JPH0617485B2 - 射出成形用金属粉末組成物 - Google Patents

射出成形用金属粉末組成物

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JPH0617485B2
JPH0617485B2 JP18869488A JP18869488A JPH0617485B2 JP H0617485 B2 JPH0617485 B2 JP H0617485B2 JP 18869488 A JP18869488 A JP 18869488A JP 18869488 A JP18869488 A JP 18869488A JP H0617485 B2 JPH0617485 B2 JP H0617485B2
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憲正 上杉
武志 藤田
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は射出成形用金属粉末組成物に関するものであ
る。
「従来の技術」 一般に、セラミックスの分野では原料粉体に有機バイン
ダーを配合した混合物に可塑性を付与し、射出成形法に
よりグリーン成形体を得た後、これを脱バインダー焼成
することにより、プレス成形などでは成形不可能な複雑
形状のものを、寸法精度よく量産できることが知られて
いる。
一方、金属焼結部材では古くから、原料粉体に若干の有
機物を混入し、プレス成形農により成形後、焼結するこ
とによる、いわゆる粉末冶金法によって製造されてきた
が、近年、高密度の複雑形状部材を量産性よく製造する
ために、上記のセラミックス製品の製造に用いられてい
る射出成形法を、金属焼結部材の製造に応用しようとい
う試みがなされている。
「発明が解決しようとする課題」 射出成形法による金属焼結部材の製造では、セラミック
スの原料粉末の平均粒径が3μm以下と微細であるのに
対し、 金属焼結部材のそれは、 ・相対的に粗い粒度をもつこと、 ・金属焼結部材に用いられる原料粉末は一般のセラミッ
クス粉末、例えばアルミナなどに比べて比重の高い場合
が多いこと、 ・一般のセラミックス粉末、例えばアルミナなどの酸化
物系セラミックスに比べると、バインダー類とのぬれ性
がわるいこと などの理由で、セラミックス製品製造の場合と同様な条
件で製造しようとしても射出成形性不良、グリーン成形
体の強度不足、脱バインダー時の変形などセラミックス
のように良好な焼結部材を製造することが困難であるば
かりか、前工程のグリーン成形体ですら満足に製造する
ことができないのが現状である。
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたものであっ
て、射出成形法によって複雑な形状を有し、かつ高密度
な金属焼結部材を工業的に量産性よく製造できるような
射出成形用金属粉末組成物を提供することを課題とする
ものである。
「課題を解決するための手段及び作用」 本発明は、金属粉末100重量部に対して、有機バイン
ダー5〜15重量部を配合してなる射出成形用金属粉末
組成物において、 有機バインダーが、ポリスチレン5〜30重量%、ポリ
ブチルメタクリレート5〜35重量%及びエチレン酢酸
ビニル共重合体5〜25重量%を必須成分として含有す
ることを特徴とする射出成形用金属粉末組成物である。
(手段を構成する要件) 本発明に使用する有機バインダーとしてはポリスチレ
ン、ポリブチルメタクリレート及びエチレン酢酸ビニル
共重合体からなる熱可塑性樹脂を必須成分として含有す
るものである。
ポリスチレン、ポリブチルメタクリレート及びエチレン
酢酸ビニル共重合体は、いずれも公知の市販されている
ものであり、それらの配合割合は、有機バインダー中に
ポリスチレンが5〜30重量%、ポリブチルメタクリレ
ートが5〜35重量%、エチレン酢酸ビニル共重合体が
5〜25重量%存在するよう配合されるものである。
有機バインダーにおける熱可塑性樹脂各々の作用及び配
合割合について言えば、ポリスチレンは、粉体に対して
優れたバインダー効果を有し粒子同士を強く結合し、ま
たそれ自身、非常に射出成形性の良い熱可塑性樹脂であ
って、グリーン成形体に強度を付与し、特に肉薄部の破
損防止などに有効であり、さらにグリーン成形体に優れ
た保形性を付与し、成形体のハンドリングを容易にする
ものであるが、その配合量が5重量%未満の場合、前記
の効果が得られず30重量%を越えた場合、混合物の流
動性が低下し、射出成形性が損なわれる。ポリブチルメ
