JPH103175A - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JPH103175A
JPH103175A JP4805597A JP4805597A JPH103175A JP H103175 A JPH103175 A JP H103175A JP 4805597 A JP4805597 A JP 4805597A JP 4805597 A JP4805597 A JP 4805597A JP H103175 A JPH103175 A JP H103175A
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JP
Japan
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photoconductive layer
resin
acid
image
plate
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JP4805597A
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English (en)
Inventor
Kenji Sano
健次 佐野
Seiji Horie
誠治 堀江
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH103175A publication Critical patent/JPH103175A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は耐刷性および画像性に優れた電子写
真式製版用印刷原版を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に、少なくとも有機光導
電性化合物及び結合樹脂を含有する光導電層を有し、画
像露光しトナ−画像を形成した後、トナ−画像部以外の
非画像部の光導電層を除去することにより印刷版とする
電子写真式製版用印刷原版において、光導電層の結合樹
脂が、カルボキシル基を有するポリビニルアセタ−ル樹
脂である電子写真式製版用印刷原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機光導電性化合
物を含有する光導電層を有し、電子写真法により、トナ
−画像を形成した後、トナ−画像部以外の非画像部の光
導電層を除去することにより印刷版とする電子写真用印
刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、平版印刷版としては、キノンジア
ジド化合物とフェノ−ル樹脂を主成分とするポジ型感光
剤、アクリル系モノマ−や、プレポリマ−を主成分とす
るネガ型感光剤を用いるPS版などが実用化されている
が、これらは全て低感度のため、あらかじめ画像記録さ
れたフィルム原版を密着露光して製版を行っている。一
方、コンピュ−タ画像処理と大容量デ−タの保存および
デ−タ通信技術の進歩によって、近年では原稿入力、補
正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピュ−タ
操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔地の末
端プロッタに出力できる電子編集システムが実用化され
ている。特に、即時性の要求される新聞印刷分野におい
て電子編集システムの要求度は高い。また、現在オリジ
ナル原稿をフィルムの形で保存し、これをもとに必要に
応じて印刷版を複製する分野においても、光ディスクな
どの大容量記録メディアが発達するのにともなって、オ
リジナルをこれらの記録メディアにデジタルデ−タとし
て保存するようになると考えられる。しかしながら、末
端プロッタの出力から直接印刷版を作成する直接型印刷
版はほとんど実用化されておらず、電子編集システムの
稼働しているところでも出力は銀塩写真フィルムにおこ
なわれ、これをPS版へ密着露光することにより印刷版
を作成しているのが実情である。これは、出力プロッタ
の光源(例えば、He−Neレ−ザ、半導体レ−ザな
ど)により実用的な時間内に印刷版を作成できるだけの
高い感度を有する直接型印刷版の開発が困難であったこ
とにも帰因する。
【0003】直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有
する感光体として、電子写真感光体が考えられ、電子写
真を用いた印刷版の作成方法として、トナ−画像形成
後、非画像部の光導電層を溶出する方法が既に知られて
いる。例えば、特公昭37−17162号、同38−6
961号、同38−7758号、同41−2426号、
同46−39405号、特開昭50−19509号、同
50−19510号、同52−2437号、同54−1
45538号、同54−134632号、同55−10
5254号、同55−153948号、同55−161
250号、同57−147656号、同57−1618
63号公報等に記載の電子写真式製版用印刷原版があ
る。上記方法は、電子写真感光体の非画像部を溶出除去
し親水性の面を露出させる必要があるため、結合樹脂と
してアルカリ性溶剤に溶解するかもしくは膨潤して脱離
する結合樹脂を用いており、これによりトナ−画像をレ
ジストとし、トナ−画像部以外を溶出することにより親
水性面を露出させて平版印刷版とするものである。
【0004】電子写真式製版用印刷原版に用いられてい
る従来公知の結合樹脂としては、特公昭41−2426
号、同37−17162号、同38−6961号、特開
昭52−2437号、同54−19803号、同54−
134632号、同55−105254号、同50−1
9509号、同19510号などに記載の、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重
合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、フェノ−
ル樹脂等がある。しかしながら、これらを有機光導電性
化合物を使用した電子写真式製版用印刷原版に用いた時
は種々の問題点を有している。フェノ−ル樹脂を結合樹
脂として用いた場合は、形成皮膜が脆弱で、耐刷性が悪
く、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体もやはり、耐刷性が不十分であっ
た。これらの欠点を改良するために特開平1−2579
71号には芳香族環を有するアクリルエステル系バイン
ダ−が開示されているが、PS版の耐刷性に比べると、
まだ耐刷性が不十分であった。このように、PS版に匹
敵する耐刷性を有し光感度、帯電性等の電子写真特性を
満足させ、さらに耐刷性、画像性に優れた電子写真式製
版用印刷原版を与える結合樹脂がなかなか無いのが実情
であった
