JPH10318281A - 動力伝達機構及びその組付方法 - Google Patents

動力伝達機構及びその組付方法

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JPH10318281A
JPH10318281A JP9127321A JP12732197A JPH10318281A JP H10318281 A JPH10318281 A JP H10318281A JP 9127321 A JP9127321 A JP 9127321A JP 12732197 A JP12732197 A JP 12732197A JP H10318281 A JPH10318281 A JP H10318281A
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JP
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power transmission
transmission mechanism
rotating body
bush
mechanism according
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JP9127321A
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English (en)
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Masahiko Okada
昌彦 岡田
Takashi Ban
孝志 伴
Koji Yusa
幸治 遊佐
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Toyota Industries Corp
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/02Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type
    • F16D7/022Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with a helical band or equivalent member co-operating with a cylindrical torque limiting coupling surface
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/002Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock the torque being transmitted and limited by yielding of an elastomeric race
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
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    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0895Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof driving means
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でもって、一方の回転体への着脱
が容易で、着脱時の作業性がよく、組み付け時における
同回転体の不用意な移動のおそれを低減可能な動力伝達
機構を提供する。 【解決手段】 被動機器側の第2回転体26の端部にス
プライン軸75を形成する。内周面にスプライン溝77
を有する円筒状の介装部材76の外周面上に、ねじりコ
イルバネ80を予め巻回する。次に、前記介装部材76
を前記第2回転体26の端部に挿嵌し、ロックボルト7
8により介装部材76と第2回転体26とを接合固定す
る。そして、ねじりコイルバネ80を、動力源側のプー
リ65と一体回転される連結板70に対して回り止めす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転運動する動
力源側の第1回転体と被動機器側の第2回転体とを、常
には動力伝達可能に連結し、被動機器側における負荷ト
ルクが過大になったときには動力伝達を遮断する動力伝
達機構及びその組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達機構としては、例えば
特開平8−121336号公報に記載の構成が知られて
いる。この従来構成においては、図10に示すように、
プーリ101が被動機器のハウジング102にアンギュ
ラベアリング103を介して支持されている。このプー
リ101は、ベルト104を介して動力源に連結されて
いる。プーリ101の連結筒105と駆動力伝達体10
6との間には、環状の緩衝ゴム107が接着固定されて
いる。駆動力伝達体106の中心孔106aには前記被
動機器側の回転軸108が挿通され、その端部にはナッ
ト108aが螺着されている。その回転軸108の端部
の近傍には、ねじりコイルバネ109が自らのねじりバ
ネ力により締め付け結合されている。このねじりコイル
バネ109の一端は回転軸108の接線方向に延出され
ており、この延出端部110が前記駆動力伝達体106
の被動機器側面に形成された掛止凹部111に掛止され
ている。
【0003】そして、常には、動力源の回転が、ベルト
104、プーリ101、連結筒105、緩衝ゴム10
7、駆動力伝達体106及びねじりコイルバネ109を
介して、被動機器側の回転軸108に伝達されるように
なっている。一方、被動機器側における負荷トルクが過
大になったときには、ねじりコイルバネ109が負荷ト
ルクにより、その巻きが緩む方向にねじり変形する。こ
のねじり変形に伴ってねじりコイルバネ109はその内
周が拡径し、ねじりコイルバネ109の回転軸108に
対する締め付け結合が解除される。そして、ねじりコイ
