JP4010637B2 - 孔版印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷方法は、周知のように孔版用原紙を用い、この原紙に微細な穿孔の集合体からなる画像パターンを形成して刷版とし、この刷版を通して刷版の一方から他方の側にインクを移動させることにより、紙等の被印刷体表面に印刷を行うものである。
【0003】
ところで、輪転式孔版印刷機には、ブランケットを有する二胴式のものと、これを有しない単胴式のものがある。前者においては軟らかいインクを用いてもさほど支障はないが、後者の場合には軟らかいインクを用いると、インクが必要以上に供給され裏写りが発生し易くなること、あるいはインクがマスター後端部に漏出しプレスローラー及び印刷物を汚す等種々の問題が起こる。
また、従来より用いられているエマルジョンインクには、機上放置中に版胴上で乾燥して穿孔部に目詰まりを生じさせないために、高沸点溶剤が使用されている。しかし、このインクは印刷機内に放置されると、インク中の水分だけが蒸発し、インク粘度の低下、又はインクの軟化を来たし、印刷濃度が通常より高くなり、裏写りの発生及び画像滲みが発生するという不具合がおこる。
【0004】
このような不具合を改良する為に、従来より種々の提案がなされている。
例えば、特開昭61−255967号公報には、インクに中沸点の溶剤を含有させ水分の蒸発とともに油分を蒸発させ、油相と水相のバランスを保持したもの、特開昭63−27569号公報にはインクにオキシカルボン酸を含有させ粘度を制御したもの、特開昭63−277287号公報には、粘度とチキソ係数を好適にしたもの、特開平1−318073号公報には、水を含有しない紫外線硬化型インクにアクリル樹脂粉体を含有させたもの、特開平2−41376号公報においては、水を含有しない紫外線硬化型インクにシリコーンオイルを含有させたもの、特開平2−86667号公報には、粉末状インクを用いたものが提案されている。
【0005】
また、特開平4−233980号公報には、油相をゲル化しチキソトロピーとしての性質を持たせ、インクの粘度を安定化したもの、特開平5−70729号公報においてはインクに吸湿性の高いピロリドンのカルボン酸誘導体の塩類を含有させ、又は油相に表面張力の小さい油分を用いることによりインクの粘度を変化させず紙とインクの接触漏れ性を向上させてインクの紙への浸透させたもの、特開平5−125320号公報には、油相中蒸留初留点が150〜210℃の揮発性溶剤を含有させたもの、特開平5−247397号公報においては、インクに環化ゴムを含有させることにより降状値を小さくし、かつ高シェアー時の流動性を少なくしたもの、特開平6−128516号公報においては、インクに熱溶融成分、シリコーンオイルを含有させインクの乾燥性、固着性を改良したもの、更に特開平6−172691号公報においては、インクにワックス成分を含有させたもの等が提案されている。
【0006】
このように、一般の孔版印刷に用いるインクには種々のものが提案されているが、輪転式孔版印刷機においては、インクが機上に放置時に版胴から漏れ出し印刷機内部を汚染しないように印刷機の静止時に硬く、かつインクが印刷時に穿孔製版された孔版印刷用原紙の微細孔を充分通過するように、動作時に柔らかくなる特性が要求されることから、油相と水相からなり、着色剤、溶剤、及び乳化剤、あるいは水等から構成されるエマルジョンインクが多く用いられている。
そして、特に輪転式孔版印刷機では高速に印刷することから、インクの乾燥、定着性が更に要求される為、光硬化性化合物を用いた光硬化性エマルジョンインクが注目されている。
例えば、特開平8−3501号公報においては、従来からある着色剤を含む油性の紫外線硬化インクに、着色剤を含まない主に水からなる水相を添加したエマルジョン化された紫外線硬化インクが提案されている。
【0007】
しかしながら、これらの提案にも拘らず、輪転式孔版印刷における高速でのインクの乾燥、定着性には依然として不具合が残っている。特に、前記した紫外線硬化インクに見られるように、従来の光硬化性エマルジョンインクは、着色剤が外相の連続相に含有されているため、インクを定着、乾燥させる際にインクに紫外線等の光を照射した場合、該着色剤がフィルターとして作用して光を遮り、光がインクの内部まで十分に透通できず、効果的に定着、乾燥(硬化)することができないという問題を有していた。
また、そのために画像の滲みや裏写りという問題も有していた。
更に近年においてはコンピューターをはじめとする技術の進展により、印刷機本体、及び周辺機器の技術が著しい進歩を示し、従来にも増してこれらの問題点の改良が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画像滲みや裏写りがなく、しかもインク漏出のない状態を実現できる孔版印刷方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意研究した結果、油相及び水相からなる油中水滴型エマルジョンインクにおいて、油相(外相)中に光硬化性化合物成分を含有させ、水相(内相)中に着色剤成分を含有させることにより、乾燥定着性に優れ、裏写りの生じない鮮明な画像を与える油中水滴型エマルジョンインクを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