JP3925990B2 - ディスクブレーキ装置のアジャスタ機構 - Google Patents

ディスクブレーキ装置のアジャスタ機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキ装置においてロータと摩擦パッドとの間の隙間調整を行うアジャスタ機構に関するもので、詳しくは、制動動作時における摩擦パッドの駆動源に空気圧を利用するエアー駆動式のディスクブレーキ装置に用いて好適なアジャスタ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、エアー駆動式のディスクブレーキ装置に使用されるアジャスタ機構として、摩擦パッドの裏板に当接させた一対の加圧片の後方に、回転駆動されるねじによる送り機構を介して前記加圧片をロータ側に押し出す調整スピンドルと、各調整スピンドルを回転駆動するための操作レバーと、各調整スピンドルの回転を同期させる同期装置と、各調整スピンドルに作用する回転トルクを調整する後調整装置とを組み込んだ構成のものが提案されている(特表平8−508080号参照)。
【0003】
また、外周に雄ねじが刻設されると共に先端をロータに向けてロータの軸方向に移動可能に装備されて摩擦パッドを押圧する一対のピストンと、それぞれのピストンの外周に刻設された雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が内周に形成されて回転駆動されるとピストンをロータ軸に沿って進退させる一対のスリーブと、各スリーブの端部に連結されてスリーブと一体に回転する一対の伝達ギヤと、これらの一対の伝達ギヤと噛合するようにこれらの一対の伝達ギヤ間に装備されたアジャスタギヤと、操作レバーを回動操作によって回動するカムシャフトと、このカムシャフトの回転によって前記アジャスタギヤを回転させる伝達機構とを備えた構成のアジャスタも提案されている(欧州特許 EP0703379A1参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスクブレーキ装置における摩擦パッドの摩耗はロータ周方向で異なり、ロータの回入側が激しくなる。そして、車両は後進走行と比較して、前進走行が圧倒的に多く、従って、制動による摩擦パッドの摩耗も、ほとんど、前進走行時における制動によるものとなる。このようなことから、図8に示すように、摩擦パッド72の摩耗は、前進走行時のロータの回転方向(イ)に対して、回入側(図では左側)が大きく摩耗する偏摩耗となり、摩擦パッド72の表面72aは、図示のように傾斜した状態となる。
【0005】
しかし、前述した従来のアジャスタは、いずれも、ねじによる送り機構で移動するピストン等により摩擦パッド全体をロータ軸方向に平行移動させるものであるため、図8のように偏摩耗が進むに従って、ロータ表面に対して摩擦パッドの接触面が傾いた状態になり、その結果、ロータに対する接触面圧が回入側で小さくなってしまい、制動性能の低下やブレーキの鳴きという問題が発生した。
【0006】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、摩擦パッドの偏摩耗が進行しても、ロータに対する摩擦パッドの接触面全域に良好な接触面圧を保持することができ、摩擦パッドの偏摩耗によって制動性能の低下やブレーキの鳴きという問題が発生することのないディスクブレーキ装置のアジャスタ機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を本発明は、摩擦パッドとロータとの間の隙間調整を行うディスクブレーキ装置のアジャスタ機構であって、前記ロータ周方向に間隔をおいて配置され、前記摩擦パッドを前記ロータに押圧する複数のピストンと、前記各ピストンに螺合し、回転することにより該ピストンを前記ロータ方向に螺出させるアジャスタねじ部材と、前記複数のピストンの間に配置され、前記各アジャスタねじ部材を回転駆動するギヤ駆動機構とを有し、前記各ピストンが前記摩擦パッドの前記ロータの周方向における摩耗割合に応じて異なる螺出割合を有するように、前記各ピストンの前記各アジャスタねじ部材のそれぞれに対応する前記ギヤ駆動機構のギヤ歯数を設定し、前記ギヤ駆動機構の回転に従って同時に隙間調整を実行する構成によって達成している。
【0008】
【0009】
