JP3041348B2 - 調湿建材 - Google Patents
調湿建材Info
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Description
アロフェン及びイモゴライトの優れた吸放湿特性を利用
することにより、居室内などの建築空間に調湿性、防露
性、防かび性を付与する新規機能性建築材料に関する。
より、調湿性、防露性、防かび性の良い建築物を実現し
てきたが、近年、建築物の高気密化が進められ、耐火
性、気密性を重視した新建材が多用されるようになっ
た。しかし、新建材では、調湿性、防露性などの特性が
十分でないことから、次のような問題がある。
物の快適性及び耐久性を損なう。 (2) 結露により発生した水分がカビやダニの発生を招
き、人体に悪影響を及ぼす。 これらの問題を解決するために、一般的には空調設備が
取り付けられるが、空調設備は動力を必要とし、設備費
のみならず、運転費の面で好ましくない。
を持たせ、空調設備や動力などを必要とせずに室内の湿
度調整を行い、防露性、防かび性を得ることができる調
湿建材の開発が行われている。従来、調湿建材として
は、ゾノトライト系珪酸カルシウム建材、ゼオライト系
建材(特開平3−93662号公報)などの開発が行わ
れている。
についてはすでに各種のものが開発されているが、次の
ような問題点を有している。ゼオライトは吸湿性に優れ
ているが、放湿性には劣るため、調湿建材に利用するに
は必ずしも適しておらず、ゼオライト系調湿建材では、
優れた調湿特性を持たせるのが困難である。またゾノト
ライト系珪酸カルシウム調湿建材は短期間では、優れた
調湿性、防露性を有しているが、梅雨時のように長期間
高湿度状態が続いた場合に建材の吸湿量が飽和し、調湿
性、防露性を失ってしまう。また価格も安価であるとは
言えず、性能、価格などすべて満足させるような建材は
未だ実現されていない。
アロフェン又はイモゴライトと凝結硬化剤とを混合、成
形、凝結させてなることを特徴とする。
モゴライトを単独又は他のセラミックス原料と混合、成
形、焼成させてなることを特徴とする。
イトとしては、アロフェン又はイモゴライトを主成分と
する鹿沼土、大沢土及び膠質土、水土、味噌土と呼ばれ
る各地の火山軽石層の鉱物が実質的に使用される。
用いる本発明の調湿建材は例えば次のI又はIIのような
方法により製造することができる。
化剤とを混合、成形して養生硬化させる。具体的には、
鹿沼土等のアロフェン又はイモゴライトとモルタル、石
膏、消石灰、ドロマイトなどの凝結硬化剤とを混合し、
必要に応じて更に水を添加して混練し、混練物を押し出
し、流し込みなどの方法により成形し、気中、水中、蒸
気養生などにより養生硬化させる。
凝結硬化剤との混合割合は、アロフェン又はイモゴライ
ト10〜90重量部に対して凝結硬化剤90〜10重量
部とするのが好ましい。この範囲よりもアロフェン又は
イモゴライトが少ないと、充分な調湿特性が得られず、
逆に、凝結硬化剤が少ないと、成形性が損なわれる。
は他のセラミックス原料とを混合、成形、焼成する。具
体的には、鹿沼土等のアロフェン又はイモゴライト単独
又はアロフェン又はイモゴライトと木節粘土、蛙目粘
土、珪石、陶石等の他のセラミックス原料と混合し、押
し出し、プレス成形し、得られた成形体を焼成する。
他のセラミックス原料との混合割合は、アロフェン又は
イモゴライト100〜10重量部に対して他のセラミッ
クス原料0〜90重量部とするのが好ましい。この範囲
よりもアロフェン又はイモゴライトが少ないと、充分な
調湿特性が得られない。
を損なわない範囲において、補強材、顔料などの添加材
を含有していても良いことは言うまでもない。
の他、棚、扉などの各種建材に有効に適用することがで
きる。
土壌の主体をなすものであり、化学的性質も類似してい
る。アロフェンは、微細な球状粒子であることから、ま
た、イモゴライトは微細な中空管状構造を持つことか
ら、他の粘土鉱物に比べて比表面積が大きく優れた吸着
能力を持つ。このため、ゼオライトなどと同様、吸着材
として有効である。本発明者らは、このアロフェン及び
イモゴライトの種々の物質に対する吸着能力の中で、特
に水に対する吸着能力を調べた結果、アロフェン及びイ
モゴライトは著しく良好な吸湿能力及び放湿能力を有す
ること及び高湿度状態が長期間続いた場合にも吸湿量が
飽和せず、吸湿能力を維持することを見出し、このアロ
フェン及びイモゴライトの吸放湿特性を利用する本発明
