JP2869578B2 - 木造軸組構造物用柱およびそれを使用した柱頭仕口構造 - Google Patents

木造軸組構造物用柱およびそれを使用した柱頭仕口構造

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JP2869578B2 JP27726590A JP27726590A JP2869578B2 JP 2869578 B2 JP2869578 B2 JP 2869578B2 JP 27726590 A JP27726590 A JP 27726590A JP 27726590 A JP27726590 A JP 27726590A JP 2869578 B2 JP2869578 B2 JP 2869578B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の目的) この発明は、日本古来からの木造軸組構造に使用する
柱と、それを使用した柱頭仕口構造に関するものであ
り、既に本願出願人が、平成2年特許願第147,102号発
明「木造軸組構造物用柱およびそれを使用した柱頭仕口
構造」において開発済みである、在来の仕口形成技術の
簡素化と小屋組あるいは2階以上の床組構造の簡素化、
ならびに柱頭仕口部の構造強度の改善を実現した木造軸
組構造物用柱および柱頭仕口構造を、更に改良、発展し
ようとするものである。
(従来技術) 本願出願人において既に提案済みの平成2年特許願第
147,102号発明(以下、先願発明という)では、建築業
界の通年的な大工職人不足という状況下の中で、このと
ころ定着した感のあるツーバイフォー工法その他各種プ
レファブ建築に飽き足らないで、所謂我が国古来からの
木造軸組建造物を希望する人々のために対応すべく、在
来までのもののような複雑な仕口加工を施すことなく木
造軸組構造を実現し得る柱と、それを使用した軸組構造
を完成し、その結果、特別な技能を持った大工職人を要
しないでも希望する木造軸組建造物を速やかに実現し得
るようにすることに成功した。
この先願発明は、それ以前に提案されていたプレカッ
ト工法、即ち、専用機によって複雑な仕口や接ぎ手加工
が予め工業生産されてしまっている既製品の軸組材を、
建築業者がその都度購入して建築するようにした工法
が、構造形態、即ち平面間取り寸法や自由な階高寸法、
採用部材断面等の点でかなりの制約を受けると共に、現
場までの搬入時間の保証、それに伴う経費負担増等の点
で課題を抱えていたり、あるいは、昭和57年特許公告第
1,673号公報に記載された発明が、柱周りに交叉する軸
組構造において、その組み合わせが極めて繁雑で、しか
も、組み合わせを実現するための上下方向占有空間が大
巾増となって実用的ではなく、また、交叉する横架材相
互の天端高に差を生じてしまうという問題(在来からの
仕口構造だけで実現する軸組構造でも、柱の切り欠きに
よる強度低下を避けようとすると必ず生じる問題)を抱
える等といった実情を踏まえて開発されていることか
ら、当然そのような問題を生じさせることのない新規且
つ有効な建築手段として実現されている。
この発明は、その先願発明を更に有用たらしめるべ
く、継続した研究、開発を遂行する中で得られた成果で
あり、以下においてその構成を、具体的な実施例も加え
ながら詳述することとする。
(発明の構成) 図面に示されている代表的な実施例からも明確に理解
されるように、この発明の柱は、基本的に次のような構
成から成るものである。
即ち、小屋組用または上階用の横架材3の架構高に応
じた長さ寸法に形成された木製柱1の柱頭および基部の
双方、あるいは柱頭側のみにおける横架材3,4(即ち、
構造用横架材3および<または>非構造用横架材4のこ
と。以下、単に横架材という場合は同様)の当接面を、
当接すべき横架材3,4の取り付け位置あるいはそれら採
用する部材断面に応じた長さ範囲に亘って段欠き形成し
た上、階段欠き部11に、木製柱1と略同角材で且つ横架
材3,4の取付け位置をカバーできる長さ寸法か、あるい
は少なくとも当接すべき横架材3,4の背高寸法に等しい
長さ寸法を有し、当接すべき横架材3,4接合用の仕口加
工部21,22(即ち、構造用横架材3用の仕口加工部21お
よび<または>非構造用横架材4用の仕口加工部22のこ
と。以下、単に仕口加工部という場合は同様)の形成さ
れた仕口角材2を、予め添設、固定させてなる木造軸組
構造物用柱である。
