JPH10315986A - 電動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置

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JPH10315986A
JPH10315986A JP12442197A JP12442197A JPH10315986A JP H10315986 A JPH10315986 A JP H10315986A JP 12442197 A JP12442197 A JP 12442197A JP 12442197 A JP12442197 A JP 12442197A JP H10315986 A JPH10315986 A JP H10315986A
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steering column
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栄 松本
Yuji Kawaike
祐次 川池
Yasuo Matsui
安雄 松井
Hiroshi Eda
広 恵田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次衝突時に吸収可能な衝撃エネルギを十分
に確保して、ステアリングホイールに衝突した運転者の
保護充実を図る。 【解決手段】 ステアリングシャフト1の全長を収縮自
在とする事により、第一の衝撃吸収手段を構成する。ス
テアリングコラム22の全長を収縮自在とする事によ
り、第二の衝撃吸収手段を構成する。上記ステアリング
コラム22を構成するアウターコラム23とハウジング
7との間に第一のエネルギ吸収部材30を設ける事によ
り、第三の衝撃吸収手段を構成する。上記ハウジング7
を車体26に対して、第二のエネルギ吸収部材34によ
り結合支持する事により、第四の衝撃吸収手段を構成す
る。第一〜第三の衝撃吸収手段が同時に衝撃エネルギを
吸収する時間帯が存在する。従って、大きな衝撃エネル
ギの吸収を可能にして、運転者保護の充実を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る電動パワース
テアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置は、電動
モータの回転力を利用する事により、操舵力の軽減を図
ると共に、ステアリングコラムを衝突時の衝撃を吸収で
きる構造とする事により、衝突時に於ける運転者の保護
を図るものである。
【0002】
【従来の技術】進路変更時にステアリングホイールを回
す為に要する力(操舵力)を軽減する為、パワーステア
リング装置と呼ばれる操舵力補助装置が広く使用されて
いる。又、パワーステアリング装置の動力源として、電
動モータを使用する事も、一部で行なわれている。一
方、自動車の衝突時には、自動車が他の自動車等と衝突
する、所謂一次衝突に続いて、運転者がステアリングホ
イールに衝突する、所謂二次衝突が発生する。この二次
衝突の際に運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の
生命保護を図る事を目的として、ステアリング装置の構
造を、二次衝突の際にステアリングホイールが衝撃を吸
収しつつ前方に移動する衝撃吸収式のものとする事が、
一般的に行なわれている。この様な目的で使用される衝
撃吸収式のステアリング装置として従来から、例えば実
開平6−87142号公報に記載されたものが知られて
いる。
【0003】図18〜21は、この公報に記載された電
動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装
置を示している。この電動パワーステアリング装置付衝
撃吸収式ステアリング装置を構成するステアリングシャ
フト1は、後端にステアリングホイール(図示せず)を
固定自在で、衝突時の衝撃荷重により収縮自在な構造と
している。即ち、上記ステアリングシャフト1は、図1
8、21に示す様に、インナーシャフト2とアウターシ
ャフト3との結合部に組み込まれたコラプシブル構造
(第一の衝撃吸収手段に相当する。)により、軸方向の
衝撃が加わった場合に、この衝撃によるエネルギを吸収
しつつ全長が縮まる構造としている。上記コラプシブル
構造は、上記インナーシャフト2の外周面に形成した小
径部4、4と、上記アウターシャフト3の一部で、これ
ら各小径部4、4と整合する位置に形成した通孔5、5
と、これら各小径部4、4並びに通孔5、5に充填した
合成樹脂6、6とから成る。
【0004】上記インナーシャフト2及びアウターシャ
フト3は、通常時には上記合成樹脂6、6の結合力に基
づいて、互いに変位する事はない。又、これらインナー
シャフト2の外周面とアウターシャフト3の内周面と
は、スプライン係合、或は非円形断面同士の係合によ
り、回転力の伝達自在に係合している。この様なインナ
ーシャフト2とアウターシャフト3とから成るステアリ
ングシャフト1に、衝突事故に伴って軸方向に亙る大き
な衝撃力が加わった場合には、上記合成樹脂6、6が裂
断し、上記両シャフト2、3同士が軸方向に亙り変位し
て、上記ステアリングシャフト1の全長を縮める。尚、
上記インナーシャフト2とアウターシャフト3とを組み
立てた後、これら両シャフト2、3同士を互いに軸方向
に変位させる事により、予め上記合成樹脂6、6を裂断
しておく場合もある。この様な場合には、上記両シャフ
ト2、3の嵌合部に働く摩擦力により、上記衝撃による
