JP4724915B2 - 溶射部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,耐摩耗性等に優れた溶射部材及びこの溶射皮膜を形成するための溶射用合金粉末に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,摺動面を有する摺動部材において,摺動面に潤滑油の供給が十分に行われないか,あるいは潤滑供給が不可能な場合には,摺動部材の摺動面表面に二硫化モリブデン(MoS2)等の固体潤滑剤を配置する手法が用いられてきた。しかし,固体潤滑剤を摺動面に塗布しただけでは固体潤滑剤が消耗して潤滑特性の長期にわたる維持が困難であった。そこで,摺動面に耐摩耗性皮膜を溶射により形成するとともに,皮膜中に固体潤滑剤を複合化させる方法が提案されてきた。
【0003】
固体潤滑剤を複合化した溶射皮膜の形成方法としては,特開昭52−50465号公報に示されているごとく,タングステン,モリブデンまたは高炭素鋼を線爆溶射してその気孔中に固体潤滑剤の懸濁液を含浸させる方法が開示されている。また,特開平01−301847号公報に金属をコーティングした固体潤滑剤の粉末を用いる方法が開示されている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の溶射皮膜やコーティング膜を有する摺動部材には次の問題がある。
即ち,上記の溶射皮膜の気孔中に固体潤滑剤を含浸させる方法においては,二硫化モリブデン(MoS2)等の固体潤滑剤を含浸できるのは比較的皮膜の表面近傍のみであって,皮膜内部にまで含浸させることが困難であった。このため,皮膜が摩耗すると潤滑剤の消耗により長期にわたって摺動面の低摩擦化や耐摩耗性が維持できなかった。潤滑特性をきめる固体潤滑剤の含浸量を制御することも困難であった。
また,固体潤滑剤を直接溶射粉末として用いることも考えられるが,溶射中の酸化によって固体潤滑剤が変質してしまい良質な皮膜を得ることが困難であった。
【0005】
一方,上記の金属をコーティングした固体潤滑剤の粉末を用いて溶射する方法においては,固体潤滑剤の変質を少なく抑えることができるようになった。しかしながら,固体潤滑剤の粉末表面に金属をメッキする前処理工程が必要で高価であった。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,長期にわたって耐摩耗性等の優れた性質を維持することができる溶射皮膜を形成してなる溶射部材及び優れた溶射皮膜を容易に形成しうる溶射用合金粉末を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,基材と,該基材の表面にモリブデンとタングステンの少なくとも一方と2〜60at%の硫黄を含有してなる溶射用合金粉末を溶射することにより該溶射用合金粉末を溶融後急冷凝固させてなる皮膜層を積層させた溶射皮膜を設けてなり,かつ,上記皮膜層は,金属マトリックスと,該金属マトリックス中に分散した二硫化モリブデンおよび/あるいは二硫化タングステンとを有し,モリブデンとタングステンと硫黄の総量に対するモリブデン及びタングステンの合計の原子濃度比が0.3以上0.5以下であり,上記皮膜層の表面粗さRzは2μm以下であることを特徴とする溶射部材にある。
【0008】
本発明において最も注目すべきことは,上記溶射皮膜は上記組成を有する溶射用合金粉末を用いて溶射することにより,上記金属マトリックス中に上記硫化物を分散させてなる皮膜層を積層してなる溶射皮膜を形成してなることである。
【0009】
上記皮膜層における金属マトリックスは,モリブデン及びタングステンよりなる金属に硫黄を固溶してなり,上記硫化物は,溶融した溶射用合金粉末が基材上で急冷凝固する際に晶出して得られたものである。この硫化物としては,二硫化モリブデン,二硫化タングステンおよびFeMo24など鉄,銅,錫,銀,ニッケルの1種又は2種以上の元素がモリブデン又はタングステンの一部と置換固溶した複合硫化物等がある。これらの硫化物としてはモリブデンを含む硫化物(例えば,FeMo24)だけであっても良いし,両者の硫化物(例えばFeMo1.50.54)が混在していても良いが,硫化物としては二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンが望ましい。
【0010】
また,上記溶射用合金粉末における硫黄の含有量が2at%未満の場合には,溶射時に溶融状態から凝固状態に変化する際に十分に上記硫化物が晶出しないという問題がある。一方,硫黄の含有量が60at%を超える場合には,得られた皮膜層,即ち溶射皮膜の強度が低下するという問題がある。
