JPH10320755A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10320755A
JPH10320755A JP13093297A JP13093297A JPH10320755A JP H10320755 A JPH10320755 A JP H10320755A JP 13093297 A JP13093297 A JP 13093297A JP 13093297 A JP13093297 A JP 13093297A JP H10320755 A JPH10320755 A JP H10320755A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic powder
specific surface
surface area
powder
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JP13093297A
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Norio Adachi
則夫 安達
Takeshi Koizumi
剛 小泉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生出力が大きく、バイアスノイズが少ない
磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 磁性粉末と結合剤とからなる磁性層を有
する磁気記録媒体において、比表面積が40〜45m2
/gの第1の磁性粉末4aと比表面積が30〜35m2
/gの第2の磁性粉末4bとが重量比20:80〜4
0:60の範囲内で混合され、磁性層3に含有されてい
ることを特徴とする磁気記録媒体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉末と結合剤
とからなる磁性層を有する磁気記録媒体(例えば磁気テ
ープや磁気ディスク等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録の分野では、フェラ
イト、酸化クロム等の酸化物磁性粉末やFe、Co、N
i等を主成分とする金属磁性粉末や合金磁性粉末を有機
高分子材料からなる結合剤中に分散せしめた磁性塗料を
ポリエステルやポリエチレンテレフタレート(PET)
等からなる非磁性支持体上に塗布することによって磁性
層が形成された、塗布型の磁気記録媒体が汎用性や生産
性等の点から広く利用されている。
【0003】近年、このような塗布型の磁気記録媒体に
関し、高密度記録化(短波長記録化)の要求と共に、よ
り高品位な特性(音質、画質等)への要求がますます高
くなってきており、これらの要求を満たすためには、電
磁変換特性の改良、特に、最大出力レベル(MOL:Ma
ximum Output Level)を向上させて(即ち、再生出力を
向上させて)、バイアスノイズ(バイアス雑音)を低減
することなどが必要になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バイアスノイズを低減
させると共に最大出力レベルを向上させるためには、磁
性粉末のサイズを小さくして単位体積中の磁性粉末の数
を増やした上で、その分散性や配向性を向上させること
が必要である。
【0005】しかしながら、単に磁性粉末のサイズを小
さくする(即ち、磁性粉末の比表面積を大きくする)
と、バイアスノイズは低減できるが、磁性層の作製過程
での磁性粉末の配向性や分散性が劣化し、出力レベルが
下がることがある。また、低保磁力成分が多くなって転
写特性が劣化する等のように、実用的に問題があった。
【0006】一方、磁性層の作製過程での磁性粉末の配
向性や分散性を向上させ、最大出力レベルを大きくする
ために磁性粉末のサイズを大きくする(即ち、磁性粉末
の比表面積を小さくする)と、配向性や分散性が向上
し、最大出力レベルを大きくすることができるが、バイ
アスノイズが増大し、また、高密度記録に適した磁気記
録媒体を得ることが困難である。
【0007】このように、磁性層において磁性粉末のサ
イズによって一義的に出力特性とバイアス特性とを両立
させることは困難である。これは特に単層の磁性層で顕
著である。
【0008】本発明は、上述した従来の実情に鑑みてな
されたものであり、その目的は、再生出力が大きく、バ
イアスノイズが少ない等の磁気特性及び電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、磁性粉末と