タクリレートは、ポリスチレン同様、粉体に対し優れた
バインダー効果を示しグリーン成形体の強度付与に大変
有効な熱可塑性樹脂である。ポリスチレン、エチレン酢
酸ビニル共重合体が300℃以上でなければ実質的に熱
分解が開始されないのに対し、ポリブチルメタクリレー
トは220〜240℃で熱分解が起こることから、これ
ら三成分の共存系においては、バインダーの熱分解温度
範囲が広がり、加熱分解で脱バインダーをする場合、バ
インダーの熱分解が急激に起こらず徐々に進行するた
め、成形体のフクレ、亀裂、変形などの防止に大変有効
であるが、その配合量が5重量%未満の場合前記の効果
が得られず、35重量%を越えた場合、混合物の流動性
が低下し、射出成形性が損なわれ、金型からの離型が悪
くなる。
さらにエチレン酢酸ビニル共重合体も粉体に対し優れた
バインダー効果を示し、グリーン成形体の強度を高め、
成形体に弾性を付与する。また、混合物の流動性を高
め、射出成形を容易にならしめるばかりか、加熱分解で
脱バインダー処理をする場合他の成分が熱分解して除去
されている間、成形体の形状を保つ作用を有するもので
あるが、その配合量が5%未満の場合前記の効果が得ら
れず、25%を越えた場合加熱分解で脱バインダー処理
する時、成形体のフクレ現象が顕著となり、脱バインダ
ーを困難に至らしめる。
また本発明の有機バインダーは、必要に応じてワック
ス、可塑剤、潤滑剤等の添加剤を適宜含有するものであ
る。
これらの成分は、混合物に可塑性を付与し流動性を向上
させ、また粉体とのぬれ性を高め、混合物を均一化する
作用を有するものである。
ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス等、 可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジブチ
ルフタレート等、 潤滑剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸金
属塩等が挙げられ、通常セラミックスの射出成形に使用
されるものなら、いかなるものも使用可能である。
また、これらの成分は、通常の使用範囲で用いられるの
が好ましく、ここでは特にその使用量は限定しないが、
常識を越えて使用された場合、グリーン成形体の強度が
著しく低下したり、加熱分解で脱バインダー処理する場
合、著しく変形を生じたりすることは言うまでもない。
次に本発明に使用する金属粉末としては、例えばステン
レス鋼粉末、カーボニル鉄粉末等が挙げられる。
これらの粒径(平均粒径)は1〜50μmであることが
好ましい。平均粒径が1μm未満と細かくなると、相対
的に粉末の比表面積が増大し、バインダーの使用量を増
やしても多くの場合射出成形に適した流動特性を有する
混合物を得るのが困難になり、また射出成形可能でも、
その後の脱バインダー工程を円滑に行うことが難しく脱
バインダー後の成形体はもろくハンドリングが困難とな
る。一方、50μmを越えた粗い粒度の粉末の場合、グ
リーン成形体及び脱バインダー後の加熱成形体の強度が
著しく低下する。
本発明にかかる射出成形用金属粉末組成物は前記金属粉
末100重量部に対し前記有機バインダー5〜15重量
部を配合したものである。
有機バインダーの使用量が、5重量部未満の場合射出成
形用材料としての混合物の流動性が不足し、所望の形状
に成形することが困難となり、一方15重量部を越えた
場合、成形品の密度が上がらず、焼成時における収縮が
大きくなり、寸法精度をおとすばかりか、加熱分解によ
り脱バインダーを行なう場合、多量のガスが発生し、著
しく困難となる。
本発明にかかる射出成形用金属粉末組成物を用いた金属
焼結部材の製造は、以下のようにして行なうものであ
る。
まず、本発明の組成物である金属粉末と有機バインダー
を加圧ニーダーのような混練機で十分加熱混練し、有機
バインダー中に金属粉末を均一に分散させた後、適当な
形状、例えば粗粉砕物又はペレット状にし、射出成形用
材料とする。
次にこの材料を通常プラスチック成形で使用されている
公知の装置及び方法により、射出成形し、所望の形状の
成形体とする。
この後、成形体より加熱分解などの方法で有機バインダ
ーを除去し、適宜最適の温度及び雰囲気で焼成すること
により所望の形状の金属焼結部材が得られる。
金属粉末の射出成形では、使用される金属粉末に適した
有機バインダーの組合せ、配合割合、使用量を求めるこ
とが非常に大切であり、特に必須成分である熱可塑樹脂
は重要で、その種類、配合量を誤まると有機バインダー
