JPH10320852A - 薄膜形成方法およびそれを用いた光ディスクの製造方法 - Google Patents

薄膜形成方法およびそれを用いた光ディスクの製造方法

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JPH10320852A
JPH10320852A JP9130887A JP13088797A JPH10320852A JP H10320852 A JPH10320852 A JP H10320852A JP 9130887 A JP9130887 A JP 9130887A JP 13088797 A JP13088797 A JP 13088797A JP H10320852 A JPH10320852 A JP H10320852A
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Japan
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thin film
target
optical disk
value
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JP9130887A
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English (en)
Inventor
Teruyuki Ota
輝之 太田
Madoka Nishiyama
円 西山
Seiji Morita
成二 森田
Masahiro Furuta
正寛 古田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、一定の膜厚の薄膜を微細な凹凸が
形成された基板に形成することができる薄膜形成方法を
提供することを第1の目的とする。また、本発明は、そ
の薄膜形成方法を用いて、トラックピッチを狭くして記
録密度を高めた光ディスクの製造方法を提供することを
第2の目的とする。 【解決手段】 スパッタリング法を用いて基板11に薄
膜を形成する薄膜形成方法において、基板11とターゲ
ット13との間の距離Ltsを、基板11の中心軸とタ
ーゲット13の中心軸とのずれ量R、基板11とターゲ
ット13との面積比、スパッタリング時のガス圧力のう
ち、少なくとも2つの条件に基づいて最適値に決定し、
この決定された最適値より大きい値に、基板11とター
ゲット13との間の距離Ltsを設定してスパッタリン
グを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
による薄膜形成方法およびそれを用いた光ディスクの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板上に薄膜を形成する方法
として多く用いられているスパッタリング法は、アルゴ
ンガス雰囲気中の真空放電によって発生したアルゴンイ
オンをターゲットに衝突させることによって、ターゲッ
トから飛び出した粒子を基板上に堆積し、薄膜を形成す
るものである。このようなスパッタリング法を用いて主
に製造されるものに、半導体デバイスや光ディスクなど
がある。
【0003】このうち光ディスクは、スパッタリング法
によって記録膜などが光ディスク基板上に形成され、こ
の記録膜に照射されるレーザ光によって光学的に情報が
記録されるものであり、大容量メモリーとして民生用お
よび計算機用に実用化され普及しつつある。光ディスク
基板上に記録膜などの薄膜を形成するスパッタリング装
置には、例えば、ターゲットの背面にロータリーマグネ
ットを配置して成膜速度を高めるマグネトロンスパッタ
リング装置がある(例えば、TOKUDA製System502,ANELV
A製ILC)。
【0004】マグネトロンスパッタリング装置は、図1
6に示されるように、スパッタリング時のガス圧力が一
定に保たれるスパッタリング室110内に、基板ホルダ
112と複数のターゲットホルダ114とが対向して配
置されている。そして、基板ホルダ112はその中心軸
L112を中心に回転可能であり、しかも、複数の基板
ホルダ112に配置された光ディスク基板111をその
中心軸L111を中心に回転できるようになっている。
【0005】このマグネトロンスパッタリング装置によ
るスパッタリングが行われる際には、基板ホルダ112
に保持された光ディスク基板111は、それぞれターゲ
ット113に対して自転しつつ公転(自公転)すること
になる。この結果、各光ディスク基板111に対してタ
ーゲット113から薄膜を構成する粒子が満遍なく到達
し、均一な薄膜が形成されることになる。
【0006】また、このマグネトロンスパッタリング装
置では、図16に示すように、複数のターゲット11
3,113が、各々のターゲットホルダ114,114
に配置されている。このように複数のターゲット11
3,113を配置することによって、光ディスク基板1
11上に形成される薄膜を構成する物質が多種の場合で
も、これら多種の物質で複数のターゲット113を用意
することにより、光ディスク基板111に効率よく多種
の物質からなる薄膜を形成することができる。また、記
録膜のようにこれを構成する元素の種類が多い場合で
も、ターゲット113の組み合わせを適宜選択すること
で、その組成比を容易に制御することができる。
【0007】このような構成のマグネトロンスパッタリ
ング装置を用いて実際に光ディスク基板111に薄膜を
形成する際には、保持される光ディスク基板111とタ
ーゲット113間の距離Lts、ガス圧力P、基板ホル
ダ112の中心軸L112とターゲット113の中心軸
L113とのずれ量R、さらには、光ディスク基板11
2に対するターゲット113の面積比St/Ss等の各
種パラメータが、形成される光ディスク基板111上の
薄膜の品質、薄膜形成の効率などを考慮して、互いに最
適値に設定される。
【0008】代表的なマグネトロンスパッタリング装置
では、上記した各種パラメータのうち、ガス圧力Pの最
適値を10-1Pa、距離Ltsの最適値Lts0を40
mm、基板ホルダ112とターゲット113のずれ量R
の最適値R0を100mm、面積比St/Ssの最適値
を“2”としている。この従来のマグネトロンスパッタ
リング装置によって薄膜が形成される光ディスク基板1
11には、渦巻き状にガイド溝が形成されて、その凸部
がランド部、凹部がグルーブ部となる。この場合、ガイ
ド溝は、記録再生装置の光ピックアップからのレーザ光
を正確に移動(トラッキング)させる機能を有する。
【0009】一般的な光ディスクでは、上記したガイド
溝のランド部に情報を記録している(ランド記録方
式)。このランド記録方式の光ディスクでは、隣り合う
ランド部間のピッチ(ランドピッチ)がトラックピッチ
となる。一般的な光ディスクでは、トラックピッチは
1.4μm程度であり、グルーブ部の幅は0.4μm〜
0.6μmである。なお、ランド部に代えて、グルーブ
部に情報を記録する方式も提案されている(グルーブ記
録方式)。
【0010】ところで、最近の光ディスクでは、情報量
の増大や情報の多様化に対応するために、光ディスクの
記録密度を高めることによって大容量化を図ることが要
求されている。光ディスクの記録密度を高める1つの方
法としては、トラックピッチを狭くすることが考えら
れ、上記のランド記録方式の光ディスクでは、トラック
ピッチを1.1μm程度にして記録密度を高めたものが
提案されている。
【0011】また、光ディスクの記録密度を高めるため
の別の方法として、光ディスクのランド部とグルーブ部
との両方に情報を記録するランド・グルーブ記録方式が
提案されている。このランド・グルーブ記録方式の光デ
ィスクでは、隣り合うランド部とグルーブ部との間のピ
ッチがトラックピッチとなる。したがって、この場合の
トラックピッチは、上記したランド記録方式の光ディス
クのトラックピッチ(ランドピッチ)の半分程度に狭く
なるので、記録密度を高めることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は、このようなランド・グルーブ記録方式を採用した光
ディスクにおいても、さらに記録密度を高めて大容量化
を図ることが望まれている。このために、ランド・グル
ーブ記録方式の光ディスクでも、そのトラックピッチを
さらに狭くして、記録密度を高めることが研究されてい
る。
【0013】ところで、ランド・グルーブ記録方式の光
ディスクでは、例えばランド部に情報を記録したり消去
するときに、光ピックアップからのレーザ光の熱によっ
て、そのランド部に隣接するグルーブ部の温度も上昇し
てしまい、そのグルーブ部に記録された情報が部分的に
消去されてしまうことがある(クロスイレーズ)。この
ようなクロスイレーズは、情報の記録を、多数回繰り返
して行うときに特に起こりやすい。また、このクロスイ
レーズは、グルーブ部に情報を記録したり消去するとき
にも同様に生じる。
【0014】したがって、ランド・グルーブ記録方式の
光ディスクで、記録密度を高めるべくトラックピッチを
狭くするのであれば、少なくとも上記のクロスイレーズ
が問題とならない程度のトラックピッチを確保すること
が必要である。因みに、ランド・グルーブ記録方式の光
ディスクでは、クロスイレーズが問題とならない最小の
トラックピッチを0.8μm程度にするのが限度である
と考えられていた。
【0015】しかしながら、上記したクロスイレーズ
は、トラックピッチが同じ場合には、グルーブ部の深さ
(グルーブ深さ)が深いほど、その影響が小さくなるこ
とが知られている。そこで、本発明者等は、クロスイレ
ーズが問題とならないようなグルーブ深さが深く、かつ
トラックピッチが狭い光ディスク基板に上記した従来の
マグネトロンスパッタリング装置を用いて薄膜を形成し
た。このとき、互いにグルーブ深さが異なる光ディスク
基板を複数用意し、それら複数の光ディスク基板の各々
に実際に薄膜を形成してみた。
【0016】そして、このように製造されたグルーブ深
さが深くトラックピッチが狭い複数のランド・グルーブ
記録方式の光ディスクについて、ランド部の記録感度と
