JPH10318305A - ディスクブレーキ装置のアジャスタ - Google Patents

ディスクブレーキ装置のアジャスタ

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JPH10318305A
JPH10318305A JP9124071A JP12407197A JPH10318305A JP H10318305 A JPH10318305 A JP H10318305A JP 9124071 A JP9124071 A JP 9124071A JP 12407197 A JP12407197 A JP 12407197A JP H10318305 A JPH10318305 A JP H10318305A
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gear
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ratchet
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Hideyuki Fujinami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータ軸方向の寸法を抑えることができ、ロ
ードプレートをピストンと摩擦パッドの間に介在させる
必要がなく、小型化や軽量化に適したアジャスタを得
る。 【解決手段】 ディスクブレーキ装置において摩擦パッ
ド6をロータ4に押圧する一対のピストン15、16間
に、操作レバー36と一体に回動する偏心カムシャフト
34上のアジャスタレバー38によってラチェット32
を回転させる機構を組み込み、ギヤ駆動用ばね部材70
により前記ラチェット32に弾性的に連結されたアジャ
スタギヤ30の回転を該アジャスタギヤ30に噛合した
伝達ギヤ27、28に伝達して、該伝達ギヤ27、28
に螺合しているアジャスタねじ21、22を回転させ、
該アジャスタねじ21、22に螺合している各ピストン
15、16をロータ4側に押し出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクブレーキ
装置においてロータと摩擦パッドとの間の隙間調整を行
うアジャスタに関するもので、詳しくは、制動動作時に
おける摩擦パッドの駆動源に空気圧を利用するエアー駆
動式のディスクブレーキ装置に用いて好適なアジャスタ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、エアー駆動式のディスクブレ
ーキ装置に使用されるアジャスタとして、摩擦パッドの
裏板に当接させた一対の加圧片の後方に、回転駆動され
るとねじによる送り機構を介して前記加圧片をロータ側
に押し出す調整スピンドルと、各調整スピンドルを回転
駆動するための操作レバーと、各調整スピンドルの回転
を同期させる同期装置と、各調整スピンドルに作用する
回転トルクを調整する後調整装置とを組み込んだ構成の
ものが提案されている(特表平8−508080号参
照)。
【0003】また、外周に雄ねじが刻設されると共に先
端をロータに向けてロータの軸方向に移動可能に装備さ
れて摩擦パッドを押圧する一対のピストンと、それぞれ
のピストンの外周に刻設された雄ねじ部に螺合する雌ね
じ部が内周に形成されて回転駆動されるとピストンをロ
ータ軸に沿って進退させる一対のスリーブと、各スリー
ブの端部に連結されてスリーブと一体に回転する一対の
伝達ギヤと、これらの一対の伝達ギヤと噛合するように
これらの一対の伝達ギヤ間に装備されたアジャスタギヤ
と、操作レバーを回動操作によって回動するカムシャフ
トと、このカムシャフトの回転によって前記アジャスタ
ギヤを回転させる伝達機構とを備えた構成のアジャスタ
も提案されている(欧州特許 EP0703379A1
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のアジ
ャスタの場合は、調整スピンドルを始めとして各種の機
構がロータ軸方向に繋がる構造のため、ロータ軸方向に
寸法が大きくなり、ロータ軸方向に大きな収容スペース
の確保が必要で、小型の車両等には搭載することが難し
いという問題があった。
【0005】また、後者のアジャスタの場合は、摩擦パ
ッドを押圧する一対のピストンをスリーブ内に螺合させ
る構造のため、ピストンの外径が小さくなる。そのた
め、摩擦パッドとの接触性を安定させるためには、摩擦
パッドに対して接触面積の大きなロードプレートを介在
