JPH10320377A - 複素フィルタ並びに複素乗算器 - Google Patents
複素フィルタ並びに複素乗算器Info
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- JPH10320377A JPH10320377A JP12713097A JP12713097A JPH10320377A JP H10320377 A JPH10320377 A JP H10320377A JP 12713097 A JP12713097 A JP 12713097A JP 12713097 A JP12713097 A JP 12713097A JP H10320377 A JPH10320377 A JP H10320377A
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Abstract
ある加算器あるいは減算器の数も削減して回路規模のよ
り一層の小型化を図る。 【解決手段】 複素入力信号の実数部DrをFIRフィ
ルタ120でフィルタ係数Cr−Ciによりフィルタリ
ングするとともに、虚数部DiをFIRフィルタ140
でフィルタ係数Cr+Ciによりフィルタリングし、さ
らに複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの和をF
IRフィルタ130でフィルタ係数Crによりフィルタ
リングする。そして、このFIRフィルタ130のフィ
ルタリング出力から上記FIRフィルタ120の出力を
減算器160で引き算してその出力を複素出力信号の虚
数部Ziとし、FIRフィルタ130のフィルタリング
出力から上記FIRフィルタ140の出力を減算器17
0で引き算してその出力を複素出力信号の虚数部Zrと
するようにしたものである。
Description
ョン受信装置やディジタル携帯電話機等のディジタル通
信装置において、受信したディジタル変調信号を直交復
調する復調器に設けられる複素フィルタ並びに複素乗算
器に関する。
変調方式として例えば直交振幅変調(QAM:Quadratu
re Amplitude Modulation )や位相偏移変調(PSK:
PhaseShift Keying)を使用している。このため、高精
細テレビジョン受信装置の復調系では、受信したディジ
タル変調波信号が同相成分と直交成分とからなる複素信
号により表されるようになっており、これに応じて復調
器内に設けられる等化器や乗算器には複素フィルタある
いは複素乗算器が使用されている。
従来の複素フィルタの構成例を示すものである。同図に
おいて、複素入力信号の実数部Drは第1の有限長イン
パルス応答(FIR:Finite Impulse Response )フィ
ルタ11に入力され、ここでフィルタ係数(Cr+C
i)が乗算されてDr(Cr+Ci)となって出力され
る。また上記複素入力信号の実数部Drと虚数部Diと
の和が加算器14で求められて第2のFIRフィルタ1
2に入力され、ここでフィルタ係数Ciが乗算されて
(Dr+Di)Ciとなって出力される。さらに、上記
複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの差が減算器
15で求められて第3のFIRフィルタ13に入力さ
れ、ここでフィルタ係数Crが乗算されて(Dr−D
i)Crとなって出力される。
出力信号と上記第2のFIRフィルタ12の出力信号と
の差が減算器16で求められ、その出力が波形等化後の
複素出力信号の同相成分Zrとして出力される。また、
上記第1のFIRフィルタ11の出力信号と上記第3の
FIRフィルタ13の出力信号との差が減算器17で求
められ、その出力が波形等化後の複素出力信号の直交成
分Ziとして出力される。
要だったFIRフィルタを3個にすることができる。一
般にFIRフィルタはタップ数に相当する複数個の乗算
器といくつかの加算器とによって実現されるため、FI
Rフィルタの数を減らすことは回路規模の縮小を図るう
えで極めて有効である。
複素フィルタはFIRフィルタの数こそ少ないものの、
依然として多くの加算器14および減算器15,16,
17を必要としている。高精細テレビジョン受信装置や
ディジタル携帯電話機などのディジタル通信装置では、
装置の小型化のために回路規模の一層の縮小が重要課題
の一つとなっており、複素フィルタについてもさらなる
小型化が望まれていた。
ので、その目的とするところは、フィルタ本体に加え、
