JPH10316248A - 用紙送り機構および画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 給紙部と排紙部においてローラを画像領域に
圧接することなく紙を搬送できる用紙送り機構を提供す
る。 【解決手段】 給紙部４は、給排紙方向６に直交する給
紙軸１０と、給紙軸に固定された第１の給紙ローラ１２
と、給紙軸と共に回転可能でかつ給紙軸に沿って移動可
能な第２の給紙ローラ１４を有する。排紙部３２は、給
排紙方向に直交する排紙軸３４、３６と、給排紙方向に
関して第１の給紙ローラと同一直線上に位置し、排紙軸
に固定された第１の排紙ローラ３８、４０と、給排紙方
向に関して第２の給紙ローラと同一直線上に位置し、排
紙軸と共に回転可能でかつ排紙軸に沿って移動可能な第
２の排紙ローラ４２、４４を有する。これら第２の給紙
ローラと第２の排紙ローラはリンク５６で連結し、これ
らをローラを給排紙方向に同時に移動させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリなどの画像形成装置、及びこのような
画像形成装置に利用可能な用紙送り機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタでは、高精細の
画像を得るために専用紙を用いることが推奨されてい
る。専用紙は、一般に、微小な孔を無数に形成したコー
ト層で覆われており、表面に付着したインクをそれらの
孔からコート層の下に導く。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、コート層に
ローラなどが圧接するとその圧接部にある孔が潰れ、そ
のためにインクをコート層の下に導くことができなくな
るし、圧接部に付着したインクが弾かれて印刷不良を招
来する。その結果、印刷された画像上で、ローラ圧接部
とそれ以外の部分で画質が違うことがある。

【０００４】また、印刷部を通過した紙のインク付着部
にローラが接触すると、未乾燥のインクがローラに付着
したり、このローラに付着したインクが次の紙にオフセ
ットされるという問題がある。そこで、プリンタなどの
排紙部にはローラに代えてスターホイールを設け、これ
により紙に搬送力を与えている。しかし、スターホイー
ルは紙との接触面積が極めて小さいので、十分な搬送力
を紙に与えることができないという欠点がある。このよ
うに従来の画像形成装置に用いられる用紙送り機構で
は、画像を損なったり、十分な搬送力を用紙に付与でき
ないという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の問題を解消するた
めに、本発明にかかる用紙送り機構は、用紙の幅方向に
可動に設けられた用紙送り部材と、用紙の幅方向に可動
に設けられた用紙ガイドと、用紙送り部材と用紙ガイド
とを連結する連結部材とを備えた。

【０００６】上記用紙送り機構はまた、用紙送り部材よ
りも用紙送り方向下流側に設けられ、かつ用紙の幅方向
に可動に設けられた第２の用紙送り部材をさらに備え、
上記各用紙送り部材を連結する第２の連結部材をさらに
備えているのが好ましい。

【０００７】本発明にかかる用紙送り機構の他の実施形
態では、給紙部から紙を供給すると共に、所定の処理が
施された紙を排紙部から排出する用紙送り機構におい
て、上記給紙部は、給排紙方向に直交する給紙軸と、上
記給紙軸に固定された第１の給紙ローラと、上記給紙軸
と共に回転可能でかつ上記給紙軸に沿って移動可能な第
２の給紙ローラとを備え、上記排紙部は、給排紙方向に
直交する排紙軸と、上記給排紙方向に関して上記第１の
給紙ローラと同一直線上に配置されて上記排紙軸に固定
された第１の排紙ローラと、上記給排紙方向に関して上
記第２の給紙ローラと同一直線上に配置され、上記排紙
軸と共に回転可能でかつ上記排紙軸に沿って移動可能な
第２の排紙ローラとを備え、上記用紙送り機構はまた、
上記第２の給紙ローラと上記第２の排紙ローラとを連結
し、これらのローラを給排紙方向に同時に移動させ得る
連結部を備えている。