結合剤とからなる磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、前記磁性層に比表面積範囲の異なる複数種の磁性粉
末を含有させ、これらの磁性粉末の配合比を限定するこ
とによって、再生出力(即ち、最大出力レベル:以下、
同様)が大きく、バイアスノイズが少ない等、磁気特性
及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られること
を見出した。
【0010】即ち、本発明は、磁性粉末と結合剤とから
なる磁性層を有する磁気記録媒体において、比表面積が
40〜45m2 /gの第1の磁性粉末と比表面積が30
〜35m2 /gの第2の磁性粉末とが重量比20:80
〜40:60の範囲内で混合され、前記磁性層に含有さ
れていることを特徴とする磁気記録媒体(以下、本発明
の磁気記録媒体と称する。)に係るものである。
【0011】本発明の磁気記録媒体によれば、比較的比
表面積が大きい(即ち、そのサイズが小さい)ので単位
体積当たりの含有量を多くすることができ、高密度記録
及びバイアスノイズの低減に適した前記第1の磁性粉末
と、比較的比表面積が小さい(即ち、そのサイズが大き
い)ので配向性や分散性に優れ、再生出力の向上に適し
た前記第2の磁性粉末との配合バランスを最適化してい
るので、再生出力が大きく、バイアスノイズが少ない等
の磁気特性及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得
ることができる。
【0012】ここで、上記比表面積とはBET法による
測定方法に基づく比表面積であり、島津製作所社製「比
表面積自動測定装置」を用いて測定したものである。
【0013】次に、上記の配合比及び比表面積の限定理
由を説明する。
【0014】比較的大きな比表面積を有する前記第1の
磁性粉末の含有割合が重量比で20未満であると(即
ち、比較的小さな比表面積を有する前記第2の磁性粉末
の含有割合が80を越えると)、相対的に前記第2の磁
性粉末の含有割合が増えて、配向性や分散性を十分に確
保でき、再生出力を向上させることができるものの、全
体的に磁性粉末の比表面積が小さくなる(即ち、そのサ
イズが大きくなる)ので、バイアスノイズが大きくな
る。
【0015】また、前記第1の磁性粉末の含有割合が重
量比で40を越えると(即ち、前記第2の磁性粉末の含
有割合が60未満であると)、バイアスノイズを低減す
ることができるものの、配向性や分散性を十分に確保で
きず、十分な再生出力を得られなくなる。
【0016】更に、前記第1の磁性粉末の比表面積につ
いて、この磁性粉末の比表面積が45m2 /gを越える
と、この磁性粉末が凝集し易くなり、著しく分散性が劣
化して再生出力等が低下する。また、この比表面積が4
0m2 /g未満であると、バイアスノイズの低減効果が
小さくなる。
【0017】また、前記第2の磁性粉末の比表面積につ
いて、この磁性粉末の比表面積が35m2 /gを越える
と、磁性塗料全体の分散性が劣化して再生出力等が低下
する。また、この比表面積が30m2 /g未満である
と、単位体積当たりの磁性粉末の総量が少なくなってバ
イアスノイズの低減効果が小さくなる。
【0018】このように、磁性粉末の比表面積やその配
合割合によって変動する磁気特性や電磁変換特性など
を、比表面積が40〜45m2 /gの前記第1の磁性粉
末と比表面積が30〜35m2 /gの前記第2の磁性粉
末とを重量比20:80〜40:60の範囲内に限定す
ることによって、はじめて再生出力の向上とバイアスノ
イズの低減とを両立させ、磁気特性及び電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。ここで、前記
配合の際の重量比は、25:75〜35:65が更に好
ましい。
【0019】本発明の磁気記録媒体においては、前記第
1の磁性粉末と前記第2の磁性粉末との保磁力の差が3
kA/m以下であることが望ましい。
【0020】この保磁力の差が大きくなると、保磁力の
小さい磁性粉末の割合が増えて記録信号を有する媒体が
巻回保持された状態で磁気転写を生じるか、或いは保磁
力の大きい磁性粉末の割合が増えて記録磁化の消去が困
難になることがある。このため、両者の保磁力(Hc)
の差(即ち、ΔHc)は、3kA/m以下(約37.7
Oe以下)とすることが望ましい。
【0021】また、本発明の磁気記録媒体においては、
前記磁性層を単層磁性層とすることが十分に可能であ
る。
【0022】一般に、再生出力の向上やバイアスノイズ
