JPH10318308A - ローラーブレーキ用の焼結摩擦材料 - Google Patents
ローラーブレーキ用の焼結摩擦材料Info
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- JPH10318308A JPH10318308A JP9148513A JP14851397A JPH10318308A JP H10318308 A JPH10318308 A JP H10318308A JP 9148513 A JP9148513 A JP 9148513A JP 14851397 A JP14851397 A JP 14851397A JP H10318308 A JPH10318308 A JP H10318308A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロ−ラ−ブレ−キの効きを高め、メンテナン
スフリ−を実現する。 【解決手段】 ドラム1及びブレ−キシュ−3の間に
は、Cu系又はFe系の焼結摩擦材料が組込まれる。こ
の焼結摩擦材料は、Cu又はFeを主成分とし、これに
強化元素及び硬質成分が加えられる。強化元素は、S
n,Zn,Alなどで3%以上40%以下、硬質成分
は、0.1%以上20%以下のAl2O3,ムライト,ジ
ルコンサンドなどモ−ス硬さ3以上からなる。この場
合、強化元素としてP,Bも含めることができ、また
C,MoS2,WS2,Pbなどの潤滑成分を重量比で
0.1%以上20%以下を含めるようにすれば、摩擦係
数の安定、耐摩耗性の向上、耐焼き付き性の向上が得ら
れる。このような焼結摩擦材料には、適度の気孔を設け
たり、気孔内に油又はグリ−スを含浸すれば、鳴きの低
減や摩擦係数の安定化が得られるとともに、メンテナン
スフリ−が可能になる。
スフリ−を実現する。 【解決手段】 ドラム1及びブレ−キシュ−3の間に
は、Cu系又はFe系の焼結摩擦材料が組込まれる。こ
の焼結摩擦材料は、Cu又はFeを主成分とし、これに
強化元素及び硬質成分が加えられる。強化元素は、S
n,Zn,Alなどで3%以上40%以下、硬質成分
は、0.1%以上20%以下のAl2O3,ムライト,ジ
ルコンサンドなどモ−ス硬さ3以上からなる。この場
合、強化元素としてP,Bも含めることができ、また
C,MoS2,WS2,Pbなどの潤滑成分を重量比で
0.1%以上20%以下を含めるようにすれば、摩擦係
数の安定、耐摩耗性の向上、耐焼き付き性の向上が得ら
れる。このような焼結摩擦材料には、適度の気孔を設け
たり、気孔内に油又はグリ−スを含浸すれば、鳴きの低
減や摩擦係数の安定化が得られるとともに、メンテナン
スフリ−が可能になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロ−ラ−ブレ−キ
用の焼結摩擦材料に関し、特に、自転車用に好適するよ
うにしたものである。
用の焼結摩擦材料に関し、特に、自転車用に好適するよ
うにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自転車用のロ−ラ−ブレ−キは、
例えば特公昭57−40379号公報に開示されている
ように、ドラム、シュ−、カムなどを主要な構成部品と
している。また、このロ−ラ−ブレ−キの内部空間に
は、焼き付き防止のためのグリ−スが充填されている。
例えば特公昭57−40379号公報に開示されている
ように、ドラム、シュ−、カムなどを主要な構成部品と
している。また、このロ−ラ−ブレ−キの内部空間に
は、焼き付き防止のためのグリ−スが充填されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のロ
−ラ−ブレ−キは、ドラム及びシュ−が溶製鉄鋼材料
で、これらの間には摩擦材料が介在しないことから摩擦
係数が比較的低く、このためブレ−キの効きが低いとい
う問題点があった。また、前記グリ−スは、粘度が気温
により変化するために、摩擦係数や走行時の回転抵抗が
温度により変化するという問題点があった。そして、こ
のグリ−スは、劣化したり、減少したりするため補充を
必要とする問題点があった。
−ラ−ブレ−キは、ドラム及びシュ−が溶製鉄鋼材料
で、これらの間には摩擦材料が介在しないことから摩擦
係数が比較的低く、このためブレ−キの効きが低いとい
う問題点があった。また、前記グリ−スは、粘度が気温
により変化するために、摩擦係数や走行時の回転抵抗が
温度により変化するという問題点があった。そして、こ
のグリ−スは、劣化したり、減少したりするため補充を
必要とする問題点があった。
【0004】このようなことから、本発明では、現状の
ロ−ラ−ブレ−キの効きを高め、気温による効きの変化
を小さくし、さらにメンテナンスフリ−を実現すること
を目的とする。