加算器あるいは減算器の数も削減して回路規模のより一
層の小型化を実現し得る複素フィルタ並びに複素乗算器
を提供することにある。
にこの発明の複素フィルタは、複素入力信号の実数部D
rに対し、フィルタ係数ベクトルCr,Ciの差に相当
するフィルタ係数(Cr−Ci)を畳み込み演算してD
r*(Cr−Ci)を出力する第1のフィルタと、複素
入力信号の虚数部Diに対し、フィルタ係数ベクトルC
r,Ciの和に相当するフィルタ係数(Cr+Ci)を
畳み込み演算してDi*(Cr+Ci)を出力する第2
のフィルタと、複素入力信号の実数部Drと虚数部Di
との和(Dr+Di)を出力する加算器と、この加算器
から出力された和(Dr+Di)に対し、フィルタ係数
ベクトルCrを畳み込み演算して(Dr+Di)*Cr
を出力する第3のフィルタと、この第3のフィルタの出
力(Dr+Di)*Crから前記第1のフィルタの出力
Dr*(Cr−Ci)を減算してその出力を複素出力信
号の虚数部Ziとして出力する第1の減算器と、前記第
3のフィルタの出力(Dr+Di)*Crから前記第2
のフィルタの出力Di*(Cr+Ci)を減算してその
出力を複素出力信号の実数部Zrとして出力する第2の
減算器とを具備したことを特徴とするものである。
従来の回路構成に比べて減算器を1個減らすことができ
る。減算器は、加算器の構成に加えてビット反転回路な
どを多く含むため一般に回路規模が大きくなりがちであ
る。このため、減算器を1個減らすことにより複素フィ
ルタの回路規模はさらに小型化される。また、減算器を
減らしたことで、信号処理速度の向上を図ることも可能
となり、さらには処理タイミングの合わせ込みを容易に
できる。
ルタを等化器に使用したディジタル復調回路の一実施形
態を示す回路ブロック図である。
ら出力された受信中間周波信号は、実数部(同相成分)
IFrと虚数部(直交位相成分)IFiとに分離された
のち、それぞれアナログ/ディジタル変換器(A/D)
1r,1iに入力されてディジタル信号に変換され、し
かるのちミキサ2r,2iに入力される。ミキサ2r,
2iでは、上記受信中間周波信号が、局部発振器4から
発生された位相が相互にπ/2異なる局部発振信号とミ
キシングされて直交復調される。そして、このミキサ2
r,2iから出力された復調信号の同相成分および直交
位相成分は、符号間干渉を軽減するためにロールオフフ
ィルタ3r,3iに通されたのち等化器5に入力され
る。
r,3iから出力された復調信号に対し信号波形等化の
ための複素フィルタリング処理が行われ、このフィルタ
リング後の受信信号は位相同期回路6に入力される。位
相同期回路6では位相同期処理が行われ、この同期確立
後の受信ベースバンド信号はデコーダなどのベースバン
ド回路に入力される。
ように構成される。図2はその構成を示す回路ブロック
図である。すなわち、この複素フィルタは、第1、第2
および第3のFIRフィルタ120,130,140
と、加算器150と、第1および第2の減算器160,
170とから構成される。
タ係数Cr,Ciの差(Cr−Ci)が予め設定されて
おり、第1のFIRフィルタ120は複素入力信号の実
数部Drに対し上記フィルタ係数(Cr−Ci)を畳み
込み演算してその結果Dr*(Cr−Ci)を出力す
る。なお、*は畳み込み演算を表す。
タ係数Cr,Ciの和(Cr+Ci)が予め設定されて
おり、第1のFIRフィルタ120は複素入力信号の実
数部Diに対し上記フィルタ係数(Cr+Ci)を畳み
込み演算してその結果Di*(Cr+Ci)を出力す
る。
rと虚数部Diとを加算してその結果(Dr+Di)を
第2のFIRフィルタ130に入力する。第2のFIR
フィルタ130にはフィルタ係数Crが予め設定されて
おり、第2のFIRフィルタ130は上記加算器150
から供給された(Dr+Di)に対しフィルタ係数Cr
を畳み込み演算し、その結果(Dr+Di)*Crを出
力する。
から出力された演算結果Dr*(Cr−Ci)および第
2のFIRフィルタ130から出力された演算結果(D
r+Di)*Crは第1の減算器160に入力される。
この第1の減算器160は、上記第2のFIRフィルタ
130の演算結果(Dr+Di)*Crから、上記第1
のFIRフィルタ120の演算結果Dr*(Cr−C
i)を引き算し、その結果をフィルタリング後の複素信
号の虚数部Ziとして出力する。
ら出力された演算結果Di*(Cr+Ci)および第2
のFIRフィルタ130から出力された演算結果(Dr
+Di)*Crは第2の減算器170に入力される。こ
