JPH10319369A - 薄膜トランジスタ液晶表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタ液晶表示装置

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JPH10319369A
JPH10319369A JP9126709A JP12670997A JPH10319369A JP H10319369 A JPH10319369 A JP H10319369A JP 9126709 A JP9126709 A JP 9126709A JP 12670997 A JP12670997 A JP 12670997A JP H10319369 A JPH10319369 A JP H10319369A
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reference potential
liquid crystal
signal
voltage
lines
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JP9126709A
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English (en)
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Ritsuo Fukaya
律雄 深谷
Tsunenori Yamamoto
恒典 山本
Makoto Tsumura
津村  誠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】IPS方式液晶表示装置の基準電位信号電源の
低消費電力化をする際の表示品質の向上。 【解決手段】IPS方式の薄膜トランジスタ液晶表示装
置において、その基準電位線に印加する基準電位を1V
交流駆動させ、その駆動電圧を画像信号線に印加させる
画像信号の変動量に応じて変動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜トランジスタ
(以下TFTと記述する)をスイッチング素子として用
いたアクティブマトリクス型液晶表示装置の画質向上に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置とは、ガラス等の基板上に
形成された微細な間隔を有する少なくとも一対の電極と
該電極間に封入された液晶材料からなる電気容量に電圧
を印加することにより液晶材料の光学特性を変化させ、
これを表示に用いるものである。画像を表示するために
は、微細な平面寸法で作製された電気容量(これを画素
と称する)を基板平面上に配列し、対向して配置された
ガラス等の平面基板との間の間隙に液晶を封入して画素
を形成し、これらの各々に画像信号を印加して平面画像
を得る方法が一般的であり、広く工業製品として製造さ
れている。画素に画像信号を印加するには、配線数を少
なくするために複数の画像信号線を基板上にほぼ平行に
敷設し、これにほぼ直交するように複数の選択信号線を
前記画像信号線と同一基板上に敷設し、これらの交点付
近にスイッチング素子を備えた画素を配置して画像信号
線方向にぼぼ並列した複数画素で画像信号線を共有し、
選択信号線から印加される選択信号により前記スイッチ
ング素子を駆動し、共有する画素信号線から順次送られ
て来る画像信号を順次的に各画素に印加するアクティブ
マトリクス方式が広く用いられている。この方式におい
ては、液晶容量に印加される画像信号電圧の基準電位を
各画素に対し与える必要があるが、通常のTN(Twisted
Nematic)型と呼ばれる液晶を用いた画素では液晶容量
への印加電圧の基準電位は対向基板上にスパッタリング
などにより形成されたインジウム・錫酸化物(ITO)
透明薄膜電極により供給され、基準電位線は画素信号線
と同一の基板上には存在しない。TN型の場合、対向基
板に形成される基準電位電極は画面全面に対し共通であ
ることが一般的であり、同じ基準電位が全画素に一様に
印加される。
