JPH10316919A - エマルジョンインク、これを用いた孔版印刷方法及び多色刷り孔版印刷装置 - Google Patents

エマルジョンインク、これを用いた孔版印刷方法及び多色刷り孔版印刷装置

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JPH10316919A
JPH10316919A JP14342497A JP14342497A JPH10316919A JP H10316919 A JPH10316919 A JP H10316919A JP 14342497 A JP14342497 A JP 14342497A JP 14342497 A JP14342497 A JP 14342497A JP H10316919 A JPH10316919 A JP H10316919A
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ink
emulsion ink
emulsion
printing
ultraviolet
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JP14342497A
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Hiroshi Adachi
浩 安達
Koichi Oshima
孝一 大嶋
Eiichi Kawamura
栄一 川村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性及び印刷機内での機上保存安定性
に優れ、しかも紫外線による乾燥定着性が良好である油
相及び水相からなるエマルジョンインクと、版胴のイン
ク汚れ及び画像のだぶり(ゴースト)がなく鮮明な画像
が得られ、印刷物同士が重なった際にもインク転移によ
る印刷物のインク汚れがない孔版印刷方法及び多色刷り
孔版印刷装置を提供すること。 【解決手段】 油相及び水相からなるエマルジョンイン
クにおいて、油相又は水相に少なくとも紫外線硬化性化
合物と非光反応性油性希釈剤とを含有してなるエマルジ
ョンインク、及び該インクを用いる孔版印刷方法と多色
刷り孔版印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエマルジョンインク
とこれを用いた印刷方法及び多色刷り孔版印刷装置に関
し、詳しくは、貯蔵安定性及び印刷機内での機上保存安
定性に優れ、しかも紫外線による乾燥定着性が良好なエ
マルジョンインクと、版胴のインク汚れがない孔版印刷
方法及び多色刷り孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方法は、周知のように孔版印刷
用原紙を用い、この原紙に微細な穿孔の集合体からなる
画像パターンを形成して刷版とし、この刷版の穿孔部を
通して刷版の一方の側から他方の側へインクを移動させ
ることにより、紙等の被印刷体表面に印刷を行うもので
ある。
【0003】従来単色印刷が一般的であったが、近年で
はカラー化の要望から、2色以上のインク室あるいは2
つ以上のドラムを搭載する多色刷り孔版印刷方法が提案
されている。例えば、特開平2−245373号公報に
は、版胴内を複数のインキ室に分け、それぞれの部屋の
外周長さと同じ円周長を持つ用紙保持ドラムを備えた多
色孔版印刷用装置が開示されている。また、特開平6−
135113号公報には、版胴を複数のインキ室に分
け、且つオフセットローラーを備えた謄写版多色印刷方
法が開示されている。ただ、孔版印刷方式による2色以
上の印刷物を得ようとする場合、受像紙上の1色目のイ
ンクが2色目以後の版胴に転移して2色目以後の版胴を
汚してしまい、受像紙搬送の位置精度が低い場合、画像
のダブリ(ゴースト)の不具合が生じる。
【0004】そこで、この不具合を解決することを目的
として、以下に挙げる提案がなされている。即ち、特開
平4−329175号公報には、複数の版胴と用紙保持
ドラムとの位置を自動的に調整する機構を備えた多色刷
り印刷装置が開示されている。特開平4−105984
号公報には、2つの版胴を有し、1つ目の版胴が受像紙
の送り作用を終了する前に、2つ目の版胴が送り作用を
開始する受像紙搬送機構を備える多重孔版印刷法が開示
されている。特開平5−254237号公報には、複数
の版胴を有し、インクに対して非親和性の表面層を形成
した孔版印刷用原紙を用いる多色孔版印刷方法が開示さ
れている。特開平7−40643号公報には、2つ目の
版胴にダブルフェイスマスターを用いることで、1色目
のインクをダブルフェイスマスターの凹部で吸収する孔
版印刷方法が開示されている。
【0005】しかし、特開平4−329175号公報の
装置においては、自動調整の精度に限界があり、また自
動調整機構を搭載することにより印刷装置のコスト上昇
を招く。特開平4−105984号公報の方法において
は、受像紙が2つ目の版胴と加圧ローラーに狭まれる直
前に、版胴あるいは加圧ローラーと衝突して狭まれるタ
イミングがずれて、搬送方向の位置のずれが生じてしま
う。特開平5−254237号公報の方法においては、
初期の効果はあるが、印刷枚数が多くなると次第に効果
が薄れてしまう。特開平7−40643号公報の方法に
おいては、受像紙搬送の位置精度が確保された場合に初
めて効果を発揮する。このように前記の提案では、受像
紙上の1色目のインクが2色目以後の版胴に転移して2
色目以後の版胴を汚してしまい、画像のダブリ(ゴース
ト)が生じる不具合を避けることができなかった。
【0006】この問題に対して、インクの乾燥定着性を
向上させることで解決しようとする提案がなされてい
