JPH10317640A - 建築用内装材及びその製造方法 - Google Patents
建築用内装材及びその製造方法Info
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- JPH10317640A JPH10317640A JP14713097A JP14713097A JPH10317640A JP H10317640 A JPH10317640 A JP H10317640A JP 14713097 A JP14713097 A JP 14713097A JP 14713097 A JP14713097 A JP 14713097A JP H10317640 A JPH10317640 A JP H10317640A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内装材の素材自体に吸湿効果を持たせ、多量
の水蒸気を吸収させて結露を防止できるとともに、結露
が生じた場合にも水滴を内装材の素材自体に保持させて
流れ落ちるのを防止でき、さらに、防黴機能、脱臭機能
を兼ね備える。 【解決手段】 通気性のある多孔質体2の一部又は全部
に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質
と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリー硬化
物7を保持させて構成される。
の水蒸気を吸収させて結露を防止できるとともに、結露
が生じた場合にも水滴を内装材の素材自体に保持させて
流れ落ちるのを防止でき、さらに、防黴機能、脱臭機能
を兼ね備える。 【解決手段】 通気性のある多孔質体2の一部又は全部
に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質
と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリー硬化
物7を保持させて構成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、建築用内装材及
びその製造方法に関する。詳しくは、結露の発生を防止
できるとともに、黴等の発生を防止し、さらに脱臭効果
を期待できる建築用内装材及びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。詳しくは、結露の発生を防止
できるとともに、黴等の発生を防止し、さらに脱臭効果
を期待できる建築用内装材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート作りの建築物において
は、密閉性が高いため室内の湿度が上がりやすく、床
面、壁面等に結露が生じやすい。また、建築後日が浅い
場合は、コンクリートの表面からも水分が室内側に発散
してさらに湿度を高める場合もある。
は、密閉性が高いため室内の湿度が上がりやすく、床
面、壁面等に結露が生じやすい。また、建築後日が浅い
場合は、コンクリートの表面からも水分が室内側に発散
してさらに湿度を高める場合もある。
【0003】通常、コンクリートの内面には、壁紙、天
井材、床材等の内装材が貼着されている。そして、この
内装材の表面、あるいは内装材とコンクリート表面との
間で結露が生じて、種々の問題が発生する。
井材、床材等の内装材が貼着されている。そして、この
内装材の表面、あるいは内装材とコンクリート表面との
間で結露が生じて、種々の問題が発生する。
【0004】たとえば、結露が生じると内装材が劣化し
て変形収縮等が生じ、壁紙のはがれ、天井材の変形等が
発生する。また、結露の水分によって黴が発生し、さら
に、発生した黴によってダニ等の温床となることも多
い。
て変形収縮等が生じ、壁紙のはがれ、天井材の変形等が
発生する。また、結露の水分によって黴が発生し、さら
に、発生した黴によってダニ等の温床となることも多
い。
【0005】従来、上記問題を回避するため、コンクリ
ートの表面と内装材との間に断熱材を設けてコンクリー
ト壁面と室内との温度差を少なくすることにより、結露
の発生を防止することが多い。しかしながら、スペース
の限られた室内空間で十分な断熱効果を発揮させるには
相当厚さの断熱材を設ける必要があり、従来の断熱材で
は結露の発生を防止できるほどの断熱効果を期待できな
い。
ートの表面と内装材との間に断熱材を設けてコンクリー
ト壁面と室内との温度差を少なくすることにより、結露
の発生を防止することが多い。しかしながら、スペース
の限られた室内空間で十分な断熱効果を発揮させるには
相当厚さの断熱材を設ける必要があり、従来の断熱材で
は結露の発生を防止できるほどの断熱効果を期待できな
い。
【0006】上記問題を解決するため、たとえば、特公
平5−44502号公報や特公平6−11526号公報
に記載されているもののように、内装用の基材の表面
に、結露防止塗料等を塗着した建築用内装材が提供され
ている。
平5−44502号公報や特公平6−11526号公報
に記載されているもののように、内装用の基材の表面
に、結露防止塗料等を塗着した建築用内装材が提供され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載されて
いる建築用内装材は、内装材の表面に吸湿性の高い塗膜
を形成し、この塗膜の呼吸作用を利用して水蒸気を吸収
し、室内の湿度を低下させて結露の発生を防止しようと
するものである。
いる建築用内装材は、内装材の表面に吸湿性の高い塗膜
を形成し、この塗膜の呼吸作用を利用して水蒸気を吸収
し、室内の湿度を低下させて結露の発生を防止しようと
するものである。
【0008】しかしながら、塗膜が高い吸湿性を備えて
いても、基材の表面に形成できる塗膜の厚さは限られて
いる。このため、室内で発生する水蒸気を、結露が発生
しない程度まで、塗膜のみによって吸収することは困難
である。特に、冬期には、外気温度と室内温度との差が
大きくなり、また、暖房器具等から発生する水蒸気の量
も多い。このため、内装材の表面等に形成した、吸湿性
塗膜の呼吸作用のみによって結露を防止することはでき
ない。
いても、基材の表面に形成できる塗膜の厚さは限られて
いる。このため、室内で発生する水蒸気を、結露が発生
しない程度まで、塗膜のみによって吸収することは困難
である。特に、冬期には、外気温度と室内温度との差が
大きくなり、また、暖房器具等から発生する水蒸気の量
も多い。このため、内装材の表面等に形成した、吸湿性
塗膜の呼吸作用のみによって結露を防止することはでき
ない。
【0009】また、上記の公報に記載されている結露防
止塗料等に配合される吸水性樹脂あるいは木粉等の吸湿
性物質は水分を吸収すると膨張し、表面保護塗膜として
の十分な強度を保持できない場合もある。
止塗料等に配合される吸水性樹脂あるいは木粉等の吸湿
性物質は水分を吸収すると膨張し、表面保護塗膜として
の十分な強度を保持できない場合もある。
【0010】さらに、塗膜の内部深くまで水蒸気を吸収
させるには、塗膜自体が多孔質でなければならない。と
ころが、塗料とこれに配合した吸湿性物質のみによって
水蒸気を内部にまで迅速に吸収できる多孔質体を形成す
るのは困難である。
させるには、塗膜自体が多孔質でなければならない。と
ころが、塗料とこれに配合した吸湿性物質のみによって
水蒸気を内部にまで迅速に吸収できる多孔質体を形成す
るのは困難である。
【0011】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、内装材の
素材自体に吸湿効果を持たせ、多量の水蒸気を吸収させ
て結露を防止できるとともに、結露が生じた場合にも水
滴を内装材の素材自体に保持させて流れ落ちるのを防止
でき、さらに、防黴機能、脱臭機能を兼ね備えた建築用
内装材及びその製造方法を提供することをその課題とす
る。
れたものであって、上記従来の問題を解決し、内装材の
素材自体に吸湿効果を持たせ、多量の水蒸気を吸収させ
て結露を防止できるとともに、結露が生じた場合にも水
滴を内装材の素材自体に保持させて流れ落ちるのを防止
でき、さらに、防黴機能、脱臭機能を兼ね備えた建築用
内装材及びその製造方法を提供することをその課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では次の技術的手段を講じている。
め、本願発明では次の技術的手段を講じている。
【0013】本願の請求項1に記載した発明は、通気性
のある多孔質体の一部又は全部に、セメントと、樹脂又
は/及びゴムの水性高分子物質と、石質系又は/及び炭
素系粉体とを含むスラリー硬化物を保持させたことを特
徴とする。
のある多孔質体の一部又は全部に、セメントと、樹脂又
は/及びゴムの水性高分子物質と、石質系又は/及び炭
素系粉体とを含むスラリー硬化物を保持させたことを特
徴とする。
【0014】通気性のある多孔質体とは、空気を通過さ
せることができるとともに、粉体を含むスラリーを保持
させることができるものであればよく、紙、繊維、布、
粉体等で形成することができる。また、発泡樹脂等によ
