JPH093510A - 金属粉末射出成形用銅粉末及びそれを用いた射出 成形品の製造方法 - Google Patents

金属粉末射出成形用銅粉末及びそれを用いた射出 成形品の製造方法

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JPH093510A
JPH093510A JP7155659A JP15565995A JPH093510A JP H093510 A JPH093510 A JP H093510A JP 7155659 A JP7155659 A JP 7155659A JP 15565995 A JP15565995 A JP 15565995A JP H093510 A JPH093510 A JP H093510A
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copper powder
powder
copper
electrolytic deposition
injection
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Application number
JP7155659A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Wada
仁 和田
Yoshinobu Yakida
吉信 八木田
Yoshimitsu Sagawa
喜光 寒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Metal Foil and Powder Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑3次元形状で寸法精度の高い金属粉末射
出成形用銅粉末とそれを用いた射出成形品の製造方法を
提供することを目的とする。 【構成】 電解析出法で得られた銅粉末を原料として粉
砕、表面処理、熱処理加工を組み合わせることを特徴と
する製造方法で銅粉末の凝集がなく個々の粉末が独立さ
せたままの微細粒形状でレ−ザ回折法による粒径で最大
10〜53μm、平均3〜25μm、充填密度3.5〜
5.5g/cm3 、 BET法による比表面積が1000
〜7000cm2/g、還元減量値が0.01〜2.0重
量%であることを特徴とする金属粉末射出成形用銅粉末
とそれに有機バインダを所定の割合で混練して、粒子表
面に有機バインダで覆われた混練物を作り、射出成形で
混合物を所望の形に成形した成形体とし、これを脱バイ
ンダ、焼結することにより、所望の形状からなる銅焼結
体を得る製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解析出法で製造した
銅粉末を利用して粉砕、表面処理、熱処理加工を特徴と
する製造方法で、安価な金属粉末射出成形用銅粉末とそ
れに有機バインダを所定の割合で混練して、粒子表面に
有機バインダで覆われた混練物を作り、射出成形で混合
物を所望の形に成形した成形体とし、これを脱バイン
ダ、焼結することにより、所望の形状からなる銅焼結体
を得る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の機械加工法では作りにくいような
三次元の複雑な形状で寸法精度の高い金属部品の製造方
法としては、ロストワックス法等の精密鋳造法が以前よ
りあるが、最近では金属粉末と合成樹脂等からなる有機
バインダの加熱混合物を射出成形し、その後加熱等によ
り脱バインダ処理を施し、焼結するという金属粉末射出
成形法が注目され、精密機械部品の製造法として採用さ
れてきている。特にステンレス鋼粉末を中心とした鉄系
金属粉末を用いて、各種機械部品が実用化されている。
【0003】銅粉末を用いた金属粉末射出成形について
は、公開特許公報 平3-100101で既に提案されている。
しかし、一般的に、加熱脱有機バインダ処理工程での温
度が500℃を越えることにより銅の融点に近づくため
に、一部銅粉末同志の拡散、接合が開始する。これによ
り、内部に生成した微細な空孔に有機バインダに起因す
るガスが閉じこめられ、外部に放出できずに焼結時に一
部残留し、焼結体の密度を低下するだけでなく、変形、
膨れ、割れ等により形状保持を損なう問題がある。ま
た、銅系の金属粉末射出成形法で現在利用されている銅
粉末は溶湯噴霧法によるために、形状が球に近く、流動