させる必要があり、該ロードプレートの装備のために重
量が増大し、重量化という問題が生じる。そして、ロー
ドプレートの重量のために、制動解除時におけるピスト
ンの戻り動作が円滑に行われず、引きずりが発生する虞
もあった。
【0006】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、ロータ軸方向の寸法を抑えることができ
て、小型の車両等にも容易に搭載でき、また、摩擦パッ
ドを押圧するピストン径を大きくすることができるた
め、ロードプレートをピストンと摩擦パッドの間に介在
させる必要がなく、軽量化を図ると同時に、制動解除時
におけるピストンの戻り動作を円滑にして引きずり等の
不都合の発生を防止することのできるディスクブレーキ
装置のアジャスタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のディスクブレーキ装置のアジャスタは、車
輪と一体回転するロータと、このロータに対向配置され
る一対の摩擦パッドと、一方の摩擦パッドを前記ロータ
に押圧するピストンの収容部となる駆動機構収容部が前
記ロータを跨ぐブリッジ部の一端に装備されると共に他
方の摩擦パッドを押圧する爪部を前記ブリッジ部の他端
に有するキャリパと、前記キャリパをロータの軸方向に
移動可能に支持したサポートとを備え、前記摩擦パッド
と前記ロータとの間の隙間調整を行うディスクブレーキ
装置のアジャスタにおいて、一端を開放した有頭筒状を
なすと共に閉じた他端をロータ側に向けてロータの軸方
向にのみ移動可能に装備された一対のピストンと、前記
ピストンの内周に螺合する一対のアジャスタねじと、前
記駆動機構収容部に回転自在に支持されると共に前記ア
ジャスタねじの端部に固定された一対の伝達ギヤと、こ
れらの一対の伝達ギヤと噛合するようにこれらの一対の
伝達ギヤ間に装備されたアジャスタギヤと、前記アジャ
スタギヤと同軸に装備されたラチェットと、前記アジャ
スタギヤと前記ラチェットとを弾性的に連結して前記ア
ジャスタギヤの回転抵抗が規定内であれば該アジャスタ
ギヤを前記ラチェットと一体回転させ、前記アジャスタ
ギヤの回転抵抗が規定以上になると該アジャスタギヤと
前記ラチェットとの相対回転を許容するギヤ駆動用ばね
部材と、軸線を前記ロータの半径方向に向けて前記一対
のピストン間に回転自在に装備された偏心カムシャフト
と、前記偏心カムシャフトの端部に連結装備されて該偏
心カムシャフトを回動操作する操作レバーと、前記偏心
カムシャフトに一端が連結されると共に他端が前記ラチ
ェットの爪に係合して前記偏心カムシャフトの回動に応
じて前記ラチェットを回転させるアジャスタレバーとを
有し、前記ラチェットの回転を前記ギヤ駆動用ばね部材
及び前記アジャスタギヤを介して一対の伝達ギヤに伝え
て、前記アジャスタねじにより各ピストンをロータ側に
送り出すことを特徴とするものである。
【0008】そして、以上の構成によれば、操作レバー
を回動すると、該操作レバーと一体に偏心カムシャフト
が回動し、該偏心カムシャフトに装備しているアジャス
タレバーが、ラチェットを一定量回動させる。そして、
ラチェットの回転力は、ギヤ駆動用ばね部材を介してア
ジャスタギヤに伝達され、アジャスタギヤの回転抵抗が
規定内であれば、アジャスタギヤはラチェットと一体回
転する。そして、アジャスタギヤの回転は、アジャスタ
ギヤに噛合している各伝達ギヤを介して各ピストンの内
周に螺合しているアジャスタねじを回転させ、このアジ
ャスタねじの回転により各ピストンがロータ側に押し出
されて、これらのピストンが当接している摩擦パッドを
ロータ側に移動させる。
【0009】そして、以上の構成では、ピストンをロー
タ側に移動させるために、ロータ軸方向に繋がる構成部
材は、アジャスタねじと、このアジャスタねじの端部に
連結された伝達ギヤ程度で、伝達ギヤに操作レバーの回
動を伝えるためのラチェット機構等は、一対のピストン
間のスペースに配置されて、ロータ軸方向の寸法に影響
を与えない。即ち、ロータ軸方向に繋がる構成部材が少
ないため、ロータ軸方向の寸法を抑えることができる。
【0010】また、摩擦パッドを押圧するピストンは、
アジャスタねじの外周に嵌合するものであるため、キャ
リパ上での寸法制限内で、ピストン径を最大限に大きく
することができる。そして、ピストン径を大きくするこ
とができるため、ピストンと摩擦パッドとの接触性が安
定し、接触性を安定するためにピストンと摩擦パッドと
の間にロードプレートを介在させる必要がなくなる。