って形成した多孔質成形体に適用することができる。
せることができるとともに、粉体を含むスラリーを保持
させることができるものであればよく、紙、繊維、布、
粉体等で形成することができる。また、発泡樹脂等によ
って形成した多孔質成形体に適用することができる。
【0015】スラリーとは、液体に微細な固体を分散し
た混濁液である。スラリー硬化物はスラリーの液体成分
が気化して硬化したもの、あるいは液体成分が化学反応
等によって硬化したものをいう。たとえば、セメントモ
ルタルスラリー等が代表的なものである。
た混濁液である。スラリー硬化物はスラリーの液体成分
が気化して硬化したもの、あるいは液体成分が化学反応
等によって硬化したものをいう。たとえば、セメントモ
ルタルスラリー等が代表的なものである。
【0016】本願発明においては、硬化物を形成するス
ラリーとして、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性
高分子物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含む水
性スラリーを採用する。
ラリーとして、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性
高分子物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含む水
性スラリーを採用する。
【0017】セメントは、石灰石等を焼成したクリンカ
を混合粉砕して形成される粉体の集合物であり、通常、
無機質の接合材として用いられる。水と混合して化合し
(水和反応)、水和物を生成して硬化する。
を混合粉砕して形成される粉体の集合物であり、通常、
無機質の接合材として用いられる。水と混合して化合し
(水和反応)、水和物を生成して硬化する。
【0018】水和反応が進行するにつれて、セメントク
リンカ粒子の間隙は水和物で充填されるとともに、水分
が存在していた部位に空隙が生じる。また、水和反応に
よって形成されるゲル構造内部にも微細な空隙が生じ多
孔質体の硬化体が生成される。
リンカ粒子の間隙は水和物で充填されるとともに、水分
が存在していた部位に空隙が生じる。また、水和反応に
よって形成されるゲル構造内部にも微細な空隙が生じ多
孔質体の硬化体が生成される。
【0019】しかも、上記の空隙は、原料微粉の相互間
の空隙細孔と、水和反応によって生成した多成分系の非
常に複雑な水和物間の細孔とが形成された凝集体であ
り、その細孔構造は比較的大きな空隙細孔から微細なゲ
ル細孔まで、様々な大きさ及び形態の空隙から構成され
る。このため、この空隙に水蒸気を吸着することができ
る。また、結露として生じた水滴を保持できる大きさの
空隙も多数存在する。
の空隙細孔と、水和反応によって生成した多成分系の非
常に複雑な水和物間の細孔とが形成された凝集体であ
り、その細孔構造は比較的大きな空隙細孔から微細なゲ
ル細孔まで、様々な大きさ及び形態の空隙から構成され
る。このため、この空隙に水蒸気を吸着することができ
る。また、結露として生じた水滴を保持できる大きさの
空隙も多数存在する。
【0020】また、臭気物質を吸着することのできる細
孔をも備える。したがって、セメントを配合することに
よって脱臭効果のある内装材を構成することができる。
孔をも備える。したがって、セメントを配合することに
よって脱臭効果のある内装材を構成することができる。
【0021】セメントとして、水硬性セメント、気硬性
セメント、特殊セメント等の種々のものがある。本願発
明では、特定のセメントに限定されることはないが、取
り扱い易さ、耐熱性、耐水性、耐候性がよく、また安価
に入手できる水硬性セメントを採用するのが好ましい。
水硬性セメントとして、普通ポルトランドセメント、白
色ポルトランドセメント等を採用することができる。
セメント、特殊セメント等の種々のものがある。本願発
明では、特定のセメントに限定されることはないが、取
り扱い易さ、耐熱性、耐水性、耐候性がよく、また安価
に入手できる水硬性セメントを採用するのが好ましい。
水硬性セメントとして、普通ポルトランドセメント、白
色ポルトランドセメント等を採用することができる。
【0022】また、セメント類似物、たとえば、水を添
加することにより硬化する鉱滓等を採用することもでき
る。
加することにより硬化する鉱滓等を採用することもでき
る。
【0023】セメント硬化物はコンクリートを構成する
物質であり、水蒸気等に対する吸着能力があることは知
られているが、セメント及びこれに配合される粉体(骨
材)のみでは強度等が低く、塗料のように薄く塗着等す
ることは困難である。また、硬化物自体に柔軟性がな
く、使用範囲、目的が限られている。このため、壁紙等
に塗着等して保持させることはできなかった。しかも、
セメント硬化物自体は多孔質であるが、通気性が低い。
このため、湿気を吸収するとともに水滴を保持させる目
的で使用されることはなかった。
物質であり、水蒸気等に対する吸着能力があることは知
られているが、セメント及びこれに配合される粉体(骨
材)のみでは強度等が低く、塗料のように薄く塗着等す
ることは困難である。また、硬化物自体に柔軟性がな
く、使用範囲、目的が限られている。このため、壁紙等
に塗着等して保持させることはできなかった。しかも、
セメント硬化物自体は多孔質であるが、通気性が低い。
このため、湿気を吸収するとともに水滴を保持させる目
的で使用されることはなかった。
【0024】本願発明では、スラリー硬化物を多孔質体
に保持させることにより、セメント硬化物の上記本質的
特性を引出し、従来にない内装材を構成できる。
に保持させることにより、セメント硬化物の上記本質的
特性を引出し、従来にない内装材を構成できる。
【0025】すなわち、多孔質体に含浸させるととも
に、含浸部分自体を多孔質に構成して通気性を持たせ、
水蒸気に接触する面積を大きくすることができる。この
ため、内装材の水蒸気吸着能力自体を大幅に向上させる
ことができる。
に、含浸部分自体を多孔質に構成して通気性を持たせ、
水蒸気に接触する面積を大きくすることができる。この
ため、内装材の水蒸気吸着能力自体を大幅に向上させる
ことができる。
【0026】上記セメント硬化物の柔軟性、強度等を改
善するため、本願発明では、水性の高分子物質を配合す
る。すなわち、上記セメントに樹脂又は/及びゴムの水
性高分子物質を配合することにより、硬化途中及び硬化
後の物理的及び化学的特性を大きく変化させることがで
きる。
善するため、本願発明では、水性の高分子物質を配合す
る。すなわち、上記セメントに樹脂又は/及びゴムの水
性高分子物質を配合することにより、硬化途中及び硬化
後の物理的及び化学的特性を大きく変化させることがで
きる。
【0027】上記セメントに樹脂又は/及びゴムの水性
高分子物質を配合すると、混練未硬化状態での流動性が
増大して、塗着作業性や、多孔質体への含浸作業性が大
幅に向上する。また、硬化後には、曲げ強度、引張強度
等が増加するとともに、耐水性、乾燥収縮性等が大幅に
向上する。さらに、高分子成分の作用によって、セメン
トでは考えられない接着性を得ることができるととも
に、柔軟性、弾性等を付与できる。このため、内装用基
材に容易に塗着、含浸等させて保持させることが可能に
なり、使用範囲が大幅に広がる。
高分子物質を配合すると、混練未硬化状態での流動性が
増大して、塗着作業性や、多孔質体への含浸作業性が大
幅に向上する。また、硬化後には、曲げ強度、引張強度
等が増加するとともに、耐水性、乾燥収縮性等が大幅に
向上する。さらに、高分子成分の作用によって、セメン
トでは考えられない接着性を得ることができるととも
に、柔軟性、弾性等を付与できる。このため、内装用基
材に容易に塗着、含浸等させて保持させることが可能に
なり、使用範囲が大幅に広がる。
【0028】さらに、高分子物質の種類、配合量を調節
することにより、スラリー硬化物の空気連行性を調節す
ることができる。すなわち、高分子物質の配合量を増加
させてセメント水和物間の空隙が高分子物質で満たされ
るように構成すると、水蒸気の吸着性能は低下するが空
気連行性をなくして防湿・防水効果を持たせることがで
きる。
することにより、スラリー硬化物の空気連行性を調節す
ることができる。すなわち、高分子物質の配合量を増加
させてセメント水和物間の空隙が高分子物質で満たされ
るように構成すると、水蒸気の吸着性能は低下するが空
気連行性をなくして防湿・防水効果を持たせることがで
きる。
【0029】一方、高分子物質の配合量を減少させると
空隙量が多くなり、水蒸気の吸収能力、凝縮した水分の
保持能力が増加する。
空隙量が多くなり、水蒸気の吸収能力、凝縮した水分の
保持能力が増加する。
【0030】したがって、配合成分を変化させることに
より、防湿・防水効果と、水蒸気及び水分保持能力とを
合わせ持つ内装材を構成することもできる。
より、防湿・防水効果と、水蒸気及び水分保持能力とを
合わせ持つ内装材を構成することもできる。
【0031】上記樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質
