JP2959637B2 - 木造軸組構造物用柱およびそれを使用した柱頭仕口構造 - Google Patents

木造軸組構造物用柱およびそれを使用した柱頭仕口構造

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の目的) この発明は、日本古来からの木造軸組構造に使用する
柱と、それを使用した柱頭仕口構造に関するものであ
り、在来の仕口形成技術の簡素化と小屋組あるいは2階
以上の床組構造の簡素化、ならびに柱頭仕口部の構造強
度の改善とを可能にする改良された構造の木造軸組構造
物用柱および柱頭仕口構造とを提供しようとするもので
ある。
(従来技術) 我が国古来からの木造軸組建造物は、その完成された
仕口構造、接ぎ手構造の故に世界でも希にみる秀れた木
造建築様式と高い評価を受けているが、それら完成され
た仕口構造、接ぎ手構造を実現するには、高度な切り込
み加工のできる技能に長けた大工職人の存在が不可欠の
要因である。ところが、時代の流れと共に、この分野に
対する若年層からの人気がなくなり、技術のある若年労
働者の養成が思うにまかせなくなってきていることに加
え、長年この分野で活躍してきた大工職人はどんどん老
齢化してきていることから、我が国固有の仕口構造や接
ぎ手構造の実現できる大工職人の絶対量は、年と共に減
少しつつある。
このような状況から、我が国古来からの木造軸組建造
物に代わって、特別な技能を持った大工職人を要しない
で実現可能なツーバイフォー工法による木造建造物や各
種プレファブ建築が台頭し、隆盛を誇るような時代に移
り変わってきている。ところが、こうした全般的な傾向
の中にも、我が国が経済的に豊かでゆとりある時代を迎
えたことから、再び古来からの木造軸組建造物に対する
認識が高まってきており、上記の通りの事情を抱えたま
まの建築業界では、改めてその対応を迫られることとな
った。
その対応策として提案、実施され始めているのが、例
えば、専用機によって複雑な仕口や接ぎ手加工が予め工
場生産されてしまっている既製品の軸組材を、建築業者
がその都度購入して建築するようにしたプレカット工法
と称される木造軸組構造物であったり、あるいは、昭和
57年特許公告第1673号公報に記載された発明のような、
木製柱の上下端側面に土台および下梁を突き付けて接合
する一方、柱の直上で下梁の上には角材を介して上梁を
下梁に一体化してしまうようにした軸組構造等々があ
る。
提案されている前者の木造組組構造物の場合、確かに
各建築業者が、技能に長けた熟練大工職人を抱える心配
から解放されるという点で正に画期的な発想のものと評
価されるが、反面構造形態、即ち平面間取り寸法や自由
な階高寸法、採用部材断面等の点でかなりの制約を受け
ることになると共に、現場までの搬入時間の保証、それ
に伴う経費負担増等まだまだ解決されなければならない
課題を抱える一方、後者の軸組構造によるものの場合、
柱周りの桁行あるいは梁間どちらか一方向だけの軸組構
造については、従前までのような複雑な仕口加工を施さ
ないで軸組構造を実現可能にするという利点は認められ
るものの、柱周りに交叉する軸組構造では、その組み合
わせが極めて繁雑で、しかも組み合わせを実現するため
の上下方向占有空間が大巾増となって実用的ではないと
いう課題を残すと共に、交叉する横架材相互の天端高に
差を生じてしまうという問題(在来からの仕口構造だけ
で実現する軸組構造でも、柱の切欠きによる強度低下を
差けようとすると必ず生じる問題)を抱えている。
この発明は、以上のような状況に対処すべくして研
究、開発を連続してきた結果、在来までのもののような
複雑な仕口加工を施すことなく木造軸組構造を実現し得
る柱と、それを使用した軸組構造とを完成するに至った
ものであり、その構成を以下において詳述する。
(発明の構成) 図面に示されている代表的な実施例からも明確に理解
されるように、この発明の柱は、基本的に次のような構
成から成るものである。
即ち、小屋組用または上階用の横架材3の架構高に応
じた長さ寸法に形成された木製柱1の柱頭の横架材当接
面を、当接すべき横架材3の背高寸法よりやや大きい長
さ範囲に亘って段欠き形成した上、該段欠き部11に、木
製柱1と略同角材で且つ少なくとも当接すべき横架材3
の背高寸法に等しい長さ寸法を有し、当接すべき横架材