明によれば、第一に、サーマルヘッド、又は加熱作用を有するレーザー光線により感熱孔版シートを穿孔する工程、該穿孔シートを孔版印刷版胴へセットする工程、該シートの穿孔部に、着色剤成分、光硬化性化合物成分及び非イオン系界面活性剤を含有する孔版印刷用油中水滴型エマルジョンインクであって、該着色剤成分は、水性染料又は水性化処理された顔料であり、ゲル化された水相(内相)中に含有され、かつ、該光硬化性化合物成分は、アクリル系モノマー、オリゴマー及びポリマーの群から選択された少なくとも1種であり、油相(外相)に含有されてなり、該油相中に沸点130℃以上のオイルを含有させてなる油中水滴型エマルジョンインクを通過させる工程、該通過インクを印刷用紙へ転移する工程及び該転移インク上へ紫外線を含む電磁波を照射する工程を含むことを特徴とする孔版印刷方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般の油中水滴型のエマルジョンインクと同様に、本発明の着色剤及び光硬化性化合物を含有する油中水滴型エマルジョンインクも、油性成分からなる油相と水性成分からなる水相により構成され、油相及び水相は適切な乳化剤を添加することにより分散乳化され、連続相である外相に油相成分を有し、液滴状の内相に水相成分を有する油中水滴型のエマルジョンの形態をとる。
通常本発明の油中水滴型エマルジョンインクは、10〜70重量%の油相成分に90〜30重量%の水相成分を添加し分散乳化した、エマルジョンインクであることが好ましい。
【0012】
本発明のエマルジョンインクは、成分として、油相となる高沸点溶剤、水相となる水、及び乳化剤、着色用の色材、光硬化性化合物を含有することをもって基本構成とする。また光硬化性化合物を高沸点溶剤に置き換えて油相として用いてもよい。
これ以外に、粘度調整、水分の揮発抑制、水性ゲル、凍結防止のための添加剤、防黴剤、酸化防止剤、あるいは色材分散のための分散剤、光重合開始剤、反応促進のための増感剤、チキソ性を与えるための白色色材及び経時安定性向上のための添加剤等を必要に応じて含有させることができる。これらは公知の化合物を用いても良い。
【0013】
本発明において、光硬化性化合物成分を外相の連続相中に含有させることが必要である。また着色剤成分を内相の液滴中に含有させることが必要である。
本発明の油中水滴型エマルジョンインクは、外相に光硬化性成分が存在し、一方、着色剤成分が内相に存在するため、光硬化性成分の光硬化時に、該着色剤成分が光硬化性成分に対してフィルターとして硬化阻害作用を生じることがなく、或いは生じ難く、光硬化性化合物の硬化反応を十分効果的に進行させることができる。
そして、外相の連続相を油相としているため、水分の蒸発を抑制でき、長時間の機上放置安定性や、保存安定性が優れている。
【0014】
本発明において、光硬化性化合物については、二重結合を有する公知の化合物が使用できる。
例としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」監修:田端米穂、ラドックス研究会等に記載されている紫外線等の光照射により硬化するものがあげられる。
該光硬化性化合物としては、特にアクリル系モノマー、オリゴマー、ポリマー等の紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)を使用することが好ましい。
このような光硬化性化合物としてはたとえば次のようなものが挙げられる。
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、2−ビニルピリジン、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のモノビニル化合物、ビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングルコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール類のジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート等のジビニル化合物、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリビニル化合物、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等のテトラビニル化合物等。
これらの光硬化性化合物は1種又は2種以上混合して用いることも出来る。
【0015】
この光硬化性化合物成分の配合量は、インク全体に対して20〜90重量%、好ましくは30〜80重量%である。これより少ないと硬化性に乏しくなる。これより多いとエマルジョンインクの性質保持されない。
【0016】
光硬化性化合物に対して、公知の光重合開始剤、増感剤が添加される。好ましくはこれらは光硬化性化合物が添加されている相に添加される。光重合開始剤の添加量は60〜5重量%、好ましくは40〜10重量%である。増感剤は該化合物に対して添加量は40〜1重量%、好ましくは20〜10重量%である。
【0017】
