JPH09112220A - タペット用シム及びその製造方法 - Google Patents

タペット用シム及びその製造方法

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JPH09112220A
JPH09112220A JP27400595A JP27400595A JPH09112220A JP H09112220 A JPH09112220 A JP H09112220A JP 27400595 A JP27400595 A JP 27400595A JP 27400595 A JP27400595 A JP 27400595A JP H09112220 A JPH09112220 A JP H09112220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shim
cam
liquid lubricant
opening area
tappet
Prior art date
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Pending
Application number
JP27400595A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Asanuma
宏昭 浅沼
Akihiro Hamada
章宏 浜田
Takeshi Sasa
猛志 佐々
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oozx Inc
Original Assignee
Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Oozx Inc, Fuji Valve Co Ltd filed Critical Fuji Oozx Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持続性のある自己潤滑性をシムに与えること
により、シムの摩耗を長期間に亘って抑える。 【解決手段】 シム10におけるカムとの接触面に、開
口面積を内部よりも縮径させた微細な凹孔12を多数形
成し、この凹孔12内に、液体潤滑剤13を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己潤滑性を与え
て耐摩耗性を向上させたタペット用シム及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの直動型の動弁機構に用いられ
るタペットには、通常、その上面におけるカムとの接触
面に、弁隙間調整用のシムが装着されている。このシム
は、カムにより大きな繰り返し荷重を受けるので摩耗し
易い。
【0003】シムが摩耗すると、弁隙間が過大となって
大きな機械的騒音を発したり、エンジンバルブのリフト
量が小さくなるなどしてエンジンの出力低下を招く。
【0004】そのため従来は、シムを高強度を有すると
ともに、耐摩耗性の高い材料を用いて形成し、かつ表面
に硬化処理を施したり、シムの表面にグラファイトや二
硫化モリブデン等の固体潤滑剤をコーティングすること
により、カムとの接触面の自己潤滑性を高めて摩耗を減
少させたりする処理を施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した前者のシムで
は、耐摩耗性の高い材料は一般に高価であり、しかもそ
れに硬化処理を施すと、製造コストが増大する。また、
後者のシムのように、表面に単に固体潤滑剤をコーティ
ングしたのみでは、固体潤滑剤が使用初期に剥離してし
まい、自己潤滑性の向上効果が期待できない。
【0006】本発明の目的は、簡単な手段で持続性のあ
る自己潤滑性をシムに与えることにより、長期間に亘っ
てシムの摩耗を最小限に抑えうるようにした、タペット
用シム及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (1) シムにおけるカムとの接触面に、開口面積を内部
よりも縮径させた微細な凹孔を多数形成し、この凹孔内
に、液体潤滑剤を充填する。
【0008】(2) 上記(1)項において、シムにおける
タペットとの接触面にも凹孔を形成し、この凹孔内に液
体潤滑剤を充填する。
【0009】(3) 上記(1)又は(2)項において、液体
潤滑剤を有機モリブデンとする。
【0010】(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおい
て、凹孔の開口面積を、0.1〜50,000μm2の範囲とす
る。
【0011】上記シムは、粉末冶金法により、製造しよ
うとするシムとほぼ同形の焼結体を成形したのち、この
焼結体に液体潤滑剤を含浸させ、焼結体における少なく
ともカムとの接触面に開口している空孔の開口面積を所
要寸法まで縮径することにより製造するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図1〜図4を
参照して説明する。図1は、内燃機関の直動型の動弁機
構を示す。(1)はカムで、図示しないクランクシャフト
の回転と一体的に回転する。(2)は、エンジンバルブで
ある。
【0013】(3)はタペットで、カム(1)に追従して上
下方向に往復運動をし、その運動をエンジンバルブ(2)
に伝える働きをする。(4)はシリンダヘッドで、タペッ
ト(3)の往復運動を案内している。(5)はバルブスプリ
ングで、エンジンバルブ(2)を閉じる方向に付勢してい
る。
【0014】(6)は、スプリングリテーナで、バルブス
プリング(5)のばね力をエンジンバルブ(2)に伝える働
きをする。(7)(7)は、1対のコッタで、エンジンバル
ブ(2)の軸端部の環状溝(8)を抱くように嵌まり、スプ
リングリテーナ(6)を軸部に止着している。
【0015】タペット(3)は、有頂円筒形のボディ本体
(9)、シム(10)、及びチップ(11)とから構成されてい
る。ボディ本体(9)は、軽量化を図って慣性力を小さく
するために、アルミニウム合金により成形されている。
【0016】シム(10)におけるカム(1)が接触する上面
には、図3に拡大して示すように、開口部の面積を内部
よりも縮径した微細な凹孔(2)が、ランダムに、かつ一
様な面密度で形成され、各凹孔(12)内には、有機モリブ
デン等の液体潤滑剤(13)が充填されている。
【0017】凹孔(12)の開口面積は、0.1〜50,000μm2
の範囲とするのが好ましい。これは、0.1μm2以下とす
ると、液体潤滑剤(13)による潤滑効果が望めなく、また
50,000μm2以上とすると、エンジン運転中に液体潤滑剤
(13)が溢出してしまうとともに、シム(10)の強度が急激