ルバネ109と回転軸108との間で滑りが生じて、動
力源から被動機器への動力伝達が遮断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の従来
構成においては、ねじりコイルバネ109が回転軸10
8に対して、直接締め付け固定されている。このため、
ねじりコイルバネ109を自らのねじりバネ力に抗して
拡径させた状態で、回転軸108に対して圧入する必要
がある。ここで、図10のように、被動機器のハウジン
グ102の端部に近接した部分において、ねじりコイル
バネ109を取り付ける必要のある場合には、その取付
作業が困難なものとなるという問題があった。
【0005】また、被動機器の内部及び動力伝達機構の
調整及び修理等のために、被動機器側の回転軸108か
らねじりコイルバネ109を取り外す必要を生じること
がある。ここで、図10のような従来構成では、前記ハ
ウジング102の端部の干渉によって、このねじりコイ
ルバネ109の取り外しが行いにくいという問題があっ
た。
【0006】さらに、このねじりコイルバネ109の回
転軸108への圧入に際して、回転軸108が不用意に
移動されやすいという問題があった。このような回転軸
108の不用意な移動が生じると、被動機器の内部にお
いて種々の不都合の生じるおそれがある。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
しては、簡単な構成でもって、一方の回転体への着脱が
容易で、着脱時の作業性がよく、組み付け時における同
回転体の不容易な移動のおそれを低減可能な動力伝達機
構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、動力源側の第1回転体
と被動機器側の第2回転体とを、動力伝達に際して発生
する負荷トルクによりねじり変形可能な弾性手段を介し
て、動力伝達可能に連結する動力伝達機構において、前
記弾性手段と、第1回転体または第2回転体のいずれか
一方との間に介装部材を介装し、その介装部材と同介装
部材に対向する回転体との間には、同介装部材をその回
転体に対し軸線方向に挿嵌可能かつ、一体回転可能に係
止する係止手段を設けたものである。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の動力伝達機構において、前記弾性手段をねじりコイ
ルバネとしたものである。請求項3に記載の発明では、
請求項2に記載の動力伝達機構において、前記ねじりコ
イルバネは、被動機器側の負荷トルクが作用したとき、
その巻きが緩んで拡径するように巻かれているものであ
る。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の動力伝達機構において、前記係止手
段が、回転体の軸線とほぼ平行に延びるとともに、凹凸
の関係で嵌合する嵌合手段を含むものである。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の動力伝達機構において、対をなすキーとキー溝とに
よりなるものである。請求項6に記載の発明では、請求
項4または5に記載の動力伝達機構において、前記嵌合
手段が、一対のスプライン軸とスプライン溝とによりな
るものである。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の動力伝達機構において、前記係止手
段は、前記介装部材と同介装部材に対向する回転体とに
形成された第1螺合部と、その第1螺合部に対して逆の
ねじ込み方向を有し、前記介装部材と前記回転体とを接
合固定する第2螺合部とを含むものである。
【0013】請求項8に記載の発明では、動力源側の第
1回転体と被動機器側の第2回転体とを、動力伝達に際
して発生する負荷トルクによりねじり変形可能な弾性手
段を介して、動力伝達可能に連結する動力伝達機構の組
付方法において、前記弾性手段を介装部材に接合させ、
その介装部材を第1回転体または第2回転体のいずれか
一方に対してその回転体の軸線方向に挿嵌して、前記介
装部材と同介装部材に対向する回転体との間に設けられ
た係止手段により、両者を一体回転可能に係止させるよ
うにしたものである。
【0014】従って、請求項1及び8に記載の発明にお
いては、弾性手段は予め介装部材に接合させた状態で、
その介装部材を第1回転体または第2回転体の内、一方
の回転体に対して、その軸線方向に挿嵌することで取り
付けられる。そして、介装部材は係止手段により一方の
回転体と一体回転可能に係止される。このため、弾性手
段を一方の回転体に対して直接取着する場合に比べて、
弾性手段の着脱が容易なものとなる。そして、簡単な構
成でもって、動力伝達機構の着脱時の作業性が大きく向
上される。特に、各回転体の周辺構成との干渉により、
着脱作業時のスペースが限られる場合に有利である。
【0015】請求項2及び3に記載の発明においては、
弾性手段であるねじりコイルバネは介装部材に予め取着
した状態で、一方の回転体に装着される。このため、従
来のように、ねじりコイルバネを拡径(場合によっては
縮径)させつつ、一方の回転体に着脱する必要がない。
このため、ねじりコイルバネの装着時において、一方の
回転体が不用意に移動されるおそれが低減されて、動力
源あるいは被動機器に不都合の生じることが抑制され
る。
【0016】請求項4に記載の発明においては、介装部
材を一方の回転体の軸線方向に沿って、その回転体に挿
嵌することで弾性手段が装着される。このため、動力伝
達機構の着脱を容易に行うことができる。
【0017】請求項5に記載の発明においては、簡単な
加工で嵌合手段を構成することができる。請求項6に記
載の発明においては、回転体と介装部材の対向周面に、
一対のスプライン軸及びスプライン溝を形成するのみで
嵌合手段を構成することができて、部品点数の増大を抑
制することができる。
【0018】請求項7に記載の発明においては、まず、
介装部材と一方の回転体とを第1螺合部において螺合さ
せることで、その回転体の軸線方向に挿嵌する。次に、
介装部材とその回転体とを第2螺合部において螺合させ
て接合固定する。これにより、介装部材と一方の回転体
とが一体回転可能に係止される。ところで、介装部材と