る。即ち、特開平8−3501号公報には、紫外線硬化
型インクとHLB10以下の非イオン系界面活性剤とか
らなる油相中に水相が微分散されてなる紫外線硬化型孔
版印刷用エマルジョンインクが開示されている。これに
より、インクの乾燥定着性において一応の向上が得られ
る。しかしながら、高速印刷する際の乾燥定着性には未
だ不十分であり、更には経時によりインクのゲル化が生
じるという不具合を抱えるため、貯蔵安定性及び印刷機
内での機上保存安定性の面で満足できるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、貯蔵安定性及び印刷機内での機上保存安定性
に優れた油相及び水相からなるエマルジョンインクと、
版胴のインク汚れがない孔版印刷方法及び多色刷り孔版
印刷装置を提供することにある。また、第二の目的は、
紫外線による乾燥定着性が良好である油相及び水相から
なるエマルジョンインクと、版胴のインク汚れがない孔
版印刷方法及び多色刷り孔版印刷装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意研究した結果、油相及び水相からなる
エマルジョンインクが油相又は水相に少なくとも紫外線
硬化性化合物と非光反応性油性希釈剤とを含有すること
により、貯蔵安定性及び印刷機内での機上保存安定性に
優れたものとなることを見いだし、更に該エマルジョン
インクを用いることにより、版胴のインク汚れ及び画像
のだぶり(ゴースト)がなく鮮明な画像が得られ、印刷
物同士が重なった際にもインク転移による印刷物のイン
ク汚れがない孔版印刷方法及び多色刷り孔版印刷装置を
見いだし、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明によれば、第一に、油相及び
水相からなるエマルジョンインクにおいて、油相又は水
相に少なくとも紫外線硬化性化合物と非光反応性油性希
釈剤とを含有してなることを特徴とするエマルジョンイ
ンクが提供される。第二に、水相の粒径が100μm未
満であることを特徴とする上記第一に記載したエマルジ
ョンインクが提供される。第三に、更に乳化剤を含有
し、しかも該乳化剤のHLB値が5.0以下であること
を特徴とする上記第一に記載したエマルジョンインクが
提供される。第四に、前記乳化剤がインク全量に対して
0.5重量%以上含有してなることを特徴とする上記第
三に記載したエマルジョンインクが提供される。第五
に、前記紫外線硬化性化合物が少なくとも紫外線硬化性
樹脂と光重合開始剤からなることを特徴とする上記第一
に記載したエマルジョンインクが提供される。第六に、
前記紫外線硬化性樹脂がインク全量に対して19〜31
重量%、あるいは油相全量に対して49〜82重量%含
有してなることを特徴とする上記第五に記載したエマル
ジョンインクが提供される。第七に、前記光重合開始剤
がインク全量に対して1.0重量%以上含有してなるこ
とを特徴とする上記第五に記載したエマルジョンインク
が提供される。第八に、前記光重合開始剤が少なくとも
下記化合物群の中の1種であることを特徴とする上記第
五に記載したエマルジョンインクが提供される。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】 第九に、前記紫外線硬化性樹脂がアクリル系モノマー又
はアクリル系オリゴマーであることを特徴とする上記第
五に記載したエマルジョンインクが提供される。第十
に、更に着色剤を含有し、しかも該着色剤がインク全量
に対して4.0重量%未満含有してなることを特徴とす
る上記第一に記載したエマルジョンインクが提供され
る。第十一に、水相に更にゲル化成分を含有してなるこ
とを特徴とする上記第一に記載したエマルジョンインク
が提供される。
【0010】また、本発明によれば、第十二に、サーマ
ルヘッド又は加熱作用を有するレーザ光線又はフラッシ
ュ光源により感熱孔版印刷用原紙を穿孔する工程、穿孔
された該感熱孔版印刷用原紙を孔版印刷用版胴へ装着す
る工程、穿孔された該感熱孔版印刷用原紙の穿孔部に上
記第一〜第十一のいずれかに記載したエマルジョンイン
クを通過させる工程、該通過インクを印刷用紙へ転移す
る工程及び該転写インク上へ紫外線を照射する工程を含
むことを特徴とする孔版印刷方法が提供される。第十三
に、サーマルヘッド又は加熱作用を有するレーザ光線又
はフラッシュ光源により感熱孔版印刷用原紙を穿孔する
手段、穿孔された該感熱孔版印刷用原紙を孔版印刷用版
胴へ装着する手段、穿孔された該感熱孔版印刷用原紙の
穿孔部に上記第一〜第十一のいずれかに記載したエマル
ジョンインクを供給する手段、該穿孔部を通過したイン
クを印刷用紙へ転移する手段及び該転写インク上へ紫外
線を照射する手段を具備し、且つ、2つ以上の版胴を搭
載し各々の版胴に異なる色の上記第一〜第十一のいずれ
かに記載したエマルジョンインクを用いることを特徴と
する多色刷り孔版印刷装置が提供される。第十四に、4
つの版胴を搭載し、各々の版胴にシアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラックの上記第一〜第十一のいずれかに記載
したエマルジョンインクを用いることを特徴とする上記
第十三に記載した多色刷り孔版印刷装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のエマルジョンインクは、紫外線硬化性化合
物と非光反応性油性希釈剤を必須成分として含有するも
のであり、油性成分からなる油相と水性成分からなる水
相により構成され、油相及び水相は適切な乳化剤を添加
することにより分散乳化され、油中水滴型あるいは水中
油滴型のエマルジョンの形態をとる。本発明の紫外線硬
