JPH10317676A - 躯体構築用フレーム - Google Patents

躯体構築用フレーム

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Publication number
JPH10317676A
JPH10317676A JP12434997A JP12434997A JPH10317676A JP H10317676 A JPH10317676 A JP H10317676A JP 12434997 A JP12434997 A JP 12434997A JP 12434997 A JP12434997 A JP 12434997A JP H10317676 A JPH10317676 A JP H10317676A
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JP
Japan
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frame
building
crane
skeleton
boom
Prior art date
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Application number
JP12434997A
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English (en)
Inventor
Masatake Sugimoto
将丈 杉本
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根を開閉する必要がなく、簡易な構成によ
り安定な構造を実現でき、さらに、設置すべき揚重機器
の数を最小限としながら、建築資材を施工現場に搬入す
るにあたっての制約が従来と比較して少ないような躯体
構築用フレームを提供する。 【解決手段】 躯体構築用フレーム1を、地盤7から立
設され、施工現場4の高さの増加に応じて漸次上方に継
ぎ足しされる支柱8と、支柱8により支持されるととも
に施工現場4の上方を覆うように設けられたフレーム本
体5と、フレーム本体5の下面側に設置された水平クレ
ーン17とを備えた構成とし、水平クレーン17を、フ
レーム本体5の下面側に対して、鉛直軸回りに回転可能
に設けられた旋回部20と、旋回部20に固定されたブ
ーム21と、ブーム21によりブーム21に沿って移動
自在に支持された揚重装置22とを備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ビル等の
構造物の躯体を構築する際に用いて好適な躯体構築用フ
レームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、構造物を構築するにあた
っては、クライミング式のクレーンを用いて、柱、梁、
床などの部材を地上から吊り上げ、構造物を下層階から
上層階へ順次積み上げて構築する方法が用いられている
が、近年、このような構造物の建設を気象条件に影響さ
れずに行うために、施工中の構造物の上方を覆う屋根部
を備え、構造物上部の施工現場の全天候化を図る躯体構
築用フレームが各種開発されている。
【0003】このような躯体構築用フレームの一例とし
ては、屋根部の一部を開閉自在な構成とするとともに、
屋根部の上方にクレーンを設置し、クレーンによって地
上から建築資材を吊り上げるとともに、屋根部の一部を
開放状態として、そこから施工現場に資材を搬入する構
成としたものが挙げられる。
【0004】また、躯体構築用フレームの別の例として
は、屋根部の下面側に天井クレーンを設置し、この天井
クレーンにより地上から建築資材を吊り上げ、さらに建
設現場の各所への搬入を行うものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の躯体構築用フレームには以下のような問題点が存在す
る。すなわち、屋根部の上方にクレーンを設置した躯体
構築用フレームにおいては、屋根部を開閉式とするた
め、その機構が複雑となるだけでなく、屋根の開閉に伴
う作業も煩雑なものとなっていた。また、雨天時にクレ
ーンによる建築資材の搬入を行う場合には、屋根の一部
を開ける必要があるため、建設現場内部に雨水が侵入す
る恐れがあった。また、クレーンが屋根部よりも上方に
設置されるため、上部側が大重量化し、転倒モーメント
に対して不利な構造となっていた。
【0006】一方、屋根部の下面側に天井クレーンを設
置した躯体構築用フレームにおいては、天井クレーンが
走行レールに沿って移動するため、走行レールの配置に
よって天井クレーンの移動可能範囲が規制されることと
なっていた。また、これを補うためには、走行レールお