として、アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリ
ル−メタクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ブタジエン−メタクリル酸共重合体、イ
ソプレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−ア
クリル酸共重合体或いはアクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸共重合体などのアクリル酸エステル−ア
クリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共
重合体或いはアクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリ
ル酸共重合体などのアクリル酸エステル−メタクリル酸
共重合体、カルボキシルポリイソブチレン、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、ブタジエン−スチレンカルボキシルエラストマー、
ブタジエンアクリロニトリルカルボキシルエラストマ
ー、ブタジエン−メタクリロニトリルカルボキシルエラ
ストマー、ブタジエン−塩化ビニリデンカルボキシルエ
ラストマー、ポリクロロプレンカルボキシルエラストマ
ー、ポリエチレンカルボキシルエラストマー或いはポリ
イソブチレンカルボキシルエラストマーなどのエマルジ
ョン、水溶液又はディスパージョンが挙げられる。
として、アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリ
ル−メタクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ブタジエン−メタクリル酸共重合体、イ
ソプレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−ア
クリル酸共重合体或いはアクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸共重合体などのアクリル酸エステル−ア
クリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共
重合体或いはアクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリ
ル酸共重合体などのアクリル酸エステル−メタクリル酸
共重合体、カルボキシルポリイソブチレン、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、ブタジエン−スチレンカルボキシルエラストマー、
ブタジエンアクリロニトリルカルボキシルエラストマ
ー、ブタジエン−メタクリロニトリルカルボキシルエラ
ストマー、ブタジエン−塩化ビニリデンカルボキシルエ
ラストマー、ポリクロロプレンカルボキシルエラストマ
ー、ポリエチレンカルボキシルエラストマー或いはポリ
イソブチレンカルボキシルエラストマーなどのエマルジ
ョン、水溶液又はディスパージョンが挙げられる。
【0032】エマルジョン、水溶液、ディスパーション
等の形態の高分子物質は、セメント粒子との親和性がよ
く、容易に混練することができる。
等の形態の高分子物質は、セメント粒子との親和性がよ
く、容易に混練することができる。
【0033】また、樹脂又は/ゴムの水性高分子物質と
して、上述したエマルジョン等の液体状のものを採用で
きるのみならず、たとえば、パウダー状の水性高分子物
質を採用することができる。
して、上述したエマルジョン等の液体状のものを採用で
きるのみならず、たとえば、パウダー状の水性高分子物
質を採用することができる。
【0034】たとえば、水を加えることによって、容易
にエマルジョン化する酢酸ビニル・ベオバ共重合樹脂等
を採用することができる。
にエマルジョン化する酢酸ビニル・ベオバ共重合樹脂等
を採用することができる。
【0035】さらに、本願発明においては、セメント及
び高分子物質に加えて粉体を配合する。粉体の種類、粒
度等を選択することにより、スラリー硬化物の強度、弾
性等の物理学的な特性を調節することができるのみなら
ず、粉体間に形成されるマクロ的な細孔の大きさを調節
して、空気連行性、水蒸気の吸着能力、結露として生じ
た水滴の保持能力を高めることができる。
び高分子物質に加えて粉体を配合する。粉体の種類、粒
度等を選択することにより、スラリー硬化物の強度、弾
性等の物理学的な特性を調節することができるのみなら
ず、粉体間に形成されるマクロ的な細孔の大きさを調節
して、空気連行性、水蒸気の吸着能力、結露として生じ
た水滴の保持能力を高めることができる。
【0036】さらに、活性炭等の脱臭機能等を備える粉
体を採用することにより、従来にない内装材を構成する
ことができる。
体を採用することにより、従来にない内装材を構成する
ことができる。
【0037】粉体として、セメント及び水性高分子物質
を含むスラリーに分散させることができ、セメントの水
和反応硬化物及び水性高分子物質によって接合可能なも
のであれば、種々の粉体を採用できる。特に、粉体自体
で水蒸気等に対する吸着能力のあるものを採用すること
により、結露防止効果をさらに高めることができる。
を含むスラリーに分散させることができ、セメントの水
和反応硬化物及び水性高分子物質によって接合可能なも
のであれば、種々の粉体を採用できる。特に、粉体自体
で水蒸気等に対する吸着能力のあるものを採用すること
により、結露防止効果をさらに高めることができる。
【0038】粉体として、請求項4に記載した発明のよ
うに、炭酸カルシウムを主成分とする石質系粉体、二酸
化ケイ素を主成分とする石質系粉体、活性炭からなる粉
体から選ばれた1又は2以上のものを配合するのが望ま
しい。
うに、炭酸カルシウムを主成分とする石質系粉体、二酸
化ケイ素を主成分とする石質系粉体、活性炭からなる粉
体から選ばれた1又は2以上のものを配合するのが望ま
しい。
【0039】炭酸カルシウムを主成分とする石質系粉体
は、石灰石、大理石等の鉱物を粉砕して得ることができ
る。二酸化ケイ素を主成分とする石質系粉体は、石英と
して産出されるものが多く、ケイ砂等を粉砕することに
よって得られる。
は、石灰石、大理石等の鉱物を粉砕して得ることができ
る。二酸化ケイ素を主成分とする石質系粉体は、石英と
して産出されるものが多く、ケイ砂等を粉砕することに
よって得られる。
【0040】上記の炭酸カルシウムを主成分とする石質
系粉体、二酸化ケイ素を主成分とする石質系粉体は、自
然に産する岩石等を粉砕して得られるものが多く、強度
が高いとともに安価であり、しかもセメント及び水性高
分子物質との相性がよい。また、ゼオライトほどではな
いが、表面に多数の微細孔を有しており、それ自体で水
蒸気吸着性能を備え、水分に対する濡れ性が高い。
系粉体、二酸化ケイ素を主成分とする石質系粉体は、自
然に産する岩石等を粉砕して得られるものが多く、強度
が高いとともに安価であり、しかもセメント及び水性高
分子物質との相性がよい。また、ゼオライトほどではな
いが、表面に多数の微細孔を有しており、それ自体で水
蒸気吸着性能を備え、水分に対する濡れ性が高い。
【0041】このため、結露が生じた場合にも、スラリ
ー硬化物の表面あるいは内部に水滴を保持することがで
き、水蒸気を含めた水分吸収能力が極めて高い内装材を
構成することができる。
ー硬化物の表面あるいは内部に水滴を保持することがで
き、水蒸気を含めた水分吸収能力が極めて高い内装材を
構成することができる。
【0042】一方、活性炭は、上述したように、大部分
が炭素から構成されており、表面が多孔質で高いガス吸
着性能を有し、水蒸気のみならず、悪臭の原因となる臭
気物質を吸着することができる。
が炭素から構成されており、表面が多孔質で高いガス吸
着性能を有し、水蒸気のみならず、悪臭の原因となる臭
気物質を吸着することができる。
【0043】上記粉体の大きさは特に限定されることは
ないが、少なくとも、多孔質体に対する保持態様によっ
て粒度を選定する必要がある。
ないが、少なくとも、多孔質体に対する保持態様によっ
て粒度を選定する必要がある。
【0044】請求項2に記載した発明のように、多孔質
体の内部に含浸保持させる場合には、多孔質体の空隙よ
り小さい粒度の粉体を採用する必要がある。多孔質体の
全体にスラリー硬化物を含浸保持させる場合には、粉体
の最大粒度を多孔質体の空隙の平均的な大きさの10分
の1〜5分の1以下に設定するのが望ましい。
体の内部に含浸保持させる場合には、多孔質体の空隙よ
り小さい粒度の粉体を採用する必要がある。多孔質体の
全体にスラリー硬化物を含浸保持させる場合には、粉体
の最大粒度を多孔質体の空隙の平均的な大きさの10分
の1〜5分の1以下に設定するのが望ましい。
【0045】ただし、多孔質体全体にスラリー硬化物を
含浸保持させる場合を除き、配合する粉体のすべてが多
孔質体の空隙より小さいものである必要はない。スラリ