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性支持体上に特定の結合樹脂を含有する光導電層を有
し、該光導電層上にトナ−画像を形成した後、トナ−画
像部以外の非画像部を除去することにより耐刷性の優れ
た電子写真式製版用印刷原版を提供することである。本
発明の他の目的は、画像性の優れた電子写真式製版用印
刷原版を提供することである。本発明の更に他の目的
は、レ−ザなどの走査露光による画像形成に適した高感
度の電子写真式製版用印刷原版を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、(1)導電性支持体上
に、少なくとも有機光導電性化合物及び結合樹脂を含有
する光導電層を有し、画像露光しトナ−画像を形成後、
トナ−画像部以外の非画像部の光導電層を除去すること
により印刷版とする電子写真式製版用印刷原版におい
て、前記光導電層の結合樹脂がカルボキシル基を有する
ポリビニルアセタ−ル樹脂であることを特徴とする電子
写真式製版用印刷原版、および(2)有機光導電性化合
物がフタロシアニン系化合物である上記(1)記載の電
子写真式製版用印刷原版、によって目的を達成すること
ができた。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の電子写真式製版用印刷原版は従来公知の方
法によりトナ−画像を形成、定着、非画像部の光導電層
を溶出することにより作成することができる。即ち、暗
所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静電潜像を
形成する。露光方法としては、半導体レ−ザ、He−N
eレ−ザ等による走査露光あるいはキセノンランプ、タ
ングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画像露
光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げられ
る。次に、上記静電潜像をトナ−によって現像する。現
像方法としては従来公知の方法で行うことができる。例
えば、カスケ−ド現像、磁気ブラシ現像、パウダ−クラ
ウド現像、液体現像法などの各種の方法を用いることが
できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成するこ
とが可能であり、印刷版を作成するために好適である。
また、非露光部にトナ−を付着させる正現像、あるいは
露光部にトナ−を付着させる反転現像のいずれの方式も
用いることが可能である。反転現像方式は画像部だけの
露光で済み追加書き込みが可能でカブリが極めて少な
く、細線再現性が良い特徴があるためレ−ザ露光方式に
は好適である。形成されたトナ−画像は従来公知の定着
法、たとえば加熱定着、圧力定着、溶剤定着等により定
着することができる。この様に形成したトナ−画像をレ
ジストとして作用させ、非画像部の電子写真感光層を溶
出液により溶出することにより電子写真式製版用印刷原
版が作成できる。溶出後の工程として必要により水洗工
程、ガム引き工程、乾燥工程、CCDセンサ等を備えた
パタ−ン認識のできる検版工程、印刷版を所定の形状に
加工するベンダ−及びパンチ工程、版集積工程等を設け
ることができる。
【0008】次に、本発明において使用される結合樹脂
について説明する。該結合樹脂は下記一般式(I)で表
され、少なくとも4つの成分から成立っている。
【0009】
【化1】
【0010】式中、R1 は水素原子又は置換基を有して
もよいアルキル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ
基、ヘテロ芳香族基もしくはカルボキシル基を示し、R
2 は炭素数1〜10のアルキル置換基を示し、R3 は置
換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族カルボン酸
あるいは芳香族カルボン酸基を示し、n1 は5〜85、
2 は3〜60、n3 は1〜10、n4 は1〜50の整
数を示す。
【0011】第1成分はビニルアセタ−ル成分、第2成
分はビニルアルコ−ル成分、第3成分は無置換のエステ
ル成分、第4成分はカルボキシル基を含有するエステル
成分であり、それぞれの成分において少なくとも一種以
上の構造単位を有するものである。さらに第5の成分を
含有しても良く、第5成分としては、第4成分中のカル
ボキシル基と、ヒドロキシル基又はシアノ基を含有する
ハロゲン化合物とを反応させ、エステル化させて得たも
のがあげられる。 −COOH+BrCH2CHOH →−COOC24
H それぞれの成分において少なくとも一種以上の構造単位
を有することができる。また、結合樹脂の改質によっ
て、基板との密着性向上あるいは親インク性向上などを
計ることができる。さらに耐刷性向上を目的として本発
明の結合樹脂に対して50wt%以下の量で他のポリマ
−を混入することができる。混入し得るポリマ−として
は水酸基、アミド基やウレタン基を有し、上記結合樹脂
と相溶性のあるもので、たとえばポリアミドポリマ−、
エポキシポリマ−、ポリウレタンポリマ−又はアクリル
ポリマ−等があげられる。
【0012】次に、一般式(I)の化合物について詳し
く説明する。式中、R1 は水素原子又は置換基を有して
もよいアルキル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ
基、ヘテロ芳香族基もしくはカルボキシル基である。具
体的には、第1成分であるビニルアセタ−ル成分はホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシル
アルデヒド、グリオキシル酸、N,N−ジメチルホルム
アミドジ−n−ブチルアセタ−ル、ブロモアセトアルデ
ヒド、クロルアセトアルデヒド、3−ヒドロキシ−n−
ブチルアルデヒド、3−メトキシ−n−ブチルアルデヒ
ド、3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピ
オンアルデヒド、シアノアセトアルデヒドなど置換基を
有してもよい脂肪族アルデヒドとビニルアルコ−ル成分
と反応させることにより得られるが、これらに限定され
るものではなくその他の方法によるものでも良い。
【0013】第3成分において、置換基R2 は炭素数1
〜10のアルキル置換基を示し、特に現像性の点からメ
チル基またはエチル基が好ましい。カルボキシル基を含
有する第4成分において、R3 は炭素数1〜20の脂肪
族カルボン酸あるいは芳香族カルボン酸基であり、それ
らは主に無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水1,2−シクロヘキシル
ジカルボン酸、無水 cis−4−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸等の酸無水物とポリビニルアセタ−ルの
残存−OHを反応させることにより得られるが他の環状