の第2の減算器170は、上記第2のFIRフィルタ1
30の演算結果(Dr+Di)*Crから、上記第3の
FIRフィルタ140の演算結果Di*(Cr+Ci)
を引き算し、その結果をフィルタリング後の複素信号の
実数部Zrとして出力する。
入力信号Dr+jDiを入力すると、 Zr=(Dr+Di)*Cr−Di*(Cr+Ci) Zi=(Dr+Di)*Cr−Dr*(Cr−Ci) なるフィルタリングされた複素出力信号が出力される。
入力信号(Dr+jDi)とフィルタ係数(Cr+jC
i)との畳み込み演算式は、 (Dr+jDi)*(Cr+jCi) =Dr*Cr−Di*Ci+j(Di*Cr+Dr*Ci) =Dr*Cr+Di*Cr−Di*Cr−Di*Ci+j(Di*Cr+Dr *Cr−Dr*Cr+Dr*Ci) =(Dr+Di)*Cr−Di*(Cr+Ci)+j{(Di+Dr)*Cr −Dr*(Cr−Ci)} のように変形できる。この式の実数部は上記Zrに対応
し、また虚数部は上記Ziに対応する。したがって、本
実施形態の回路により、複素入力信号(Dr+jDi)
とフィルタ係数(Cr+jCi)との畳み込み演算結
果、つまり Zr+jZi=(Dr+jDi)*(Cr+jCi) が得られることは明らかである。
は、複素入力信号の実数部Drを第1のFIRフィルタ
120でフィルタ係数(Cr−Ci)によりフィルタリ
ングするとともに、複素入力信号の虚数部Diを第3の
FIRフィルタ140でフィルタ係数(Cr+Ci)に
よりフィルタリングし、さらに複素入力信号の実数部D
rと虚数部Diとの和を加算器150で求めてその出力
を第2のFIRフィルタ130でフィルタ係数Crによ
りフィルタリングする。そして、この第2のFIRフィ
ルタ130のフィルタリング出力から上記第1のFIR
フィルタ120の出力を第1の減算器160で引き算し
てその出力を複素出力信号の虚数部Ziとして出力する
とともに、第2のFIRフィルタ130のフィルタリン
グ出力から上記第3のFIRフィルタ140の出力を第
2の減算器170で引き算してその出力を複素出力信号
の虚数部Zrとして出力するようにしている。
れば、図8に示した従来の複素フィルタに比べて減算器
を1個削減することができ、その分複素フィルタの回路
規模を縮小することができる。減算器は、加算器に比べ
てビット反転回路などを多く含んでいるため回路規模が
比較的大きい。このため、減算器を1個削減できること
は、回路全体の構成を簡単小型化する上で大きな効果が
ある。また、減算器を1個削減したことで、信号処理速
度の高速化が可能となり、さらには処理タイミングの合
わせ込みを容易にすることも可能となる。
形態は、FIRフィルタに設定するフィルタ係数の極性
を工夫することで減算器を加算器に置き換え、これによ
り回路規模のより一層の縮小を図るようにしたものであ
る。
は先に述べたように Zr=(Dr+Di)*Cr−Di*(Cr+Ci) Zi=(Dr+Di)*Cr−Dr*(Cr−Ci) なる複素出力信号が出力される。この式は Zr=(Dr+Di)*Cr−Di*(Cr+Ci) =(Dr+Di)*Cr+Di*{−(Cr+Ci)} Zi=(Dr+Di)*Cr−Dr*(Cr−Ci) =(Dr+Di)*Cr+Dr*{−(Cr−Ci)} のように変形できる。そして、この変形式に応じて回路
を構成すれば、減算器を用いない複素フィルタを構成で
きる。
構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において
前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は
省略する。
タ係数として−(Cr−Ci)が設定してある。また第
3のFIRフィルタ240には、フィルタ係数として−
(Cr+Ci)が設定してある。このため、第1のFI
Rフィルタ220からは、複素入力信号の実数部Drに
対し上記フィルタ係数−(Cr−Ci)が畳み込み演算
された結果Dr*{−(Cr−Ci)}が出力される。
また第3のFIRフィルタ240からは、複素入力信号
の虚数部Diに対し上記フィルタ係数−(Cr+Ci)
が畳み込み演算された結果Di*{−(Cr+Ci)}
が出力される。
の出力Dr*{−(Cr−Ci)}は、第2のFIRフ
ィルタ130の出力(Dr+Di)*Crに加算器26
0で加算され、その結果がフィルタリング後の複素信号
の虚数部Ziとして出力される。また、上記第3のFI
Rフィルタ240の出力Di*{−(Cr+Ci)}