【0011】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明における溶射皮膜を形成する各皮膜層は,上記のごとく,金属マトリックス中にモリブデンあるいはタングステンを含む硫化物を分散させてなる。この硫化物は,従来より知られるごとく固体潤滑剤としての機能を有する。そのため,上記皮膜層を積層させて形成した溶射皮膜は,優れた潤滑効果を発揮すると共に,低摩擦抵抗,耐焼き付き性及び耐摩擦性の向上を図ることができる。
【0012】
また,上記硫化物は,上記のごとく,特定の組成を有する溶射用合金粉末を溶射することにより,その溶融後,急冷凝固の際に晶出して又は凝固後再加熱処理により析出させて得られる。そのため,得られた溶射皮膜の各皮膜層には,上記硫化物がほぼ均一に分散した状態で存在する。それ故,溶射皮膜が摩耗した場合においても,常にその新生面には適度の硫化物を分散させた面を設けることができる。
【0013】
また,上記硫化物は,上記のごとく,溶射時における凝固の際などに得られるので,硫化物を直接溶射する場合のような酸化による硫化物の変質等の問題が生じない。そのため,得られた硫化物は,本来の固体潤滑剤としての機能を十分に発揮しうる優れた状態に保持される。
【0014】
従って,本発明の溶射部材によれば長期にわたって耐摩耗性等の優れた性質を維持することができる溶射皮膜を形成してなる溶射部材を得ることができる。
【0015】
次に,請求項2の発明のように,上記溶射用合金粉末は,鉄,銅,錫,銀,ニッケルのいずれか1種又は2種以上を更に含有しており,かつ,モリブデンとタングステンと硫黄の総量に対するモリブデン及びタングステンの合計の原子濃度比が0.3以上0.5以下であることが好ましい。なお,最も固体潤滑作用の高いMoS2又はWS2をより多く分散させるために、モリブデンとタングステンを硫黄の総量に対し,モリブデンおよびタングステンの原子濃度比が0.3〜0.5とする
【0016】
この場合には,上記添加元素とモリブデンやタングステンとの合金相および金属間化合物相が得られることにより,金属マトリックスの種々の特性を向上させることができる。例えば,鉄やニッケルによって金属マトリックスの耐摩耗性の向上,銅によって摺動の相手材が鉄系の場合の焼付き防止,錫によって摺動面のなじみ性の向上等を得ることができる。
即ち,固体潤滑剤としての上記硫化物の効果と,金属マトリックス自体の特性の向上によって,機能を複合化させることができる。
【0017】
また,溶射時においては,溶融後急冷凝固されるので,得られる組織が急冷組織となる。このとき,上記のごとき添加元素が含有されている場合には,モリブデンやタングステンおよび硫黄が過飽和な状態で金属マトリックス中に固溶された状態となる。そのため,摺動等による加熱やメカノケミカルな反応によってモリブデンやタングステンを含む硫化物が摺動面に新たに析出し,低摩擦化を促進する働きを得ることもできる。
【0018】
なお,モリブデンとタングステンと硫黄の総量に対するモリブデン及びタングステンの原子濃度比が0.3未満である場合には,添加元素の鉄,銅,錫,銀,ニッケルの硫化物も生成し皮膜の強度や耐食性を低下させたりするという問題がある。
【0019】
次に,請求項3の発明のように,上記溶射皮膜は,セラミック又は金属よりなる強化用粉末を上記溶射用合金粉末と共に溶射して,該強化用粉末を溶融凝固させてなる強化皮膜層と上記溶射用合金粉末を溶融凝固させてなる上記皮膜層とを積層させた溶射皮膜を設けることもできる。この場合には,上記溶射用合金粉末に合金化できないような材料であっても,上記強化用粉末として溶射することにより,溶射皮膜の構成を上記皮膜層と強化皮膜層とが積層した構成とすることができる。そのため,上記皮膜層による上記の優れた効果に加えて強化皮膜層による新たな作用効果を得ることができ,溶射皮膜の特性にバリエーションを与えることができる。これにより,用途に応じて強化用粉末を適宜選択することにより,最適な特性を有する溶射皮膜を備えた溶射部材を容易に得ることができる。
【0020】
また,請求項4の発明のように,上記溶射部材は,上記溶射皮膜を摺動部分に設けてなる摺動部材として用いることができる。この場合には,非常に優れた手動特性を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる溶射部材及び溶射用合金粉末につき説明する。
本例においては,本発明の溶射用合金粉末を用いて作製した溶射部材を9種類(本発明品E1〜E9)と,本発明範囲外の溶射用合金粉末を用いて作製した溶射部材4種類(比較品C1〜C4)とを準備し,これらの耐摩耗性を比較した。
【0025】
各溶射部材に用いた溶射用合金粉末の組成を表1に示す。
比較品C4の溶射用合金粉末は市販の二硫化モリブデン粉末を使用し,その他の溶射用合金粉末は,すべて窒素ガスアトマイズ法により作製した。粒径は100μm以下とした。