エネルギを吸収しつつ、上記ステアリングシャフト1の
全長を縮める。
【0005】又、ステアリングコラム22は、上記ステ
アリングシャフト1を挿通自在で、図示しない深溝型玉
軸受によりこのステアリングシャフト1を、回転自在に
支持している。そして、このステアリングコラム22
も、衝突時の衝撃により収縮自在なコラプシブル構造
(第二の衝撃吸収手段に相当する。)としている。即
ち、このステアリングコラム22は、図21に詳示する
様に、アウターコラム23とインナーコラム24とをテ
レスコープ状に組み合わせて成る。通常時には、上記ア
ウターコラム23の内周面と上記インナーコラム24の
外周面との間に作用する摩擦力等に基づいて、これら両
コラム23、24同士が変位しないが、衝突事故に伴っ
て軸方向の衝撃が加わった場合には、この衝撃によるエ
ネルギを吸収しつつ全長が縮まる。
【0006】上記ステアリングコラム22の前端(図1
8の左下端、図20〜21の左端)部分にはハウジング
7を連結し、このハウジング7に、パワーステアリング
装置の動力源となる電動モータ8を支持している。又、
上記ハウジング7内に、前記ステアリングホイールから
上記ステアリングシャフト1に加わえられるトルクを検
出する為のセンサ部を設けている。このセンサ部は、上
記ステアリングシャフト1に加えられた回転力を伝達す
る為のトーションバー(図示せず)を含んで構成し、こ
のトーションバーの捩れ量に基づいて、上記トルクを検
出する。そして、検出したトルクに応じて上記電動モー
タ8に通電し、この電動モータ8により上記ステアリン
グシャフト1に、ウォーム9及びウォームホイール10
(図19)を介して、回転方向の力を付与自在としてい
る。
【0007】又、上記ハウジング7の前端面には、エネ
ルギ吸収部材11(第四の衝撃吸収手段に相当する。)
の基部12(図19〜20)を結合している。このエネ
ルギ吸収部材11は、軟鋼板等、塑性変形自在な材料で
ある金属板により造ったもので、上記基部12の左右両
側に塑性変形部13、13を設け、これら各塑性変形部
13、13の先端部に、取付部14、14を設けてい
る。このうちの塑性変形部13、13は、図19及び図
20(A)に示す様に、上記金属板に形成した帯状部分
をU字形に折り返す事により、上記ハウジング7が軸方
向に変位する際に、図20(A)の状態から同図(B)
の状態に、塑性変形自在としている。
【0008】一方、上記各塑性変形部13、13の先端
部に設けた取付部14、14には、各取付部14、14
を車体26の下面に固定するねじを挿通する為の切り欠
き15、15を形成している。この様な形状を有するエ
ネルギ吸収部材11は、上記基部12を上記ハウジング
7の前端面に結合固定し、上記各取付部14、14を車
体26に固定する事により、上記ハウジング7と車体2
6との間に掛け渡した状態で設け、上記ステアリングコ
ラム22の前端部を車体26に支持する。
【0009】更に、上記ステアリングシャフト1の前端
部(実際には、後述する様に、このステアリングシャフ
ト1に対して直列に結合した別のステアリングシャフト
1aの前端部)で、上記ステアリングコラム22の前端
から突出した部分には、第一の自在継手16の片側を結
合し、この第一の自在継手16の他側を、伝達軸17の
一端に結合している。この伝達軸17は、インナーシャ
フト18の端部とアウターシャフト19の端部とを、ス
プライン、或は非円形嵌合等によって係合させる事によ
り、伸縮自在且つ回転力の伝達を自在に構成している。
この様な伝達軸17は、その一端を上記第一の自在継手
16の他側に結合すると共に、他端を第二の自在継手2
0の一端に結合している。又、この第二の自在継手20
の他端は、ステアリングギヤの入力軸21に接続してい
る。
【0010】上述の様に構成される従来の電動パワース
テアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置の場合、
衝突事故に伴う二次衝突によって、ステアリングシャフ
ト1及びステアリングコラム22を前方に押す衝撃力が
加わった場合には、エネルギ吸収部材11の塑性変形部
13、13が、図20(A)に示した状態から同図
(B)に示した状態に迄塑性変形しつつ、上記ステアリ
ングシャフト1及びステアリングコラム22が前方に変
位する事を許容する。
【0011】この様にステアリングシャフト1及びステ
アリングコラム22が前方に変位すると、上記ハウジン
グ7内に設けた前記トーションバーを介して上記ステア
リングシャフト1に直列に接続された別のステアリング
シャフト1aの前端部も前方に変位する。そして、この
ステアリングシャフト1aの前端部に設けた第一の自在
継手16が、図18の実線位置から鎖線位置に迄、前方
に変位し、この第一の自在継手16と第二の自在継手2
0との距離が縮まる。そこで、これら両継手16、20
の間に設けた伝達軸17の全長が縮まって、上記両継手
16、20の距離変化を吸収する。
【0012】又、二次衝突に伴ってステアリングコラム
22を前方に押す衝撃荷重が加わった場合には、上記エ
ネルギ吸収部材11の塑性変形に基づき、このステアリ
ングコラム22全体が前方に変位するのと前後して、上
記インナーコラム24とアウターコラム23との相対変
位、並びに上記インナーシャフト2とアウターシャフト
3との相対変位に基づいて、上記ステアリングコラム2
2並びに上記ステアリングシャフト1の全長が縮まる。
【0013】この結果、二次衝突に基づく衝撃によっ
て、上記ステアリングホイールが前方に変位可能な距離