木製柱1は、所謂、従前から採用されている105mm
(3寸)角、121mm(4寸)角、あるいはそれ以上の寸
法角から成る桧材、杉材、米つが材等の柱であり、土台
あるいは基礎から、小屋組を構成することとなる構造用
の横架材3、即ち小屋梁や軒桁、時によっては大引き
等、あるいは2階以上の建造物の場合であれば、2階
床、3階床等の床組構造を構成することとなる横架材
3、即ち梁、桁、胴差し等の架構高、および、それらか
ら所定寸法だけ下がった位置か、あるいは柱基部から所
定寸法上がった位置等に横設される横架材、例えば、窓
枠固定用の上まぐさ材、下まぐさ材等引構造用の横架材
4をも勘案した長さ寸法に形成される。
この木製柱1の柱頭であって横架材3,4の当接される
面、あるいは柱基部であって非構造用の横架材4の当接
される面を、構造用の横架材3の背高寸法および(また
は)それに並設される非構造用の横架材4の取付け位置
をも勘案して必要となる寸法よりやや大きい長さ範囲
(例えば、柱頭の場合、構造用の横架材3背高寸法+同
横架材3に並設されることとなる非構造用の横架材4の
取付け位置までの寸法+10cm前後の長さ範囲、また、柱
基部の場合であれば、柱基部から非構造用の横架材4取
付け位置までの寸法+10cm前後の長さ範囲等が一つの目
安となるが、必ずしもこの値に制限される訳ではない)
に亘って段欠き形成する。その際の段欠き厚(柱表面か
らの深さ)は、木製柱1の断面寸法との係わりもあって
必ずしも一定値となる訳ではないが、後述する仕口角材
2との一体化に必要な段付き厚寸法、例えば10mm前後の
適当な段欠き厚寸法に形成される。
こうして形成される段欠き部11は、その木製柱1が、
どの方向に横架材3,4を当接する柱となるかによって、
4面全面に形成されたり、3面だけであったり、あるい
は相対する2面、隣り合う2面だけとなったりする。
仕口角材2は、略木製柱1と同角のものが採用され、
柱頭の場合であれば、少なくとも当接すべき構造用の横
架材3の背高寸法に、非構造用の横架材4が並設される
場合であればその取付け位置までの寸法を加えた長さ寸
法に、そして、柱基部の場合であれば、少なくとも非構
造用の横架材の取付け位置に応じた長さを有するもので
なければならず、しかも、木製柱1の段欠き部11に接着
される面とは相対することとなる面側に、大入れ短ほぞ
差し等従前までの仕口加工を施した仕口加工部21、ある
いは21,22が形成されたものとする。
木製柱1の段欠き部11に対して、この仕口角材2は、
その下端が段欠き部11の下端段部に載るような状態で添
設されるものであり、両者は接着剤と圧締具としてのボ
ルト6、ナット7等とによって強固に一体化される。
以下、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例
について説示してみることとする。
(実施例1) 図面第1図および第2図に示されている例は、木製柱
1の柱頭における4方向に構造用の横架材3,3,……、そ
して、木製柱1の直線状となる2方向にだけ非構造用の
横架材4,4を当接する場合に採用される柱の例である。
即ち、仕口角材2,2および2′,2′が、木製柱1の柱
頭4面に添設、固定され、添設箇所水平断面で十字形と
なる如く形成されて成る木造軸組構造用柱とするもので
ある。
仕口角材2,2および2′,2′の中、仕口角材2′,2′
は、非構造用の横架材4が並設されない方向に採用され
る部材であり、したがって、図示のとおり、全体の長さ
は仕口角材2,2より短くて済み、従来技術の項で示した
先願発明のものと同様のものとなる。(但し、省略され
ている柱基部側に添設、固定される仕口角材2の大部分
は、通常、非構造用の横架材4、即ち下まぐさ材等用の
仕口加工だけが施されたものとなり、通常、梁、桁等構
造用の横架材3のための仕口加工部21が形成されること
はない。) 第1図は、組み合わせ、完成された柱の基部側を省略
して示す斜視図であり、第2図は、その分解斜視図であ
る。これらの図面から理解されるように、木製柱1の柱
頭4面が、所定長さ範囲に亘って段欠きされ、その段欠
きされた分だけ小断面となった部分(以下、短柱部分と
いう)周りの4面が、夫々段欠き部11,11,……となる。
この段欠き部11,11,……に対して、仕口角材2,2′
(あるいは2のみ。柱基部の場合は、構造用の横架材3
のための仕口加工部21の無い仕口角材2)が4本組み合
わされ、添設、固定されることになるが、これら仕口角
