JPH10317006A - 熱電変換素子の製造方法 - Google Patents

熱電変換素子の製造方法

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JPH10317006A
JPH10317006A JP9133103A JP13310397A JPH10317006A JP H10317006 A JPH10317006 A JP H10317006A JP 9133103 A JP9133103 A JP 9133103A JP 13310397 A JP13310397 A JP 13310397A JP H10317006 A JPH10317006 A JP H10317006A
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JP
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thermoelectric conversion
organic binder
wax
powder
kneaded
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JP9133103A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Wada
仁 和田
Shigeru Kito
茂 木藤
Yoshimitsu Sagawa
喜光 寒川
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Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑3次元形状で高寸法精度の得られる金属
粉末射出成形を用いて熱電変換素子の量産製造方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】 互いに成分の異なる2種類の熱電変換材
料金属粉末とそれぞれに有機バインダを所定の割合で混
練して、粉末粒子表面が有機バインダで覆われた混練物
を作り、同時に或いは別々に射出成形でそれぞれが所定
の量と材質からなる混合物を所望の形に成形し異種材料
同士が境界で接合した複合成形体とし、これに脱有機バ
インダ、焼結、熱処理の各工程を経ることにより、所望
の形状からなる異種材料が一体化した熱電変換素子を得
る製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、工業的に安価にかつ大
量に製造できる金属粉末射出成形用熱電変換材料金属粉
末とそれに有機バインダを所定の割合で混練して、粉末
粒子表面が有機バインダで覆われた均質混練物を作り、
同時に或いは別々に1或いは2箇所のゲ−トからの射出
成形で、或いは先ず1種類の均質混練物から複合の一部
分内だけの射出成形体を作製し、その後、金型内にその
一部分の射出成形体を装填して、別の均質混練物の射出
成形をして、所定の材質からなる混合物を所望の形に成
形し異種材料が界面で接合した複合成形体とし、脱有機
バインダ、焼結、熱処理することにより、所望の形状か
らなる異種材料が一体化した熱電変換素子を得る製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の機械加工法では作り難いような三
次元の複雑な形状で寸法精度の高い金属部品の製造方法
としては、ロストワックス法等の精密鋳造法が以前より
あるが、最近では金属粉末と熱可塑性樹脂等からなる有
機バインダの加熱混合物を射出成形し、その後加熱等に
より脱有機バインダ処理を施し、焼結するという金属粉
末射出成形法が注目され、精密機械部品の製造法として
採用されてきて各種機械部品が実用化されている。ただ
し、この場合において従来の技術では、金属の材質が同
一のものに限られ、異なる2種類の組成からなる複合物
を作ることは出来なかった。金型に金属粉末を充填し、
一軸の冷間プレスで成形し非酸化雰囲気中で加熱して焼
結するという粉末冶金法は金属加工法の一つとして広く
用いられているが、この場合も得られる成形体は均質な
同種の材料である。異種金属材質を一体化して複合的な
焼結体を製造する方法として、特許公報平3−2031
4号では、複数のグリ−ン体を焼結に先立ち密着させて
電流を流し、加熱してバインダの局部的融解により接合
させることや、公開特許公報平3−39405号では、