【0003】一方、近年実用化が進んでいるIPS(In
Plane Switching)方式の液晶表示装置では基板面と平
行な電場を発生させるため、電界を発生させるための電
極が同一基板上に形成される。図11にそのIPS方式
液晶表示装置の例の画素の一部の断面図を示す。一対の
偏光板8が一対の基板7を挟持し、その一対の基板7の
一方の基板の対向面に画素電極1を形成し、その上に絶
縁膜2を形成し、その絶縁膜2の上に基準電位線4と画
像信号線3を形成し、その上に配向膜5を形成し、前記
他方の基板の対向面に配向膜5を形成し、これらの一対
の基板7によって、液晶層6を挟持するように形成す
る。この場合、基準電位信号線は画素信号線および選択
信号線と同一の基板上に敷設されたまま、各画素に接続
される。しかし、この方式の液晶表示装置ではTN型の
ように画素電極と対向する基板に形成される面電極によ
る大きな容量を有さないために、画像信号線の信号が液
晶に印加される電界によって、大きな信号電圧の変動が
生じ、フリッカー等の画面品質の低下が生じる。
【0004】液晶表示装置を駆動する際、画素信号を供
給する集積回路素子(以下ドライバという)の出力電圧
範囲を低減し、液晶への印加電圧は液晶材料の変質を防
止するために、基準電位を一定値ではなく矩形波信号と
して、画素容量に印加する信号電圧の一部を基準電位側
に分担させる駆動法(以下コモン交流駆動という)が広
く行われている。これは、基準電位線の基準電位がある
周期で極性を反転し交流化されている。従って画像信号
電圧の逆位相の矩形波の基準電位信号を印加することに
より矩形波の振幅分の電圧を分担することが可能であ
る。この手法により、各画像信号線に接続され信号供給
を行う集積回路素子(以後表示信号ドライバと記す)に
要求される負荷を低減し、安価な表示信号ドライバを使
用することができる。さらに表示信号ドライバの端子出
力電圧振幅を小さくすれば、同ドライバの消費電力は振
幅電圧の2乗に比例するので、これを大幅に低減するこ
とが可能である。かかる駆動方法はすでに工業製品とし
ての薄膜トランジスタ液晶表示装置に広く用いられてい
るが、具体的な記述内容は、例えば、「フラットパネル
・ディスプレイ92」(日経BP社 1991)第14
6−151頁に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】基準電位信号に矩形波
を用いる方法は、基準電位自体が液晶容量に対し充放電
を行うことになるため、必然的に基準電位信号を供給す
る電源の消費電力を増大させる。従って、コモン交流駆
動を実施する際は基準電位信号電源の消費電力を抑制す
るために: 1)基準電位信号の矩形波化周波数を低減する 2)基準電位信号の矩形波振幅を小さくすることが必要
とされる。
【0006】矩形波周波数の低減方法として例えば、矩
形波周波数を一画面の垂直同期周波数とする方法(以後
1V交流駆動法と称する)が想定される。この場合、一
般に用いられている一走査線の水平同期周波数を用いる
方法(以後1H交流駆動法と称する)に比べ、周波数が
2〜3桁下がるので、基準電位信号電源が電位の変調に
消費する電力もほぼ同程度に低減することが可能であ
る。あるいはそれよりは高周波数であるが、水平同期周
波数の整数倍(例えば2〜20程度)に設定する場合も
考えられるが、同様である。
【0007】しかるにこの場合、以下に述べるような問
題が生じる:表示装置内の各画素内の液晶容量は、画面
内で順次選択された選択信号線からの選択信号により薄
膜トランジスタを導通させ、選択期間内に画像信号線か
らの充電を行い、非選択期間では選択信号線との接続を
薄膜トランジスタにより切断して容量内の電荷により画
像信号電圧を保持する。通常の線順次駆動では、非選択
期間長は垂直同期周期から水平同期周期一つ分を差し引
いたものとなるが、これは十数ミリ秒程度となる。この
保持期間中の画素信号電位は、該画素に供給される基準
電位と、液晶容量値及び同容量内の蓄積電荷によって決
定されることになる。ここで、上記保持期間中に基準電
位信号が上記矩形波変調により変動した場合、上記液晶
容量の薄膜トランジスタ側電極には薄膜トランジスタの
ゲート−ドレイン間容量(以下Cgsと略記)を介して