の低減を目的として、非磁性支持体上に複数の磁性層を
設け、各磁性層にそれぞれ異なる種類やサイズの磁性粉
末を含有せしめた多層構造の磁気記録媒体が知られてい
るが、非磁性支持体上に複数の磁性層を設けなければな
らず、その作製工程が複雑化する。また、単層からなる
磁性層を有する磁気記録媒体においては、一種類の磁性
粉末を含有せしめた磁性層が非磁性支持体上に設けられ
ているものが一般的である。
【0023】これに対して、本発明の磁気記録媒体で
は、本発明の特徴的構成を有する磁性層が単層であって
も、本発明の特徴的構成に基づいて、前述した再生出力
の向上、及びバイアスノイズの低減を十分に達成するこ
とができる。また、特に単層であることが本発明の効果
を得るために有効である。
【0024】ここで、本発明の磁気記録媒体において
は、上述した比表面積の異なる第1の磁性粉末と第2の
磁性粉末とは、同種の磁性粉末を用いてもよいし、異種
の磁性粉末であっても構わない。また、使用する磁性粉
末の比表面積が上記範囲内であれば、第1の磁性粉末
(又は第2の磁性粉末)として異種の磁性粉末を使用し
ても構わない。
【0025】なお、前記第1の磁性粉末及び前記第2の
磁性粉末の比表面積は、混練や混合処理の前後で多少異
なることがある。仮に、これらの磁性粉末が前記処理の
際に破砕されて、その比表面積が上述の範囲からはずれ
たものが含まれていたとしても、大部分の磁性粉末が実
質的に上記比表面積範囲内にあれば、他の比表面積を有
する磁性粉末が多少含まれていても構わない。
【0026】また、前記磁性層は単層であってその厚み
は、例えば、オーディオ用磁気テープの場合、3.5〜
5.0μm厚とすることが好ましい。
【0027】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に前記磁性粉末と結合剤とからなる磁性塗膜が形成され
ている、いわゆる塗布型の磁気記録媒体である。
【0028】ここで、前記磁性粉末と前記結合剤との配
合比は前記結合剤100重量部に対し、12〜33重量
部であることが好ましく、更には、16〜20重量部で
あることがより好ましい。
【0029】本発明の磁気記録媒体においては、通常こ
の種の磁気記録媒体で使用されている材料がいずれも使
用可能である。以下、本発明の磁気記録媒体に使用可能
な材料を例示するが、勿論、これらの材料に限定される
ものではない。
【0030】前記非磁性支持体としては、ポリエチレン
類、ビニル樹脂類、ポリエステル類、ポリオレフィン
類、セルロース類、ポリイミド類及びポリカーボネート
類に代表される高分子材料によって形成される高分子支
持体や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる金属
支持体、アルミガラス等からなるセラミックス支持体、
ガラス支持体等が挙げられる。
【0031】また、前記磁性粉末としては強磁性粉末が
好ましく、酸化鉄系強磁性粉末、酸化クロム系強磁性粉
末、金属系(合金を含む)強磁性粉末及び六方晶系フェ
ライト粉末等が挙げられる。これらの磁性粉末は、上述
したような比表面積及び配合量を有するものであること
はいうまでもない。
【0032】前記結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン及びアクリロニトリル等の重合体、或いは、これらの
重合体を2種以上組み合わせた共重合体、更にはポリウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。
【0033】前記磁性粉末と前記結合剤とを主成分とす
る磁性層は、特に、この磁性粉末と結合剤とを有機溶剤
に混合、分散して調製される磁性塗料を、前記非磁性支
持体上に塗布することによって形成される。この混合及
び分散工程や塗布工程は通常の工程を使用できる。
【0034】また、前記磁性粉末と前記結合剤とを混
合、分散させる前記有機溶剤としても、通常使用されて
いるものが使用でき、例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル及び酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエ
ステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモ
ノエチルエーテル及びジオキサン等のグリコールエーテ
ル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化