グルーブ部の記録感度とを測定した結果、グルーブ深さ
が深くトラックピッチが狭い光ディスクでは、記録感度
がランド部とグルーブ部とで異なることがわかった。ま
た、ランド部とグルーブ部との記録感度の差は、グルー
ブ深さが深いものほど大きくなってしまい、実用化に向
かないこともわかった。
【0017】これらの原因を解明するために、薄膜を形
成した光ディスク基板の断面構造を、高分解走査形電子
顕微鏡(HR-SEM:high-resolution scanning electron
microscope)で観察した。その結果、ランド部とグルー
ブ部とで記録感度が異なるのは、ランド部とグルーブ部
とで形成された薄膜の膜厚が異なるからであり、特に、
ランド部に比べてグルーブ部には薄膜が付着しにくいた
めであることがわかった。
【0018】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、第1の目的は、一定の膜厚の薄膜を微細な凹凸が形
成された基板に形成することができる薄膜形成方法を提
供することにある。また、本発明の第2の目的は、その
薄膜形成方法を用いて、トラックピッチを狭くして記録
密度を高めた光ディスクの製造方法を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、スパッタリング法を用いて基板に薄膜を形成する薄
膜形成方法において、基板とターゲットとの間の距離
を、基板の中心軸とターゲットの中心軸とのずれ量、基
板とターゲットとの面積比、スパッタリング時のガス圧
力のうち、少なくとも2つの条件に基づいて最適値に決
定し、このように決定された最適値より大きい値に、基
板とターゲットとの間の距離を設定してスパッタリング
を行うものである。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の薄膜形成方法において、最適値が、ほぼ40mmであ
る場合に、基板とターゲットとの間の距離を、100m
m以上にしたものである。請求項3に記載の発明は、ス
パッタリング法を用いて基板に薄膜を形成する薄膜形成
方法において、基板の中心軸とターゲットの中心軸との
ずれ量を、基板とターゲットとの間の距離、基板とター
ゲットとの面積比、スパッタリング時のガス圧力のう
ち、少なくとも2つの条件に基づいて最適値に決定し、
前記決定された最適値より小さい値に、基板の中心軸と
ターゲットの中心軸とのずれ量を設定してスパッタリン
グを行うものである。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の薄膜形成方法において、最適値が、ほぼ100mmで
ある場合に、基板の中心軸とターゲットの中心軸とのず
れ量を、20mm以下にしたものである。請求項5に記
載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載
の薄膜形成方法において、基板に対するターゲットの面
積比を、1以上にしたものである。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項1から請
求項4の何れか1項に記載の薄膜形成方法において、ガ
ス圧力を、10-3Pa以下に設定したものである。請求
項7に記載の発明は、請求項1から請求項6の何れか1
項に記載の薄膜形成方法において、ターゲットとして、
基板に形成される薄膜と同じ組成比の合金を用いたもの
である。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項1から請
求項7の何れか1項に記載の薄膜形成方法を用いて、グ
ルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
1.13)で、かつグルーブピッチが2.36×λ以下
の光ディスク基板に薄膜を形成するものである。(但
し、λは記録再生用の光束の波長、nは基板の屈折率) 請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜形成方
法を用いて、グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)
〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが2.36×
λ以下で、かつグルーブ部の幅がランド部の幅より広い
光ディスク基板に薄膜を形成するに当たり、基板とター
ゲットとの間の距離を、決定された最適値より大きく、
かつ請求項1の薄膜形成方法で設定された距離より小さ
い値に再設定してスパッタリングを行うものである。
(但し、λは記録再生用の光束の波長、nは基板の屈折
率) 請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の薄膜形成
方法を用いて、グルーブ部の深さがλ/(n×3.7
5)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが2.3
6×λ以下で、かつグルーブ部の幅がランド部の幅より
広い光ディスク基板に薄膜を形成するに当たり、基板の
中心軸とターゲットの中心軸とのずれ量を、決定された
最適値より小さく、かつ請求項3の薄膜形成方法で設定
されたずれ量より大きい値に再設定してスパッタリング
を行うものである。(但し、λは記録再生用の光束の波
長、nは基板の屈折率) 請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜形成
方法を用いて、グルーブ部の深さがλ/(n×3.7
5)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが2.3
6×λ以下で、かつテーパ角が70度以下の光ディスク
基板に薄膜を形成するに当たり、基板とターゲットとの
間の距離を、決定された最適値より大きく、かつ請求項
1の薄膜形成方法で設定された距離より小さい値に再設
定してスパッタリングを行うものである。(但し、λは
記録再生用の光束の波長、nは基板の屈折率) 請求項12に記載の発明は、請求項3に記載の薄膜形成
方法を用いて、グルーブ部の深さがλ/(n×3.7
5)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが2.3
6×λ以下で、かつテーパ角が70度以下の光ディスク
基板に薄膜を形成するに当たり、基板の中心軸とターゲ
ットの中心軸とのずれ量を、決定された最適値より小さ
く、かつ請求項3の薄膜形成方法で設定されたずれ量よ
り大きい値に再設定してスパッタリングを行うものであ
る。(但し、λは記録再生用の光束の波長、nは基板の
屈折率)
【0024】(作用)請求項1に記載の発明にかかわる
薄膜形成方法では、基板に形成される薄膜の品質や薄膜
形成の効率などを考慮して最適値に決定された各種パラ
メータ(基板とターゲットとの間の距離、基板の中心軸
とターゲットの中心軸とのずれ量、基板とターゲットと
の面積比、スパッタリング時のガス圧力)のうち、特
に、基板とターゲットとの間の距離を、上記決定された
最適値よりも大きい値に設定して、スパッタリングを行
うので、スパッタリングされたターゲット物質が基板に
垂直に入射することになり、基板上の微細な凸部および
凹部に、一定の膜厚の薄膜を形成することができる。
【0025】請求項2に記載の発明にかかわる薄膜形成
方法では、基板とターゲットとの間の距離を、上記決定
された最適値(ほぼ40mm)に対して、100mm以
上に設定するので、基板上の微細な凸部および凹部に、
一定の膜厚の薄膜を確実に形成することができる。
【0026】請求項3に記載の発明にかかわる薄膜形成
方法では、基板に形成される薄膜の品質や薄膜形成の効
率などを考慮して最適値に決定された各種パラメータ
(基板とターゲットとの間の距離、基板の中心軸とター
ゲットの中心軸とのずれ量、基板とターゲットとの面積
比、スパッタリング時のガス圧力)のうち、特に、基板
とターゲットの中心軸のずれ量を、上記決定された最適
値よりも小さい値に設定して、スパッタリングを行うの
で、スパッタリングされたターゲット物質が基板に垂直
に入射することになり、基板上の微細な凸部および凹部
に、一定の膜厚の薄膜を形成することができる。
【0027】請求項4に記載の発明にかかわる薄膜形成
方法では、基板とターゲットの中心軸のずれ量を、上記
決定された最適値(ほぼ100mm)に対して、20m
m以下に設定するので、基板上の微細な凸部および凹部
に、一定の膜厚の薄膜を確実に形成することができる。
請求項5に記載の発明にかかわる薄膜形成方法では、基
板に対するターゲットの面積比を1以上に設定するの
で、基板上の微細な凸部および凹部に形成される薄膜の
膜厚をより理想的なものに近づけることができる。
【0028】請求項6に記載の発明にかかわる薄膜形成
方法では、ガス圧力を、上記決定された最適値よりも小
さく、10-3Pa以下に設定するので、スパッタリング
されたターゲット物質が基板に向かって直進し易くな
り、基板上の微細な凸部および凹部に形成される薄膜の
膜厚をより理想的なものに近づけることができる。請求
項7に記載の発明にかかわる薄膜形成方法では、基板に
形成される薄膜と同じ組成比の合金をターゲットに用い
るので、元素の数が多い薄膜を1つのターゲットで容易
に形成することができる。
【0029】請求項8に記載の発明にかかわる光ディス
クの製造方法では、上記した請求項1〜請求項7の薄膜
形成方法を用いることにより、グルーブ部の深さがλ/
(n×3.75)〜λ/(n×1.13)で、かつグル
ーブピッチが2.36×λ以下の光ディスク基板上のラ
ンド部およびグルーブ部に、一定の膜厚の薄膜を形成す
ることができる。したがって、このように製造されたグ
ルーブ深さが深くトラックピッチが狭い光ディスクにお
いても、ランド部の記録感度とグルーブ部の記録感度と
をほぼ等しくでき、記録密度が高くクロスイレーズが問
題とならないランド・グルーブ記録方式の光ディスクを
提供できる。
【0030】請求項9に記載の発明にかかわる光ディス
クの製造方法では、グルーブ部の深さがλ/(n×3.