性が良くなるが成形性が悪く、そのために射出成形後の
形状保持に難しさがある。また溶湯噴霧法により得られ
た銅粉末では粒度範囲が広く、粗粉を除くための分級処
理で射出成形用銅粉末を得るので製造費を引き上げ、更
に焼結体の最終製品価格を引き上げるという難点があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工業的な銅粉末の製造
方法には、溶湯噴霧法、電解析出法、化学還元法、機械
粉砕法があるが、金属粉末射出成形法に適用できる銅粉
末の製造方法として一部実用化検討されているのは溶湯
噴霧法である。溶湯噴霧法で製造された銅粉末は一般の
粉末冶金法では通常使用されているが、粒度範囲が広
く、金属粉末射出成形に用いるためには、分級等による
粒度選別により適当な範囲に粒度制御を必要とすること
から、適用できる銅粉末の歩留まりが低下し、製造費が
高価になるという欠点を持つ。また、この製造方法で作
られた銅粉末は球形状に近く、使用する有機バインダ量
が少ない利点があるものの、粉末の流動性が大きく、脱
有機バインダ工程後の形状保持性に難点があり、脱有機
バインダ工程又は焼結工程で変形等を生じることがある
ので量産性に難がある。次に、電解析出法では、溶湯噴
霧法で製造された銅粉末よりも安価になる利点を持つ
が、銅粉末の形状が樹枝状の不規則形状であるために、
有機バインダとの混練時に充分な混合をしても、射出成
形時に有機バインダと銅粉末が分離し、有機バインダだ
けが射出され、銅粉末が射出成形機の金型に残留し射出
成形が出来ない難点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めの方法として、本発明を完成した。即ち、電解析出法
により得られたレ−ザ回折法による粒径で最大53〜1
25μm、平均25〜50μm、BET法による比表面
積が1000〜4000cm2/g以上の電解析出銅粉末
を利用して、(1)乾式流体エネルギ−ミルで該電解析
出銅粉末同士を衝突させることにより或いは該電解析出
銅粉末を衝突板に衝突させることにより該電解析出銅粉
末を粉砕しながら微細粒形状にすること、(2)油脂を
添加し均一に混合することにより該電解析出銅粉末の表
面を油脂で被覆すること(3)還元性雰囲気中での熱処
理により銅粉末表面の清浄化と材質を軟質化させること
のうちの(1)を含めての1以上の工程を有し、銅粉末
表面を被覆する油脂として、脂肪酸を用い銅粉末に対す
る添加量を、0.05〜1.0重量%とすることを特徴
とする製造方法である。得られた銅粉末としては粉末の
凝集がなく個々の粉末が独立したままの微細粒形状でレ
−ザ回折法による粒径で最大10〜53、平均3〜25
μm、充填密度3.5〜5.5g/cm3 、 BET法に
よる比表面積が1000〜7000cm2/g、還元減量
値が0.01〜2.0重量%であることを特徴とし、金
属粉末射出成形用に利用できる安価な銅粉末である。ま
た、得られた銅粉末に熱可塑性樹脂としてポリプロピレ
ン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のう
ちから1種以上とパラフィンワックス、ポリブチルメタ
クリレ−トから成る有機バインダの添加量が25〜60
体積%の割合で混練して、粒子表面に有機バインダで覆
われた混練物を作り、混合物を所望の形に成形した成形
体とし、これを脱バインダとして加熱除去する工程を有
し、成形体を焼結することにより、所望の形状からなる
銅焼結体を得ることを特徴とする射出成形品の安価な製
造方法である。
【0006】
【作用】本発明において、出発原料となる銅粉末として
は、電解析出法によって得られたレ−ザ回折法による粒
径で最大53〜125μm、平均25〜50μm、BE
T法による比表面積が1000〜4000cm2/gの銅
粉末であることが必要である。その範囲外である粒径の
大きな銅粉末では、樹枝形状が大きく発達し、銅粉末同
志の相互の衝突力で枝部等が折れて粉砕しても、目的と
する粒度で、微細粒形状した銅粉末を得ることはできな
い。また、その範囲外である粒径の小さな銅粉末では、
樹枝形状が発達しておらず、銅粉末同志の相互の衝突力
で折れて粉砕しても、目的とする粒度で、高充填密度の
銅粉末を得ることはできない。BET法による比表面積
が1000〜4000cm2/gの範囲外であるとこの粒
径を得ることができない。粒度が小さく、比表面積の大