3接合用の仕口加工部21を形成した仕口角材2を、予め
添設、固定させてなる木造軸組構造物用柱である。
木製柱1は、所謂従前から採用されている105mm(3
寸)角、121mm(4寸)角、あるいはそれ以上の寸法角
から成る檜材、杉材、米つが材等の柱であり、土台4あ
るいは基礎から、小屋組を構成することとなる横架材、
即ち小屋梁や軒桁等の架構高、あるいは2階以上の建造
物の場合であれば、2階床、3階床等の床組構造を構成
することとなる横架材、即ち梁、桁、胴差し等の架構高
に応じた長さ寸法に形成される。
この木製柱1の柱頭であって横架材3の当接される面
を、横架材3の背高寸法よりやや大きい長さ範囲(横架
材背高寸法+10cm前後の長さ範囲が一つの目安となる
が、必ずしもこの値に制限されるものではない)に亘っ
て段欠き形成する。その際の段欠き厚(柱表面からの深
さ)は、木製柱1の断面寸法によって必ずしも一定とす
る必要はないが、10mm前後の適当な段欠き寸法、即ち後
述する仕口角材2との一体化に必要な段欠き寸法のもの
に形成される。
こうして形成される段欠き部11は、その木製柱1が、
どの方向に横架材13を当接する柱となるかによって、4
面全面に形成されたり、3面だけであったり、あるいは
相対する2面、隣り合う2面だけとなったりする。
仕口角材2は、略木製柱1と同角のものが採用され、
少なくとも当接すべき横架材3の背高寸法に相当する長
さを有するものでなければならず、しかも、木製柱1の
段欠き部11に接着される面とは相対することとなる面側
に、大入れ短ほぞ差し等従前までの仕口加工を施した仕
口架工部21が形成されたものとする。
木製柱1の段欠き部11に対して、この仕口角材2は、
その下端が段欠き部11の下端段部に載るような状態で添
設されるものであり、両者は、接着剤と圧縮具9として
のボルト、ナットとによって強固に一体化される。
以下、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例
について説示してみることとする。
(実施例1) 図面第1図以下、第4図までに示されている例は、木
製柱1の4方向に横架材3,3,……を当接する場合に採用
される柱の例であるである。
即ち、仕口角材2が、木製柱1の柱頭4面に添設、固
定され、添設箇所水平断面で十字形となる如く形成され
て成る木造軸組構造物用柱である。
第1図は、組み合わせ、完成された柱の、一部を省略
して示す斜視図であり、第2図は、その分解斜視図であ
る。これらの図面から理解されるように、木製柱1の柱
頭4面が、所定長さ範囲に亘って段欠きされ、その段欠
きされた分だけ小さくなった短柱周りの4面が、夫々段
欠き部11,11,……となる。
この段欠き部11,11,……に対して、仕口角材2が4本
組み合わされて、添付、固定されることになるが、これ
ら仕口角材2,2,……は、略木製柱1と同角のものが採用
されなければならないため、当然段欠きされた分だけ小
さくなった短柱周りの段欠き部11,11,……の面からどの
仕口角材2,2,……とも食み出して、何れも段欠き部11,1
1,……に添設、固定できなくなってしまうため、相対す
る一対の仕口角材2,2だけそのまま添設、固定するよう
にするものの、他の相対する一対の仕口角材2,2は、添
設される面の両出隅を短柱の面幅に相当する幅となるよ
うに切り欠いて切欠き部22,22を有する略凸状水平断面
のものにし、第4図水平断面図に示すようにして、先に
添設、固定された一対の仕口角材2,2の出っ張り部分
を、この切欠き部22,22で吸収し、段欠き部11,11,……
周りに一切空間部を生じさせず、4本の仕口角材2,2,…
…を密着、固定するようにする。
こうして形成されたこの発明の柱は、第1図斜視図の
如く、柱頭周りに4本の仕口角材2,2,……が一体化さ
れ、横架材3,3,……を接続する部分だけ実質的きな水平
断面積を大きくし、予め仕口加工部21を形成した頭でっ
かちのユニット化された柱となる。
(実施例2) 次の例は、図面第5図、第6図、第8図に示されてい
る例で、上記実施例のように柱頭4面全てに横架材3が
接続されることのない柱の例である。
即ち、仕口角材2が、木製柱1の柱頭の少なくとも1
面を除く面に添設、固定され、添設箇所水平断面でT字
形またはL字形、I字形となる如く形成されて成る木造
軸組構造物用柱である。
