JPH1122763A - ディスクブレーキ装置のアジャスタ機構 - Google Patents

ディスクブレーキ装置のアジャスタ機構

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JPH1122763A
JPH1122763A JP17848797A JP17848797A JPH1122763A JP H1122763 A JPH1122763 A JP H1122763A JP 17848797 A JP17848797 A JP 17848797A JP 17848797 A JP17848797 A JP 17848797A JP H1122763 A JPH1122763 A JP H1122763A
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adjuster
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦パッドの偏摩耗によって制動性能の低下
やブレーキの鳴きという問題が発生することのないアジ
ャスタを提供すること。 【解決手段】 ロータの周方向に離間して装備された一
対のピストン15,16の螺出量が、ロータの回入側の
ものの方が大きくなるように、これらのピストン15,
16を送り出すために回転駆動される一対のアジャスタ
ねじ21,22のねじピッチ、あるいは一対の伝達ギヤ
27,28の歯数を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクブレーキ
装置においてロータと摩擦パッドとの間の隙間調整を行
うアジャスタ機構に関するもので、詳しくは、制動動作
時における摩擦パッドの駆動源に空気圧を利用するエア
ー駆動式のディスクブレーキ装置に用いて好適なアジャ
スタ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、エアー駆動式のディスクブレ
ーキ装置に使用されるアジャスタ機構として、摩擦パッ
ドの裏板に当接させた一対の加圧片の後方に、回転駆動
されるねじによる送り機構を介して前記加圧片をロータ
側に押し出す調整スピンドルと、各調整スピンドルを回
転駆動するための操作レバーと、各調整スピンドルの回
転を同期させる同期装置と、各調整スピンドルに作用す
る回転トルクを調整する後調整装置とを組み込んだ構成
のものが提案されている(特表平8−508080号参
照)。
【0003】また、外周に雄ねじが刻設されると共に先
端をロータに向けてロータの軸方向に移動可能に装備さ
れて摩擦パッドを押圧する一対のピストンと、それぞれ
のピストンの外周に刻設された雄ねじ部に螺合する雌ね
じ部が内周に形成されて回転駆動されるとピストンをロ
ータ軸に沿って進退させる一対のスリーブと、各スリー
ブの端部に連結されてスリーブと一体に回転する一対の
伝達ギヤと、これらの一対の伝達ギヤと噛合するように
これらの一対の伝達ギヤ間に装備されたアジャスタギヤ
と、操作レバーを回動操作によって回動するカムシャフ
トと、このカムシャフトの回転によって前記アジャスタ
ギヤを回転させる伝達機構とを備えた構成のアジャスタ
も提案されている(欧州特許 EP0703379A1
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディスクブ
レーキ装置における摩擦パッドの摩耗はロータ周方向で
異なり、ロータの回入側が激しくなる。そして、車両は
後進走行と比較して、前進走行が圧倒的に多く、従っ
て、制動による摩擦パッドの摩耗も、ほとんど、前進走
行時における制動によるものとなる。このようなことか
ら、図8に示すように、摩擦パッド72の摩耗は、前進
走行時のロータの回転方向(イ)に対して、回入側(図
では左側)が大きく摩耗する偏摩耗となり、摩擦パッド
72の表面72aは、図示のように傾斜した状態とな
る。
【0005】しかし、前述した従来のアジャスタは、い
ずれも、ねじによる送り機構で移動するピストン等によ
り摩擦パッド全体をロータ軸方向に平行移動させるもの
であるため、図8のように偏摩耗が進むに従って、ロー
タ表面に対して摩擦パッドの接触面が傾いた状態にな
り、その結果、ロータに対する接触面圧が回入側で小さ