ロ−ラ−ブレ−キの効きを高め、気温による効きの変化
を小さくし、さらにメンテナンスフリ−を実現すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の点に鑑
みなされたもので、ロ−ラ−ブレ−キを構成するドラム
及びシュ−間には、特定の組成を有するCu又はFeを
主成分とする焼結摩擦材料が組込まれるようにしたもの
である。したがって、ブレ−キ効きを高く安定化し、さ
らに耐焼き付き性、ブレ−キ鳴きに優れた機能を有する
ものである。
みなされたもので、ロ−ラ−ブレ−キを構成するドラム
及びシュ−間には、特定の組成を有するCu又はFeを
主成分とする焼結摩擦材料が組込まれるようにしたもの
である。したがって、ブレ−キ効きを高く安定化し、さ
らに耐焼き付き性、ブレ−キ鳴きに優れた機能を有する
ものである。
【0006】すなわち、Cuを主成分とする焼結摩擦材
料は、重量比において、その組成がCuを40%以上9
7%未満、Sn,Zn,Al,Fe,Co,Ni,M
n,Siから選択された1種又は2種以上の強化元素を
3%以上40%以下、Al2O3,ムライト,ジルコンサ
ンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,Cr,Si3N4等
のモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分の1種又は2種以
上を0.1%以上20%以下含むようにしたものであ
る。この結果、摩擦係数が高くなり、ブレ−キの効きを
高めることができるようになったものである。
料は、重量比において、その組成がCuを40%以上9
7%未満、Sn,Zn,Al,Fe,Co,Ni,M
n,Siから選択された1種又は2種以上の強化元素を
3%以上40%以下、Al2O3,ムライト,ジルコンサ
ンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,Cr,Si3N4等
のモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分の1種又は2種以
上を0.1%以上20%以下含むようにしたものであ
る。この結果、摩擦係数が高くなり、ブレ−キの効きを
高めることができるようになったものである。
【0007】また、Feを主成分とする焼結摩擦材料
は、前述したCuを主成分とする焼結摩擦材料のCuを
Feに変換したものである。
は、前述したCuを主成分とする焼結摩擦材料のCuを
Feに変換したものである。
【0008】さらに、前述した焼結摩擦材料の強化元素
には、0.01%以上5%以下のP,Bの1種又は2種
を含ませることができ、またC,MoS2,WS2,P
b,Sb,Bi,Agから選択された1種又は2種以上
の潤滑成分を0.1%以上20%以下含ませることによ
り、摩擦係数を調整できるようにした。そして、これら
の焼結摩擦材料は、その気孔率を特定したり、或いはそ
の気孔内に有機モリブデン系の添加剤を含んだ油又はグ
リ−スを含浸するようにすれば、使用用途にあった摩擦
係数に変えることができ、しかもブレ−キの鳴きも非常
に小さくすることができる。
には、0.01%以上5%以下のP,Bの1種又は2種
を含ませることができ、またC,MoS2,WS2,P
b,Sb,Bi,Agから選択された1種又は2種以上
の潤滑成分を0.1%以上20%以下含ませることによ
り、摩擦係数を調整できるようにした。そして、これら
の焼結摩擦材料は、その気孔率を特定したり、或いはそ
の気孔内に有機モリブデン系の添加剤を含んだ油又はグ
リ−スを含浸するようにすれば、使用用途にあった摩擦
係数に変えることができ、しかもブレ−キの鳴きも非常
に小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明ロ−ラ−ブレ−キ用
の焼結摩擦材料について、自転車用に適用した一実施例
を図に従い説明する。
の焼結摩擦材料について、自転車用に適用した一実施例
を図に従い説明する。
【0010】図1は、ロ−ラ−ブレ−キの要部を示す断
面図であり、特にドラム1の内面に焼結摩擦材料2がブ
レ−キシュ−3によって押し付けられている制動状態が
説示されているものである。そして、この制動動作は、
操作ワイヤ4をP1方向に移動させれば、カム5がP2方
向に回転することにより得られるものである。すなわ
ち、カム5がP2方向に回転すれば、ロ−ラ−6がブレ
−キシュ−3を押圧することになり、ブレ−キシュ−3
はブレ−キア−ム7に設けられたシュ−ストッパ−(図
示せず)により回転が阻止される。
面図であり、特にドラム1の内面に焼結摩擦材料2がブ
レ−キシュ−3によって押し付けられている制動状態が
説示されているものである。そして、この制動動作は、
操作ワイヤ4をP1方向に移動させれば、カム5がP2方