ーの流動性が高いため、多孔質体の空隙より小さい粒子
が選択的に多孔質体の内部へ流入して含浸保持されるか
らである。
含浸保持させる場合を除き、配合する粉体のすべてが多
孔質体の空隙より小さいものである必要はない。スラリ
ーの流動性が高いため、多孔質体の空隙より小さい粒子
が選択的に多孔質体の内部へ流入して含浸保持されるか
らである。
【0046】多孔質体の空隙より大きな粒度を有する粒
子を含有する場合には、これら大きな粒子は多孔質体の
表面において保持され、表面に粒度の大きな粒子を含む
スラリー硬化層を形成する。
子を含有する場合には、これら大きな粒子は多孔質体の
表面において保持され、表面に粒度の大きな粒子を含む
スラリー硬化層を形成する。
【0047】スラリー硬化物は、多孔質体の一部又は全
部に保持させることができる。たとえば、板状の多孔質
体の表面の一部に所定の厚さで塗着し、あるいは所定の
深さで含浸保持させることができる。
部に保持させることができる。たとえば、板状の多孔質
体の表面の一部に所定の厚さで塗着し、あるいは所定の
深さで含浸保持させることができる。
【0048】また、スラリー硬化物を多孔質体の内部空
間に保持させる場合でも、内部空隙の全体に充填するよ
うにして内装材の全体に含浸保持させることもできる
し、板状多孔質体の表面側から一定の深さまでスラリー
を含浸させて硬化させることにより、多孔質体の一部に
スラリー硬化物を保持させることができる。
間に保持させる場合でも、内部空隙の全体に充填するよ
うにして内装材の全体に含浸保持させることもできる
し、板状多孔質体の表面側から一定の深さまでスラリー
を含浸させて硬化させることにより、多孔質体の一部に
スラリー硬化物を保持させることができる。
【0049】本願の請求項3に記載した発明は、スラリ
ー硬化物を含浸保持させた部分の一部又は全部が通気性
を備えるものである。
ー硬化物を含浸保持させた部分の一部又は全部が通気性
を備えるものである。
【0050】たとえば、多孔質体の空隙より小さい粒度
で、かつ多孔質体の空隙より少ない量の粉体を配合して
含浸硬化させると、スラリーが多孔質体を構成する繊維
等の表面近傍において硬化収縮し、含浸硬化部分自体が
多孔質状となる。このため、スラリー硬化物を含浸保持
させた部分に空隙を形成し、通気性を持たせることがで
きる。
で、かつ多孔質体の空隙より少ない量の粉体を配合して
含浸硬化させると、スラリーが多孔質体を構成する繊維
等の表面近傍において硬化収縮し、含浸硬化部分自体が
多孔質状となる。このため、スラリー硬化物を含浸保持
させた部分に空隙を形成し、通気性を持たせることがで
きる。
【0051】スラリー硬化物を保持する部分に通気性を
付与することにより、スラリー硬化物と水蒸気等との接
触面積が格段に大きくなる。これにより、スラリー硬化
物の水蒸気吸収能力が格段に向上するのみならず、温度
や湿度の急激な変化に対応して水蒸気を吸収し、結露を
防止することが可能となる。
付与することにより、スラリー硬化物と水蒸気等との接
触面積が格段に大きくなる。これにより、スラリー硬化
物の水蒸気吸収能力が格段に向上するのみならず、温度
や湿度の急激な変化に対応して水蒸気を吸収し、結露を
防止することが可能となる。
【0052】しかも、スラリー含浸部分に比較的大きな
多数の連行空隙を備えるため、この空隙に結露として凝
縮した水分を保持することも可能となる。この結果、結
露が生じてもなお内装材内部にこれら水分を保持するこ
とが可能になる。また、結露が、多数の空隙内に保持さ
れるため、内装材の表面あるいは内部を伝って流れ落ち
ることもない。この結果、多量の水分を内装材の内部に
保持することが可能となる。
多数の連行空隙を備えるため、この空隙に結露として凝
縮した水分を保持することも可能となる。この結果、結
露が生じてもなお内装材内部にこれら水分を保持するこ
とが可能になる。また、結露が、多数の空隙内に保持さ
れるため、内装材の表面あるいは内部を伝って流れ落ち
ることもない。この結果、多量の水分を内装材の内部に
保持することが可能となる。
【0053】なお、生成されるセメント水和物の粒度
が、0.1μmから1μm程度であることから、粉体の
平均粒度を0.1〜1μm以上に設定することが望まし
い。一方、粉体の最大粒度は、保持の態様によって種々
のものを選択することができる。ただし、塗着、含浸作
業を行うには、最大粒度を300μm以下に設定するの
が望ましい。
が、0.1μmから1μm程度であることから、粉体の
平均粒度を0.1〜1μm以上に設定することが望まし
い。一方、粉体の最大粒度は、保持の態様によって種々
のものを選択することができる。ただし、塗着、含浸作
業を行うには、最大粒度を300μm以下に設定するの
が望ましい。
【0054】本願の請求項5に記載した発明は、上記ス
ラリー硬化物が、セメントの水和反応硬化物5重量%〜
50重量%と、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質5
重量%〜50重量%と、石質系又は/及び炭素系粉体3
0重量%〜60重量%とを含むものである。
ラリー硬化物が、セメントの水和反応硬化物5重量%〜
50重量%と、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質5
重量%〜50重量%と、石質系又は/及び炭素系粉体3
0重量%〜60重量%とを含むものである。
【0055】セメント水和反応によって生じる硬化物が
5重量%以下であると、硬化物割合が少なくなり、微細
な空隙を備える多孔質硬化体を形成することができな
い。このため、水蒸気吸収量が低下する。一方、50重
量%以上配合すると、硬化物の割合が大きくなりすぎ
て、成形性が低下し、また硬化物の弾性等が低下してひ
び割れ等を生じやすい。
5重量%以下であると、硬化物割合が少なくなり、微細
な空隙を備える多孔質硬化体を形成することができな
い。このため、水蒸気吸収量が低下する。一方、50重
量%以上配合すると、硬化物の割合が大きくなりすぎ
て、成形性が低下し、また硬化物の弾性等が低下してひ
び割れ等を生じやすい。
【0056】樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質が5
重量%以下になると、弾性が低下して、成形性、弾性、
接着性等が低下する。一方、50重量%以上配合する
と、硬化体のほとんどの表面を高分子物質が覆ってしま
うため、水蒸気吸収性能が低下して結露防止効果が低下
する。
重量%以下になると、弾性が低下して、成形性、弾性、
接着性等が低下する。一方、50重量%以上配合する
と、硬化体のほとんどの表面を高分子物質が覆ってしま
うため、水蒸気吸収性能が低下して結露防止効果が低下
する。
【0057】粉体の配合割合が30重量%以下である
と、必然的にセメント硬化物及び高分子物質の配合割合
が大きくなり、マクロ的な空隙が小さくなって空気連行
性が低下し、水蒸気吸着性能が低下する。一方、粉体を
60重量%以上配合すると、流動性が低下して、塗着、
含浸等の作業性が低下する。また、硬化後の弾性、強度
等も低下する。
と、必然的にセメント硬化物及び高分子物質の配合割合
が大きくなり、マクロ的な空隙が小さくなって空気連行
性が低下し、水蒸気吸着性能が低下する。一方、粉体を
60重量%以上配合すると、流動性が低下して、塗着、
含浸等の作業性が低下する。また、硬化後の弾性、強度
等も低下する。
【0058】上記の配合によるスラリー硬化物は、弾性
及び変形性能を備え、紙、布等に含浸させても柔軟性を
失わず、壁面等に容易に貼着することができる。また、
ある程度の厚さを備える不織布等に含浸硬化させると、
不織布に保形性を付与することができる。このため、不
織布を利用して板状の内装材を構成することもできる。
及び変形性能を備え、紙、布等に含浸させても柔軟性を
失わず、壁面等に容易に貼着することができる。また、
ある程度の厚さを備える不織布等に含浸硬化させると、
不織布に保形性を付与することができる。このため、不
織布を利用して板状の内装材を構成することもできる。
【0059】さらに、壁紙の貼着面側から、スラリー硬
化物を所定深さに含浸保持させると、壁紙表面の特性を
変更することなく、水蒸気吸収能を向上させることが可
能となり、従来にない結露防止効果を備える壁紙を構成
できる。
化物を所定深さに含浸保持させると、壁紙表面の特性を
変更することなく、水蒸気吸収能を向上させることが可
能となり、従来にない結露防止効果を備える壁紙を構成
できる。
【0060】本願の請求項6に記載した発明は、上記ス
ラリー硬化物に、水酸化カルシウムの粉体を、10重量
%〜30重量%配合したものである。
ラリー硬化物に、水酸化カルシウムの粉体を、10重量
%〜30重量%配合したものである。
【0061】セメント硬化物に含有される水酸化カルシ
ウム及び添加した水酸化カルシウムは強塩基であり、種
々の微生物に対して抗菌効果をもつ。
ウム及び添加した水酸化カルシウムは強塩基であり、種
々の微生物に対して抗菌効果をもつ。
【0062】一般に、ほとんどの黴は酸性側で増殖し、
pHが10を超えると、増殖することができなくなり、