射出成形体の接合面に同一組成の金属粉末とバインダか
らなるスラリ−を付着させた射出成形体を圧着接合させ
る方法が提案されている。いずれの場合も別々の射出成
形体を射出成形後に接合するものである。最終焼結体を
得るのに、接合の過程を要することで製造費を引き上
げ、接合如何により最終焼結体の寸法精度及び接合部の
強度が低下するという難点がある。結果的には、三次元
的複雑形状を一つの金型で同時に射出成形することがで
きない。
【0003】一方、温度差を利用しての熱起電力を発生
させるというゼ−ペック効果を利用しての熱電変換に用
いる素子の作製法としては、冷間プレスにより成形し、
焼結させることにより素子を得ているが、形状が複雑
で、金型内への熱電変換材料金属粉末の充填、プレスは
手作業で行い、通常の粉末冶金の方法が適用できないの
で量産性に欠けるという難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の粉末冶金法で熱
電変換素子を製造する場合、先ず最初に、n型、p型の
半導体になる2種類の熱電変換材料金属粉末を各々、数
重量%の樹脂と混合することにより造粒体を作る。金型
内の異種材料同士の接合部分にしきり板を入れて、分か
れたそれぞれの部分に別々の材質の熱電変換材料金属粉
末の造粒体を装入した後に、しきり板を抜いて、一軸の
冷間プレスで成形する。大気中で脱脂し、非酸化雰囲気
中で加熱して焼結し、熱処理により目的とする相変態を
得るという作製法で作られている。焼結前の粉末充填及
びそれに続くプレス成形の工程は手作業しかできず、通
常の粉末冶金の方法が適用できないので量産性に欠ける
という難点がある。また、金属粉末射出成型法は、近
年、小物部品を中心に多用途で量産化されているが、成
分の異なる材料を同時に射出成形した複合体を扱った知
見は発明者の知る限りは見あたらない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めの方法として、本発明を完成した。即ち、用いる熱電
変換材料金属粉末としては粉末の凝集がなく球形状もし
くは偽似球形状でレ−ザ回折法による粒径で最大10〜
53μm、平均3〜25μm、充填密度が真密度の40
〜70%、BET法による比表面積が1000〜700
0cm2/g、酸素量が0.01〜0.5重量%である
ことを特徴とし、金属粉末射出成形用に利用できる安価
な熱電変換材料金属粉末である。また、有機バインダと
しては熱可塑性樹脂とワックスの2成分もしくは熱可塑
性樹脂、ワックス及び可塑材と滑材のうち少なくとも1
種類からなる低分子量化合物の3成分から構成しかつ有
機バインダ中の熱可塑性樹脂が80〜20体積%、ワッ
クスが20〜80体積%の割合になるようにし、熱可塑
性樹脂とワックスの2成分もしくは熱可塑性樹脂、ワッ
クス及び可塑材と滑材のうち少なくとも1種類からなる
低分子量化合物の各々が1種以上から成る有機バインダ
を用い、熱電変換材料金属粉末と有機バインダを混練し
た射出成形用の均質混練物において、有機バインダの添
加量が25〜60体積%であるように均質混練物を作
り、互いに成分の異なる2種類の金属粉末とそれぞれに
有機バインダを所定の割合で混練して、粉末粒子表面が
有機バインダで覆われた均質混練物を作り、同時に或い
は別々に単一の金型の1或いは2箇所のゲ−トからの射
出成形或いは先ず1種類の均質混練物から一方だけの射
出成形体を作製し、その後、金型内にその一方の射出成
形体を装填した後に、残りの均質混練物の射出成形をし
て、それぞれが所定量の材質からなる所望の形に成形し
異種材料同士が境界で接合した複合成形体とし、これを
脱有機バインダ、焼結、熱処理することにより、所望の
形状からなる異種材料が一体化した熱電変換素子を得る
ことを特徴とする新規で安価な量産性のある製造方法で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】
【作用】本発明において、熱電変換材料金属粉末として
粉末の凝集がなく球形状もしくは偽似球形状でレ−ザ回
折法による粒径で最大10〜53μm、平均3〜25μ
m、充填密度が真密度の40〜70%、BET法による
比表面積が1000〜7000cm2/g、酸素量が
0.01〜0.5重量%であることで、更にレーザ回折
法による粒径で最大粒径20〜45μm、平均粒径5〜
10μm、充填密度が真密度の45〜65%、BET法