【０００８】本発明にかかる画像形成装置は、用紙送り
部材と用紙ガイドとを用紙の幅方向に可動に設けると共
に、用紙ガイドに連動して用紙送り部材を印字領域外に
移動させるようにした。

【０００９】

【発明の効果】第１の形態の用紙送り機構によれば、用
紙サイズに応じて用紙ガイドを移動させれば、この用紙
ガイドの移動に連動して紙送り部材を用紙サイズに合っ
た適当な位置に移動することが出来る。例えば、画像形
成装置において、紙送り部材を用紙サイズに応じて印字
領域外に導くことができ、画像を損なったり、十分な搬
送力を付与できないという問題を生じない。

【００１０】第２の形態の用紙送り機構によれば、第１
の給紙ローラと第１の排紙ローラを紙の一側部にある非
画像領域に接触させると共に、連結された第２の給紙ロ
ーラと第２の排紙ローラを紙のサイズに応じて給排紙方
向と直交する方向に移動させて紙の他側部にある非画像
領域に接触させることで、給紙部と排紙部においてロー
ラを画像領域に圧接することなく紙を搬送できる。

【００１１】また、上記画像形成装置によれば、用紙ガ
イドを移動させることにより紙送り部材を用紙サイズに
応じて印字領域外に導くことができ、画像を損なった
り、十分な搬送力を付与できないという問題を生じな
い。

【００１２】そのため、専用コート紙を使用する場合で
も、表面コート層にローラを圧接することがないので、
所望の高精細の画像を得ることができる。また、排紙部
においても紙に十分な搬送力を排紙ローラで与えること
ができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を説明する。図１、２において、プ
リンタ２の給紙部４には、給排紙方向６と直交する方向
（幅方向８）に給紙軸１０が設けてあり、この給紙軸１
０はモータ（図示せず）に駆動連結されている。給紙軸
１０には、ゴムなどの弾性材料からなる略半月状の第１
給紙ローラ１２と第２給紙ローラ１４が設けてある。第
１給紙ローラ１２は給紙軸１０に対して固定されてい
る。一方、第２給紙ローラ１４は、給紙軸１０に設けた
軸方向ガイドと第２給紙ローラ１４に形成した被ガイド
部（共に図示せず）によって、給紙軸１０と共に回転す
ると共に、給紙軸１０に対してその軸方向に移動可能と
してある。

【００１４】給紙ローラ１２、１４の下には、給紙すべ
き紙１６を載置するテーブル１８が設けてある。テーブ
ル１８の一端側には、紙１６の一端を規制する固定ガイ
ド（紙幅ガイド）２０が形成されており、固定ガイド２
０に形成した切欠部（図示せず）において、図４に示す
ように、第１給紙ローラ１２が紙１６の一端側非画像形
成領域１６ａに接触できるようにしてある。

【００１５】テーブル１８の反対側には、紙１６の他端
を規制する可動ガイド２２（紙幅ガイド）が設けてあ
る。可動ガイド２２は、テーブル１８上で幅方向８に伸
びるガイドリブ２４にガイドされながら同方向に移動可
能としてある。可動ガイド２２はまた第２給紙ローラ１
４の両端部に当接するコ字状のアーム２６を備えてお
り、可動ガイド２２をガイドリブ２４に沿って動かすこ
とで、第２給紙ローラ１４を任意の位置に設定できるよ
うになっている。また、図３に示すように、可動ガイド
２２とテーブル１８にはそれぞれ切欠２８とこれに係合
可能な複数の位置決め突起３０（図面では一つしか示し
ていない）が形成されており、規定サイズ（例えば、Ａ
４、Ｂ５サイズ）の紙１６をテーブル１８上にセットし
て固定ガイド２０で紙１６の一端部を規制した状態で、
可動ガイド２２で正確に紙１６の他端部を規制すると共
に、第４図に示すように、第２給紙ローラ１４が紙１６
の他端側非画像形成領域１６ｂに接触できるようにして
ある。