選択信号線が接続されているので完全な浮動電位にはな
っておらず、選択信号線の非選択信号電位と基準電位の
差の変化のCgsと液晶容量による分割分が液晶容量に
印加され、画像信号電位が変化してしまう。
【0008】画像信号線の画素信号の変動によるフリッ
カー等の画像品質の低下を防止するため、一般的には選
択信号線の非選択信号電位を基準電位信号と同相,同振
幅で矩形波変調し、両電位の差を相殺することが行われ
ているが、IPS方式液晶表示装置では、画素電極と選
択信号線を重畳させて形成されている付加容量と液晶容
量が縦に電界がかかるTN型液晶表示装置よりも液晶容
量が小さいので、Cgsによる画像信号変動の影響が大き
くなるという問題が生じる。また、これを防ぐために、
IPS方式の液晶表示装置の画素構造では、新たに電極
を形成し蓄積容量を形成することが考えられるが、開口
率が低下してしまうために実用上問題がある。
【0009】本発明の目的はフリッカー等の少ない画像
品質のよい液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】IPS型液晶表示装置で
は、基準電位線の敷設方向に沿って分割された画素群に
対し複数の基準電位を与えることが容易であるため、画
像信号の電圧変動量を補償するために同じ変動量を基準
電位線に与えることができる。例えば、画素信号線に対
し並走するように基準電位信号線を形成した場合、対応
する画素列の画素信号および基準電位信号の極性を交互
に反転させ、画像信号変動を補正するように基準電位線
の信号電圧を変動させることにより、表示画像の品質を
向上させることが可能である。
【0011】また、基準電位線を選択信号線の間に形成
したIPS型液晶表示装置の場合は選択信号線と基準電
位線は直交しているので同時に複数の基準電位線に基準
電圧を与えることはできないが、変動量と同じ程度変動
させた基準電圧を印加することで液晶に印加するべき差
電圧を確保できるので、画像の品質を向上させることが
可能である。
【0012】つまり、本発明の液晶表示装置によれば、
画素信号変動に対し、基準電位線に印加される垂直同期
周波数の整数倍の周波数を持つ基準電位信号に画素信号
変動量を相殺する差電圧を加えることによって、これを
保証することができる。
【0013】画素信号変動量は画像信号方向に隣接する
画素において勾配量となって出現するので、基準電位線
を画像信号線の間に形成した場合は画像信号線と同じ勾
配量を持たせて変動させ、基準電位線を選択信号線の間
に形成した場合は画像信号線と基準電位線との交点での
画像信号線の変動値になるように電圧を付与すればよ
い。
【0014】前記画素信号変動は次のような機序で発生
することを図6〜図9を用いて説明する: 1)図7において、ある選択信号線314に沿って配列
され接続された画素321に対し図6の選択信号302
が選択電位になった時点305では、薄膜トランジスタ
316が導通して画像信号線315からの画像信号電圧
Vs301が画素内の液晶容量Clc318に書き込ま
れ、液晶容量の電位301は画像信号電位に近づく。
【0015】2)選択信号線が非選択電位になった図6
の時点306では、図8に示すように薄膜トランジスタ
316が非導通となり、液晶容量318と画像信号線3
15との接続が遮断されて、液晶容量318両端の電位
差Vlc310がほぼ保存され、基準電位信号線317
上の浮動電位をとるようになる。このまま、基準電位3
04からの相対電位差310を次の選択開始時点309
まで保持する。
【0016】3)1V交流駆動を行う場合、図6に示す
保持期間中のある時点307で基準電位が変化する。ど
の時点であるかは、一般に当該画素の画面内における位
置に依存する。通常の全画面非分割線順次駆動では、図
9に示すように画面401の一端(開始端)402から
他端(終了端)403へ向かって順次、図7の選択信号
線314に選択信号を与える。例として図6の基準電位
信号304の矩形波変調電位の変化点すなわち307を
選択信号の開始端選択点と同時点にとる場合を考える。
この場合、矩形波変調による基準電位304の変化とは