一方の回転体との間に作用する負荷トルクは、回転体の
回転方向に対して逆方向のモーメントとなる。ここで、
第1螺合部と第2螺合部とは、互いに異なるねじ込み方
向を有するように形成されている。このため、常に第1
螺合部または第2螺合部のいずれか一方が、介装部材と
その介装部材に対向する回転体とを互いに締め付ける方
向の螺合関係となって、両者間の係止が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明をクラッチレス可
変容量圧縮機の動力伝達機構に具体化した第1の実施形
態について図1〜図5に基づいて説明する。
【0020】まず、クラッチレス可変容量圧縮機につい
て説明する。図1に示すように、被動機器としてのクラ
ッチレス可変容量圧縮機(以下、単に「圧縮機」とす
る)21は、シリンダブロック22と、その前端面に接
合されたフロントハウジング23と、その後端面にバル
ブプレート24を介して接合されたリヤハウジング25
とにより構成されている。
【0021】第2回転体としての回転軸26は、前記シ
リンダブロック22及びフロントハウジング23の中央
に、一対のラジアルベアリング27を介して回転可能に
支持されている。その回転軸26の前端外周とフロント
ハウジング23との間には、リップシール28が介装さ
れている。
【0022】複数のシリンダボア29は、前記回転軸2
6と平行に延びるように、シリンダブロック22に所定
間隔おきで貫通形成され、それらの内部には片頭型のピ
ストン30が往復動可能に嵌挿支持されている。クラン
ク室31はシリンダブロック22とフロントハウジング
23との間に区画形成されている。
【0023】回転支持体32はクランク室31内におい
て回転軸26に一体回転可能に止着され、スラストベア
リング33を介してフロントハウジング23の内面に接
合されている。支持アーム34は回転支持体32の後面
にシリンダブロック22側に向かって突設され、その先
端には一対のガイド孔35が形成されている。
【0024】ほぼ円板状の斜板36は、前記回転軸26
に傾動可能に嵌挿されている。その斜板36の前面には
一対の球状連結体37が突設されている。そして、この
球状連結体37が支持アーム34のガイド孔35に回動
及び摺動自在に係入することによって、斜板36が回転
支持体32に対して傾角の変更可能にヒンジ連結されて
いる。
【0025】斜板36の外周部には、一対の半球状のシ
ュー38を介して各ピストン30が連結されている。そ
して、回転軸26が回転されたとき、回転支持体32を
介して斜板36が回転され、各ピストン30がシリンダ
ボア29内において往復動される。
【0026】収容室39は前記回転軸26と同一軸線上
に位置するように、シリンダブロック22の中心に貫通
形成されている。吸入通路40は回転軸26と同一軸線
上に延びるように、リヤハウジング25及びバルブプレ
ート24の中心に形成されている。その吸入通路40の
前端は収容室39が連通されるとともに、後端には外部
冷媒回路41が接続されている。そして、この外部冷媒
回路41には、凝縮器42、膨張弁43及び蒸発器44
が接続されている。
【0027】吸入室45は前記リヤハウジング25内の
中央部に環状に区画形成され、連通口46を介して収容
室39に連通されている。吐出室47はリヤハウジング
25内の外周部に環状に区画形成され、吐出通路48を
介して外部冷媒回路41に接続されている。
【0028】吸入弁機構49及び吐出弁機構50は、各
シリンダボア29に対応するように前記バルブプレート
24に形成されている。前記ピストン30の上死点位置
から下死点位置への復動動作により、吸入弁機構49を
介して吸入室45から各シリンダボア29内に冷媒ガス
が吸入される。そして、シリンダボア29内に吸入され
た冷媒ガスは、ピストン30の下死点位置から上死点位
置への往動動作により、所定の圧力に達するまで圧縮さ
れた後、吐出弁機構50を介して吐出室47に吐出され
る。
【0029】円筒状の遮断体51は、前記回転軸26と
同一軸線上に位置するように、シリンダブロック22の
収容室39内に移動可能に収容されている。吸入通路開
放バネ52は、遮断体51と収容室39の後端縁との間
に介装され、この吸入通路開放バネ52により遮断体5
1が斜板36側に向かって付勢されている。そして、こ
の遮断体51内には、前記ラジアルベアリング27を介
して回転軸26の後端が摺動可能に嵌挿支持されてい
る。スラストベアリング53は、前記遮断体51と斜板
36との間において、回転軸26に摺動可能に嵌挿され
ている。
【0030】また、前記斜板36が最小傾角状態に傾動
されたときには、遮断体51が吸入通路開放バネ52の
付勢力に抗して後方の閉位置に移動される。そして、そ
の遮断体51が、吸入通路40の前端開口縁に接合され
る。それにより、吸入通路40が閉じられて、外部冷媒
回路41から吸入室45内への冷媒ガスの導入が停止さ
れる。なお、この斜板36の最小傾角は0度よりも僅か
に大きくなるように設定されるとともに、その最小傾角
は遮断体51が閉位置に配置されることによって規制さ
れる。
【0031】これにより、この圧縮機21は、冷房負荷
の存在しない状態においても、最小傾角状態での運転が
継続可能となっている。つまり、この圧縮機21は、回
転軸26と動力源とをクラッチを介することなく常時連
結可能な、いわゆるクラッチレスタイプとなっている。
【0032】一方、斜板36が最大傾角状態に傾動され
たときには、遮断体51が吸入通路開放バネ52の付勢
力により前方の開位置に移動される。そして、その遮断
体51が吸入通路40の前端開口縁から離間される。そ
れにより、吸入通路40が開かれて、外部冷媒回路41
から吸入通路40、収容室39、連通口46を介して吸
入室45内に冷媒ガスが導入され、斜板36の回転に伴
って最大吐出容量の圧縮運転が行われる。なお、この斜
板36の最大傾角は、斜板36の前面に形成された規制
突部54と回転支持体32との当接によって規制され
る。
【0033】傾角減少バネ55は回転支持体32と斜板
36との間に介装され、この傾角減少バネ55により斜
板36が最小傾角方向に付勢されている。放圧通路56
は、前記回転軸26の中心に形成され、その前端がクラ
ンク室31内に開口されるとともに、後端が遮断体51