第5図は、3方向に横架材3,3,3を接続するために、
仕口角材2,2,2を木製柱1の柱頭3面の段欠き部11,11,1
1に添設、固定し、同所の水平断面がTの字形となる如
くした柱の例であり、第6図以下は、2方向に横架材3,
3を接続するための柱であって、第6図のものは、直線
状に横架状3,3を接続するため、木製柱1柱頭の相対す
る一対の面に形成した段欠き部11,11に仕口角材2,2を添
設、固定し、同所の水平断面がIの字形となるようにし
た柱の例であり、最後の第8図に示されているものは、
同じく2方向に横架材3,3を接続するための柱ではある
が、横架材3,3の接続が、平面配置状、出隅あるいは入
り隅のL字配置になる場合の柱として採用されるもので
あり、木製柱1柱頭の相隣り合う2面に段欠き部11,11
が形成され、仕口角材2,2も互いに隣り合って添設、固
定され、同所の水平断面でL字形となる柱の例である。
この第8図の例の場合、相隣接して添設、固定される
仕口角材2,2の重なり合う部分は、上記した実施例1に
おける重なり部分の構成と同様の構造によって処理され
る。
(実施例3) 第7図に代表する例は、柱頭段欠き部11,11,……が柱
頭周り4面全てに予め形成されるものの、仕口角材2
は、それら段欠き部11,11,……の中の必要な箇所だけに
添設、固定されているようにするものの例である。
即ち、小屋組用または上階用の横架材3の架構高に応
じた長さ寸法に形成された木製柱1の柱頭4面各面を、
採用する横架材3の背高寸法以上の長さ範囲に亘って段
欠き形成した上、該段欠き部11,11,……の中の横架材3,
3,……を当接する方向の段欠き部11、あるいは11,11、
あるいはまた11,11,11だけに、木製柱1と略同角材で且
つ少なくとも採用する横架材3の背高寸法に等しい長さ
寸法を有し、当接すべき横架材3接合用の仕口加工部21
を形成した仕口角材2あるいは2,2あるいはまた2,2,2
を、予め添設、固定されてなる木造軸組構造物用柱とす
るものである。
第7図は、直線上に横架材3,3を接続する場合の柱の
例であるが、段欠き部11,11,……は木製柱1の柱頭周り
4面全面に形成され、相対する一対の段欠き部11,11だ
けに仕口角材2,2を添設、固定し、得る一対の段付き部1
1,11はそのままにしてある、添設箇所の水平断面でやは
りIの字形断面となる柱の例である。
この第7図に示すIの字形断面となる柱は、増築等の
際に、この部分を利用して十字形に横架材2,2,……が増
設,配置し得るようにした柱として採用したり、あるい
は、一方向だけ、この発明の仕口構造による横架材3,3
の接合となし、これに直交する方向については、従前ま
での仕口構造、即ち、横架材3,3の端部(短ほぞその他
の仕口を形成した端部)を、直接この段欠き部(横架材
3端部のほぞその他の仕口を嵌合するほぞ穴等の形成さ
れた段欠き部)11,11に大入れ、当接させ、羽子板ボル
ト等で一体化するようにした、在来の仕口構造を組み合
わせて十字形に横架材3,3を接続する必要のある柱とす
る場合等に採用される。
図示にはしていないが、同様に横架材3が3方向から
当接されるT字形断面となるように仕口角材2,2,2の添
設、固定された柱、あるいは、段欠き部11,11,……の
中、1面の段欠き部11だけに仕口角材2が添設、固定さ
れた柱もこの実施例に包含される。
(関連する他の発明) 次に、上記のような構成からなるこの発明の木造軸組
構造物用柱に関連して実現される柱頭仕口構造について
説示する。
即ち、上記実施例に代表されるような構成からなるこ
の発明の木造軸組構造物用柱を、予め工場等においてユ
ニット化された柱として多数形成しておくか、あるい
は、その都度注文に応じて必要な柱だけをユニット化さ
れた柱として形成して建築現場に搬入した上、それら木
造軸組構造物用柱柱頭の仕口角材2,2,……に形成されて
いる横架材3接合用の仕口加工部21に対し、梁伏せ図の
配置に応じた所定横架材3の両端各仕口部を、地上部で
組み合わせ、一体化して土台4あるいは基礎上に建て込
むか、あるいは、在来工法と同じようにそれら木造軸組
構造物用柱を土台4あるいは基礎上に立設、仮固定した
後、組み合わせ、一体化するか、あるいはまた、それら
を併用して組み合わせ、一体化する一方、各木造軸組構
造物用柱上端を台輪または胴差し、床小梁等の補助横架
