JP3644162B2 - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3644162B2
JP3644162B2 JP32545496A JP32545496A JP3644162B2 JP 3644162 B2 JP3644162 B2 JP 3644162B2 JP 32545496 A JP32545496 A JP 32545496A JP 32545496 A JP32545496 A JP 32545496A JP 3644162 B2 JP3644162 B2 JP 3644162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
steering column
support bracket
folded
energy absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP32545496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10167083A (ja
Inventor
誠一 森山
隆宏 南方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP32545496A priority Critical patent/JP3644162B2/ja
Publication of JPH10167083A publication Critical patent/JPH10167083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3644162B2 publication Critical patent/JP3644162B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、衝突時の衝撃を吸収できる構造とする事により、衝突時に於ける運転者の身体保護を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の衝突時には、自動車が他の自動車等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者がステアリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者が受ける衝撃を少なく抑え、運転者の保護を図る事を目的として、一端にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトを支持したステアリングコラムの支持部を衝撃吸収式のものとする事が、一般的に行なわれている。
【0003】
この様な目的で使用される衝撃吸収式ステアリング装置として、従来から各種構造のものが知られている。図16〜20は、従来から知られた衝撃吸収式ステアリングコラムの1例として、特公昭59−46828号公報に記載されたものを示している。円筒状のステアリングコラム1の内側にはステアリングシャフト2を、回転自在に支持している。このステアリングシャフト2の後端部(図16の右端部)で上記ステアリングコラム1の後端開口から突出した部分には、ステアリングホイール3を固定している。又、上記ステアリングシャフト2の前端部(図16の左端部)で上記ステアリングコラム1の前端開口から突出した部分には、伝達軸5の一端を、自在継手4を介して連結している。そして、この伝達軸5の他端を、別の自在継手6を介して、ステアリングギヤの入力軸7に連結している。
【0004】
上記ステアリングコラム1の前端部は、前部支持ブラケット8により、車体9に支持している。尚、この前部支持ブラケット8は、上記ステアリングコラム1を、軸方向(前後方向)に亙る変位自在に支持している。一方、上記ステアリングコラム1の中間部後寄り部分は、後部支持ブラケット10により、上記車体9に支持している。この後部支持ブラケット10は、衝突事故が発生していない通常状態では、上記ステアリングコラム1を車体に対してしっかりと支持するが、二次衝突時には車体9に対する支持力を喪失し、このステアリングコラム1が前方(図16の左方)に変位するのを許容する。この際、上記後部支持ブラケット10と一体に形成したエネルギ吸収部材11を塑性変形させる事により、二次衝突に伴う衝撃エネルギを吸収し、上記ステアリングホイール3にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
【0005】
上記後部支持ブラケット10は、鋼板等の金属板を曲げ形成して成り、上記ステアリングコラム1の中間部後寄り部分に、溶接等により固定している。この後部支持ブラケット10は、上記ステアリングコラム1の左右両側から突出する、左右1対の取付板部12、12を有する。そして、これら各取付板部12、12に、各取付板部12、12の後端縁(図18〜20の右端縁)に開口する切り欠き13を形成している。又、上記エネルギ吸収部材11は、上記各取付板部12、12の前端縁(図18〜20の左端縁)から連続して形成しており、途中にU字形の折り返し部14を形成している。そして、このエネルギ吸収部材11の先端部で上記切り欠き13と整合する部分には、通孔15を形成している。
【0006】