は、第2のFIRフィルタ130の出力(Dr+Di)
*Crに加算器270で加算され、その結果がフィルタ
リング後の複素信号の実数部Zrとして出力される。
することができ、これにより回路規模をさらに縮小して
小型化を図り、しかも信号処理速度のより一層の高速化
が可能で処理タイミングの合わせ込みも容易な複素フィ
ルタを提供することができる。
形態は、前記第2の実施形態の回路中の出力加算器26
0,270をFIRフィルタ内に収容し、これにより集
積回路からなる出力加重型の複素フィルタを構成したも
のである。
示す回路構成図である。この複素フィルタは、加算器5
50と、段構成のタップ回路510,520,530と
から構成される。これらのタップ回路510,520,
530は、各々が複素フィルタの1タップ分を構成して
いる。なお、これらのタップ回路510,520,53
0の構成は同一なので、ここではタップ回路510の構
成についてのみ説明する。
1で係数ベクトルの要素M1を乗算されたのち加算器5
12に入力され、ここで入力信号と加算される。また、
複素入力信号の虚数部Diは、係数器518で係数ベク
トルの要素K1を乗算されたのち加算器515に入力さ
れ、ここで入力信号と加算される。このときタップ回路
510は1段目なので、上記各入力信号はともに接地信
号となっている。
加算器550に入力されて加算される。そして、この加
算器550から出力された信号は係数器519で係数ベ
クトルN1を乗算されたのち、加算器513,516に
それぞれ入力される。加算器513では、上記加算器5
12の加算出力と上記係数器519の出力とが加算さ
れ、その加算出力はバッファ514でタイミングを回路
のクロックタイミングに合わされたのち2段目のタップ
回路520に供給される。加算器516では、上記加算
器515の加算出力と上記係数器519の出力とが加算
され、その加算出力はバッファ517でタイミングを回
路のクロックタイミングに合わされたのち2段目のタッ
プ回路520に供給される。
ップ回路520,530においても同様に行われ、3段
目の演算回路530から出力された信号がこの複素フィ
ルタの虚数部Ziおよび実数部Zrとなる。
530の係数ベクトルM1,M2,M3は、図3に示し
た回路における(−1)*(Cr−Ci)の各要素であ
り、また係数N1,N2,N3は図3に示した係数ベク
トルCrの各要素である。また係数K1,K2,K3
は、図3に示した係数ベクトル(−1)*(Cr+C
i)の各要素である。
び図3に示した複素フィルタのように3個のFIRフィ
ルタを用いる場合と比較すると、加算器間にあって同期
を取るためのバッファ、例えばバッファ514のような
回路を削減することができ、これにより回路規模を縮小
することができる。
タップ回路510に帰還して、接地信号の代わりに加算
器515,512に入力することで、小規模の回路でフ
ィードバック型の複素フィルタに変更することも可能で
ある。
信号は接地信号、つまり固定値であるため、1段目のタ
ップ回路510の加算器512,515は必要がない。
そこで、1段目のタップ回路510に限り加算器51
2,515を削除し、係数器511,518の出力を加
算器513,516に入力するように構成する。このよ
うに構成すると、1段目のタップ回路510の回路規模
をさらに小型化することができる。
合について説明したが、これに限ることはなく、フィル
タ係数が2の場合又は4以上の場合にも同様に本発明を
適用できる。
形態は、前記図3に示した複素フィルタと同じフィルタ
リング処理をソフトウエアで実現するものである。
ィルタの概略構成図である。この複素フィルタは、例え
ばDSP(Digital Signal Processor)からなるフィル
タ回路60と、このフィルタ回路60におけるフィルタ
リング処理の制御プログラムを記憶したメモリ62と、
このメモリ62に記憶された制御プログラムを読み込み
この制御プログラムにしたがって上記フィルタ回路60
を制御する制御装置61とから構成される。
び制御内容を示すフローチャートである。制御装置61
は、先ずステップS6aで、時刻tにおいて複素入力信
号の実数部Dr(t) の過去n個分の要素Dr(t) 〜Dr
(t-n+1) から構成されるベクトルD1を求める。また同
様にステップS6bで、時刻tにおいて複素入力信号の
虚数部Di(t) の過去n個分の要素Di(t) 〜Di(t-n
+1) から構成されるベクトルD2を求める。
フィルタの係数行列C1を求める。この係数行列C1