向に回転することにより得られるものである。すなわ
ち、カム5がP2方向に回転すれば、ロ−ラ−6がブレ
−キシュ−3を押圧することになり、ブレ−キシュ−3
はブレ−キア−ム7に設けられたシュ−ストッパ−(図
示せず)により回転が阻止される。
【0011】したがって、ドラム1は、ブレ−キシュ−
3との間に配置された焼結摩擦材料2の摩擦力により回
転が抑制される。
3との間に配置された焼結摩擦材料2の摩擦力により回
転が抑制される。
【0012】このように作用する焼結摩擦材料2は、例
えば図2〜図4に示されているようにリング状、C字状
及び3分割のリング状に構成される。要するに、焼結摩
擦材料2の形状は、薄肉のリングを基本とし、これをド
ラムに圧入したり、リングを切断して嵌め込んだり、リ
ングを分割して嵌め込んでもよい。
えば図2〜図4に示されているようにリング状、C字状
及び3分割のリング状に構成される。要するに、焼結摩
擦材料2の形状は、薄肉のリングを基本とし、これをド
ラムに圧入したり、リングを切断して嵌め込んだり、リ
ングを分割して嵌め込んでもよい。
【0013】この焼結摩擦材料2は、Cu系又はFe系
からなり、その組成は、Cu又はFeを主成分とし、こ
れに強化元素及びモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分を
それぞれ含有させたものである。
からなり、その組成は、Cu又はFeを主成分とし、こ
れに強化元素及びモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分を
それぞれ含有させたものである。
【0014】主成分としてのCu又はFeは、摩擦材料
自身の強度を担う成分で、必要な材料強度、耐焼き付き
性及び摩擦係数を考慮して重量比で40%以上97%未
満とした。これは、40%未満であると必要な材料強度
が得られず、97%以上であると耐焼き付き性が悪化
し、摩擦係数も低く不安定となるからである。
自身の強度を担う成分で、必要な材料強度、耐焼き付き
性及び摩擦係数を考慮して重量比で40%以上97%未
満とした。これは、40%未満であると必要な材料強度
が得られず、97%以上であると耐焼き付き性が悪化
し、摩擦係数も低く不安定となるからである。
【0015】また、強化元素は、主成分としてのCu又
はFeからなるマトリックスを強化するものであって、
Sn,Zn,Al,Fe(Cu系のみ),Cu(Fe系
のみ),Co,Ni,Mn,Siから選択された1種又
は2種以上からなり、重量比で3%以上40%以下とし
た。これは、3%未満であると強化効果が少なく、40
%を越えると逆に強度が低下したり、原料価格が高くな
ったりするからである。
はFeからなるマトリックスを強化するものであって、
Sn,Zn,Al,Fe(Cu系のみ),Cu(Fe系
のみ),Co,Ni,Mn,Siから選択された1種又
は2種以上からなり、重量比で3%以上40%以下とし
た。これは、3%未満であると強化効果が少なく、40
%を越えると逆に強度が低下したり、原料価格が高くな
ったりするからである。
【0016】さらに、モ−ス硬さ3以上の前記硬質成分
は、摩擦係数を上げたり、耐摩耗性の向上に効果がある
もので、Al2O3 ,ムライト(3〜2Al2O3・2S
iO2),ジルコンサンド(ZrO2・SiO2),Zr
O2,WC,Fe−Cr,Cr,Si3N4等の1種又は
2種以上からなり、重量比で0.1%以上20%以下と
した。これは、0.1%未満では、その効果が小さく、
20%を越えると相手材の摩耗が多くなったり、ブレ−
キ鳴きが大きくなったりするからである。
は、摩擦係数を上げたり、耐摩耗性の向上に効果がある
もので、Al2O3 ,ムライト(3〜2Al2O3・2S
iO2),ジルコンサンド(ZrO2・SiO2),Zr
O2,WC,Fe−Cr,Cr,Si3N4等の1種又は
2種以上からなり、重量比で0.1%以上20%以下と
した。これは、0.1%未満では、その効果が小さく、
20%を越えると相手材の摩耗が多くなったり、ブレ−
キ鳴きが大きくなったりするからである。
【0017】このような組成範囲にあるCu系又はFe
系の焼結摩擦材料2は、マトリックスの強化元素として
P,Bを添加、或いはC,MoS2などの潤滑成分を添
加したり、気孔率の特定、或いは油又はグリ−スの含浸
を配慮することにより、摩擦係数、ブレ−キ鳴きの大き
さを制御することが可能である。そして、前記P,B
は、0.01%以上5%以下の1種又は2種としてマト
リックスの強化元素として添加される。これは、0.0
1%未満では強化効果が少なく、5%を越えると逆に強
度が低下するからである。
系の焼結摩擦材料2は、マトリックスの強化元素として
P,Bを添加、或いはC,MoS2などの潤滑成分を添