上述の様なエネルギ吸収部材11を一体に設けた後部支持ブラケット10は、滑り板16と共に、ボルト17により車体9に支持する。この滑り板16は、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等の滑り易い合成樹脂により、或はこれらの滑り易い合成樹脂製の滑り層を表面に形成した金属板により、長コ字形に造っている。又、この滑り板16には、上記切り欠き13及び通孔15と整合する、1対の通孔18、18を形成している。上記後部支持ブラケット10を車体9に支持するには、これら各通孔15、18と切り欠き13とを下方から挿通したボルト17を、車体9側に設けたねじ孔(車体9に固定したナットのねじ孔を含む)に螺合し、所定のトルクで緊締する。
【0007】
衝突事故に伴う二次衝突により、上記ステアリングコラム1を介して上記後部支持ブラケット10に前方に向いた強い衝撃が加わると、上記切り欠き13からボルト17を抜き出す様にして、上記後部支持ブラケット10が前方に変位する。この際、上記滑り板16と取付板部12との接触面間に存在する滑り易い合成樹脂の働きにより、上記後部支持ブラケット10の変位開始を円滑に行なわせる。又、上記後部支持ブラケット10が前方に変位するのに伴って、上記エネルギ吸収部材11が塑性変形し、上記衝撃のエネルギを吸収する。この結果、ステアリングホイール3にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
【0008】
上述の様に構成され作用する従来の衝撃吸収式ステアリング装置の場合、後部支持ブラケット10及びエネルギ吸収部材11の製作費が嵩み、衝撃吸収式ステアリング装置の価格が高くなる。即ち、エネルギ吸収部材11を一体に形成した後部支持ブラケット10を曲げ形成する作業は面倒で、曲げ加工用の型が複雑になり、加工の面から上記製作費が嵩む。更に、金属板材からエネルギ吸収部材11を一体に形成した後部支持ブラケット10を加工する場合、材料の歩留が悪く、廃材が多く出るので、材料費の面からも上記製作費が嵩む。
【0009】
これに対して、前記特公昭59−46828号公報には、別体に形成されたエネルギ吸収部材と後部支持ブラケットとを、後から溶接する構造も記載されている。この様な構造の場合には、上記加工上の問題や材料の歩留から製作費が嵩む事はなくなる。但し、組立作業が面倒になる為、やはり製作費が高くなってしまう。この様な事情に鑑みて本発明者は先に、図21〜24に示す様な衝撃吸収式ステアリング装置を発明した(願平7−178611号)。
【0010】
【先発明の説明】
この先発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の場合も、図21に示す様に、円筒状のステアリングコラム1の内側にステアリングシャフト2を、回転自在に支持している。そして、このステアリングシャフト2の後端部(図21の右端部)で上記ステアリングコラム1の後端開口から突出した部分に、ステアリングホイール3を固定している。このステアリングコラム1の中間部後寄り部分には後部支持ブラケット10aを、溶接等により固定している。
【0011】
この後部支持ブラケット10aには左右1対の取付板部12aを、それぞれ上記ステアリングコラム1の左右両側から突出する状態で形成している。特に、図示の例の場合には、各取付板部12aの前後方向中間部に段部19を形成し、前半部20の上面を後半部21の上面よりも低くしている。そして、このうちの前半部20の一部に、断面L字形の係止片22を折り立て形成して、前方が開口した係止溝23を形成している。尚、上記係止片22は、プレス加工により、コ字形の切れ目の内側を上方に折り立てる事で形成する。又、上記後半部21には切り欠き13(図17〜20参照)を、各取付板部12aの後端縁に開口する状態で形成している。
【0012】
そして、上記前半部20と後半部21との間に、エネルギ吸収部材24を掛け渡している。このエネルギ吸収部材24は、軟鋼板等の塑性変形自在な帯状板を曲げ形成する事により造っている。即ち、この帯状板の前後両端部を、それぞれ下側に向けてU字形若しくはコ字形に折り返す事により、前側折り返し部25と後側折り返し部26とを形成している。そして、上記前側折り返し部25の存在により、上記エネルギ吸収部材24の前半部(図21〜24の左半部)を、塑性変形により全長を伸長自在としている。この前側折り返し部25の先端縁は、上記係止溝23に係止している。従って、上記後部支持ブラケット10aが前方に変位すると、この後部支持ブラケット10aが、上記前側折り返し部25の前端縁を前方に押す。
【0013】
又、上記エネルギ吸収部材24の後端部に形成した、コ字形の後側折り返し部26には、1対の通孔27、27を、互いに整合する状態で形成している。又、上記後側折り返し部26の内周側面で上記取付板部12aと当接する部分には、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等の低摩擦材製の滑り層を形成している。即ち、上記後側折り返し部26の内周側面で上記取付板部12aに当接する部分に、上記低摩擦材をコーティングする事により、上記滑り層を形成している。
【0014】
