JP3025069U - 建築用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造軸組工法家屋に於いて、壁面等の構築に
際して工場生産の木製パネル（矩形枠に構造用合板を貼
付した）を、軸組材と同一規格の材料を使用する。 【解決手段】 軸組材と同一規格の枠柱（１１，１２）
で形成した枠体の内側角部に凹部１４，１５を形成し、
当該凹部内に構造用合板１３を配置してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、軸組工法による木造家屋に使用する建築用パネルに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

木造家屋は、柱と桁の組み合わせを基本的な家屋の耐力構造体としている軸組 工法と、壁面や床面自体をもって家屋の耐力構造体としているツーバイフォーや パネル工法と称される工法が知られている。 ところで前記の軸組工法に於いて、柱と桁（胴さしや土台、梁などの横架体） 等で構成される枠状部分を耐力壁とするために所謂筋交いを組み込んだり、また 真壁や大壁とするために、当該枠状部分に胴抜きや、間柱及び胴ぶち等を組み込 む必要があり、更に必要に応じて断熱材を組み入れるなどして壁面を構築してい るものである。

【０００３】 しかし前記の構築には熟練を要すると共に、繁雑な作業であるため、施工期間 も長くなってしまう。

【０００４】 そこで前記の課題を解決する手段として、前記の枠状部分に嵌合するパネル体 を予め工場内で製作しておき、このパネル体を構築現場に持ち込み、所定の箇所 に組み込む工法が採用されてきた（実開平７−００４６１３号公報）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記した木造軸組工法において、パネルを使用する場合には、最初に軸組とな る土台、柱、梁、胴差し等を連結し、そして予め製作していたパネル体を組み込 むものである。このパネル体は、木柱を以て矩形枠とし、その矩形枠に構造用合 板を釘で固定しているもので、後の外壁の構築並びに内壁の構築等からパネル体 の厚みは、軸組材の太さと一致しているのが好ましい。

【０００６】 このため、矩形枠の一面側に構造用合板を張着してなるパネル体に於いては、 当然構造用合板の厚み分だけ幅の狭い木材を使用する必要がある。しかし通常の 木材料は、軸組材の柱の太さを基準にして、規格化されている。そうすると、従 前のパネル体は、その矩形枠の形成に際して、構造用合板の厚み分だけ除去する 必要があり、またその除去分は他への転用が難しい薄さ及び幅の木材となる。

【０００７】 そこで本考案は、多用される木材をそのまま使用して木材の無駄をなくした新 規な建築用パネルを提案したものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る建築用パネルは、柱、桁等の軸組材を組んで家屋を建築する木造 軸組工法を採用している家屋に於いて、前記軸組材の太さと一致する厚みを備え た枠柱で、当該軸組材で形成される壁枠内に嵌合される矩形形状に形成した枠体 に、枠体の厚みより突出させず構造用合板を張着一体化してなることを特徴とす るものである。

【０００９】 また前記のパネルに於いて構造用合板の張着構造を、枠柱の内側角縁に凹部を 形成したり、枠柱の内面側に溝を形成し、当該凹部内や溝内に構造用合板を配置 したり、更に構造用合板表裏面の枠柱で囲繞された範囲に適宜厚さの断熱部材を 装着してなることを特徴とするものである。

【００１０】 従って前記の建築用パネルは、枠柱に軸組材の太さと同一の幅のものを使用す ることができ、材料の無駄が少なくてすむことになる。

【００１１】

【考案の実施形態】

次に本考案の実施形態について説明する。 本考案の建築パネル１は、軸組構造による木造家屋の建築に於いて、その軸組 構造材である柱（縦構造材）２と桁、梁、胴差し、土台等の横構造材３等の組立 で形成された矩形状部分Ａに、嵌合される大きさとしたもので、前記軸組構造材 ２，３の太さと同一幅の縦枠柱１１と横枠柱１２とを組み合わせて、、厚さが前 記軸組構造材２，３と同一厚さとなる矩形の枠枠を形成し、この枠体に構造用合 板１３を張着するものである。