75)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが2.
36×λ以下で、かつグルーブ部の幅がランド部の幅よ
り広い光ディスク基板に薄膜を形成するに当たり、基板
とターゲットとの間の距離を、上記決定された最適値よ
り大きく、かつ請求項1の薄膜形成方法で設定された距
離より小さい値に再設定するので、この光ディスク基板
上のランド部およびグルーブ部に、一定の膜厚の薄膜を
形成する条件を緩和することができる。したがって、こ
のように製造されたグルーブ深さが深くトラックピッチ
が狭い光ディスクは、ランド部の記録感度とグルーブ部
の記録感度とがほぼ等しくなり、記録密度が高くクロス
イレーズが問題とならないランド・グルーブ記録方式の
光ディスクを提供できる。
【0031】請求項10に記載の発明にかかわる光ディ
スクの製造方法では、グルーブ部の深さがλ/(n×
3.75)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが
2.36×λ以下で、かつグルーブ部の幅がランド部の
幅より広い光ディスク基板に薄膜を形成するに当たり、
基板とターゲットの中心軸のずれ量を、上記決定された
最適値より小さく、かつ請求項3の薄膜形成方法で設定
されたずれ量より大きい値に再設定するので、この光デ
ィスク基板上のランド部およびグルーブ部に、一定の膜
厚の薄膜を形成する条件を緩和することができる。した
がって、このように製造されたグルーブ深さが深くトラ
ックピッチが狭い光ディスクは、ランド部の記録感度と
グルーブ部の記録感度とがほぼ等しくなり、記録密度が
高くクロスイレーズが問題とならないランド・グルーブ
記録方式の光ディスクを提供できる。
【0032】請求項11に記載の発明にかかわる光ディ
スクの製造方法では、グルーブ部の深さがλ/(n×
3.75)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが
2.36×λ以下で、かつテーパ角が70度以下の光デ
ィスク基板に薄膜を形成するに当たり、基板とターゲッ
トとの間の距離を、上記決定された最適値より大きく、
かつ請求項1の薄膜形成方法で設定された距離より小さ
い値に再設定するので、この光ディスク基板上のランド
部およびグルーブ部に、一定の膜厚の薄膜を形成する条
件を緩和することができる。したがって、このように製
造されたグルーブ深さが深くトラックピッチが狭い光デ
ィスクは、ランド部の記録感度とグルーブ部の記録感度
とがほぼ等しくなり、記録密度が高くクロスイレーズが
問題とならないランド・グルーブ記録方式の光ディスク
を提供できる。
【0033】請求項12に記載の発明にかかわる光ディ
スクの製造方法では、グルーブ部の深さがλ/(n×
3.75)〜λ/(n×1.13)、グルーブピッチが
2.36×λ以下で、かつテーパ角が70度以下の光デ
ィスク基板に薄膜を形成するに当たり、基板とターゲッ
トの中心軸のずれ量を、上記決定された最適値より小さ
く、かつ請求項3の薄膜形成方法で設定されたずれ量よ
り大きい値に再設定するので、この光ディスク基板上の
ランド部およびグルーブ部に、一定の膜厚の薄膜を形成
する条件を緩和することができる。したがって、このよ
うに製造されたグルーブ深さが深くトラックピッチが狭
い光ディスクは、ランド部の記録感度とグルーブ部の記
録感度とがほぼ等しくなり、記録密度が高くクロスイレ
ーズが問題とならないランド・グルーブ記録方式の光デ
ィスクを提供できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。 (第1実施形態)第1実施形態は、請求項1,請求項
2,請求項5,請求項7,請求項8に対応する。
【0035】図1は、第1の実施形態に係るマグネトロ
ンスパッタリング装置を構成する第1〜第3スパッタリ
ング室のうち第1スパッタリング室10のみを示す説明
図である。
【0036】このマグネトロンスパッタリング装置は、
後述する光ディスク基板11に透明誘電体膜21、記録
膜22、保護膜23(図4参照)を形成するためもの
で、第1スパッタリング室10で透明誘電体膜21が形
成され、第2スパッタリング室(図示されない)で記録
膜22が形成され、第3スパッタリング室(図示されな
い)で保護膜23が形成される。なお、これら第1〜第
3スパッタリング室は、互いに直列的に連結されてい
る。
【0037】以下、スパッタリング室の構造、および薄
膜形成時の各種パラメータについて説明する。なお、第
1〜第3スパッタリング室では、使用されるターゲット
が異なるだけで、その構造および薄膜形成時の各種パラ
メータが全て同一であるため、第1スパッタリング室1
0の構造、およびこの第1スパッタリング室10で行わ
れる透明誘電体膜21の形成時の各種パラメータについ
てのみ説明し、他の第2,第3スパッタリング室におけ
る記録膜22、保護膜23の形成時の各種パラメータの
詳細な説明は省略する。
【0038】第1スパッタリング室10内には、図1に
示されるように、光ディスク基板11を保持するための
基板ホルダ12が、ターゲット13を保持するターゲッ
トホルダ14に対向して配置されている。この場合、基
板ホルダ12は、その中心軸L12を中心に回転可能で
ある。一方、ターゲット13を保持するターゲットホル
ダ14内には、成膜速度を高めるためのマグネット15
が、ターゲット13の中心軸L13に対して偏心して配
置されている。さらに、このマグネット15はスパッタ
リング時に、その磁界がターゲット13の表面に対して
均一に生じるように、偏心して回転するようになってい
る。このマグネット15の回転によって、スパッタリン
グ時にターゲット13から満遍なく粒子が飛び出して、
ターゲット13を効率よく使用することができる。
【0039】また、第1スパッタリング室10は、図示
されないガスボンベから導入されるガスの流量と、図示
されない排気ポンプによって排気されるガスの流量とが
制御されて、スパッタリング時のガス圧力Pを所望の値
に保持できるようになっている。なお、基板ホルダ12
とターゲットホルダ14は互いの相対的な距離Ltsが
可変(30mm〜200mmの範囲で可変)である。
【0040】このように構成されたマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて、光ディスク基板11に実際に透
明誘電体膜21を形成するに当っては、先ず、光ディス
ク基板11とターゲット13間の距離Lts、ガス圧力
P、基板ホルダ12の中心軸L12とターゲット13の
中心軸L13とのずれ量R、光ディスク基板12に対す
るターゲット13の面積比St/Ssのパラメータの最
適値が決定される。これらの最適値は、形成される透明
誘電体膜21の品質、薄膜形成の効率などを考慮した最
適な値である。
【0041】この場合、透明誘電体膜21の品質、薄膜
形成の効率などを考慮すると、例えば、ガス圧力Pの最
適値は10-1Pa、距離Ltsの最適値Lts0は40
mm、基板ホルダ12とターゲット13のずれ量Rの最
適値R0は100mm、面積比St/Ssの最適値は
“2”とすることが好ましい。しかし、上記したガス圧
力P、距離Lts、ずれ量R、面積比St/Ssを、単
に、透明誘電体膜21の品質、薄膜形成の効率などを考
慮した最適値に設定して実際に薄膜形成を行う場合、仮
に、光ディスク基板11のトラックピッチが市販のもの
に比べて著しく狭くグルーブ深さも著しく深いと、一定
の膜厚の透明誘電体膜21が得られない。
【0042】そこで、この第1実施形態では、上記した
薄膜形成時の各種パラメータ(ガス圧力P、距離Lt
s、ずれ量R、面積比St/Ss)のうち特に、距離L
tsを、上記決定された最適値Lts0(40mm)よ
り大きい値(例えば100mm)に設定し直して、スパ
ッタリングを行うようにした(図1)。
【0043】なお、第1スパッタリング室10では、タ
ーゲット13としてSiが用いられ、反応性スパッタリ
ングにより窒化シリコンの薄膜が形成される。スパッタ
リング時には、回転するマグネット15から生じる漏洩
磁界によってターゲット13がスパッタリングされる。
このときスパッタリングされて窒素と反応した窒化シリ
コン粒子は、距離Ltsが上記決定された最適値Lts
0(40mm)より大きい値(例えば100mm)に設
定し直されているので、光ディスク基板11に垂直に入
射することになり、光ディスク基板11の表面に満遍な
く堆積し、均一な膜質の透明誘電体膜21が形成され