に低下するからである。上記凹孔(12)は、例えば放電加
工により容易に形成しうる。
【0018】次に、シム(10)の製造要領について説明す
る。まず、シム(10)を、通常の粉末冶金法、すなわち鉄
系の安価な合金粉末を圧縮成形して、製造しようとする
シムとほぼ同形をなす圧粉体を形成したのち、これを焼
結することにより形成する。
【0019】焼結体は、一般に多孔質であるため、シム
(10)には、図4に示すように、その表面から内部まで多
数の微細な空孔(14)が形成される。シム(10)を焼結によ
り形成したのち、図5に示すように、空孔(14)に有機モ
リブデン等の液体潤滑剤(13)を含浸させる。含浸は、液
体潤滑剤の中にシム(10)を数時間浸漬しておくだけでも
よいが、減圧状態で行うと効果的である。
【0020】液体潤滑剤(13)を含浸させたのち、図6に
示すように、シム(10)の表面に開口している多数の空孔
(14)の開口面積を小さくする縮径処理を施せば、図3と
同様のシム(10)が得られる。
【0021】空孔(14)の開口面積を縮径する方法として
は、鍛造等により、シム(10)を厚さ方向に強圧するか、
又は表面を砥石等により研摩すればよい。すなわち、鍛
造処理を施すと、空孔(14)が押しつぶされてその開口面
積が小さくなり、また研摩処理を施すと、研削時のバリ
により、表面の開口面積は小さくなる。なお、空孔(14)
の開口面積は、前述したと同様、0.1〜50,000μm2の範
囲となるようにするのがよい。
【0022】以上説明したように、シム(10)の表面に形
成した凹孔(12)又は空孔(14)内に、有機モリブデン等の
液体潤滑剤(13)が充填又は含浸されていると、シム(10)
の自己潤滑性が向上し、かつシム(10)とカム(1)との摺
動面に液体潤滑剤(13)の薄膜が形成されるので、シム(1
0)とカム(1)との摩擦抵抗が低減し、シム(10)はもとよ
り、カム(1)の摩耗をも抑えることができる。
【0023】また、凹孔(12)及び空孔(14)の開口面積を
小としてあるため、液体潤滑剤(13)の溢出量が抑制さ
れ、長期間に亘ってシム(10)の自己潤滑性を維持するこ
とができる。
【0024】図7は、本願発明のシム(10)の効果を確認
するために、従来のシムとの比較試験を行った際のグラ
フである。このグラフにより明らかなように、本願発明
のシム(10)の方が、全回転領域に亘ってフリクショント
ルクが小さくなっており、自己潤滑性が高まっているこ
とが判る。
【0025】上記実施例のシム(10)では、カム(1)と接
触する上面にのみ凹孔(12)を形成し、この中に液体潤滑
剤(13)を充填しているが、タペット(3)と接触する下面
をも、上面と同様の構成としてもよい。このようにする
と、タペット(3)とシム(10)とが相対回転した際に、互
いの接触面の摩耗を抑えることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。 (1) シムの最も耐摩耗性を必要とする表面に、液体潤
滑剤が保持されているので、その部分の自己潤滑性が向
上し、摩擦抵抗が低減して、耐摩耗性を大幅に高めるこ
とができる。また、凹孔の開口面積を縮径してあるた
め、液体潤滑剤の溢出量が抑制され、従来の固体潤滑剤
の塗布の場合のように、それが簡単に剥離して消失して
しまう恐れはなく、長期間にわたってシムの摩耗を最小
限に抑えることができる。
【0027】(2) 請求項2のようにすると、シムとタ
ペットとの接触面の耐摩耗性をも向上させうる。
【0028】(3) 請求項4のようにすると、シムの潤
滑効果と強度とを両立させることができる。
【0029】(4) 請求項5の製造方法とすると、上述
した効果を有するシムを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシムを備える直動型の動弁機構を示す
中央縦断正面図である。
【図2】本発明のシムの斜視図である。
【図3】同じく要部の拡大縦断面図である。
【図4】シムの製造工程における焼結後の拡大縦断面図
である。
【図5】同じく液体潤滑剤含浸後の拡大縦断面図であ
る。
【図6】同じく空孔の開口面積を縮径した状態を示す拡
大縦断面図である。
【図7】本発明と従来のシムとのフリクショントルクの
比較例を示すグラフである。
【符号の説明】
(1)カム (2)エンジンバルブ (3)タペット (4)シリンダヘッド (5)バルブスプリング (6)スプリングリテーナ (7)コッタ (8)環状溝 (9)ボディ本体 (10)シム (11)チップ (12)凹孔 (13)液体潤滑剤 (14)空孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シムにおけるカムとの接触面に、開口面
    積を内部よりも縮径させた微細な凹孔を多数形成し、こ
    の凹孔内に、液体潤滑剤を充填したことを特徴とするタ
    ペット用シム。
  2. 【請求項2】 シムにおけるタペットとの接触面にも凹
    孔を形成し、この凹孔内に液体潤滑剤を充填したことを
    特徴とする請求項1記載のタペット用シム。
  3. 【請求項3】 液体潤滑剤が有機モリブデンである請求
    項1又は2記載のタペット用シム。
  4. 【請求項4】 凹孔の開口面積を、0.1〜50,000のμm2
    の範囲としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のタペット用シム。
  5. 【請求項5】 粉末冶金法により製造しようとするシム
    とほぼ同形の焼結体を成形したのち、この焼結体に液体
    潤滑剤を含浸させ、焼結体における少なくともカムとの
    接触面に開口している空孔の開口面積を所要寸法まで縮
    径することを特徴とするタペット用シムの製造方法。
JP27400595A 1995-10-23 1995-10-23 タペット用シム及びその製造方法 Pending JPH09112220A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10318308A (ja) * 1997-05-22 1998-12-04 Toshiba Tungaloy Co Ltd ローラーブレーキ用の焼結摩擦材料
JP2009047048A (ja) * 2007-08-17 2009-03-05 Hitachi Ltd カム部材及び該カム部材の製造方法、該カム部材が用いられた内燃機関の動弁装置
JP2009281169A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd 燃料噴射装置固定用ホルダ

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