材5によって固定してなる柱頭仕口構造である。
第3図の一部を分解して示す要部斜視図には、四方か
ら横架材3,3,……が接続される仕口構造の例を示してい
るが、この例からも理解されるように、土台4あるいは
基礎上に立設、仮固定されたこの発明の柱の各仕口角材
2,2,2……に形成された仕口加工部21,21,……に対し
て、横架材3,3,……の両端に対応、形成した各仕口端部
31,31,……を嵌合させ、適宜緊結金具6とボルト7,ナッ
ト8とで、横架材3,3,……を夫々木製柱1に一体化させ
ることによって、横架材3,3,……全てが、その天端高を
同一水平面内に一致させた状態で接合される。
この例に示されているものでは、仕口角材2,2,……
が、段欠き部11,11,……と同じ長さ、即ち横架材3,3,…
…の背高寸法より長い寸法に形成されたものを採用した
例となっているため、図中、既に緊結された状態で示す
緊結金具6′,6′は、直接木製柱1の柱頭に当接するの
ではなく、横架材3,3の天端より上方に突き出た状態の
仕口角材2,2側面に当接し、該仕口角材2を貫通して木
製柱1を貫通し、更に反対側の仕口角材2を貫通するボ
ルト7,ナット8によって実質的に木製柱1に緊結した状
態を実現する例となっているが、この仕口角材2,2,……
を横架材3,3,……背高寸法のものとした場合には、この
緊結金具6′は、分解されて横架材3下方側から当接さ
せるようにして示す緊結金具6同様、木製柱1の側面
(但し、段欠き部11が形成されて細くなった柱頭側面)
に直接当接され、ボルト7,ナット8で緊結されるものと
なる。
こうして木製柱1柱頭側面に横架材3,3,……が接続さ
れた後、木製柱1上端(第3図の例では、仕口角材2,2,
……が木製柱1上端に揃った構造となっているため、木
製柱1および仕口角材2上端)に上階の床組や壁体を形
成するための台輪または胴差し、床小梁等の補助横架材
5,5,……が横設、固定され、この発明の木製柱1柱頭の
仕口構造が完成される。
この発明の仕口構造では、横架材3,3,……の天端高が
全て同一水平面内に納まる構造と、補助横架材5,5,……
下面と横架材3,3,……上面との間に必ず所定空間(段欠
き部11の長さと横架材3の背高寸法との差に相当する空
間)が形成された軸組構造とを実現するものとなる。
(作用効果) 以上のような構成からなるこの発明は柱は、横架材3
を当接すべき木製柱1の柱頭に仕口加工部21の形成され
た仕口角材2が予め添設、固定されてユニット化された
柱として我が国在来からの木造軸建造物に採用可能なも
のであり、その際、横架材3を接続するための仕口加工
が、従前までのような熟練した大工職人の手を借りるこ
ともなく、極めて単純な機械加工で工場生産され、現場
搬入後においても、従前までの施工と略同様にして立
設、仮固定したこの発明の柱に対して、それ用に簡単な
仕口加工の施された横架材3の端部を嵌合、緊結させて
仕口構造を実現していくか、予め接合可能な部分から地
上において該柱の仕口角材2に横架材3を接続した後、
起こして順次軸組構造に形成していくことを可能にする
ものであることから、熟練した大工職人の絶対量が不足
し始めて対応に苦慮している建築業界に対して、その一
つの解決策として大いに寄与し得るものとなることが予
想される。
特に、各実施例に取り上げられているような構成の柱
を各種取り揃えるか、あるいはその都度注文に応じて形
成するにしても、どのような平面の建造物に対しても自
在に対応可能になり、また、中途での設計変更や、増築
の際にも、実施例3に示す構成のものを予め採用するこ
とによって簡単に対応可能になるという秀れた特徴を発
揮するものとなっている。
更に、これらの柱によって形成される柱頭仕口構造に
よれば、従前までの伝統的な仕口構造が、単に上記した
ような熟練した大工職人を必要とするという問題を抱え
るというだけではなく、入り組んだ仕口加工を施すこと
によって柱断面欠損を生じさせ、構造耐力上においても
様々な不利益を覚悟しなければならなかったのに対し
て、逆に仕口角材2,2,……の添設、固定により実質柱断
面が補強された形となり、柱自体の軸耐力は固より、曲
げ強度も高められると共に、横架材3からの荷重を支え
る上で重要な「めりこみ」強度上でも有利な柱となっ
て、丈夫な仕口構造を実現することになるから、木製柱