る。
【0044】この第1スパッタリング室10でのスパッ
タリングは、透明誘電体膜21の膜厚がおよそ70nm
になるまで行われる(工程1)。ここで、第1実施形態
の薄膜形成方法で、その表面に透明誘電体膜21が形成
される光ディスク基板11の形状について、図2,図3
を用いて説明する。図2に示すように、光ディスク基板
11は、半径r1が43mm,孔径r2が15mm,厚
さhが1.2mmの円盤であり、その片面(図2の上
面)には渦巻き状にガイド溝11cが形成されている。
なお、この光ディスク基板11は、ガラス2P(photo-p
olymerization)基板にて構成されている。
【0045】図3に、光ディスク基板11の断面形状の
詳細を示す。この図に示すように、光ディスク基板11
では、ランド部11aの幅(ランド幅)WLとグルーブ
部11bの幅(グルーブ幅)WGとが共に0.5μm
(トラックピッチLが0.5μm),テーパ角Θが84
°,グルーブ部11bの深さ(グルーブ深さ)Dが20
0nmである。
【0046】この光ディスク基板11は、そのトラック
ピッチL(0.5μm)が、従来のランド・グルーブ記
録方式の光ディスクのトラックピッチの限界値(0.8
μm)より著しく狭い値になっている。また、光ディス
ク基板11のグルーブ深さD(200nm)も、従来の
ランド・グルーブ記録方式の光ディスクのグルーブ深さ
(40nm〜85nm)よりも著しく深くなっている。
【0047】このようなトラックピッチLが市販のもの
に比べて著しく狭くグルーブ深さDが著しく深い光ディ
スク基板11では、その表面に透明誘電体膜21を形成
するに当って、第1スパッタリング室10で、上記のよ
うに距離Ltsを、最適値Lts0(40mm)より意
図的に大きな値(100mm)に設定し直すことによっ
て、詳細は後述するように、そのグルーブ部11bにお
いても、透明誘電体膜21が均一に形成されることが、
実験により確認された。
【0048】このように透明誘電体膜21が形成される
と、引き続き、同様の薄膜形成パラメータで、第2スパ
ッタリング室において記録膜22が、第3スパッタリン
グ室で保護膜23が、各々形成される。この場合、第2
スパッタリング室では、ターゲットとして記録膜22と
同一の組成のTbFeCo合金が用いられる、因みにそ
の組成は、原子百分率で表すと、Tb:21%,Fe:
71%,Co:8%である。この第2スパッタリング室
でのスパッタリングは、記録膜22の膜厚がおよそ50
nmになるまで行われる(工程2)。
【0049】また、第3スパッタリング室では、ターゲ
ットとして、第1スパッタリング室10と同様に、Si
が用いられる。この第3スパッタリング室でのスパッタ
リングは、記録膜22上に形成される保護膜23の膜厚
がおよそ70nmになるまで行われる(工程3)。この
ように、工程1〜3を経ることによって、光ディスク基
板11の表面に、図4に示すように、所定の膜厚の透明
誘電体膜21、記録膜22、保護膜23が形成される。
【0050】特に、この第1実施形態では、光ディスク
基板11とターゲット13との距離Ltsを、薄膜の品
質、薄膜形成の効率などを考慮して決定された最適値L
ts0(40mm)より意図的に大きく100mmに設
定することで、図2,図3に示すような、トラックピッ
チLが市販のものに比べて著しく狭く(0.5μm)か
つグルーブ深さDが著しく深い(200nm)光ディス
ク基板11上にこれら透明誘電体膜21、記録膜22、
保護膜23を均一に形成することができる。
【0051】図5は、この第1実施形態の薄膜形成パラ
メータ(ガス圧力Pが10-1Pa、距離Ltsが100
mm、ずれ量Rが100mm、面積比St/Ssが
“2”)で製造された光磁気ディスクの記録感度比を、
他の薄膜形成パラメータで製造された他の光磁気ディス
クと比較した実験データを示すグラフである。この場
合、比較される他の光磁気ディスクは、各種パラメータ
のうち距離Ltsのみを変更して製造したもの(図5中
●で示す)である。この場合、光ディスク基板11は全
て同一の形状、同一の大きさのものである。
【0052】ここで、光磁気ディスクの薄膜形成状態を
評価するために用いられる記録感度比の測定方法につい
て説明する。記録感度比の測定は、例えばランド部また
はグルーブ部にマークを記録するときのレーザ光のピー
ク強度Ppの最適値(ランド部の最適記録パワー)Pp-
L、(グルーブ部の最適記録パワー)Pp-Gを測定し、
これら最適記録パワーPp-L、Pp-Gの比(Pp-G/P
p-L)を取ることによって行われる。
【0053】最適記録パワーPp-L,Pp-Gを測定する
記録再生装置では、その光ピックアップからのレーザ光
の波長が680nmで、対物レンズの開口数N.A.が
0.55のものが使用される。このレーザ光の強度は、
マーク記録時には、記録されるマークの間隔などに応じ
てピーク強度Ppとボトム強度Pbとの間で変調される
(ボトム強度Pbは0.5mW)。ピーク強度Ppは、
最適記録パワーPp-L,Pp-Gの測定におけるパラメー
タとして用いられ、その測定時には一定範囲内のある値
に設定される。
【0054】この記録再生装置を用いて、最適記録パワ
ーPp-L,Pp-Gを測定する場合、測定される光磁気デ
ィスクは、記録再生装置内で線速度9m/secで回転
される。ランド部の最適記録パワーPp-Lを求める際に
は、レーザ光のピーク強度Ppをある値に設定してラ
ンド部にマークを記録し、記録されたマークの状態を
測定するという一連の処理を、レーザ光のピーク強度P
pの設定値を変更しながら行い、最良のマークの状態が
得られたときのピーク強度Ppを、ランド部の最適記録
パワーPp-Lとして求める。
【0055】具体的には、レーザ光を、設定されたピー
ク強度Ppと0.5mWのボトム強度Pbとの間で変調
させながらランド部に照射することにより、単一記録周
波数が3.5MHz(マーク長が1.28μm)のマー
クがランド部に記録される(このとき記録磁界は350
Oe)。このようにランド部に記録されたマークの状態
の測定は、記録されたマークを再生したときに得られる
再生信号をスペクトラムアナライザーに入力し、第2次
高調波のレベルを測定することによって行われる(マー
ク再生時のレーザの光強度は1.0mW)。そして、ラ
ンド部へのマークの記録と、再生信号の第2次高調波の
レベルの測定とを、レーザ光のピーク強度Ppの設定値
を変更して行い、再生信号の第2次高調波のレベルが最
小となるときのレーザ光のピーク強度Ppを、ランド部
の最適記録パワーPp-Lとする。全く同様の手法によっ
て、グルーブ部の最適記録パワーPp-Gも測定される。
【0056】このようにして求められたランド部の最適
記録パワーPp-Lとグルーブ部の最適記録パワーPp-G
に基づいて、これらの比Pp-G/Pp-L、すなわち記録
感度比(Pp-G/Pp-L)が求められる。図5に示すよ
うに、記録感度比Pp-G/Pp-Lは、光ディスク基板1
1とターゲット13との距離Ltsの設定を大きくして
製造された光磁気ディスクほど、理想的な1.0に近づ
くことがわかった。
【0057】具体的には、記録感度比Pp-G/Pp-L
は、距離Ltsを、上記した最適値Lts0(40m
m)に設定して製造された光磁気ディスクでは0.8程
度で実用に耐えられないのに対し、距離Ltsを上記し
た最適値Lts0よりも大きい100mmに設定すると
0.95程度となり実用に耐えられる結果が得られた。
【0058】さらに距離Ltsを200mmまで大きく
すると、理想的な値(1.0)となることが分かった。
以上のことから、距離Ltsを、ガス圧力P、ずれ量
R、面積比St/Ss、形成される薄膜の品質、薄膜形
成の効率などを考慮した最適値Lts0(40mm)に
設定するよりも、この最適値Lts0より大きい値にす
るほど(好ましくは100mm以上)、より記録感度比
(Pp-G/Pp-L)が良好な光磁気ディスクを製造でき
ることが分かった。
【0059】特に、市販のものに比べてトラックピッチ
Lが著しく狭く(0.5μm)グルーブ深さDが著しく
深い(200nm)光ディスク基板11に、一定の膜厚
の薄膜を形成するに当っては、距離Ltsを上記最適値
Lts0より大きい値(好ましくは100mm以上)に
することが必要条件となる。この条件で製造することに
よってはじめて、ランド・グルーブ記録方式の光磁気デ
ィスクにおいて、市販のものに比べてトラックピッチL
が著しく狭く(0.5μm)グルーブ深さDが著しく深