による比表面積が2000〜4000cm2/g、酸素
量が0.01〜0.4重量%であることが望ましい。
該範囲外で、角形等の不規則形状では、熱電変換材料金
属粉末と合成樹脂等からなる有機バインダとを十分な混
練をしても、射出成形時に有機バインダと熱電変換材料
金属粉末の濡れが悪いために容易に分離し、有機バイン
ダだけが射出され、熱電変換材料金属粉末が射出成形機
内部もしくは金型ランナ−内に残留し射出成形ができに
くくなる。また、脱有機バインダ工程後も、部分的に粉
末間に有機バインダが残り、焼結後の組織不均一、密度
低下、変形が生じることになる。また、球形状もしくは
偽似球形状では、有機バインダとのなじみはよくなる
し、脱有機バインダ工程では有機バインダの抜けは良く
なる。
【0007】使用する粉末の粒径として、レーザ回折法
による粒径で最大粒径53μmもしくは、平均粒径25
μmを越えると、混練時や射出成形時に均一分散が難し
くなるし、焼結時の収縮量が不均一になり、亀裂、割れ
を生じるおそれがある。使用する粉末の粒径として、レ
ーザ回折法による粒径で最大粒径53μmを越えると、
射出成形時に有機バインダと熱電変換材料粉末が分離
し、有機バインダだけが射出され、熱電変換材料金属粉
末が射出成形機の内部もしくは金型ランナ−内に残留し
射出成形ができにくくなる難点がある。使用する粉末の
粒径として、レーザ回折法による粒径で最大粒径で10
μm未満、平均粒径3μm未満であると熱電変換材料金
属粉末の充填密度が、真密度の40%未満になり、結果
的に焼結後の密度が真密度の90%以下になり材料特
性、特に熱電変換特性が低下する。
【0008】使用する粉末のBET法による比表面積が
7000cm2/gを越えると、粉末自体の流動性が悪
くなり、成形性を維持するために有機バインダ量を適量
より増やす必要があり、脱有機バインダ後に変形が生じ
易く、焼結前後の寸法変化が大きくなり、所定の寸法形
状が得られない。使用する粉末のBET法による比表面
積が1000cm2/g未満であると必要とする有機バ
インダ量は少なくても射出成形時の流動性が良く成形で
きるが、成形後に熱電変換材料粉末が滑り易く形状保持
性の維持に難点がある。使用する粉末の酸素量が0.0
1重量%未満であることは、これを維持することを含め
て粉末製造コストが上がり、経済的でない。使用する粉
末の酸素量が0.5重量%を越えると、非酸化雰囲気で
焼結しても熱電変換材料の酸化物が十分に還元されず、
酸化物が焼結体中に介在し、焼結密度、強度が低下する
という難点がある。
【0009】有機バインダとしては熱可塑性樹脂とワッ
クスの2成分もしくは熱可塑性樹脂、ワックス及び可塑
材と滑材のうち少なくとも1種類からなる低分子量化合
物の3成分から構成しかつ有機バインダ中の熱可塑性樹
脂が80〜20体積%、ワックスが20〜80体積%の
割合になる。有機バインダの主成分で、熱硬化性樹脂は
脱バインダ後の成形体中に炭素成分が多く残り、焼結体
中の粒界に炭素が堆積し、材質をもろくさせるので使用
できない。熱可塑性樹脂を主成分とするのは、脱バイン
ダ後の成形体中に炭素成分がほとんど残らず、熱硬化性
樹脂の欠点を示さないだけでなく濡れ性を改善し射出成
形体の形状保持性に優れているからで、特に、ポリブチ
ルメタクリレ−ト(PBMA)とポリアセタ−ル(PO
M)は、脱バインダ時の熱分解性にすぐれており、熱電
変換材料金属粉末との濡れ性を良くし、射出成形体の強
度を維持することの各要素を勘案すると、エチレン・酢
酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラ−ル
(PVB)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン
(PE)、ポリスチレン(PS)、アタクチックポリプ
ロピレン(APP)を用いることができる。熱可塑性樹
脂を1種以上用いるのは、熱電変換材料金属粉末粉末と
の加熱混練時に粒子表面に均一に有機バインダで覆われ
た混練物を得、射出成形体の形状保持と脱バインダ後の
残留炭素を極力少なくさせるためである。これら熱可塑
性樹脂以外に射出成形時の流動性を向上させるためのワ
ックス成分としてパラフィンワックス(PWAX)、カ
ルナバワックス、蜜蝋、魚油、ポリエチレングリコ−ル
のうち一種以上を用い、低分子量化合物としての可塑材
は、射出成形体の形状保持性を改善するためでジブチル
フタレ−ト(DBP)やジオクチルフタレ−ト(DO