以上の構成によれば、アジャスト動作時における各ピストンのロータ側への螺出量は、歯数の小さな伝達ギヤが接続されたロータの回入側のピストンの方が大きくなる。このように、ロータの回入側と回出側とで各ピストンの螺出量が調整されるため、摩擦パッドの偏摩耗が進行して摩擦パッドの表面は傾斜しても、該摩擦パッドとロータの表面との関係は常時互いに平行な状態に維持することができ、ロータに対する摩擦パッドの接触面全域に良好な接触面圧を保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態により、本発明を説明する。図1乃至図6は本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャスタ機構の参考例を示したもので、図1は参考例のアジャスタを備えるブレーキ駆動部の分解斜視図、図2は同アジャスタを組み込んだディスクブレーキ装置の一部を断面した平面図、図3は図2の要部の拡大図、図4は図2のA−A線に沿う断面図、図5は図4の要部の拡大図、図6は図2のB−B線に沿う断面図である。
【0011】
この参考例のアジャスタ1が装備されるディスクブレーキ装置2は、図2に示すように、車輪と一体回転する円盤状のロータ4と、このロータ4を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド6,7と、一方の摩擦パッド6の背面をロータ4に向けて押すピストンの収容部となる駆動機構収容部11cがロータ4の上を跨ぐブリッジ部11aの一端に装備されると共にブリッジ部11aの他端側には他方の摩擦パッド7の背面を支える爪部11bが装備されたキャリパ11と、車体側に固定されてキャリパ11を支持するサポート10(図4及び図6参照)とを備えた構成である。前述の各摩擦パッド6,7は、ロータ4の表面に押し付けられて所定の摩擦力を発生するライニング12と、該ライニング12の裏面側に固着装備されて取付金具等として機能する裏板13とから構成されている。
【0012】
参考例のアジャスタ1は、ロータ4の周方向に離間してキャリパ11の駆動機構収容部11cに組み込まれた一対のピストン15,16によって、一方の摩擦パッド6をロータ4側に螺出させて、各摩擦パッド6,7とロータ4との間の隙間調整を行う。
【0013】
具体的には、アジャスタ1は、図1乃至図4に示すように、キャリパ11の駆動機構収容部11c内でロータ4方向に摺動可能に保持されているピストン支持ケース18と、該ピストン支持ケース18によりロータ軸方向に移動可能に支持された一対のピストン15,16とを備えている。また、ピストン15,16の内周の雌ねじと螺合するねじ部21a,22aが先端側外周に形成されると共に基端側内周には締結用のねじ部19が形成された一対のアジャスタねじ21,22と、アジャスタねじ21,22の基端部のねじ部19に螺着するねじ部24を有してアジャスタねじ21,22と一体回転する一対の伝達ギヤ27,28と、これらの一対の伝達ギヤ27,28と噛合するようにこれらの一対の伝達ギヤ27,28間に装備されたアジャスタギヤ30と、該アジャスタギヤ30の内周部に装備されたワンウェイクラッチ機構32とが、それぞれピストン支持ケース18に支持されている。
【0014】
更に、軸線をロータ4の半径方向に向けて上記対となっているピストン15,16間に回転自在に装備された偏心カムシャフト34と、偏心カムシャフト34の端部に連結装備されて該偏心カムシャフト34を回動操作する操作レバー36と、偏心カムシャフト34と一体に回動するように一端38aが偏心カムシャフト34の外周の係合孔34aに係止されてる偏心カムシャフト34の回転をワンウェイクラッチ機構32に伝える入力用ばね部材38とを備えている。通常の制動時には、圧縮空気圧によって操作レバー36に回転力を伝え、一対の摩擦パッド6,7をロータ4に押し付けて、所定の制動力を発生させるものである。
【0015】
ここで、ワンウェイクラッチ機構32と、偏心カムシャフト34、更に、操作レバー36の回動操作に応じて回転駆動されるアジャスタギヤ30とによってギヤ駆動機構70が構成されている。ピストン支持ケース18は、ピストン15,16を収容する一対の筒状部18a,18a間に、偏心カムシャフト34の偏心カム部分に対応しているシャフト挿通孔18bが形成された構成を成している。また、シャフト挿通孔18bの中心を貫通するように、アジャスタギヤ30,ワンウェイクラッチ機構32を回転自在に支持するギヤ支持孔18cが設けられている。
