JPH10317562A - 木造建築における床板の支持構造 - Google Patents

木造建築における床板の支持構造

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JPH10317562A
JPH10317562A JP14709997A JP14709997A JPH10317562A JP H10317562 A JPH10317562 A JP H10317562A JP 14709997 A JP14709997 A JP 14709997A JP 14709997 A JP14709997 A JP 14709997A JP H10317562 A JPH10317562 A JP H10317562A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二階の床板を継ぎ柱に支持するため、組付け強
度を損なうことなく、組み立ての容易な床構造を得るこ
とを目的とする。 【解決手段】複数の継ぎ柱の間を横架材によって連結
し、四角形の平面を有する床材支持枠を形成すると共
に、前記床材支持枠によって構造用パネルの周縁部を支
持し、従来、床材を支持するため設けられた根太を省略
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、木造建築において、
2階の床板を支持するのに好適な床梁構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、2階の床は、図8で示すように、
柱Pによって支持された胴差や根太などの太い横架材L
の間に床ばりBを支持し、その上に構造用面板からなる
床下地材Cを取り付けた上、さらにその上面に床仕上材
(図示してない)を貼着して仕上げてある。そこでは、
床下地材Cは横架材Lに対して釘打ちすることによって
位置決めされると同時に固定されている。他方、二階建
ての木造建築では、二階の床は建築のなるべ早い過程で
組み付けることが、屋根の工事を行ったり、上棟の儀式
を行う上で好ましい。特に、棟上げ作業では、躯体骨組
の組み立てと屋根を載せる作業とを一日で済ませる作業
慣行のため、棟上げの当日に二階床の複雑な床工事を行
うことは難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、床下地材Cを横架材Lの上に釘打ちして位置決
めする構造では、床下地材Cを横架材Lに固定する作業
を終えるのに多くの工数を要し、短時間で作業をなし遂
げるのが困難であった。また、床下地材Cを横架材Lの
上に載せておくだけでは、床下地材Cが不安定で、その
上に乗ることは危険であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、複数の
柱の間を横架材によって連結し、四角形の平面を有する
床材支持枠を形成すると共に、前記床材支持枠の上面に
略四角形の切欠きを設け、その切欠きの中に構造用パネ
ルを嵌め込んで周縁部を支持することによって解決され
る。また、構造用パネルの周縁部には、通し柱に対応す
る隅角部に切欠きが形成してある。さらに、前記柱のう
ち、継ぎ柱には構造用パネルの隅角部に対応する隅角に
凹部が形成してある。
【0005】
【作用】床板をなす構造用パネルは床材支持枠に設けた
切欠きに嵌合されゝば、切欠きによって下面を支持さ
れ、かつ、側方に対して位置決めされる。構造用パネル
の隅角を切欠くことにより、通し柱との干渉がなくな
り、残りの周縁部が切欠きによって支持される。継ぎ柱
に凹部を設けることにより、構造用パネルの隅角部と継
ぎ柱との干渉がなくなり、構造用パネルは残りの周縁部
が切欠きによって支持される。
【0006】
【実施例】以下、本願発明の実施例を説明する。図1
中、10は本願の発明を利用した木造建築であり、木造
建築10は基礎11の上に土台12を置き、その上に継
ぎ柱13、あるいは通し柱14などの柱が設けられ、そ
れら柱13、14に胴差16、軒桁17など、いわゆる
横架材をなす部材が支持されている。19は土台12に
よって支持された一階の床、20は胴差16によって支
持された二階の床をそれぞれ示している。15は前記横
架材の間に形成される外壁であり、図2で示すように、
外壁15をなす外壁仕上げ材15aと、内面材15bと
の間に断熱材15cが取り付けてある。
【0007】図2において、二階の床20には前記胴差
16、および胴差16に支持された二階根太21や二階
梁22によって、平面形状が四角形をなす複数の床材支
持枠18が形成される。23は二階の床面を形成する構
造用パネルであり、前記床材支持枠18の上に支持され
る。ところが、このように、構造用パネル23の周辺を
床材支持枠18の上に載せて支持しようとすると、床材
支持枠18の隅角部に継ぎ柱13、または通し柱14が
設けられている場合、そのまゝでは前記構造用パネルの
4隅がこれと干渉する。
【0008】この実施例では構造用パネル23の隅角部
を切除し、あるいは柱の側面を切除して回避している。
具体的には、継ぎ柱13の部分においては柱側を切除
し、通し柱14の部分においては構造用パネル23側を
切除して回避している。また、構造用パネル23と、こ
れを支持する床材支持枠18との間に凹凸を回避するた
め、床材支持枠18の上面内側にはその縁に沿って所定
の深さを持つ四角形の切欠き25を形成し、構造用パネ
ル23を切欠き25の中に収めることによって床上を平
坦にしてある。
【0009】まず、切欠き25は垂直面(鉛直方向の
面)25aと水平面25bとによって構成され、前記垂
直面25aによって形成される内矩は、前記構造用パネ
ル23の外形よりやゝ大きく作られる。あるいは、構造
用パネル23の大きさが前記床材支持枠18よりやゝ小
さく加工される。また、切欠き25は前記構造用パネル
23の厚さと略等しい深さに切削してある。そこで、構
造用パネル23を前記切欠き25に嵌め込むことが可能
となる他、嵌め込まれた構造用パネル23は、切欠き2