よび天井クレーンの台数を増やす必要があるが、その場
合には、設置工事が大規模なものとなるばかりか、機器
の調整作業に多くの時間が必要となるという問題が生じ
ていた。
【0007】また、このように天井クレーンを使用した
構造を採用した場合には、クレーンの荷重が屋根部全体
に分布して作用するために、屋根部の構造が大がかりな
ものとなっていた。さらに、天井クレーンの配置が構築
する構造物の形状や規模に大きく左右されるという問題
点もあった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、屋根を開閉する必要がなく、簡易な構成により安定
な構造を実現でき、さらに、設置すべき揚重機器の数を
最小限としながら、建築資材を施工現場に搬入するにあ
たっての制約が従来と比較して少ない躯体構築用フレー
ムを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の躯体構築用フレームは、構築中の構
造物の躯体の少なくとも最上部に設けられて、該構造物
の上部の施工現場を覆うように配置されるとともに、工
事進捗に伴って漸次上方へ盛り替えられる躯体構築用フ
レームであって、前記構造物または前記構造物を支持す
る地盤から立設され、前記施工現場の高さの増加に応じ
て漸次上方に盛り替えまたは継ぎ足しされる支柱と、該
支柱により支持されるとともに前記施工現場の上方を覆
うように設けられたフレーム本体と、該フレーム本体の
下面側に設置されたクレーンとを備えてなり、該クレー
ンは、フレーム本体の下面側に対して、少なくとも鉛直
軸回りに回転可能に設けられた旋回部と、該旋回部に固
定されたブームと、該ブームにより該ブームに沿って移
動自在に支持された揚重装置とを備えて構成されている
ことを特徴とする。
【0010】この躯体構築用フレームにおいては、フレ
ーム本体の下面にクレーンが設けられるために、フレー
ム本体に屋根を設けた際に屋根を開閉式とする必要がな
い。さらに、クレーンが上記のような構成とされている
ために、天井クレーンを利用した従来の躯体構築用フレ
ームに比較して、一つの揚重装置の可動範囲が広い。
【0011】請求項2記載の躯体構築用フレームは、請
求項1記載の躯体構築用フレームであって、前記クレー
ンの旋回部は、前記フレーム本体の下面側に固定された
第一の走行レールにより該第一の走行レールに沿って移
動可能に支持されていることを特徴とする。
【0012】この躯体構築用フレームは、上記のような
構成とされているため、単一のクレーンが移動可能な範
囲がさらに広がり、したがって、揚重装置の可動範囲も
より拡大することとなる。
【0013】請求項3記載の躯体構築用フレームは、請
求項1または2記載の躯体構築用フレームであって、前
記フレーム本体の下面に第二の走行レールが固定され、
前記ブームは、該第二の走行レールにより、該ブームの
軸方向および該第二の走行レールの延在方向の双方に移
動可能に支持されていることを特徴とする。
【0014】この躯体構築用フレームは、上記のような
構成とされるため、ブームを、その可動範囲を狭めるこ
となしに、中間から支持することができる。
【0015】請求項4記載の躯体構築用フレームは、請
求項2または3記載の躯体構築用フレームであって、複
数の前記支柱を備えてなり、前記フレーム本体は、これ
ら支柱の上端部間に架設されたメイントラス部を備えて
構成されるとともに、該メイントラス部は前記フレーム
本体の他の部分よりも剛性の高い構造となるように形成
され、前記第一の走行レールは該メイントラス部の下面
側に固定されていることを特徴とする。
【0016】この躯体構築用フレームにおいては、フレ
ーム本体の内、クレーンの荷重が集中して作用する部分
を剛性の高い構造とすることによって、フレーム本体を
クレーンの荷重に耐え得るものとしており、このため、
従来の天井クレーンを利用した躯体構築フレームと異な
り、屋根部全体を大がかりなものとする必要がない。
【0017】請求項5記載の躯体構築用フレームは、請
求項1から4のいずれかに記載された躯体構築用フレー
ムであって、前記支柱は、前記構造物の外部の地盤上に
立設され、前記クレーンの旋回部は、上方からみた場合
に前記構造物の外方に配置されていることを特徴とす
る。
【0018】この躯体構築用フレームは、上記のような
構成とされるために、構造物の構築終了後には、支柱の
高さを漸次減じていくことにより、クレーンを地上に降
ろすことが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態
を示す図であり、符号1は躯体構築用フレームを示す。
躯体構築用フレーム1は、建築中の建物(構造物)3の
施工現場4を上方から覆うように設けられたフレーム本
体5と、建物3を支持する地盤7上において建物3の外