死滅する。
pHが10を超えると、増殖することができなくなり、
死滅する。
【0063】本願発明に係るスラリー硬化物に接触した
水分のpHは、9〜11に高められる。このため、スラ
リー硬化物に吸収された水分中ではほとんどの黴は増殖
することはできず、あるいは死滅する。したがって、結
露が生じた場合であっても、黴が発生することはない。
水分のpHは、9〜11に高められる。このため、スラ
リー硬化物に吸収された水分中ではほとんどの黴は増殖
することはできず、あるいは死滅する。したがって、結
露が生じた場合であっても、黴が発生することはない。
【0064】また、本願発明に係るスラリー硬化物は親
水性が高く、硬化物内部あるいは表面において水分を多
量に保持できるとともに、室内雰囲気に対する接触面積
を大きくすることができる。このため、室内雰囲気中の
水蒸気を吸着しあるいは放出して、室内の湿度を調節す
る機能が極めて高い。したがって、黴の発生を防止でき
るとともに、快適な居住空間を提供することもできる。
水性が高く、硬化物内部あるいは表面において水分を多
量に保持できるとともに、室内雰囲気に対する接触面積
を大きくすることができる。このため、室内雰囲気中の
水蒸気を吸着しあるいは放出して、室内の湿度を調節す
る機能が極めて高い。したがって、黴の発生を防止でき
るとともに、快適な居住空間を提供することもできる。
【0065】本願発明に係る多孔質体の形態は特に限定
されることはないが、請求項7に記載した発明のよう
に、シート状多孔質体又は板状多孔質体に適用すること
ができる。これにより、壁材、天井材、床材等の種々の
内装材を提供することができる。
されることはないが、請求項7に記載した発明のよう
に、シート状多孔質体又は板状多孔質体に適用すること
ができる。これにより、壁材、天井材、床材等の種々の
内装材を提供することができる。
【0066】本願の請求項8に記載した発明は、多孔質
体の表面あるいは内部に防湿・防水層を形成したもので
ある。
体の表面あるいは内部に防湿・防水層を形成したもので
ある。
【0067】内装材は、壁面、天井面、床面等に貼着さ
れることが多い。通常、貼着にはボンド等の接着剤が用
いられる。ところが、この接着剤に結露が作用すると接
着力が低下して、剥がれ等が生じるばかりでなく、黴等
の発生原因となる。
れることが多い。通常、貼着にはボンド等の接着剤が用
いられる。ところが、この接着剤に結露が作用すると接
着力が低下して、剥がれ等が生じるばかりでなく、黴等
の発生原因となる。
【0068】本願発明は、内装材の表面あるいは内部に
防湿・防水層を形成することにより、壁面等に対する貼
着面において結露が生じないように構成し、上記問題を
解決したものである。
防湿・防水層を形成することにより、壁面等に対する貼
着面において結露が生じないように構成し、上記問題を
解決したものである。
【0069】請求項9に記載した発明のように、上記防
湿・防水層を、本願発明に係る上記スラリー硬化物によ
って構成することができる。たとえば、水性高分子物質
の配合割合を増加させることにより、スラリー硬化物層
の防湿、防水性を高めることができる。
湿・防水層を、本願発明に係る上記スラリー硬化物によ
って構成することができる。たとえば、水性高分子物質
の配合割合を増加させることにより、スラリー硬化物層
の防湿、防水性を高めることができる。
【0070】本願の請求項10に記載した発明は、建物
内面に貼着される建築用内装材であって、貼着面側に防
湿・防水層を形成したものである。
内面に貼着される建築用内装材であって、貼着面側に防
湿・防水層を形成したものである。
【0071】貼着面側に防湿・防水層を設けることによ
り、室内雰囲気に接触する内装材の水蒸気吸収能力を低
下させることなく、防湿・防水効果を付与することがで
きる。特に、壁材、天井材等において有用である。
り、室内雰囲気に接触する内装材の水蒸気吸収能力を低
下させることなく、防湿・防水効果を付与することがで
きる。特に、壁材、天井材等において有用である。
【0072】内装材の表面側、すなわち室内空間側は水
蒸気を通過させることができれば充分である。一方、よ
ごれ防止の観点からは防水性を持たせることが望まし
い。
蒸気を通過させることができれば充分である。一方、よ
ごれ防止の観点からは防水性を持たせることが望まし
い。
【0073】本願の請求項11に記載した発明は、建築
用内装材の表面側に、透湿・防水層を設けたものであ
る。透湿・防水層は、従来の技術を用いて、内装材の表
面に撥水性のある樹脂を通気性を損なうことなくコーテ
ィングすることにより容易に形成することができる。特
に、シリコン樹脂あるいはフッソ樹脂を利用して透湿・
防水層を構成することにより、内装材表面の防汚性、耐
水性等が大幅に向上する。
用内装材の表面側に、透湿・防水層を設けたものであ
る。透湿・防水層は、従来の技術を用いて、内装材の表
面に撥水性のある樹脂を通気性を損なうことなくコーテ
ィングすることにより容易に形成することができる。特
に、シリコン樹脂あるいはフッソ樹脂を利用して透湿・
防水層を構成することにより、内装材表面の防汚性、耐
水性等が大幅に向上する。
【0074】本願発明は、請求項12に記載したよう
に、壁紙、壁パネル、断熱シート、断熱パネル、又は石
膏ボード等の通気性のある多孔質体を用いて成形される
種々の内装材に適用することができる。
に、壁紙、壁パネル、断熱シート、断熱パネル、又は石
膏ボード等の通気性のある多孔質体を用いて成形される
種々の内装材に適用することができる。
【0075】請求項13に記載した発明は、板状石膏硬
化体の表面に、請求項1から請求項11のいずれかに記
載した建築用内装材を貼着して構成される建築用内装材
に係るものである。
化体の表面に、請求項1から請求項11のいずれかに記
載した建築用内装材を貼着して構成される建築用内装材
に係るものである。
【0076】石膏硬化体は多孔質であり、断熱性、防音
性等に優れるため、石膏ボードとして種々の場面で内装
用基材として使用されている。ところが、石膏硬化体自
体では、表面強度等が低く、また石膏粉体が離脱しやす
いため、紙材を表面に貼着して構成される。ところが、
密度の高い一般的な紙材を貼着するため、この紙材の表
面で結露が発生やすく、黴の温床となることが多い。
性等に優れるため、石膏ボードとして種々の場面で内装
用基材として使用されている。ところが、石膏硬化体自
体では、表面強度等が低く、また石膏粉体が離脱しやす
いため、紙材を表面に貼着して構成される。ところが、
密度の高い一般的な紙材を貼着するため、この紙材の表
面で結露が発生やすく、黴の温床となることが多い。
【0077】本願発明は、上記従来の問題を解決し、上
記紙材に代えて本願発明に係る内装材を貼着したもので
ある。なお、空隙率の高い紙材にスラリー硬化体を含浸
させたものを採用することにより、従来の石膏ボードと
同様の構成とすることができる。
記紙材に代えて本願発明に係る内装材を貼着したもので
ある。なお、空隙率の高い紙材にスラリー硬化体を含浸
させたものを採用することにより、従来の石膏ボードと
同様の構成とすることができる。
【0078】本願の請求項14に記載した発明は、建築
用内装材の製造方法であって、通気性のある多孔質体の
一部又は全部に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水
性高分子物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含む
スラリーを含浸させて硬化させることを特徴とするもの
である。
用内装材の製造方法であって、通気性のある多孔質体の
一部又は全部に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水
性高分子物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含む
スラリーを含浸させて硬化させることを特徴とするもの
である。
【0079】本願の請求項15に記載した発明は、建物
内面に貼着される建築用内装材の製造方法であって、セ
メントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質と、石
質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリーを、通気性
のある多孔質体の貼着面側から所定深さで含浸させ、硬
化させたことを特徴とするものである。
内面に貼着される建築用内装材の製造方法であって、セ
メントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質と、石
質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリーを、通気性
のある多孔質体の貼着面側から所定深さで含浸させ、硬
化させたことを特徴とするものである。
【0080】上記含浸深さは、壁紙等の多孔質体の室内
側表面の特性を低下させない範囲で設定するのが好まし
い。
側表面の特性を低下させない範囲で設定するのが好まし