水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、エチレンクロルヒドリン及びジクロルベ
ンゼン等の塩素化炭化水素類などが挙げられる。
【0035】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、通常の塗布型の磁気記録媒体と同様に、前
記結合剤、前記磁性粉末の他に、例えば、研磨剤、分散
剤、潤滑剤、帯電防止剤、防錆剤等の公知の添加剤が添
加されていてもよい。
【0036】また、この磁気記録媒体には、必要に応じ
てバックコート層やトップコート層等が形成されていて
もよい。このバックコート層やトップコート層等の成膜
条件や成分組成などは、通常この種の磁気記録媒体で使
用されている条件、組成のものを適用すればよく、特に
限定されない。
【0037】次に、本発明に基づく磁気記録媒体の一例
を図1を参照に説明する。
【0038】図1は、磁性粉末4a及び4bと結合剤5
とからなる磁性層3が非磁性支持体2上に設けられてい
る磁気記録媒体1の要部の概略断面図である。
【0039】この磁気記録媒体1は例えば磁気テープで
あって、非磁性支持体2上には、前記第1の磁性粉末と
しての磁性粉末4aと前記第2の磁性粉末としての磁性
粉末4bとが結合剤5中に混合分散されている磁性層3
を有している。
【0040】磁性粉末4a及び4bは、上述した比表面
積のものが上記の配合割合で含有されているので、結合
剤5中に均一に分散され、配向性にも優れたものとな
る。即ち、比較的比表面積が大きい磁性粉末4aを有し
ているので単位体積当たりの磁性粉末含有量を多くする
ことができると共に高密度記録及びバイアスノイズの低
減に適しており、また、比較的比表面積が小さい磁性粉
末4bを適当量有しているので、配向性や分散性に優
れ、再生出力の向上に適している。従って、この磁気記
録媒体1は、再生出力が大きく、バイアスノイズが少な
くなる。
【0041】一般的に、磁性粉末と結合剤とを主体とす
る磁性層が非磁性支持体上に設けられている磁気記録媒
体において、バイアスノイズを低減させるためには、磁
性粉末のサイズを小さくして単位体積中の磁性粉末の数
を増やすことが必要になる。しかしながら、単純に磁性
粉末の比表面積を増しただけでは、バイアスノイズは低
くすることができるが、磁気記録媒体の製造時における
磁性粉末の配向性や分散性が劣化するために、再生出力
が小さくなるといった問題があった。
【0042】そこで、上述した本発明の磁気記録媒体に
よれば、使用する磁性粉末として、配向性及び分散性が
良好な比表面積の小さな磁性粉末(第2の磁性粉末)
に、バイアスノイズの低減や再生出力の向上に有用な比
表面積の磁性粉末(第1の磁性粉末)を混合することに
より、高い配向性(及び分散性)を維持したまま、単位
体積中の磁性粉末の数を増やすことができる。これによ
って、磁気特性、電磁変換特性に優れ、かつバイアスノ
イズの低い磁気記録媒体を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0044】まず、下記組成の磁性塗料を作製した。
【0045】 <磁性塗料組成物> 磁性粉末(Co−γ−Fe2 3 ) 100重量部 ※但し、混合割合、比表面積等は下記の表1に記載 塩化ビニル系共重合体 8.5重量部 ポリエステルポリウレタン 8.5重量部 シランカップリング剤 1重量部 アルミナ粉末 4重量部 カーボン 2重量部 ミリスチン酸 0.2重量部 ステアリン酸エステル 0.4重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0046】上記組成に準じて、各磁性塗料組成物を秤
り採って混合し、サンドミルにて分散して磁性塗料を作
製した。また、使用する上記磁性粉末は、あらかじめ結
合剤と別途混合しておき、他の成分と混合して塗料化し
た。
【0047】このようにして作製された磁性塗料を、3
重量部のイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社
製コロネートL)の添加後に膜厚12.0μmの非磁性
支持体(ポリエチレンテレフタレート)上に塗布し、乾
燥処理を施して磁性層を形成した後、この磁性層表面に
対してカレンダー処理を施して媒体原反(磁性フィル
ム)を得た。これを1/8インチ幅に裁断し、下記の表
1に記載した物性の磁性粉末を含有する磁性層を有する
例1〜例21のオーディオ用磁気テープ(サンプルテー
プ)を作製した。但し、この磁性層の膜厚は5.0μm