このような光重合性開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロピン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン等のアセトフェノンケタール系、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系、2,4−ジエチルオキサントン等のチオキサトン系アシルフォスフィンオクサイド、カンファーキノン等の特殊系などがあげられる。
【0018】
増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸イソアミル、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の公知の化合物があげられる。
【0019】
また溶剤も用いることができ、溶剤としては、ヒマシ油、アマニ油、トール油、大豆油等の植物油、スピンドル油等の高沸点油、石油系油、合成油、中沸点油等があげられる。
溶剤は、沸点が130℃以上のものが好ましい。沸点が130℃より低い溶剤は、長時間のインク機上放置により、エマルジョンが不安定となり好ましくない。
【0020】
更に光で硬化しない樹脂を、水相及び/又は油相に配合してもよい。
該樹脂成分は、着色剤の分散、被印刷体への着色材の固着等の目的から添加することができる。このような樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等の油性の樹脂や、水溶性樹脂があげられる。
【0021】
着色剤としては、公知の染料、顔料あるいは水性化処理された染料、顔料等が使用できる。水性処理された顔料は、たとえば水性レジンに顔料を混練することによって得られ、具体的には、水性アクリル樹脂中に分散された顔料、墨汁等があげられる。
親水性が比較的乏しい顔料を水相に含有させる場合、溶解あるいは分散のために補助剤を添加しも良い。このような補助剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ペンタエリストリット、ソルビット等の多価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコールアミン類があげられる。
着色剤のインク全量に対する含有率は0.5〜20重量%である。
【0022】
前記したように、本発明の油中水滴型エマルジョンインクにおいては、光硬化性化合物が油相に添加され、着色剤は、水性のもの、或いは油性のものを水性処理されて水相に添加されるが、この場合、水相はゲル化されていることが乳化状態の破壊による油水分離を防止する点から、又は水相の水分の揮発によるインクのゆるみを制御できる点等からみて好ましい。
更に、水性ゲル粒子中に該顔料、染料が固着されていることが好ましい。即ち着色された水相ゲル粒子が油相中に存在する形態が好ましい。
【0023】
ゲル化剤は種々公知のものが使用できる。前記目的以外にインクの増粘を目的として添加されても良い。
このようなゲル化剤としては、水性高分子ではデンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、トランガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、にかわ、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチル澱粉等の変成セルロース、あるいは変成澱粉等;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子があげられる。
【0024】
乳化剤としては、公知のものがいずれも使用できるが、特にソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤が好ましい。
その添加量は20重量%以下が好ましい。
【0025】
本発明の油中水滴型エマルジョンインクを製造するには、たとえば、水に水性処理顔料あるいは水性染料をその他の添加剤とともに混合分散あるいは溶解して水相成分を得、乳化剤、光硬化剤、光重合開始剤、その他の添加剤を混合分散あるいは溶解した油相に投入し撹拌し乳化する。前記水を水性ゲルに替えて同様に製造することもできる。乳化機、分散機は公知のものが使用できる。
【0026】
本発明のインクを使用するプロセスは、孔版印刷、スクリーン印刷に限るものではなく、凸版、凹版、あるいはグラビア印刷等の印刷プロセスに適用することもできる。
孔版印刷のプロセスを例にとって示すと、熱可塑性フィルムを主要構成とする孔版用感熱性シートにサーマルヘッド又は加熱作用を有するレーザー光線を用いて穿孔し、微細な穿孔の集合体からなる画像パターンを形成し刷版とする。この刷版を例えば輪転式孔版印刷機の版胴にセットし内側からインクを供給し、紙を通して印圧を与えると版の穿孔部分からインクが転移し、穿孔パターンに応じた画像が印刷物として得られる。
得られた直後の印刷物に光重合開始剤の励起波長に相当する電磁波又は光を当てると光硬化性化合物が重合しインクの急速な乾燥定着が成される。
【0027】
【実施例】
以下の実施例では、部は重量部を表す。%は重量%を表す。
【0028】
実施例1
〈水相〉
水性ブルー顔料ミクロピグモ(顔料約10%、オリエント化学社製)20部を、ポリアクリル酸トリエタノールアミン1.0%ゲル(溶媒 水:エチレングリコール=6:1)80部に投入し、次いで撹拌機にて撹拌し100部の着色ゲルから成る水相成分を得た。