は、対角の要素としてCr(t,n-1) 〜Cr(t,0) を持つ
n×n対角行列から構成される。また同様にステップS
6dで、時刻tにおけるフィルタの係数行列C2を求め
る。この係数行列C2は、対角の要素としてCi(t,n-
1) 〜Ci(t,0) を持つn×n対角行列から構成され
る。
おいて{−(C1−C2)}*D1を計算し、その計算
結果をバッファA1に代入する。またステップS6fに
おいては、C1*(D1+D2)を計算し、その計算結
果をバッファA2に代入する。さらにステップS6gに
おいて、{−(C1+C2)}*D2を計算し、その計
算結果をバッファA3に代入する。なお、上式中の演算
子*は内積を表す。
ァA1に保持された計出値とバッファA2に保持された
計算値とを加算し、その結果を複素出力信号の虚数部Z
iとして出力する。またステップS6iにおいて、上記
バッファA2に保持された計出値とバッファA3に保持
された計算値とを加算し、その結果を複素出力信号の実
数部Zrとして出力する。
そうして時刻tにおける処理が終了すると、続いてステ
ップS6jで時刻tをインクリメント(t←t+1)し
てステップS6aに戻り、以上述べたステップS6aか
らステップS6jまでの一連の処理を繰り返す。なお、
D1,D2は時刻が進むにしたがってその要素の値が一
つずつ変化する。
は、図6のフローチャートでは時刻の関数として記述し
たが、時刻に対し恒等であってもよい。この場合、シス
テムの初期値として予めステップS6c,S6dの処理
を実行してフィルタ係数C1,C2を与えておくことが
できる。このようにすると、時刻tからt+1への処理
の繰り返しにおいて、上記フィルタ係数の算出ステップ
S6c,S6dを除外することができ、その分処理ステ
ップ数を減らして処理速度の高速化を図ることができ
る。
3に示した複素フィルタによるフィルタリング処理をソ
フトウエアで実現した場合を例にとって説明したが、図
2に示した複素フィルタや図4に示した複素フィルタに
よるフィルタリング処理をソフトウエアで実現するよう
にしてもよい。
施形態は、前記第1の実施形態において述べた複素フィ
ルタの技術思想を利用して複素乗算器を構成したもので
ある。
を示す回路ブロック図で、第1の複素入力信号Dr+j
Diに第2の複素入力信号Er+jEiを乗算して出力
する回路である。
部Erおよび虚数部Eiは第1の減算器395に入力さ
れ、ここでErからEiが引き算されてその出力(Er
−Ei)が第1の乗算器340に入力される。第1の乗
算器340では、第1の複素入力信号の実数部Drと上
記第1の減算器395から出力された第2の複素入力信
号の減算値(Er−Ei)とが乗算される。また、第2
の複素入力信号Er,Eiは第1の加算器390で相互
に加算されたのち第3の乗算器360に入力される。第
3の乗算器360では、第1の複素入力信号の虚数部D
iと上記第1の加算器390から出力された第2の複素
入力信号の加算値(Er+Ei)とが乗算される。
rおよび虚数部Diは第2の加算器320に入力され、
ここで相互に加算されたのち第2の乗算器350に入力
される。第2の乗算器350では、上記第2の加算器3
20から出力された複素入力信号の加算値Dr+Di
と、第2にの複素入力信号の実数部Erとが乗算され、
その乗算値(Dr+Di)・Erは第2および第3の減
算器370,380にそれぞれ入力される。
器350の乗算出力(Dr+Di)・Erから上記第1
の乗算器340の乗算出力Dr・(Er−Ei)が引き
算され、その出力値(Dr+Di)・Er−Dr・(E
r−Ei)が乗算後の複素出力信号の虚数部Ziとして
出力される。また、第3の減算器380では、上記第2
の乗算器350の乗算出力(Dr+Di)・Erから上
記第2の乗算器360の乗算出力Di・(Er+Ei)
が引き算され、その出力値(Dr+Di)・Er−Di
・(Er+Ei)が乗算後の複素出力信号の実数部Zr
として出力される。
は、 Zr=(Dr+Di)・Er−Di・(Er+Ei) Zi=(Dr+Di)・Er−Dr・(Er−Ei) なる複素乗算信号が出力される。
(Dr+jDi)と第2の複素入力信号(Er+jE
i)との乗算値であることは、以下の理由から明らかで
ある。すなわち、第1の複素入力信号(Dr+jDi)