中に金属粉末を均一に分散できなくなるばかりか、成形
用材料の流動性不足による射出成形不良、グリーン成形
体の著しい強度不足によって金型からの取出し及び次工
程までの移動、保存中に破損を生じたり、脱バインダー
時、成形品に亀裂、フクレ、変形等を生じたりする。さ
らに有機バインダーの熱安定性が悪い場合、射出成形時
にシリンダー内で有機バインダーの劣化が起こり、射出
不良となる。
「実施例」 実施例1. 平均粒径7.4μmを有するJIS・304ステンレス
鋼粉末100重量部に対し、ポリスチレン1.96重量
部、ポリブチルメタクリレート2.52重量部、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体1.12重量部、ワックスとして
58℃の融点を有するパラフィンワックス4.4重量
部、可塑剤としてジブチルフタレート1重量部を加圧ニ
ーダーで150℃で1時間加熱混練した後、混練物を3
×3×4mm程度のペレットにし、射出成形用材料とす
る。
これを成形温度120〜160℃、射出圧力500〜1
000kg/cmの条件で高さ50mm、最大肉厚5
mmのJIS B−1176に定められたボルトを成形
する。
得られた成形物をN2雰囲気中、室温から120℃まで
を3時間で昇温し、120℃以上以降は、5〜15℃/
時間の昇温速度で450℃まで昇温し、同温度で2時間
保持し、有機バインダーを加熱分解、除去した後、13
50℃の温度で1時間真空焼成した。
得られた焼結体は、理論密度比95%のクラック等の欠
陥のない良好な焼結体であった。
実施例2. 平均粒径14μmを有するカーボニル・鉄粉100重量
部に対してポリスチレン1.82重量部、ポリブチルメ
タクリレート2.08重量部、エチレン酢酸ビニル共重
合体1.3重量部、ワックスとして融点69℃を有する
パラフィンワックス3.8重量部、潤滑剤としてステア
リン酸1重量部を、加圧ニーダーで150℃で1時間、
加熱混練した後、実施例1と同様にボルトを成形、脱バ
インダーする。これを還元性雰囲気中、1200℃の温
度で1時間焼結した。
得られた焼結体は、理論密度比90%の欠陥のない良好
な焼結体であった。
実施例3. 平均粒径32μmを有するJIS・316ステンレス鋼
粉末100重量部に対して、ポリスチレン1.55重量
部、ポリブチルメタクリレート3.15重量部、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体1.6重量部、ワックスとして融
点84℃のマイクロクリスタリンワックス5.2重量
部、可塑剤としてジブチルフタレート1重量部を用いる
以外は、実施例1と同様に加熱混練、成形、脱バインダ
ー、焼結を行なった。
得られた焼結対は、理論密度比86%の全くクラック等
の欠陥のない良好な焼結体であった。
比較例. 実施例1で使用した金属粉末100部に対して、ポリブ
チルメタクリレート1.74重量部、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体4.06重量部、ポリエチレンワックス4.
2重量部、ステリン酸1重量部を、加圧ニーダーで14
0℃、1時間加熱混練し、成形温度130℃で実施例1
と同様のボルトを成形する。
これをN2雰囲気中、室温から120℃までを3時間で
昇温し、120℃以降は、3℃/時間の昇温速度で45
0℃まで昇温し、同温度で2時間保持し脱バインダーを
行なったが、脱脂工程中、著しくフクレを生じ満足に脱
バインダーできなかった。
「発明の効果」 本発明に従って得られる射出成形用金属粉末組成物を使
用すれば、従来と異なり、射出成形法によって複雑な形
状を有し、かつ高密度な金属焼結部材が工業的に製造可
能となり、当該技術分野に大きく寄与しうる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末100重量部に対して、 有機バインダー5〜15重量部を配合してなる射出成形
    用金属粉末組成物において、 有機バインダーが、ポリスチレン5〜30重量%、ポリ
    ブチルメタクリレート5〜35重量%及びエチレン酢酸
    ビニル共重合体5〜25重量%を必須成分として含有す
    ることを特徴とする射出成形用金属粉末組成物。
JP18869488A 1988-07-28 1988-07-28 射出成形用金属粉末組成物 Expired - Lifetime JPH0617485B2 (ja)

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