JPH10317722A - 構造物のダンパ装置 - Google Patents

構造物のダンパ装置

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JPH10317722A
JPH10317722A JP13181597A JP13181597A JPH10317722A JP H10317722 A JPH10317722 A JP H10317722A JP 13181597 A JP13181597 A JP 13181597A JP 13181597 A JP13181597 A JP 13181597A JP H10317722 A JPH10317722 A JP H10317722A
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damper
steel
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steel damper
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Kunihiro Morishita
邦宏 森下
Manabu Fujishiro
学 藤城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物のダンパ装置において、狭い空間部で
もエネルギ吸収量を増加して振動を効率的に吸収する。 【解決手段】 鋼材ダンパ22の基端部を水平支持材1
6の基台24に固定する一方、上端部に突起部25を固
定し、筒身12に所定間隔をあけて固定された一対のス
トッパ26に間に係合し、鋼材ダンパ22の曲げ変形形
状と相似の受圧面27aを有する拘束部材27をこの受
圧面27aが鋼材ダンパ22の下部を支持するように基
台24に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煙突などの構造物
の振動に対する減衰要素として適用される構造物のダン
パ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に一般的な構造物の正面視、図6に
図5のVI−VI断面、図7に図6のVII部の詳細を示す。
【0003】図5及び図6に示すように、構造物として
の煙突11は4つの筒身12が鉄塔13に支持されて構
成されている。この鉄塔13は複数の縦材14と水平材
15とによって枠状に形成されており、各水平材15に
固定された水平支持材16に鋼材ダンパ101を介して筒
身12が支持されている。即ち、図7に示すように、水
平支持材16には軸状の鋼材ダンパ101が固定される一
方、筒身12の外周面にはストッパ102が固定されてお
り、この鋼材ダンパ101の先端部がストッパ102に嵌入し
ている。
【0004】従って、このような煙突11において、4
つの筒身12は鋼材ダンパ101を介して鉄塔13の水平
材15(水平支持材16)に支持されており、筒身12
の振動はこの鋼材ダンパ101が変形することで吸収さ
れ、減衰されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的な構
造物において、減衰要素としての鋼材ダンパは大きなエ
ネルギ吸収量が要求されており、このエネルギ吸収量は
ダンパの許容する最大変位と最大耐久力及び繰返し耐久
力が影響する。従って、理論的には、ダンパの寸法を大
きくして変形量を大きくすることにより、大地震などに
生じる大きな振動にも対応することができるが、現実に
は、構造物の構造上の寸法制限があり、短い寸法の部材
で大きな変形を許容するダンパが必要となる。
【0006】前述した従来の鋼材ダンパ101にあって
は、短い棒状をなして全長にわたって等断面形状であ
り、片持ち梁構造をなっている。このような従来の鋼材
ダンパ101では、基部での鋼材の限界ひずみ量によって
最大変形量が左右されるため、全長が短い場合には変形
量に対するひずみの増加率が大きくなって、最大変形量
が小さくなり、エネルギ吸収量が小さくなってしまうと
いう問題が生じる。また、繰返し変形によって鋼材ダン
パ101の基部にひずみが集中して亀裂や損傷が発生し易
く、寿命が短くなってしまうという問題もある。
【0007】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、狭い空間部でもエネルギ吸収量を増加して振動