い(200nm)場合でも、記録感度比をほぼ一定の値
(少なくとも0.95以上)とすることができ、クロス
イレーズ等の弊害が問題とならない、記録密度の高い光
磁気ディスクが提供されることになる。
【0060】(第2実施形態)次に本発明の第2実施形
態について説明する。なおこの第2実施形態は、請求項
1,請求項2,請求項5,請求項7,請求項8に対応す
る。図6は、第2の実施形態に係るマグネトロンスパッ
タリング装置を構成する第1〜第3スパッタリング室の
うち第1スパッタリング室30のみを示す説明図であ
る。
【0061】この第2実施形態のマグネトロンスパッタ
リング装置も、第1実施形態のマグネトロンスパッタリ
ング装置と同様に、図2、図3に示す光ディスク基板1
1に透明誘電体膜21、記録膜22、保護膜23(図4
参照)を形成するためものである。この場合にも、第1
スパッタリング室30で透明誘電体膜21が形成され、
第2スパッタリング室(図示されない)で記録膜22が
形成され、第3スパッタリング室(図示されない)で保
護膜23が形成される。なお、第2実施形態の第1〜第
3スパッタリング室も、互いに直列的に連結されてい
る。
【0062】以下、第2実施形態のスパッタリング室の
構造および薄膜形成時の各種パラメータについて説明す
る。なお、第1〜第3スパッタリング室の構造、およ
び、薄膜形成時の各種パラメータなどは、使用されるタ
ーゲットを除いて全て同一であるため、第1スパッタリ
ング室30の構造、およびこの第1スパッタリング室3
0で行われる透明誘電体膜21の形成時の各種パラメー
タについてのみ説明し、他の第2,第3スパッタリング
室における記録膜22、保護膜23の形成時の各種パラ
メータの詳細な説明は省略する。
【0063】第1スパッタリング室30内には、光ディ
スク基板11を保持するための基板ホルダ32が、ター
ゲット33を保持するターゲットホルダ34に対向して
配置されている。この場合、基板ホルダ32は、その中
心軸L32を中心に回転可能である。一方、ターゲット
ホルダ34には、第1実施形態と同様に、成膜速度を高
めるためのマグネット35が配置されている。
【0064】また、第1スパッタリング室30は、図示
されないガスボンベから導入されるガスの流量と、図示
されない排気ポンプによって排気されるガスの流量とが
制御されて、スパッタリング時のガス圧力Pを所望の値
に保持できるようになっている。なお、光ディスク基板
11および基板ホルダ32の中心軸L32とターゲット
33の中心軸L33は互いの相対的なずれ量Rが可変
(0mm〜120mmの範囲で可変)である。
【0065】このように構成されたマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて、光ディスク基板11に実際に透
明誘電体膜21を形成するに当っては、第1実施形態と
同様に、先ず、光ディスク基板11とターゲット33間
の距離Lts、ガス圧力P、基板ホルダ32の中心軸L
32とターゲット33の中心軸L33とのずれ量R、光
ディスク基板11に対するターゲット33の面積比St
/Ssの最適値が、例えば、形成される透明誘電体膜2
1の品質、薄膜形成の効率などを考慮した最適な値に決
定される。
【0066】この場合、透明誘電体膜21の品質、薄膜
形成の効率などを考慮すると、第1実施形態と同様に、
例えばガス圧力Pの最適値は10-1Pa、距離Ltsの
最適値Lts0は40mm、基板ホルダ32とターゲッ
ト33の中心軸のずれ量Rの最適値R0は100mm、
面積比St/Ssの最適値は“2”とすることが好まし
い。
【0067】しかし、上記したガス圧力P、距離Lt
s、ずれ量R、面積比St/Ssを、単に、透明誘電体
膜21の品質、薄膜形成の効率などを考慮した最適値に
設定して実際に薄膜形成を行った場合には、図2、図3
に示すような、市販のものに比べてトラックピッチLが
著しく狭くグルーブ深さDも著しく深い光ディスク基板
11に、一定の膜厚の透明誘電体膜21を形成すること
ができない。
【0068】そこで、この第2実施形態では、上記した
薄膜形成時の各種パラメータ(ガス圧力P、距離Lt
s、ずれ量R、面積比St/Ss)のうち特に、ずれ量
Rを、上記決定された最適値R0(100mm)より小
さい値(例えば60mm、好ましくは20mm)に設定
し直して、スパッタリングを行うようにした。なお、第
1スパッタリング室30では、スパッタリング時に、タ
ーゲット33を構成するSiが、回転するマグネット3
5から生じる漏洩磁界によってスパッタリングされる。
【0069】このときスパッタリングされた窒化シリコ
ン粒子は、ずれ量Rが上記決定された最適値R0(10
0mm)より小さい値(例えば60mm、好ましくは2
0mm)に設定し直されているので、光ディスク基板1
1に垂直に入射することになり、光ディスク基板11の
表面に満遍なく堆積し、均一な膜質の透明誘電体膜21
が形成される。
【0070】この第1スパッタリング室30でのスパッ
タリングは、透明誘電体膜21の膜厚がおよそ70nm
になるまで行われる(工程1)。このような市販のもの
に比べてトラックピッチLが著しく狭くグルーブ深さD
が著しく深い光ディスク基板11の表面に透明誘電体膜
21を形成するに当って、上記のようにずれ量Rを、最
適値R0(100mm)より意図的に小さな値(60m
m、好ましくは20mm)に設定し直すことによって、
詳細は後述するように、そのグルーブ部11bにおいて
も、透明誘電体膜21が均一に形成されることが、実験
により確認された。
【0071】このように透明誘電体膜21が形成される
と、引き続き、同様の薄膜形成パラメータで、第2スパ
ッタリング室において記録膜22が、第3スパッタリン
グ室で保護膜23が、各々形成される(工程2,工程
3)。この工程2で、第2スパッタリング室に配置され
るターゲットは、上記した第1実施形態と同一である。
また、この第2スパッタリング室でのスパッタリング
は、記録膜22の膜厚がおよそ50nmになるまで行わ
れる。
【0072】また、工程3で、第3スパッタリング室に
配置されるターゲットは、第1スパッタリング室30と
同様、SiNである。この第3スパッタリング室でのス
パッタリングは、記録膜22上に形成される保護膜23
の膜厚がおよそ70nmになるまで行われる。このよう
に、工程1〜3を経ることによって、光ディスク基板1
1の表面に、所定の膜厚の透明誘電体膜21、記録膜2
2、保護膜23が形成される(図4)。
【0073】特に、この第2実施形態では、光ディスク
基板11とターゲット33とのずれ量Rを60mm(好
ましくは20mm)にすることで、図2,図3に示すよ
うな、市販のものに比べてトラックピッチLが著しく狭
く(0.5μm)かつグルーブ深さDが著しく深い(2
00nm)光ディスク基板11上にも、これら透明誘電
体膜21、記録膜22、保護膜23を均一に形成するこ
とができる。
【0074】図7は、この第2実施形態の薄膜形成パラ
メータ(ガス圧力が10-1Pa、距離Ltsが40m
m、ずれ量Rが60mm、面積比St/Ssが“2”)
で製造された光磁気ディスクの記録感度比を、他の薄膜
形成パラメータで製造された他の光磁気ディスクと比較
した実験データを示すグラフである。この場合、比較さ
れる他の光磁気ディスクは、各種パラメータのうち、ず
れ量Rのみを変更して製造したもの(図7中●で示
す)、光ディスク基板11のグルーブ部の深さDをさら
に小さくして(400nm)さらにずれ量Rを変更して
製造したもの(図7中■で示す)である。
【0075】このグラフが示す記録感度比も、上記した
第1実施形態と同様に、各々の光磁気ディスクに対して
ランド部の最適記録パワーPp-Lとグルーブ部の最適記
録パワーPp-Gを求め、これらの比Pp-G/Pp-Lで表
される。図7に示すように、記録感度比Pp-G/Pp-L
は、光ディスク基板11とターゲット33とのずれ量R
を小さく設定して製造された光磁気ディスクほど、理想
的な1.0に近づくことがわかった。
【0076】具体的には、記録感度比Pp-G/Pp-L
は、光ディスク基板11のグルーブ深さDが200nm
の場合(図7中●)、そのずれ量Rを上記した最適値R
0(100mm)に設定して製造された光磁気ディスク
では0.8程度で実用に耐えられないのに対し、ずれ量
Rを上記した最適値R0よりも小さい60mmに設定す
ると0.9程度となり実用に耐え得る結果が得られた。
特に、ずれ量Rをさらに小さく20mmに設定した場合
には、記録感度比Pp-G/Pp-Lは、ほぼ理想的な1.