は、上記エネルギ吸収部材11の塑性変形に基づくステ
アリングコラム22の変位量L1 と、上記ステアリング
コラム22の収縮量L2 との和(L1 +L2 )になる。
従って、上記ステアリングコラム22の曲げ剛性を確保
すべく、上記アウターコラム23とインナーコラム24
との嵌合長さを長くする事に伴い、上記収縮量L2 を十
分に確保できなくても、上記ステアリングホイールの変
位量を十分に確保できる。
【0014】更に、上記伝達軸17、ステアリングシャ
フト1、ステアリングコラム22の全長は、二次衝突に
先立つ一次衝突によって上記第二の自在継手20が後方
へ移動した場合も縮まる。ステアリングコラム22を構
成するアウターコラム23の中間部を車体26に支持し
ている上部支持ブラケット45は、このステアリングコ
ラム22が前方に変位する事のみを可能とし、後方への
変位は阻止する構造である。この為、一次衝突の際に上
記アウターコラム23が後方に変位する事はなく、上記
ステアリングシャフト1の後端部に固定されたステアリ
ングホイールが、運転者に向けて突き上がる事はない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来の電動パワーステアリング装置付衝撃吸収式
ステアリング装置の場合、二次衝突時に衝撃エネルギの
吸収を設計者の意図通りに行なわせる事が難しい場合が
ある。即ち、二次衝突に伴うステアリングホイールの前
方への変位量は、エネルギ吸収部材11の塑性変形に基
づくステアリングコラム22の変位量L1 と、このステ
アリングコラム22自体の収縮量L2 との和(L1 +L
2 )として十分に確保できるが、上記エネルギ吸収部材
11が塑性変形し始める瞬間は、上記ステアリングコラ
ム22が収縮し始める瞬間に対して遅れる。即ち、上記
エネルギ吸収部材11は、上記ステアリングコラム22
がほぼ収縮し切った後、塑性変形し始める。従って、上
記ステアリングコラム22が収縮する事に基づく衝撃エ
ネルギの吸収と、上記エネルギ吸収部材11が塑性変形
する事に基づく衝撃エネルギの吸収とは、時間的に前後
して行なわれる。
【0016】上記ステアリングコラム22の収縮と上記
エネルギ吸収部材11の塑性変形とが同時に行なわれ、
二次衝突時の衝撃エネルギ吸収を十分に行なえれば良い
が、実際の場合には上記収縮と塑性変形とは時間的に前
後して行なわれる場合が多い。この為、或る瞬間には一
方のみで二次衝突時の衝撃エネルギを吸収する事にな
り、十分なエネルギ吸収を行なう事は難しい。従って、
衝撃エネルギの吸収が不足する分、別の衝撃吸収手段を
設け、この別途設けた衝撃吸収手段により、二次衝突時
の衝撃エネルギ吸収を補完する必要がある。本発明の電
動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装
置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決する為の手段】本発明の電動パワーステア
リング装置付衝撃吸収式ステアリング装置は、前述した
従来の電動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステア
リング装置と同様に、後端にステアリングホイールを固
定自在としたステアリングシャフトと、このステアリン
グシャフトを挿通自在なステアリングコラムと、このス
テアリングコラムの前端部に結合されたハウジングと、
このハウジングに支持され、通電に伴って上記ステアリ
ングシャフトに回転方向の力を付与する電動モータと、
塑性変形自在な材料により造られ、上記ハウジングと車
体との間に掛け渡した状態で設ける事により、上記ステ
アリングコラムの前端部を車体に支持するエネルギ吸収
部材と、上記ステアリングシャフトの前端部で、上記ハ
ウジングの前端から突出した部分にその片側を結合した
第一の自在継手と、その一端を上記第一の自在継手の他
側に結合した伝達軸と、この伝達軸の他端にその一端を
結合した第二の自在継手とを備える。そして、上記ステ
アリングシャフトの前端部で上記ハウジングから突出し
た部分と上記伝達軸との少なくとも一方を、伸縮自在且
つ回転力の伝達自在な構造とすると共に、上記ステアリ
ングシャフト及び上記ステアリングコラムを、軸方向に
亙る衝撃荷重に基づいてそれぞれの全長を縮める構造と
している。
【0018】特に、本発明の電動パワーステアリング装
置付衝撃吸収式ステアリング装置に於いては、上記ステ
アリングシャフトの一部で軸方向に亙る衝撃荷重に基づ
いてこのステアリングシャフトの全長を縮める部分に、
上記衝撃によるエネルギを吸収する為の第一の衝撃吸収
手段を設けている。又、上記ステアリングコラムの一部
で軸方向に亙る衝撃荷重に基づいてこのステアリングコ
ラムの全長を縮める部分に、上記衝撃によるエネルギを
吸収する為の第二の衝撃吸収手段を設けている。又、上
記ステアリングコラムの一部と上記ハウジングとの間
に、上記衝撃によるエネルギを吸収しつつ、上記ステア
リングコラムの一部が上記ハウジングに対して前方に変
位する事を許容する第三の衝撃吸収手段を設けている。
更に、上記エネルギ吸収部材により、上記衝撃によるエ
ネルギを吸収しつつ上記ハウジングが前方に変位する事
を許容する第四の衝撃吸収手段を構成している。
【0019】又、好ましくは、上記エネルギ吸収部材
を、上記ステアリングシャフトの前端部を結合支持自在
な結合支持部と、上記車体に固定する為の支持固定部
と、これら結合支持部の上端縁と支持固定部の一端縁と
を連結する連結部とを備えたものとする。そして、上記
エネルギ吸収部材は、ステアリングコラムの前端部に加