P)等のフタル酸系の化合物を用いられ、低分子量化合
物としての滑材は、潤滑性を向上させるためでステアリ
ン酸、オレイン酸等の脂肪属エステルを用いられる。
【0010】これらの組み合わせにおいて、有機バイン
ダとしては熱可塑性樹脂とワックスの2成分もしくは熱
可塑性樹脂、ワックス及び可塑材と滑材のうち少なくと
も1種類からなる低分子量化合物の3成分からなり、有
機バインダ中の熱可塑性樹脂が80〜20体積%、ワッ
クスが20〜80体積%の割合であることが望ましい。
熱可塑性樹脂が80体積%を越え、ワックスが20体積
%未満であると、射出成形時の流動性が悪くなり、熱電
変換材料金属粉末が射出成形機の金型内に残留し射出成
形ができにくくなる難点がある。逆に熱可塑性樹脂が2
0体積%未満で、ワックスが80体積%を越えると、射
出成形後の成形体の強度が弱く、形状保持性に難点があ
る。得られた熱電変換材料金属粉末に対して、添加する
有機バインダの量は25〜60体積%であり、好ましく
は30〜50体積%である。有機バインダが25体積%
未満になると射出成形時の流動性が著しく低下し、成形
体の形状保持が損なわれもろくなり、良好な成形体を得
ることができない。有機バインダが60体積%を越える
と脱バインダ時に成形体の変形が生じることが多く、焼
結時に有機バインダから発生する熱分解ガスにより、成
形体内部に割れを生じることが多い。
【0011】以上の熱電変換材料粉末と有機バインダの
組み合わせによることで、互いに成分の異なる2種類の
金属粉末とそれぞれに有機バインダを所定の割合で混練
して、粉末粒子表面が有機バインダで覆われた均質混練
物を作り、同時に或いは別々に単一の金型の1或いは2
箇所のゲ−トからの射出成形或いは先ず1種類の均質混
練物から一方だけの射出成形体を作製する。その後、金
型内にその一方の射出成形体を装填した後に、残りの均
質混練物の射出成形をして、それぞれが所定量の材質か
らなる所望の形に成形し異種材料同士が境界で接合した
複合成形体を得る。これは、通常の金属粉末射出成形で
用いるニ−ダ−等の混練機で金属粉末と有機バインダか
らなる均質混練物を作り、2種類の均質混練物を射出成
形機内の金型のそれぞれのゲ−トから型内に押し出し射
出成形する。この場合の射出成形においては、2種類の
均質混練物を同時にしてもよいし、順次均質混練物を1
種類ずつ射出成形してもよい。或いは、先ず1種類の均
質混練物から一方だけの射出成形体を作製し、それを取
り出し、別の金型内にその一方の射出成形体を装填した
後に、残りの均質混練物を射出成形してもよい。何れの
方法でも、この射出成形により、それぞれが所定量の材
質からなる所望の形に成形でき異種材料同士が境界で接
合している複合成形体になる。
【0012】射出成形体を脱有機バインダ、焼結、熱処
理の各工程を経ることにより、所望の形状からなる異種
材料が一体化した熱電変換素子になる。射出成形し得ら
れた成形体を大気中、不活性雰囲気中もしくは真空中で
200℃以上で有機バインダを除去するために加熱脱有
機バインダ処理を行う。この脱有機バインダ温度が低い
と、有機バインダが多く残留するために、後工程の焼結
の際に分解ガスとして放出される際に、成形体の割れ、
膨れ、変形等の欠陥を生じやすい。得られた脱バインダ
体を熱電変換材料の融点より50℃未満以下の温度で焼
結することにより、焼結体を得ることができる。融点よ
り50℃以下では焼結時間が長時間を要し、経済的では
ないし十分に焼結が進行せず、焼結体の密度および強度
が低く健全な焼結体が得られない。融点以上では、形状
保持が損なわれる。本発明による金属粉末射出成形体の
製造方法は、上記で述べた熱電変換材料金属粉末に有機
バインダを所定の割合で加熱混練して、粒子表面が有機
バインダで覆われた均一混練物を作り、射出成形で混合
物を所望の形に成形した成形体とし、これを脱有機バイ
ンダ、焼結、熱処理することにより、所望の形状からな
る異種材料が一体化した熱電変換素子製品が得られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではない。表1
で、高圧水アトマイズ法と比較例としての地金からの粉
砕法で製造したFeSi2系Fe−Si−CoとFe−
Si−Crの熱電変換材料粉末を示す。この場合の粉末
形状として、高圧水アトマイズ法では擬似球形状、粉砕
法では不規則形状である。このようにして得られた粉末