くなってしまい、制動性能の低下やブレーキの鳴きとい
う問題が発生した。
【0006】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、摩擦パッドの偏摩耗が進行しても、ロー
タに対する摩擦パッドの接触面全域に良好な接触面圧を
保持することができ、摩擦パッドの偏摩耗によって制動
性能の低下やブレーキの鳴きという問題が発生すること
のないディスクブレーキ装置のアジャスタ機構を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を本発明は、摩
擦パッドとロータとの間の隙間調整を行うディスクブレ
ーキ装置のアジャスタ機構であって、ロータ周方向に間
隔をおいて配置され、摩擦パッドをロータに押圧する複
数のピストンと、前記各ピストンに螺合し、回転するこ
とにより該ピストンをロータ方向に螺出させるアジャス
タねじ部材と、前記ピストンの間に配置され、前記各ア
ジャスタねじ部材を回転駆動するギヤ駆動機構とを有
し、前記各アジャスタねじ部材が摩擦パッドのロータ周
方向における摩耗割合に対応して異なる螺出割合を有
し、前記ギヤ駆動機構の回転に従って同時に隙間調整を
実行する構成によって達成している。
【0008】以上の構成によれば、アジャスト(隙間調
整)動作時における各ピストンのロータ側への螺出量
は、各アジャスタねじ部材が摩擦パッドのロータ方向に
おける摩耗割合に対応して異なる螺出割合により与えて
いる。このような螺出割合の設定の構成例として、ロー
タの回入側と回出側とにそれぞれピストンを設ける構成
のディスクブレーキを例に取ると、アジャスタねじのね
じピッチをそれぞれに対応させる構成がある。この場
合、ねじピッチの大きなアジャスタねじに螺合している
ピストンをロータの回入側に配置し、螺出量を大きくす
る。このように、ロータの回入側と回出側とで各ピスト
ンの螺出量が調整されるため、摩擦パッドの偏摩耗が進
行して摩擦パッドの表面は傾斜しても、該摩擦パッドと
ロータの表面との関係は常時互いに平らな状態に維持す
ることができ、ロータに対する摩擦パッドの接触面全域
に良好な接触面圧を保持することができる。
【0009】また、これ以外に、アジャスタねじの基端
部に螺着して上記一対のアジャスタねじと一体回転する
一対の伝達ギヤを設け、この一対の伝達ギヤの内、ロー
タの回入側に位置するピストンに対する伝達ギヤに、回
出側に位置するピストンに対する伝達ギヤよりも歯数を
少なく設定する。この構成によれば、アジャスト動作時
における各ピストンのロータ側への螺出量は、歯数の小
さな伝達ギヤが接続されたロータの回入側のピストンの
方が大きくなる。このように、ロータの回入側と回出側
とで各ピストンの螺出量が調整されるため、摩擦パッド
の偏摩耗が進行して摩擦パッドの表面は傾斜しても、該
摩擦パッドとロータの表面との関係は常時互いに平行な
状態に維持することができ、ロータに対する摩擦パッド
の接触面全域に良好な接触面圧を保持することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により、本発
明を説明する。図1乃至図6は本発明に係るディスクブ
レーキ装置のアジャスタ機構の一実施形態を示したもの
で、図1は一実施形態のアジャスタを備えるブレーキ駆
動部の分解斜視図、図2は同アジャスタを組み込んだデ
ィスクブレーキ装置の一部を断面した平面図、図3は図
2の要部の拡大図、図4は図2のA−A線に沿う断面
図、図5は図4の要部の拡大図、図6は図2のB−B線
に沿う断面図である。
【0011】この一実施形態のアジャスタ1が装備され
るディスクブレーキ装置2は、図2に示すように、車輪
と一体回転する円盤状のロータ4と、このロータ4を挟
んで対向配置される一対の摩擦パッド6,7と、一方の
摩擦パッド6の背面をロータ4に向けて押すピストンの
収容部となる駆動機構収容部11cがロータ4の上を跨
ぐブリッジ部11aの一端に装備されると共にブリッジ
部11aの他端側には他方の摩擦パッド7の背面を支え
る爪部11bが装備されたキャリパ11と、車体側に固
定されてキャリパ11を支持するサポート10(図4及
び図6参照)とを備えた構成である。前述の各摩擦パッ
ド6,7は、ロータ4の表面に押し付けられて所定の摩