材2,2,および2′,2′は、略木製柱1と同角のものを採
用することになるため、当然木製柱1断面より小さい断
面となっている短柱部分周りの段欠き部11,11,……の面
から、どの仕口角材2,2,2′,2′とも食み出す状態とな
って何れも段欠き部11,11,……に添設、固定できなくな
ってしまう。そこで、相対する一対の仕口角材2,2だけ
そのまま添設、固定するようにするものの、他の相対す
る一対の仕口角材2′,2′は、添設される面の両出隅を
短柱部分の面幅に相当する幅となるように切り欠いて切
欠き部23′,23′を有する水平断面略凸字形のものに
し、第1図の柱上端木口形状や第4図A〜A断面図に示
すようにして、先に添設、固定された一対の仕口角材2,
2の出っ張り部分を、この切欠き部23′,23′で吸収し、
段欠き部11,11,……周りに一切空間部を生じさせず、4
本の仕口角材2,2,2′,2′を密着、固定するようにす
る。
なお、図中省略されている柱基部側では、第1図、第
2図を略上下逆転させたような、但し、構造用の横架材
3に相当する横架材のための仕口加工部21はなく、非構
造用の横架材4を接続する仕口加工部22の形成された仕
口角材が、4面全面に形成されたり、3面だけであった
り、あるいは相対する2面、隣り合う2面だけに添設、
固定された構成となっている。
こうして形成されたこの実施例の柱は、柱頭周りに4
本の仕口角材2,2,2′,2′が、そして、省略された柱基
部側にも仕口角材(但し、4本とは限らない)が一体化
され、構造用の横架材3,3および(または)非構造用の
横架材4,4を接続する部分だけ実質的な水平断面積を大
きくし、予め仕口加工部21,22(あるいは22だけ)を形
成してユニット化された柱となる。
(実施例2) 次の例は、図面第5図、第6図、第8図に示されてい
る例で、上記実施例のように木製柱1の4面全てに横架
材3,4(あるいは4)が接続されることのない柱の例で
ある。
即ち、仕口角材2、2′(あるいは2のみ)が、木製
柱1の柱頭および柱基部の少なくとも1面を除く面に添
設、固定され、添設箇所水平断面でT字形またはL字
形、I字形となる如く形成されて成る木造軸組構造物用
柱である。
第5図は、3方向に夫々横架材3,4を接続するため
に、仕口角材2,2′(あるいは2のみ)を、木製柱1の
柱頭3面の段欠き部11,11,11に添設、固定し、同所の水
平断面がTの字形となる如くした柱の例である。
第6図以下は、2方向に夫々横架材3,4を接続するた
めの柱であって、第6図のものは、直線状に横架材3,4
を接続するため、木製柱1の柱頭あるいは基部の相対す
る一対の面に形成した段欠き部11,11に仕口角材2,2を添
設、固定し、同所の水平断面がIの字形となるようにし
た柱の例であり、最後の第8図に示されているものは、
同じく2方向に夫々横架材3,4を接続するための柱では
あるが、横架材3,4の接続が、平面配置上、出隅あるい
は入り隅のL字形配置になる場合の柱として採用される
ものであり、木製柱1の柱頭および基部の相隣り合う2
面に段欠き部11,11が形性され、同所に仕口角材2,2(但
し、柱基部側の場合には構造用の横架材3のための仕口
加工部21の省略された仕口角材2であることは記述のと
おり)を互いに隣り合わせとなるように添設、固定し、
水平断面でL字形となる柱の例である。
この第8図の例の場合、相隣接して添設、固定される
仕口角材2,2の重なり合う部分は、上記した実施例1に
おける重なり部分の処理手段と同様、何れか一方に切欠
き部23,23を形成した構造によって処理される。
(実施例3) 第7図に代表する例は、柱頭段欠き部11,11,……が柱
頭あるいは柱基部周り4面全てに予め形成されるもの
の、仕口角材2は、それら段欠き部11,11,……の中の必
要な箇所だけに添設、固定されているようにするものの
例である。
即ち、小屋組用または上段用の横架材3の架構高に応
じた長さ寸法に形成された木製柱1の柱頭および基部の
双方、あるいは柱頭側のみの4面各面を、当接すべき構
造用の横架材3,3,……と非構造用の横架材4,4,……との
取り付け位置、あるいは非構造用の横架材4,4,……の取
り付け位置に応じた長さ範囲以上、あるいは採用する構
造用の横架材3の背高寸法以上の長さ範囲に亘って段欠
き形成した上、該段欠き部11,11,……の柱の横架材3,4
を当接する方向の段欠き部11、あるいは11,11、あるい