わる前方に向いた衝撃荷重に基づいてこのステアリング
コラムの前端部を、上記支持固定部の一端縁と連結部の
上端縁との連続部を中心とする円弧運動により前方に変
位させる構造のものとする。
【0020】
【作用】上述の様に構成される本発明の電動パワーステ
アリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置の場合、衝
突事故に伴う二次衝突によって、ステアリングシャフト
及びステアリングコラムを前方に押す衝撃荷重が加わっ
た場合には、前述の図18〜21に示した従来構造の場
合と同様に、エネルギ吸収部材が塑性変形する事と、ス
テアリングシャフト及びステアリングコラムが収縮する
事とによって、上記ステアリングシャフト及びステアリ
ングコラムが前方に変位する事を許容する。この様にス
テアリングシャフト及びステアリングコラムを前方に変
位させるべく、上記エネルギ吸収部材が塑性変形する
際、このステアリングシャフトの前端部と伝達軸とのう
ちの少なくとも一方の全長が縮まって、第二の自在継手
の変位を吸収する。
【0021】特に、本発明の電動パワーステアリング装
置付衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、第一〜第
四の衝撃吸収手段が、二次衝突に伴ってステアリングホ
イールに加えられた衝撃のエネルギを吸収しつつ、この
ステアリングホイールが前方に変位する事を許容する。
上記エネルギ吸収部材が構成する第四の衝撃吸収手段に
よる衝撃エネルギの吸収は、第一〜第三の衝撃吸収手段
による衝撃エネルギの吸収がほぼ終了してから開始され
るが、第一〜第三の衝撃吸収手段による衝撃エネルギの
吸収は、多少時間的に前後する事はあっても、同時に衝
撃エネルギの吸収を行なう時間帯が存在する。従って、
上記ステアリングホイールに加わった大きな衝撃エネル
ギを吸収する事が可能になる。
【0022】更に、より好ましい構造を採用した場合に
上記エネルギ吸収部材は、ステアリングコラムの前端部
に加わる前方に向いた衝撃荷重に基づいてこのステアリ
ングコラムの前端部を、上記支持固定部の一端縁と連結
部の上端縁との連続部を中心とする円弧運動により前方
に変位させる。従って、ハウジング及び電動モータを上
記ステアリングコラムの前端部上側に設け、これらハウ
ジング及び電動モータを車体の下面に設けた凹部等に収
納した場合でも、上記円弧運動に基づいて、これらハウ
ジング及び電動モータが上記凹部から抜け出す。又、上
記円弧運動に基づく上記ステアリングコラムの前端部の
下方への変位量は僅かである為、このステアリングコラ
ムの傾斜角度が前方への変位に伴って大きく変化する事
はない。従って、二次衝突に伴ってステアリングホイー
ルが上昇する事も殆どなく、運転者保護の充実を図り易
くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、二次衝突
時にステアリングホイールを十分に前方に変位自在とし
た構造で、しかもこのステアリングホイールに加わった
衝撃エネルギを十分に確保する為、ステアリングコラム
22の前端部とハウジング7の後面との間に第三の衝撃
吸収手段を設けた点にある。ステアリングシャフト1を
構成するインナーシャフト2とアウターシャフト3と
を、第一の衝撃吸収手段を介して、衝撃エネルギを吸収
しつつ収縮自在に組み合わせた点、並びに、ステアリン
グコラム22を構成するアウターコラム23とインナー
コラム24とを第二の衝撃吸収手段を介して、衝撃エネ
ルギを吸収しつつ収縮自在に組み合わせた点、上記ステ
アリングシャフト1の前端部で、上記ハウジング7の前
端から突出した部分に伸縮自在な伝達軸17を、第一の
自在継手16を介して結合した点等は、前述の図18〜
21に示した従来構造と同様であるから、同等部分には
同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分を含む、従来構造と異なる
部分を中心に説明する。
【0024】上記ステアリングコラム22を構成するイ
ンナーコラム24の前端部には取付フランジ27を、溶
接等により固定し、更にこの取付フランジ27を上記ハ
ウジング7の後面(図1〜3の右面)に、ボルト28に
より結合固定している。この様に上記インナーコラム2
4をハウジング7に対し強固に結合固定する事により、
電動モータ8から上記ステアリングシャフト1に回転補
助力を付与する事に伴う反力に拘らず、上記ステアリン
グコラム22がハウジング7に対し回転する事を確実に
防止している。
【0025】又、上記ステアリングコラム22を構成す
るアウターコラム23の外周面に、溶接等により固定し
たブラケット29と上記取付フランジ27との間には、
第三の衝撃吸収手段を構成する第一のエネルギ吸収部材
30を設けている。この第一のエネルギ吸収部材30
は、塑性変形自在な金属板により形成したベローズ31
と、ゴム、エラストマー等の弾性材により環状に形成し
て上記ベローズ31の前端部に結合した間座32とから
成る。この様な第一のエネルギ吸収部材30は、上記間
座32を、上記取付フランジ27の中央部に設けた支持
筒部33に外嵌し、上記ベローズ31の後端縁を上記ブ
ラケット29の前端縁に突き当てた状態で、上記ブラケ
ット29と上記取付フランジ27との間に設けている。
【0026】更に、上記ハウジング7は車体に対して、
第四の衝撃吸収手段を構成する第二のエネルギ吸収部材
34により結合支持している。この第二のエネルギ吸収
部材34は、上記ハウジング7に結合する為の結合板部