い。
【0081】さらに、請求項16に記載した発明のよう
に、表面側に、透湿・防水性のある樹脂を塗着あるいは
含浸させて透湿・防水層を形成することにより、さらに
有用な内装材を構成することができる。
に、表面側に、透湿・防水性のある樹脂を塗着あるいは
含浸させて透湿・防水層を形成することにより、さらに
有用な内装材を構成することができる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る実施の形態
を図に基づいて具体的に説明する。
を図に基づいて具体的に説明する。
【0083】表1に本願発明に係るスラリー硬化物の配
合成分の配合割合の一例を示す。なお、表1に示す配合
割合は、各成分の固形分の配合割合を示す。各成分の粉
末ないし液体を混合するとともに、固体成分の重量に対
して約50重量%の割合で水を添加して水性スラリーを
形成し、多孔質体の片面から含浸させて硬化させた。
合成分の配合割合の一例を示す。なお、表1に示す配合
割合は、各成分の固形分の配合割合を示す。各成分の粉
末ないし液体を混合するとともに、固体成分の重量に対
して約50重量%の割合で水を添加して水性スラリーを
形成し、多孔質体の片面から含浸させて硬化させた。
【0084】
【表1】
【0085】本実施の形態においては、和紙材料から形
成される壁紙に本願発明を適用した。
成される壁紙に本願発明を適用した。
【0086】図1に第一の実施の形態に係る壁紙1の断
面構造を模式的に示す。この図に示す壁紙1は、上記配
合の水性スラリーを、和紙材料から形成されたシート状
多孔質体2(100グラム/m2 、厚さ約0.4ミリメ
ートル)の片面に、1平方メートル当り200グラムを
吹き付けによって含浸させて自然硬化させた。水性スラ
リーの含浸層3は約0.2〜0.3ミリメートルとな
り、柔軟性を備え、従来の壁紙と同様に、曲折したり、
丸めたりすることができる壁紙1を得た。
面構造を模式的に示す。この図に示す壁紙1は、上記配
合の水性スラリーを、和紙材料から形成されたシート状
多孔質体2(100グラム/m2 、厚さ約0.4ミリメ
ートル)の片面に、1平方メートル当り200グラムを
吹き付けによって含浸させて自然硬化させた。水性スラ
リーの含浸層3は約0.2〜0.3ミリメートルとな
り、柔軟性を備え、従来の壁紙と同様に、曲折したり、
丸めたりすることができる壁紙1を得た。
【0087】図1に示すように、本実施の形態において
は、この壁紙1を構成するシート状多孔質体2の貼着面
4側から、厚さの半分程度までスラリー含浸層3を形成
する一方、表面側5は上記多孔質体2の表面特性、すな
わち、和紙の風合いを残した状態に構成している。
は、この壁紙1を構成するシート状多孔質体2の貼着面
4側から、厚さの半分程度までスラリー含浸層3を形成
する一方、表面側5は上記多孔質体2の表面特性、すな
わち、和紙の風合いを残した状態に構成している。
【0088】図1に示す壁紙1の実際の断面構造を図2
に示す。この図に示すように、壁紙1は、不規則形状の
多数の繊維6が複雑に絡み合った多孔質構造を備えお
り、高い通気性能を備える。
に示す。この図に示すように、壁紙1は、不規則形状の
多数の繊維6が複雑に絡み合った多孔質構造を備えお
り、高い通気性能を備える。
【0089】上記壁紙1の貼着面4側には、壁紙1の厚
さの半分程度の深さまで、スラリー硬化物7が含浸保持
されている。図から明らかなように、スラリー硬化物7
を含浸させた部位のうち、貼着面4側はほとんど隙間な
くスラリー硬化物7が充填されているが、壁紙1の内部
にいくにつれて空隙8が増加し、中間部分ではスラリー
硬化物7と繊維6とが混ざり合った多孔質状の形態を呈
している。一方、表面側5は、和紙の特性である多数の
空隙8がそのまま残っており、高い通気性能を備える。
さの半分程度の深さまで、スラリー硬化物7が含浸保持
されている。図から明らかなように、スラリー硬化物7
を含浸させた部位のうち、貼着面4側はほとんど隙間な
くスラリー硬化物7が充填されているが、壁紙1の内部
にいくにつれて空隙8が増加し、中間部分ではスラリー
硬化物7と繊維6とが混ざり合った多孔質状の形態を呈
している。一方、表面側5は、和紙の特性である多数の
空隙8がそのまま残っており、高い通気性能を備える。
【0090】室内で発生した水蒸気は、上記壁紙1の表
面側から空隙8に容易に浸入するとともに、上記スラリ
ー硬化物7中に吸収される。また、スラリー硬化物7の
水蒸気吸収量が飽和量に達し、凝縮が生じて水滴が発生
した場合にも、壁紙1の中間部分がスラリー硬化物7を
含む多孔質状であるため、これら水滴がこのスラリー硬
化物7を含む多孔質部分に保持される。この結果、結露
が生じた場合にも壁紙内部において水分を吸収保持する
ことができる。また、水蒸気が凝縮して発生した水滴が
多孔質体の内部に保持されるため、従来の壁紙のよう
に、水滴が壁紙の表面を伝って流れ落ちるといったこと
もない。
面側から空隙8に容易に浸入するとともに、上記スラリ
ー硬化物7中に吸収される。また、スラリー硬化物7の
水蒸気吸収量が飽和量に達し、凝縮が生じて水滴が発生
した場合にも、壁紙1の中間部分がスラリー硬化物7を
含む多孔質状であるため、これら水滴がこのスラリー硬
化物7を含む多孔質部分に保持される。この結果、結露
が生じた場合にも壁紙内部において水分を吸収保持する
ことができる。また、水蒸気が凝縮して発生した水滴が
多孔質体の内部に保持されるため、従来の壁紙のよう
に、水滴が壁紙の表面を伝って流れ落ちるといったこと
もない。
【0091】さらに、上記スラリー硬化物7中には、水
酸化カルシウムが含まれているため、上記スラリー硬化
物7の表面に接触する水滴のPHは10以上に高められ
る。したがって、結露が生じても壁紙内部で黴等が繁殖
することはない。
酸化カルシウムが含まれているため、上記スラリー硬化
物7の表面に接触する水滴のPHは10以上に高められ
る。したがって、結露が生じても壁紙内部で黴等が繁殖
することはない。
【0092】しかも、スラリー硬化物7は中間層までに
保持され、表面側8には露出していないため、壁紙1の
表面を擦っても壁紙表面からスラリー硬化物7が離脱す
ることはなく、従来の壁紙と変わらない風合いを備えた
まま、結露防止効果、防黴効果を発揮させることができ
る。
保持され、表面側8には露出していないため、壁紙1の
表面を擦っても壁紙表面からスラリー硬化物7が離脱す
ることはなく、従来の壁紙と変わらない風合いを備えた
まま、結露防止効果、防黴効果を発揮させることができ
る。
【0093】しかも、スラリー硬化物7は、悪臭物質を
吸収する能力も備えており、長期間に渡って脱臭効果を
発揮させることもできる。
吸収する能力も備えており、長期間に渡って脱臭効果を
発揮させることもできる。
【0094】図3及び図4に、本願発明の第二の実施の
形態を示す。これらの図に示す壁紙11は、貼着面4側
に防湿・防水層12を形成したものである。
形態を示す。これらの図に示す壁紙11は、貼着面4側
に防湿・防水層12を形成したものである。
【0095】図3に示すように、本実施の形態において
は、図1に示す構成に加えて、貼着面4側に防湿・防水
性のある樹脂被覆層を塗着形成することにより、防湿・
防水層12を形成している。
は、図1に示す構成に加えて、貼着面4側に防湿・防水
性のある樹脂被覆層を塗着形成することにより、防湿・
防水層12を形成している。
【0096】上記樹脂被覆層を構成する樹脂として、ア
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂等を採用することができ
る。スラリー硬化物7は親水性が高いため、エマルジョ
ンタイプの防水剤等を塗着することにより、上記防湿・
防水層12を容易に形成することができる。
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂等を採用することができ
る。スラリー硬化物7は親水性が高いため、エマルジョ
ンタイプの防水剤等を塗着することにより、上記防湿・
防水層12を容易に形成することができる。
【0097】図3に示す壁紙11の実際の断面構造を図
4に示す。この図に示すように、スラリー硬化物7を含
浸保持させた部分の空隙8を多くして、スラリー含浸層
3のほぼ全体を多孔質状に構成することにより、水蒸気
吸着性能及び水滴保持能力を高めている。一方、上記防
湿・防水層12を備えるため、水蒸気が壁紙11の貼着
面側に透過し、あるいは貼着面側で結露が生じることは
ない。
4に示す。この図に示すように、スラリー硬化物7を含
浸保持させた部分の空隙8を多くして、スラリー含浸層
3のほぼ全体を多孔質状に構成することにより、水蒸気
吸着性能及び水滴保持能力を高めている。一方、上記防
湿・防水層12を備えるため、水蒸気が壁紙11の貼着
面側に透過し、あるいは貼着面側で結露が生じることは
ない。
【0098】なお、本実施の形態においては、上記防湿
・防水層12は、貼着面4の表面に樹脂被覆を施すこと
により形成したが、防湿・防水剤をスラリー硬化物含浸
層の貼着面側に含浸させることによっても形成すること