とした。また、表1中のΔHcとは第1の磁性粉末と第
2の磁性粉末との保磁力Hcの差を示したものである。
【0048】
【0049】
【0050】次に、得られたサンプルテープについて、
角型比、再生出力、バイアスノイズ及び消去の評価を行
った。
【0051】角型比:試料振動型磁力計(東英工業社
製)を用いて角型比(Br/Bm:Br=残留磁化、B
m=飽和磁化)を測定した。
【0052】再生出力(最大出力レベル):IEC94
−5(オーディオカセットの電磁変換特性に関する国際
規格)及びJIS C 5566(オーディオカセット
に関する国内規格)に基づいて再生出力を測定した。ま
た、この再生出力はMOL315(基準バイアスで31
5Hzを録音したものの第3次高調波が3%になるとき
の出力レベル)の値で代用した。
【0053】バイアスノイズ:カセットデッキTC−K
A5ES(ソニー社製)を用い、信号発生器としては、
HP3314A(ヒューレット・パッカード社製)を使
用し、測定周波数20〜20KHzで信号出力部をバン
ドパスフィルター(B&K社製Type1617)に入
力してバイアスノイズの測定を行った。この際、1/3
オクターブフィルターを測定する帯域にて用いた。ま
た、総合的な値は、JIS C 5566に準じたJI
S聴感補正Aカーブを用いた。なお、dB値は、0dB
=250nWb/mの際の値であるが、下記の表2中の
値はリファレンステープ(ソニー社製)に対する値であ
る。
【0054】消去(記録磁化の消去能):録音ヘッドギ
ャップが4μm、再生ヘッドギャップが1μmのタイプ
のデッキを用い、信号発生器HP3311A(ヒューレ
ット・パッカード社製)を使用し、規定バイアスにて3
15HzのMOL値を入力する。その後、1/3オクタ
ーブフィルターを用い、消去ヘッドに電流を流してい
き、65dB消去時の基準テープとの偏差を求めた。
【0055】これらの測定結果を下記の表2及び図2〜
図4に示す。なお、図2は、第1の磁性粉末の混合割合
(磁性粉末100重量部における割合)による最大出力
レベル及びバイアスノイズの変化を示したグラフ、図3
は、第1の磁性粉末の比表面積値による最大出力レベル
及びバイアスノイズの変化を示したグラフ、図4は、第
2の磁性粉末の比表面積値による最大出力レベル及びバ
イアスノイズの変化を示したグラフである。また、例1
4、例17及び例21のサンプルテープについて、記録
磁化の消去能を測定し、その測定結果を下記の表3に示
す。
【0056】
【0057】
【0058】次に、表1、表2及び図2〜図4を参照し
て上記各サンプルテープの評価を行う。
【0059】まず、図2は、例1〜例11のサンプルテ
ープの評価結果をプロットしたものであり、比表面積4
5m2 /gの第1の磁性粉末と比表面積32m2 /gの
第2の磁性粉末とを用いて、第1の磁性粉末と第2の磁
性粉末との混合割合を変化させたときの、最大出力レベ
ルとバイアスノイズの変化を示すグラフである。
【0060】このグラフから、第1の磁性粉末の混合割
合が20〜40、即ち、第1の磁性粉末と第2の磁性粉
末の混合割合(重量比)が20:80〜40:60のサ
ンプルテープ(例4〜例8)が、最大出力レベルの向上
及びバイアスノイズの低減の点で優れていることがわか
る。また、表2より角型比についても十分な値が得られ
ていることが分かる。
【0061】また、第1の磁性粉末の混合割合が20未
満であると、磁性粉末の分散性や配向性、更には保磁力
が良好であることによるものと考えられる最大出力レベ
ルは大きく向上しているが、磁性粉末の比表面積が小さ
い(即ち、磁性粉末のサイズが大きい)ことによるもの
と考えられるバイアスノイズが増加している。これに対
して、第1の磁性粉末の混合割合が40を越えると、磁
性粉末の微細化に伴ってバイアスノイズが大きく低減し
ているが、最大出力レベルが大きく劣化している。
【0062】なお、同グラフ及び表2から、第1の磁性
粉末の混合割合は25〜35〔即ち、第1の磁性粉末と
第2の磁性粉末の混合割合=25:75〜35:65〕
が更に好ましいことが分かる。
【0063】次に、図3は、例6及び例12〜例15の
サンプルテープの評価結果をプロットしたものであり、
第1の磁性粉末の比表面積による最大出力レベル及びバ
イアスノイズの変化を示すグラフである。但し、第2の
磁性粉末の比表面積は32m2 /gであり、第1の磁性
粉末と第2の磁性粉末と混合比は重量比で30:70の
ものである。
【0064】このグラフから、第1の磁性粉末の比表面
積が40〜45m2 /gのサンプルテープ(例6、例1
3、例14)が、最大出力レベルの向上及びバイアスノ