〈油相〉
UV樹脂(エコラコート200DA、マテリアルサイエンス社製)45部とパラフィン系油(沸点230℃)5部を混合し油相成分を得た。
上記油相50部を撹拌しておき、ここに水相50部を少量ずつ投入し、充分撹拌して100部の油中水滴型エマルジョンインクを得た。
このインクをPETフィルム上にギャップ25.4μmのフィルムアプリケーターにてコートしインク膜を形成した。これをUV照射装置(80W/cm、距離10cm)を用い、受光面のUVエネルギー50mj/cm2(365nm)にて露光したところ、ブルーのインク硬化膜を得た。
【0029】
実施例2
実施例1において、パラフィン系油に替えて乳化剤(ソルビタントリオレート)を用いた以外は同様にして油中水滴型エマルジョンインクを得、同様にしてPETフィルム上のインク膜のUV硬化性を確認した。
【0030】
実施例3
〈水相〉
水性染料(アシッドバイオレット6B)0.8部を、アラビアガム1.5%ゲル(溶媒:水)100部に投入し撹拌して着色ゲルからなる水相成分を得た。
〈油相〉
UV樹脂(エコラコート200DA、マテリアルサイエンス社製)40部とパラフィン系油(沸点150℃)5部と乳化剤(ソルビタン系界面活性剤、HLB4.2)5部を混合し油相成分を得た。
この油相30部を撹拌しておき、水相70部を少量づつ投入し充分乳化させ、100部の油中水滴型エマルジョンインクを得た。このインクをPETフィルム上に25.4μmのフィルムアプリケーターにてコートしインク膜を形成した。これをUV照射装置(80W/cm、距離10cm)を用い、受光面のUVエネルギー50mj/cm2(365nm)にて露光したところ、ブルーのインク硬化膜を得た。
【0031】
尚、実施例1〜3の硬化膜を光学顕微鏡にて観察したところ、着色粒子(水相)がインク膜中に分散していることを確認した。
【0032】
実施例4
〈水相〉
水性ブルー顔料(インクジェット用インク、染料濃度12%、リコー社製)25部を、イオン交換水に投入し、撹拌して100部の水相成分を得た。
〈油相〉
UV樹脂(ビームセット243、荒川化学社製)44部、ベンゾフェノン1部、パラフィン系油(沸点150℃)2部、乳化剤(ソルビタン系界面活性剤、HLB4.2)3部を溶解、撹拌して油相成分を得た。
上記油相30部を撹拌しておき、水相70部を少量ずつ投入し充分乳化させ、100部の油中水滴型エマルジョンインクを得た。
このインクをPETフィルム上に25.4μmのフィルムアプリケーターにてコートしインク膜を形成した。これをUV照射装置(80W/cm、距離10cm)を用い、受光面のUVエネルギー50mj/cm2(365nm)にて露光したところ、ブルーのインク硬化膜を得た。
【0033】
比較例
〈水相〉
硫酸マグネシウム7水和物1.0%水溶液(溶媒 水:エチレングリコール=6:1)。
〈油相〉
ブルー顔料(銅フタロシアニン)、UV樹脂(エコラコート200DA、マテリアルサイエンス社製)、パラフィン系油、乳化剤(ソルビタンモノオレート)を3本ロールで混練し1次分散体を得、次いでパラフィン系油とUV樹脂を加えて、顔料含有率2%、UV樹脂含有率90%の油相成分を得た。
水相と油相を各々50部混合し、撹拌して油中水滴型エマルジョンインクを調製した。
このインクをPETフィルム上にギャップ25.4μmのフィルムアプリケーターにてコートしインク膜を形成した。これをUV照射装置(80W/cm、距離10cm)を用い、受光面のUVエネルギー50mj/cm2(365nm)にて露光したところ、ブルーのインク硬化膜を得たが、インク表面のみ硬化し内面は未硬化であった。
【0034】
実施例1〜4、及び比較製造例のインクを輪転式孔版印刷機(プリポート、リコー製)に搭載し、印刷して印刷物を得た。この印刷物に同様にして紫外線照射装置(80W/cm、距離10cm)にて50mJ/cm2の紫外線を露光し、白い紙を重ねて裏写りを調べた結果を表1に示す。また、1日経過後のインクの版銅からの漏出の有無、またインクを1週間常温放置後のインクの安定性等を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明の孔版印刷方法によれば、孔版印刷用油中水滴型エマルジョンインクの被印刷体への定着性、乾燥性を向上することができ、画像滲みや裏移りがなく鮮明な印刷画像を与えることができる。
Claims (1)
- サーマルヘッド、又は加熱作用を有するレーザー光線により感熱孔版シートを穿孔する工程、該穿孔シートを孔版印刷版胴へセットする工程、該シートの穿孔部に、着色剤成分、光硬化性化合物成分及び非イオン系界面活性剤を含有する孔版印刷用油中水滴型エマルジョンインクであって、該着色剤成分は、水性染料又は水性化処理された顔料であり、ゲル化された水相(内相)中に含有され、かつ、該光硬化性化合物成分は、アクリル系モノマー、オリゴマー及びポリマーの群から選択された少なくとも1種であり、油相(外相)に含有されてなり、該油相中に沸点130℃以上のオイルを含有させてなる油中水滴型エマルジョンインクを通過させる工程、該通過インクを印刷用紙へ転移する工程及び該転移インク上へ紫外線を含む電磁波を照射する工程を含むことを特徴とする孔版印刷方法。
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