はまた11,11,11だけに、木製柱1と略同角材で且つ横架
材3,4の取付け位置をカバーできる長さ寸法か、あるい
は少なくとも採用する構造用の横架材3の背高寸法に等
しい長さ寸法を有し、当接すべき横架材接合用の仕口加
工部21,22(または22のみ)を形成した仕口角材2,2を、
予め添設、固定させてなる木造軸組構造物用柱とするも
のである。
第7図に示すものは、直線状に構造用の横架材3,3,お
よび非構造用の横架材4,4を接続する場合の柱の例であ
るが、段欠き部11,11……は、木製柱1の柱頭周り4面
全面に形成され、相対する一対の段欠き部11,11だけに
仕口角材2,2を添設、固定し、残る一対の段欠き部11,11
はそのままにしてある、添設箇所の水平断面でやはりI
の字形断面となる柱の例である。
この第7図に示すIの字形断面となる柱は、増築等の
際に、この部分を利用して十字形に横架材3,4が増設、
配置し得るようにした柱として採用したり、あるいは、
一方向だけ、この発明の仕口構造による横架材3,4の接
合となし、これに直交する方向については、従前までの
仕口構造、即ち、構造用の横架材3,3の端部(短ほぞの
他の仕口を形成した端部)を、直接この段欠き部(構造
用の横架材3端部のほぞその他の仕口を嵌合するほぞ穴
等の形成された段欠き部)11,11に大入れ、当接させ、
羽子板ボルト等で一体化するようにした、在来の仕口構
造を組み合わせて十字形に構造用の横架材3,3を接続す
る必要のある柱とする場合等に採用される。
図示にはしていないが、同様に横架材3,4が3方向か
ら当接されるT字形断面となるように仕口角材2,2′の
添設、固定された柱、あるいは、段欠き部11,11,……の
中、1面の段欠き部11だけに仕口角材2が添設、固定さ
れ、位置方向にだけ横架材3,4が接続されるようにした
柱もこの実施例に包含される。
なお、柱基部側では、通常、構造用の横架材3を接続
するための仕口加工部21はなく、前記した第1,2図中の
仕口角材2において構造用の横架材3を接続するための
仕口加工部21が省略され、非構造用の横架材4を接続す
るための仕口加工部22だけ形成された仕口角材2が、3
面に形成されたり、相対する2面あるいは隣り合う2
面、場合によっては1面だけに添設、固定された構成と
なっている。
(関連する他の発明) 次に、上記のような構成からなるこの発明の木造軸組
構造物用柱に関連して実現される柱周り仕口構造につい
て説示する。
即ち、上記実施例に代表されるような構成からなるこ
の発明の木造軸組構造物用柱を、予め工場等においてユ
ニット化された柱として多数形成しておくか、あるい
は、その都度注文に応じて必要な柱だけをユニット化さ
れた柱として形成して建築現場に搬入した上、それら木
造軸組構造物用柱の柱頭および(または)基部の仕口角
材2,2′(または2のみ)に形成されている仕口加工部2
1および(または)22に対し、梁伏せ図の配置に応じた
所定横架材3,4の両端各仕口部を、地上部で組み合わ
せ、一体化して土台あるいは基礎上に建て込むか、ある
いは、在来工法と同じようにそれら木造軸組構造物用柱
を土台あるいは基礎上に立設、仮固定した後、組み合わ
せ、一体化するか、あるいはまた、それらを併用して組
み合わせ、一体化する一方、各木造軸組構造物用柱上端
を台輪または胴差し、床小梁等の補助横架材によって固
定してなる柱周り仕口構造とするものである。
第3図の一部を分解して示す要部斜視図には、四方か
ら構造用の横架材3,3,……が、そして直線状となる2方
向に非構造用の横架材4,4が接続される仕口構造の例を
示しているが、この例からも理解されるように、土台あ
るいは基礎上に立設、仮固定されたこの発明の柱の各仕
口角材2,2′(あるいは2のみ)に形成された仕口加工
部21,22(あるいは22のみ)に対して、横架材3,4の両端
に形成した各仕口端部31,41(あるいは41のみ)を嵌合
させ、適宜緊結金具5とボルト6,ナット7等とで、横架
材3,4(あるいは4のみ)を夫々木製柱1に一体化させ
ることによって、横架材3,4,(あるいは4のみ)の全て
の天端高を同一水平面内に一致させた状態で接合する。
この例に示されているものにあっては、仕口角材2,
2′(あるいは2のみ)が、段欠き部11,11と同じ長さ、
即ち構造用の横架材3上面から非構造用の横架材4下面
に至る寸法より長い寸法に形成されたものを採用した例
となっているため、図中、既に緊結された状態で示す緊