【００１２】 前記張着に際して、構造用合板１３が前記枠体（枠柱１１，１２の幅）の厚み より突出させないもので、その手段として枠柱１１，１２の内側角縁に凹部１４ ，１５をプレカット工法手段を用いて予め形成しておくもので、枠体を形成した 後に前記凹部１４，１５に構造用合板１３を嵌め込み、釘着によって一体化する ものである。また必要に応じて間柱１６を設けたり、構造用合板１３の裏面の枠 体で囲繞された箇所に、断熱部材１７を装着してなるものである。

【００１３】 而して軸組材２，３を用いて木造家屋の軸組を構築した後、従前の間柱や筋交 いを不要とし、建築パネル１を軸組材で形成される矩形枠状部分Ａに嵌合して釘 着し、当該箇所を耐力壁等とするものである。

【００１４】 従ってパネル１に使用する枠柱１１，１２は、軸組材２，３と同様の規格のも のを採用するものであるから、材料の無駄が少なく且つ規格材を使用するので製 造効率も高められるものである。

【００１５】 また本考案は、枠柱１１，１２に軸組材２，３と同様の規格のものを採用すれ ば良いものであるから、図５，６に例示するように、凹部１４，１５の代わりに 枠柱１１，１２の内側面に、構造用合板１３が嵌合可能な溝１８を形成し、枠体 の組み立てと同時に構造用合板１３を組み込む必要がある。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案は、木造軸組建築に於いて、柱等の軸組構造体で形成され る矩形枠部分内に嵌合装着する建築用パネルを、特にパネルの枠柱を軸組材と一 致する厚みを備えた枠柱で形成した枠体内に、構造用合板を表裏に突出させず張 着したもので、枠柱に軸組材と同一の規格材を使用することで、その製造の効率 化と材料の無駄を少なくしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態を示す建築用パネルの一部
切断した斜視図（外面視）。

【図２】本考案の実施形態を示す建築用パネルの一部切
断した斜視図（内面視）。

【図３】同パネルを家屋軸組への組み込み状態の説明
図。

【図４】同パネル組み込み状態の断面図

【図５】パネルの別の実施形態の一部切断した斜視図
（外面視）。

【図６】同パネルの組み込み状態の断面図。

【符号の説明】

１ 建築パネル １１ 縦枠柱 １２ 横枠柱 １３ 構造用合板 １４，１５ 凹部 １６ 間柱 １７ 断熱部材 １８ 溝 ２，３ 軸組材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６１１ Ｃ 6951−2Ｅ ６２２ Ｂ 6951−2Ｅ Ｈ 6951−2Ｅ ６３２ Ｂ 6951−2Ｅ Ｃ 6951−2Ｅ Ｈ 6951−2Ｅ ６４５ Ａ 6951−2Ｅ ６５１ Ａ 6951−2Ｅ ６５２ Ｈ 6951−2Ｅ 2/00

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柱、桁等の軸組材を組んで家屋を建築す
   る木造軸組工法を採用している家屋に於いて、前記軸組
   材の太さと一致する厚みを備えた枠柱で、当該軸組材で
   形成される壁枠内に嵌合される矩形形状に形成した枠体
   に、枠体の厚みより突出させず構造用合板を張着一体化
   してなることを特徴とする建築用パネル。
2. 【請求項２】 請求項１の建築用パネルに於いて、枠柱
   の内側角縁に凹部を形成し、当該凹部内に構造用合板を
   配置してなることを特徴とする建築用パネル。
3. 【請求項３】 請求項２記載の建築用パネルに於いて、
   構造用合板裏面の枠柱で囲繞された範囲に適宜厚さの断
   熱部材を装着してなることを特徴とする建築用パネル。
4. 【請求項４】 請求項１の建築用パネルに於いて、枠柱
   の内側面に溝を形成し、当該溝内に構造用合板を差し込
   んでパネルを形成してなることを特徴とする建築用パネ
   ル。
5. 【請求項５】 請求項４記載の建築用パネルに於いて、
   構造用合板の表裏いずれかの面の枠柱で囲繞された範囲
   に適宜厚さの断熱部材を装着してなることを特徴とする
   建築用パネル。