側の四方に立設された支柱8,8,…とを備えて構成さ
れている。
【0020】これら支柱8,8,…には、それぞれクラ
イミング機構10,10,…が設けられており、これら
クライミング機構10,10,…は、フレーム本体5を
昇降自在に支持するとともに、支柱8,8,…を継ぎ足
す際には、フレーム本体5を上方に盛り替える役割を果
たす。また支柱8の中間には、水平つなぎ11が設けら
れ、これにより支柱8は、建物3に対して連結され安定
な状態とされる。
【0021】一方、フレーム本体5は、図中に示すよう
なトラス架構12により構成されるとともに、その上面
5aが施工現場4を覆うための屋根部14とされる。ま
た、フレーム本体5のうち、支柱8によって支持された
端部5b,5bがメイントラス部15として形成され
る。このメイントラス部15は、トラス架構12の他の
部分に比較して剛性の高い構造とされる。
【0022】さらに、フレーム本体5の下面側には水平
クレーン(クレーン)17,17が配置されている。こ
れら水平クレーン17,17は、各メイントラス部15
の下側に対し、第一の走行レール19,19を介して取
り付けられた旋回部20と、旋回部20の下面側に固定
されるとともに旋回部20から延出する構成とされたブ
ーム21と、ブーム21の下面側に取り付けられた揚重
装置22とから構成されている。
【0023】揚重装置22は、図中に示すように建築資
材24を吊り上げることが可能であるとともに、ブーム
21に沿って、図中矢印pで示したような範囲を移動可
能な構成とされている。また、ブーム21は、フレーム
本体5の下面に固定された第二の走行レール26、およ
び第二の走行レール26に設置されたブーム吊機構27
を介して、フレーム本体5の下面側から支持されてい
る。さらに、ブーム吊機構27は、ブーム21に対し、
ブーム21の軸方向に相対変位可能な構成とされてい
る。
【0024】図2は、図1におけるA−A断面を示した
図である。なお、図中には、本体フレーム5のメイント
ラス部15の位置を点線によって併せて示してある。図
中に示すように、第一の走行レール19,19は、メイ
ントラス部15に沿って配置されており、これにより第
一の走行レール19,19に作用する水平クレーン17
の荷重は、全てメイントラス部15により支持されるこ
ととなる。
【0025】また、水平クレーン17の旋回部20は、
第一の走行レール19,19に沿って、図中矢印qで示
したような方向に走行可能な構成とされるとともに、そ
の下面側に固定されたブーム21を旋回させることが可
能な構成とされている。さらに、ブーム吊機構27は、
第二の走行レール26に沿って移動可能な構成とされて
おり、これにより、ブーム21は、図中二点鎖線によっ
て示したような範囲S内を移動することが可能となる。
また、これに伴い、揚重装置22(図1参照)も、範囲
S内の任意の箇所に移動することが可能とされる。
【0026】以上が、本実施の形態における躯体構築用
フレーム1の基本的な構成であるが、次に、躯体構築用
フレーム1を用いた建物3の施工方法について説明す
る。まず、建物3の基礎部分および1〜2階程度の部分
の躯体を構築する。また、それと同時に、地盤7に対
し、建物3の四隅の外側に位置するように、建物3の数
階程度の高さの支柱8を立設する。それぞれの支柱8の
上端にはクライミング機構10を設置するとともに、こ
れら支柱8,8,…の上端間には、トラス架構12のメ
イントラス部15,15を架設する。
【0027】さらに、これらメイントラス部15,15
の間に、トラス架構12の他の部分を形成するととも
に、トラス架構12の上部には屋根部14を形成して、
施工現場4の全天候化を図る。また、それぞれのメイン
トラス部15の下面には、第一の走行レール19を配置
し、メイントラス部15,15間に架設されたトラス架
構12の他の部分の下面には、第一の走行レール19と
平行に第二の走行レール26を配置する。そして、第一
の走行レール19に、水平クレーン17の旋回部20を
設置するとともに、水平クレーン17のブーム21をブ
ーム吊機構27を介して第二の走行レール26から支持
させる。
【0028】建物13を構築するには、水平クレーン1
7のブーム21を、ブーム21の一部が建物13の外側
の荷取場所(例えば、図1中におけるトラック30の停
車位置)の上方に位置するように移動させるとともに、
その場所に揚重装置22を移動させて、建築資材を荷揚
げし、この建築資材を施工現場4の所定の位置に運搬す
る。
【0029】また、工事の進捗にともなって、建物3の
高さおよび階数が増大していくが、建物3の一階分また
は複数階分の施工が終了するごとに、フレーム本体5の
位置を上方に盛り替えていく。
【0030】フレーム本体5の盛り替えは、以下のよう
な手順により行われる。まず、水平クレーン17のブー