きな電解析出銅粉末を製造することは、電解条件を調整
することにより容易に得られる。
【0007】本発明の製造方法において電解析出した銅
粉を粉砕しながら微細粒形状にする粉砕機としては乾式
流体エネルギ−ミルを使用することが効率よく微細粒形
状銅粉末を得る上で好ましい。乾式流体エネルギ−ミル
としては、ジェット・オ−ト・マイザ−、ジェットミル
等の名称で市販されているものが使用できる。他の粉砕
機であるクラッシャ−やボ−ルをメディアとするボ−ル
・ミル、振動ミル、媒体撹拌ミルで粉砕すると電解析出
した銅粉末が、凝集或いは片状化して目的とする微細粒
形状銅粉末が得られない。乾式流体エネルギ−ミルにお
いては、大別して衝突板に高速ジェット流で粒子を衝突
させて微粉化する方法と、旋回式ジェット流中で粉末同
士を衝突させて微粉化する方法の2種類あるが、いずれ
の方法でも効果が認められる。乾式流体エネルギ−ミル
で電解析出銅粉末を粉砕するには、一定量を供給ホッパ
−に投入し、微細粒形状化した銅粉末をバグフィルタ−
等で回収する方法がある。使用する流体は銅粉末の表面
酸化防止のために窒素、アルゴン等の不活性ガスを使用
するのが望ましいが空気でも問題はない。微細粒形状銅
粉末の粒度、形状等は利用する電解析出銅粉末の粒度、
比表面積、粉砕投入量により自由に調整することができ
る。これは、電解析出法により生成した銅粉末は1〜数
μm程度の一次粒子の集合体が成長したもので、機械的
に粉砕化すると微細化と同時に微細化した粒子が衝突し
て接合し粉砕しながら粒形状化し、結果として微細粒形
状銅粉末が得られる。ここでいう微細粒形状とは、図1
に示すものをいい、特徴としては、充填密度が高く、形
状保持性が良好である。図2に示すように溶湯噴霧法で
得られる球形状は、充填密度は高いが、形状保持性が悪
い。図3に示すように樹枝形状は充填密度が低く、形状
保持性が良好であるが流動性が悪い。
【0008】本発明の製造方法において、油脂を添加し
均一に混合する事により銅粉末の表面を油脂で被覆する
のは、銅粉末と合成樹脂等からなる有機バインダとの混
練合物を製造する際に充分に銅粉末の表面に有機バイン
ダが被覆しやすいようにカップリングさせるためで、つ
まり銅粉末と有機バインダとの濡れ性がよくなり、射出
成形時には内部摩擦が少なく成形圧力が小さくなり、金
型の寿命が改善される。同時に、加熱脱有機バインダ時
には銅粉末表面に残留せずに消失する必要がある。この
ための油脂としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸等の飽和脂肪酸やオレイン酸、リノ−ル酸等の
不飽和脂肪酸が適当であり、これらのうち1種以上を
0.05〜1.0重量%以下を添加するとよい。これを
越える添加量では、銅粉末同士が凝集し、粗大化し、合
成樹脂等の有機バインダと充分に混練できなくなる。こ
れ未満であると目的とする機能が得られない。混合する
方法として、市販の混合機が使用できる。
【0009】本発明の製造方法においての還元性雰囲気
中での熱処理方法としては、例えば水素ガス等の還元性
雰囲気下で熱処理することにより、粉砕工程時に生じた
銅粉末表面の酸化膜を除去することによる銅粉末表面の
清浄化と焼鈍作用により銅自体の材質を軟質化させ、射
出成形以後の形状保持に優れた効果があるとともに、焼
結後に酸化物介在による内部欠陥の発生と変形等の発生
を防ぐことができる。
【0010】以上のうちの(1)を含めての1以上の工
程を有することを特徴とする製造方法で製造した銅粉末
を利用して、金属粉末射出成形用に利用できるものとな
った。銅粉末は凝集がなく個々の粉末が独立したままの
微細粒形状でレ−ザ回折法による粒径で最大10から5
3μm、平均3〜25μm、充填密度3.5〜5.5g
/cm3 、 BET法による比表面積が1000〜700
0cm2/g、還元減量値が0.01〜2.0重量%であ
ることで、更に、最大粒径20〜45μm、平均粒径1
0〜20μm、充填密度4.0〜5.0g/cm3 、 比
表面積が2000〜4000cm2/g、還元減量値が
0.01〜1.0重量%であることが望ましい。該範囲
外では、樹枝形状ではたとえ銅粉末と合成樹脂等との混
練時に充分な混合をしても、射出成形時に有機バインダ
と銅粉末の濡れが悪いために容易に分離し、有機バイン
ダだけが射出され、銅粉末が射出成形機の金型に残留し
射出成形ができにくくなる。また、脱有機バインダ処理