酸無水物を用いてもよい。
【0014】更に、R3 はカルボキシル基以外の置換基
を有していてもよい。このような置換基としては−O
H、−CN、−COOR4 、−CONHR4 、−OCO
4 、−NHCOR4 、−Cl、−Br、−NO2 、−
OR4 、−NHCONHR4 、−OCONHR4 等が挙
げられる。R4 としては置換基を有してもよい炭素数1
〜20のアルキル基、アラルキル基、あるいはアリ−ル
基で置換基としては−OH、−CN、−Cl、−Br、
−NO2 が挙げられる。前記一般式(I)においてn1
は5〜85モル%が好ましく、特に25〜70モル%が
好ましい。n1 の値が小さくなると膜強度が弱くなり、
1 の値が大きくなると塗布溶剤に溶解しにくくなって
しまう。
【0015】n2 に関しては3〜60モル%が好まし
く、特に5〜45モル%が好ましい。n2 の値が大きく
なると水に対して膨潤性が大きくなり、n3 は1〜10
モル%が好ましく、特に1〜5モル%が好ましい。また
4 は1〜50モル%が好ましく、特に5〜30モル%
が好ましい。またn4 の値が小さくなるとアルカリ現像
液で現像しにくくなり、脱膜現像となってしまう。また
重合体の酸価は低いと現像性が悪く、高すぎると電子写
真特性に悪影響を与えてしまう。従って、一般式(I)
で示される反覆単位を有する重合体の酸価は1.0〜
5.0meq/g(即ち、KOHのmg数で56〜28
0)の範囲とされる。
【0016】上記結合樹脂の分子量はゲルパ−ミネ−シ
ョンクロマトグラフィ−から測定して約5000〜40
万が適当であり好ましくは約1万〜30万の範囲であ
る。これらの高分子化合物は単独で用いても混合して用
いてもよい。光導電層中に含まれる、これらの高分子化
合物の含有量は約50〜99重量%であり、好ましくは
約60〜98重量%である。これらの化合物の具体例を
以下に示す。
【0017】
【化2】
【0018】さらに、第5の成分としては耐刷性向上を
目的に反応性基を有する構造を持った、例えば次の反復
単位を有する成分を導入することができる。
【0019】
【化3】
【0020】式中、R5は少なくとも1つのヒドロキシ
ル基又はシアノ基を有し、更に他の置換基を有していて
も良い脂肪族あるいは芳香族炭化水素基を示し、n5
0〜10を示す。第5成分の具体例としては、エステル
基の末端−R5に以下の構造を有する化合物を導入する
ことができる。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】本発明における結合樹脂に対して、耐刷性
向上、画像性向上を目的に他の結合樹脂を混合すること
も可能である。混合される樹脂としては水酸基、アミド
基やウレタン基等を有し、本発明の結合樹脂と相溶性の
あるもので、例えばポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂又はアクリル樹脂等を挙げることができ
る。これらの樹脂を混合すると更に耐刷性、画像性の向
上が得られる。
【0027】本発明に用いられる有機光導電性化合物と
しては、従来から知られている数多くの化合物を用いる
ことができる。例えば、トリアゾ−ル誘導体、オキサジ
アゾ−ル誘導体、イミダゾ−ル誘導体、ポリアリ−ルア
ルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、
フェニレンジアミン誘導体、アリ−ルアミン誘導体、ア
ミノ置換カルコン誘導体、N,N−ビカルバジル誘導
体、オキサゾ−ル誘導体、スチリルアントラセン誘導
体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ベンジジ
ン誘導体、スチルベン誘導体等がある。また、上記のよ
うな低分子有機光導電性化合物の他に、次のような高分
子の有機光導電性化合物も使用することができる。例え
ば、ポリビニルカルバゾ−ル及びその誘導体、ポリビニ
ルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−ビニル
−4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5−フェニ
ルオキサゾ−ル、ポリ−3−ビニル−N−エチルカルバ
ゾ−ル等のビニル重合体、ポリアセナフチレン、ポリイ
ンデン、アセナフチレンとスチレンの共重合体等の重合
体、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂等の縮合樹脂等がある。
【0028】また、光導電性化合物として各種の顔料を
使用することができる。これらの例としては、モノア
ゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料、金属フタロシアニンあ
るいは無金属フタロシアニン、ナフタロシアニン等のフ
タロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ、チオ
インジゴ誘導体、キナクリドン系顔料、多環キノン系顔
料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料、スクアリュウム塩
系顔料、アズレニュウム塩系顔料等が挙げられる。これ
らの光導電性化合物の中では、半導体レ−ザに対して感
度が高い金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニ
ン、ナフタロフタロシアニン等のフタロシアニンが好ま
しい。特に好ましいフタロシアニン系顔料としては、α
−型、β−型、γ−型、δ−型、ε−型、η−型等の銅
フタロシアニン、α−型、β−型、χ−型、τ−型など
の無金属フタロシアニン、α−型、β−型、m−型、Y
−型などのチタニルフタロシアニンが挙げられる。
【0029】これらの光導電性材料は、通常電子写真感
光材料用として使用される。本発明の光導電層には、感
度向上などの目的で、例えばトリニトロフルエオレノ
ン、クロラニル、テトラシアノエチレン等の電子吸引性
化合物、特開昭58−65439号、同58−1022
39号、同58−129439号、同62−71965
号等に記載の化合物を挙げることができる。以上の材料
は単独もしくは2種以上を併用して用いることができ
る。また、電荷発生剤は、電荷発生能のみならず電荷輸
送能を持つ場合には、基本材料としてバインダ−中に分
散して塗布することにより感光体を作成することができ
る。即ち、電荷輸送剤として知られる有機光導電性化合
物の併用を必ずしも必要としなくても良い。また、光導
電層は必要に応じて単層または複数層を積層することも
可能である。
【0030】また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎ
ると現像に必要な表面電位を帯電することができず、逆
に厚すぎると溶出時のサイドエッチが起こり易く、良好
な印刷版が得られない。光導電層の膜厚としては、0.