ム21を旋回させて、メイントラス部15の下方に移動
させる。このときの水平クレーン17とメイントラス部
15との位置関係は図3のようになる。図3に示すよう
に、ブーム吊機構27は、第二の走行レール26(図
1、図2参照)から第一の走行レール19に吊り替えら
れ、さらに、ブーム21の先端が支柱8の上方に位置す
るように、水平クレーン17が移動されることとなる。
また、このときの、図3におけるB−B断面を示した図
が図4である。図4中に示すようにブーム21は、クラ
イミング機構10の内側に位置するような状態とされ
る。
【0031】その後、クライミング機構10を駆動し
て、フレーム本体5を上昇させ、その間に支柱8を上方
に継ぎ足す。このとき、支柱8のうち、継ぎ足される分
の部材は、揚重装置22によって荷揚げするとともに、
揚重装置22を支柱8の上部に移動させて、支柱8にま
で搬送する。
【0032】以上のようにして、フレーム本体5が盛り
替えられる。このように、建物3の工事の進捗に従って
フレーム本体5を漸次上方に盛り替えていき、建物3の
構築が完了した際には、フレーム本体5の内のメイント
ラス部15以外の部分を解体しつつ、解体した部材を水
平クレーン17によって地上に降ろしていく。
【0033】その後、水平クレーン17を再び図3およ
び図4に示したような状態に配置し、揚重装置22を用
いて、支柱8をその上部から順に撤去していくことによ
って、支柱8の高さを漸次減じていき、この作業を水平
クレーン17およびメイントラス部15が地盤7に接近
するまで連続する。そして最終的には、水平クレーン1
7およびメイントラス部15の解体を地上において行
い、これによって建物13の施工が完了する。
【0034】上述の躯体構築用フレーム1においては、
水平クレーン(クレーン)17が、フレーム本体5の下
面側に設けられているため、屋根部の上方にクレーンが
設けられた従来の躯体構築用フレームに比較して、転倒
モーメントに対して有利であり、安定性が高い。さら
に、屋根が全閉型とされているため、屋根の開閉に係る
作業および装置が不要となり、また、雨天作業時にも、
雨水が施工現場4に侵入する恐れがない。
【0035】また、躯体構築用フレーム1においては、
水平クレーン17の旋回部20を鉛直軸回りに回転させ
てブーム21を旋回させることが可能であり、なおか
つ、ブーム21の下面を揚重装置22が走行する構成と
されている。これにより、屋根部の下面側に天井クレー
ンを設置した従来の躯体構築用フレームと同様に、建築
資材の施工現場への搬入の過程において、クレーンの旋
回を最小限として搬送経路を直線的とすることができ、
資材搬送の効率性を高めることができる。またこればか
りでなく、本実施の形態の躯体構築用フレーム1は、揚
重装置22を施工現場4の上方において自由に移動させ
ることが可能であり、天井クレーンを利用した従来の躯
体構築用フレームと比べて、走行レールの配置にクレー
ンの移動範囲が規制されることがなくなり、広範囲の規
模および形状の建物の施工に適用でき、なおかつ、建設
資材の荷取り場所の設定に関しても自由度が高い。さら
に、一つの揚重装置22の可動範囲が広いため、天井ク
レーンを利用した従来の躯体構築用フレームとは異な
り、揚重装置の数を最小限とすることができ、これによ
り、揚重装置の設置作業および機器の調整作業の簡略化
を図ることができる。
【0036】さらに、本実施の形態においては、水平ク
レーン17の旋回部20が、第一の走行レール19に沿
って移動可能な構成とされているため、揚重装置22の
可動範囲をより一層広げることができ、これにより、上
述したような躯体構築用フレーム1に係る利点を一層顕
著なものとすることができる。
【0037】また、躯体構築用フレーム1においては、
フレーム本体5の下面に配置された第二の走行レール2
6に対し、ブーム吊機構27が設置され、このブーム吊
機構27は、第二の走行レール26に沿って走行可能と
されるとともに、ブーム21をブーム21の軸方向に移
動可能に支持する構成とされている。このようにするこ
とによって、ブーム21の動きを妨げずにブーム21を
その中間から支持することが可能となり、これにより、
従来のタワークレーン等に比較してクレーンの吊能力の
向上を図ることが可能となる。
【0038】また、本実施の形態の躯体構築用フレーム
1によれば、水平クレーン17の旋回部20が、第一の
走行レール19を介してメイントラス部15により支持
されるとともに、メイントラス部15がトラス架構12
の他の部分に比較して剛性の高い構造とされている。こ
のようにすることにより、トラス架構12が水平クレー
ン17の荷重に耐え得るものとなるだけでなく、水平ク
レーン17の荷重をトラス架構12の一部に集中して作
用させることにより、従来の天井クレーンを利用した躯