後も銅粉末間に有機バインダが残り、焼結後の密度低
下、変形が生じることになる。
【0011】最大粒径53μmを越え、平均粒径25μ
mを越えると、混練時や射出成形時に一部銅粉末の粉砕
により合成樹脂等との配合割合が変わり均一分散が困難
で、射出成形後の形状保持ができなくなるし、最大粒径
53μmを越えると樹枝形状が残るので射出成形時に有
機バインダと銅粉末が分離し、有機バインダだけが射出
され、銅粉末が射出成形機の金型に残留し射出成形がで
きない難点がある。最大粒径10μm未満、平均粒径3
μm未満であると充填密度が3.5g/cm3未満にな
る。充填密度3.5g/cm3 未満であると、焼結後の
密度が真密度の95%以下になり、機械的強度、電気伝
導性が低下する。BET法による比表面積が7000c
2/gを越えると、銅粉末自体の流動性が悪くなり、成
形性を維持する為に有機バインダ量を適量より増やす必
要があり、脱有機バインダ後の変形が起こり易く、焼結
後の寸法変化が大きくなり変形しやすくなる。
【0012】BET法による比表面積が1000cm2/
g未満であると必要とする有機バインダ量は少なくで
き、射出成形時の流動性が良いが、成形後に銅粉末が滑
りやすく形状保持性の維持に難点がある。また得られた
銅粉末に対して添加する有機バインダの量は25〜60
体積%であり、好ましくは30〜50体積%である。有
機バインダが25体積%未満になると射出成形時の流動
性が著しく低下し、成形体の形状保持が損なわれもろく
なり、良好な成形体を得ることができない。有機バイン
ダが60体積%を越えると加熱脱バインダ時に成形体の
変形が生じることが多く、有機バインダから発生する熱
分解ガスにより、成形体内部に割れを生じることが多
い。用いる有機バインダの主成分では熱硬化性樹脂は脱
バインダ後の成形体中に炭素成分が多く残り、銅焼結体
中の粒界に炭素が堆積し、材質をもろくさせるので使用
できない。熱可塑性樹脂を主成分とするのは、脱バイン
ダ後の成形体中に炭素成分がほとんど残らず、熱硬化性
樹脂の欠点を示さないだけでなく濡れ性を改善し射出成
形体の形状保持性に優れているからで、特に、ポリブチ
ルメタクリレ−ト(PBMA)とポリアセタ−ル(PO
M)は、脱バインダ時の熱分解性にすぐれており、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリビニルブチ
ラ−ル(PVB)は銅粉末との濡れ性を良くし、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレ
ン(PS)、アタクチックポリプロピレン(APP)は
射出成形体の強度を維持できる。熱可塑性樹脂を1種以
上用いるのは、銅粉末との加熱混練時に粒子表面に均一
に有機バインダで覆われた混練物を得、射出成形体の形
状保持と脱バインダ後の残留炭素を極力少なくさせるた
めである。これら熱可塑性樹脂以外に射出成形時の流動
性を向上させるためのワックス成分としてパラフィンワ
ックス(PWAX)、カルナバワックス、蜜蝋、魚油、
ポリエチレングリコ−ルを用い、射出成形体の形状保持
性を改善するための可塑剤としてフタル酸系の化合物を
用い、潤滑性を向上させるためにステアリン酸、オレイ
ン酸等の脂肪属エステルが用いられる。
【0013】得られた銅粉末と有機バインダを加熱混練
し、この混合物を射出成形し得られた成形体を大気中、
不活性雰囲気中もしくは真空中で200℃以上で有機バ
インダを除去するために加熱脱バインダ処理を行う。こ
の脱バインダ温度が低いと、有機バインダが多く残留す
るために、後工程の焼結の際に割れ、膨れ等の欠陥が生
じやすい。得られた脱バインダ体を900℃以上の温度
で焼結することにより、銅焼結体を得ることができる。
900℃以下では十分に焼結が進行せず、焼結体の密度
および強度が低く健全な銅焼結体が得られない。
【0014】本発明による金属粉末射出成形用銅粉末及
びそれを用いた射出成形品の製造方法は、上記で述べた
銅粉末に有機バインダを所定の割合で加熱混練して、粒
子表面に有機バインダで覆われた混練物を作り、射出成
形で混合物を所望の形に成形した成形体とし、これを脱
バインダ、焼結することにより、所望の形状からなる焼
結体の銅製品が得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではない。表1
で、電解析出法で製造した銅粉末を日本ニュ−マチック