35と、車体26に取り付け固定する為の取付板部36
と、この取付板部36の前端縁と上記結合板部35の上
端縁とを連続させる塑性変形部37とから成る。この塑
性変形部37は、前側が凸面となる方向に湾曲した略U
字形の折り返し部38を設けて成る。
【0027】上述の様に構成される本発明の電動パワー
ステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置の場
合、衝突事故に伴う二次衝突によって、ステアリングシ
ャフト1及びステアリングコラム22を前方に押す衝撃
荷重が加わった場合には、第一、第二のエネルギ吸収部
材30、34が塑性変形する事と、ステアリングシャフ
ト1及びステアリングコラム22が収縮する事とによっ
て、上記ステアリングシャフト1及びステアリングコラ
ム22が前方に変位する事を許容する。
【0028】即ち、上記二次衝突時には、先ず、図2に
示す様に、ステアリングシャフト1とステアリングコラ
ム22との全長が縮まる。この際、ステアリングシャフ
ト1を構成するインナーシャフト2とアウターシャフト
3との結合部に設けた第一の衝撃吸収手段と、ステアリ
ングコラム22を構成するアウターコラム23とインナ
ーコラム24との結合部に設けた第二の衝撃吸収手段と
が衝撃エネルギを吸収し、ステアリングホイールにぶつ
かった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。尚、ステ
アリングシャフト1とステアリングコラム22とのう
ち、先ずステアリングホイールを直接固定したステアリ
ングシャフト1が収縮を開始し、一瞬遅れた後、上記ス
テアリングシャフト1を支持したステアリングコラム2
2が収縮を開始する。
【0029】上記第一のエネルギ吸収部材30に関して
は、ステアリングコラム22が収縮を開始した直後は、
前記弾性材製の間座32が弾性的に圧縮されるのみで、
衝撃エネルギの吸収は行なわない。これに対して、上記
ステアリングコラム22が少し収縮し、上記間座32が
それ以上圧縮されない状態になると、上記第一のエネル
ギ吸収部材30を構成するベローズ31が、塑性変形し
つつ、上記アウターコラム23が前方に変位する事を許
容する。この際、上記ベローズ31の塑性変形に基づ
き、上記衝撃エネルギを吸収する。
【0030】二次衝突の進行に伴って、上記ステアリン
グシャフト1及びステアリングコラム22が図2に示し
た状態に迄縮み切ると、次いで、図2〜3に示す様に、
前記第二のエネルギ吸収部材34が塑性変形し始める。
そして、運転者の身体から上記ステアリングホイールに
加えられた衝撃エネルギを吸収しつつ、更に上記ステア
リングシャフト1及びステアリングコラム22が前方に
変位する事を許容する。
【0031】上述した様に、本発明の電動パワーステア
リング装置付衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、
第一〜第四の衝撃吸収手段が、二次衝突に伴ってステア
リングホイールに加えられた衝撃のエネルギを吸収しつ
つ、このステアリングホイールが前方に変位する事を許
容する。図4は、これら第一〜第四の衝撃吸収手段が、
二次衝突に伴ってステアリングホイールに加えられた衝
撃のエネルギを吸収する状態を、経時的に表した線図で
ある。この図4の実線イは、第一の衝撃吸収手段が吸収
する衝撃エネルギを、破線ロは同じく第二の衝撃吸収手
段が吸収する衝撃エネルギを、一点鎖線ハは同じく第三
の衝撃吸収手段が吸収する衝撃エネルギを、二点鎖線ニ
は同じく第四の衝撃吸収手段が吸収する衝撃エネルギ
を、それぞれ表している。
【0032】上述した図4の記載から明らかな通り、上
記第二のエネルギ吸収部材34が構成する第四の衝撃吸
収手段による衝撃エネルギの吸収は、ステアリングシャ
フト1の中間部に設けた第一の衝撃吸収手段、ステアリ
ングコラム22の中間部に設けた第二の衝撃吸収手段、
ステアリングコラム22とハウジング7との間に設けた
第三の衝撃吸収手段による衝撃エネルギの吸収がほぼ終
了してから開始される。但し、これら第一〜第三の衝撃
吸収手段による衝撃エネルギの吸収は、多少時間的に前
後する事はあっても、同時に衝撃エネルギの吸収を行な
う時間帯が存在する。従って、上記ステアリングホイー
ルに加わった大きな衝撃エネルギを吸収する事が可能に
なる。
【0033】又、第一、第二の衝撃吸収手段が衝撃吸収
を開始する瞬間には、比較的大きなピーク値が発生す
る。言い換えれば、ステアリングシャフト1及びステア
リングコラム22の収縮を開始する瞬間には、比較的大
きなスラスト荷重を必要とする。本発明の場合には、第
一、第二の衝撃吸収手段が衝撃吸収を開始する瞬間を互
いにずらせると共に、前述の間座32を設ける事によ
り、第三の衝撃吸収手段を構成するベローズ31が縮み
始める瞬間も、第一、第二の衝撃吸収手段が衝撃吸収を
開始する瞬間からずらせている。従って、上記ステアリ
ングホイールを前方に変位させる為に要する荷重が瞬間
的に大きくなる事を防止して、上記ステアリングホイー
ルにぶつかった運転者の保護を有効に図れる。
【0034】次に、図5〜12は、本発明の実施の形態
の第2例を示している。本例の場合は、上述した第1例
の機能に加え、電動モータ8及びハウジング7をステア
リングコラム22の上側に設ける構造で、しかも二次衝
突に伴ってステアリングホイールが上昇するのを防止で
きる機能を付加したものである。図1〜3並びに図5〜
8に示した様に、電動モータ8及びハウジング7をステ
アリングコラム22の上側に設ける構造は、これら電動