調湿建材を完成させた。
する鹿沼土(アロフェンの他、イモゴライト、イライ
ト、鳳化長石、石英を含む。)及びゼオライトの温度2
5℃での水蒸気吸着等温線より明らかなように、ゼオラ
イトは、低湿度領域でも吸湿量が多く、高湿度領域での
吸湿量とそれほど差がない。このため、相対湿度が低湿
度⇔高湿度と変動した場合の吸放湿量はそれほど多くな
い。これに対して、アロフェンを主成分とする鹿沼土で
は低湿度領域で吸湿量が少なく、高湿度領域では吸湿量
が多く、吸放湿量が多い。また、イモゴライトを主成分
とするものでも、アロフェンを主成分とする鹿沼土と同
様の特性を示す。
相関関係があり、吸放湿量が多いほど調湿特性に優れた
ものとなることから、調湿建材に使用されているゼオラ
イトに比べて、アロフェン又はイモゴライトを用いた調
湿建材では、調湿特性がより一層優れ、後掲の実施例で
示すように、モルタル、石膏などの凝結材と混合した場
合にも優れた調湿特性を持つ調湿建材が得られる。
ルタルよりなる調湿建材の25℃、相対湿度80%での
吸湿量の経時変化から明らかなように、長期間高湿度状
態が続いた場合に鹿沼土混合モルタルよりなる調湿建材
は、吸湿量が飽和せず、吸湿能力を維持する。このよう
な特性は、鹿沼土混合モルタルよりなる調湿建材だけで
なく、他のアロフェン又はイモゴライトを用いた調湿建
材でも同様である。このため梅雨のように高湿度状態が
長期間続く場合、アロフェン又はイモゴライトを用いた
調湿建材では、調湿特性を保つことができ、結露発生も
起こさない。
の調湿建材によれば、人が快適に感じる湿度範囲に、室
内の相対湿度を調節することができる。また、その優れ
た吸湿特性により、結露を有効に防止して、カビやダニ
の発生を防止すると共に、建築物の耐久性を向上させる
こともできる。
ライトは火山灰土壌の主体をなすものであり、火山国で
あるわが国には豊富に埋蔵されており、容易かつ安価に
入手可能な鉱物資源であることから、本発明の調湿建材
は従来の調湿建材と比較して安価なものとなる。
り具体的に説明する。
に水を添加し混練することにより練土とした。この練土
を押出成形して成形体を得た。この成形体を800℃で
焼成して調湿建材を得た。得られた調湿建材の調湿特性
を下記の方法により測定し、結果を図2(空間内の相対
湿度の経時変化)及び表1(空間内の最高湿度と最低湿
度の差)に示した。
部より密閉空間に温度変動が与えられた場合の温度及び
湿度変化、相対湿度変動から調湿特性を求めた。調湿作
用が働かない場合には、温度変動に依存して相対湿度が
大きく変動するが、調湿作用が働くとこの相対湿度の変
動が抑制される。この変動の抑制度合いを空間内で測定
された最高湿度と最低湿度との差で求め、調湿特性を評
価した。
様にして調湿建材を製造し、得られた調湿建材について
同様に調湿特性を測定し、結果を図2及び表1に示し
た。
の比較から明らかなように、アロフェンを主成分とする
鹿沼土を使用した実施例1の方が相対湿度の変動が抑制
されており、調湿特性に優れている。
混練し鹿沼土混合モルタルを得た。これを型枠に流し込
み、成形養生してモルタル硬化体よりなる調湿建材を得
た。得られた調湿建材について、実施例1と同様にして
調湿特性を測定し、結果を表1に示した。
様にして調湿建材を製造し、得られた調湿建材について
同様に調湿特性を測定し、結果を表1に示した。
の比較から明らかなように、実施例2の鹿沼土混合モル
タルでは、相対湿度の変動が約11%に抑制されている
のに対して、比較例2のゼオライト混合モルタルではそ
の変動が約25%となっており、アロフェンを主成分と
する鹿沼土を用いた実施例2の方が優れた調湿特性を示
している。
混練した後、型枠に流し込み、成形体を得た。この成形
体を気中養生し、鹿沼土添加石膏硬化体よりなる調湿建
材を得た。得られた調湿建材について、実施例1と同様
にして調湿特性を測定し、結果を表1に示した。
特性を測定し、結果を表1に示した。
の比較から明らかなように、比較例3の石膏ボードの場
合、相対湿度変動が約30%であるのに対して、実施例
3の鹿沼土添加石膏硬化体では、この変動が約8%と大
幅に抑制されており、優れた調湿特性を示している。
混練し鹿沼土混合モルタルを得た。これを型枠に流し込
み、成形養生してモルタル硬化体よりなる調湿建材を得
た。得られた調湿建材について、25℃、相対湿度80
%の条件での吸湿量の経時変化を調べ、結果を図3に示
した。
と同様にして、吸湿量の経時変化を調べ、結果を図3に