工業(株)製、ジェットミルPJM200型で流体として空気
を用いて、電解析出銅粉末供給量25kg/hrで粉砕化し、
全量をバグフィルタ−で回収した銅粉末を示す。
【0016】表2で、表1で製造した銅粉末に油脂とし
てステアリン酸を所定量添加した後、混合機で均一に混
合して表面を油脂で被覆した銅粉末或いはこの銅粉末を
更に水素雰囲気中で200℃での熱処理により粉末表面
の清浄化と材質を軟質化させた銅粉末を示す。または、
表1で製造した銅粉末に水素雰囲気中で200℃での熱
処理により粉末表面の清浄化と材質を軟質化させた銅粉
末を示す。このようにして得られた銅粉末と合成樹脂成
分としてパラフィンワックス(PW)、ポリブチルメタ
クリレ−ト(PBMA)とポリプロピレン(PP)、ポ
リエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)のうちの1種類以上からなるバインダを表3
に示す割合で配合し、加圧ニ−ダを用いて160℃、6
0分間加熱混練して均質化した後、冷却して得られた混
練物を粉砕し、平均5mmの成形材料とした。この各々
についてプランジャ式射出成形機を用いて直径6mm、
長さ60mmの成形体を形成した。
【0017】得られた成形体を大気中で常温から8℃/
hで昇温し、320℃で2時間保持するという加熱脱バ
インダ処理を施し、得られた脱バインダ成形体をアルゴ
ン雰囲気中で50℃/hで昇温し300℃で0.5時間
保持し100℃/hで昇温し水素雰囲気にして600℃
で2時間保持、その後、100℃/hで昇温し1040
℃で2時間保持後、200℃/hで室温まで降温すると
いう一連の工程にて銅の焼結体を得た。得られた成形体
及び焼結体を観察により形状が正常かどうか評価し、焼
結体の理論密度と形状を評価した結果を表4に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】第1表、第2表、第3表、第4表における
各記号の意味を下記に示した。 Dmax レ−ザ回折法による最大粒径 μm Dmean レ−ザ回折法による平均粒径 μm SWB BET法による比表面積 cm2/g TD 充填密度 g/cm3 HL 還元減量 wt.% PP ポリプロピレン PE ポリエチレン EVA エチレン−酢酸ビニル共重合体 PW パラフィンワックス PBMA ポリブチルメタクリレ−ト ◎ 銅粉末製造でこの工程がある。 ☆ 銅粉末製造でこの工程がない。 〇 金型通りの形状を保持する。 △ 金型通りの形状を一部保持しな場合がある。 × 金型通りの形状を維持できない。 ― 前工程の結果から測定できない。 ◇ 焼結体の欠陥がない。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の製
造方法によれば、汎用の電解析出の方法が利用でき、か
つ乾式方法で連続的に不純物及び酸化膜の少ない微細粒
状銅粉を安価に製造することができるようになった。更
に得られる銅粉末により得られる金属粉末射出成形体
は、成形体に欠陥がなく、脱バインダ工程で形状の保持
ができ、焼結後も膨れ、割れ、表面剥離、変形等の欠陥
も全く認められない、良好な性状の焼結体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微細粒形状の銅粉末の模式図
【図2】球形状の銅粉末の模式図
【図3】樹枝形状の銅粉末の模式図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅粉末として粉末の凝集がなく個々の粉
    末が独立したままの微細粒形状でレ−ザ回折法による粒
    径で最大10〜53μm、平均3〜25μm、充填密度
    3.5〜5.5g/cm3 、 BET法による比表面積が
    1000〜7000cm2/g、還元減量値が0.01〜
    2.0重量%であることを特徴とする金属粉末射出成形
    用銅粉末。
  2. 【請求項2】 銅粉末として電解析出法で得られたレ−
    ザ回折法による粒径で最大53〜125μm、平均25
    〜50μm、BET法による比表面積が1000〜40
    00cm2/gの電解析出銅粉末を原料として、乾式流体
    エネルギ−ミルで該電解析出銅粉末同士を衝突させるこ
    とにより或いは該電解析出銅粉末を衝突板に衝突させる
    ことにより該電解析出銅粉末を粉砕しながら微細粒形状