加したり、気孔率の特定、或いは油又はグリ−スの含浸
を配慮することにより、摩擦係数、ブレ−キ鳴きの大き
さを制御することが可能である。そして、前記P,B
は、0.01%以上5%以下の1種又は2種としてマト
リックスの強化元素として添加される。これは、0.0
1%未満では強化効果が少なく、5%を越えると逆に強
度が低下するからである。
【0018】また、前記潤滑成分は、摩擦係数の安定、
耐摩耗性の向上、耐焼き付き性の向上等に効果があるも
ので、C,MoS2,WS2,Pb,Sb,Bi,Agか
ら選択された1種又は2種以上からなり、重量比で0.
1%以上20%以下が好適する。これは、0.1%未満
では、その効果が小さく、20%を越えると逆に摩耗量
が多くなったり、強度が低下するからである。ただし、
含浸した油又はグリ−スで前記効果が達成される場合に
は含有しなくてもよい。
耐摩耗性の向上、耐焼き付き性の向上等に効果があるも
ので、C,MoS2,WS2,Pb,Sb,Bi,Agか
ら選択された1種又は2種以上からなり、重量比で0.
1%以上20%以下が好適する。これは、0.1%未満
では、その効果が小さく、20%を越えると逆に摩耗量
が多くなったり、強度が低下するからである。ただし、
含浸した油又はグリ−スで前記効果が達成される場合に
は含有しなくてもよい。
【0019】さらに、焼結摩擦材料2の気孔率は、摩擦
材料の弾力性や硬さ、振動減衰率、すなわち摩擦係数、
ブレ−キ鳴きの大きさに影響を及ぼす。最適な気孔率
は、材料組成、使用用途等によって変化するが、自転車
用の用途においては、5%以上30%以下が好適する。
これは、5%未満であると、摩擦係数が小さい、ブレ−
キ鳴きの発生等の問題があり、30%を越えると、材料
強度が低下するという問題があるからである。
材料の弾力性や硬さ、振動減衰率、すなわち摩擦係数、
ブレ−キ鳴きの大きさに影響を及ぼす。最適な気孔率
は、材料組成、使用用途等によって変化するが、自転車
用の用途においては、5%以上30%以下が好適する。
これは、5%未満であると、摩擦係数が小さい、ブレ−
キ鳴きの発生等の問題があり、30%を越えると、材料
強度が低下するという問題があるからである。
【0020】また、焼結摩擦材料2の気孔内に油又はグ
リ−スを含浸させると、ブレ−キ鳴きの低減や摩擦係数
の安定化、耐摩耗性、耐焼き付き性の向上に有効であ
る。これは、従来のように油やグリ−スをロ−ラ−ブレ
−キの部品の隙間に充填する場合は、それらが使用中に
流れ出したりするので、補給する必要があったのに対
し、本発明では、油やグリ−スを焼結摩擦材料2中に含
浸しているので、使用中に流れ出る心配もなく、メンテ
ナンスフリ−が可能である。この場合、前記油又はグリ
−スは、その成分中に有機モリブデン系の添加剤が5重
量%以上80%以下含有していると、ブレ−キ鳴きの低
減、耐摩耗性、耐焼き付き性の向上に一層の効果があ
る。そして、5重量%未満であるとその効果が小さく、
80重量%を越えると焼結摩擦材料2中に含浸しにくく
なる。
リ−スを含浸させると、ブレ−キ鳴きの低減や摩擦係数
の安定化、耐摩耗性、耐焼き付き性の向上に有効であ
る。これは、従来のように油やグリ−スをロ−ラ−ブレ
−キの部品の隙間に充填する場合は、それらが使用中に
流れ出したりするので、補給する必要があったのに対
し、本発明では、油やグリ−スを焼結摩擦材料2中に含
浸しているので、使用中に流れ出る心配もなく、メンテ
ナンスフリ−が可能である。この場合、前記油又はグリ
−スは、その成分中に有機モリブデン系の添加剤が5重
量%以上80%以下含有していると、ブレ−キ鳴きの低
減、耐摩耗性、耐焼き付き性の向上に一層の効果があ
る。そして、5重量%未満であるとその効果が小さく、
80重量%を越えると焼結摩擦材料2中に含浸しにくく
なる。
【0021】
【実施例】表1は、本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩
擦材料2の形状を示したもので、それぞれ図2〜図4に
相当するものである。
擦材料2の形状を示したもので、それぞれ図2〜図4に
相当するものである。
【0022】
【表1】 表2及び表3は、試験に用いた本発明ロ−ラ−ブレ−キ
用の焼結摩擦材料2及び比較材料の組成をそれぞれCu
系及びFe系について示したものである。この場合、比
較材料は、材料−A,B,C,Dで示されており、気孔
率はすべて20%前後とし、油含浸ありの試料には、有
機モリブデン系の極圧添加剤30%を含む油が含浸され
ている。なお、本発明の焼結摩擦材料2は、通常の粉末
冶金法により次のような工程で製造したものである。
用の焼結摩擦材料2及び比較材料の組成をそれぞれCu
系及びFe系について示したものである。この場合、比
較材料は、材料−A,B,C,Dで示されており、気孔