示した。
は、比較例4と実施例4でほぼ吸湿量が等しいが、2日
経過以降、比較例4で吸湿量がほぼ飽和するのに対し
て、実施例4では、吸湿量が飽和せず、増加していく。
即ち、高湿度状態が長期間続く場合に、比較例4では、
吸湿量が飽和し吸湿能力を失ってしまうため、調湿特性
を失い、結露も発生するのに対して、実施例4では、吸
湿量が飽和せず、吸湿能力を維持するため、調湿特性を
保ち、結露も発生しないということを示している。
する鹿沼土を用いた調湿建材を挙げたが、イモゴライト
を用いた調湿建材でも、本実施例と同様の特性を示す。
よれば、調湿特性が著しく良好で、その特性が高湿度状
態が長期間続く場合にも維持され、耐久性にも優れ、し
かも安価な調湿建材が提供される。
等温線を示すグラフである。
(空間内の相対湿度の経時変化)を示すグラフである。
%での吸湿量の経時変化を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 アロフェン又はイモゴライトと凝結硬化
剤とを混合、成形、凝結させてなる調湿建材。 - 【請求項2】 請求項1において、凝結硬化剤がモルタ
ル、石膏、消石灰又はドロマイトである調湿建材。 - 【請求項3】 アロフェン又はイモゴライトを単独又は
他のセラミックス原料と混合、成形、焼成させてなる調
湿建材。 - 【請求項4】 請求項3において、他のセラミックス原
料が木節粘土、蛙目粘土、珪石又は陶石である調湿建
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6283143A JP3041348B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 調湿建材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6283143A JP3041348B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 調湿建材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08144387A JPH08144387A (ja) | 1996-06-04 |
JP3041348B2 true JP3041348B2 (ja) | 2000-05-15 |
Family
ID=17661787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6283143A Expired - Lifetime JP3041348B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 調湿建材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3041348B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
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JP2004143019A (ja) * | 2002-10-28 | 2004-05-20 | Shimizu Corp | セメント硬化材、セメント硬化体、コンクリート打込み型枠およびコンクリート構造物 |
JP2004309131A (ja) * | 2004-07-26 | 2004-11-04 | Mitsubishi Shoji Construction Materials Corp | 湿度最適化システム |
JP2008133153A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Shoji Seike | 透湿性釉薬を施した多孔質セラミックス |
JP5992156B2 (ja) * | 2011-09-28 | 2016-09-14 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP6283143A patent/JP3041348B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08144387A (ja) | 1996-06-04 |
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