0となった。
【0077】また、光ディスク基板11のグルーブ深さ
Dが400nmの場合(図7中■)でも、そのずれ量R
を上記した最適値R0(100mm)に設定すると記録
感度比Pp-G/Pp-Lが0.8程度で実用に耐えられな
いのに対し、ずれ量Rを20mm〜0mmまで小さくす
ると、理想的な値(1.0)となることが分かった。以
上のことから、ずれ量Rを、ガス圧力P、距離Lts、
面積比St/Ss、形成される薄膜の品質、薄膜形成の
効率などを考慮した最適値R0(100mm)に設定す
るよりも、この最適値R0より小さい値(例えば60m
m、好ましくは20mm以下)にするほど、より記録感
度比(Pp-G/Pp-L)が良好な光磁気ディスクを製造
できることが分かった。
【0078】特に、市販のものに比べてトラックピッチ
Lが著しく狭く(0.5μm)グルーブ深さDが著しく
深い(200nm〜400nm)光ディスク基板11
に、一定の膜厚の薄膜を形成するに当っては、ずれ量R
を上記最適値R0より小さい値(好ましくは20mm以
下)にすることで、ランド・グルーブ記録方式の光磁気
ディスクにおいて、トラックピッチを0.5μm、グル
ーブ深さDを200nm〜400nm程度としても、記
録感度比をほぼ一定の値(少なくとも0.95以上)と
することができ、クロスイレーズ等の弊害が問題となら
ない、記録密度の高い光磁気ディスクが提供されること
になる。
【0079】(第3実施形態)次に第3実施形態につい
て説明する。なお、この第3実施形態は、請求項1〜請
求項5,請求項7,請求項8に対応する。この第3実施
形態は、薄膜形成時の各種パラメータのうち、距離Lt
sを40mm、面積比St/Ssを“2”とし、ずれ量
Rを上記した最適値R0(100mm)より小さな値
(30mm)とすると共に、ガス圧力Pを、形成される
薄膜の品質、薄膜形成の効率などに関わらずに変化させ
て、光ディスク基板11に実際に透明誘電体膜21、記
録膜22、保護膜23を形成したものである。
【0080】図8は、この第3実施形態によって薄膜形
成して製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/
Pp-Lを示すグラフである(図8中●で示される)。こ
の図8のグラフに示されるように、記録感度比Pp-G/
Pp-Lは、ガス圧力Pが低いほど理想的な値(1.0)
に近づく。これは、ガス圧力Pが低いと、スパッタリン
グされたターゲットの粒子が基板に向かって直進し易く
なり、光ディスク基板の表面に満遍なく堆積するからで
ある。
【0081】すなわち、距離Ltsを40mm、面積比
をSt/Ssを“2”、ずれ量Rを30mmとし、これ
らの条件の下で、ガス圧力Pを10-1Paにして製造さ
れた光磁気ディスクでは、記録感度比は0.95程度で
あり十分に実用に耐えられることが確認された。そし
て、ガス圧力Pの値をさらに小さくして光磁気ディスク
を製造すると、記録感度比Pp-G/Pp-Lは、より理想
的な1.0に近づくことがわかった。
【0082】以上のことから、ガス圧力Pを、形成され
る薄膜の品質、薄膜形成の効率などを考慮した設定値
(10-1Pa)より小さく(好ましくは10-3Pa以
下)設定することによって、ランド・グルーブ方式の光
磁気ディスクにおいて、そのトラックピッチLを市販の
ものに比べて著しく狭くしグルーブ深さDを著しく深く
し(トラックピッチL=0.5μm,グルーブ深さD=
200nm)、記録密度を高めても、製造された光磁気
ディスクは、記録感度比が改善され、充分に実用に耐え
られるものとなる。
【0083】(第4実施形態)次に第4実施形態につい
て説明する。なお、この第4実施形態は、請求項1〜請
求項4,請求項6〜請求項8に対応する。この第4実施
形態は、薄膜形成時の各種パラメータのうち、距離Lt
sを100mm、ずれ量Rを0mm、ガス圧力Pを10
-1Paとし、これらのパラメータに拘わらずに、ターゲ
ットと光ディスク基板11の面積比St/Ssを変化さ
せて、当該光ディスク基板11に、透明誘電体膜21、
記録膜22、保護膜23を形成したものである。
【0084】図9には、面積比St/Ssを1.0とし
て製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-
Lと、面積比St/Ssを1.0以外の値に設定して製
造された他の光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-
Lとが示されている(図9中●)。この図9のグラフに
示されるように、記録感度比Pp-G/Pp-Lは、面積比
St/Ssが0.6程度のときには実用化にほど遠い記
録感度比(0.85)であるが、面積比St/Ssが
1.0以上で製造された光磁気ディスクでは記録感度比
は0.98程度であり、十分に実用に耐えられることが
確認された。そして、面積比St/Ssが大きいほど記
録感度比Pp-G/Pp-Lは、より理想的な1.0に近づ
くことがわかった。
【0085】以上のことから、面積比St/Ssを1.
0以上とする(ターゲットを光ディスク基板11より大
きくする)ことで、ランド・グルーブ方式の光磁気ディ
スクにおいて、そのトラックピッチLを著しく狭くしグ
ルーブ深さDを著しく深くして(トラックピッチL=
0.5μm,グルーブ深さD=200nm)、記録密度
を高めても、製造された光磁気ディスクは、記録感度比
Pp-G/Pp-Lが改善され、充分に実用に耐えられるも
のとなることが分かった。
【0086】(第5実施形態)次に、本発明の第5実施
形態について説明する。なお、この第5実施形態は、請
求項1,請求項3,請求項9,請求項10に対応する。
図10に示されるように、この第5実施形態の薄膜形成
方法が適用される光ディスク基板51は、上記した第1
〜第4実施形態で用いられた光ディスク基板11とは異
なり、グルーブ幅WGがランド幅WLより広くなってい
る(WG>WL)。なお、この光ディスク基板51は、
ランド幅WLとグルーブ幅WGとの和が1.0μm(ト
ラックピッチLが0.5μm)、テーパ角Θが84°、
グルーブ深さDが200nmとなっている。
【0087】この光ディスク基板51は、市販のものに
比べてトラックピッチLが著しく狭く、またグルーブ深
さDも著しく深いが、その表面に薄膜(透明誘電体膜2
1,記録膜22,保護膜23の3種類)を形成するに当
っては、上記した第2実施形態の製造方法が適用され
る。すなわち、この第5実施形態では、ガス圧力Pを1
-1Pa、距離Ltsを40mm、面積比St/Ssを
“2”とし、上記した第2実施形態と同様、ずれ量Rを
その最適値R0(100mm)より小さな値(60m
m)に設定している。
【0088】上記したように第2実施形態の薄膜形成方
法を用いても、図2,図3に示す光ディスク基板11に
よって記録感度比Pp-G/Pp-Lの良好な光磁気ディス
クを製造することができるが、この第5実施形態のよう
に、光ディスク基板51のグルーブ幅WGをランド幅W
Lより広くしておく(WG>WL、好ましくは幅の比W
G/WLを1.2以上とする)ことによって、図11の
●で示されるように、さらに、記録感度比Pp-G/Pp-
Lを、理想的な値1.0に近づけることができる(但
し、ランド幅WLは、0.1μm以上が好ましい)。
【0089】さらに、薄膜形成時の各種パラメータを、
仮に、形成される薄膜の品質、薄膜形成の効率などを考
慮した最適値に設定した場合(例えば、ガス圧力Pを1
-1Pa、距離Ltsを40mm、ずれ量Rを100m
m、面積比St/Ssを“2”とする)でも、幅の比W
G/WLを2.0以上とすることで、ランド幅WLとグ
ルーブ幅WGとの和を著しく狭くし(1.0μm)、グ
ルーブ深さDを著しく深く(200nm)した光ディス
ク基板51にも、良好な一定の膜厚の薄膜を形成するこ
とができ、これによって製造される光磁気ディスクの記
録感度比Pp-G/Pp-Lを、実用に十分に耐えられるも
のとすることができる(図11の■で示す)。
【0090】(第6実施形態)次に本発明の第6実施形
態について説明する。なお、この第6実施形態は、請求
項1,請求項3,請求項11,請求項12に対応する。
図12に示されるように、この第6実施形態の薄膜形成
方法が適用される光ディスク基板61は、上記した第1
〜第5実施形態で用いられた何れの光ディスク基板とも
異なり、そのテーパ角Θが、一般的なテーパ角Θ(84
°)より緩やかな角度(70°、好ましくは60°)と
なっている。なお、この光ディスク基板61は、ランド
幅WLとグルーブ幅WGとテーパ部61dの幅WT1,
WT2との和が1.0μm(トラックピッチLが0.5
μm)、グルーブ深さDが200nmとなっている。
【0091】このように光ディスク基板61は、市販の
ものに比べてトラックピッチLが著しく狭く(0.5μ
m)、またグルーブ深さDも著しく深いが、その表面に
薄膜(透明誘電体膜21,記録膜22,保護膜23の3
種類)を形成するに当っては、上記した第2実施形態の
製造方法が適用される。すなわち、この第6実施形態で
は、ガス圧力Pは10-1Pa、距離Ltsは40mm、
面積比St/Ssを“2”とされ、上記した第2実施形
態と同様、ずれ量Rがその最適値R0(100mm)よ
り小さな値(60mm)となっている。
【0092】上記したように第2実施形態の薄膜形成方
法によっても、図2,図3に示す光ディスク基板11に
よって記録感度比Pp-G/Pp-Lの良好な光磁気ディス
クを製造することができるが、この第6実施形態のよう