率はすべて20%前後とし、油含浸ありの試料には、有
機モリブデン系の極圧添加剤30%を含む油が含浸され
ている。なお、本発明の焼結摩擦材料2は、通常の粉末
冶金法により次のような工程で製造したものである。
【0023】各成分を秤量し、Vミキサ−で30分間
混合する。この場合、強化元素としてのP,Bについて
は、Cu3P(14.0wt%P),NiB(15.6
wt%B),Fe3P(15.6wt%P),Fe2B
(8.8wt%B)として配合した。
混合する。この場合、強化元素としてのP,Bについて
は、Cu3P(14.0wt%P),NiB(15.6
wt%B),Fe3P(15.6wt%P),Fe2B
(8.8wt%B)として配合した。
【0024】所定の金型を用いて、各試料を2Mgf
/cm2 でプレス成形する。
/cm2 でプレス成形する。
【0025】H2気流中で、表2及び表3に示された
所定の温度で1時間の焼結を行なう。
所定の温度で1時間の焼結を行なう。
【0026】得られた焼結体を真空容器内に入れ、排
気後含浸油を容器内に入れて含浸を行なう。
気後含浸油を容器内に入れて含浸を行なう。
【0027】このようにして含浸された焼結摩擦材料
をロ−ラブレ−キ内に組込む。
をロ−ラブレ−キ内に組込む。
【0028】
【表2】重量%
【0029】
【表3】重量% 表4は、一般の買物用自転車における実車試験の結果を
示したものであり、焼結摩擦材料2の形状と組成との組
合せにより本発明品及び比較品に分けたものである。こ
の場合、実車試験は、約10度勾配の下り坂舗装路約1
000mを走行中に30回の制動を行ない、効力、鳴き
について3段階(良、普通、悪)の評価を行なった。ま
た、試験後の摩擦材料、ドラム、シュ−を取り出し、耐
焼き付き性についても3段階の評価を行なった。
示したものであり、焼結摩擦材料2の形状と組成との組
合せにより本発明品及び比較品に分けたものである。こ
の場合、実車試験は、約10度勾配の下り坂舗装路約1
000mを走行中に30回の制動を行ない、効力、鳴き
について3段階(良、普通、悪)の評価を行なった。ま
た、試験後の摩擦材料、ドラム、シュ−を取り出し、耐
焼き付き性についても3段階の評価を行なった。
【0030】
【表4】 また、本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料2につ
いて、表2及び表3中のAl2O3、ムライトに代えてジ
ルコンサンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,Cr,S
i3N4を適用したものを表4と同様の実車試験をした
が、いずれも良好な結果が得られた。また、潤滑成分に
ついても、C,MoS2に代えてPb,Bi,Agを適
用したものを表4と同様な実車試験をしたが、いずれも
良好な結果が得られた。
いて、表2及び表3中のAl2O3、ムライトに代えてジ
ルコンサンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,Cr,S
i3N4を適用したものを表4と同様の実車試験をした
が、いずれも良好な結果が得られた。また、潤滑成分に
ついても、C,MoS2に代えてPb,Bi,Agを適
用したものを表4と同様な実車試験をしたが、いずれも
良好な結果が得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにロ−ラ−
ブレ−キ用のCu系又はFe系の焼結摩擦材料を提供し
たものであるから、ロ−ラ−ブレ−キの効力が上がり、
効きの安定性、耐焼き付き性も向上し、ブレ−キ鳴きも
低減するという利点を有する。したがって、本発明の焼
結摩擦材料は、ロ−ラ−ブレ−キ用焼結摩擦材料とし
て、工業上有用な材料である。
ブレ−キ用のCu系又はFe系の焼結摩擦材料を提供し
たものであるから、ロ−ラ−ブレ−キの効力が上がり、
効きの安定性、耐焼き付き性も向上し、ブレ−キ鳴きも
低減するという利点を有する。したがって、本発明の焼
結摩擦材料は、ロ−ラ−ブレ−キ用焼結摩擦材料とし
て、工業上有用な材料である。
【図1】本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料を組
込んだ一実施例を示すロ−ラ−ブレ−キの要部の断面図
である。
込んだ一実施例を示すロ−ラ−ブレ−キの要部の断面図
である。
【図2】本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料の一
実施例を示す正面図である。
実施例を示す正面図である。
【図3】本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料の他
の実施例を示す正面図である。
の実施例を示す正面図である。