の内部に開口されている。放圧通口57は、遮断体51
の後端外周に形成され、この放圧通口57を介して遮断
体51の内部が収容室39内に連通されている。そし
て、クランク室31の圧力が、これらの放圧通路56、
遮断体51の内部、放圧通口57、収容室39及び連通
口46を介して、吸入室45内へ放出されるようになっ
ている。
【0034】給気通路58は、前記リヤハウジング2
5、バルブプレート24及びシリンダブロック22に連
続して形成されている。この給気通路58により、吐出
室47とクランク室31とが接続されている。電磁開閉
弁59は、給気通路58の途中に位置するようにリヤハ
ウジング25に装着され、ソレノイド60の励磁または
消磁に伴って閉止または開放される。そして、この電磁
開閉弁60が開放されたときには、吐出室47の圧力が
給気通路58を介して、クランク室31内へ供給され
て、クランク室31内の調圧が行われるようになってい
る。
【0035】次に、この実施形態の動力伝達機構につい
て説明する。前記フロントハウジング23には、支持筒
部63が一体形成されており、この支持筒部63にはア
ンギュラベアリング64が回転軸26の軸線方向へスラ
イド可能に支持されている。アンギュラベアリング64
の外輪には、第1回転体としてのプーリ65が止着され
ている。プーリ65はベルト66を介して動力源として
の車両エンジン67に連結されている。
【0036】図2〜図5に示すように、プーリ65の側
面には、略円環状をなす支持板68が複数箇所でねじ止
め固定されている。支持板68の前面内周側には、環状
の緩衝ゴム69が接着固定されている。連結板70は、
円筒状の筒部71とその外周面に径方向に向かって膨出
した円板状のフランジ部72とから構成されている。そ
のフランジ部72の後面外周側には、緩衝ゴム69がそ
の前面において接着固定されている。前記筒部71の前
端には、その径方向軸線側に向かって係合突片73が折
り曲げ形成されている。これら支持板68、緩衝ゴム6
9及び連結板70は、前記プーリ65と一体回転可能に
なっており、ともに第1回転体を構成している。
【0037】回転軸26の前端部には段部74が形成さ
れており、この段部74はスプライン軸75となってい
る。この回転軸26の段部74には、円筒状をなす介装
部材としてのブッシュ76が挿嵌されている。このブッ
シュ76の内周面には、前記スプライン軸75と対をな
すスプライン溝77が形成されている。これらスプライ
ン軸75とスプライン溝77とは、回転軸26の軸線方
向に延びるとともに凹凸の関係で嵌合する嵌合手段を構
成している。また、ブッシュ76は、ロックボルト78
により回転軸26に固定されており、前記スプライン軸
75、スプライン溝77及びロックボルト78により係
止手段が構成されている。そして、ブッシュ76は、回
転軸26に対してその軸線方向に挿嵌可能かつ一体回転
可能になっており、回転軸26及びブッシュ76はとも
に第2回転体を構成している。
【0038】ブッシュ76の外周面には、例えばガラス
繊維、炭素繊維、タルク、クレー等の無機物等が充填さ
れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリイ
ミド、エポキシ樹脂等の合成樹脂材料によりなる樹脂層
79が形成されている。
【0039】弾性手段としてのリミットバネ80は、ブ
ッシュ76の外周面上に、例えばバネ鋼によりなる素線
が巻回されたねじりコイルバネとなっている。このリミ
ットバネ80の内径は、負荷トルク等の外力が作用して
いない状態(無荷重状態)においては、前記ブッシュ7
6の外径よりも小さくなるように設定されている。これ
により、リミットバネ80は、自らのねじり弾性により
ブッシュ76に対して所定の初期締め付け力を持つよう
に巻回されている。リミットバネ80の後方部は、前記
フロントハウジング23の支持筒部63内に収容されて
いる。また、リミットバネ80の前端部は、前記連結板
70の筒部71内に挿入されている。そして、リミット
バネ80の素線の前側端81は、前記連結板70の筒部
71前端の係止突片73に係合している。これにより、
リミットバネ80が連結板70に対して回り止めされて
いる。
【0040】ところで、このリミットバネ80は、その
素線がプーリ65及び回転軸26の回転方向に一致する
方向に巻かれている。このため、後述する組付状態にお
いて、リミットバネ80は圧縮機21の回転軸26及び
ブッシュ76を介して負荷トルクが作用すると、巻きが
緩む方向にねじり変形するようになっている。この緩み
方向へのねじり変形により、リミットバネ80はその内
周が拡径し、ブッシュ76に対する締め付け力が減少す
るようになっている。
【0041】そして、通常の運転状態においては、車両
エンジン67からの動力は、ベルト66、プーリ65、
支持板68、緩衝ゴム69、連結板70、リミットバネ
80及びブッシュ76を介して圧縮機21の回転軸26
に伝達されるようになっている。
【0042】次に、この動力伝達機構の組付方法につい
て説明する。まず、プーリ65を、圧縮機21のフロン
トハウジング23の支持筒部63にアンギュラベアリン
グ64を介して回転可能に取着する。支持板68と、緩
衝ゴム69と、連結板70とを予め接着固定しておく。
【0043】また、リミットバネ80は、拡径ジグを用
いてその内径を拡径させた状態で、リミットバネ80の
無荷重状態における内径よりも大きな外径を有するブッ
シュ76の外周面上に被嵌する。そして、リミットバネ
80から拡径ジグを取り外すことにより同バネ80を縮
径させて、リミットバネ80とブッシュ76とを予め接
合させる。これにより、リミットバネ80に、ブッシュ
76に対する所定の初期締め付け力が付与される。
【0044】このブッシュ76を、その内周面のスプラ
イン溝77と回転軸26のスプライン軸75とを嵌合さ
せつつ、回転軸26の軸線方向後方に向かって挿嵌す
る。そして、ブッシュ76を、その軸線方向への移動が
規制されるようにロックボルト78により回転軸26に
対して係止固定する。次に、前記支持筒部63から突出
したリミットバネ80の前端部に対して、前記連結板7
0の筒部71を、その係合突片73とリミットバネ80
の素線の前側端81とが係合するように被嵌させる。こ