化性化合物を含有したエマルジョンインクも、これら二
種の型に分類することができ、インクの貯蔵安定性及び
印刷機内での機上保存の条件により適切な型が選択され
る。一般的には長時間の貯蔵安定性及び機上保存安定性
の観点から、油中水滴型エマルジョンインクが好まし
い。
【0012】非光反応性油性希釈剤は、貯蔵安定性及び
印刷機内での機上保存安定性の向上を目的として添加さ
れる。非光反応性油性希釈剤を添加しない場合、インキ
のゲル化が生じやすく、貯蔵安定性及び印刷機内での機
上保存安定性は損なわれる。非光反応性油性希釈剤とし
ては、ひまし油、あまに油、トール油、大豆油等の植物
油、スピンドル油、流動パラフィン、ギヤ油、機械油、
マシン油等の石油系の高沸点油、エチレン、プロピレ
ン、ブテン等の不飽和炭化水素の重合によって得られた
合成油、又は日本石油化学社製のアイゾール300、出
光石油化学社製のIPソルベント1620、IPソルベ
ント2028、エクソン化学社製のアイソパーG、アイ
ソパーH、アイソパーL、アイソパーM等の中沸点油が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】本発明のエマルジョンインクは、適切な乳
化剤、紫外線硬化型樹脂、重合開始剤の種類・濃度を選
択することで乳化状態が良好となり、水相の粒径が10
0μm未満となるように調製することにより、紫外線に
よる乾燥定着性が向上する。これは硬化膜の網目構造が
より密になり、印刷時の版胴、加圧ローラーから加えら
れる機械的ストレスに耐えうる硬化膜が得られるためと
考えられる。更に、かかる条件により、インキ表面の光
沢が増し、そのインクによる印字画像は光沢のある鮮明
な画像が得られる。
【0014】本発明のエマルジョンインクは、油相とな
る非光反応性油性希釈剤、着色用のカーボンブラックあ
るいは顔料、染料、乳化剤、及び紫外線硬化性化合物、
水相となる水を含有することをもって基本構成とする。
これら以外に粘度調整、水分の揮発抑制のための水性ゲ
ル化剤、凍結防止のための添加剤、防黴剤、酸化防止
剤、あるいは顔料分散のための分散剤、反応促進のため
の増感剤、及び経時安定性向上のための添加剤等を必要
に応じて含有することができる。
【0015】本発明のエマルジョンインクは油中水滴型
エマルジョンインクであることが好ましく、水相の粒径
は150μm未満であることが好ましく、100μm未
満であることが更に好ましい。水相の粒径が150μm
以上の場合、紫外線を照射しても十分なインク膜強度が
得られず、版胴のインク汚れが生じてしまい、十分な乾
燥定着性が得られない。
【0016】本発明のエマルジョンインクは、10〜7
0重量%の油相成分に90〜30重量%の水相成分を添
加し分散乳化した、油中水滴型エマルジョンインクであ
ることが好ましく、20〜40重量%の油相成分に80
〜60重量%の水相成分を添加し分散乳化した、油中水
滴型エマルジョンインクであることが更に好ましい。
【0017】水相の粒径は、ドクターブレードなどでイ
ンク薄層を形成し、顕微鏡で直接観察することで水相の
粒径を求めることができる。この際、観察中に低分子成
分が揮発し膜状態が変化する場合があるので、インク膜
形成直後に紫外線を照射し膜を硬化することが好まし
い。また、レーザ光源を用いた光散乱測定装置を用い
て、動的光散乱法により求められる。場合によっては、
インクを油性溶媒で数種類の濃度に希釈してから粒径を
測定した後、希釈率1に外挿して求められる。
【0018】本発明で使用される紫外線硬化性化合物
は、紫外線硬化性樹脂と光重合開始剤とを組み合わせて
も良いし、光重合開始機能を有する官能基が付加された
紫外線硬化性樹脂でも良いが、インク設計の自由度の観
点からは紫外線硬化性樹脂と光重合開始剤とを組み合わ
せることが好ましい。
【0019】該紫外線硬化性樹脂としては、分子鎖中に
単一あるいは複数の不飽和結合を有する単官能、多官能
性の数平均分子量が5万以下のポリマー、あるいは数平
均分子量が1万以下のオリゴマーが挙げられる。その中
でも、インク粘度を必要以上に上昇させないためには、
オリゴマーが好ましい。また、分子中に単一あるいは複
数の不飽和結合を有する単官能、多官能性の反応性モノ
マーが挙げられる。具体的には、アクリル系としてアク
リレートモノマー、ポリエステルアクリレート、エポキ
シアクリレート、ウレタンアクリレート、シリコーンア
クリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げら
れ、非アクリル系としてポリエン−チオール、エポキ
シ、ビニルエーテルが挙げられる。しかし、ポリエン−
チオールは臭気と保存安定性の点で劣り、エポキシ、ビ
ニルエーテルはイオン重合であることから水を含有する
系で乾燥定着性に劣るため、アクリル系を用いることが
好ましい。更に、反応性を有さないバインダーポリマー
が添加されていても良い。
【0020】該紫外線硬化性化合物に対して、公知の光
重合開始剤、増感剤が添加されるが、これらの添加剤は
水相に添加されてもよいし油相に添加されても良い。光
重合開始剤としては、ラジカル重合型、イオン重合型が
あるが、エマルジョンインクの場合水を含有するため乾
燥定着性でイオン重合型が劣り、ラジカル重合型を用い
ることが好ましい。
【0021】紫外線硬化性化合物の具体例としては、例
えば以下の資料等に掲載されているものが挙げられる。 「UV・EB硬化技術の応用と市場」 監修:田端米穂、編集:ラドックス研究会 発行所:シーエムシー 「最新UV硬化技術」 発行所:技術情報協会
【0022】これらに記載される他に、該光重合開始剤
としては下記の化合物が好適に用いられる。イルガキュ
ア184(チバガイギー社製)
【化5】 イルガキュア369(チバガイギー社製)