本発明品E1〜E9における溶射用合金粉末は,モリブデンと2〜60at%の硫黄を含有してなる。比較品C1〜C4は硫黄含有量が上記範囲を外れるものである。
【0026】
基材としては,アルミニウム合金2017を準備し,その表面に溶射用合金粉末を溶射して,約300μmの溶射皮膜を形成した。
本発明品E1〜E9の溶射部材1における基材10表面の溶射被膜2の形成状態を模式的に図1(a)に示す。同図に示すごとく,溶射皮膜2は,溶射用合金粉末20が溶融後急冷凝固してなる皮膜層21を密に積層して形成されている。
また,各皮膜層21内の組織状態を模式的に図1(b)に示す。同図に示すごとく,各皮膜層21は,金属マトリックス211と,該金属マトリックス211中に分散したモリブデンの硫化物212とを有している。前述のように溶融後急冷凝固されるので,モリブデンやタングステンおよび硫黄などの添加元素が金属マトリックス中に固溶されている。
【0027】
一方,比較品C1〜C3において形成された溶射皮膜(図示略)は,各皮膜層内において適度な硫化物の分散がなされていない状態である。即ち,比較品C1〜C3では,ほとんど硫化物が晶出していない。C4については,溶射時の加熱のため,二硫化モリブデンの分解,酸化が激しい。
【0028】
次に,本例では,各溶射皮膜の特性を評価すべく,摩耗試験を行った。
各溶射皮膜の表面を研削とエメリー紙による研磨により50〜100μm研磨し,表面粗さをRzで2μm以下に調整し,ボールオンディスク摩耗試験に供した。
【0029】
摩耗試験は,相手材であるボールにSUJ2の鋼球(直径1/4インチ)を用い,荷重500g,摺動速度0.2m/secで大気中無潤滑の条件で行った。そして,各溶射皮膜の摩耗深さを測定した。
表1に摩耗深さの測定結果を併せて記載する。
【0030】
【表1】
Figure 0004724915
【0031】
表1に示すごとく,本発明品E1〜E7は,すべて比較品C1〜C4と比べて摩耗深さが小さく,耐摩耗性に優れることが分かる。
なお,本発明品E7及びE8におけるCr及びSiの添加は,溶射中における溶射用合金粉末の酸化を防止するためのものである。
【0032】
実施形態例2
本例では,実施形態例1における本発明品E4の溶射用合金粉末に強化用粉末として比較品C1における溶射用合金粉末を加えて溶射したもの(本発明品E10)を作製し,その評価を行った。
本発明品E10を作製するに当たっては,表1におけるE4の組成の溶射用合金粉末とC1の組成の溶射用合金粉末とを1:1の割合で混合して溶射した。その他は実施形態例1と同様とした。
また,比較のために,実施形態例1における比較品C1と,本発明品E4と共に,上記と同様の摩耗試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004724915
【0034】
表2より知られるごとく,本発明品E10は,比較品C1よりも耐摩耗性に優れるだけでなく,本発明品E4よりも優れることが分かる。これは,Fe−C粉末を強化用粉末として加えて同時に溶射することにより,図2に示すごとき状態の溶射皮膜2が得られるためであると考えられる。同図に示すごとく,溶射用合金粉末20より得られた皮膜層21と強化用粉末30により得られた強化皮膜層31とが互いに積層して得られることにより,両者の特性を複合的に発揮させることができる。それ故,この場合には強化皮膜層31の存在により,摩耗強度が増し,上記の結果が得られたと考えられる。
【0035】
実施形態例3
本例では,表1における本発明品E4の溶射用合金粉末に加えてアルミニウム合金(Al−40wt%Si−5wt%Cu)粉末を1:3の重量割合で加えて混合し,これを用いて実施形態例1と同様に溶射して得られた本発明品E11を作製し,その耐摩耗性を評価した。
【0036】
また,比較のために,上記と同じアルミニウム合金だけを溶射用合金粉末として用いて作製した比較品C5も作製し,同様に評価した。
なお,本例における摩耗試験では条件を若干変更した。即ち,荷重300g,摺動速度0.5m/sec,大気中無潤滑下という条件で,ボールオンディスク試験を行った。相手材のボールは実施形態例1と同様とした。
摩耗試験結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0004724915
【0038】
表3より知られるごとく,本発明品E11は比較品C5に比べて格段に耐摩耗性に優れていることが分かる。
【0039】
実施形態例4
本例においては,溶射部材の潤滑油下での摩耗性の評価試験を行った。
表4に示すごとく,本発明品E12,E13,E14及び比較品C6,C7,C8の溶射粉末を調製した。これらの溶射粉末を,基材としてのアルミニウム合金2017に溶射して,溶射皮膜を形成した。