の状態で、前記支持板68を前記プーリ65の側面にネ
ジ止めして固定する。
【0045】なお、動力伝達機構の取り外しは、この組
付方法の逆の手順を追って行えばよい。次に、前記のよ
うに構成された圧縮機21の動作について説明する。
【0046】さて、図1に示す状態では、ソレノイド6
0の励磁により電磁開閉弁59が閉止されて、給気通路
58が閉じられている。このため、吐出室47内の高圧
の圧縮冷媒ガスが給気通路58を介してクランク室31
内に供給されず、クランク室31の冷媒ガスは、もっぱ
ら放圧通路56、遮断体51の内部、放圧通口57、収
容室39及び連通口46を介して吸入室45内に流入す
る。従って、クランク室31内の圧力が吸入室45内の
低圧力、すなわち吸入圧力に近付いていき、斜板36が
最大傾角状態に保持されて、最大吐出容量の圧縮運転が
行われる。
【0047】このような最大吐出容量で圧縮運転が行わ
れて冷房負荷が小さくなると、外部冷媒回路41におけ
る蒸発器44の温度が次第に低下する。そして、蒸発器
44の温度がフロストを発生し始める設定温度以下にな
ると、ソレノイド60が消磁されて、電磁開閉弁59が
開放される。これにより、吐出室47内の高圧の圧縮冷
媒ガスが給気通路58を介してクランク室31内に供給
され、クランク室31内の圧力が高くなって、斜板36
が最大傾角状態から最小傾角状態へ迅速に移行される。
【0048】このように斜板36の傾角が減少される
と、その傾動に伴いスラストベアリング53を介して遮
断体51に後方への移動力が付与される。これにより、
遮断体51が吸入通路開放バネ52の付勢力に抗して、
前方の開位置から後方の閉位置に向かって移動される。
そして、斜板36が最小傾角状態になると、遮断体51
が閉位置に配置されて、その後端面が吸入通路40の前
端開口縁に接合する。これにより、吸入通路40が閉じ
られて、外部冷媒回路41から吸入室45内への冷媒ガ
スの導入が阻止される。
【0049】この斜板36の最小傾角は0度よりも僅か
に大きくなるように設定されているため、斜板36の最
小傾角状態においても、シリンダボア29から吐出室4
7内に、圧縮冷媒ガスが吐出され続けて、最小吐出容量
での圧縮運転が行われる。そして、この吐出室47内に
吐出された圧縮冷媒ガスは、給気通路58を通ってクラ
ンク室31内に流入する。そして、クランク室31内の
冷媒ガスは、放圧通路56、遮断体51の内部、放圧通
口63、収容室39及び連通口46を介して吸入室45
内に流入して、再びシリンダボア29内に吸入される。
つまり、この斜板36の最小傾角状態では、圧縮機21
の内部において、冷媒ガスの循環通路が形成されてい
る。
【0050】さらに、前記のような斜板36の最小傾角
状態で圧縮運転が行われて冷房負荷が増大すると、外部
冷媒回路41における蒸発器44の温度が次第に上昇す
る。そして、蒸発器44の温度が設定温度を越えると、
ソレノイド60が励磁され、電磁開閉弁59が閉止され
る。これにより、吐出室47内の高圧の圧縮冷媒ガスが
給気通路58を介してクランク室31内に供給されなく
なり、クランク室31の圧力のみが放圧通路56、遮断
体51の内部、放圧通口63、収容室39及び連通口4
6を介して吸入室45内に放出される。従って、クラン
ク室31内の圧力が次第に減少され、斜板36が最小傾
角状態から最大傾角状態に移行される。
【0051】このように斜板36の傾角が増大される
と、その傾動に従って遮断体51が吸入通路開放バネ5
2の付勢力により、後方の閉位置から前方の開位置に向
かって移動される。そして、図1に示すように、遮断体
51の後端面が、吸入通路40の前端開口縁から離間す
る。これにより、吸入通路40が開かれて、外部冷媒回
路41から吸入室45内への冷媒ガスの導入が再開さ
れ、斜板36の最大傾角状態にて、最大吐出容量の圧縮
運転が行われる。
【0052】一方、車両エンジン67が停止された場合
には、圧縮機21の運転も停止されて、電磁開閉弁59
が開放されて、斜板36は前記と同様に最小傾角状態に
配置される。
【0053】次に、この実施形態の動力伝達機構の動作
について説明する。通常の運転状態においては、前記の
ように、車両エンジン67からの動力は、ベルト66、
プーリ65、支持板68、緩衝ゴム69、連結板70、
リミットバネ80及びブッシュ76を介して圧縮機21
の回転軸26に伝達される。
【0054】この動力伝達に際して、圧縮機21側の運
転状況に応じて、回転軸26にはプーリ65の回転方向
と逆向きの負荷トルクが発生する。この負荷トルクによ
って、リミットバネ80が緩む方向にねじり変形する。
【0055】ところで、この負荷トルクが発生しても、
リミットバネ80のねじり変形が所定の初期締め付け力
を越えない範囲である場合には、リミットバネ80とブ
ッシュ76との密着が保たれる。このため、プーリ65
から回転軸26への動力伝達が継続される。
【0056】一方、圧縮機21側において何らかの原因
で過大な負荷トルクが発生すると、リミットバネ80の
締め付け力が減少し、リミットバネ80とブッシュ76
との摩擦がトルクに耐えられなくなり、リミットバネ8
0が開放する。ここで、リミットバネ80は、その素線
の前側端81において、連結板70に対して回り止めさ
れている。このため、リミットバネ80とブッシュ76
との間で滑りが生じて、プーリ65から回転軸26への
動力伝達が遮断される。そして、リミットバネ80がブ
ッシュ76の外周面上を滑りながら回転すると、摩擦熱
が発生する。このため、ブッシュ76の外周面上の樹脂
層79が変形しやすくなって、ブッシュ76の外径が小
さくなる方向に変形される。やがて、ブッシュ76の外
径が、無負荷時のリミットバネ80の内径とほとんど変
わらない状態となる。この状態では、リミットバネ80
は動力伝達が遮断された状態でブッシュ76に対してほ
とんど抵抗なく空転される。
【0057】以上のように構成されたこの第1の実施形
態によれば、以下の効果が期待される。 ・ この第1の実施形態の動力伝達機構においては、リ
ミットバネ80がブッシュ76に予め接合された状態
で、回転軸26に対してその軸線方向に挿嵌することで
取り付けられる。そして、一対のスプライン軸75とス
プライン溝77との嵌合により、ブッシュ76と回転軸