【0016】
一対のピストン15,16は、一端を開放した有頭筒状をなしたもので、閉じた他端側をロータ4側に向けてピストン支持ケース18の筒状部18aに摺動自在に嵌合している。そして、これらのピストン15,16は、ロータ軸方向にのみ移動し、ピストン支持ケース18内での回転動作が規制されるように、摩擦パッド6の裏板13に当接する先端面には、係合溝40が形成されている。この係合溝40が、裏板13に形成された突起に係合することで、各ピストン15,16は回転が規制される。
【0017】
アジャスタねじ21,22は、図1乃至図4に示すように、略筒状を成していて、前述の伝達ギヤ27,28のねじ部(雄ねじ)24に螺合するねじ部(雌ねじ)19は、基端部の内周に刻設されている。このねじ部19は、それぞれのアジャスタねじ21,22の先端側外周に形成されたねじ部21a,22aに対して逆ねじとなっている。また、各アジャスタねじ21,22の基端寄りの外周部には、鍔部42が形成されている。この鍔部42には、ピストン15,16の端面が当接して、これらのピストン15,16の初期位置が設定される。
【0018】
ここで、参考例について説明すると、図示できないが、一対のアジャスタねじ21,22の内、ロータ4の回入側に位置するピストン15に対するアジャスタねじ21は、回出側に位置するピストン16に対するアジャスタねじ22よりもねじピッチを大きく設定されている。
【0019】
また、一対の伝達ギヤ27,28は、これらの伝達ギヤ27,28に螺着したアジャスタねじ21,22の鍔部42との協働で、ピストン支持ケース18の筒状部18aの基端の内径側に膨出した突起部を挟むことで、ピストン支持ケース18に回転自在に支持されている。
【0020】
伝達ギヤ27,28が回転駆動されると、各アジャスタねじ21,22がこれらの伝達ギヤ27,28と一体回転して、ピストン15,16がロータ軸方向に進退する。これらの各伝達ギヤ27,28の中心には、ピストン15,16を摩擦パッド6から引き離す方向に付勢するリターンスプリング44を挿通するための開口が設けられている。
【0021】
リターンスプリング44は、伝達ギヤ27,28やアジャスタねじ21,22内を挿通する筒部46aと、該筒部46aの基端から張り出して伝達ギヤ27,28の端面に当接する位置決め片46bとを有したばね受けスリーブ46に収容される。ばね受けスリーブ46の中心を挿通して一端をピストン15,16に螺着されたボルト48の他端に装備されたばね受け用の座金49により、リターンスプリング44が圧縮を受けてリターン方向の付勢力をピストン15,16に作用させている。従って、リターンスプリング44はピストン15,16をその付勢力で安定させ、センタリングをも実行している。ばね受けスリーブ46の位置決め片46bは、ばね受けスリーブ46の外側から駆動機構収容部11cにねじ止めされるボディカバー50と、伝達ギヤ27,28との間に挾持されて、固定されている。
【0022】
ワンウェイクラッチ機構32は、該アジャスタギヤ30の中心軸上に回転自在に遊嵌した軸部65aの外周に回転トルクを受けるための凹部65bが装備された入力輪65と、入力輪65とアジャスタギヤ30との間に介装されたギヤ駆動用ばね部材66とを備えた構成である。ギヤ駆動用ばね部材66は、入力輪65の軸部65aの外周に嵌合するコイルばねで、一端部66aが入力輪65の段差部に当接されると共に、他端部66bがアジャスタギヤ30の内周の段差部に当接されていて、入力輪65の正回転時には、入力輪65の段差部とアジャスタギヤ30の段差部とで両端部66a,66bが圧縮を受けることで、入力輪65の回転をアジャスタギヤ30に伝達する。入力輪65の逆回転時には、入力輪65の段差部がギヤ駆動用ばね部材66の一端部66aから離れるため、入力輪65の回転はアジャスタギヤ30に伝達されない。
【0023】
入力用ばね部材38は、偏心カムシャフト34の外周に嵌合したコイルばねで、一端38aが偏心カムシャフト34の外周の係合孔34aに係止されると共に、他端38bがアジャスタギヤ30側に延出して入力輪65の凹部65bに挿通されている。偏心カムシャフト34が回転すると、入力用ばね部材38は偏心カムシャフト34と一体に回転しようとし、その際に、他端38bが凹部65bを形成している一対の突片65cの一方に当たって、偏心カムシャフト34の回転を入力輪65に伝達する。
