゴンガスを20Vo1%以下で混合させたイオンソース
ガスを入れたガスボンベを準備し、このガスボンベをイ
オン注入装置に配置することも可能である。この場合
は、本実施の形態のように単独での不活性ガスの導入系
統を必要とせずガス経路を簡略化できるため、容易に安
定した混合比のイオンソースガスを提供することができ
る。一方、本実施の形態のように別系統からアルゴンガ
スを混合する場合は20Vo1%以下でアルゴン濃度を任
意に変更することが容易であるため、イオン電流の集率
とクリーニング効果を適宜制御でき、イオン注入条件や
装置の状況に対応した最適なアルゴン混合比を容易に選
択できる。
【0043】図3は、本発明の第2の実施の形態による
イオン注入装置を示す模式図であり、主にイオンソース
とボンベボックス内を示した構成図である。このイオン
注入装置は、ボンベボックス35内には図5に示す原料
ガスボンベ81に代り、クリーニング効果をもつ不活性
ガス(アルゴンガス)を所定量添加した原料ガスボンベ
83を取り付けた構造になっている。
【0044】このように構成されたイオン注入装置で
は、従来と同様にイオン注入作業が可能であり、不活性
ガス添加原料ガスボンベ83からの所定量のガスは電磁
弁63,64、マスフローコントローラー72を介しガ
ス導入管34によりアークチャンバー32内に供給され
る。このアークチャンバー32内では、イオン注入を行
う所望の原料ガスと同時に、あらかじめ20Vol%以下
に添加されたクリーニング用の不活性ガス(アルゴンガ
ス)の双方がフィラメント(図示せず)から発生した電
子との衝突によりイオン化される。
【0045】これらのイオンは、引出し電極(図示せ
ず)で加速され、次いで、質量分析器(図示せず)によ
り所望のイオンのみに分離選択される。このため、クリ
ーニング用に添加してあったガスによるイオンはここで
分離除去され、ウェーハ(半導体基板)へは注入されな
い。したがって、アルゴンイオンは、アークチャンバー
32から質量分析器までのイオンビーム軌道のクリーニ
ング効果のみを発揮する。そして、質量分析器で選択さ
れた所望のイオンはウェーハに注入される。
【0046】図4は、質量分析器により分離された不活
性ガス添加原料ガスのイオンビームスペクトラムの一例
を示す図である。ここでは、原料ガスであるPH3に所
定量の不活性ガスArを添加した例を示しているが、こ
こでの所望イオン31+とクリーニング用イオン40Ar+
は磁界により分離されているためクリーニング用イオン
である40Ar+がウェーハに注入されることは無い。
【0047】また、同様に固体原料からの気化ガスを使
用する場合においても、図3に示すアークチャンバー3
2内には、ベーパーライザー33からの気化ガスととも
に所定量の不活性ガスを不活性ガスボンベ82より電磁
弁61、62、およびマスフローコントローラー71、
ガス導入管4を介して供給される。このため、この場合
にも同様の作用をする。
【0048】また、ガスボンベ、ベーパーライザーのい
ずれの使用においても不活性ガスArを添加した例にお
いてはアークチャンバー32内でのアーク発生を起こし
易くする効果がある。
【0049】このように本実施の形態によれば不活性ガ
ス添加原料ガスボンベ83を使用することにより、所望
のイオンでのイオン注入作業と同時に装置内部のクリー
ニングが行われ、これまで生産作業とは別に行っていた
不活性イオンによるクリーニング作業時間が不要となり
装置稼動率を向上させることができる。
【0050】また、ベーパーライザー33等の固体原料
を使用の場合は、不活性ガスボンベ82から所定量のア
ルゴンガスをアークチャンバー32内に供給することに
より、同様の作用効果が得られる。また、ガスボンベ、
固体原料のいずれの使用においても不活性ガスにArを
使用した場合は、アークチャンバー内でアークを起こし
易い効果もある。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
オンソースガスに20Vo1%以下のアルゴンガスを混合
した混合ガスをイオン発生源に供給する。したがって、
イオン発生源からイオンを引き出す経路に汚れが付着す
るのを抑制することにより装置稼働率を向上させたイオ
ン注入装置及びイオン注入方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるイオン注入装
置を示す模式図である。
【図2】図1に示すイオン注入装置に用いたイオンソー
スガスのアルゴン混合割合とイオン電流の集率を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるイオン注入装
置を示す模式図である。
【図4】質量分析器により分離された不活性ガス添加原
料ガスのイオンビームスペクトラムの一例を示す図であ
る。
【図5】従来のイオン注入装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1a〜1cイオンソースガスボンベ 2 アルゴン等の
不活性ガスボンベ 3 マスフローコントローラー 4 ガス導入管 5 アークチャンバー 6 電磁石 7 フィラメント 8 プラズマ領域 9 引き出し電極 10 引き出された
イオン電流 11 質量分析器 12 アルゴンイオンを含む分離されたその他のイオン 13 イオン加速器 14 イオン走査
部 15 半導体基板 16 電磁弁 31 イオンソース 32 アークチャ
ンバー 33 ベーパーライザー 34 ガス導入管 35 ボンベボックス 61〜64 電磁
弁 71,72 マスフローコントローラー 81 原料ガスボンベ 82 不活性ガス
ボンベ 83 不活性ガス添加原料ガスボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−262961(JP,A) 特開 平6−196121(JP,A) 特開 平3−163735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 H01J 27/02 H01J 37/08 H01L 21/265 603

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板へのイオン注入工程を有する
    半導体装置の製造方法であって、 前記イオン注入工程において、前記半導体基板へ注入さ
    れるイオンの原料ガスに、20Vol%以下の不活性ガス
    を添加することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板へのイオン注入工程を有する
    半導体装置の製造方法であって、 前記イオン注入工程において、前記半導体基板へ注入さ
    れるイオンの原料ガスに、20Vol%以下の不活性ガス
    があらかじめ添加されている混合ガスを用いることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記原料ガス
    はBF3、PH3、ASH3、GeF4、及びSiF4のうちのいず
    れかを有するガスであることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 ベーパーライザーに充填した固体原料を
    気化させ、前記固体原料が気化した気化ガスをアークチ
    ャンバー内に供給してイオン化し、電界で加速したのち
    所望するイオンを選択して半導体基板に注入するイオン
    注入工程を有する半導体装置の製造方法において、 前記アークチャンバー内に、前記気化ガスと同時に20
    Vol%以下の不活性ガスを供給してイオン化することを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前
    記不活性ガスはアルゴンであることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
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