体構築用フレームのように屋根構造全体を大がかりなも
のとする必要がなくなる。これにより、フレーム本体5
の安定化および設置作業の容易化を図ることができる。
【0039】また、本実施の形態においては、支柱8,
8,…が建物3の外方の地盤7上に立設されるととも
に、水平クレーン17の旋回部20を支持するメイント
ラス部15も上方から見た場合に、建物3の外方に位置
する構成とされている。したがって、建物3の構築が終
了した際の、水平クレーン17およびメイントラス部1
5の解体作業を地上において行うことが可能であり、こ
れにより高所での危険作業を減ずることができる。さら
に、支柱8の継ぎ足しや解体の作業を水平クレーン17
を用いて行うことができるため、必要とされるクレーン
の数を最小限にすることができる。
【0040】なお、上記実施の形態において、本願発明
の主旨を逸脱しない範囲で、躯体構築用フレーム1の各
部の構造や、施工方法、さらには、躯体構築用フレーム
1が適用される構造物の規模、形状、種類、および施工
方法等について、他の構成を採用するようにしてもよ
い。
【0041】例えば、上記実施の形態においては、フレ
ーム本体5は仮設とされているが、フレーム本体5の一
部や全部について、本設の部材を使用するようにしても
よい。このようにすることによって、建物3の構築に係
るトータルコストを低減化することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る躯
体構築用フレームにおいては、水平クレーンが、施工現
場を上方から覆うように設けられたフレーム本体の下面
側に設けられているため、屋根部の上方にクレーンが設
けられた従来の躯体構築用フレームに比較して、転倒モ
ーメントに対して有利であり、安定性が高い。さらに、
屋根が全閉型とされているため、屋根の開閉に係る作業
および装置が不要となり、また、雨天作業時にも、雨水
が施工現場に侵入する恐れがない。また、この躯体構築
用フレームにおいては、水平クレーンの旋回部を鉛直軸
回りに回転させてブームを旋回させることが可能であ
り、さらに、このブームの下面を揚重装置が走行する構
成とされていることから、屋根部の下面側に天井クレー
ンを設置した従来の躯体構築用フレームと同様に、建築
資材の施工現場への搬入の過程において、クレーンの旋
回を最小限として搬送経路を直線的とすることができ、
資材搬送の効率性を高めることができる。また、これば
かりでなく、本実施の形態の躯体構築用フレームは、揚
重装置を施工現場の上方において自由に移動させること
が可能であり、天井クレーンを利用した従来の躯体構築
用フレームと比べて、走行レールの配置にクレーンの移
動範囲が規制されることがない。したがって、広範囲の
規模および形状の建物の施工に適用可能であり、なおか
つ、建設資材の荷取り場所の設定に関しても自由度が高
いものとなる。さらに、一つの揚重装置の可動範囲が広
いため、揚重装置の数を最小限とすることができ、これ
により、揚重装置の設置作業および機器の調整作業の簡
略化を図ることができる。
【0043】請求項2に係る躯体構築用フレームにおい
ては、クレーンの旋回部がフレーム本体の下面側に設け
られた第一の走行レールに沿って移動可能な構成とされ
ているため、揚重装置の可動範囲をより一層広げること
ができ、これにより、請求項1の発明を良好に実現する
ことができる。
【0044】請求項3に係る躯体構築用フレームにおい
ては、フレーム本体の下面側に固定された第二の走行レ
ールにより、ブームが、ブームの軸方向および第二の走
行レールの延在方向の双方向に移動可能に支持された構
成とされるため、ブームの動きを妨げずに、ブームをそ
の中間から支持することが可能となり、これにより、従
来のタワークレーン等に比較してクレーンの吊能力の向
上を図ることが可能となる。
【0045】請求項4に係る躯体構築用フレームにおい
ては、クレーンの旋回部が支柱間に仮設されたフレーム
本体のメイントラス部により支持され、さらに、メイン
トラス部がフレーム本体の他の部分に比較して剛性の高
い構造とされている。このようにすることにより、フレ
ーム本体をクレーンの荷重に耐え得るものとすることが
できるだけでなく、従来の天井クレーンを利用した躯体
構築用フレームのように屋根構造を全体的に大がかりな
ものとする必要がなくなり、フレーム本体の安定化およ
び設置作業の容易化を同時に図ることができる。
【0046】請求項5に係る躯体構築用フレームにおい
ては、支柱が構築すべき構造物の外部の地盤上に立設さ
れるとともに、クレーンの旋回部もまた、上方から見た
場合に、構築すべき構造物の外方に位置するように配置
される。したがって、構造物の構築が終了した際には、
支柱の高さを漸次減じていくことによって、クレーンを
地上にまで降ろし、クレーンやフレーム本体の一部の解