前述のステアリングコラム1に固定した後部支持ブラケット10aを、上述したエネルギ吸収部材24と共に車体9に支持する作業は、次の様にして行なう。先ず、図21に示す様に、上記後側折り返し部26を上記取付板部12aの後半部21に外嵌し、前記切り欠き13と上記通孔27、27とを整合させると共に、上記前側折り返し部25の先端縁を上記係止溝23に係止する。そして、上記1対の通孔27、27と上記切り欠き13とを下方から挿通した1対のボルト17を上記車体9に設けたねじ孔に螺合し、所定のトルクで締め付ける。この締め付け作業により、上記後部支持ブラケット10aに形成した1対の取付板部12aを車体9に支持すると共に、上記エネルギ吸収部材24の後端部を車体9に結合する。
【0015】
衝突事故に伴う二次衝突により、上記ステアリングコラム1を介して上記後部支持ブラケット10aに、前方に向いた強い衝撃が加わると、上記切り欠き13からボルト17を抜き出す様にして、上記後部支持ブラケット10aが前方に変位する。この際、上記エネルギ吸収部材24の後端部に形成した後側折り返し部26の内周側面に形成した滑り層と、取付板部12aの後半部21の上下両面との摺動により、上記後部支持ブラケット10aの変位開始が円滑に行なわれる。又、上記後部支持ブラケット10aが前方に変位するのに伴って上記エネルギ吸収部材24が、上記前側折り返し部25の湾曲部がこの前側折り返し部25の先端縁に向け移動する状態で塑性変形し、上記衝撃のエネルギを吸収する。この結果、ステアリングホイール3にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
【0016】
上述の様に構成され作用する先発明の衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、前記図16〜20に示した従来構造に組み込まれていた滑り板16(図16〜20)が不要となり、その分だけ、部品管理及び組立作業の簡略化を図れる。又、エネルギ吸収部材24と後部支持ブラケット10aとを別体に形成している為、これら各部材24、10aの加工が面倒になったり、或は材料の歩留が悪くなる事がない。これらにより、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置の製作費の低廉化を図れる。
【0017】
尚、上述した先発明(更には後述する本発明)の衝撃吸収式ステアリング装置を構成するエネルギ吸収部材24の前半部は、塑性変形しつつ上記取付板部12aが前方に変位する事を許容できる形状であれば、特に図示の形状に限定されない。例えば、この前半部を波形或は網形にし、前向きの力により伸長方向に塑性変形自在とする事もできる。この場合、エネルギ吸収部材の前端部は、後部支持ブラケット10a又はステアリングコラム1の一部に溶接、若しくはこの一部に固設した係止部に係止する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成され作用する先発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、運転者保護と言った本来の性能を少しも損なう事なく、製作費の低廉化を図り、自動車の低コスト化に寄与できるが、組立作業が必ずしも容易ではなく、改良が望まれる。即ち、ステアリングコラム1に固定した後部支持ブラケット10aをエネルギ吸収部材24と共に車体9に支持する際には、先ず、図21に示す様に、このエネルギ吸収部材24に予め形成した後側折り返し部26を取付板部12aの後半部21に外嵌する必要がある。そして、取付板部12aの後端縁部に形成した切り欠き13と上記通孔27、27とを整合させると共に、上記前側折り返し部25の先端縁を上記係止溝23に係止する。
【0019】
ところが、上記エネルギ吸収部材24として、前端部に前側折り返し部25を、後端部に後側折り返し部26を、それぞれプレス加工により形成する作業は面倒で、上記エネルギ吸収部材24の加工コストが十分に低くはならない。又、後側折り返し部26を取付板部12aの後半部21に外嵌する作業は、この取付板部12aの側方から行う必要がある。従って、組み付け後に異音発生の原因となるがたつきがない状態で、前側折り返し部25の先端縁部を係止溝23に、後側折り返し部26を取付板部12aの後半部21に、それぞれ係合させる為には、上記エネルギ吸収部材24の寸法精度を高くする必要がある。この様な、がたつき防止の為の精度確保も、コスト上昇の原因となる為、改良が望まれている。
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、内側に挿通したステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、このステアリングコラムの中間部を固定する支持ブラケットと、この支持ブラケットに設けられて上記ステアリングコラムの左右両側から突出した左右1対の取付板部と、これら各取付板部に、各取付板部の後端縁に開口する状態で形成した切り欠きと、塑性変形自在な板材の少なくとも後端部に折り返し部を形成すると共に、前半部を塑性変形により全長を伸長自在な形状とした1対のエネルギ吸収部材とを備える。そして、上記折り返し部を構成する互いに平行な1対の板部に、同一のボルトを挿通自在とすべく互いに整合する状態で形成した1対の通孔と上記切り欠きとを挿通した1対のボルトにより、上記1対の取付板部を車体に支持すると共に、上記エネルギ吸収部材の後端部を車体に結合している。又、上記1対のエネルギ吸収部材の前端部は上記ステアリングコラム自体又はこのステアリングコラムに固定の部分で二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位する部分に結合しており、上記各板材の一部で上記折り返し部を構成する部分に、これら板材の一部でこの折り返し部に対応する部分の幅方向中央部に、この部分の幅寸法よりも小さな長さ寸法を有する透孔を形成する事により、この透孔の両側部分に、幅寸法が小さくて折り曲げ易く、上記板材の折り返しを容易にする為の脆弱部を設けている。そして、上記各折り返し部は、上記各取付板部の後端縁と上記各板材の脆弱部とを整合させてこれら各板材をこれら各脆弱部で折り返す事により形成している。