を効率的に吸収可能とした構造物のダンパ装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明の構造物のダンパ装置は、支持部材
に対して被減衰体の振れを拘束するように支持する構造
物のダンパ装置において、鋼材ダンパの基端部を前記支
持部材側の基台に固定する一方、先端部を前記被減衰体
の振れを拘束するように該被減衰体側に係合し、前記鋼
材ダンパの曲げ変形形状と相似の受圧面を有する拘束部
材を該受圧面が前記鋼材ダンパの下部を支持するように
前記基台に固定したことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2の発明の構造物のダンパ装
置において、前記拘束部材にて支持される前記鋼材ダン
パの下部の所定範囲内に発生する単位変形量が等しくな
るように、前記鋼材ダンパの断面寸法を変化させたこと
を特徴とするものである。
【0010】また、請求項3の発明の構造物のダンパ装
置において、前記被減衰体にその振れ方向前後に所定間
隔をあけて一対のストッパを固定する一方、前記鋼材ダ
ンパの先端部に一対の突起部を設け、該突起部が前記一
対のストッパと係合するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0012】図1に本発明の一実施形態に係る構造物の
ダンパ装置を表す斜視、図2に本実施形態のダンパ装置
の正面視、図3に本実施形態のダンパ装置の側面視、図
4に鋼材ダンパの変位履歴特性を表すグラフを示す。
【0013】本実施形態において、図1乃至図3に示す
ように、構造物としての煙突11は被減衰体としての複
数の筒身12が鉄塔13に支持されて構成されている。
この鉄塔13は図示しない複数の縦材と水平材とによっ
て枠状に形成されており、各水平材に固定された水平支
持材16に本実施形態のダンパ装置21を介して筒身1
2が支持されている。
【0014】この本実施形態のダンパ装置21におい
て、減衰要素としての鋼材ダンパ22は断面がH形状を
なし、基端部が水平支持材16にブラケット23を介し
て固定された基台24に固定されている。そして、この
鋼材ダンパ22の上端部は両側に突起部25が固定され
ており、筒身12の振れを拘束するようにこの筒身12
に所定間隔をあけて固定された一対のストッパ26の間
に係合し、各突起部25がストッパ26の端面に接して
いる。
【0015】また、基台24には鋼材ダンパ22の両側
に位置して一対の拘束部材27が固定されており、この
拘束部材27は鋼材ダンパ22と対向する面がこの鋼材
ダンパ22の曲げ変形形状と相似となるような弧状の受
圧面27aとなっており、この受圧面27aによって鋼
材ダンパ22の下部を支持できるようになっている。そ
して、鋼材ダンパ22が曲げ変形したときに、この拘束
部材27にて支持される鋼材ダンパ22の下部の所定範
囲Hにわたって発生するひずみ(単位変形量)が等しく
なるように、この鋼材ダンパ22の下部形状が末広がり
となってその断面寸法が変化している。
【0016】従って、このような煙突11において、筒
身12はダンパ装置21を介して鉄塔13の水平支持材
16に支持されており、図3に示すように、地震などの
外力によって筒身12が振動すると、各ストッパ26が
各突起部25を介して鋼材ダンパ22を強制的に変形さ
せることで、この変形エネルギによって筒身12の振動
エネルギが吸収され、振動が減衰されることとなる。
【0017】即ち、筒身12の振動によって鋼材ダンパ
22が左右が同じように曲げ変形すると、鋼材ダンパ2
2の下部は所定範囲Hにわたって断面寸法が変化してい
るために、各断面にて等しいひずみ(単位変形量)が発
生する。また、鋼材ダンパ22が曲げ変形したとき、そ
の側面は拘束部材27の受圧面27aに接して拘束され
ることとなり、この鋼材ダンパ22の変形量はこれ以上
増加することなく、鋼材ダンパ22の全側面が拘束部材
27の受圧面27aに完全に接触した後、鋼材ダンパ2
2は接触部分よりも上部が変形する。
【0018】図4に表すグラフは鋼材ダンパ22の下部
特定点における変位履歴特性を示したものである。この
グラフにおいて、実線O−A−B−C−D−E−Aは本
実施形態のダンパ装置21による変位履歴であって、そ
の面積がエネルギ吸収容量である。また、二点鎖線O−
A−b−c−d−e−aは従来のダンパ装置による変位
履歴であって、その面積がエネルギ吸収容量である。こ
のグラフからも明らかであるように、従来の等断面ダン
パ装置にあっては、ダンパの基部にひずみが集中するた
めに断面の破損を考慮し、許容塑性変形量A−b及びc