以下のような意味を持つ:すなわちある画素が選択され
た時点305では、該画素に供給される基準電位信号3
04は該画素に供給される画像信号303と反対極性で
あり、両者の電位差が拡大して液晶容量に対し所要の電
圧Vlc310を供給するが、矩形波変調された基準電
位がある時点307で極性を反転すると、直前に液晶容
量に供給された画像信号303と同極性となるように変
化するわけである。基準電位の変化量311をΔVco
mと書くことにする。
【0017】4)液晶容量318は構造上、一端が基準
電位信号線317に、他端が薄膜トランジスタ316に
接続されているが、同時に薄膜トランジスタ316のゲ
ート・ドレイン間容量Cgd319を介して選択信号配
線314にも接続されている。選択信号線314が保持
する非選択信号電位が固定されている限り、基準電位の
変化ΔVcom311は直列容量Clc318、および
Cgd319およびその他の容量Cetc320により
分割され、Vlcの変化分ΔVlc312となる。ΔV
lc312は次の(数1)で表わされる:
【0018】
【数1】
【0019】Vlcは数1に従うΔVlcだけ減少す
る。
【0020】5)ここで図6の期間長T1:323は、
図9に示す考えている画素の画面401内の位置、すな
わち前記線順次駆動の開始端402および終了端403
との位置関係に依存する。開始端402に近い画素40
4では図4の406のように選択開始時点409と選択
信号413が選択電位をとる画素選択時点410が相対
的に近接しているが、開始端403から遠い画素405
では、407のように選択開始時点409と選択信号4
14が選択電位をとる画素選択時点411が相対的に離
れている。各選択信号線の選択信号印加時間415すな
わち1Hは、本実施例では全画面内で一定とするので、
上記T1:323は考えている画素の選択開始端402
から数えた順序数に比例することになる。すなわち開始
端402に近い画素404に対してはT1:323は期
間416となり、開始端403から遠い画素405では
T1:323は期間417となるわけである。液晶容量
内の液晶の光学特性は、液晶に印加された電圧Vlc3
10の実効値に応答するので、画素の光学応答にはT
1:323に応じた実効値差ΔVlceffに相当する
差が生ずる。期間長T1を持つ画素における実効値の減
少ΔVlceffは次の(数2)で表現される:
【0021】
【数2】
【0022】Tvは一画面分の走査周期(垂直同期周
期)すなわち1V:322である。選択信号線が画面内
で等間隔に敷設されている場合、T1:323は当該画
素の終了端からの距離に比例する。Vlcは各々の積分
期間中で変化しないとしてよいので、数2は数3に書き
直すことができる:
【0023】
【数3】
【0024】さらにΔVlcはVlcのたかだか10%
程度であるので、数3は次のT1に関する1次式で近似
できる:
【0025】
【数4】
【0026】このときの1次式近似の誤差は、図10に
示すようにΔVlcがVlcの10%に達してもVlc
に対し0.13% 程度であり、実用上十分な精度を有す
る。一方、前述のように選択信号線の選択期間1H32
4が画面内で一定なので、T1は選択終了端403から
該当する基準電位信号線までの信号線本数に比例する。
すなわち選択終了端403から該基準電位信号線までの
信号線本数をk、画面選択開始端402から終了端40
3までの信号線本数をNとすれば:
【0027】
【数5】
【0028】従って、この場合、実効値差は開始端40
2からの位置順序数N−kに比例するとみなしても差し
支えない。
【0029】このようにして生じるΔVlceff31
2に対し、矩形波変調された基準電位304の平坦部3
25の電位を画面内の位置に応じて調節し、ΔVlce
ff312を補償することとするのが本発明の本質であ
る。これには二つの方法がある。
【0030】あ)基準電位線が画像信号線の間に形成さ
れる場合 基準電位信号線が画像信号線の間に形成されている場
合、一つの基準電位信号線に接続されている画素は開始
端側から終了端に向かって一個ずつ線順次選択され、画
像信号線からの信号を液晶容量に書き込む。一つの基準
電位信号線からみれば、開始端から遠い画素ほど矩形波