26とが一体回転されるようになっている。このため、
リミットバネ80を回転軸26に対して直接取着されて
いる場合のように、リミットバネ80の回転軸26に着
脱する際に、リミットバネ80を拡径させる必要がな
い。これにより、リミットバネ80の回転軸26に対す
る着脱が容易なものとなる。従って、簡単な構成にも係
わらず動力伝達機構の着脱時の作業性が大きく向上され
る。特に、この実施形態に示すような、フロントハウジ
ング23の支持筒部63との干渉により、被動機器と動
力伝達機構との間に大きな作業スペースが確保できない
場合に有利である。
【0058】また、リミットバネ80の装着時におけ
る、回転軸26が不用意に移動されるおそれが低減され
る。従って、この回転軸26の不用意な移動により、圧
縮機21に不都合の生じることを抑制することができ
る。
【0059】・ この第1の実施形態の動力伝達機構に
おいては、ブッシュ76と回転軸26とが、その回転軸
26の軸線とほぼ平行に延びるとともに凹凸の関係を有
する一対のスプライン軸75とスプライン溝77との嵌
合により係止されている。このため、ブッシュ76を回
転軸26の軸線方向に沿って、その回転軸26に挿嵌す
ることで前記ブッシュ76に予め巻回されたリミットバ
ネ80を装着することができる。従って、圧縮機21の
回転軸26に対する動力伝達機構の着脱を容易に行うこ
とができる。
【0060】・ この第1の実施形態の動力伝達機構に
おいては、ブッシュ76と回転軸26とが、その対向周
面間に形成された一対のスプライン軸75とスプライン
溝77との嵌合により一体回転可能に係止されている。
このため、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構成
でリミットバネ80と回転軸26との間の嵌合手段を形
成することができる。
【0061】・ この第1の実施形態の動力伝達機構に
おいては、被動機器が吐出容量を連続的に変更可能に構
成されたクラッチレスタイプの可変容量圧縮機21とな
っている。
【0062】さて、前記従来構成のように、リミットバ
ネ80を拡径しつつ、直接回転軸26に圧入する場合に
は、前述のように不用意な回転軸26の移動が発生する
おそれがあった。このような、回転軸26の移動が生じ
ると、その回転軸26に一体回転可能に支持された回転
支持体32、その回転支持体32に傾動可能に取着され
たカムプレートとしての斜板36も移動される。これに
より、斜板36の最小傾角位置の設定にずれを生じて、
最小容量運転時に無駄な圧縮が行われたり、ピストン3
0とバルブプレート24とが干渉したりするおそれがあ
った。
【0063】ところが、この実施形態の動力伝達機構で
は、その組み付け時における回転軸26の不用意な移動
の発生が抑制される。このため、斜板36の最小傾角位
置を所定の位置に設定することができて、前記のような
不都合の発生するおそれを低減することができる。しか
も、回転軸26が動力源に常時作動連結されたクラッチ
レス可変容量圧縮機では、冷房負荷が存在しない場合に
も最小吐出容量での運転が継続される。このため、この
実施形態の動力伝達機構は、クラッチレス可変容量圧縮
機の動力伝達機構として特に好適である。
【0064】(第2の実施形態)つぎに、この発明の第
2の実施形態について、図6及び図7に基づいて前記第
1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0065】この第2の実施形態の動力伝達機構では、
図6及び図7に示すように、回転軸26の段部74及び
ブッシュ76の内周面には一対のキー溝84が形成され
ている。そして、この一対のキー溝84にはキー85が
嵌入されて、ブッシュ76が回転軸26に対してその軸
線方向に挿嵌可能かつ一体回転可能に嵌合されている。
つまり、キー溝84とキー85とは、回転軸26の軸線
方向に延びるとともに凹凸の関係で嵌合する嵌合手段を
構成している。
【0066】以上のように構成されたこの第2の実施形
態によれば、以下の効果が期待される。 ・ この第2の実施形態の動力伝達機構においても、前
記第1の実施形態の動力伝達機構とほぼ同様の効果を得
ることができる。
【0067】・ この第2の実施形態の動力伝達機構に
おいては、ブッシュ76と回転軸26とが、その対向周
面間に形成された一対のキー溝84とキー85との嵌合
により一体回転可能に係止されている。このため、リミ
ットバネ80と回転軸26との間の嵌合手段の構成が簡
単なものとなって、簡単な加工で形成することができ
て、製作上有利である。
【0068】(第3の実施形態)つぎに、この発明の第
3の実施形態について、図8及び図9に基づいて前記第
1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0069】この第3の実施形態の動力伝達機構におい
ては、図8及び図9に示すように、回転軸26の段部7
4には、その回転軸26の回転方向に対して逆のねじ込
み方向をなす逆ネジ部87が形成されている。一方、ブ
ッシュ76が略有蓋円筒状に形成されており、その内周
面は前記逆ネジ部87と対応する逆ネジ孔88となって
いる。また、ブッシュ76の前端面の中心には透孔89
が形成されている。そして、これら逆ネジ部87と逆ネ
ジ孔88とにより第1螺合部が構成されており、これら
逆ネジ部87と逆ネジ孔88とを螺合させることにより
ブッシュ76が回転軸26に対してその軸線方向に挿嵌
される。
【0070】また、回転軸26の前端にはその軸線に沿
ってネジ孔90が設けられており、このネジ孔90には
前記ブッシュ76の透孔89を通してロックボルト78
が螺着されている。これらロックボルト78のネジ孔9
0へのねじ込み方向は、前記逆ネジ部87の逆ネジ孔8
8へのねじ込み方向に対して逆方向をなすように形成さ
れている。これらロックボルト78とネジ孔90とより
第2螺合部が構成されており、これらロックボルト78
とネジ孔90とを螺合させることによりブッシュ76が
回転軸26に対して接合固定されるようになっている。
そして、前記第1螺合部と第2螺合部との一対の螺合構
成により、ブッシュ76が回転軸26に対してその軸線
方向に挿嵌可能かつ一体回転可能に係止されるようにな
っている。