結金具5′,5′は、直接木製柱1の柱頭部分に当接する
のではなく、横架材3,3の天端より上方に突き出た状態
の仕口角材2′(あるいは2のみ)側面に当接し、該仕
口角材2′(あるいは2のみ)を貫通すると共に木製柱
1をも貫通し、更に反対側の仕口角材2′(あるいは2
のみ)を貫通するボルト6,ナット7(図中、隠れてい
る)によって実質的に木製柱1に緊結した状態を実現す
る例となっているが、この仕口角材2,2′(あるいは2
のみ)を、段欠き部11,11より短い、必要最小限の長
さ、即ち構造用の横架材3上面から非構造用の横架材4
下面よりやや下方にまで至る長さ寸法に形成されたもの
を採用した場合、この緊結金具6は、木製柱1の柱頭、
即ち短柱部分(但し、段欠き部11が形成されて細くなっ
た柱頭)の側面に直接当接され、ボルト6,ナット7で緊
結されるものとなる。
こうして木製柱1柱頭側面に横架材3,4が接続された
後、木製柱1上端(第3図の例では、仕口角材2,2,……
が木製柱1上端に揃った構造となっているため、木製柱
1および仕口角材2上端)に上階の床組や壁体を形成す
るための台輪または胴差し、床小梁等の補助横架材(図
中省略)が横設、固定され、この発明の木製柱1柱頭の
仕口構造が完成される。
この発明の柱頭仕口構造では、横架材3,4の天端高が
全て同一平面内に納まる構造と共に、上記した補助横架
材下面と構造用の横架材3,3,……上面との間に必ず所定
空間(横架材3上面から木製柱1上端に至る空間)が形
成された軸組構造とを実現するものとなる。
(作用効果) 以上のような構成からなるこの発明の柱は、横架材3,
4を当接すべき木製柱1の柱頭、あるいは柱頭および柱
基部に、仕口加工部21,22(あるいは22のみ)の形成さ
れた仕口角材2,2′(あるいは2のみ)が予め添設、固
定されてユニット化された柱として我が国在来からの木
造軸組建造物に採用可能なものであり、その際、横架材
3,4を接続するための仕口加工が、従前までのような熟
練した大工職人の手を借りることもなく、極めて単純な
機械加工で工場生産され、現場搬入後においても、従前
までの施工と略同様にして立設、仮固定したこの発明の
柱に対して、それ用に簡単な仕口加工の施された横架材
3,4(あるいは4のみ)の端部31,41を嵌合、緊結させて
仕口構造を実現していくか、予め接合可能な部分から地
上において該柱の仕口角材2,2′(あるいは2のみ)に
横架材3,4(あるいは4のみ)を接続した後、建て起こ
して順次軸組構造に形成していくことを可能にするもの
であることから、熟練した大工職人の絶対量が不足し始
めて対応に苦慮している建築業界に対して、その一つの
解決策として大いに寄与し得るものとなることが予想さ
れる。
特に、各実施例に取り上げられているような構成の柱
を各種取り揃えるか、あるいはその都度注文に応じて形
成するにしても、どのような平面の建造物に対しても自
在に対応可能になり、また、中途での設計変更や、増築
の際にも、実施例3に示す構成のものを予め採用するこ
とによって簡単に対応可能になるという秀れた特徴を発
揮するものとなっている。
更に、これらの柱によって形成される柱頭仕口構造に
よれば、従前までの伝統的な仕口構造が、単に上記した
ような熟練した大工職人を必要とする問題を抱えるとい
うだけではなく、入り組んだ仕口加工を施すことによっ
て柱断面欠損を生じさせ、構造耐力上においても様々な
不利益を覚悟しなければならなかったのに対して、逆に
仕口角材2,2′の添設、固定により実質柱断面が補強さ
れた形となり、柱自体の軸耐力は固より、曲げ強度も高
められると共に、横架材3からの荷重を支える上で重要
な「めりこみ」強度上でも有利な柱となって、丈夫な仕
口構造を実現することになるから、木製柱1自体の断面
寸法が変わらなくとも、梁間あるいは桁行き間隔を大き
く取れて間取りの自由度が高められるという利点にもつ
ながるものとなる。
加えて、横架材3,4が、柱周りに全てその天端高を揃
えた接続となるため、各階の床組空間、あるいは小屋裏
空間が極めてコンパクトになって建造物全体の軒高を低
く押さえることができ、今後普及するであろう3階建て
木造軸組建造物の建築に有利に作用すると共に、横架材
3上、補助横架材との間に必ず空間が形成され、この空
間を利用して2階あるいは3階の床を構成するための2
階梁あるいは3階梁両端の掛け渡しや火打ち梁の設置等
が極めて容易にでき、それだけ施工効率を高めることが