擦力を発生するライニング12と、該ライニング12の
裏面側に固着装備されて取付金具等として機能する裏板
13とから構成されている。
【0012】一実施形態のアジャスタ1は、ロータ4の
周方向に離間してキャリパ11の駆動機構収容部11c
に組み込まれた一対のピストン15,16によって、一
方の摩擦パッド6をロータ4側に螺出させて、各摩擦パ
ッド6,7とロータ4との間の隙間調整を行う。
【0013】具体的には、アジャスタ1は、図1乃至図
4に示すように、キャリパ11の駆動機構収容部11c
内でロータ4方向に摺動可能に保持されているピストン
支持ケース18と、該ピストン支持ケース18によりロ
ータ軸方向に移動可能に支持された一対のピストン1
5,16とを備えている。また、ピストン15,16の
内周の雌ねじと螺合するねじ部21a,22aが先端側
外周に形成されると共に基端側内周には締結用のねじ部
19が形成された一対のアジャスタねじ21,22と、
アジャスタねじ21,22の基端部のねじ部19に螺着
するねじ部24を有してアジャスタねじ21,22と一
体回転する一対の伝達ギヤ27,28と、これらの一対
の伝達ギヤ27,28と噛合するようにこれらの一対の
伝達ギヤ27,28間に装備されたアジャスタギヤ30
と、該アジャスタギヤ30の内周部に装備されたワンウ
ェイクラッチ機構32とが、それぞれピストン支持ケー
ス18に支持されている。
【0014】更に、軸線をロータ4の半径方向に向けて
上記対となっているピストン15,16間に回転自在に
装備された偏心カムシャフト34と、偏心カムシャフト
34の端部に連結装備されて該偏心カムシャフト34を
回動操作する操作レバー36と、偏心カムシャフト34
と一体に回動するように一端38aが偏心カムシャフト
34の外周の係合孔34aに係止されてる偏心カムシャ
フト34の回転をワンウェイクラッチ機構32に伝える
入力用ばね部材38とを備えている。通常の制動時に
は、圧縮空気圧によって操作レバー36に回転力を伝
え、一対の摩擦パッド6,7をロータ4に押し付けて、
所定の制動力を発生させるものである。
【0015】ここで、ワンウェイクラッチ機構32と、
偏心カムシャフト34、更に、操作レバー36の回動操
作に応じて回転駆動されるアジャスタギヤ30とによっ
てギヤ駆動機構70が構成されている。ピストン支持ケ
ース18は、ピストン15,16を収容する一対の筒状
部18a,18a間に、偏心カムシャフト34の偏心カ
ム部分に対応しているシャフト挿通孔18bが形成され
た構成を成している。また、シャフト挿通孔18bの中
心を貫通するように、アジャスタギヤ30,ワンウェイ
クラッチ機構32を回転自在に支持するギヤ支持孔18
cが設けられている。
【0016】一対のピストン15,16は、一端を開放
した有頭筒状をなしたもので、閉じた他端側をロータ4
側に向けてピストン支持ケース18の筒状部18aに摺
動自在に嵌合している。そして、これらのピストン1
5,16は、ロータ軸方向にのみ移動し、ピストン支持
ケース18内での回転動作が規制されるように、摩擦パ
ッド6の裏板13に当接する先端面には、係合溝40が
形成されている。この係合溝40が、裏板13に形成さ
れた突起に係合することで、各ピストン15,16は回
転が規制される。
【0017】アジャスタねじ21,22は、図1乃至図
4に示すように、略筒状を成していて、前述の伝達ギヤ
27,28のねじ部(雄ねじ)24に螺合するねじ部
(雌ねじ)19は、基端部の内周に刻設されている。こ
のねじ部19は、それぞれのアジャスタねじ21,22
の先端側外周に形成されたねじ部21a,22aに対し
て逆ねじとなっている。また、各アジャスタねじ21,
22の基端寄りの外周部には、鍔部42が形成されてい
る。この鍔部42には、ピストン15,16の端面が当
接して、これらのピストン15,16の初期位置が設定
される。
【0018】そして、この一実施形態の場合、図示でき
ないが、一対のアジャスタねじ21,22の内、ロータ
4の回入側に位置するピストン15に対するアジャスタ
ねじ21は、回出側に位置するピストン16に対するア
ジャスタねじ22よりもねじピッチを大きく設定されて
いる。
【0019】また、一対の伝達ギヤ27,28は、これ