−dを小さく抑える必要があり、エネルギ吸収量が小さ
くなってしまう。一方、本実施形態のダンパ装置21で
は、鋼材ダンパ22の下部の断面形状を変化させてこの
間のひずみが等しくなるようにし、且つ、曲げ変形した
鋼材ダンパ22の下部を拘束部材27の受圧面27aに
て拘束しているため、鋼材ダンパ22の基部にひずみが
集中することはなく、破損しにくく、寿命が延びる。ま
た、拘束部材27によって鋼材ダンパ22の変形量が規
制されているため、許容塑性変形量A−B及びC−Dを
大きくすることができ、エネルギ吸収量も大きくなる。
【0019】
【発明の効果】以上、実施形態によって詳細に説明した
ように請求項1の発明の構造物のダンパ装置によれば、
鋼材ダンパの基端部を支持部材側の基台に固定する一
方、先端部を被減衰体の振れを拘束するようにこの被減
衰体側に係合し、鋼材ダンパの曲げ変形形状と相似の受
圧面を有する拘束部材をこの受圧面が鋼材ダンパの下部
を支持するように基台に固定したので、地震などの外力
によって被減衰体が振動すると、鋼材ダンパが強制的に
変形してその変形エネルギによって振動エネルギが吸収
され、振動が減衰されることとなり、また、鋼材ダンパ
が曲げ変形したとき、その下部が拘束部材の受圧面に拘
束されることとなり、鋼材ダンパの基部にひずみが集中
しなくなってダンパの寿命を延長することができると共
に、許容変形量が大きくなってエネルギ吸収量も増大
し、大きな振動を効率的に吸収することができる。
【0020】また、請求項2の発明の構造物のダンパ装
置によれば、拘束部材にて支持される鋼材ダンパの下部
の所定範囲内に発生する単位変形量が等しくなるよう
に、鋼材ダンパの断面寸法を変化させたので、鋼材ダン
パが曲げ変形したとき、その下部にひずみが集中しなく
なってダンパの寿命を延長することができる。
【0021】また、請求項3の発明の構造物のダンパ装
置によれば、被減衰体にその振れ方向前後に所定間隔を
あけて一対のストッパを固定する一方、鋼材ダンパの先
端部に一対の突起部を設け、突起部が一対のストッパと
係合するようにしたので、被減衰体の振動を一対のスト
ッパ及び突起部を介して確実に鋼材ダンパに伝達し、こ
の振動を鋼材ダンパの変形によって確実に減衰すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る構造物のダンパ装置
を表す斜視図である。
【図2】本実施形態のダンパ装置の正面図である。
【図3】本実施形態のダンパ装置の側面図である。
【図4】鋼材ダンパの変位履歴特性を表すグラフであ
る。
【図5】一般的な構造物の正面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】図6のVII部の詳細図である。
【符号の説明】 11 煙突(構造物) 12 筒身(被減衰体) 13 鉄塔 16 水平支持材 21 ダンパ装置 22 鋼材ダンパ 24 基台 25 突起部 26 ストッパ 27 拘束部材 27a 受圧面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材に対して被減衰体の振れを拘束
    するように支持する構造物のダンパ装置において、鋼材
    ダンパの基端部を前記支持部材側の基台に固定する一
    方、先端部を前記被減衰体の振れを拘束するように該被
    減衰体側に係合し、前記鋼材ダンパの曲げ変形形状と相
    似の受圧面を有する拘束部材を該受圧面が前記鋼材ダン
    パの下部を支持するように前記基台に固定したことを特
    徴とする構造物のダンパ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の構造物のダンパ装置にお
    いて、前記拘束部材にて支持される前記鋼材ダンパの下
    部の所定範囲内に発生する単位変形量が等しくなるよう
    に、前記鋼材ダンパの断面寸法を変化させたことを特徴
    とする構造物のダンパ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の構造物のダンパ装置にお
    いて、前記被減衰体にその振れ方向前後に所定間隔をあ
    けて一対のストッパを固定する一方、前記鋼材ダンパの
    先端部に一対の突起部を設け、該突起部が前記一対のス
    トッパと係合するようにしたことを特徴とする構造物の
    ダンパ装置。
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