に、光ディスク基板61においてテーパ角Θを一般的な
テーパ角Θ(84°)より緩やかな角度(70°)とし
ておくことによって(好ましくは60°)、さらに、記
録感度比Pp-G/Pp-Lを、理想的な値1.0に近づけ
ることができる(図13の●で示す)。
【0093】さらに、薄膜形成時の各種パラメータを、
仮に、形成される薄膜の品質、薄膜形成の効率などを考
慮して最適値に設定した場合(例えば、ガス圧力Pを1
-1Pa、距離Ltsを40mm、ずれ量Rを100m
m、面積比St/Ssを“2”)でも、テーパ角Θを緩
やかな角度(70°、好ましくは60°)としておくこ
とで、市販のものに比べてトラックピッチLを著しく狭
くし(0.5μm)、グルーブ深さDを著しく深く(2
00nm)した光ディスク基板61にも、良好な一定の
膜厚の薄膜を形成することができ、これによって製造さ
れる光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-Lを、実
用に十分に耐えられるものとすることができる(図13
の■で示す)。
【0094】以上説明したように、第1〜第6の実施形
態の薄膜形成方法によれば、光ディスク基板の形状が、
市販のものに比べてトラックピッチLが著しく狭くグル
ーブ深さDが著しく深いものであっても、良好な一定の
膜厚の薄膜を形成することができ、これによって記録感
度比Pp-G/Pp-Lが一定で記録密度の高いランド・グ
ルーブ記録方式の光磁気ディスクを製造することができ
る。なお、トラックピッチLとグルーブ深さDとの比L
/Dが1.33〜20の光磁気ディスクに対して良好な
性能のものが得られた。
【0095】このように、第1〜第6の実施形態の何れ
かを用いて製造されたトラックピッチLが著しく狭くグ
ルーブ深さDが著しく深い光磁気ディスクは、記録感度
比Pp-G/Pp-Lが実用に充分に耐えられる程度に良好
なものであるが、さらに、これら第1〜第6の実施形態
によって完成された光磁気ディスクについて、実際にラ
ンド・グルーブ記録方式として使用する際に問題となっ
ていたクロスイレーズ耐性についても確認してみた。
【0096】図14に示されるように、クロスイレーズ
耐性Pe/Ppは、記録感度比Pp-G/Pp-Lが良好な
光磁気ディスクにおいて、トラックピッチLが同じ場
合、グルーブ深さDが深い光磁気ディスクほど大きい
(クロスイレーズの影響が小さい)ことが確認された。
特に、図14中の●で示されるように、市販のものに比
べてトラックピッチLが著しく狭く(0.5μm)グル
ーブ深さDが著しく深い(200nm〜400nm)光
ディスク基板で製造された記録感度比Pp-G/Pp-Lが
良好な光磁気ディスクでは、実用のために最低限必要と
なるクロスイレーズ耐性Pe/Pp(1.15以上)が
充分に確保されていることが確認された。
【0097】また、図15に●で示されるように、グル
ーブ深さDが280nmで、記録感度比Pp-G/Pp-L
が良好な光磁気ディスクの場合には、実用のために最低
限必要となるクロスイレーズ耐性Pe/Pp(1.15
以上)を維持しつつ、トラックピッチLを0.5μmよ
りさらに狭く(0.45μm程度)でき、記録密度をる
さらに高めた光磁気ディスクが提供されることになる。
なお、図15中、○はグルーブ深さDが225nm、■
は175nm、□は135nm、▽は85nm、△は4
5nmで、記録感度比Pp-G/Pp-Lが良好な光磁気デ
ィスクについて、各々クロスイレーズ耐性Pe/Ppを
測定した結果を表している。
【0098】なお、クロスイレーズ耐性Pe/Ppの測
定は、 製造された光磁気ディスクのランド部およびグルーブ
部の記録膜の磁化の方向を一方向に揃えて消去状態とし
てから、ランド部の1トラックに、マーク(マーク長が
0.64μm)を記録し(レーザ光のピーク強度Ppは
最適記録パワー、ボトム強度Pbは0.5mW)、 マークが記録されたランド部の両隣のグルーブ部の各
々に、レーザ光(消去パワー)をDC点灯させながら照
射して(数10回転の間)マークを消去し、 ランド部に記録されたマークを再生して得られる再生
信号をスペクトラムアナライザーに入力して、キャリア
レベルとノイズレベルを測定し、 そして、〜の一連処理を、レーザ光の消去パワー
の設定値を変更しながら行い、測定したキャリアレベル
が落ち始めるときの消去パワーPeを求め、この消去パ
ワーPeとピーク強度Ppとの比Pe/Ppを算出する
ことにより行われる。グルーブ部のクロスイレーズ耐性
の測定も同様に行われる。
【0099】なお、上記した実施形態では、記録再生装
置の光ピックアップのレーザ光として波長λが680n
mのものを用いたが、このレーザ光には、さらに短い波
長λ(例えば、420nmなど)のものを用いることも
できる。このように、トラックピッチLがさらに狭く
(2.36×λ以下)、グルーブ深さDが(λ/(n×
3.75)〜λ/(n×1.13))の光ディスク基板
に対しても、上記した第1〜第6の実施形態の薄膜形成
方法の何れかを用れば、良好な一定の膜厚の薄膜が形成
されて記録感度比Pp-G/Pp-Lが一定の、記録密度が
高く、クロスイレーズの弊害が問題とならないランド・
グルーブ記録方式の光磁気ディスクを製造することがで
きる。
【0100】また、上記した実施形態では、光磁気ディ
スク(記録膜がTbFeCo合金で構成される)を製造
する場合について説明したが、本発明は、相変化型の光
ディスクの製造に適用することもできる。この場合に
も、同様に、市販のものに比べてトラックピッチLが著
しく狭くグルーブ深さDが著しく深い光ディスク基板
に、良好な一定の膜厚の薄膜を形成することができ、こ
れによって記録感度比Pp-G/Pp-Lが一定で記録密度
の高い、クロスイレーズの弊害が問題とならない相変化
型の光ディスクを製造することができる。さらに、波長
λが680nmよりも短い光源を用いることもできる。
【0101】なお、上記した実施形態では、光ディスク
基板を、ガラス2P(photo-polymerization)基板にて構
成したが、ポリカーボネート基板で構成してもよい。
【0102】
【発明の効果】上述したように、請求項1,請求項2に
記載の発明によれば、薄膜形成時の各種パラメータ(基
板とターゲットとの間の距離、基板の中心軸とターゲッ
トの中心軸とのずれ量、基板とターゲットとの面積比、
スパッタリング時のガス圧力)を、薄膜の品質や形成効
率などを考慮して最適値に決定し、これらのパラメータ
のうちの距離を、決定された最適値から意図的に大きな
値に設定するので、基板上の微細な凸部だけでなく凹部
にも、ほぼ一定の膜厚の薄膜を形成することができる。
【0103】また、請求項3,請求項4に記載の発明に
よれば、薄膜形成時の各種パラメータ(基板とターゲッ
トとの間の距離、基板の中心軸とターゲットの中心軸と
のずれ量、基板とターゲットとの面積比、スパッタリン
グ時のガス圧力)を、薄膜の品質や形成効率などを考慮
して最適値に決定し、これらのパラメータのうちのずれ
量を、決定された最適値から意図的に小さな値に設定す
るので、基板上の微細な凸部だけでなく凹部にも、ほぼ
一定の膜厚の薄膜を形成することができる。
【0104】さらに、請求項5,請求項6に記載の発明
によれば、基板上の微細な凹部および凸部に形成される
薄膜の膜厚をより理想的なものに近づけることができる
ので、請求項1〜請求項4の薄膜形成方法の条件を緩和
することができる。また、請求項7に記載の発明によれ
ば、基板に形成される薄膜と同じ組成比の合金をターゲ
ットに用いるので、元素数が多い複雑な薄膜も簡単な構
成の装置で容易に形成することができる。
【0105】さらに、請求項8に記載の発明によれば、
市販のものに比べてグルーブ部の深さが深く、グルーブ
ピッチが狭い光ディスク基板において、ランド部と同様
にグルーブ部にも、一定の膜厚の薄膜を形成することが
できるので、ランド・グルーブ記録方式の光ディスクに
おいて、その記録密度がさらに高められ、光ディスクの
大容量化が図られる。
【0106】また、請求項9,請求項10に記載の発明
によれば、市販のものに比べてグルーブ部の深さが深
く、グルーブピッチが狭い光ディスク基板において、そ
のグルーブ部の幅をランド部の幅より広くしたので、請
求項8の薄膜形成方法の条件を緩和することができる。
また、請求項11,請求項12に記載の発明によれば、
市販のものに比べてグルーブ部の深さが深く、グルーブ
ピッチが狭い光ディスク基板において、そのテーパ角を
70度以下としたので、請求項8の薄膜形成方法の条件
を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施形態に係るマグネトロンスパ
ッタリング装置の第1スパッタリング室10を示す説明
図である。
【図2】図2は、光ディスク基板11の形状を説明する
外観図である。
【図3】図3は、光ディスク基板11の断面形状を説明
する断面図である。
【図4】図4は、光ディスク基板11上に形成される薄
膜の構成を説明する断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態の薄膜形成方法を用いて
製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-L
に関する実験データを示す図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係るマグネトロンスパ
ッタリング装置の第1スパッタリング室30を示す説明
図である。