らの伝達ギヤ27,28に螺着したアジャスタねじ2
1,22の鍔部42との協働で、ピストン支持ケース1
8の筒状部18aの基端の内径側に膨出した突起部を挟
むことで、ピストン支持ケース18に回転自在に支持さ
れている。
【0020】伝達ギヤ27,28が回転駆動されると、
各アジャスタねじ21,22がこれらの伝達ギヤ27,
28と一体回転して、ピストン15,16がロータ軸方
向に進退する。これらの各伝達ギヤ27,28の中心に
は、ピストン15,16を摩擦パッド6から引き離す方
向に付勢するリターンスプリング44を挿通するための
開口が設けられている。
【0021】リターンスプリング44は、伝達ギヤ2
7,28やアジャスタねじ21,22内を挿通する筒部
46aと、該筒部46aの基端から張り出して伝達ギヤ
27,28の端面に当接する位置決め片46bとを有し
たばね受けスリーブ46に収容される。ばね受けスリー
ブ46の中心を挿通して一端をピストン15,16に螺
着されたボルト48の他端に装備されたばね受け用の座
金49により、リターンスプリング44が圧縮を受けて
リターン方向の付勢力をピストン15,16に作用させ
ている。従って、リターンスプリング44はピストン1
5,16をその付勢力で安定させ、センタリングをも実
行している。ばね受けスリーブ46の位置決め片46b
は、ばね受けスリーブ46の外側から駆動機構収容部1
1cにねじ止めされるボディカバー50と、伝達ギヤ2
7,28との間に挾持されて、固定されている。
【0022】ワンウェイクラッチ機構32は、該アジャ
スタギヤ30の中心軸上に回転自在に遊嵌した軸部65
aの外周に回転トルクを受けるための凹部65bが装備
された入力輪65と、入力輪65とアジャスタギヤ30
との間に介装されたギヤ駆動用ばね部材66とを備えた
構成である。ギヤ駆動用ばね部材66は、入力輪65の
軸部65aの外周に嵌合するコイルばねで、一端部66
aが入力輪65の段差部に当接されると共に、他端部6
6bがアジャスタギヤ30の内周の段差部に当接されて
いて、入力輪65の正回転時には、入力輪65の段差部
とアジャスタギヤ30の段差部とで両端部66a,66
bが圧縮を受けることで、入力輪65の回転をアジャス
タギヤ30に伝達する。入力輪65の逆回転時には、入
力輪65の段差部がギヤ駆動用ばね部材66の一端部6
6aから離れるため、入力輪65の回転はアジャスタギ
ヤ30に伝達されない。
【0023】入力用ばね部材38は、偏心カムシャフト
34の外周に嵌合したコイルばねで、一端38aが偏心
カムシャフト34の外周の係合孔34aに係止されると
共に、他端38bがアジャスタギヤ30側に延出して入
力輪65の凹部65bに挿通されている。偏心カムシャ
フト34が回転すると、入力用ばね部材38は偏心カム
シャフト34と一体に回転しようとし、その際に、他端
38bが凹部65bを形成している一対の突片65cの
一方に当たって、偏心カムシャフト34の回転を入力輪
65に伝達する。
【0024】また、ブレーキ軸力によりアジャスタギヤ
30の回転ができないような状態では、入力用ばね部材
38は弾性変形し、破壊を防止すると共に、キャリパ剛
性に非追従となり、オーバーアジャストを防止してい
る。なお、凹部65bは、挿通する入力用ばね部材38
の他端38bと各突片65cとの間に隙間sが確保され
るように、凹部65bの幅寸法が他端38bの外径より
も大きく設定されている。このような隙間sは、入力用
ばね部材38と入力輪65との相互間における相対回転
動作を許容するバックラッシュとなり、偏心カムシャフ
ト34の微動回転で不用意にアジャスタギヤ30が回転
駆動されて、オーバーアジャストによる引きずり現象を
防止する役割を果たす。
【0025】また、以上の構成から明らかなように、ワ
ンウェイクラッチ機構32は、摩擦式のため、クラッチ
ングトルク以上で回転させれば、隙間調整を初期状態に
戻すことができる。
【0026】以上に説明した一実施形態のピストン前進
動作における隙間調整では、操作レバー36を正回転方
向(図2の矢印(イ)方向)に回動するブレーキ作動に
よって、該操作レバー36と一体に偏心カムシャフト3
4が回動し、該偏心カムシャフト34に装備した入力用
ばね部材38が図4の矢印(ロ)方向に回動する。この