と有機バインダとしてパラフィンワックス(PW)とポ
リブチルメタクリレ−ト(PBMA)、ポリプロピレン
(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、
低密度ポリエチレン(LDPE)のうちの1種類以上か
らなる或いはそれらとステアリン酸とジブチルフタレー
トのうち少なくとも1種以上からなるバインダを表2に
示す割合で配合し、加圧ニ−ダを用いて160℃、60
分間加熱混練して均質化した後、冷却して得られた混練
物を粉砕し、平均5mmの成形材料とした。この各々に
ついて竪型プランジャ式射出成形機を用いて図1に示す
U型成形体を形成した。
【0014】得られた成形体を大気中或いは窒素中で常
温から20℃/hで昇温し、300〜400℃で2時間
保持するという加熱脱バインダ処理を施し、得られた脱
バインダ成形体を真空雰囲気中で400℃/hで昇温し
1170℃で2時間保持し200℃/hで室温まで降温
するという一連の工程にて熱電変換材料の焼結体を得、
この焼結体を大気中で120℃/hで昇温し850℃で
20時間保持し200℃/hで室温まで降温する熱処理
により所望の相変態をさせた。得られた成形体、焼結
体、熱処理体を観察により形状が正常かどうか、異種材
料同士が境界で接合し亀裂が無いかどうか評価し、焼結
体の理論密度比と形状を評価した結果を表3に示した。
【0015】製造法の比較例として、粉砕法で作製した
粉末にポリビニルアルコ−ル(PVA)が乾燥後1重量
%になるようにPVA含有水溶液と混合、乾燥させて造
粒体を作製する。U型の金型内の異種材料同士の接合部
分にしきり板を入れて、分かれたそれぞれの部分に別々
の材質の熱電変換材料金属粉末の造粒体を装入した後
に、しきり板を抜いて、一軸の冷間プレスで成形する。
大気中で120℃/hで昇温し300℃で4時間保持し
200℃/hで室温まで降温する脱脂処理を行った。そ
の後は実施例と同様に、真空雰囲気中で400℃/hで
昇温し1170℃で2時間保持し200℃/hで室温ま
で降温するという一連の工程にて熱電変換材料の焼結体
を得、この焼結体を大気中で120℃/hで昇温し85
0℃で20時間保持し200℃/hで室温まで降温する
熱処理により所望の相変態をさせた。この場合、手作業
による成形体の作製に要する時間は、15分/個で、形
状保持は良好であった。脱脂を行うと、形状保持の維持
は難しく、わずかな振動でも形が崩れるために慎重な取
扱いを要する。また、焼結体の理論密度比は平均88%
なり、生産性と焼結性ともに低い結果であった。また、
得られて熱電変換素子の熱電変換効率は、本実施例によ
るものは、発生電圧、取り出し可能な電流容量ともに十
分なレベルであった。対して、比較例によるものは、発
生電圧は、十分なレベルであったが、取り出し可能な電
流容量は少なく、不十分であった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表1、表2、表3における各記号の意味を
下記に示した。 ◎ 擬似球形形状 ☆ 不規則形形状 Dmax レ−ザ回折法による最大粒径 μm Dmean レ−ザ回折法による平均粒径 μm SWB BET法による比表面積 cm2/g TD/D 充填密度と真密度比 % O 酸素量 重量% PP ポリプロピレン LDPE 低密度ポリエチレン PBMA ポリブチルメタクリレ−ト EVA エチレン−酢酸ビニル共重合体 PW パラフィンワックス ST ステアリン酸 DBP ジブチルフタレ−ト 〇 金型通りの形状を保持する。 △ 金型通りの形状を一部保持しな場合がある。 × 金型通りの形状を維持できない。 ― 前工程の結果から測定できない。 ◇ 焼結体の欠陥がない。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の製
造方法によれば、汎用の高圧水アトマイズ方法で熱電変
換材料金属粉末を安価に製造することができるようにな
った。更に熱電変換材料金属粉末と有機バインダを所定
の割合で混練した均質混練物を作り、同時に或いは別々
に2箇所のゲ−トからの射出成形で異種材料が接合した
複合成形体となり脱有機バインダ、焼結、熱処理するこ
とにより、所望の形状からなる異種材料が一体化した複
合焼結体を得られるようになった。射出成形体は、成形
体に欠陥がなく、脱有機バインダ工程で形状の保持がで
き、焼結、熱処理後も膨れ、割れ、表面剥離、変形、異