と第2の複素入力信号(Er+jEi)との乗算式は、 (Dr+jDi)・(Er+jEi) =Dr・Er−Di・Ei+j(Di・Er+Dr・Ei) =Dr・Er+Di・Er−Di・Er−Di・Ei+j(Di・Er+Dr ・Er−Dr・Er+Dr・Ei) =(Dr+Di)・Er−Di・(Er+Ei)+j{(Di+Dr)・Er −Dr・(Er−Ei)} のように変形できる。この式の実数部は上記Zrに対応
し、また虚数部は上記Ziに対応する。
来より一般的に使用されている複素乗算器と比べると乗
算器を4個から3個に減らすことができ、その分回路規
模を小型化することができる。なお、乗算器を減らす代
わりに加算器および減算器の数は増えるが、一般に乗算
器の回路規模は加算器や減算器に比べて非常に大きい。
例えば、同じビット数の処理を行う場合を想定すると、
乗算器の回路規模は加減算器に比べてビット数の2乗で
大きくなる。したがって、乗算器を1個削減することに
よる効果は、加減算器が3個増加することによる回路規
模の増加分を考慮しても、極めて大きい。
置の復調器において、例えば直交復調用のミキサ等に使
用することができる。したがって、このような複素乗算
器を前記各実施形態で述べた複素フィルタとともに復調
器に使用することで、復調器の回路規模を従来に比べて
大幅に縮小することができる。
複素入力信号に乗算するためのフィルタ係数を工夫した
ことにより、フィルタ数ばかりでなく加算器あるいは減
算器の数も削減して、回路規模のより一層の小型化を実
現し得る複素フィルタ並びに複素乗算器を提供すること
ができる。
用した復調器の構成例を示す回路ブロック図。
形態を示す回路ブロック図。
形態を示す回路ブロック図。
形態を示す回路ブロック図。
形態を示す回路ブロック図。
リング処理プログラムを示すフローチャート。
示す回路ブロック図。
ブロック図。
算器 160,170,370,380,395…減算器 340,350,360…乗算器 510,520,530…タップ回路 511,518,519…係数器 514,517…バッファ
Claims (5)
- 【請求項1】 実数部および虚数部がそれぞれDr,D
iで表される複素入力信号に対し、フィルタ係数ベクト
ルCr,Ciを基にフィルタリング処理を行う複素フィ
ルタにおいて、 前記複素入力信号の実数部Drに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの差に相当するフィルタ係数(C
r−Ci)を畳み込み演算してDr*(Cr−Ci)を
出力する第1のフィルタと、 前記複素入力信号の虚数部Diに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの和に相当するフィルタ係数(C
r+Ci)を畳み込み演算してDi*(Cr+Ci)を
出力する第2のフィルタと、 前記複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの和(D
r+Di)を出力する加算器と、 この加算器から出力された和(Dr+Di)に対し、前
記フィルタ係数ベクトルCrを畳み込み演算して(Dr
+Di)*Crを出力する第3のフィルタと、 この第3のフィルタの出力(Dr+Di)*Crから前
記第1のフィルタの出力Dr*(Cr−Ci)を減算し
てその出力を複素出力信号の虚数部Ziとして出力する
第1の減算器と、 前記第3のフィルタの出力(Dr+Di)*Crから前
記第2のフィルタの出力Di*(Cr+Ci)を減算し
てその出力を複素出力信号の実数部Zrとして出力する
第2の減算器とを具備したことを特徴とする複素フィル
タ。 - 【請求項2】 処理装置によって、実数部および虚数部
がそれぞれDr,Diで表される複素入力信号に対しフ
ィルタ係数ベクトルCr,Ciを基にフィルタリング処
理を行うためのプログラムを記録した記録媒体であっ
て、 前記複素入力信号の実数部Drに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの差に相当するフィルタ係数Cr
−Ciを畳み込み演算してDr*(Cr−Ci)を求め
る第1のフィルタリング処理と、 前記複素入力信号の虚数部Diに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの和に相当するフィルタ係数Cr
+Ciを畳み込み演算してDi*(Cr+Ci)を求め
る第2のフィルタリング処理と、 前記複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの和(D
r+Di)を求める加算処理と、 この加算処理により求められた和(Dr+Di)に対
し、前記フィルタ係数ベクトルCrを畳み込み演算して