【図7】図7は、第2実施形態の薄膜形成方法を用いて
製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-L
に関する実験データを示す図である。
【図8】図8は、第3実施形態の薄膜形成方法を用いて
製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-L
に関する実験データを示す図である。
【図9】図9は、第4実施形態の薄膜形成方法を用いて
製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/Pp-L
に関する実験データを示す図である。
【図10】図10は、光ディスク基板51の断面形状を
説明する断面図である。
【図11】図11は、第5実施形態の薄膜形成方法を用
いて製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/P
p-Lに関する実験データを示す図である。
【図12】図12は、光ディスク基板61の断面形状を
説明する断面図である。
【図13】図13は、第6実施形態の薄膜形成方法を用
いて製造された光磁気ディスクの記録感度比Pp-G/P
p-Lに関する実験データを示す図である。
【図14】図14は、記録感度比Pp-G/Pp-Lが良好
な光磁気ディスクのクロスイレーズ耐性Pe/Ppに関
する実験データを示す図である。
【図15】図15は、記録感度比Pp-G/Pp-Lが良好
な光磁気ディスクのクロスイレーズ耐性Pe/Ppに関
する実験データを示す図である。
【図16】図16は、従来のマグネトロンスパッタリン
グ装置の第1スパッタリング室110を示す説明図であ
る。
【符号の説明】 10,30,110 第1スパッタリング室 11,51,61,111 光ディスク基板 11a,51a,61a ランド部 11b,51b,61b グルーブ部 11c ガイド溝 61d テーパ部 12,32,112 基板ホルダ 13,33,113 ターゲット 14,34,114 ターゲットホルダ 15,35 マグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 正寛 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリング法を用いて基板に薄膜を
    形成する薄膜形成方法において、 前記基板とターゲットとの間の距離を、前記基板の中心
    軸と前記ターゲットの中心軸とのずれ量、前記基板と前
    記ターゲットとの面積比、スパッタリング時のガス圧力
    のうち、少なくとも2つの条件に基づいて最適値に決定
    し、 前記決定された最適値より大きい値に、前記基板と前記
    ターゲットとの間の距離を設定してスパッタリングを行
    うことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜形成方法におい
    て、 前記最適値は、ほぼ40mmであり、 前記設定された前記基板と前記ターゲットとの間の距離
    は、100mm以上であることを特徴とする薄膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 スパッタリング法を用いて基板に薄膜を
    形成する薄膜形成方法において、 前記基板の中心軸とターゲットの中心軸とのずれ量を、
    前記基板と前記ターゲットとの間の距離、前記基板と前
    記ターゲットとの面積比、スパッタリング時のガス圧力
    のうち、少なくとも2つの条件に基づいて最適値に決定
    し、 前記決定された最適値より小さい値に、前記基板の中心
    軸と前記ターゲットの中心軸とのずれ量を設定してスパ
    ッタリングを行うことを特徴とする薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の薄膜形成方法におい
    て、 前記最適値は、ほぼ100mmであり、 前記設定された前記基板の中心軸と前記ターゲットの中
    心軸とのずれ量は、20mm以下であることを特徴とす
    る薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の何れか1項に記
    載の薄膜形成方法において、 前記基板に対する前記ターゲットの面積比は、1以上で
    あることを特徴とする薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4の何れか1項に記
    載の薄膜形成方法において、 前記ガス圧力は、10-3Pa以下に設定されることを特
    徴とする薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れか1項に記
    載の薄膜形成方法において、 前記ターゲットには、前記基板に形成される薄膜と同じ
    組成比の合金が用いられることを特徴とする薄膜形成方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の何れか1項に記
    載の薄膜形成方法を用いて、 グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
    1.13)で、かつグルーブピッチが2.36×λ以下
    の光ディスク基板に薄膜を形成することを特徴とする光
    ディスクの製造方法。(但し、λは記録再生用の光束の
    波長、nは基板の屈折率)
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の薄膜形成方法を用い
    て、 グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
    1.13)、グルーブピッチが2.36×λ以下で、か
    つ前記グルーブ部の幅が前記ランド部の幅より広い光デ
    ィスク基板に薄膜を形成するに当たり、 前記基板と前記ターゲットとの間の距離を、前記決定さ
    れた最適値より大きく、かつ前記設定された距離より小
    さい値に再設定してスパッタリングを行うことを特徴と
    する光ディスクの製造方法。(但し、λは記録再生用の
    光束の波長、nは基板の屈折率)
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の薄膜形成方法を用い
    て、 グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
    1.13)、グルーブピッチが2.36×λ以下で、か
    つ前記グルーブ部の幅が前記ランド部の幅より広い光デ
    ィスク基板に薄膜を形成するに当たり、 前記基板の中心軸と前記ターゲットの中心軸とのずれ量
    を、前記決定された最適値より小さく、かつ前記設定さ
    れたずれ量より大きい値に再設定してスパッタリングを
    行うことを特徴とする光ディスクの製造方法。(但し、
    λは記録再生用の光束の波長、nは基板の屈折率)
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の薄膜形成方法を用い
    て、 グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
    1.13)、グルーブピッチが2.36×λ以下で、か
    つテーパ角が70度以下の光ディスク基板に薄膜を形成
    するに当たり、 前記基板と前記ターゲットとの間の距離を、前記決定さ
    れた最適値より大きく、かつ前記設定された距離より小
    さい値に再設定してスパッタリングを行うことを特徴と
    する光ディスクの製造方法。(但し、λは記録再生用の
    光束の波長、nは基板の屈折率)
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の薄膜形成方法を用い
    て、 グルーブ部の深さがλ/(n×3.75)〜λ/(n×
    1.13)、グルーブピッチが2.36×λ以下で、か
    つテーパ角が70度以下の光ディスク基板に薄膜を形成
    するに当たり、 前記基板の中心軸と前記ターゲットの中心軸とのずれ量
    を、前記決定された最適値より小さく、かつ前記設定さ
    れたずれ量より大きい値に再設定してスパッタリングを
    行うことを特徴とする光ディスクの製造方法。(但し、
    λは記録再生用の光束の波長、nは基板の屈折率)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001044534A1 (fr) * 1999-12-16 2001-06-21 Hitachi, Ltd Procede et appareil de depot de couches minces
JP2003006949A (ja) * 2001-06-18 2003-01-10 Ulvac Japan Ltd 高密度ディスク用成膜装置及び方法
JP2011225992A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Jds Uniphase Corp マグネトロン・スパッタリング・デバイスで使用するためのリング・カソード

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