種材料接合面の亀裂、割れ等の欠陥も全く認められな
い、良好な性状の複合焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】U型熱電変換素子成形体(正面図)である。
【符号の説明】
1 Fe-Si-Co 成分 2 Fe-Si-Cr 成分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電変換材料金属粉末として粉末の凝集
    がなく球形状もしくは偽似球形状でレ−ザ回折法による
    粒径で最大10〜53μm、平均3〜25μm、充填密
    度が真密度の40〜70%、BET法による比表面積が
    1000〜7000cm2/g、酸素量が0.01〜
    0.5重量%である金属粉末を用い、有機バインダとし
    ては熱可塑性樹脂とワックスの2成分もしくは熱可塑性
    樹脂、ワックス及び可塑材と滑材のうち少なくとも1種
    類からなる低分子量化合物の3成分から構成しかつ有機
    バインダ中の熱可塑性樹脂が80〜20体積%、ワック
    スが20〜80体積%の割合になるようにし、熱可塑性
    樹脂とワックスの2成分もしくは熱可塑性樹脂、ワック
    ス及び可塑材と滑材のうち少なくとも1種類からなる低
    分子量化合物の各々が1種以上から成る有機バインダを
    用い、熱電変換材料金属粉末と有機バインダを混練した
    射出成形用の均質混練物において、有機バインダの添加
    量が25〜60体積%であることを特徴とする熱電変換
    素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 互いに成分の異なる2種類の金属粉末と
    それぞれに有機バインダを所定の割合で混練して、粉末
    粒子表面が有機バインダで覆われた均質混練物を作り、
    同時に或いは別々に単一の金型の1或いは2箇所のゲ−
    トからの射出成形でそれぞれが所定量の材質からなる所
    望の形に成形し異種材料同士が境界で接合した複合成形
    体となることを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 互いに成分の異なる2種類の金属粉末と
    それぞれに有機バインダを所定の割合で混練して、粉末
    粒子表面が有機バインダで覆われた均質混練物を作り、
    先ず1種類の均質混練物から一方だけの射出成形体を作
    製し、その後、金型内にその一方の射出成形体を装填し
    た後に、残りの均質混練物の射出成形をして、それぞれ
    が所定量の材質からなる所望の形に成形し異種材料同士
    が境界で接合した複合成形体とすることを特徴とする熱
    電変換素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 特許請求の範囲第2、3項に記載の射出
    成形体を脱有機バインダ、焼結、熱処理することによ
    り、所望の形状からなる異種材料が一体化した熱電変換
    素子を得ることを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
JP9133103A 1997-05-23 1997-05-23 熱電変換素子の製造方法 Pending JPH10317006A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004307961A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Taisei Kogyo Kk 粉体焼結成形体の製造方法、粉体射出成形体、粉体射出成形体の製造方法、粉体射出成形体及び粉体射出成形用金型装置
JP2012054569A (ja) * 2011-09-30 2012-03-15 Seiko Epson Corp 軟磁性粉末、軟磁性粉末の製造方法、圧粉磁心および磁性素子

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JP2012054569A (ja) * 2011-09-30 2012-03-15 Seiko Epson Corp 軟磁性粉末、軟磁性粉末の製造方法、圧粉磁心および磁性素子

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