モータ8及びハウジング7と運転者の膝等とが干渉する
事を防止する為に必要となる場合がある。そして、この
様に電動モータ8及びハウジング7をステアリングコラ
ム22の上側に設ける場合には、これら電動モータ8及
びハウジング7を、図1、5、7に示す様に、車体26
(ダッシュボード)の一部に設けた凹部25内に収納す
る必要が生じる事がある。
【0035】この様な構造を採用すると、二次衝突に伴
って上記ステアリングコラム22が前方に変位した場合
に、前述の図2に示す様に、電動モータ8又はハウジン
グ7が、上記凹部25の内面、或は開口縁部と干渉(衝
突)する。この状態で更に上記ステアリングコラム22
が前方に変位すると、上記電動モータ8及びハウジング
7は、上記凹部25の開口縁部を避けつつ、前方に変位
する。従って、上記ステアリングコラム22と車体26
との間に設ける第二のエネルギ吸収部材34は、図1〜
3に示す様に、上記ステアリングコラム22の前端部が
上記凹部25の開口縁部を避けつつ前方に向け円滑に変
位できる形状としなければならない。
【0036】この様な形状の第二のエネルギ吸収部材3
4を採用すると、上記ステアリングコラム22が十分に
前方に変位させる事に伴う、このステアリングコラム2
2の前端部の下方への変位量が多くなる。従って、図1
〜3に示した第1例の構造の場合には、二次衝突に伴っ
てステアリングコラム22が前方に変位するのに伴っ
て、このステアリングコラム22の傾斜角度が大きくな
る。この結果、このステアリングコラム22に支持され
たステアリングシャフト1の後端部に支持固定した、ス
テアリングホイールの高さ位置が高くなる(上昇す
る)。ステアリングホイールの高さ位置が高くなると、
それだけ、運転者の頭部とステアリングホイールとが衝
突する可能性が大きくなり、運転者保護の面から好まし
くない場合がある。
【0037】これに対して本例の電動パワーステアリン
グ装置付衝撃吸収式ステアリング装置は、本発明の利点
を損なう事なく、電動モータ8及びハウジング7をステ
アリングコラム22の前端部上側に設けた構造でも、二
次衝突時にステアリングホイールが上昇しない構造を実
現する事により、運転者保護の充実を図れる様に構成し
ている。尚、本例の特徴は、ステアリングコラム22の
前端部を車体26に対して、衝撃エネルギを吸収しつつ
前方に変位自在にする部分の構造にある。その他の部分
に関しては、前述した従来構造或は第1例の構造と多く
の点で共通するので、共通部分に関しては一部説明を省
略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0038】ステアリングコラム22の前端部にはハウ
ジング7を結合しており、このハウジング7により電動
モータ8を、上記ステアリングコラム22の前端部上側
に支持している。この電動モータ8は、ハーネス46を
通じての通電に伴い、図6に示したウォーム9とウォー
ムホイール10とを介して上記ステアリングシャフト1
に回転方向の力を付与する。通常時、上記電動モータ8
は、車体26(ダッシュボード)の下面に形成した凹部
25内に収納している。この様に、上記電動モータ8を
ステアリングコラム22の前端部上側に設けた事に伴
い、この前端部下側に大きな突出部が存在しなくなり、
軽自動車等、小型の自動車に設置した場合でも、運転者
の膝や足、更には各種ペダル等との干渉を防止できて、
自動車の設計の自由度が増す。
【0039】上記ハウジング7の前端面(図5、7、8
の左下端面)と上記車体26の下面との間には、図9〜
12に示す様な形状の第二のエネルギ吸収部材34aを
掛け渡している。この第二のエネルギ吸収部材34a
は、軟鋼板等、塑性変形自在な材料にプレス加工等を施
す事より、一体に造っている。この第二のエネルギ吸収
部材34aは、結合板部35aと、取付板部36aと、
連結部42とを備える。このうちの結合板部35aは、
上記ステアリングシャフト1の前端部に固定したハウジ
ング7の前端面に結合支持自在とすべく、円環状に構成
している。この様な結合板部35aは、外周縁部に形成
した複数の通孔39、39(図11〜12)に挿通した
ねじ47(図5、7、8)により、上記ハウジング7の
前端面に結合支持している。
【0040】又、上記取付板部36aは、上記車体26
の下面に支持固定自在とすべく、矩形平板状に形成し、
前端縁両端部2個所位置に、それぞれ切り欠き40、4
0を形成している。この様な取付板部36aは、これら
各切り欠き40、40に挿通したねじ或はリベット等に
より、上記車体26の下面に固定している。更に、上記
連結部42は、上記結合板部35aの上端縁と上記取付
板部36aの後端縁とを連結している。本例の場合、こ
の連結部42の中間部には断面円弧状の突条41を、こ
の連結部42の全幅に亙って形成している。
【0041】上述の様な形状を有し、上記ハウジング7
と車体26とを結合している上記第二のエネルギ吸収部
材34aは、前記ステアリングコラム22の前端部に加
わる前方に向いた衝撃荷重に基づいて、衝撃エネルギを
吸収しつつ塑性変形する。そして、上記ステアリングコ
ラム22の前端部に結合固定した、前記ハウジング7及
びモータ8を、上記取付板部36aの後端縁と連結部4
2の上端縁との連続部43を中心とする円弧運動により
前方に変位させる。尚、上記連結部42の長さ寸法(上
端縁と下端縁との距離)は、上記ハウジング7及び電動
モータ8と車体26との干渉防止を図れ、且つステアリ
ングコラム22の前方への変位量を確保できる限り、で
きるだけ小さくする。
【0042】更に、上記ハウジング7内に設けたトーシ