【化2】 イルガキュア500(チバガイギー社製)
【化6】 イルガキュア651(チバガイギー社製)
【化7】 イルガキュア907(チバガイギー社製)
【化8】
【0023】イルガキュア2965(チバガイギー社
製)
【化9】 ダロキュア1173(チバガイギー社製)
【化1】 ダロキュア4265(チバガイギー社製)
【化10】 CGI−1700(チバガイギー社製)
【化11】 これらの光重合開始剤は単独でも複数を組み合わせても
良く、中でもイルガキュア369、ダロキュア117
3、ダロキュア4265、CGI−1700が乾燥定着
性が良好である点で好ましい。
【0024】該紫外線硬化性化合物は親水性化合物、親
油性化合物のどちらであっても適用でき、親水性の化合
物の場合、好ましくは3重量%以上水に溶解する化合
物、又は水に分散され得る化合物であることが好まし
い。
【0025】通常、該紫外線硬化性化合物の添加は溶解
あるいは分散して添加されるが、油相に添加されても水
相に添加されてもよい。また、油相と水相の双方に添加
されてもよい。添加方法としては、水相に該紫外線硬化
性化合物を溶解分散しておき油相成分に混合し乳化する
方法、油相に該紫外線硬化性化合物を溶解分散しておき
水相に混合し乳化する方法、あるいは油相と水相を乳化
してエマルジョンインクとした後に該紫外線硬化性化合
物を添加しても良い。
【0026】紫外線硬化性化合物はインク全量に対し
て、化合物の性質にもよるが、オリゴマー性の化合物で
は50〜0.5重量%、モノマー性の化合物では70〜
1重量%であることが好ましい。これらの上限量を越え
て添加しても添加量に比例した効果が得られず、またこ
れらの下限量未満では添加の効果が乏しい。
【0027】紫外線硬化性樹脂に対して、添加される光
重合開始剤、増感剤等の添加剤は水相に添加されても良
いし油相に添加されても良い。紫外線硬化性樹脂が水相
に添加されたならば水相に、油相に添加されたならば油
相に添加されることが好ましいが、水相と油相の界面で
光架橋を生じさせる場合、あるいは印字後のインク濃縮
過程で紫外線硬化性樹脂と添加剤類が接近して光架橋に
有効な効果がある場合等においては、互いに異なった相
に添加されても良い。エマルジョンインクが印字された
後、紫外線等の活性放射線の照射により効果的に定着さ
れ、急速な乾燥が達成される過程が阻害されない添加部
位であればよい。光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化
性樹脂に対して通常40〜0.1重量%、好ましくは2
0〜1重量%、更に好ましくは10〜1重量%である。
増感剤は同様にして通常紫外線硬化性樹脂に対して、4
0〜1重量%、好ましくは、10〜1重量%程度であ
る。
【0028】通常、本発明のエマルジョンインクにおい
ては、油相中に前記の紫外線硬化性化合物、光重合開始
剤、増感剤、酸化防止剤等の添加剤、及び溶剤、樹脂、
着色剤、乳化剤等を含有させて用い、また水相中には必
要に応じて水溶性樹脂、電解質、防黴剤等の水溶性添加
剤を含有させて用いる。
【0029】樹脂成分は、着色剤の分散、被印刷体への
着色剤の固着等の目的から添加されるが、この様な樹脂
としてロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、フ
ェノール樹脂、マレイン酸樹脂、石油樹脂、ゴム誘導体
樹脂等が挙げられる。
【0030】着色剤としては、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、レーキレ
ッド等の公知の着色剤が挙げられる。
【0031】乳化剤としては、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステ
アレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモ
ノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセス
キオレート等のソルビタン高級脂肪エステル、オレイン
酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド等の脂肪酸
モノグリセリド、及び高級アルコール、アルキルフェノ
ール、脂肪酸等の酸化エチレン付加物等が挙げられる。
【0032】油相と水相を分散乳化する界面活性剤の親
水性を表す数値として、HLB値を用いる。本発明にお
いては、広い範囲のHLB値を示す界面活性剤が適用で
きる。エマルジョンインクを水中油滴型として用いれば
HLB値20〜7が好適であり、油中水滴型を用いれば
HLB値7以下が好ましく、HLB値5以下が更に好ま
しい。
【0033】防黴剤としては、芳香族ヒドロキシ化合物
及びその塩素化物、フェノール類及びその誘導体、ソル
ビン酸、サルチル酸、p−オキシ安息香酸及びその誘導
体、等が挙げられる。
【0034】本発明において、水相はゲル化あるいは増
粘された状態で用いることが好ましい。粘度20〜40
0ポイズが好ましい。そのため、本発明においては水相
中に水溶性高分子が含有される。水溶性高分子として
は、澱粉、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、
トラガントガム、アラビヤガム、ブルラン、デキストラ
ン、キサンタンガム、ニカワ、コラーゲン、カゼイン等
の天然高分子、;カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉、等の
半合成高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリア
クリル酸誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子等が用い
られる。なかでも、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナ
トリウム、アクリル酸トリエタノールアミン等のポリア
クリル酸誘導体が少量で効果があり好ましい。
【0035】なお、本発明においては、水相に添加され
る前記水溶性高分子ポリアクリル酸のゲル化あるいは増
粘のための促進剤として、ジイソプロパノールアミン、
ジ−2(エチルヘキシル)アミン、トリアミルアミン、
β−ジメチルアミノプロピオニトリル、ドデシルアミ
ン、モルフォリン等の低分子アミンやアルカノールアミ
ン等、また水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
アンモニウム等の無機塩基等を用いることができる。
【0036】本発明のエマルジョンインクの製造に当た
っては、通常、顔料を公知の分散機で前記の溶剤中に分
散し、それを溶剤あるいはその他の油相成分で公知の撹
拌機で希釈して油相を調製する。油相調製の適切な段階
で、親水性の乏しい添加剤が添加されることが好まし
い。水相は、通常、水相成分を公知の撹拌機で水に溶解
分散し調製する。水相調製段階でも、適切な段階で親水
性の高い添加剤が添加されることが好ましい。出来上が
った油相と水相を、公知の乳化機にて乳化し目的のエマ
ルジョンインクを調製する。分散、希釈、乳化等の製造
方法、手段は適宜変更できる。
【0037】本発明のインクを使用するプロセスは、孔
版印刷あるいはスクリーン印刷に限るものではなく、凸
版印刷、凹版印刷、あるいはグラビア印刷等の印刷プロ
セスに適用することもできる。孔版印刷のプロセスを例
にとって示すと、熱可塑性フィルムを主要構成とする孔
版用感熱性シートに、サーマルヘッド又は加熱作用を有
するレーザー光線、又はフラッシュ光源を用いて穿孔
し、微細な穿孔の集合体からなる画像パターンを形成し
刷版とする。あるいは、該感熱性シートと紙等に印字さ
れた原稿と重ね合わせ、赤外線を含む光線を全面照射
し、画像部に対応した穿孔画像を形成し、同様に刷版と
する。この刷版を例えば謄写印刷機に取り付け、インク
を塗布したローラー等で印圧を与え、インクを刷版の反
対側に穿孔を通して押し出し、紙等の被印刷体上に原稿
と同様の画像パターンを形成し、印刷物を得る。輪転式
孔版印刷機等においても同様に、これらの印写プロセス
を経て、印刷物を得る。得られた直後の印刷物に、本発
明の赤外線を含む紫外線を照射する。この工程を経るこ
とにより、インクの急速な定着乾燥がなされる。
【0038】使用する活性放射線である紫外線は、低圧
紫外線ランプ、高圧紫外線ランプ、あるいはハロゲンラ
ンプ等から得られる。利用する紫外線の波長、強度につ
いては、使用する本発明の水性紫外線光硬化性化合物の
種類、重合開始剤等の種類、添加量に適合するものであ
ることが好ましい。これらのランプ光には、紫外線以外
に赤外線が含まれるが、赤外線の効果はインク中の主に
水からなる揮発性成分を揮発させインクの濃縮効果に寄
与する。このため、赤外線を含むランプを使用すること
が好ましい。
【0039】本発明にあるように、エマルジョンインク
に水溶性ないし親水性の紫外線硬化性化合物を含有さ
せ、該インクにて印字し、赤外線を含む紫外線ランプ光
を照射することによって、インク層を被印刷体に確実に
定着させることができ、インクの乾燥、固着を促進さ
せ、裏写りを防止することができる。
【0040】次に、本発明のエマルジョンインクを用い
た多色刷り孔版印刷装置の構成の一例を図1に示す。図
1において、1は感熱孔版印刷用原紙、2はプラテンロ
ーラ、3はサーマルヘッド、4は抵抗発熱素子、5はパ
ルス変調制御部、6は送りローラ対、7は印刷版係止手
段、8は版胴、9は原紙切断手段、10はインキロー
ラ、11はインキ溜まり、12はドクターローラ、13
は排版ローラ、14は排版ボックス、15は印刷用紙、
16は呼出ローラ、17は分離ローラ、18は歯つきベ
ルト、19は分離コロ、20は用紙ガイド板、21はレ
ジストローラ、22はプレスローラ、23は給紙台、2
4は用紙搬送ベルト、25は排紙トレイ、26は印刷版
ガイド板、27は紫外線照射部を、それぞれ示す。な
お、本発明の多色刷り孔版印刷装置は、図1に示す構成
に限らず、各々異なる色のインクが充填された版胴を1
つ以上有する構成であれば良いし、あるいは1つの版胴
内が複数のインク室に分割され、各々のインク室に異な
る色のインクが充填される構成でも良い。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す部はいずれも重量部である。
【0042】 実施例1 フタロシアニンブルー(着色剤) 6.0部 乳化剤[イオネットS85:HLB値1.8、三洋化成工業(株)製] 8.0部 分散剤[プレンアクトAl−M、味の素(株)製] 0.4部 スピンドル油(高沸点オイル) 3.6部 UV硬化性樹脂(エコラコート#200DA-FA、マテリアルサイエンス社製) 60.0部 重合開始剤(ダロキュア4265、チバガイギー社製) 2.4部 ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤) 0.1部
【0043】 (水相) 水 102部 パラオキシ安息香酸メチル(防黴剤) 0.1部 ポリアクリル酸 0.67部 トリエタノールアミン 0.67部 エチレングリコール 16.67部
【0044】フタロシアニンブルー、乳化剤、スピンド
ル油、UV硬化性樹脂、重合開始剤及びジブチルヒドロ
キシトルエンを3本ロールで分散処理し油相を調製し