【００１６】プリンタ２の排紙部３２には、幅方向に伸
びる２本の排紙軸３４、３６が上下に設けてあり、これ
らはモータ（図示せず）に駆動連結されている。上部の
排紙軸３４には、第１上排紙ローラ３８と、第２上排紙
ローラ４２と、これらの間にほぼ等間隔に配置された２
つのスターホイール４６、５０が設けてある。なお、ス
ターホイール４６、５０は、図面上は円で表示されてい
るが、実際は星形状又は歯車形状を有する。第１上排紙
ローラ３８とスターホイール４６、５０は排紙軸３４に
固定してある。第２上排紙ローラ４２は、第２給紙ロー
ラ１４と同様の構成により、排紙軸３４と共に回転する
が、軸方向に移動可能としてある。また、第１上排紙ロ
ーラ３８は、給排紙方向６に関して、第１給紙ローラ１
２と同一直線上に配置されており、排出されてくる紙１
６の一端側非画像形成領域１６ａに接触するようにして
ある。

【００１７】同様に、下部の排紙軸３６には、第１下排
紙ローラ４０と、第２下排紙ローラ４４と、これらの間
にほぼ等間隔に配置された２つのローラ４８、５２が設
けてある。第１下排紙ローラ４０とローラ４８、５２は
排紙軸３６に固定してある。第２下排紙ローラ４４は、
第２給紙ローラ１４と同様の構成により、排紙軸３６と
共に回転するが、軸方向に移動可能としてある。また、
第１下排紙ローラ４０、第２下排紙ローラ４４、ローラ
４８、５２は、図示するように、それぞれ第１上排紙ロ
ーラ３８、第２上排紙ローラ４２、スターホイール４
６、５０とに圧接してある。

【００１８】第２上排紙ローラ４２と第２下排紙ローラ
４４は、連結部材５４によって連結され、一体的に幅方
向８に移動可能としてある。連結部材５４は、図２に示
すように、給紙部４の下方に配設されたリンク５６によ
って給紙部４の可動ガイド２２に連結されており、可動
ガイド２２を幅方向８に移動させることによって、同時
に第２上排紙ローラ４２と第２下排紙ローラ４４が同方
向に移動するようにしてある。

【００１９】給紙部４と排紙部３２との間には、搬送ロ
ーラ５８等の紙搬送機構と、搬送される紙１６に対して
画像を印字するインクジェットヘッド６０が設けてあ
る。

【００２０】以上の構成を有するプリンタ２では、画像
を形成する場合、紙１６を給紙部４のテーブル１８に載
置する。このとき、紙１６の一端は固定ガイド２０に揃
える。また、可動ガイド２２を幅方向８に移動して、該
可動ガイド２２で紙１６の他端をガイドする。この状態
で、図４に示すように、第１給紙ローラ１２は紙１６の
一端側非画像形成領域１６ａに接触可能で、第２給紙ロ
ーラ１４は紙１６の他端側非画像形成領域１６ｂに接触
可能である。

【００２１】可動ガイド２２を移動すると、排紙部３２
の第２上排紙ローラ４２と第２下排紙ローラ４４が、第
２給紙ローラ１４と共に移動し、排紙部３２に排出され
る紙１６の他端側非画像形成領域１６ｂに第２上排紙ロ
ーラ４２と第２下排紙ローラ４４が接触可能となる。な
お、第１上排紙ローラ３８と第２下排紙ローラ４０は、
第１給紙ローラ１２と同一直線上に固定されており、排
紙部３２に排出される紙１６の一端側非画像形成領域１
６ａと接触可能となっている。

【００２２】この状態で給紙軸１０に回転を与えると、
第１及び第２給紙ローラ１２、１４の回転により給紙部
４から紙１６が供給される。給紙された紙１６は搬送ロ
ーラ５８によって搬送され、インクジェットヘッド６０
によって上面に画像が形成される。一方、排紙軸３４、
３６も回転が与えられ、画像が形成された紙１６を上下
で挟持しながら排出する。なお、印刷された紙１６の上
面にスターホイール４６、５０が接触するが、このスタ
ーホイール４６、５０は軽くしかも限られた微小部分で
のみ画像に接触するので、画質を損ねることはない。