【0040】
次に,各溶射皮膜の摩耗試験を行った。すなわち,各溶射皮膜の表面を研削し,エメリー紙により研磨し,ボールオンディスク摩耗試験に被試験体として供した。摩耗試験では,図3に示すごとく,被試験体71と,その相手材であるボール72との間から,被試験体71の摩擦表面に潤滑油73を滴下した。ボール72としては,SUJ2ボールの鋼球(直径1/4インチ)を用い,荷重3kgf,摺動速度0.2m/sの条件で行った。潤滑油73としては,エンジン油(5w20)を用い,滴下量は5cc/minとした。
【0041】
そして,各溶射皮膜の摩耗深さ,摩耗係数及び硬さを測定し,その結果を表4に示した。また,図4には,本発明品E12,E14及び比較品C6,C7,C8の摩耗深さを,図5にはそれらの摩擦係数を示した。図6(a),(b)には,それぞれ,本発明品E12及び比較品C7の摩擦表面状態を示した。
【0042】
上記測定結果より,本発明品E12,E14は,比較品C7に比べて摩耗深さが小さく,また摩擦係数については本発明品E12,E14は,比較品C6,C7,C8に比べて小さいことがわかる。図6において本発明品E12の摩耗表面状態を比較品C7のそれと比較すると,本発明品E12は摩耗深さが小さいだけでなく,摩耗溝の面積も小さいことがわかる。
また,本発明品E12,E13,E14の硬さは,SUS(比較品C8)より軟らかいにもかかわらず,潤滑成分により摩擦がマイルドになり,摩擦係数も摩耗量も小さかった。しかも,本発明品E12,E13,E14は比較品C8より軟らかいので切削・研削加工しやすい。
以上より,本発明品E12,E14は,比較品C6,C7,C8に比べて,摩耗深さ及び摩耗係数の双方が小さく,耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0043】
【表4】
Figure 0004724915
【0044】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,長期にわたって耐摩耗性等の優れた性質を維持することができる溶射皮膜を形成してなる溶射部材及び優れた溶射皮膜を容易に形成しうる溶射用合金粉末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)溶射皮膜の構造,(b)皮膜層内の組織状態,をそれぞれ示す説明図。
【図2】実施形態例2における,溶射皮膜の構造を示す説明図。
【図3】実施形態例4における,潤滑油滴下でのボールオンディスク摩耗試験の説明図。
【図4】実施形態例4における,本発明品E12,E14及び比較品C6,C7,C8の摩耗深さの説明図。
【図5】実施形態例4における,本発明品E12,E14及び比較品C6,C7,C8の摩耗係数の説明図。
【図6】実施形態例4における,本発明品E12の摩擦表面状態の説明図(a),および比較品C7の摩擦表面状態の説明図(b)。
【符号の説明】
1...溶射部材,
2...溶射皮膜,
20...溶射用合金粉末,
21...皮膜層,
211...金属マトリックス,
212...硫化物,
30...強化用粉末,
31...強化皮膜層,

Claims (4)

  1. 基材と,該基材の表面にモリブデンとタングステンの少なくとも一方と2〜60at%の硫黄を含有してなる溶射用合金粉末を溶射することにより該溶射用合金粉末を溶融後急冷凝固させてなる皮膜層を積層させた溶射皮膜を設けてなり,かつ,上記皮膜層は,金属マトリックスと,該金属マトリックス中に分散した二硫化モリブデンおよび/あるいは二硫化タングステンとを有し,モリブデンとタングステンと硫黄の総量に対するモリブデン及びタングステンの合計の原子濃度比が0.3以上0.5以下であり,上記皮膜層の表面粗さRzは2μm以下であることを特徴とする溶射部材。
  2. 請求項1において,上記溶射用合金粉末は,鉄,銅,錫,銀,ニッケルのいずれか1種又は2種以上を更に含有しており,かつ,モリブデンとタングステンと硫黄の総量に対するモリブデン及びタングステンの合計の原子濃度比が0.3以上0.5以下であることを特徴とする溶射部材。
  3. 請求項1又は2において,上記溶射皮膜は,セラミック又は金属よりなる強化用粉末を上記溶射用合金粉末と共に溶射して,該強化用粉末を溶融凝固させてなる強化皮膜層と上記溶射用合金粉末を溶融凝固させてなる上記皮膜層とを積層させた溶射皮膜を設けてなることを特徴とする溶射部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記溶射部材は,上記溶射皮膜を摺動部分に設けてなる摺動部材であることを特徴とする溶射部材。
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