た。パラオキシ安息香酸メチルを溶解した水を撹拌しな
がらポリアクリル酸、トリエタノールアミンを順次加え
ゲル化し、更にエチレングリコールを加え水相を調製し
た。調製した油相を撹拌しながら水相を少量ずつ添加
し、上記組成のエマルジョンインクを調製した。インク
表面に光沢のあるインクが得られた。また、調製した実
施例1のエマルジョンインクをガラス製のびんに詰め
て、50℃の恒温槽に2週間放置して保存安定性試験を
実施した。結果を表2に示す。
【0045】図1に示す4ドラム直列式孔版印刷装置に
て、印刷物の画像評価及びインクの乾燥定着性評価を行
った。なお、インクの乾燥定着性の評価は、2つめ以後
のドラムに装着したマスター表面へのインキ付着による
マスターのインキ汚れの有無で行った。この4ドラム直
列式孔版印刷装置には、インキを硬化しセット性を上げ
るために各ドラム間に3つ、ドラム4と排紙台の間に1
つ、計4つの1.5kWの高圧水銀灯が搭載されてい
る。
【0046】調製したエマルジョンインクを図1のドラ
ム1に充填し、更にドラム1には評価用チャートを穿孔
したマスター[(株)リコー製孔版印刷用マスターVT
−A3 II]を装着した。ドラム2、3、4には、穿孔
をしていないマスターを装着した。これら4つのドラム
に複写機用普通紙[(株)リコー製PPC用紙タイプ6
200]を連続して通し印刷を行ったところ、鮮明な画
像が得られた。また、ドラム2に装着したマスターの表
面を観察したところ、インキ汚れが無く、十分なインク
の乾燥定着性を有することを確認した。
【0047】また、調製したエマルジョンインクをPE
Tフィルム上にドクターブレードを用いてウェットギャ
ップ200μmにて塗工し、その直後にベルトコンベア
に乗せ紫外線ランプを直下を通過させインク膜を硬化さ
せた(照射条件:80W/cm×1灯、高さ10cm、
ベルトスピード5m/min.)。この硬化膜を光学顕
微鏡にて観察し写真撮影を行い水相の粒径を測定したと
ころ、水相の粒径は20〜50μmであった。
【0048】実施例2〜5 実施例1において、UV硬化性樹脂(エコラコート#2
00DA−FA、マテリアルサイエンス社製)を60.
0部、スピンドル油(高沸点オイル)3.6部を添加し
たかわりに、表1に示す重量部添加した以外は、実施例
1と同様に実施例2〜5のエマルジョンインクを調製し
た。また、調製した実施例2〜5のエマルジョンインク
をガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放
置して保存安定性試験を実施した。結果を表2に示す。
【0049】比較例1 実施例1において、UV硬化性樹脂(エコラコート#2
00DA−FA、マテリアルサイエンス社製)を60.
0部、スピンドル油(高沸点オイル)を3.6部添加し
たかわりに、UV硬化性樹脂(エコラコート#200D
A−FA、マテリアルサイエンス社製)を63.6部添
加した以外は、実施例1と同様に比較例1のエマルジョ
ンインクを調製した。また、調製した比較例1のエマル
ジョンインクをガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温
槽に2週間放置して保存安定性試験を実施した。結果を
表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い ○ 良い × 悪い − 乳化不良につき測定不能
【0052】実施例6〜10 実施例1において、乳化剤としてイオネットS85〔H
LB値1.8、三洋化成工業(株)製〕を用いたかわり
に、表3に示す乳化剤を添加した以外は、実施例1と同
様に実施例6〜10のエマルジョンインクを調製した。
また、調製した実施例6〜10のエマルジョンインクを
ガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置
して保存安定性試験を実施した。結果を表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い ○ 良い × 悪い − 乳化不良につき測定不能
【0055】実施例11〜14 実施例1において、乳化剤としてイオネットS85〔H
LB値1.8、三洋化成工業(株)製〕を8.0部添加
したかわりに、イオネットS85を表5に示す重量部添
加した以外は、実施例1と同様に実施例11〜14のエ
マルジョンインクを調製した。結果を表5に示す。ま
た、調製した実施例11〜14のエマルジョンインクを
ガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置
して保存安定性試験を実施した。結果を表6に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い ○ 良い × 悪い − 乳化不良につき測定不能
【0058】実施例15〜24 実施例1において、重合開始剤(ダロキュア4265、
チバガイギー社製)を2.4部添加したかわりに、表7
に示す重量部添加した以外は、実施例1と同様に実施例
15〜24のエマルジョンインクを調製した。結果を表
7に示す。また、調製した実施例15〜24のエマルジ
ョンインクをガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽
に2週間放置して保存安定性試験を実施した。結果を表
8に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い、 ○ 良い、 × 悪い、 − 乳化不良につき測定不能
【0061】実施例25〜32 実施例1において、重合開始剤(ダロキュア4265、
チバガイギー社製)を添加したかわりに、表9に示す重
合開始剤を添加した以外は、実施例1と同様に実施例2