【0071】さて、この第3の実施形態の動力伝達機構
においては、ブッシュ76と回転軸26との間に作用す
る負荷トルクは、常には回転軸26の回転方向に対して
逆方向のモーメントとなる。ここで、前記第1螺合部の
ねじ込み方向は回転軸26の回転方向に対して逆方向を
なすように形成されているため、前記負荷トルクが安定
している状態ではこの第1螺合部が締め込まれつつ、プ
ーリ65の回転が回転軸26に伝達される。
【0072】これに対して、何らかの要因で圧縮機21
側の負荷トルクが変動している場合には、その変動によ
り負荷トルクに回転軸26の回転方向と同方向のモーメ
ントが生じることがある。ここで、前記第2螺合部は、
第1螺合部に対して逆のねじ込み方向をなすように形成
されているため、前記の回転方向と同方向のモーメント
が生じても、第2螺合部が締め込まれつつ、プーリ65
の回転が回転軸26に伝達される。
【0073】以上のように構成されたこの第3の実施形
態によれば、以下の効果が期待される。 ・ この第3の実施形態の動力伝達機構においても、前
記第1の実施形態の動力伝達機構とほぼ同様の効果を得
ることができる。
【0074】・ この第3の実施形態の動力伝達機構に
おいては、ブッシュ76と回転軸26との間の第1螺合
部と第2螺合部とが、互いに異なる方向へのねじ込み方
向を有するように形成されている。このため、負荷トル
クの変動により回転軸26の回転方向に対して順逆両方
向のモーメントが発生しても、第1螺合部または第2螺
合部のいずれか一方が、ブッシュ76と回転軸26とを
互いに締め付ける方向の螺合関係となる。そして、ブッ
シュ76と回転軸26との間の係止が、常時確保され
る。従って、例えば長期使用時において、トルク変動に
伴うブッシュ76の回転軸26に対する緩みの発生を抑
制することができる。
【0075】(別例)なお、前記実施形態は、以下のよ
うに変更して具体化することもできる。 ・ 前記各実施形態において、ブッシュ76を回転軸2
6の段部74に挿嵌した状態でかしめ固定すること。
【0076】このように構成した場合、ロックボルト7
8を省略できるとともに、回転軸26の端面へのネジ孔
の加工を省略できる。このため、部品点数及び加工点数
の削減を図ることができて、製作上有利である。
【0077】・ 前記各実施形態において、リミットバ
ネ80を複数の素線が互いに平行をなすように巻回した
多条ねじりコイルバネとし、連結板70の係止突片73
を前記素線の数に対応するように形成すること。
【0078】このように構成した場合、プーリ65から
リミットバネ80への動力伝達を複数の連接点において
行うことができて、対向するブッシュ76を傾きにくい
ものとすることができて、回転軸26の回転を安定化す
ることができる。
【0079】・ 前記各実施形態において、ブッシュ7
6の外周面上の樹脂層79を省略すること。ただし、こ
の場合、ブッシュ76の外径を、樹脂層79が存在しな
い状態でリミットバネ80の無荷重時の内径よりも大き
く設定する必要がある。
【0080】このように構成した場合、部品点数を削減
することができて、製作上有利である。 ・ 前記第1の実施形態において、一対のスプライン軸
75とスプライン溝77に代えて、一対のセレーション
軸とセレーション溝とを採用すること。
【0081】このように構成しても、回転体と介装部材
の対向周面に、一対のセレーション軸及びセレーション
溝を形成するのみで嵌合手段を構成することができて、
部品点数の増大を抑制することができる。
【0082】・ 前記各実施形態において、回転軸26
に動力源を連結し、プーリ65にベルト等を介して被動
機器を連結すること。 ・ 前記各実施形態において、リミットバネ80を、被
動機器、例えば圧縮機21側における負荷トルクにより
巻きが締まって、リミットバネ80の外周が縮径するよ
うに巻回されたねじりコイルバネとすること。ただし、
この場合、リミットバネ80を回転軸26に対して回り
止めし、リミットバネ80の外周面を連結板70の筒部
71の内周面に圧接させる必要がある。また、その筒部
71の内周面とリミットバネ80の外周面との間に樹脂
層79を介在させてもよい。
【0083】・ 前記各実施形態において、リミットバ
ネ80の素線を、例えば素線に所定の引っ張り応力を付
与しながら巻き付ける等して、ブッシュ76に対する所
定の初期締め付け力を付与しつつ、ブッシュ76の外周
面上に直接巻回すること。
【0084】これらのように構成しても、前記各実施形
態とほぼ同様の効果が期待される。また、前記各実施形
態及び別例からは、以下に記載の技術的思想も抽出する
ことができる。
【0085】(1) 前記嵌合手段が、一対のセレーシ
ョン軸とセレーション溝とによりなる請求項4に記載の
動力伝達機構。このように構成した場合、回転体と介装
部材の対向周面に、一対のセレーション軸及びセレーシ
ョン溝を形成するのみで嵌合手段を構成することができ
る。従って、部品点数の増大を抑制することができて、
製作上有利である。
【0086】(2) 前記被動機器が、圧縮機である請
求項1〜7、前記(1)項のいずれかに記載の動力伝達
機構。このように構成した場合、圧縮機の回転軸に動力
伝達機構を組み付ける際に、回転軸が不用意に移動され
るのを容易に抑制することができる。従って、この動力
伝達機構の組み付け時における圧縮機内の不都合の発生
のおそれを低減することができる。
【0087】(3) 前記圧縮機が、第2回転体をなす
回転軸に回転支持体を一体回転可能に支持するととも
に、その回転支持体に傾角変更可能にカムプレートをヒ
ンジ連結し、そのカムプレートの外周部にピストンを係
留して、吐出容量を連続的に変更可能に構成した可変容
量圧縮機である前記(2)項に記載の動力伝達機構。
【0088】このように構成した場合、圧縮機の回転軸
に動力伝達機構を組み付ける際に、回転軸が不用意に移
動されるのを容易に抑制することができる。そして、こ
の不用意な回転軸の移動に伴う回転支持体の移動が抑制
されて、カムプレートの最小傾角位置の設定にずれを生
じるおそれが低減される。従って、例えば最小容量運転
時における無駄な仕事や、ピストンとバルブプレートと
の干渉といった不都合の発生を抑制できる。
【0089】(4) 前記圧縮機が、動力源と前記回転