できるから、横架材3,4の接合の効率化と合わせ、工期
の短縮に大いに寄与するものとなる。
叙上の如く、この発明の木造軸組用柱およびそれを使
用した柱頭仕口構造は、我が国古来からの木造軸組建造
物を実現する上で、その伝統的な構造に影響を及ぼさせ
ないで、構造強度上からも施工上からも有利なものとす
ることができ、工期を短縮して経済的な木造軸組建造物
の実現を可能にする極めて秀れた発明とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する実施例に基づくものであ
り、第1図は、この発明の柱の一部を省略した斜視図、
第2図は、同分解斜視図、第3図は、その柱を使用した
柱頭仕口構造を示す一部を分解した要部斜視図、第4図
は、第1図中のA〜A断面図、第5図以下第8図まで
は、夫々異なる実施例によるものの前図第4図と同様に
した断面図である。 1……木製柱、11……同段欠き部、2,2′……仕口角
材、21,22……同仕口加工部、3……構造用の横架材、3
1……同仕口端部、4……非構造用の横架材、41……同
仕口端部、5……緊結金具、6……ボルト、7……ナッ
ト。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小屋組用または上階用の横架材の架構高に
    応じた長さ寸法に形成された木製柱の柱頭および基部の
    双方、あるいは柱頭側のみの横架材当接面を、当接すべ
    き横架材の取り付け位置あるいは採用する部材断面に応
    じた長さ範囲に亘って段欠き形成した上、該段欠き部
    に、木製柱と略同角材で且つ横架材の取付け位置をカバ
    ーできる長さ寸法か、あるいは少なくとも当接すべき横
    架材の背高寸法に等しい長さ寸法を有し、当接すべき横
    架材接合用の仕口加工部の形成された仕口角材を、予め
    添設、固定させてなる木造軸組構造物用柱。
  2. 【請求項2】仕口角材が、木製柱の柱頭および基部双方
    か、あるいは柱頭側だけ、その4面に添設、固定され、
    添設箇所水平断面で十字形となる如く形成されて成る請
    求項1に記載した木造軸組構造物用柱。
  3. 【請求項3】仕口角材が、木製柱柱頭および基部双方
    か、あるいは柱頭側だけ、その少なくとも1面を除く面
    に添設、固定され、添設箇所水平断面でT字形またはL
    字形、I字形となる如く形成されて成る請求項1に記載
    した木造軸組構造物用柱。
  4. 【請求項4】小屋組用または上階用の横架材の架構高に
    応じた長さ寸法に形成された木製柱の柱頭および基部の
    双方、あるいは柱頭側のみの4面各面を、当接すべき横
    架材の取り付け位置に応じた長さ範囲以上、あるいは採
    用する横架材の背高寸法以上の長さ範囲に亘って段欠き
    形成した上、該段欠き部の中の横架材を当接する方向の
    段欠き部だけに、木製柱と略同角材で且つ横架材の取付
    け位置をカバーできる長さ寸法か、あるいは少なくとも
    採用する横架材の背高寸法に等しい長さ寸法を有し、当
    接すべき横架材接合用の仕口加工部を形成した仕口角材
    を、予め添設、固定させてなる木造軸組構造物用柱。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4項記載の木造軸組構造物
    用柱を建築現場に搬入した上、それら木造軸組構造物用
    柱柱頭の仕口角材に形成されている横架材接合用の仕口
    加工部に対し、梁伏せ図の配置に応じた所定横架材の両
    端各仕口部を、地上部で組み合わせ、一体化して土台あ
    るいは基礎上に建て込むか、あるいは、在来工法と同じ
    ようにそれら木造軸組構造物用柱を土台あるいは基礎上
    に立設、仮固定した後、組み合わせ、一体化するか、あ
    るいはまた、それらを併用して組み合わせ、一体化する
    一方、各木造軸組構造物用柱上端を台輪または胴差し、
    床小梁等の補助横架材によって固定してなる柱頭仕口構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101402959B1 (ko) 2012-09-12 2014-06-02 이규인 결구식 경량 목구조 개량형 한옥

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