1〜30μm、好ましくは、0.5〜10μmである。
本発明の光導電層の結合樹脂と光導電性化合物の含有量
は、光導電性化合物の含有量が少ないと感度が低下する
ため、結合樹脂1重量部当り光導電性化合物は、0.0
2重量部〜1.2重量部でより好ましくは0.05重量
部〜1.0重量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0031】本発明の電子写真式製版用印刷原版の導電
性支持体としては、各種の親水性表面を有する支持体を
使用することができる。例えば、導電性表面を有するプ
ラスチックシ−トまたは特に溶剤不透化性および導電性
にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、または銅−アルミ
ニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅板等のバイメ
タル板、またはクロム−銅−アルミニウム板、クロム−
鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等のトライメタル
板等の親水性表面を有する導電性基板が用いられ、その
厚さは、0.1〜3..0mmが好ましく、特に、0.
1〜0.5mmが好ましい。これらの基板の中でもアル
ムニウム板が特に好ましい。本発明の電子写真式製版用
印刷原版に用いられるアルミニウム板はアルミニウムを
主成分とする純アルミニウムや微量の異原子を含むアル
ミニウム合金などの板状体であり、その組成が特定され
るものではなく従来公知、公用の素材を適宜使用するこ
とができる。このアルミニウム板は従来公知の方法で砂
目立て、陽極酸化して用いることができる。砂目立て処
理に先立ってアルミニウム板表面の圧延脂を除去するた
めに、所望により界面活性剤またはアルカリ性水溶液に
よる脱脂処理が施され、砂目立て処理が行われる。砂目
立て処理法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気
化学的に表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶
解させる方法がある。機械的に表面を粗面化する方法と
しては、ボ−ル研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨
法、バフ研磨法等公知の方法を用いることができる。ま
た、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解
液中で交流または直流により行う方法がある。また、特
開昭54−63602号に開示されているように両者を
組み合わせた方法も利用できる。
【0032】粗面化されたアルミニウム板は必要に応じ
てアルカリ溶出処理及び中和処理される。このように処
理されたアルミニウム板は陽極酸化処理される。陽極酸
化処理に用いられる電解質としては硫酸、燐酸、蓚酸、
クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いられ、それらの
電解質やその濃度は電解質の種類によって適宜決められ
る。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わ
るので、一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃
度が1〜80重量%溶液、液温度は5〜70℃、電流密
度は5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜50分の範囲にあれば好適である。陽極酸化皮
膜量は0.1〜10g/m2 が好適であるが、より好ま
しくは1〜6g/m2 の範囲である。これらアルミニウ
ム板の厚さは、0.1〜3.0mmが好ましく、特に
0.1〜0.5mmが好ましい。更に、特公昭47−5
125号に記載されているようなアルミニウム板を陽極
酸化処理した後にアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬
処理したものも好適に使用される。また、米国特許第3
658662号に記載されているようなシリケ−ト電着
も有効である。更に、西独特許第1621478号に記
載のポリビニルスルホン酸による処理も有効である。
【0033】本発明の電子写真式製版用印刷原版におい
ては、必要により前記導電性支持体と光導電層の接着
性、光導電層の電気特性、溶出性、印刷特性等を改良す
る目的で中間層を設けることができる。中間層としては
例えば、カゼイン、ポリビニルアルコ−ル、エチルセル
ロ−ス、フェノ−ル樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリアクリル酸、モノエタノ−ルアミン、ジエタノ
−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリプロパノ−ル
アミン、トリエタノ−ルアミンおよびそれらの塩酸塩、
蓚酸塩、燐酸塩、アミノ酢酸、アラニン等のモノアミノ
モノカルボン酸、セリン、スレオニン、ジヒドロキシエ
チルグリシン等のオキシアミノ酸、システイン、グルタ
ミン酸等のモノアミノジカルボン酸、リシン等のジアミ
ノモノカルボン酸、p−ヒドロキシフェニルグリシン、
フェニルアラニン、アントラニル酸等の芳香族核を持つ
アミノ酸、トリプトファン、プロリン等の複素環を持つ
アミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミ
ン酸等の脂肪族アミノスルホン酸、エチレンジアミン四
酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチ
ルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸、エチレンジアミン二酢酸、シクロヘキサンジアミ
ン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコ−ルエ
−テルジアミン四酢酸等の(ポリ)アミノポリ酢酸およ
びこれらの化合物の酸基の一部または全部がナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等となった化合物を挙
げることができる。
【0034】また、光導電層上に必要により光導電層の
電気特性、トナ−現像時の画像特性、トナ−との接着性
等を改良する目的で、光導電層溶出時に除去し得るオ−
バ−コ−ト層を設けることができる。このオ−バ−コ−
ト層は機械的にマット化されたものあるいはマット剤が
含有される樹脂層であっても良い。マット剤としては二
酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
ガラス粒子、アルミナ、澱粉、樹脂粒子(例えば、ポリ
メチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、フェノ−ル樹脂