イズの低減の点で優れていることがわかる。また、表2
から、角型比についても優れた値が得られていることが
わかる。
【0065】特に、例6(第1の磁性粉末の比表面積が
45m2 /gのサンプルテープ)と例15(第1の磁性
粉末の比表面積が49m2 /gのサンプルテープ)とを
比較して分かるように、両者ともバイアスノイズの低減
は図られているが、例15のサンプルテープは、比表面
積が大きいことによる分散性、配向性の低下、更には保
磁力の低下による最大出力レベルの劣化が生じている。
【0066】次に、図4は、例6及び例16〜例19の
サンプルテープの評価結果をプロットしたものであり、
第2の磁性粉末の比表面積による最大出力レベル及びバ
イアスノイズの変化を示すグラフである。但し、第1の
磁性粉末の比表面積は45m2 /gであり、第1の磁性
粉末と第2の磁性粉末と混合比は重量比で30:70の
ものである。
【0067】このグラフから、第2の磁性粉末の比表面
積が30〜35m2 /gのサンプルテープ(例6、例1
7、例18)が、最大出力レベルの向上及びバイアスノ
イズの低減の点で優れていることがわかる。また、表2
から、角型比についても優れ値が得られていることがわ
かる。
【0068】次に、表3から、第1の磁性粉末と第2の
磁性粉末との保磁力の差(ΔHc)は、3.0kA/m
以下であることが好ましいことがわかる。保磁力の差
(ΔHc)がこのような範囲にある例14及び例17の
サンプルテープは、特に消去能に優れるが、ΔHcが
4.4のサンプルテープ(例21)は、この記録磁化の
消去が十分ではない。
【0069】また、例2のサンプルテープと例20のサ
ンプルテープを比較すると、両者とも第2の磁性粉末の
配合量が多いので、最大出力レベルは優れているが、そ
の比表面積の差(例2のサンプルテープは32m2
g、例20のサンプルテープは26m2 /g)によっ
て、バイアスノイズの低減能が異なっていることがわか
る。
【0070】
【発明の作用効果】本発明の磁気記録媒体は、磁性粉末
と結合剤とからなる磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、比表面積が40〜45m2 /gの第1の磁性粉末と
比表面積が30〜35m2 /gの第2の磁性粉末とが重
量比20:80〜40:60の範囲内で混合され、前記
磁性層に含有されていることを特徴としており、比較的
比表面積が大きいので単位体積当たりの含有量を多くす
ることができると共にバイアスノイズの低減及び高密度
記録に適した前記第1の磁性粉末と、比較的比表面積が
小さいので配向性や分散性に優れ、再生出力の向上に適
した前記第2の磁性粉末との配合バランスを最適化して
いるので、再生出力が大きく、バイアスノイズが低い等
の磁気特性及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例の概略断面図であ
る。
【図2】本発明に基づく第1の磁性粉末の混合割合によ
る最大出力レベル及びバイアスノイズの変化を示すグラ
フである。
【図3】同、第1の磁性粉末の比表面積による最大出力
レベル及びバイアスノイズの変化を示すグラフである。
【図4】同、第2の磁性粉末の比表面積による最大出力
レベル及びバイアスノイズの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…磁性層、4
a、4b…磁性粉末、5…結合剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末と結合剤とからなる磁性層を有
    する磁気記録媒体において、比表面積が40〜45m2
    /gの第1の磁性粉末と比表面積が30〜35m2 /g
    の第2の磁性粉末とが重量比20:80〜40:60の
    範囲内で混合され、前記磁性層に含有されていることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1の磁性粉末と前記第2の磁性粉
    末との保磁力の差が3kA/m以下である、請求項1に
    記載した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層が単層である、請求項1に記
    載した磁気記録媒体。
JP13093297A 1997-05-21 1997-05-21 磁気記録媒体 Pending JPH10320755A (ja)

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