【００２３】このように、本発明の用紙送り機構を有す
るプリンタ２では、紙１６の画像形成領域にローラを圧
接することなく給紙及び排紙できる。したがって、画像
面にコート層を有するインクジェットプリンタの専用紙
に対して、高精細の画像を形成できる。また、排紙部３
２においても、紙１６に十分な搬送力を加えることがで
きると共に紙に搬送方向のテンションを加えることがで
きるので、所期の紙搬送経路に紙を保つことができ、特
にインクジェットプリンタでは給排紙方向の印字保証範
囲を大きく取ることができる。

【００２４】以上の説明では、本発明をプリンタに適用
した実施形態を説明したが、本発明は、給紙部から排紙
部に紙を搬送する装置であれば、複写機、ファクシミ
リ、その他の画像形成装置にも適用できる。

【００２５】また、給紙装置で扱われるのは紙に限定さ
れるものでなく、ＯＨＰフィルムのような樹脂フィルム
の供給と排出にも適用可能である。

【００２６】さらに、上記実施形態では給紙部の給紙ロ
ーラと排紙部の排紙ローラをリンクで連結したが、両者
は機械的に連結されていればよく、給紙ローラを移動さ
せることによって、それと同時に排紙ローラを移動でき
る構成であればその他の連結機構も使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る用紙送り機構を有するプリンタ
の部分斜視図。

【図２】 本発明に係る用紙送り機構の縦断面図。

【図３】 給紙部の可動ガイドの斜視図。

【図４】 紙の非画像形成領域にローラが接触した状態
の平面図。

【符号の説明】

２…プリンタ、４…給紙部、６…給排紙方向、８…幅方
向、１２…第１給紙ローラ、１４…第２給紙ローラ、１
６…紙、１６ａ、１６ｂ…非画像形成領域、１８…テー
ブル、２２…可動ガイド、３２…排紙軸、３８…第１上
排紙ローラ、４０…第１下排紙ローラ、４２…第２上排
紙ローラ、４４…第２下排紙ローラ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙の幅方向に可動に設けられた用紙送
   り部材と、用紙の幅方向に可動に設けられた用紙ガイド
   と、用紙送り部材と用紙ガイドとを連結する連結部材と
   を備えた用紙送り機構。
2. 【請求項２】 上記用紙送り部材よりも用紙送り方向下
   流側に設けられ、かつ用紙の幅方向に可動に設けられた
   第２の用紙送り部材をさらに備え、上記各用紙送り部材
   を連結する第２の連結部材をさらに備えた請求項１記載
   の用紙送り機構。
3. 【請求項３】 給紙部から紙を供給すると共に、所定の
   処理が施された紙を排紙部から排出する用紙送り機構に
   おいて、 上記給紙部は、給排紙方向に直交する給紙軸と、上記給
   紙軸に固定された第１の給紙ローラと、上記給紙軸と共
   に回転可能でかつ上記給紙軸に沿って移動可能な第２の
   給紙ローラとを備え、 上記排紙部は、給排紙方向に直交する排紙軸と、上記給
   排紙方向に関して上記第１の給紙ローラと同一直線上に
   配置されて上記排紙軸に固定された第１の排紙ローラ
   と、上記給排紙方向に関して上記第２の給紙ローラと同
   一直線上に配置され、上記排紙軸と共に回転可能でかつ
   上記排紙軸に沿って移動可能な第２の排紙ローラとを備
   え、 上記用紙送り機構はまた、上記第２の給紙ローラと上記
   第２の排紙ローラとを連結し、これらのローラを給排紙
   方向に同時に移動させ得る連結部を備えた用紙送り機
   構。
4. 【請求項４】 用紙送り部材と用紙ガイドとを用紙の幅
   方向に可動に設けると共に、用紙ガイドに連動して用紙
   送り部材を印字領域外に移動させるようにした画像形成
   装置。