    にすることの工程を有することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の金属粉末射出成形用銅粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 銅粉末として電解析出法で得られたレ−
    ザ回折法による粒径で最大53〜125μm、平均25
    〜50μm、BET法による比表面積が1000〜40
    00cm2/gの電解析出銅粉末を原料として、乾式流体
    エネルギ−ミルで該電解析出銅粉末同士を衝突させるこ
    とにより或いは該電解析出銅粉末を衝突板に衝突させる
    ことにより該電解析出銅粉末を粉砕しながら微細粒形状
    にした後に、油脂を添加し均一に混合することにより該
    電解析出銅粉末の表面を油脂で被覆することの工程を有
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の金
    属粉末射出成形用銅粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 銅粉末として電解析出法で得られたレ−
    ザ回折法による粒径で最大53〜125μm、平均25
    〜50μm、BET法による比表面積が1000〜40
    00cm2/gの電解析出銅粉末を原料として、乾式流体
    エネルギ−ミルで該電解析出銅粉末同士を衝突させるこ
    とにより或いは該電解析出銅粉末を衝突板に衝突させる
    ことにより該電解析出銅粉末を粉砕しながら微細粒形状
    にした後に、還元性雰囲気中での熱処理により銅粉末表
    面の清浄化と材質を軟質化させることの工程を有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の金属粉末
    射出成形用銅粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 銅粉末として電解析出法で得られたレ−
    ザ回折法による粒径で最大53〜125μm、平均25
    〜50μm、BET法による比表面積が1000〜40
    00cm2/gの電解析出銅粉末を原料として、乾式流体
    エネルギ−ミルで該電解析出銅粉末同士を衝突させるこ
    とにより或いは該電解析出銅粉末を衝突板に衝突させる
    ことにより該電解析出銅粉末を粉砕しながら微細粒形状
    にした後に、油脂を添加し均一に混合することにより該
    電解析出銅粉末の表面を油脂で被覆し、更に還元性雰囲
    気中での熱処理により銅粉末表面の清浄化と材質を軟質
    化させることの工程を有することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の金属粉末射出成形用銅粉末の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 電解析出銅粉末の表面を被覆する油脂と
    して、脂肪酸を用い銅粉末に対する添加量を、0.05
    〜1.0重量%とすることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項または第5項に記載の金属粉末射出成形用銅粉末
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 特許請求の範囲第1項から第6項に記載
    の金属粉末射出成形用銅粉末に熱可塑性樹脂としてポリ
    プロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体のうちから1種以上とパラフィンワックス、ポリブ
    チルメタクリレ−トから成る有機バインダを添加したも
    のを射出成形し、得られた成形体を焼結する前工程とし
    て前記の有機バインダを加熱除去する工程を有し、成形
    体を焼結することにより、所望の形状からなる銅焼結体
    を得ることを特徴とする射出成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機バインダの添加量が25〜60体積
    %であることを特徴とする特許請求の範囲第7項に記載
    の射出成形品の製造方法。
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