等)および米国特許第2710245号、同第2992
101号明細書に記載のマット剤が含まれる。これらは
二種以上併用することができる。マット剤を含有する樹
脂層に使用される樹脂は使用される溶出液との組合せに
より適宜選択される。具体的には例えば、アラビアゴ
ム、ニカワ、ゼラチン、カゼイン、セルロ−ス類(例え
ば、ビスコ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−
ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピル
メチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス等)、
澱粉類(例えば、可溶性澱粉、変性澱粉等)、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエ−テル、
エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂(特にノボラック型フェ
ノ−ル樹脂が好ましい)、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラ−ル等を併用することができる。
【0035】本発明の電子写真製版用印刷版は常法に従
って光導電層をアルミニウム基板等の支持体上に塗布す
ることによって得られる。光導電層の作成に当たって
は、光導電層を構成する成分を同一層中に含有させる方
法あるいは電荷担体発生物質と電荷担体輸送物質を異な
る層に分離して用いる方法等が知られており、いずれの
方法にても作成することができる。塗布液は光導電層を
構成する各成分を適当な溶媒に溶解し、作成する。顔料
などの溶媒に不溶な成分を用いるときは、ボ−ルミル、
ペイントシェ−カ−、ダイノミル、アトライタ−等の分
散機により粒径5μm以下に分散して用いる。光導電層
に使用する結合樹脂、その他の添加剤は顔料などの分散
時、あるいは分散後に添加することができる。このよう
にして作成した塗布液を回転塗布、ブレ−ド塗布、ナイ
フ塗布、リバ−スロ−ル塗布、ディップ塗布、ロッドバ
−塗布、スプレ−塗布のような公知の方法で支持体上に
塗布乾燥して電子写真製版用印刷原版を得ることができ
る。塗布液を作成するための溶媒としては、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、クロロフォルム等のハロゲン化
炭化水素類、メタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テ
ル、2−メトキシエチルアセテ−ト等のグリコ−ルエ−
テル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル
類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類が挙げられる。
【0036】本発明の光導電層には光導電性化合物、結
合樹脂の他に光導電層の柔軟性、塗布面状の改良等のた
めに、必要により可塑剤、界面活性剤、マット剤その他
の各種の添加剤を加えることができる。これらの添加剤
は光導電層の静電特性、溶出性を劣化させない範囲で含
有させることができる。
【0037】本発明において、画像部を形成するトナ−
の樹脂成分としては後記の溶出液に対してレジスト性を
有していればよく、特に限定されるものではないが、以
下に樹脂例を示す。例えば、メタクリル酸、アクリル酸
及びこれらのエステルを用いたアクリル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等の共
重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ
ビニルブチラ−ルのようなビニルアセタ−ル樹脂、ポリ
スチレン、スチレンとブタジェン、メタクリル酸エステ
ル等の共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、お
よびその塩素化物、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエ
チレンテレフタレ−ト、ポリエチレンイソフタレ−ト、
ビスフェノ−ルAのポリカ−ボネ−ト等)、フェノ−ル
樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル変性アル
キッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロ−ス等
のセルロ−スエステル誘導体、ワックス、ポリオレフィ
ン、蝋等が挙げられる。より好ましくは、分散性あるい
は荷電特性等の点から、メタクリル酸、アクリル酸の各
種エステルを用いたアクリル樹脂、メタクリル酸、アク
リル酸の各種エステルとスチレンとの共重合樹脂、スチ
レン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を使用することができ
る。
【0038】トナ−画像形成後のトナ−非画像部の光導
電層を除去する溶出液としては、光導電層を除去できる
ものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限定される
ものではないが、通常アルカリ性溶剤が使用される。こ
こで言うアルカリ性溶剤とは、アルカリ性化合物を含有
する水溶液、アルカリ性化合物を含有する有機溶剤もし
くは、アルカリ性化合物を含有する水溶液と有機溶剤と
の混合物である。アルカリ性化合物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、メタケイ
酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、アンモニアおよびモノエタノ−ル
アミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、
モノイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルア
ミン、ジエチルアミノエタノ−ル、2−アミノ−2−メ
チルプロパノ−ル等の有機および無機の任意のアルカリ
性の化合物を挙げることができる。この中でも特に、一
般式mSiO2 /nM2 O(M:アルカリ金属原子、m
/n=0.5〜8.5)で表されるケイ酸塩を溶出液中
に含有させることにより、より良好な溶出性と印刷特性
を得ることができる。
【0039】水を主体とした溶出液には、必要に応じて
各種の有機溶剤を添加することもできる。好ましい有機
溶剤としては、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル、ベンジルアルコ−ル、フェネチルアル
コ−ル等の低級アルコ−ルや芳香族アルコ−ルおよびエ
チレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレ
ングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル等の多価アルコ
−ル類、エ−テルアルコ−ル類、エ−テルエステル類、
エ−テル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤あるい
は界面活性剤、消泡剤、その他各種の添加剤を含有させ
ることができる。更に好ましい溶出液としては、環境安
全性の観点から廃液となる溶出液のアルカリ性が低い
(pHで12.5未満)溶出液が挙げられる。このよう
な溶出液として、例えばPS版用処理剤である有機アミ
ノ化合物を含有しアルカリ性がpH12以下であるDN
−3C(富士写真フィルム(株)製、ネガタイプ用PS
版処理剤)や、特開平4−305656号,特開平5−
89665号に開示されているようなアルコ−ル類、ア
ミノアルコ−ル類、界面活性剤および水を主要成分とす
る溶出液が挙げられる。
【0040】アルコ−ル類としては、メチルアルコ−
ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、イソプロ
ピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、イソブチルアルコ
−ル、sec−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルア
ルコ−ル、n−アミルアルコ−ル、イソアミルアルコ−
ル、ヘキシルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、ベンジ
ルアルコ−ル、フェネチルアルコ−ル等の脂肪族アルコ
−ルや芳香族アルコ−ル、およびエチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリ
エチレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類等を挙げこと
ができる。この中でも特に、ベンジルアルコ−ル、フェ
ネチルアルコ−ルは光導電層への浸透性、溶出性の点か
ら好ましく使用できる。アミノアルコ−ル類としては、
モノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタ
ノ−ルアミン、モノイソプロパノ−ルアミン、トリイソ
プロパノ−ルアミン、ジエチルアミノエタノ−ル、2−
アミノ−2−メチルプロパノ−ル等を使用することがで
きるが、この中でも特に、モノエタノ−ルアミン、ジエ
タノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミンおよびジエチル
アミノエタノ−ルが好適である。
【0041】溶出液中のアルコ−ル類とアミノアルコ−
ル類の比は60:40重量%〜2:98重量%の範囲が
好ましく、更に好ましく50:50重量%〜5:95重
量%の範囲で使用するのが好ましい。アルコ−ル類の比
率が大きいとトナ−に対する浸透性が強くなり、トナ−
と光導電層との剥離が発生し、良好な画像が得られず、
比率が小さすぎると光導電層の溶出性が低下し、溶出時
間が長くなるばかりか印刷汚れの原因となる。また、両
者の溶出液に占める割合は0.5〜40重量%、更に1
〜30重量%の範囲で使用するのが好ましい。上記の溶
出液には、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、ケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケ
イ酸カリウム等の無機アルカリ性化合物、エ−テルアル
コ−ル類、エ−テルエステル類、エ−テル類、ケトン
類、エステル類等の各種有機溶剤、消泡剤、キレ−ト剤
等の各種添加剤を含有させることができる。
【0042】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。 合成例 1 温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口
丸底フラスコでN2 雰囲気下、ポリビニルブチラ−ル
(電気化学工業製デンカブチラ−ル#2000−L,P
VAc:2wt%、PVA:21wt%、PVB:77
wt%、平均重合度:約300)20gをN,N−ジメ
チルホルムアミド200gに100℃にて加熱溶解した
後、無水フタル酸14.1g、4−ジメチルアミノピリ
ジン1.16gを加え4時間反応させた。反応後冷却
し、この溶液にメタノ−ル200g添加した後、この反
応液を水3L中に撹拌しながら少しずつ加え、ポリマ−
を析出させた。その後、濾過した固体を水2Lとメタノ
−ル210gの混合液にて洗浄し、この固体を真空乾燥
することによって下記式で表されるポリマ−(A)26
gを得た。酸価は1.91meq/gであった。但し、
上記PVAc:ポリビニルアセテ−ト、PVA:ポリビ
ニルアルコ−ル、PVB:ポリビニルブチラ−ルを示
す。
【0043】
【化9】
【0044】合成例 2 温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口
丸底フラスコでN2 雰囲気下、ポリビニルブチラ−ル
(電気化学工業製デンカブチラ−ル#3000−1,P
VAc:2wt%、PVA:19wt%、PVB:79
wt%、平均重合度:約630)20gをN,N−ジメ
チルホルムアミド200gに100℃にて加熱溶解した
後、無水フタル酸12.8g、4−ジメチルアミノピリ
ジン1.06gを加え4時間反応させた。反応後冷却
し、この溶液にメタノ−ル200g添加した後、この反
応液を水3L中に撹拌しながら少しずつ加え、ポリマ−
を析出させた。その後、濾過した固体を水2Lとメタノ
−ル210gの混合液にて洗浄し、この固体を真空乾燥
することによって25gのポリマ−(B)を得た。酸価
は1.60meq/gであった。
【0045】合成例 3 温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口
丸底フラスコでN2 雰囲気下、ポリビニルブチラ−ル
(電気化学工業製デンカブチラ−ル#4000−1,P
VAc:2wt%、PVA:19wt%、PVB:79
wt%、平均重合度:約920)20gをN,N−ジメ
チルホルムアミド200gに100℃にて加熱溶解した
後、無水フタル酸12.8g、4−ジメチルアミノピリ
ジン1.06gを加え4時間反応させた。反応後冷却
し、この溶液にメタノ−ル200g添加した後、水3L
中に撹拌しながらこの反応液を少しずつ加え、ポリマ−
を析出させた。その後、濾過した固体を水2Lとメタノ
−ル210gの混合液にて洗浄し、この固体を真空乾燥
することによって24gのポリマ−(C)を得た。酸価
は1.40meq/gであった。
【0046】合成例 4 温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口
丸底フラスコでN2 雰囲気下、ポリビニルブチラ−ル