ョンバー(図示せず)を介して上記ステアリングシャフ
ト1に直列に接続され、上記ハウジング7の前端から突
出した別のステアリングシャフト1aの前端部には、第
一の自在継手16を設けている。そして、この第一の自
在継手16に伝達軸17の一端を連結し、この伝達軸1
7の他端を、第二の自在継手20を介して、図示しない
ステアリングギヤの入力軸等に連結している。尚、上記
伝達軸17も、従来構造の場合と同様に、軸方向に亙る
衝撃荷重により、全長を収縮自在としている。
【0043】上述の様に構成される本例の電動パワース
テアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置の場合、
衝突事故に伴う二次衝突によって、ステアリングシャフ
ト1及びステアリングコラム22を前方に押す衝撃荷重
が加わった場合には、前述の図1〜3に示した第1例の
場合と同様に、第一、第二のエネルギ吸収部材30、3
4aが塑性変形する事と、ステアリングシャフト1及び
ステアリングコラム22が収縮する事とによって、上記
ステアリングシャフト1及びステアリングコラム22が
前方に変位する事を許容する。
【0044】即ち、上記二次衝突時には、先ず、図7に
示す様に、ステアリングシャフト1とステアリングコラ
ム22との全長が縮まると共に、第一のエネルギ吸収部
材30を構成するベローズ31が塑性変形して全長が縮
まり、ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体
に加わる衝撃を緩和する。二次衝突の進行に伴って、上
記ステアリングシャフト1とステアリングコラム22と
ベローズ31とが図7に示した状態に迄縮み切ると、次
いで、図8に示す様に、上記第二のエネルギ吸収部材3
4aが塑性変形し始める。そして、運転者の身体から上
記ステアリングホイールに加えられた衝撃エネルギを吸
収しつつ、更に上記ステアリングシャフト1及びステア
リングコラム22が前方に変位する事を許容する。
【0045】本例の電動パワーステアリング装置付衝撃
吸収式ステアリング装置の場合、上記第二のエネルギ吸
収部材34aは上記ステアリングコラム22の軸方向前
方に加わる衝撃荷重に基づいて、上記取付板部36aの
後端縁と連結部42の上端縁との連続部43の折れ曲が
り角度を変化させる。即ち、上記ステアリングコラム2
2の前端部に固定したハウジング7に加わる前方に向い
た衝撃荷重に基づいてこのハウジング7及び前記電動モ
ータ8を、上記連続部43を中心とし、凡そ上記連結部
42の長さ寸法をその曲率半径とする円弧運動により、
車体26との干渉を防止しつつ前方に変位させて、前記
凹部25から脱出させる。この際、上記連結部42の中
間部に形成した突条41は、この連結部42を変形させ
る為に要する荷重を調整する役目を果たす。即ち、上記
衝撃荷重と上記連結部42の変形量との関係を実験的に
求め、所定の荷重により上記連結部42が所定量変形す
る様に、上記突条41の形状及び大きさを選択する。
【0046】本例の電動パワーステアリング装置付衝撃
吸収式ステアリング装置の場合、二次衝突の際には、上
述の様にハウジング7及び電動モータ8が、上記連結部
42の長さ寸法をその半径とする円弧運動をしつつ、前
方に変位する。連結部42の下端縁は、この連結部42
の変形開始直後は、斜め前下方に変位する。従って、こ
れらハウジング7及び電動モータ8を上記ステアリング
コラム22の前端部上側に設け、これらハウジング7及
び電動モータ8を車体26の下面に設けた凹部25等に
収納した場合でも、これらハウジング7及び電動モータ
8が上記凹部25から抜け出す。又、上記連結部42の
長さ寸法は限られており、しかも通常時にも傾斜方向に
配置されているので、上記円弧運動に基づいて上記ステ
アリングコラム22の前端部が下方に変位する量は僅か
である。この為、このステアリングコラム22の傾斜角
度が前方への変位に伴って大きく変化する事はない。従
って、二次衝突に伴ってステアリングホイールが上昇す
る事も殆どなく、運転者保護の充実を図り易くなる。
【0047】次に、図13〜17は、本発明の実施の形
態の第3例を示している。本例の場合には、第二のエネ
ルギ吸収部材34bを構成する取付板部36aから連結
部42に亙って、これら両部36a、42の連続方向に
長い突条44、44を形成している。従って上記第二の
エネルギ吸収部材34bの曲げ剛性は、上述した第2例
に組み込む第二のエネルギ吸収部材34a(図5、7〜
12)の曲げ剛性に比べて大きい。この様に曲げ剛性の
異なる複数種類の第二のエネルギ吸収部材34a、34
bを用意する事により、二次衝突時に吸収可能な衝撃エ
ネルギの調整を自在に行なえる。上述の様に大きな曲げ
剛性を有する第二のエネルギ吸収部材34bを電動パワ
ーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置に組
み付ける状態、並びに二次衝突時に衝撃エネルギを吸収
しつつステアリングコラム22が前方に変位するのを許
容する際の作用は、上述した第2例の場合と同様であ
る。
【0048】尚、図示は省略するが、本発明は、電動モ
ータ8及びハウジング7をステアリングコラム22の前
端部上側に設けた構造に限らず、前述の図18〜19に
示した様に、ステアリングコラム22の前端部下側に設
けた構造でも実施できる。
【0049】
【発明の効果】本発明の電動パワーステアリング装置付
衝撃吸収式ステアリング装置は、以上に述べた通り構成
され作用する為、二次衝突時に吸収可能な衝撃エネルギ