5の水平面25bで支持され、周辺部に釘24(図3)
を打ち付けて床材支持枠18に固定される。切欠き25
に嵌め込まれた構造用パネル23は前記床材支持枠18
の上面と同じ高さとなる。また、構造用パネル23は切
欠き25の垂直面25aによって位置決めされ、水平方
向への移動が阻止される。
【0010】次に、構造用パネル23と継ぎ柱13との
関係を説明する。構造用パネル23の隅角部は加工せず
四角形の隅角を残す一方、継ぎ柱13の側に構造用パネ
ル23の4隅に相当する部分が切除される。これには前
記切欠き25の一部が充当されている。すなわち、継ぎ
柱の一階部分13aは上側の端面に構造用パネル23の
隅角部を支持するための逃げ13bが4隅に設けてあ
り、前述した切欠き25の一部をなしている。なお、継
ぎ柱13と二階梁22(あるいは二階根太21)との結
合は継ぎ柱13の側面に設けたほぞ孔13dと二階梁2
2の端面に設けたほぞ22aとを嵌合させて、いわゆ
る、腰掛継ぎ方式で結合してある。よって、建築物の組
み立てに際しては、継ぎ柱の一階部分13aが立てられ
前記切欠き25が出来た時点で、構造用パネル23が嵌
め込まれると、その端部は逃げ13bの上で支持され
る。また、この部分は継ぎ柱の二階部分13cが組み立
てられた後には釘打ちすることができないので、こゝだ
けは構造用パネル23が嵌め込まれると同時に釘24に
より釘打ちしておく。
【0011】前記した構造用パネル23と通し柱14と
の関係を説明する。この場合は構造用パネル23の隅角
部には図4、図6(b)で示すように、通し柱14より
やゝ大きい四角形の隅角部切欠き23aが形成されて通
し柱14との干渉を避けている。その結果、構造用パネ
ル23の隅角部には支えが無くなるので、隅角部切欠き
23aの下面には前記二階梁22の側面に釘打ちして係
止した補助受け29が設けてある。なお、通し柱14と
胴差16あるいは二階根太21、あるいは二階梁22と
の間は、端面に形成したほぞ21aを通し柱14に設け
たほぞ孔14aに嵌合させて結合してある。
【0012】以上のように、この実施例によれば、構造
用パネル23は棟上げの際、床材支持枠18が形成され
た後、切欠き25に構造用パネル23を嵌め込めば構造
用パネル23を本格的に釘打ちして固定せずとも(継ぎ
柱13の部分を除き)、水平面25bに支えられるの
で、上からの荷重に耐え、かつ、垂直面25aに支えら
れて水平方向の移動がないから、引き続き二階の柱工事
が可能となる。さらに、二階の床を設けることによって
二階の屋根工事の効率を著しく高めることができる。構
造用パネル23には棟上げの終了後、後日に全面的に釘
打ちして固定を確実にし、かつ、構造用パネル23の上
面に床仕上げ材26を貼着して仕上げを行う。なお、こ
の実施例では二階の床構造について説明したが、この発
明は一階の床構造にも適用でき、かつ、包含される概念
である。
【0013】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上棟に向けて
建築物の骨格を組み立てるに際し、二階の横架材によっ
て床材支持枠が形成されゝば、直ちに構造用パネルを嵌
め込むことができるから、大きな工数を要することなく
比較的強度の高い床を張ることができる。請求項2、お
よび請求項3の発明によれば、構造用パネルを床材支持
枠に支持する際に生じる、柱と構造用パネルの隅角部と
の干渉が回避でき、構造用パネルの周縁部を下面から床
材支持枠によって支持できる。などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は本願発明の実施例である木造建築の骨格
を示す妻側から見た断面図である。
【図2】その要部の拡大断面図である。
【図3】図1中の矢視III図である。
【図4】通し柱の部分を取り出して示す外観図である。
【図5】継ぎ柱の部分を取り出して示す図4相当の外観
図である。
【図6】(a)は図2中のV−V断面図、(b)はVI
−VI断面図である。
【図7】(a)は図6中のA−A断面図、(b)はB−
B断面図である。
【図8】従来の二階床を取り出して示す外観図である。
【符号の説明】
10・・・・木造建築 11・・・・基礎 12・・・・横架材(土台) 13・・・・柱(継ぎ柱) 13a・・・継ぎ柱の一階部分 13b・・・逃げ 13c・・・継ぎ柱の二階部分 13d・・・ほぞ孔 14・・・・柱(通し柱) 14a・・・ほぞ孔 15・・・・外壁 15a・・・外壁仕上げ材 15b・・・内面材 15c・・・断熱材 16・・・・横架材(胴差) 17・・・・横架材(軒桁) 18・・・・床材支持枠 19・・・・一階の床 20・・・・二階の床 21・・・・二階根太 21a・・・ほぞ 22・・・・二階梁 22a・・・ほぞ 23・・・・構造用パネル 23a・・・4隅の切欠き 24・・・・釘 25・・・・上面の切欠き 25a・・・垂直面 25b・・・水平面 26・・・・床仕上げ材 29・・・・補助受け

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の柱の間を横架材によって連結し、四
    角形の平面を有する床材支持枠を形成すると共に、前記
    床材支持枠の上面に略四角形の切欠きを設け、その切欠
    きの中に構造用パネルを嵌め込んで周縁部を支持してな
    る木造建築における床板の支持構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記構造用パネルの周
    縁部には、通し柱に対応する隅角部に切欠きが形成して
    ある木造建築における床板の支持構造。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記柱のうち、継ぎ柱
    には構造用パネルの隅角部に対応する隅角に凹部が形成
    してある木造建築における床板の支持構造。
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