ができる。また、防湿・防水性のある樹脂フィルムをス
ラリー含浸層3の表面に積層することによって形成して
もよい。
・防水層12は、貼着面4の表面に樹脂被覆を施すこと
により形成したが、防湿・防水剤をスラリー硬化物含浸
層の貼着面側に含浸させることによっても形成すること
ができる。また、防湿・防水性のある樹脂フィルムをス
ラリー含浸層3の表面に積層することによって形成して
もよい。
【0099】図5及び図6に、本願発明に係る第三の実
施の形態を示す。これらの図に示す壁紙21は、貼着面
4側に防湿・防水層12を形成するとともに、表面側5
に透湿・防水層13を形成したものである。
施の形態を示す。これらの図に示す壁紙21は、貼着面
4側に防湿・防水層12を形成するとともに、表面側5
に透湿・防水層13を形成したものである。
【0100】上記透湿・防水層13は、壁紙21を構成
する多孔質体2の表面に透湿性のある樹脂をコーティン
グして形成することができる。また、壁紙21を構成す
る多孔質体2の表面側5に、撥水性のある樹脂を通気性
を損なうことなく、すなわち、表面の細孔を閉塞させる
ことなくコーティングすることによっても形成すること
ができる。
する多孔質体2の表面に透湿性のある樹脂をコーティン
グして形成することができる。また、壁紙21を構成す
る多孔質体2の表面側5に、撥水性のある樹脂を通気性
を損なうことなく、すなわち、表面の細孔を閉塞させる
ことなくコーティングすることによっても形成すること
ができる。
【0101】シリコン樹脂、フッソ樹脂等の高い撥水性
のある樹脂を斑点状にコーティングすることにより、高
い透湿性を保持しつつ、表面の防水性を高めることがで
きる。また、表面側に防水性を付与することにより、壁
紙表面の防汚効果も上がり、また、表面光沢を改善する
こともできる。また、上記透湿・防水層13は、防湿・
防水性のある樹脂フィルムを積層することによって形成
してもよい。
のある樹脂を斑点状にコーティングすることにより、高
い透湿性を保持しつつ、表面の防水性を高めることがで
きる。また、表面側に防水性を付与することにより、壁
紙表面の防汚効果も上がり、また、表面光沢を改善する
こともできる。また、上記透湿・防水層13は、防湿・
防水性のある樹脂フィルムを積層することによって形成
してもよい。
【0102】図7に、本願発明に係る第四の実施の形態
を示す。この実施の形態は、不織布材料15にスラリー
硬化物を含浸保持させて、シート状あるいは板状の内装
材31を構成したものである。不織布材料15は、種々
の厚さや、空隙率を有するものを選択できる。したがっ
て、空隙率の高いものを選択することにより、スラリー
硬化物を多量に含浸保持させることができる。また、不
織布を構成する繊維16を均一にしたり、また、種々の
特性の繊維を選択することができる。
を示す。この実施の形態は、不織布材料15にスラリー
硬化物を含浸保持させて、シート状あるいは板状の内装
材31を構成したものである。不織布材料15は、種々
の厚さや、空隙率を有するものを選択できる。したがっ
て、空隙率の高いものを選択することにより、スラリー
硬化物を多量に含浸保持させることができる。また、不
織布を構成する繊維16を均一にしたり、また、種々の
特性の繊維を選択することができる。
【0103】さらに、不織布の各繊維16を取り囲むよ
うにしてスラリー硬化物を保持させることも可能とな
り、スラリー硬化物を保持させた状態で高い通気性を備
える内装材を形成できる。
うにしてスラリー硬化物を保持させることも可能とな
り、スラリー硬化物を保持させた状態で高い通気性を備
える内装材を形成できる。
【0104】しかも、スラリー硬化物を含浸させること
により、不織布に保形性、成形性を付与できる。このた
め、柔軟性のあるシート状内装材や、硬質の板状内装材
を形成することができる。
により、不織布に保形性、成形性を付与できる。このた
め、柔軟性のあるシート状内装材や、硬質の板状内装材
を形成することができる。
【0105】図8に、本願発明の第五の実施の形態を示
す。この実施の形態は、内装基材あるいは断熱材として
多用されている石膏ボードに本願発明を適用したもので
ある。
す。この実施の形態は、内装基材あるいは断熱材として
多用されている石膏ボードに本願発明を適用したもので
ある。
【0106】一般的な石膏ボードは、多孔質の板状石膏
硬化体の両面に紙を貼着して構成されることが多い。こ
れは、石膏硬化体の表面から石膏粉が離脱するのを防止
するとともに、表面に壁紙等を貼着しやすくするためで
ある。
硬化体の両面に紙を貼着して構成されることが多い。こ
れは、石膏硬化体の表面から石膏粉が離脱するのを防止
するとともに、表面に壁紙等を貼着しやすくするためで
ある。
【0107】上記石膏硬化体は、それ自体通気性を備え
るとともに水蒸気吸収性能及び断熱性能が高く、結露防
止効果を期待することができる。ところが、接着剤を用
いて密度の高い紙を両面に貼着しているため空気連行性
が阻害され、充分な結露防止効果を発揮できない。ま
た、接着剤と紙との境界部分で結露が生じ易く、境界部
分で黴が発生しやすい。特に、壁面との間の紙に黴等が
発生し、臭いの発生やアレルギー性疾患の原因となるこ
とも多い。
るとともに水蒸気吸収性能及び断熱性能が高く、結露防
止効果を期待することができる。ところが、接着剤を用
いて密度の高い紙を両面に貼着しているため空気連行性
が阻害され、充分な結露防止効果を発揮できない。ま
た、接着剤と紙との境界部分で結露が生じ易く、境界部
分で黴が発生しやすい。特に、壁面との間の紙に黴等が
発生し、臭いの発生やアレルギー性疾患の原因となるこ
とも多い。
【0108】本実施の形態においては、石膏ボード41
の貼着面4側、すなわちコンクリート壁面等に対向する
側にスラリー硬化物層18及び防湿・防水層12を形成
する一方、表面5側に透湿・防水層13を設けることに
より、上記従来の問題を解決している。
の貼着面4側、すなわちコンクリート壁面等に対向する
側にスラリー硬化物層18及び防湿・防水層12を形成
する一方、表面5側に透湿・防水層13を設けることに
より、上記従来の問題を解決している。
【0109】スラリー硬化物層18を石膏硬化体の表面
に形成することにより、従来の紙材と同様に石膏粉の脱
落を防止できるとともに表面の接着性を改善できる。し
かも、透湿防水層12を形成すると、石膏ボード41の
貼着面側に水分が浸入することがなくなり、壁面との間
で黴等が発生するのを防止できる。
に形成することにより、従来の紙材と同様に石膏粉の脱
落を防止できるとともに表面の接着性を改善できる。し
かも、透湿防水層12を形成すると、石膏ボード41の
貼着面側に水分が浸入することがなくなり、壁面との間
で黴等が発生するのを防止できる。
【0110】上記透湿・防水層13を本願発明に係るス
ラリー硬化体を用いて構成することができる。すなわ
ち、撥水性のある樹脂成分と粒度の大きい粉体を配合す
るとともに、水分量の多いスラリーを調整して石膏硬化
体17の表面に塗着すると、スラリーの硬化過程におい
て多孔質層が形成される。この多孔質層は、高い空気連
行性を備えるとともに表面撥水性があるため、性能のよ
い透湿・防水層を構成する。
ラリー硬化体を用いて構成することができる。すなわ
ち、撥水性のある樹脂成分と粒度の大きい粉体を配合す
るとともに、水分量の多いスラリーを調整して石膏硬化
体17の表面に塗着すると、スラリーの硬化過程におい
て多孔質層が形成される。この多孔質層は、高い空気連
行性を備えるとともに表面撥水性があるため、性能のよ
い透湿・防水層を構成する。
【0111】さらに、図には示さないが、空隙率の高い
紙材に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子
物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリー
硬化物を含浸保持させ、この紙材を石膏ボードに貼着す
る紙材として採用することができる。この紙材は、スラ
リー硬化物を保持するため黴が発生することもなく、ま
た脱臭効果を期待できる。したがって、従来にない衛生
的な内装構造を構成することが可能になる。
紙材に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子
物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリー
硬化物を含浸保持させ、この紙材を石膏ボードに貼着す
る紙材として採用することができる。この紙材は、スラ
リー硬化物を保持するため黴が発生することもなく、ま
た脱臭効果を期待できる。したがって、従来にない衛生
的な内装構造を構成することが可能になる。
【0112】本願発明は、上述の実施の形態に限定され
ることはない。実施の形態においては、白色ポルトラン
ドセメントを採用したが、普通ポルトランドセメント等
他のセメントを採用することもできる。
ることはない。実施の形態においては、白色ポルトラン
ドセメントを採用したが、普通ポルトランドセメント等
他のセメントを採用することもできる。