【0021】
【作用】
上述の様に構成される本発明の衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、前述した先発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の場合と同様に、各エネルギ吸収部材と支持ブラケットとを別体に形成している為、これら両部材の加工が面倒になったり、或は材料の歩留が悪くなる事がない。更に、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、各折り返し部を、上記支持ブラケットを構成する各取付板部の後端縁と、上記各エネルギ吸収部材を構成する板材の脆弱部とを整合させてこれら各板材をこれら各脆弱部で折り返す事により形成している為、上記各エネルギ吸収部材をプレス加工により容易に造れる。又、特にこれら各エネルギ吸収部材の精度を高くしなくても、これら各エネルギ吸収部材の組み付け部でがたつきが発生する事がなくなる。これらにより、衝撃吸収式ステアリング装置の製作費の低廉化を図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜12は本発明の実施の形態の第1例を示している。円筒状のステアリングコラム1aの内側にはステアリングシャフト2aを、前端側のニードル軸受28と後端側の玉軸受29とにより、回転自在に支持している。上記ステアリングコラム1aは、後半部(図1〜4の右半部)を構成するアウターコラム30の前端部と、前半部(図1〜4の左半部)を構成するインナーコラム31の後端部とを、テレスコープ状に嵌合させて、軸方向に亙る強い圧縮荷重により、全長を収縮自在としている。又、上記ステアリングシャフト2aは、後半部を構成するアウターシャフト32の前端部と、前半部を構成するインナーシャフト33の後端部とをスプライン係合させて、やはり軸方向に亙る強い圧縮荷重により、全長を収縮自在としている。そして、このステアリングシャフト2aの後端部(図1の右端部)で上記ステアリングコラム1aの後端開口から突出した部分に、ステアリングホイール3(図16、21)を固定自在としている。
【0023】
上記ステアリングコラム1aを構成する上記アウターコラム30の中間部には、特許請求の範囲に記載した支持ブラケットに相当する、後部支持ブラケット10aを、溶接等により固定している。図示の例では、この後部支持ブラケット10aと上記ステアリングコラム1aとを、チルト機構34を介して、ステアリングコラム1aの上下位置調節を自在に支持している。この為、上記インナーコラム31の前端部に固定した前部支持ブラケット8aを、車体に固定する固定ブラケット35、35に、横軸36、36を中心とする変位自在に枢支している。尚、この様なステアリングコラム1aの上下位置調節を自在にする為の構造及び作用は、従来から周知であり、本発明の要旨とも関係しない為、詳しい説明は省略する。
【0024】
上記後部支持ブラケット10aには左右1対の取付板部12a、12aを、それぞれ上記アウターコラム30の左右両側から突出する状態で形成している。図示の例の場合も、前述した先発明の場合と同様に、上記各取付板部12a、12aの前後方向中間部に段部19、19を形成し、前半部20、20の上面を後半部21、21の上面よりも低くしている。そして、上記各段部19、19と前半部との連続部で幅方向中間部に係止孔37、37を形成している。又、上記各後半部21、21には切り欠き13、13を、各取付板部12a、12aの後端縁に開口する状態で形成している。
【0025】
そして、上記前半部20と後半部21との間に、エネルギ吸収部材24a、24aを掛け渡している。これら各エネルギ吸収部材24a、24aは、軟鋼板等の塑性変形自在な帯状板を曲げ形成する事により造っている。即ち、この帯状板の前後両端部を、それぞれ下側に向けてU字形若しくはコ字形に折り返す事により、前側折り返し部25、25と後側折り返し部26、26とを形成している。このうちの後側折り返し部26、26が、特許請求の範囲に記載した折り返し部に相当する。又、上記前側折り返し部25、25の存在により、上記エネルギ吸収部材24aの前半部(図1〜12の左半部)を、塑性変形により全長を伸長自在としている。これら各前側折り返し部25、25の先端縁の幅方向中央部には、それぞれ係止突片38、38を形成している。そして、これら各係止突片38、38を、上記各係止孔37、37内に挿入している。従って、上記後部支持ブラケット10aが前方に変位すると、上記各前側折り返し部25、25の前端縁が前方に押される。
【0026】