(Dr+Di)*Crを求めるための第3のフィルタリ
ング処理と、 この第3のフィルタリング処理により求められた(Dr
+Di)*Crから前記第1のフィルタリング処理によ
り求められたDr*(Cr−Ci)を減算してその結果
を複素出力信号の虚数部Ziとして出力する第1の減算
処理と、 前記第3のフィルタリング処理により求められた(Dr
+Di)Crから前記第2のフィルタリング処理により
求められたDi(Cr+Ci)を減算してその結果を複
素出力信号の実数部Zrとして出力する第2の減算処理
とを実行することを特徴とする複素フィルタリング処理
プログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項3】 実数部および虚数部がそれぞれDr,D
iで表される複素入力信号に対し、フィルタ係数ベクト
ルCr,Ciを基にフィルタリング処理を行う複素フィ
ルタにおいて、 前記複素入力信号の実数部Drに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの差の反数に相当するフィルタ係
数−(Cr−Ci)を畳み込み演算して−(Cr−C
i)*Drを出力する第1のフィルタと、 前記複素入力信号の虚数部Diに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの和の反数に相当するフィルタ係
数−(Cr+Ci)を畳み込み演算して−(Cr+C
i)*Diを出力する第2のフィルタと、 前記複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの和(D
r+Di)を出力する第1の加算器と、 この第1の加算器から出力された和(Dr+Di)に対
し、前記フィルタ係数ベクトルCrを畳み込み演算して
(Dr+Di)*Crを出力する第3のフィルタと、 この第3のフィルタの出力(Dr+Di)*Crと前記
第1のフィルタの出力−(Cr−Ci)*Drとを足し
算してその出力を複素出力信号の虚数部Ziとして出力
する第2の加算器と、 前記第3のフィルタの出力(Dr+Di)*Crと前記
第2のフィルタの出力−(Cr+Ci)*Diとを足し
算してその出力を複素出力信号の実数部Zrとして出力
する第3の加算器とを具備したことを特徴とする複素フ
ィルタ。 - 【請求項4】 処理装置によって、実数部および虚数部
がそれぞれDr,Diで表される複素入力信号に対しフ
ィルタ係数ベクトルCr,Ciを基にフィルタリング処
理を行うためのプログラムを記録した記録媒体であっ
て、 前記複素入力信号の実数部Drに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの差の反数に相当するフィルタ係
数−(Cr−Ci)を畳み込み演算して−(Cr−C
i)*Drを求める第1のフィルタリング処理と、 前記複素入力信号の虚数部Diに対し、前記フィルタ係
数ベクトルCr,Ciの和の反数に相当するフィルタ係
数−(Cr+Ci)を畳み込み演算して−(Cr+C
i)*Diを求める第2のフィルタリング処理と、 前記複素入力信号の実数部Drと虚数部Diとの和(D
r+Di)を求める第1の加算処理と、 この第1の加算処理により求められた和(Dr+Di)
に対し、前記フィルタ係数ベクトルCrを畳み込み演算
して(Dr+Di)*Crを求める第3のフィルタリン
グ処理と、 この第3のフィルタリング処理により求められた(Dr
+Di)*Crと前記第1のフィルタリング処理により
求められた−(Cr−Ci)Drとを足し算してその結
果を複素出力信号の虚数部Ziとして出力する第2の加
算処理と、 前記第3のフィルタリング処理により求められた(Dr
+Di)*Crと前記第2のフィルタリング処理により
求められた−(Cr+Ci)*Diとを足し算してその
結果を複素出力信号の実数部Zrとして出力する第3の
加算処理とを実行することを特徴とする複素フィルタリ
ング処理プログラムを記録した機械読み取り可能な記録
媒体。 - 【請求項5】 実数部および虚数部がそれぞれDr,D
iで表される第1の複素信号と、実数部および虚数部が
それぞれEr,Eiで表される第2の複素信号とを乗算
して、第3の複素信号を出力する複素乗算器において、 前記第2の複素信号の実数部Erと虚数部Eiとの差
(Er−Ei)を出力する第1の減算器と、 前記第1の複素信号の実数部Drに対し、前記第1の減
算器から出力された(Er−Ei)を乗算してDr(E