【0113】また、多孔質体も、和紙、不織布、石膏ボ
ードに限定されることはなく、布、スポンジ状等他の形
態の多孔質体を採用することができる。また、材質、多
孔質の細孔の大きさ等も限定されることはない。
ードに限定されることはなく、布、スポンジ状等他の形
態の多孔質体を採用することができる。また、材質、多
孔質の細孔の大きさ等も限定されることはない。
【0114】また、実施の形態においては、多孔質体の
一部にスラリー硬化物を含浸保持させたが、多孔質体の
全部に含浸保持させることもできる。
一部にスラリー硬化物を含浸保持させたが、多孔質体の
全部に含浸保持させることもできる。
【0115】また、スラリー硬化物を含浸保持させた部
分の一部に通気性を持たせたが、含浸層全体に通気性を
持たせることもできる。
分の一部に通気性を持たせたが、含浸層全体に通気性を
持たせることもできる。
【0116】粉体も実施の形態に限定されることはな
く、活性炭粉末等の他の粉体を採用することもできる。
く、活性炭粉末等の他の粉体を採用することもできる。
【0117】また、配合する水性高分子物質も実施の形
態に限定されることはない。
態に限定されることはない。
【図1】本願発明の第一の実施の形態に係る壁紙の断面
構造を模式的に示す図である。
構造を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す壁紙の実際の断面構造を示す図であ
る。
る。
【図3】本願発明の第二の実施の形態に係る壁紙の断面
構造を模式的に示す図である。
構造を模式的に示す図である。
【図4】図3に示す壁紙の実際の断面構造を示す図であ
る。
る。
【図5】本願発明の第三の実施の形態に係る壁紙の断面
構造を模式的に示す図である。
構造を模式的に示す図である。
【図6】図5に示す壁紙の実際の断面構造を示す図であ
る。
る。
【図7】本願発明の第四の実施の形態に係る内装材の断
面構造を模式的に示す図である。
面構造を模式的に示す図である。
【図8】本願発明の第五の実施の形態に係る内装材の断
面構造を模式的に示す図である。
面構造を模式的に示す図である。
1 壁紙(内装材) 2 多孔質体 3 スラリー含浸層 4 貼着面 5 表面 6 繊維 7 スラリー硬化物 8 空隙 11 壁紙(内装材) 12 防湿・防水層 13 透湿・防水層 15 不織布(多孔質体) 16 繊維 17 石膏硬化体 18 スラリー硬化物層 21 壁紙(内装材) 31 内装材 41 石膏ボード(内装材)
Claims (16)
- 【請求項1】 通気性のある多孔質体の一部又は全部
に、セメントと、樹脂又は/及びゴムの水性高分子物質
と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含むスラリー硬化
物を保持させたことを特徴とする、建築用内装材。 - 【請求項2】 上記スラリー硬化物は、多孔質体の内部
空間に含浸保持されていることを特徴とする、請求項1
に記載の建築用内装材。 - 【請求項3】 スラリー硬化物を含浸保持させた部分の
一部又は全部が通気性を備える、請求項1又は請求項2
のいずれかに記載の建築用内装材。 - 【請求項4】 粉体が、炭酸カルシウムを主成分とする
石質系粉体、二酸化ケイ素を主成分とする石質系粉体、
活性炭粉体の中から選ばれた1又は2以上のものを配合
して構成される、請求項1から請求項3のいずれかに記
載の建築用内装材。 - 【請求項5】 上記スラリー硬化物が、セメントの水和
反応硬化物5重量%〜50重量%と、樹脂又は/及びゴ
ムの水性高分子物質5重量%〜50重量%と、石質系又
は/及び炭素系粉体30重量%〜60重量%とを含む、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の建築用内装
材。 - 【請求項6】 上記スラリー硬化物は、水酸化カルシウ
ムの粉体を、10重量%〜30重量%含む、請求項1か
ら請求項5のいずれかに記載の建築用内装材。 - 【請求項7】 上記多孔質体が、シート状又は板状であ
る請求項1から請求項6のいずれかに記載の建築用内装
材。 - 【請求項8】 多孔質体の表面あるいは内部に防湿・防
水層を形成した、請求項1から請求項7のいずれかに記
載の建築用内装材。 - 【請求項9】 多孔質体に保持させたスラリー硬化物
が、防湿・防水層を構成している、請求項8に記載の建
築用内装材。 - 【請求項10】 建物内面に貼着される建築用内装材で
あって、貼着面側に防湿・防水層を形成した、請求項8
又は請求項9のいずれかに記載の建築用内装材。 - 【請求項11】 建築用内装材の表面側に、透湿・防水
層を設けた、請求項10に記載の建築用内装材。 - 【請求項12】 建築用内装材が、壁紙、壁パネル、断
熱シート、断熱パネル、又は石膏ボードである、請求項
1から請求項11のいずれかに記載の建築用内装材。 - 【請求項13】 板状石膏硬化体の表面に、請求項1か
ら請求項11のいずれかに記載した建築用内装材を貼着
して構成される建築用内装材。 - 【請求項14】 建築用内装材の製造方法であって、通
気性のある多孔質体の一部又は全部に、セメントと、樹
脂又は/及びゴムの水性高分子物質と、石質系又は/及
び炭素系粉体とを含むスラリーを含浸させて硬化させる
ことを特徴とする、建築用内装材の製造方法。 - 【請求項15】 建物内面に貼着される建築用内装材の
製造方法であって、セメントと、樹脂又は/及びゴムの
水性高分子物質と、石質系又は/及び炭素系粉体とを含
むスラリーを、通気性のある多孔質体の貼着面側から所
定深さで含浸させ、硬化させたことを特徴とする、建築
用内装材の製造方法。 - 【請求項16】 表面側に、透湿・防水性のある被覆層
を塗着形成あるいは含浸形成する、請求項14又は請求
項15のいずれかに記載の建築用内装材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14713097A JPH10317640A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 建築用内装材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14713097A JPH10317640A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 建築用内装材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10317640A true JPH10317640A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15423246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14713097A Pending JPH10317640A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 建築用内装材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10317640A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003510481A (ja) * | 1999-09-23 | 2003-03-18 | サン−ゴバン・イソベール | 防音ビルの構造体 |
JP2005105010A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-21 | Yamaguchi Prefecture | 無機系塗料とそれを用いたvoc吸着機能材 |
JP2010025337A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-02-04 | Showa Denko Kenzai Kk | 防音材、防音性合成樹脂管部材及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP14713097A patent/JPH10317640A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003510481A (ja) * | 1999-09-23 | 2003-03-18 | サン−ゴバン・イソベール | 防音ビルの構造体 |
JP2005105010A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-21 | Yamaguchi Prefecture | 無機系塗料とそれを用いたvoc吸着機能材 |
JP2010025337A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-02-04 | Showa Denko Kenzai Kk | 防音材、防音性合成樹脂管部材及びその製造方法 |
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