体を地上において行うことが可能であり、これにより高
所での危険作業を減ずることができる。さらに、このク
レーンを用いて、支柱の継ぎ足しや解体の作業を行うこ
とができるため、必要とされるクレーンの数を最小限に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を模式的に示す図であ
って、本発明に係る躯体構築用フレームと、それを使用
して施工中の建物とを示す立断面図である。
【図2】 図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】 図1において示した躯体構築用フレームにお
いて、支柱の継ぎ足し、または解体作業を行う際の水平
クレーンとフレーム本体との関係を示した平断面図であ
る。
【図4】 図3におけるB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
1 躯体構築用フレーム 3 建物(構造物) 4 施工現場 5 フレーム本体 7 地盤 8 支柱 15 メイントラス部 17 水平クレーン(クレーン) 19 第一の走行レール 20 旋回部 21 ブーム 22 揚重装置 26 第二の走行レール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構築中の構造物の躯体の少なくとも最上
    部に設けられて、該構造物の上部の施工現場を覆うよう
    に配置されるとともに、工事進捗に伴って漸次上方へ盛
    り替えられる躯体構築用フレームであって、 前記構造物または前記構造物を支持する地盤から立設さ
    れ、前記施工現場の高さの増加に応じて漸次上方に盛り
    替えまたは継ぎ足しされる支柱と、該支柱により支持さ
    れるとともに前記施工現場の上方を覆うように設けられ
    たフレーム本体と、該フレーム本体の下面側に設置され
    たクレーンとを備えてなり、 該クレーンは、フレーム本体の下面側に対して、少なく
    とも鉛直軸回りに回転可能に設けられた旋回部と、該旋
    回部に固定されたブームと、該ブームにより該ブームに
    沿って移動自在に支持された揚重装置とを備えて構成さ
    れていることを特徴とする躯体構築用フレーム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の躯体構築用フレームであ
    って、前記クレーンの旋回部は、前記フレーム本体の下
    面側に固定された第一の走行レールにより該第一の走行
    レールに沿って移動可能に支持されていることを特徴と
    する躯体構築用フレーム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の躯体構築用フレ
    ームであって、前記フレーム本体の下面側に第二の走行
    レールが固定され、 前記ブームは、該第二の走行レールにより、該ブームの
    軸方向および該第二の走行レールの延在方向の双方に移
    動可能に支持されていることを特徴とする躯体構築用フ
    レーム。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の躯体構築用フレ
    ームであって、複数の前記支柱を備えてなり、前記フレ
    ーム本体は、これら支柱の上端部間に架設されたメイン
    トラス部を備えて構成されるとともに、該メイントラス
    部は前記フレーム本体の他の部分よりも剛性の高い構造
    となるように形成され、 前記第一の走行レールは該メイントラス部の下面側に固
    定されていることを特徴とする躯体構築用フレーム。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載された
    躯体構築用フレームであって、前記支柱は、前記構造物
    の外部の地盤上に立設され、前記クレーンの旋回部は、
    上方からみた場合に前記構造物の外方に配置されている
    ことを特徴とする躯体構築用フレーム。
JP12434997A 1997-05-14 1997-05-14 躯体構築用フレーム Withdrawn JPH10317676A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG95686A1 (en) * 2001-01-15 2003-04-23 Penta Ocean Construction Sheltered building construction method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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