入力用ばね部材38の回動により、該入力用ばね部材3
8の他端38bがワンウェイクラッチ機構32の入力輪
65を正回転方向に回動させる。これによって、入力輪
65にギヤ駆動用ばね部材66を介して連結されている
アジャスタギヤ30が正回転方向に回動し、該アジャス
タギヤ30の回転は、アジャスタギヤ30に噛合してい
る各伝達ギヤ27,28を介して各ピストン15,16
の内周に螺合しているアジャスタねじ21,22を回転
させる。
【0027】そして、このアジャスタねじ21,22の
回転により各ピストン15,16がロータ側に螺出され
て、これらのピストン15,16が当接している摩擦パ
ッド6をロータ4側に移動させて、ロータ4と各摩擦パ
ッド6,7との間の隙間を縮める。この時はまさにブレ
ーキ作動の為のピストン支持ケース18の移動の時であ
り、ロータ4と各摩擦パッド6,7との隙間が詰められ
て、各ピストン15,16のブレーキの作動力が掛かる
まで移動する。
【0028】ここで、以上のアジャスト動作における各
ピストン15,16のロータ4側への螺出量は、ねじピ
ッチの大きなアジャスタねじ21に螺合しているロータ
4の回入側(図8では左側)のピストン15の方が大き
くなるように各ねじピッチを設定している。このよう
に、ロータ4の回入側と回出側とで各ピストン15,1
6の螺出量が調整されるため、摩擦パッド6の偏摩耗が
進行して摩擦パッド6の表面は傾斜しても、該摩擦パッ
ド6とロータ4の表面との関係は常時互いに平行な状態
に維持することができ、ロータ4に対する摩擦パッド
6,7の接触面全域に良好な接触面圧を保持することが
できる。
【0029】なお、これとは別にピストン後退動作にお
いて隙間調整を行う場合、操作レバー36を正回転方向
(図2の矢印(イ)方向)に対して反対方向に回動した
時にブレーキ作動となる構成とする。すると、偏心カム
シャフト34上の入力用ばね部材38の端部は、偏心カ
ムシャフト34と一体に図4の矢印(ロ)とは反対であ
る逆回転方向に回転し、凹部65bに存在している隙間
sを詰めた後に入力輪65に逆回転方向の回転力を作用
させる。しかし、入力輪65に作用した逆回転方向の回
転では、入力輪65とアジャスタギヤ30との間に介在
するギヤ駆動用ばね部材66が圧縮方向の荷重を受けな
いので、アジャスタギヤ30には回転が伝達されず、ピ
ストン支持ケース18の移動によるブレーキ動作のみが
実行され、隙間調整は成されない。
【0030】そして、ブレーキ圧力を抜き始めると、入
力用ばね部材38の端部は徐々に戻るが、隙間sが図4
に示す位置の反対側に位置する状態となって凹部65b
に当接しないため、アジャスタギヤ30は未だ回転しな
い。更にブレーキ圧力が抜かれて、入力用ばね部材38
の端部が凹部65bに当接すると、アジャスタギヤ30
が正回転方向に回転し、ピストン15,16の螺出によ
るアジャストを実行することになる。
【0031】上記一実施形態のアジャスタ1では、アジ
ャスタ操作時における各ピストン15,16の螺出量を
変えるために、これらのピストン15,16に螺合して
いるアジャスタねじ21,22のねじピッチを変更した
が、図7に示すように、アジャスタねじ21,22と一
体回転する一対の伝達ギヤ27,28の歯数を変更する
ようにしても良い。その場合には、例えばロータの回入
側に対応した伝達ギヤ27の歯数を12に、そして回出
側に対応した伝達ギヤ28の歯数を14というように、
一対の伝達ギヤ27,28の内、ロータの回入側に位置
するピストン15に対する伝達ギヤ27の歯数を、回出
側に位置するピストン16に対する伝達ギヤ28の歯数
よりも少なく設定する。このようにしても、一実施形態
の場合と同様に、摩擦パッド6の偏摩耗が進行して摩擦
パッド6の表面は傾斜しても、該摩擦パッド6とロータ
4の表面との関係は常時互いに平行な状態に維持するこ
とができ、ロータ4に対する摩擦パッド6,7の接触面
全域に良好な接触面圧を保持することができる。
【0032】なお、各ピストン15,16の押し出し量
を摩擦パッドの偏摩耗に応じた最適値にするには、前述
のアジャスタねじ21,22のねじピッチとピストンの
螺出量との相関、あるいは各伝達ギヤ27,28の歯数
とピストンの螺出量との相関を事前に調べて、経験的な
摩擦パッドの摩耗の進行速度に合致する値を選定するこ