の立ち上がり・立ち下がり点から時間的に遅れた時点の
基準電位信号を使用していることになる。従って、基準
電位信号線の矩形波平坦部電圧を時間的に単調に変化さ
せることにより、前記実効値差ΔVlceffを補償す
ることができる。すなわち、平坦部電圧の変化分ΔVc
flを時間tの関数として次の数式で与えれば良い:
【0031】
【数6】
【0032】負極性書き込みのときは符号が反転する。
【0033】い)基準電位線が選択信号線の間に形成さ
れる場合 準電位信号線が選択信号線の間に形成されている場合、
一つの基準電位信号線に接続されている画素は共通の選
択信号線に接続されており、垂直同期周期内のある時点
で一斉に選択され、画像信号線からの信号を液晶容量に
書き込む。この場合、選択信号線が線順次駆動方向に分
離しているので開始端からの位置に応じて選択信号線ご
とに異なる基準電位を与えることにより前記実効値差Δ
Vlceffを補償することができる。本発明では、簡
易な方法として特に抵抗はしごを用いてこれを実現する
方法を挙げているが、信号電圧を変化させるものであれ
ば他のものでもよい。また、抵抗値も所定の抵抗を使う
のではなく、画像信号線の変化量の変化に合わせて抵抗
値を変化させてもよいし、自動的に変化するものでもよ
い。
【0034】本発明の薄膜トランジスタ液晶表示装置の
具体的な構成としては、一対の基板と、この一対の基板
に狭持された液晶層とを有し、前記一対の基板の一方に
は、複数の信号選択線と、その複数の信号選択線にマト
リクス上に形成された複数の画像信号線と、それぞれの
交点に対応して形成された薄膜トランジスタと、それら
の薄膜トランジスタに接続された複数の画素電極と、前
記複数の選択信号線のそれぞれの間に複数の基準電位線
が形成され、前記複数の画素電極と前記複数の基準電位
線のそれぞれに電圧を印加することにより、上記一方の
基板に対して支配的に平行な電界を生じさせる液晶表示
装置において、前記複数の基準電位線に印加される信号
電圧の周波数は垂直同期周波数の整数倍であって、前記
複数の画像信号線が伝送距離に応じて変化する電圧分だ
け前記複数の基準電位線に印加する電圧を変化させる構
成とする。
【0035】上記基準電位線は所定の抵抗を介して接続
される構成としてもよい。
【0036】また、上記基準電位線はそれぞれ異なる電
圧が印加されるように構成してもよい。
【0037】また、本発明の異なる構成としては、一対
の基板と、この一対の基板に狭持された液晶層とを有
し、この一対の基板の一方には、複数の信号選択線と、
その複数の信号選択線にマトリクス上に形成された複数
の画像信号線と、それぞれの交点に対応して形成された
薄膜トランジスタと、それらの薄膜トランジスタに接続
された複数の画素電極と、前記複数の画像信号線のそれ
ぞれの間に複数の基準電位線が形成され、前記複数の基
準電位線に印加される信号電圧の周波数は垂直同期周波
数の整数倍であって、前記複数の画像信号線が伝送距離
に応じて変化する電圧分だけ電圧を変化させる構成とす
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施形
態の数例を説明する。
【0039】[実施例1]図1は本発明の基本的構成の
例を示したものである。画像表示平面上に、選択信号線
群101(図ではGn〜Gn+3の4本が描かれてい
る。)と、画像信号線群102(図ではDm〜Dm+3
の4本が描かれている。)が直交するように敷設され、
それらおのおのの交点に画素103が置かれ、全体とし
て格子状に配列されている。更に画素103の各々に
は、画像信号線群102と並走して敷設され、画像信号
の基準電圧を供給する基準電位線群104が接続されて
いる。選択信号線群101には選択信号線駆動素子10
5が接続されており、同期回路106からの同期信号1
07に従って、線順次選択信号108を選択信号線群1
01の各線に出力する。線順次選択信号108は、周期
として前記1Vを持ち前記1Hずつ遅れた幅がほぼ1H
のパルス波であり、画面の走査開始端側から逐次時間順
序を以って与えられる。
【0040】画像信号は1H毎にて変化する波高変調さ