【0024】
また、ブレーキ軸力によりアジャスタギヤ30の回転ができないような状態では、入力用ばね部材38は弾性変形し、破壊を防止すると共に、キャリパ剛性に非追従となり、オーバーアジャストを防止している。なお、凹部65bは、挿通する入力用ばね部材38の他端38bと各突片65cとの間に隙間sが確保されるように、凹部65bの幅寸法が他端38bの外径よりも大きく設定されている。このような隙間sは、入力用ばね部材38と入力輪65との相互間における相対回転動作を許容するバックラッシュとなり、偏心カムシャフト34の微動回転で不用意にアジャスタギヤ30が回転駆動されて、オーバーアジャストによる引きずり現象を防止する役割を果たす。
【0025】
また、以上の構成から明らかなように、ワンウェイクラッチ機構32は、摩擦式のため、クラッチングトルク以上で回転させれば、隙間調整を初期状態に戻すことができる。
【0026】
以上に説明した参考例のピストン前進動作における隙間調整では、操作レバー36を正回転方向(図2の矢印(イ)方向)に回動するブレーキ作動によって、該操作レバー36と一体に偏心カムシャフト34が回動し、該偏心カムシャフト34に装備した入力用ばね部材38が図4の矢印(ロ)方向に回動する。この入力用ばね部材38の回動により、該入力用ばね部材38の他端38bがワンウェイクラッチ機構32の入力輪65を正回転方向に回動させる。これによって、入力輪65にギヤ駆動用ばね部材66を介して連結されているアジャスタギヤ30が正回転方向に回動し、該アジャスタギヤ30の回転は、アジャスタギヤ30に噛合している各伝達ギヤ27,28を介して各ピストン15,16の内周に螺合しているアジャスタねじ21,22を回転させる。
【0027】
そして、このアジャスタねじ21,22の回転により各ピストン15,16がロータ側に螺出されて、これらのピストン15,16が当接している摩擦パッド6をロータ4側に移動させて、ロータ4と各摩擦パッド6,7との間の隙間を縮める。この時はまさにブレーキ作動の為のピストン支持ケース18の移動の時であり、ロータ4と各摩擦パッド6,7との隙間が詰められて、各ピストン15,16のブレーキの作動力が掛かるまで移動する。
【0028】
ここで、以上のアジャスト動作における各ピストン15,16のロータ4側への螺出量は、ねじピッチの大きなアジャスタねじ21に螺合しているロータ4の回入側(図8では左側)のピストン15の方が大きくなるように各ねじピッチを設定している。このように、ロータ4の回入側と回出側とで各ピストン15,16の螺出量が調整されるため、摩擦パッド6の偏摩耗が進行して摩擦パッド6の表面は傾斜しても、該摩擦パッド6とロータ4の表面との関係は常時互いに平行な状態に維持することができ、ロータ4に対する摩擦パッド6,7の接触面全域に良好な接触面圧を保持することができる。
【0029】
なお、これとは別にピストン後退動作において隙間調整を行う場合、操作レバー36を正回転方向(図2の矢印(イ)方向)に対して反対方向に回動した時にブレーキ作動となる構成とする。すると、偏心カムシャフト34上の入力用ばね部材38の端部は、偏心カムシャフト34と一体に図4の矢印(ロ)とは反対である逆回転方向に回転し、凹部65bに存在している隙間sを詰めた後に入力輪65に逆回転方向の回転力を作用させる。しかし、入力輪65に作用した逆回転方向の回転では、入力輪65とアジャスタギヤ30との間に介在するギヤ駆動用ばね部材66が圧縮方向の荷重を受けないので、アジャスタギヤ30には回転が伝達されず、ピストン支持ケース18の移動によるブレーキ動作のみが実行され、隙間調整は成されない。
【0030】
そして、ブレーキ圧力を抜き始めると、入力用ばね部材38の端部は徐々に戻るが、隙間sが図4に示す位置の反対側に位置する状態となって凹部65bに当接しないため、アジャスタギヤ30は未だ回転しない。更にブレーキ圧力が抜かれて、入力用ばね部材38の端部が凹部65bに当接すると、アジャスタギヤ30が正回転方向に回転し、ピストン15,16の螺出によるアジャストを実行することになる。
【0031】