(電気化学工業製デンカブチラ−ル#5000−A,P
VAc:1wt%、PVA:16wt%、PVB:83
wt%、平均重合度:約2000)20gをN,N−ジ
メチルホルムアミド200gに100℃にて加熱溶解し
た後、無水フタル酸13.5g、4−ジメチルアミノピ
リジン0.88gを加え4時間反応させた。反応後冷却
し、この溶液にメタノ−ル200g添加した後、水3L
中に撹拌しながらこの反応液を少しずつ加え、ポリマ−
を析出させた。その後、濾過した固体を水2Lとメタノ
−ル210gの混合液にて洗浄し、この固体を真空乾燥
することによって18gのポリマ−(D)を得た。酸価
は1.08meq/gであった。
【0047】合成例 5 合成例1と同様の方法にて、ポリビニルブチラール(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#2000−L)20g
と無水コハク酸9.54gを反応させ、24.9gのポ
リマ−(E)を得た。酸価は2.43meq/gであっ
た。 合成例 6 合成例2と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#3000−1)20g
と無水コハク酸8.63gを反応させ、24.4gのポ
リマ−(F)を得た。酸価は2.12meq/gであっ
た。 合成例 7 合成例3と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#4000−1)20g
と無水コハク酸8.65gを反応させ、22.1gのポ
リマ−(G)を得た。酸価は1.90meq/gであっ
た。 合成例 8 合成例4と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#5000−1)20g
と無水コハク酸7.28gを反応させ、22.0gのポ
リマ−(H)を得た。酸価は1.69meq/gであっ
た。
【0048】合成例 9 合成例2と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#3000−1)20g
と無水トリメリット酸16.6gを反応させ、30.4
gのポリマ−(I)を得た。酸価は3.81meq/g
であった。 合成例 10 合成例3と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#4000−1)20g
と無水トリメリット酸16.6gを反応させ、30.6
gのポリマ−(J)を得た。酸価は3.75meq/g
であった。 合成例 11 合成例4と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#5000−1)20g
と無水トリメリット酸14.0gを反応させ、26.6
gのポリマ−(K)を得た。酸価は2.94meq/g
であった。
【0049】合成例 12 合成例1と同様の方法にて、ポリビニルブチラール(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#2000−L)20g
と無水1,2−シクロヘキシルジカルボン酸14.7g
を反応させ、28.6gのポリマー(L)を得た。酸価
は2.26meq/gであった。 合成例 13 合成例2と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#3000−1)20g
と無水1,2−シクロヘキシルジカルボン酸13.3g
を反応させ、28.3gのポリマー(M)を得た。酸価
は2.07meq/gであった。 合成例 14 合成例3と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#4000−1)20g
と無水1,2−シクロヘキシルジカルボン酸13.3g
を反応させ、26.1gのポリマー(N)を得た。酸価
は1.90meq/gであった。 合成例 15 合成例4と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#5000−1)20g
と無水1,2−シクロヘキシルジカルボン酸11.2g
を反応させ、24.0gのポリマー(O)を得た。酸価
は1.64meq/gであった。
【0050】合成例 16 合成例1と同様の方法にて、ポリビニルブチラール(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#2000−L)20g
と無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸13.1gを反応させ、27.9gのポリマー
(P)を得た。酸価は2.08meq/gであった。 合成例 17 合成例2と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#3000−1)20g
と無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸11.9gを反応させ、26.8gのポリマー
(Q)を得た。酸価は2.04meq/gであった。 合成例 18 合成例3と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#4000−1)20g
と無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸11.9gを反応させ、26.1gのポリマー
(R)を得た。酸価は1.91meq/gであった。 合成例 19 合成例4と同様の方法にて、ポリビニルブチラ−ル(電
気化学工業製デンカブチラ−ル#5000−1)20g
と無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸10.0gを反応させ、24.2gのポリマー
(S)を得た。酸価は1.73meq/gであった。
【0051】合成例 20 温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口
丸底フラスコでN2 雰囲気下、合成例1で得られた変性
ポリビニルブチラ−ル(A)20gをN,N−ジメチル
ホルムアミド200gに加熱溶解した。さらに内温を8
0℃にした後、炭酸カリウム0.32gを加えさらにエ
チレンブロムヒドリン0.28gを加え3時間反応させ
た。反応後この溶液を水−酢酸19:1の5Lの溶液に
少しずつ加え、ポリマ−を析出させた。この固体を真空
乾燥させることにより15.4gのポリマ−(T)を得
た酸価は1.72meq/gであった。
【0052】合成例 21 合成例20と同様な条件でエチレンブロムヒドリンの代
わりにプロピレンブロモヒドリン0.32gを滴下反応
させ、合成例20と同様に後処理をしたところ15.9
gのポリマ−(U)を得た。酸価は1.74meq/g
であった。 合成例 22 合成例20と同様な条件でエチレンブロムヒドリンの代
わりに3−ブロモプロピオニトリル0.30gを滴下反
応させ、合成例20と同様に後処理をしたところ15.