れた矩形波であり、各波高はそれぞれその波高値が与え
られる時点で選択されている画素の画像信号値となる。
画素103は図2のような構成になっている:各画素内
部には薄膜トランジスタ素子109がスイッチング素子
として内蔵されており、液晶容量110に接続されてい
る。液晶容量110の他端は基準電位線群104が接続
されている。図3は本実施例における駆動波形ならびに
画素各部の信号波形である:前述したように各画素10
3の液晶容量110に印加される画像信号は交流波形で
あり、本実施例においては画像信号111、112は隣
り合う画像信号線ごとに逆位相で印加されている。図1
の構成ではDmおよびDm+2と、Dm+1およびDm
+3では位相が反転している。すなわちDmおよびDm
+2が波形111の位相で出力するとき、Dm+1およ
びDm+3では波形112の位相で出力する。これに対
応して矩形波の基準電位信号113および114も隣り
合う基準信号線ごとに位相が反転している。図1の構成
では基準電位信号117は電源部C1と書かれた電源1
18aとC2と書かれた電源118bによって構成さ
れ、C1とDmおよびDm+2、C2とDm+1および
Dm+3の位相がそれぞれ対応している。基準電位信号
113と画像信号111および基準電位信号114と画
像信号112の差が液晶容量に印加される液晶駆動電圧
となる。この位相反転を行う理由は次の2点である: あ)各画素の液晶容量111の電極電位の高低関係を列
毎に反転させることにより、画素内の浮遊容量に流入す
る迷走電流の極性を反転させ、画素間で打消すことによ
り、該電流による液晶容量電位の揺らぎを防ぐ。
【0041】い)選択信号線電位が選択電位から非選択
電位に変わる時点で、次の式に従い液晶電位が変動す
る:
【0042】
【数7】
【0043】ここでΔVlc′は液晶電位変動分、ΔV
gは選択信号の選択電位と非選択電位の差、その他の記
号は数1と同じである。これは、数1の現象と同じ機序
で発生するものであるが、数7中のCgdおよびClc
は薄膜トランジスタおよび液晶の特性として画像信号値
の波高および極性によって変化するので、液晶電位の変
化量ΔVlc′は画像信号が正極性のときと負極性のと
きでは異なり、画素の光透過率の差となってあらわれ
る。このため、列ごとの極性反転で視感上の輝度差を打
消すのである。このような空間的な駆動位相の反転は、
現在主流の非晶質半導体を用いた薄膜トランジスタをス
イッチング素子として用いる限りCgcの低減に限界が
あることから、必須と思われる。従って、本発明の実施
例は原則として上記のような基準信号配線の群分割を含
むものと考えられる。
【0044】上記の空間的位相反転に加え、画像信号並
びに基準電位信号の上記位相関係を1V周期(図3の1
16)で反転する、すなわち図1中の111および11
3、112および114のように変化させる。ここでい
う1V周期とは前述のように「1画面」を走査するのに
必要な時間を周期とするということで、例えば、パーソ
ナルコンピュータの表示画面では1/60秒付近が普通
に用いられている。この周期は画素選択期間である1H
(図3の115)の500〜1000倍程度の非常に長
いものであり、ここで述べている各種の信号配線の抵抗
および容量による負荷で定まる時定数よりも同様に10
00倍程度長い。従って1V周期の矩形波印加に際して
は配線系の負荷による信号遅延はほとんど考えなくて良
い。
【0045】さて、このような駆動においては前項で述
べたような機構により、画面の選択開始端に近い画素と
遠い画素との間で液晶駆動電圧の実効値に差が生じる。
これを補正するために本実施例においては基準電位信号
の矩形波平坦部の電位を113、114のように時間的
に変化させる。この変化量は前節に述べたようにほぼ選
択開始端からの空間距離および時間距離に対しほぼ線形
なので、前記基準電位信号の平坦部電位を一次関数的に
矩形波の変化させることにより十分よい精度で補正でき
る。補正量は前節で与えた数6に従えばよい。こうして
液晶駆動電圧を補正することにより、表示画質に破綻な
く1V交流駆動が可能になる。1V交流駆動は前述のよ
うに低電圧耐圧の表示信号ドライバを使用して低消費電