【0011】さらに、制動動作時に作用するブレーキ軸
力により摩擦パッドを押圧しているピストンがロックし
て前記アジャスタギヤが回転できない状態(即ち、前記
アジャスタギヤの回転抵抗が規定以上になった状態)で
は、操作レバーによってラチェットが回転させられて
も、前記ギヤ駆動用ばね部材が弾性変形(ねじり変形)
してアジャスタギヤとラチェットとの間の相対回転を許
容し、アジャスタの破壊を防止すると共に、オーバーア
ジャストが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により、本発
明を説明する。図1乃至図6は本発明に係るディスクブ
レーキ装置のアジャスタの一実施形態を示したもので、
図1は一実施形態のアジャスタ1の分解斜視図、図2は
同アジャスタ1を組み込んだディスクブレーキ装置2の
一部を断面した平面図、図3は図2の要部の拡大図、図
4は図2のA−A線に沿う断面図、図5は図4の要部の
拡大図、図6は図2のB−B線に沿う断面図である。
【0013】この一実施形態のアジャスタ1が装備され
るディスクブレーキ装置2は、図2に示すように、車輪
と一体回転する円盤状のロータ4と、このロータ4を挟
んで対向配置される一対の摩擦パッド6、7と、一方の
摩擦パッド6の背面を前記ロータ4に向けて押圧するピ
ストンの収容部となる駆動機構収容部11cが前記ロー
タ4の上を跨ぐブリッジ部11aの一端に装備されると
共に前記ブリッジ部11aの他端側には他方の摩擦パッ
ド7の背面を押圧する爪部11bを有したキャリパ11
と、車体側に固定されると共に前記キャリパ11をロー
タ4の軸方向に移動可能に支持したサポート10(図4
及び図6参照)とを備えた構成で、通常の制動時(サー
ビスブレーキ時)には、圧縮空気圧によって前記一対の
摩擦パッド6、7をロータ4に押し付けて、所定の制動
力を発生させるものである。但し、前述したアジャスタ
1は、乗用車等で普及している油圧駆動式のディスクブ
レーキ装置にも搭載可能であることは言うまでもない。
【0014】前述の各摩擦パッド6、7は、ロータ4の
表面に押し付けられて所定の摩擦力を発生するライニン
グ12と、該ライニング12の裏面側に固着装備されて
取付金具等として機能する裏板13とから構成されてい
る。
【0015】一実施形態のアジャスタ1は、前記キャリ
パ11の駆動機構収容部11cに組み込まれた一対のピ
ストン15、16によって、一方の摩擦パッド6をロー
タ4側に押し出して、各摩擦パッド6、7とロータ4と
の間の隙間調整を行う。
【0016】具体的には、前記アジャスタ1は、図1及
び図2に示すように、前記キャリパ11の駆動機構収容
部11cに固定されるピストン支持ケース18と、該ピ
ストン支持ケース18によりロータ軸方向に移動自在に
支持された一対のピストン15、16と、前記ピストン
15、16の内周に螺合する一対のアジャスタねじ2
1、22と、前記ピストン支持ケース18を介して前記
駆動機構収容部11cに回転自在に支持されると共に前
記アジャスタねじ21、22のねじ部19にねじ部24
を介して固定された一対の伝達ギヤ27、28と、これ
らの一対の伝達ギヤ27、28と噛合するようにこれら
の一対の伝達ギヤ27、28間に装備されたアジャスタ
ギヤ30と、前記アジャスタギヤ30と同軸に装備され
たラチェット32と、前記アジャスタギヤ30とラチェ
ット32とを弾性的に連結して前記アジャスタギヤ30
の回転抵抗が規定内であればアジャスタギヤ30をラチ
ェット32と一体回転させ、前記アジャスタギヤ30の
回転抵抗が規定以上になるとアジャスタギヤ30とラチ
ェット32との相対回転を許容するギヤ駆動用ばね部材
70と、軸線をロータ4の半径方向に向けて前記一対の
ピストン15、16間に回転自在に装備された偏心カム
シャフト34と、前記偏心カムシャフト34の端部に連
結装備されて該偏心カムシャフト34を回動操作する操
作レバー36と、前記偏心カムシャフト34に一端が連
結されると共に他端が前記ラチェット32の爪に係合し
て、前記偏心カムシャフト34の回動に応じて前記ラチ
ェット32を回転させるアジャスタレバー38とを備え
ている。
【0017】前記ピストン支持ケース18は、前記ピス
トン15、16を収容する一対の筒状部18a、18a
間に、前記偏心カムシャフト34を挿通させるシャフト
挿通孔18bが形成された構成を成している。また、前
記シャフト挿通孔18bの中心を貫通するように、前記
アジャスタギヤ30、ラチェット32を回転自在に支持
するギヤ支持孔18cが設けられている。
【0018】前記一対のピストン15、16は、一端を