5〜32のエマルジョンインクを調製した。結果を表9
に示す。また、調製した実施例25〜32のエマルジョ
ンインクをガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に
2週間放置して保存安定性試験を実施した。結果を表1
0に示す。
【0062】実施例33 実施例1において、UV硬化性樹脂としてエコラコート
#200DA−FA(マテリアルサイエンス社製)を添
加したかわりに、UV硬化性樹脂、AQ−7(荒川化学
社製)を添加した以外は、実施例1と同様に実施例33
のエマルジョンインクを調製した。結果を表9に示す。
また、調製した実施例33のエマルジョンインクをガラ
ス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置して
保存安定性試験を実施した。結果を表10に示す。
【0063】実施例34 実施例1において、UV硬化性樹脂としてエコラコート
#200DA−FA(マテリアルサイエンス社製)を添
加したかわりに、UV硬化性樹脂、AQ−9(荒川化学
社製)を添加した以外は、実施例1と同様に実施例34
のエマルジョンインクを調製した。結果を表9に示す。
また、調製した実施例34のエマルジョンインクをガラ
ス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置して
保存安定性試験を実施した。結果を表10に示す。
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い、 ○ 良い、 × 悪い、 − 乳化不良につき測定不能
【0066】実施例35〜39 実施例1において、フタロシアニンブルーを6.0部添
加したかわりに、表11に示す重量部添加した以外は、
実施例1と同様に実施例35〜39のエマルジョンイン
クを調製した。結果を表11に示す。また、調製した実
施例35〜39のエマルジョンインクをガラス製のびん
に詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置して保存安定性
試験を実施した。結果を表12に示す。
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】 註:乾燥定着性(乾燥定着性が良いほどマスターの汚れは少ない。) ◎ 非常に良い ○ 良い × 悪い − 乳化不良につき測定不能
【0069】実施例40 実施例1において、フタロシアニンブルーを6.0部添
加したかわりに、カーボンブラックを6.0部添加した
以外は、実施例1と同様に実施例40のブラックのエマ
ルジョンインクを調製した。調製した実施例40のエマ
ルジョンインクをガラス製のびんに詰めて、50℃の恒
温槽に2週間放置して保存安定性試験を実施したとこ
ろ、インクに変化がないことを認めた。
【0070】実施例1と同様に図1に示す4ドラム直列
式孔版印刷装置にて、印刷物の画像評価及びインクの乾
燥定着性評価を行ったところ、鮮明な画像の印刷物が得
られ、ドラム2に装着したマスターの表面にインキ汚れ
が無いことを確認した。また、実施例1と同様に調製し
たエマルジョンインクの水相の粒径を測定したところ、
20〜50μmであった。
【0071】実施例41 実施例1において、フタロシアニンブルーを6.0部添
加したかわりに、マゼンタ顔料(PPE−02、ヘキス
ト社製)を6.0部添加した以外は、実施例1と同様に
実施例41のマゼンタのエマルジョンインクを調製し
た。調製した実施例41のエマルジョンインクをガラス
製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間放置して保
存安定性試験を実施したところ、インクに変化がないこ
とを確認した。
【0072】実施例1と同様に図1に示す4ドラム直列
式孔版印刷装置にて、印刷物の画像評価及びインクの乾
燥定着性評価を行ったところ、鮮明な画像の印刷物を得
られ、ドラム2に装着したマスターの表面にインキ汚れ
が無いことを確認した。また、実施例1と同様に調製し
たエマルジョンインクの水相の粒径を測定したところ、
20〜50μmであった。
【0073】実施例42 実施例1において、フタロシアニンブルーを6.0部添
加したかわりに、黄色顔料(イエロー4221、大日本
インキ化学工業社製)を6.0部添加した以外は、実施
例1と同様に実施例42のイエローのエマルジョンイン
クを調製した。調製した実施例42のエマルジョンイン
クをガラス製のびんに詰めて、50℃の恒温槽に2週間
放置して保存安定性試験を実施したところ、インクに変
化がないことを確認した。
【0074】実施例1と同様に図1に示す4ドラム直列
式孔版印刷装置にて、印刷物の画像評価及びインクの乾
燥定着性評価を行ったところ、鮮明な画像の印刷物が得
られ、ドラム2に装着したマスターの表面にインキ汚れ
が無いことを確認した。また、実施例1と同様に調製し
たエマルジョンインクの水相の粒径を測定したところ、
20〜50μmであった。
【0075】比較例2 実施例1、40、41及び42のエマルジョンインクを
用いて、紫外線照射を行わなかった以外は、実施例1と
同様に、図1の孔版印刷装置を用いてインクの乾燥定着
性評価を行ったところ、ドラム2、3、4に装着したマ
スターの表面にインキ汚れがあることを確認した。
【0076】実施例43 図1に示すドラム直列式孔版印刷装置に実施例1、4
0、41及び42のエマルジョンインクをそれぞれ充填
し、4色印刷を行ったところ、鮮明なフルカラー印刷物
が得られた。各ドラムに装着されたマスター表面を観察
したところ、ドラム内に充填したインクと異なる色のイ
ンク付着による汚れが全くないことを確認した。
【0077】