力で駆動可能、かつ表示信号ドライバ119の低電圧
化、低価格化及びフリッカー等の画像品質の低下防止す
ることができ、IPS方式の液晶表示装置において、特
にその効果を奏する。
【0046】[実施例2]本発明のもう一つの実施例を
図4を用いて説明する。本例においては、画像表示平面
上に、選択信号線群201(図ではGn〜Gn+3の4
本が描かれている。)と、画像信号線群202(図では
Dm〜Dm+3の4本が描かれている。)が直交するよ
うに敷設され、それらおのおのの交点に画素203が置
かれ、全体として格子状に配列されている。更に画素2
03の各々には、選択信号線群201と並走するように敷
設され、画像信号の基準電圧を供給する基準電位線群2
04が接続されている。前例と異なるのは、この基準電
位信号線群204の敷設方向である。
【0047】選択信号線群201には選択信号線駆動素
子205が接続されており、同期回路206からの同期
信号207に従って、線順次選択信号208を選択信号
線群201の各線に出力する。線順次選択信号208
は、周期として前記1Vを持ち前記1Hずつ遅れた幅が
ほぼ1Hのパルス波であり、画面の走査開始端側から逐
次時間順序を以って与えられる。画像信号は1H毎にて
変化する波高変調された矩形波であり、各波高はそれぞ
れその波高値が与えられる時点で選択されている画素の
画像信号値となる。この両信号の印加方法は前実施例と
全く同様であるので、1V交流駆動に伴う液晶駆動電圧
実効値差も同様に発生する。
【0048】しかるに本実施例では、基準電位信号は画
面の選択開始端からの遠近に応じてそれぞれ独立の基準
電位信号配線を以って供給できるので、実施例1のよう
に同一配線内で時間的傾斜を持った信号を印加するので
はなく、各配線ごとに異なる波高値を持つ矩形波を印加
すれば良い。しかも本実施例においては、液晶駆動電圧
値の補正量は前項で述べたように選択開始端からの距離
と線形相関しているので、図5に記載したように簡単な
抵抗はしごを基準電位信号電源部内に設ける方法で容易
に補正が実現できる。すなわち、基準電位信号電源部2
17の内部では隣り合う基準電位信号線群204の電源
接続端215a〜dを等値抵抗216a〜dで接続して
抵抗はしごを構成し、該抵抗はしごの両端に基準電位信
号電源218a、218b、218c、218dを接続
し、両端の電源すなわち218aと218c、および2
18bと218dの出力電圧の間に画面両端の補正量差
に相当する電圧差を設定する。本実施例では後で述べる
理由により基準電位信号線群204を一本おきに二つの
下位群219および220に分割し、それぞれの下位群
内で隣接接続している。前記電圧差の抵抗分割により、
各配線の基準電位矩形波の波高値は次の数式のようにな
る:
【0049】
【数8】
【0050】ここで、Vk1は上記基準電位信号線下位
群内における選択開始端側から数えてk番目の基準電位
の矩形波波高値、Vstart1は選択開始端側の電源
が出力する矩形波信号の波高値、Vend1は選択終了
端側の電源が出力する矩形波信号の波高値、Nは該下位
群内の基準電位信号配線の総本数である。基準電位信号
線を二つの下位群に分割した理由は前実施例で数6を用
いて述べたものと同様である。上数式中のΔVcsup
1を数1のΔVlcに等しく設定することにより画面内
の各基準電位信号線に対し、数4ならびに数5に従った
補正電圧を印加することが可能である。
【0051】このような基準電位信号の関係は図5の2
10、211、212に示すようになる。すなわち一方
の下位群221に属する電源217、電源接続端215
a、215cにおける各基準電位信号はすべて同じ位相
関係となり、かつそれぞれの波高値は図5の221、2
22、223のような大小関係を保ち画面内で単調な増
減を示す。他方の下位群222では位相の反転以外は全
く同様の関係がある。画像信号209本実施例では全て
の画像信号線において同位相の矩形波信号として印加さ
れる。この位相関係は1V交流駆動の基準電位信号位相
反転と同時に一斉に反転し、画素選択時の画像信号と基
準電位信号の順相関系を画面内で保持する。
【0052】上述の構成において1V交流駆動を簡易に