開放した有頭筒状をなしたもので、閉じた他端をロータ
4側に向けて前記ピストン支持ケース18の筒状部18
aに摺動自在に嵌合している。そして、これらのピスト
ン15、16は、ロータ軸方向にのみ移動し、ピストン
支持ケース18内での回転動作が規制されるように、摩
擦パッド6の裏板13に当接する先端面には、係合溝4
0が形成されている。この係合溝40が、裏板13に形
成された突起に係合することで、各ピストン15、16
は回転が規制される。
【0019】前記アジャスタねじ21、22は、図1乃
至図3に示すように、略筒状を成していて、基端(ねじ
部)19が前述の伝達ギヤ27、28の筒部(ねじ部)
24に固定されている。また、各アジャスタねじ21、
22の基端寄りの外周部には、鍔部42が形成されてい
る。なお、この鍔部42にピストン15、16の基端が
当接した位置が各ピストン15、16の初期位置とな
る。
【0020】前記伝達ギヤ27、28は、回転駆動され
ると、螺合しているアジャスタねじ21、22をロータ
軸方向に進退させる。これらの各伝達ギヤ27、28の
中心には、ピストン15、16を摩擦パッド6から引き
離す方向に付勢するリターンスプリング44を挿通する
ための開口が設けられている。
【0021】この一実施形態の場合、ラチェット32
は、図3に示すように、前記アジャスタギヤ30の中央
の筒状部に回転自在に嵌合した鍔付きスリーブ71とこ
の鍔付きスリーブ71をピストン支持ケース18に固定
するねじ部材72とによって、前記アジャスタギヤ30
の上に回転自在に組み付けられている。また、前記ギヤ
駆動用ばね部材70は、ねじりコイルばねである。この
ギヤ駆動用ばね部材70は、前記アジャスタギヤ30に
装備された筒状部に回転自在に外嵌すると共に、一端が
アジャスタギヤ30に装備された係止孔30aに係合
し、かつ、他端がラチェット32に係合することで、こ
れらのアジャスタギヤ30とラチェット32とを弾性的
に連結している。さらに、この一実施形態の場合は、ラ
チェット32上には、図5に示すように、前記アジャス
タギヤ30に螺着したねじ部材73の軸部が挿通する円
弧状の長孔32aが装備されている。この長孔32a
は、アジャスタギヤ30とラチェット32との間の相対
回転量を規制する。
【0022】前記リターンスプリング44は、前記伝達
ギヤ27、28やアジャスタねじ21、22内を挿通す
る筒部46aと、該筒部46aの基端から張り出して伝
達ギヤ27、28の端面に当接する位置決め片46bと
を有したばね受けスリーブ46に収容される。ばね受け
スリーブ46に収容されたリターンスプリング44は、
前記ばね受けスリーブ46の中心を挿通してピストン1
5、16に螺着したボルト48に装備されたばね受け用
の座金49により圧縮を受けて、リターン方向の付勢力
をピストン15、16に作用させている。
【0023】前記ばね受けスリーブ46の位置決め片4
6bは、前記ばね受けスリーブ46の外側から駆動機構
収容部11cにねじ止めされるボディカバー50と、伝
達ギヤ27、28との間に挾持されて、固定されてい
る。
【0024】前記アジャスタレバー38は、補助リング
52を介して偏心カムシャフト34の外周に装着され、
ねじ部材56により補助リング52と共に偏心カムシャ
フト34に固定されている。図6に示すように、この補
助リング52とカムシャフト34の突起部34aとの間
には隙間があり、一定量△xの非アジャスト範囲を設け
ることにより、引きずりを防止している。
【0025】また、図1及び図6に示したように、前記
偏心カムシャフト34の上端側は、駆動機構収容部11
cの上部に開口したシャフト挿通孔11dにねじ止めさ
れたリテーナ54により回転自在に支持される。そし
て、リテーナ54と前記補助リング52との間には、前
記アジャスタレバー38の端部がラチェット32に係合
した状態を保つように、前記アジャスタレバー38を付
勢するばね58が装備される。
【0026】そして、前記ボディカバー50には、図1
に示すように、マニュアルリリース用のギヤ60がレバ
ー61により回転操作可能に取り付けられている。この
ギヤ60は、レバー61を回動させると回転して、前記
アジャスタレバー38を上方に引き上げて、アジャスタ
レバー38とラチェット32との係合を外して、隙間調
整を初期状態に戻す。
【0027】以上に説明した一実施形態のアジャスタ1
では、操作レバー36を回動すると、該操作レバー36
と一体に偏心カムシャフト34が回動し、該偏心カムシ
ャフト34に装備しているアジャスタレバー38が、図