【図4】本発明ロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料の別
の実施例を示す正面図である。
の実施例を示す正面図である。
1 ドラム 2 焼結摩擦材料 3 ブレ−キシュ−
Claims (8)
- 【請求項1】 鉄系合金製のドラムとシュ−との間に組
込まれるロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料において、 前記焼結摩擦材料は、重量比において、その組成がCu
を40%以上97%未満、Sn,Zn,Al,Fe,C
o,Ni,Mn,Siから選択された1種又は2種以上
の強化元素を3%以上40%以下、Al2O3,ムライ
ト,ジルコンサンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,C
r,Si3N4等のモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分の
1種又は2種以上を0.1%以上20%以下含むことを
特徴とするロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の強化元素には、0.01
%以上5%以下のP,Bの1種又は2種が含まれる請求
項1記載のロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項3】 鉄系合金製のドラムとシュ−との間に組
込まれるロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料において、 前記焼結摩擦材料は、重量比において、その組成がFe
を40%以上97%未満、Sn,Zn,Al,Cu,C
o,Ni,Mn,Siから選択された1種又は2種以上
の強化元素を3%以上40%以下、Al2O3,ムライ
ト,ジルコンサンド,ZrO2,WC,Fe−Cr,C
r,Si3N4等のモ−ス硬さ3以上からなる硬質成分の
1種又は2種以上を0.1%以上20%以下含むことを
特徴とするロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項4】 請求項3記載の強化元素には、0.01
%以上5%以下のP,Bの1種又は2種が含まれる請求
項3記載のロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項5】 前記焼結摩擦材料は、C,MoS2,W
S2,Pb,Sb,Bi,Agから選択された1種又は
2種以上の潤滑成分を重量比で0.1%以上20%以下
含む請求項1〜請求項4記載のいずれか1項に記載のロ
−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項6】 前記焼結摩擦材料は、その気孔率が5%
以上30%以下になっている請求項1〜請求項5のいず
れか1項に記載のロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項7】 前記焼結摩擦材料の気孔内には、油又は
グリ−スが含浸されている請求項6記載のロ−ラ−ブレ
−キ用の焼結摩擦材料。 - 【請求項8】 前記油又はグリ−スは、その成分中に有
機モリブデン系の添加剤が5重量%以上80%以下含ま
れている請求項7記載のロ−ラ−ブレ−キ用の焼結摩擦
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9148513A JPH10318308A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | ローラーブレーキ用の焼結摩擦材料 |
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JP9148513A JPH10318308A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | ローラーブレーキ用の焼結摩擦材料 |
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JPH10318308A true JPH10318308A (ja) | 1998-12-04 |
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JP (1) | JPH10318308A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1997
- 1997-05-22 JP JP9148513A patent/JPH10318308A/ja active Pending
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