と必要となる。
【0033】また、上記実施形態ではブレーキ動作と隙
間調整を同じ操作レバー36により実行しているが、そ
れぞれを別のレバーによって実行する構成も可能であ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明のディスクブレーキ装置のアジャ
スタでは、アジャスト動作時における各ピストンのロー
タ側への螺出量がロータの回入側のピストンの方が大き
くなるように、各ピストンに対するアジャスタねじのね
じピッチあるいは伝達ギヤの歯数を調整したもので、摩
擦パッドの偏摩耗が進行して摩擦パッドの表面は傾斜し
ても、該摩擦パッドとロータの表面との関係は常時互い
に平行な状態に維持することができ、ロータに対する摩
擦パッドの接触面全域に良好な接触面圧を保持すること
ができる。従って、摩擦パッドの偏摩耗によって制動性
能の低下やブレーキの鳴きという問題が発生することが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャス
タの一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のアジャスタを組み込んだ
ディスクブレーキ装置の一部を断面した平面図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図4の要部の拡大図である。
【図6】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図7】本発明に係るディスクブレーキ装置のアジャス
タの他の実施形態の要部の断面図である。
【図8】摩擦パッドに生じる偏摩耗を示す摩擦パッドの
断面図である。
【符号の説明】
1 アジャスタ 2 ディスクブレーキ装置 4 ロータ 6,7 摩擦パッド 11 キャリパ 11c 駆動機構収容部 15,16 ピストン 18 ピストン支持ケース 19 ねじ部 21,22 アジャスタねじ 24,25 ねじ部 27,28 伝達ギヤ 30 アジャスタギヤ 32 ワンウェイクラッチ機構 34 偏心カムシャフト 36 操作レバー 38 入力用ばね部材 44 リターンスプリング 46 ばね受けスリーブ 48 ボルト 54 リテーナ 60 ギヤ押さえ 65 入力輪 65b 凹部 66 ギヤ駆動用ばね部材 70 ギヤ駆動機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦パッドとロータとの間の隙間調整を
    行うディスクブレーキ装置のアジャスタ機構であって、 ロータ周方向に間隔をおいて配置され、摩擦パッドをロ
    ータに押圧する複数のピストンと、 前記各ピストンに螺合し、回転することにより該ピスト
    ンをロータ方向に螺出させるアジャスタねじ部材と、 前記ピストンの間に配置され、前記各アジャスタねじ部
    材を回転駆動するギヤ駆動機構とを有し、 前記各アジャスタねじ部材が摩擦パッドのロータ周方向
    における摩耗割合に対応して異なる螺出割合を有し、前
    記ギヤ駆動機構の回転に従って同時に隙間調整を実行す
    ることを特徴とするディスクブレーキ装置のアジャスタ
    機構。
  2. 【請求項2】 前記各ピストンの螺出割合が、 (摩擦パッド部へのロータ回入側)>(摩擦パッド部へ
    のロータ回出側) の関係を有することを特徴とする請求項1に記載のディ
    スクブレーキ装置のアジャスタ機構。
  3. 【請求項3】 前記各ピストンの螺出割合がそれぞれに
    対応するアジャスタねじ部材との螺合ねじピッチで設定
    されることを特徴とする請求項1又は2に記載のディス
    クブレーキ装置のアジャスタ機構。
  4. 【請求項4】 前記各ピストンの螺出割合がそれぞれに
    対応するギヤ駆動機構のギヤ歯数で設定されることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のディスクブレーキ装置
    のアジャスタ機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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