4及び図5に示した矢印(イ)方向に動いて、ラチェッ
ト32を一定量回動させる。そして、ラチェット32の
回転力は、ギヤ駆動用ばね部材70を介してアジャスタ
ギヤ30に伝達され、アジャスタギヤ30の回転抵抗が
規定内であれば、アジャスタギヤ30はラチェット32
と一体回転する。そして、アジャスタギヤ30の回転
は、アジャスタギヤ30に噛合している各伝達ギヤ2
7、28を介してアジャスタねじ21、22を回転さ
せ、このアジャスタねじ21、22の回転によりアジャ
スタねじ21、22に螺合する各ピストン15、16が
ロータ4側に押し出されて、これらのピストン15、1
6が当接している摩擦パッド6をロータ4側に移動させ
て、ロータ4と各摩擦パッド6、7と間の隙間を縮め
る。
【0028】そして、以上のアジャスタ1では、ピスト
ン15、16をロータ4側に移動させるために、ロータ
4軸方向に繋がる構成部材は、アジャスタねじ21、2
2と、このアジャスタねじ21、22の端部に連結され
た伝達ギヤ27、28程度で、伝達ギヤ27、28に操
作レバー36の回動を伝えるためのラチェット機構等
は、一対のピストン15、16間のスペースに配置され
て、ロータ4軸方向の寸法に影響しない。即ち、ロータ
4軸方向に繋がる構成部材が少ないため、ロータ4軸方
向の寸法を抑えることができて、小型化を図ることがで
き、小型の車両等にも搭載が容易になる。
【0029】また、摩擦パッド6、7を押圧するピスト
ン15、16は、アジャスタねじ21、22の外周に螺
合するものであるため、摩擦パッドを押圧する一対のピ
ストンをスリーブ内に螺合させる構成とした従来のもの
と比較すると、キャリパ11上での寸法制限内で、ピス
トン15、16径を最大限に大きくすることができる。
そして、ピストン15、16径を大きくすることができ
るため、ピストン15、16と摩擦パッド6、7との接
触性が安定し、接触性を安定するためにピストン15、
16と摩擦パッド6、7との間にロードプレートを介在
させる必要がなくなる。従って、ロードプレートを装備
しなければならない構造のものと比較すると、軽量化を
図ることができ、また、制動解除時におけるピストン1
5、16の戻り動作を円滑にして引きずり等の不都合の
発生を防止することができる。
【0030】さらに、制動動作時に作用するブレーキ軸
力により摩擦パッドを押圧しているピストン15、16
がロックして前記アジャスタギヤ30が回転できない状
態(即ち、前記アジャスタギヤ30の回転抵抗が規定以
上になった状態)では、操作レバー36によってラチェ
ット32が回転させられても、前記ギヤ駆動用ばね部材
70が弾性変形(ねじり変形)してアジャスタギヤ30
とラチェット32との間の相対回転を許容し、アジャス
タの破壊を防止すると共に、オーバーアジャストが防止
される。
【0031】なお、前述した一実施形態のアジャスタ1
は、操作レバー36を回動動作させた際の往動時に作動
する往き作動タイプであるが、操作レバー36の戻り動
作時に作動する戻り作動タイプに変更する場合には、図
1で二点鎖線で囲んだ構成部品64を、破線で囲んだ構
成部品66に交換すれば良い。
【0032】また、前述した一実施形態のアジャスタ1
はポジティブタイプのものであったが、ラチェット32
の爪の向きを変更して、アジャスタレバー38の当接向
きを変更すれば、ネガティブタイプとすることも可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明のディスクブレーキ装置のアジャ
スタでは、ピストンをロータ側に移動させるために、ロ
ータ軸方向に繋がる構成部材は、アジャスタねじと、こ
のアジャスタねじの端部に連結された伝達ギヤ程度で、
伝達ギヤに操作レバーの回動を伝えるためのラチェット
機構等は、一対のピストン間のスペースに配置されて、
ロータ軸方向の寸法に影響を与えない。即ち、ロータ軸
方向に繋がる構成部材が少ないため、ロータ軸方向の寸
法を抑えることができて、小型化を図ることができ、小
型の車両等にも搭載が容易になる。また、摩擦パッドを
押圧するピストンは、アジャスタねじの外周に嵌合する
ものであるため、キャリパ上での寸法制限内で、ピスト
ン径を最大限に大きくすることができる。そして、ピス
トン径を大きくすることができるため、ピストンと摩擦
パッドとの接触性が安定し、接触性を安定するためにピ
ストンと摩擦パッドとの間にロードプレートを介在させ
る必要がなくなる。従って、ロードプレートを装備しな
ければならない構造のものと比較すると、軽量化を図る
ことができ、また、制動解除時におけるピストンの戻り