1自体の断面寸法が変わらなくとも、梁間あるいは桁行
き間隔を大きく取れて間取りの自由度を高めるという利
点にもつながるものとなる。
加えて、横架材3,3,……が、柱周りに全てその天端高
を揃えた接続となるため、各階の床組空間、あるいは小
屋裏空間が極めてコンパクトになって建造物全体の軒高
を低く押さえることができ、今後普及するであろう3階
建て木造軸組建造物の建築に有利に作用すると共に、横
架材3上、補助横架材5との間に必ず空間が形成され、
この空間を利用して2階あるいは3階の床を構成するた
めの2階梁あるいは3階梁両端の掛け渡しや火打ち梁の
設置等が極めて容易にでき、それだけ施工効率を高める
ことができるから、横架材3の接合の効率化と合わせ、
工期の短縮に大いに寄与するものとなる。
叙上の如く、この発明の木造軸組用柱およびそれを使
用した柱頭仕口構造は、我が国古来からの木造軸組構造
物を実現する上で、その伝統的な構造に影響を及ぼさせ
ないで、構造強度上からも施工上からも有利なものとす
ることができ、工期を短縮して経済的な木造軸組構造物
の実現を可能にする極めて秀れた発明とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する実施例に基づくものであ
り、第1図は、この発明の柱の一部を省略した斜視図、
第2図は、同分解斜視図、第3図は、その柱を使用した
柱頭仕口構造を示す一部を分解した要部斜視図、第4図
以下第8図までは、夫々異なる実施例によるものの柱頭
付近の柱水平断面図である。 1……木製柱、11……同段欠き部、2……仕口角材、21
……同仕口加工部、3……横架材、31……同仕口端部、
4……土台、5……補助横架材、6……緊結金具、7…
…ボルト、8……ナット。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小屋組用または上階用の構架材の架橋高に
    応じた長さ寸法に形成された木製柱柱頭の横架材当接面
    を、当接すべき横架材の背高寸法以上の長さ範囲に亘っ
    て段欠き形成した上、該段欠き部に、木製柱と略同角材
    で且つ少なくとも当接すべき横架材の背高寸法に等しい
    長さ寸法を有し、当接すべき横架材接合用の仕口加工部
    を形成した仕口角材を、予め添設、固定させてなる木造
    軸組構造物用柱。
  2. 【請求項2】仕口角材が、木製柱柱頭4面に添設、固定
    され、添設箇所水平断面で十字形となる如く形成されて
    成る請求項1に記載した木造軸組構造物用柱。
  3. 【請求項3】仕口角材が、木製柱柱頭の少なくとも1面
    を除く面に添設、固定され、添設箇所水平断面でT字形
    またはL字形、I字形となる如く形成されて成る請求項
    1に記載した木造軸組構造物用柱。
  4. 【請求項4】小屋組用または上階用の横架材の架構高に
    応じた長さ寸法に形成された木製柱柱頭4面各面を、採
    用する横架材の背高寸法以上の長さ範囲に亘って段欠き
    形成した上、該段欠き部の中の横架材を当接する方向の
    段欠き部だけに、木製柱と略同角材で且つ少なくとも採
    用する横架材の背高寸法に等しい長さ寸法を有し、当接
    すべき横架材接合用の仕口加工部を形成した仕口角材
    を、予め添設、固定させてなる木造軸組構造物用柱。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4項記載の木造軸組構造物
    用柱を建築現場に搬入した上、それら木造軸組構造物用
    柱柱頭の仕口角材に形成されている横架材接合用の仕口
    加工部に対し、梁伏せ図の配置に応じた所定横架材の両
    端各仕口部を、地上部で組み合わせ、一体化して土台あ
    るいは基礎上に建て込むか、あるいは、在来工法と同じ
    ようにそれら木造軸組構造物用柱を土台あるいは基礎上
    に立設、仮固定した後、組み合わせ、一体化するか、あ
    るいはまた、それらを併用して組み合わせ、一体化する
    一方、各木造軸組構造物用柱上端を台輪または胴差し、
    床小梁等の補助横架材によって固定してなる柱頭仕口構
    造。
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