軸とが常時作動連結されたクラッチレス可変容量圧縮機
である前記(3)項に記載の動力伝達機構。このように
構成した場合、前記のようなクラッチレス可変容量圧縮
機は、冷房負荷が存在しない場合にも最小吐出容量での
運転が継続されるため、特に前記(3)項に記載の効果
が顕著に発揮される。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
以下の優れた効果を奏する。請求項1及び8に記載の発
明によれば、弾性手段の一方の回転体に対する着脱が容
易なものとなって、簡単な構成でもって、動力伝達機構
の着脱時の作業性を大きく向上することができる。特
に、各回転体の周辺構成との干渉により、着脱作業時の
スペースが限られる場合に有利である。
【0091】請求項2及び3に記載の発明によれば、ね
じりコイルバネの装着時において、一方の回転体が不用
意に移動されるおそれが低減される。従って、動力源あ
るいは被動機器に不都合の生じるのを抑制できる。
【0092】請求項4に記載の発明によれば、介装部材
を一方の回転体の軸線方向に沿って回転体に挿嵌するこ
とで、弾性手段が装着できて、動力伝達機構の着脱を容
易に行うことができる。
【0093】請求項5に記載の発明によれば、嵌合手段
の構成が簡単であり、簡単な加工で形成することができ
て、製作上有利である。請求項6に記載の発明によれ
ば、部品点数の増大を抑制することができる。
【0094】請求項7に記載の発明によれば、常に第1
螺合部または第2螺合部のいずれか一方が、介装部材と
一方の回転体とを互いに締め付ける方向の螺合関係とな
って、両者間の係止が確保される。従って、例えば長期
使用時において、被動機器側のトルク変動に伴う介装部
材と回転体との間の緩みの発生を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の動力伝達機構を備えたクラ
ッチレス可変容量圧縮機を示す断面図。
【図2】 図1の動力伝達機構を拡大して示す一部切欠
断面図。
【図3】 図1の動力伝達機構を示す側面図。
【図4】 図2の要部を拡大して示す部分断面図。
【図5】 図2の要部を分解して示す斜視図。
【図6】 第2の実施形態の動力伝達機構の要部を拡大
して示す断面図。
【図7】 図6の要部を分解して示す斜視図。
【図8】 第3の実施形態の動力伝達機構の要部を拡大
して示す断面図。
【図9】 図8の要部を分解して示す斜視図。
【図10】 従来の動力伝達機構を拡大して示す断面
図。
【符号の説明】
21…被動機器としてのクラッチレス可変容量圧縮機、
26…第2回転体の一部を構成する回転軸、65…第1
回転体の一部を構成するプーリ、67…動力源としての
車両エンジン、68…第1回転体の一部を構成する支持
板、69…第1回転体の一部を構成する緩衝ゴム、70
…第1回転体の一部を構成する連結板、75…スプライ
ン軸、76…第2回転体の一部を構成する介装部材とし
てのブッシュ、77…スプライン溝、78…係止手段及
び第2螺合手段の一部を構成するロックボルト、80…
弾性手段としてのリミットバネ、84…キー溝、85…
キー、87…第1螺合手段の一部を構成する逆ネジ部、
88……第1螺合手段の一部を構成する逆ネジ孔、90
…第2螺合手段の一部を構成するネジ孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遊佐 幸治 長野県上伊那郡宮田村3131番地 日本発条 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源側の第1回転体と被動機器側の第
    2回転体とを、動力伝達に際して発生する負荷トルクに
    よりねじり変形可能な弾性手段を介して、動力伝達可能
    に連結する動力伝達機構において、 前記弾性手段と、第1回転体または第2回転体のいずれ
    か一方との間に介装部材を介装し、その介装部材と同介
    装部材に対向する回転体との間には、同介装部材をその
    回転体に対し軸線方向に挿嵌可能かつ、一体回転可能に
    係止する係止手段を設けた動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 前記弾性手段が、ねじりコイルバネであ
    る請求項1に記載の動力伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記ねじりコイルバネは、被動機器側の
    負荷トルクが作用したとき、その巻きが緩んで拡径する
    ように巻かれている請求項2に記載の動力伝達機構。
  4. 【請求項4】 前記係止手段が、回転体の軸線とほぼ平
    行に延びるとともに、凹凸の関係で嵌合する嵌合手段を
    含む請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記嵌合手段が、対をなすキーとキー溝
    とによりなる請求項4に記載の動力伝達機構。
  6. 【請求項6】 前記嵌合手段が、一対のスプライン軸と
    スプライン溝とによりなる請求項4または5に記載の動
    力伝達機構。
  7. 【請求項7】 前記係止手段は、前記介装部材と同介装
    部材に対向する回転体とに形成された第1螺合部と、そ
    の第1螺合部に対して逆のねじ込み方向を有し、前記介
    装部材と前記回転体とを接合固定する第2螺合部とを含
    む請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達機構。
  8. 【請求項8】 動力源側の第1回転体と被動機器側の第
    2回転体とを、動力伝達に際して発生する負荷トルクに
    よりねじり変形可能な弾性手段を介して、動力伝達可能
    に連結する動力伝達機構の組付方法において、 前記弾性手段を介装部材に接合させ、その介装部材を第
    1回転体または第2回転体のいずれか一方に対してその
    回転体の軸線方向に挿嵌して、前記介装部材と同介装部
    材に対向する回転体との間に設けられた係止手段によ
    り、両者を一体回転可能に係止させる動力伝達機構の組
    付方法。
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