動作を円滑にして引きずり等の不都合の発生を防止する
ことができる。さらに、制動動作時に作用するブレーキ
軸力により摩擦パッドを押圧しているピストンがロック
して前記アジャスタギヤが回転できない状態(即ち、前
記アジャスタギヤの回転抵抗が規定以上になった状態)
では、操作レバーによってラチェットが回転させられて
も、前記ギヤ駆動用ばね部材が弾性変形(ねじり変形)
してアジャスタギヤとラチェットとの間の相対回転を許
容し、アジャスタの破壊を防止すると共に、オーバーア
ジャストが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャス
タの一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のアジャスタを組み込んだ
ディスクブレーキ装置の一部を断面した平面図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図4の要部の拡大図である。
【図6】図2のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 アジャスタ 2 ディスクブレーキ装置 4 ロータ 6、7 摩擦パッド 11 キャリパ 11c 駆動機構収容部 15、16 ピストン 18 ピストン支持ケース 19 ねじ部 21、22 アジャスタねじ 24、25 ねじ部 27、28 伝達ギヤ 30 アジャスタギヤ 32 ラチェット 34 偏心カムシャフト 34a 突起部 36 操作レバー 38 アジャスタレバー 40 係合溝 44 リターンスプリング 46 ばね受けスリーブ 48 ボルト 52 補助リング 54 リテーナ 58 ばね 60 リリース用のギヤ 61 レバー 70 ギヤ駆動用ばね部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と一体回転するロータと、このロー
    タに対向配置される一対の摩擦パッドと、一方の摩擦パ
    ッドを前記ロータに押圧するピストンの収容部となる駆
    動機構収容部が前記ロータを跨ぐブリッジ部の一端に装
    備されると共に他方の摩擦パッドを押圧する爪部を前記
    ブリッジ部の他端に有するキャリパと、前記キャリパを
    ロータの軸方向に移動可能に支持したサポートとを備
    え、前記摩擦パッドと前記ロータとの間の隙間調整を行
    うディスクブレーキ装置のアジャスタにおいて、 一端を開放した有頭筒状をなすと共に閉じた他端をロー
    タ側に向けてロータの軸方向にのみ移動可能に装備され
    た一対のピストンと、前記ピストンの内周に螺合する一
    対のアジャスタねじと、前記駆動機構収容部に回転自在
    に支持されると共に前記アジャスタねじの端部に固定さ
    れた一対の伝達ギヤと、これらの一対の伝達ギヤと噛合
    するようにこれらの一対の伝達ギヤ間に装備されたアジ
    ャスタギヤと、前記アジャスタギヤと同軸に装備された
    ラチェットと、前記アジャスタギヤと前記ラチェットと
    を弾性的に連結して前記アジャスタギヤの回転抵抗が規
    定内であれば該アジャスタギヤを前記ラチェットと一体
    回転させ、前記アジャスタギヤの回転抵抗が規定以上に
    なると該アジャスタギヤと前記ラチェットとの相対回転
    を許容するギヤ駆動用ばね部材と、軸線を前記ロータの
    半径方向に向けて前記一対のピストン間に回転自在に装
    備された偏心カムシャフトと、前記偏心カムシャフトの
    端部に連結装備されて該偏心カムシャフトを回動操作す
    る操作レバーと、前記偏心カムシャフトに一端が連結さ
    れると共に他端が前記ラチェットの爪に係合して前記偏
    心カムシャフトの回動に応じて前記ラチェットを回転さ
    せるアジャスタレバーとを有し、 前記ラチェットの回転を前記ギヤ駆動用ばね部材及び前
    記アジャスタギヤを介して一対の伝達ギヤに伝えて、前
    記アジャスタねじにより各ピストンをロータ側に送り出
    すことを特徴としたディスクブレーキ装置のアジャス
    タ。
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WO2023226466A1 (zh) * 2022-05-26 2023-11-30 华为数字能源技术有限公司 磨损补偿机构、盘式制动器和车辆

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