実現でき、フリッカーの発生等画像品質の低下を防止で
きる。
【0053】
【発明の効果】IPS型液晶表示装置において、基準電
位信号の1V交流駆動の電圧をその画像信号電圧の変動
量だけ変動させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像信号線間に基準電位線を形
成した場合の液晶表示装置の構成図である。
【図2】本発明の液晶表示装置における1画素の等価回
路図を示す。
【図3】図1の液晶表示装置に印加する電圧波形を示
す。
【図4】本発明における信号選択線間に基準電位線を形
成した場合の液晶表示装置の構成を示す。
【図5】図4の液晶表示装置に印加する電圧波形を示
す。
【図6】本発明の解決すべき問題の発生機序を説明した
ものである。
【図7】本発明における液晶表示装置の1画素における
TFT駆動時の電圧の印加状況と等価回路図を示す。
【図8】本発明における液晶表示装置の1画素における
TFT非駆動時の電圧の印加状況と等価図を示す。
【図9】一つの基準電位線群における電圧の印加状況を
示したものである。
【図10】本発明の実施例における液晶駆動電圧実効値
差の補正誤差を見積もったものである。
【図11】IPS方式液晶表示装置の1画素の一部の断
面図の一例である。
【符号の説明】 1…画素電極、2…絶縁膜、3…画像信号線、4…基準
電位線、5…配向膜、6…液晶層、7…基板、8…偏光
板、101…選択信号線群、102…画像信号線群、1
03…画素、104…基準電位線群、105…選択信号
線駆動素子、106…同期回路、109…薄膜トランジ
スタ、110…液晶容量、117・118…基準電位信
号電源、119…表示信号ドライバ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板と、この一対の基板に狭持され
    た液晶層とを有し、 前記一対の基板の一方には、複数の信号選択線と、その
    複数の信号選択線にマトリクス上に形成された複数の画
    像信号線と、それぞれの交点に対応して形成された薄膜
    トランジスタ薄膜トランジスタと、それらの薄膜トラン
    ジスタに接続された複数の画素電極と、前記複数の選択
    信号線のそれぞれの間に複数の基準電位線が形成され、 前記複数の画素電極と前記複数の基準電位線のそれぞれ
    に電圧を印加することにより前記一方の基板に対して支
    配的に平行な電界を生じさせる液晶表示装置において、 前記複数の基準電位線に印加される電圧の周波数は垂直
    同期周波数の整数倍であって、前記複数の画像信号線が
    伝送距離に応じて変化する電圧分だけ前記複数の基準電
    位線に印加する電圧を変化させることを特徴とする薄膜
    トランジスタ液晶表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記複数の基準電位線
    は所定の抵抗を介して接続されることを特徴とする薄膜
    トランジスタ液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記複数の基
    準電位線はそれぞれ異なる電圧が印加されることを特徴
    とする薄膜トランジスタ液晶表示装置。
  4. 【請求項4】一対の基板と、この一対の基板に狭持され
    た液晶層とを有し、 前記一対の基板の一方には、複数の信号選択線と、その
    複数の信号選択線にマトリクス上に形成された複数の画
    像信号線と、それぞれの交点に対応して形成された薄膜
    トランジスタと、それらの薄膜トランジスタに形成され
    た複数の画素電極と、前記複数の画像信号線のそれぞれ
    の間に複数の基準電位線が形成され、 前記複数の基準電位線に印加される電圧の周波数は垂直
    同期周波数の整数倍であって、前記複数の画像信号線が
    伝送距離に応じて変化する電圧分だけ電圧を変化させる
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ液晶表示装置。
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