0gのポリマ−(V)を得た。酸価は1.72meq/
gであった。
【0053】実施例 1 JIS1050アルミニウムシ−トの表面をパミス−水
懸濁液を研磨剤として、回転ナイロンブラシで砂目立て
した。この時の表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μ
mであった。水洗後、70℃の10重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液に浸漬し、アルミニウムの溶解量が6g/m
2 となるように溶出した。水洗後、30重量%硝酸水溶
液に1分間浸漬することにより中和し、十分水洗した。
その後、0.7重量%硝酸水溶液中で、陽極時電圧13
ボルト、陰極時電圧6ボルトの矩形波交番波形を用いて
(特公昭55−19191号に記載)20秒間電解粗面
化を行い、20重量%硫酸水溶液50℃の液中に浸漬し
て表面を洗浄した後、水洗した。更に、20重量%硫酸
水溶液中で陽極酸化皮膜重量が3.0g/m2 となるよ
うに陽極酸化処理を施して、水洗、乾燥することにより
支持体を作成した。
【0054】次に、合成例1で得た合成アセタ−ルポリ
マ−(A)を結合樹脂として、5.0gをx型無金属フ
タロシアニンFastogen Blue 8120
(大日本インキ(株)製)1.0g、1,4−ジオキサ
ン76g、2−プロパノ−ル18gをペイントシェ−カ
−(東洋精機製作所(株)製)で60分間分散し、光導
電層用塗布液を作成した。この光導電層用塗布液をバ−
コ−タ−で上記支持体上に塗布、120℃/10分間乾
燥し、乾燥膜厚約4.6μmの電子写真製版用印刷原版
をそれぞれ作成した。
【0055】得られた電子写真式製版用印刷原版を暗所
でコロナ帯電機により、表面電位+350Vに帯電した
後、ネガ像をタングステン光で露光し、トナ−現像し
た。使用したトナ−はアイソパ−H(エッソスタンダ−
ド社製)1L中にポリベンジルメタクリレ−ト/メチル
アクリレ−ト共重合体粒子(粒子サイズ約0.2μm)
5gをトナ−粒子としてアイソパーH中に分散した後、
荷電調節剤としてナフテン酸ジルコニウム0.01gを
添加しトナ−液とし、+200Vのバイアス電圧を対向
電極に印加し、反転現像を行い鮮明なポジのトナ−画像
を得ることができた。更に、作成した画像を120℃で
2分間加熱し、トナ−画像を定着した。
【0056】この非画像部を富士写真フィルム(株)製
PS版用現像液DN−3Cを水で1:1に希釈したエッ
チング現像液に10秒間浸漬した後、十分に水洗しオフ
セット用印刷版を作成した。作成した画像は原稿の線幅
20μmを十分に再現するものであった。
【0057】比較例 1 実施例1における結合樹脂として合成アセタ−ルポリマ
−(A)に替えて下記式で表される酢酸ビニル−クロト
ン酸の共重合体(RESYN No28−1310カネ
ボウ・エヌエスシ−(株)製)を用いる他は全く同様の
操作により電子写真式製版用印刷原版を作成した。これ
を実施例1と同様の操作によりトナ−現像、定着した
後、非画像部のDN−3Cを水で1:1に希釈したエッ
チング現像液に10秒間浸漬した後、十分水洗し、オフ
セット用印刷版を作成した。画像は実施例1に比較して
サイドエッチが進行し、原稿上20μmの線を再現する
ことはできなかった。
【0058】
【化10】
【0059】比較例2 実施例1における結合樹脂として合成アセタ−ルポリマ
−(A)に替えて下記式で表されるブチルメタクリルレ
−ト−メタクリル酸(7:3モル比)を用いる他は全く
同様の操作により電子写真式製版用印刷原版を作成し
た。これを実施例1と同様の操作によりトナ−現像、定
着した後、非画像部のDN−3Cを水で1:1に希釈し
たエッチング現像液に120秒間浸漬した後、十分水洗
し、オフセット用印刷版を作成した。画質は比較例1と
同程度であった。
【0060】
【化11】
【0061】比較例3 実施例1における結合樹脂として合成アセタ−ルポリマ
−(A)に替えて下記式で表されるベンジルメタクリレ
−ト−メタクリル酸(6:4モル比)を用いる他は全く
同様の操作により電子写真式製版用印刷原版を作成し
た。これを実施例1と同様の操作によりトナ−現像、定
着した後、非画像部のDN−3Cを水で1:1に希釈し
たエッチング現像液に12秒間浸漬した後、十分水洗
し、オフセット用印刷版を作成した。画質は比較例1と
同程度であった。
【0062】
【化12】
【0063】また、実施例1および比較例1〜3で得た
電子写真式製版用印刷原版について、次のようにして耐
刷性を調べた。即ちオリバ−52(菊半裁モルトン印刷
機)にて印刷を行った。インキはDIC CAPS−G
墨(大日本インキ(株)製)、湿し水はEU−3(富士
写真フイルム(株)製)を1:100重量比の水にて希
釈したものを用いた。得られた結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例1で使用したポリビニルアセタ−ル
結着樹脂(A)は、耐刷性のみならず画像性の優れた印
刷版であり、市販品PS版FNS(富士写真フイルム
(株)製)と比べても、同等またはそれ以上の耐刷性を
示した。 実施例 2〜22 合成例1の結合樹脂(A)に替えて、合成例(2)〜
(22)までの結合樹脂(B)〜(V)についても実施
例1と同様にして、電子写真式製版用印刷原版を作成
し、上記と同様にして耐刷性を調べた。その結果を表2
に示す。
【0066】
【表2】
【0067】ポリアセタ−ル結着樹脂(B)〜(V)を
使用した実施例2〜22における耐刷性は実施例1と同
様に優れており、さらに画像性についても優れた印刷版
であった。
【0068】
【発明の効果】本発明の電子写真式製版用印刷原版は特
異的に耐刷性が良好でかつ画像性においても優れてい
る。さらに、溶出液に対するエッチング性においても、
十分に使用できる領域にあり、この点でも優れたもので
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体の親水性の表面上に、少な
    くとも有機光導電性化合物及び結合樹脂を含有する光導
    電層を有し、画像露光しトナ−画像を形成後、トナ−画
    像部以外の非画像部の光導電層を除去することにより印
    刷版とする電子写真式製版用印刷原版において、前記光
    導電層中の結合樹脂がカルボキシル基を有するポリビニ
    ルアセタ−ル樹脂であることを特徴とする電子写真式製
    版用印刷原版。
  2. 【請求項2】 有機光導電性化合物がフタロシアニン系
    化合物である請求項1に記載の電子写真式製版用印刷原
    版。
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