の大きさを目標通りに設定して、運転者保護の充実を図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を通常状態で示
す、部分切断側面図。
【図2】同じく、エネルギ吸収部材の変形に基づいてス
テアリングシャフト及びステアリングコラムが前方に変
位し始めた状態で示す、部分切断側面図。
【図3】同じく、ステアリングシャフト及びステアリン
グコラムが、更に前方に変位した状態で示す、部分切断
側面図。
【図4】二次衝突時に第一〜第四の衝撃吸収手段が吸収
する衝撃エネルギの大きさを経時的に示す線図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を通常状態で示
す、部分切断側面図。
【図6】図5のA−A断面図。
【図7】二次衝突に基づいてステアリングシャフト及び
ステアリングコラムが縮み切った状態で示す、部分切断
側面図。
【図8】更にエネルギ吸収部材の変形に基づいてステア
リングシャフト及びステアリングコラムが前方に変位し
た状態で示す、部分切断側面図。
【図9】第2例に組み込むエネルギ吸収部材の側面図。
【図10】同じく平面図。
【図11】図9の左方から見た図。
【図12】図9のB矢視図。
【図13】第3例に組み込むエネルギ吸収部材の側面
図。
【図14】同じく平面図。
【図15】図13の左方から見た図。
【図16】図13のC矢視図。
【図17】一部を省略して示す、図13のD矢視図。
【図18】従来構造の1例を示す、部分縦断側面図。
【図19】図18の拡大E−E断面図。
【図20】エネルギ吸収部材の変形前及び変形後の状態
を示す、図18の上方から見た図。
【図21】ステアリングコラムの収縮前及び収縮後の状
態を示す、図18のF部拡大図。
【符号の説明】
1、1a ステアリングシャフト 2 インナーシャフト 3 アウターシャフト 4 小径部 5 通孔 6 合成樹脂 7 ハウジング 8 電動モータ 9 ウォーム 10 ウォームホイール 11 エネルギ吸収部材 12 基部 13 塑性変形部 14 取付部 15 切り欠き 16 第一の自在継手 17 伝達軸 18 インナーシャフト 19 アウターシャフト 20 第二の自在継手 21 入力軸 22 ステアリングコラム 23 アウターコラム 24 インナーコラム 25 凹部 26 車体 27 取付フランジ 28 ボルト 29 ブラケット 30 第一のエネルギ吸収部材 31 ベローズ 32 間座 33 支持筒部 34、34a、34b 第二のエネルギ吸収部材 35、35a 結合板部 36、36a 取付板部 37 塑性変形部 38 折り返し部 39 通孔 40 切り欠き 41 突条 42 連結部 43 連続部 44 突条 45 上部支持ブラケット 46 ハーネス 47 ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恵田 広 群馬県前橋市鳥羽町78番地 日本精工株式 会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端にステアリングホイールを固定自在
    としたステアリングシャフトと、このステアリングシャ
    フトを挿通自在なステアリングコラムと、このステアリ
    ングコラムの前端部に結合されたハウジングと、このハ
    ウジングに支持され、通電に伴って上記ステアリングシ
    ャフトに回転方向の力を付与する電動モータと、塑性変
    形自在な材料により造られ、上記ハウジングと車体との
    間に掛け渡した状態で設ける事により、上記ステアリン
    グコラムの前端部を車体に支持するエネルギ吸収部材
    と、上記ステアリングシャフトの前端部で、上記ハウジ
    ングの前端から突出した部分にその片側を結合した第一
    の自在継手と、その一端を上記第一の自在継手の他側に
    結合した伝達軸と、この伝達軸の他端にその一端を結合
    した第二の自在継手とを備え、上記ステアリングシャフ
    トの前端部で上記ハウジングから突出した部分と上記伝
    達軸との少なくとも一方を、伸縮自在且つ回転力の伝達
    自在な構造とすると共に、上記ステアリングシャフト及
    び上記ステアリングコラムを、軸方向に亙る衝撃荷重に
    基づいてそれぞれの全長を縮める構造とした電動パワー
    ステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置に於い
    て、上記ステアリングシャフトの一部で軸方向に亙る衝
    撃荷重に基づいてこのステアリングシャフトの全長を縮
    める部分に、上記衝撃によるエネルギを吸収する為の第
    一の衝撃吸収手段を設け、上記ステアリングコラムの一
    部で軸方向に亙る衝撃荷重に基づいてこのステアリング
    コラムの全長を縮める部分に、上記衝撃によるエネルギ
    を吸収する為の第二の衝撃吸収手段を設け、上記ステア
    リングコラムの一部と上記ハウジングとの間に、上記衝
    撃によるエネルギを吸収しつつ、上記ステアリングコラ
    ムの一部が上記ハウジングに対して前方に変位する事を
    許容する第三の衝撃吸収手段を設け、上記エネルギ吸収
    部材により、上記衝撃によるエネルギを吸収しつつ上記
    ハウジングが前方に変位する事を許容する第四の衝撃吸
    収手段を構成した事を特徴とする電動パワーステアリン
    グ装置付衝撃吸収式ステアリング装置。
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