【発明の効果】本発明のエマルジョンインクは、油相又
は紫外線硬化性化合物と非光反応性油性希釈剤とを含有
してなるものとしたことから、次のような効果を奏す
る。 (イ)貯蔵安定性及び印刷機内での機上保存安定性に優
れたインクである。 (ロ)紫外線による乾燥定着性が良好なインクである。
【0078】本発明の孔版印刷方法及び多色刷り孔版印
刷装置は、本発明のエマルジョンインクを使用したこと
から、本方法及び装置によると次のような効果を奏す
る。 (ハ)版胴のインク汚れ及び画像のだぶり(ゴースト)
がなく、鮮明な画像が得られる。 (ニ)印刷物同士が重なった際にもインク転移による印
刷物のインク汚れを生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色刷り孔版印刷装置の構成の一例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 感熱孔版印刷用原紙 2 プラテンローラ 3 サーマルヘッド 4 抵抗発熱素子 5 パルス変調制御部 6 送りローラ対 7 印刷版係止手段 8 版胴 9 原紙切断手段 10 インキローラ 11 インキ溜り 12 ドクターローラ 13 排版ローラ 14 排版ボックス 15 印刷用紙 16 呼出ローラ 17 分離ローラ 18 歯つきベルト 19 分離コロ 20 用紙ガイド板 21 レジストローラ 22 プレスローラ 23 給紙台 24 用紙搬送ベルト 25 排紙トレイ 26 印刷版ガイド板 27 放射線照射部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相及び水相からなるエマルジョンイン
    クにおいて、油相又は水相に少なくとも紫外線硬化性化
    合物と非光反応性油性希釈剤とを含有してなることを特
    徴とするエマルジョンインク。
  2. 【請求項2】 水相の粒径が100μm未満であること
    を特徴とする請求項1に記載のエマルジョンインク。
  3. 【請求項3】 更に乳化剤を含有し、しかも該乳化剤の
    HLB値が5.0以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のエマルジョンインク。
  4. 【請求項4】 前記乳化剤がインク全量に対して0.5
    重量%以上含有してなることを特徴とする請求項3に記
    載のエマルジョンインク。
  5. 【請求項5】 前記紫外線硬化性化合物が少なくとも紫
    外線硬化性樹脂と光重合開始剤からなることを特徴とす
    る請求項1に記載のエマルジョンインク。
  6. 【請求項6】 前記紫外線硬化性樹脂がインク全量に対
    して19〜31重量%、あるいは油相全量に対して49
    〜82重量%含有してなることを特徴とする請求項5に
    記載のエマルジョンインク。
  7. 【請求項7】 前記光重合開始剤がインク全量に対して
    1.0重量%以上含有してなることを特徴とする請求項
    5に記載のエマルジョンインク。
  8. 【請求項8】 前記光重合開始剤が少なくとも下記化合
    物群の中の1種であることを特徴とする請求項5に記載
    のエマルジョンインク。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  9. 【請求項9】 前記紫外線硬化性樹脂がアクリル系モノ
    マー又はアクリル系オリゴマーであることを特徴とする
    請求項5に記載のエマルジョンインク。
  10. 【請求項10】 更に着色剤を含有し、しかも該着色剤
    がインク全量に対して4.0重量%未満含有してなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエマルジョンインク。
  11. 【請求項11】 水相に更にゲル化成分を含有してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のエマルジョンイン
    ク。
  12. 【請求項12】 サーマルヘッド又は加熱作用を有する
    レーザ光線又はフラッシュ光源により感熱孔版印刷用原
    紙を穿孔する工程、穿孔された該感熱孔版印刷用原紙を
    孔版印刷用版胴へ装着する工程、穿孔された該感熱孔版
    印刷用原紙の穿孔部に請求項1〜11のいずれかに記載
    のエマルジョンインクを通過させる工程、該通過インク
    を印刷用紙へ転移する工程及び該転写インク上へ紫外線
    を照射する工程を含むことを特徴とする孔版印刷方法。
  13. 【請求項13】 サーマルヘッド又は加熱作用を有する
    レーザ光線又はフラッシュ光源により感熱孔版印刷用原
    紙を穿孔する手段、穿孔された該感熱孔版印刷用原紙を
    孔版印刷用版胴へ装着する手段、穿孔された該感熱孔版
    印刷用原紙の穿孔部に請求項1〜11のいずれかに記載
    のエマルジョンインクを供給する手段、該穿孔部を通過
    したインクを印刷用紙へ転移する手段及び該転写インク
    上へ紫外線を照射する手段を具備し、且つ、2つ以上の
    版胴を搭載し各々の版胴に異なる色の請求項1〜11の
    いずれかに記載のエマルジョンインクを用いることを特
    徴とする多色刷り孔版印刷装置。
  14. 【請求項14】 4つの版胴を搭載し、各々の版胴にシ
    アン、マゼンタ、イエロー、ブラックの請求項1〜11
    のいずれかに記載のエマルジョンインクを用いることを
    特徴とする請求項13に記載の多色刷り孔版印刷装置。
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