r−Ei)を出力する第1の乗算器と、 前記第2の複素信号の実数部Erと虚数部Eiとの和
(Er+Ei)を出力する第1の加算器と、 前記第1の複素信号の虚数部Diに対し、前記第1の加
算器から出力された(Er+Ei)を乗算してDi(E
r+Ei)を出力する第2の乗算器と、 前記第1の複素信号の実数部Drと虚数部Diとの和
(Dr+Di)を出力する第2の加算器と、 この第2の加算器から出力された(Dr+Di)に対
し、前記第2の複素信号の実数部Erを乗算して(Dr
+Di)Erを出力する第3の乗算器と、 この第3の乗算器の出力(Dr+Di)Erから前記第
1の乗算器の出力Dr(Er−Ei)を減算してその出
力を第3の複素信号の虚数部Ziとして出力する第2の
減算器と、 前記第3の乗算器の出力(Dr+Di)Erから前記第
2の乗算器の出力Di(Er+Ei)を減算してその出
力を第3の複素信号の実数部Zrとして出力する第3の
減算器とを具備したことを特徴とする複素乗算器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12713097A JP3934737B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 複素フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12713097A JP3934737B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 複素フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10320377A true JPH10320377A (ja) | 1998-12-04 |
JP3934737B2 JP3934737B2 (ja) | 2007-06-20 |
Family
ID=14952364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12713097A Expired - Fee Related JP3934737B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 複素フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3934737B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002541705A (ja) * | 1999-04-06 | 2002-12-03 | エリクソン インコーポレイテッド | 消費電力を低減した複素数整合フィルタ |
KR100882905B1 (ko) | 2007-11-22 | 2009-02-10 | 한양대학교 산학협력단 | 곱셈기블록을 이용한 복소필터 및 이를 사용한dbo-css 시스템에서의 정합 필터링 장치, 방법 및dbo-css 수신기 |
KR20160098657A (ko) * | 2015-02-10 | 2016-08-19 | 주식회사 쏠리드 | 로우 리소스 복소수 연산 필터 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP12713097A patent/JP3934737B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002541705A (ja) * | 1999-04-06 | 2002-12-03 | エリクソン インコーポレイテッド | 消費電力を低減した複素数整合フィルタ |
KR100882905B1 (ko) | 2007-11-22 | 2009-02-10 | 한양대학교 산학협력단 | 곱셈기블록을 이용한 복소필터 및 이를 사용한dbo-css 시스템에서의 정합 필터링 장치, 방법 및dbo-css 수신기 |
KR20160098657A (ko) * | 2015-02-10 | 2016-08-19 | 주식회사 쏠리드 | 로우 리소스 복소수 연산 필터 |
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JP3934737B2 (ja) | 2007-06-20 |
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