上記参考例のアジャスタ1では、アジャスタ操作時における各ピストン15,16の螺出量を変えるために、これらのピストン15,16に螺合しているアジャスタねじ21,22のねじピッチを変更したが、本願発明では、図7に示すように、アジャスタねじ21,22と一体回転する一対の伝達ギヤ27,28の歯数を変更した。その場合には、例えばロータの回入側に対応した伝達ギヤ27の歯数を12に、そして回出側に対応した伝達ギヤ28の歯数を14というように、一対の伝達ギヤ27,28の内、ロータの回入側に位置するピストン15に対する伝達ギヤ27の歯数を、回出側に位置するピストン16に対する伝達ギヤ28の歯数よりも少なく設定する。このようにしても、参考例の場合と同様に、摩擦パッド6の偏摩耗が進行して摩擦パッド6の表面は傾斜しても、該摩擦パッド6とロータ4の表面との関係は常時互いに平行な状態に維持することができ、ロータ4に対する摩擦パッド6,7の接触面全域に良好な接触面圧を保持することができる。
【0032】
なお、各ピストン15,16の押し出し量を摩擦パッドの偏摩耗に応じた最適値にするには、前述のアジャスタねじ21,22のねじピッチとピストンの螺出量との相関、あるいは各伝達ギヤ27,28の歯数とピストンの螺出量との相関を事前に調べて、経験的な摩擦パッドの摩耗の進行速度に合致する値を選定すること必要となる。
【0033】
また、上記実施形態ではブレーキ動作と隙間調整を同じ操作レバー36により実行しているが、それぞれを別のレバーによって実行する構成も可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明のディスクブレーキ装置のアジャスタでは、アジャスト動作時における各ピストンのロータ側への螺出量がロータの回入側のピストンの方が大きくなるように、各ピストンに対する伝達ギヤの歯数を調整したもので、摩擦パッドの偏摩耗が進行して摩擦パッドの表面は傾斜しても、該摩擦パッドとロータの表面との関係は常時互いに平行な状態に維持することができ、ロータに対する摩擦パッドの接触面全域に良好な接触面圧を保持することができる。従って、摩擦パッドの偏摩耗によって制動性能の低下やブレーキの鳴きという問題が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャスタの参考例の分解斜視図である。
【図2】 本発明の参考例のアジャスタを組み込んだディスクブレーキ装置の一部を断面した平面図である。
【図3】 図2の要部の拡大図である。
【図4】 図2のA−A線に沿う断面図である。
【図5】 図4の要部の拡大図である。
【図6】 図2のB−B線に沿う断面図である。
【図7】 本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャスタの実施形態の要部の断面図である。
【図8】 摩擦パッドに生じる偏摩耗を示す摩擦パッドの断面図である。
【符号の説明】
1 アジャスタ
2 ディスクブレーキ装置
4 ロータ
6,7 摩擦パッド
11 キャリパ
11c 駆動機構収容部
15,16 ピストン
18 ピストン支持ケース
19 ねじ部
21,22 アジャスタねじ
24,25 ねじ部
27,28 伝達ギヤ
30 アジャスタギヤ
32 ワンウェイクラッチ機構
34 偏心カムシャフト
36 操作レバー
38 入力用ばね部材
44 リターンスプリング
46 ばね受けスリーブ
48 ボルト
54 リテーナ
60 ギヤ押さえ
65 入力輪
65b 凹部
66 ギヤ駆動用ばね部材
70 ギヤ駆動機構

Claims (1)

  1. 摩擦パッドとロータとの間の隙間調整を行うディスクブレーキ装置のアジャスタ機構であって、
    前記ロータ周方向に間隔をおいて配置され、前記摩擦パッドを前記ロータに押圧する複数のピストンと、
    前記各ピストンに螺合し、回転することにより該ピストンを前記ロータ方向に螺出させるアジャスタねじ部材と、
    前記複数のピストンの間に配置され、前記各アジャスタねじ部材を回転駆動するギヤ駆動機構とを有し、
    前記各ピストンが前記摩擦パッドの前記ロータの周方向における摩耗割合に応じて異なる螺出割合を有するように、前記各ピストンの前記各アジャスタねじ部材のそれぞれに対応する前記ギヤ駆動機構のギヤ歯数を設定し、前記ギヤ駆動機構の回転に従って同時に隙間調整を実行することを特徴とするディスクブレーキ装置のアジャスタ機構。
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