又、上記各エネルギ吸収部材24a、24aの後端部に形成されたコ字形の後側折り返し部26、26には、それぞれ1対ずつの通孔27、27を、互いに整合する状態で形成している。但し、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置に組み込むエネルギ吸収部材24a、24aは、組み込み以前には、図5〜6に示す様に、前端部に前側折り返し部25を形成しているのみで、後端部に後側折り返し部26を形成してはいない。代わりに、上記1対の通孔27、27同士の間部分に、上記エネルギ吸収部材24aを構成する板材(軟鋼板)の折り返しを容易にする為の脆弱部39を形成している。図示の例の場合には、上記間部分に、上記板材の幅寸法よりも僅かに小さな長さ寸法を有する、長矩形の透孔40を形成し、この透孔40の両側部分を折り曲げ易くしている。
【0027】
前述のステアリングコラム1aに固定した後部支持ブラケット10aを、上述したエネルギ吸収部材24a、24aと共に車体9に支持する作業は、次の様にして行なう。支持作業の最初の段階では、図7に示す様に、前記各取付板部12aには、未だ上記エネルギ吸収部材24aは未装着である。そこで、図8に示す様に、エネルギ吸収部材24aの中間部下面を上記取付板部12aを構成する後半部21の上面に当接させると共に、このエネルギ吸収部材24aの前側折り返し部25の先端縁に形成した係止突片38を、前記係止孔37に挿入する。この状態で上記脆弱部39は、上記後半部21の後端縁部分に整合する。そこでこの脆弱部39を、図9に示す様に、この後半部21の後端縁部分に巻き付ける様にして折り曲げる。そして、図10に示す様に、上記脆弱部39よりも後端縁寄り部分を上記後半部21の下面に当接させて、後側折り返し部26とする。この様に後側折り返し部26を形成する作業は、手指により容易に行える。又、後側折り返し部26を形成した状態で、上記1対の通孔27、27同士が、互いにほぼ整合する。
【0028】
この様にして、上記各エネルギ吸収部材24a、24aを上記各取付板部12a、12aに装着すると共に、上記各後側折り返し部26、26を形成したならば、図11に示す様に、上記1対の通孔27、27と前記切り欠き13、13とを下方から挿通した1対のボルト17を上記車体9に設けたねじ孔に螺合し、所定のトルクで締め付ける。この締め付け作業により、上記後部支持ブラケット10aに形成した1対の取付板部12a、12aを車体9に支持すると共に、上記エネルギ吸収部材24a、24aの後端部を車体9に結合する。
【0029】
衝突事故に伴う二次衝突により、上記ステアリングコラム1aを介して上記後部支持ブラケット10aに前方に向いた強い衝撃が加わると、図12に示す様に、このステアリングコラム1a並びに前記ステアリングシャフト2aの全長が縮まる。そして、前記アウターコラム30並びにこのアウターコラム30に固定した後部支持ブラケット10aが、図11に示した状態から図12に示した状態にまで、前方に変位する。この変位に伴い、上記各切り欠き13、13(図3)からボルト17が抜け出る。この際、上記エネルギ吸収部材24aの後端部に形成した後側折り返し部26の内周側面と取付板部12aの後半部21の上下両面との摺動により、上記後部支持ブラケット10aが変位する。又、上記後部支持ブラケット10aが前方に変位するのに伴って上記各エネルギ吸収部材24a、24aが、上記各前側折り返し部25、25の湾曲部がこれら各前側折り返し部25、25の先端縁に向け移動する状態で、全長を伸長する方向に塑性変形し、上記衝撃のエネルギを吸収する。この結果、ステアリングホイール3(図16、21)にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
【0030】
上述の様に構成され作用する本発明の衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、前述の図21〜24に示した先発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の場合と同様に、上記各エネルギ吸収部材24a、24aと後部支持ブラケット10aとを別体に形成している。この為、これら両部材24a、10aの加工が面倒になったり、或は材料の歩留が悪くなる事がない。更に、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置の場合には、上記各後側折り返し部26、26を、上記後部支持ブラケット10aを構成する各取付板部12a、12aの後端縁と上記各エネルギ吸収部材24a、24aを構成する板材の脆弱部39、39とを整合させて、これら各板材をこれら各脆弱部39、39で折り返す事により形成している。この為、上記各エネルギ吸収部材24a、24aをプレス加工により容易に造れる。即ち、プレス加工により形成する折り返し部は、前側折り返し部25、25のみで済む為、プレス加工が容易になる。又、特にこれら各エネルギ吸収部材24a、24aの精度を高くしなくても、これら各エネルギ吸収部材24a、24aの組み付け部でがたつきが発生する事がなくなる。即ち、後側折り返し部26、26は、上記各取付板部12a、12aへの組み付け時に形成する為、十分な組み付け精度を確保して、がたつき防止を図れる。これらにより、衝撃吸収式ステアリング装置の製作費の低廉化を図れる。
【0031】
次に、図13は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、後側折り返し部26の内周面に、ポリ四弗化エチレン、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等の滑り易い樹脂により形成した滑り層41を形成している。従って、本例の場合には、この滑り層41と取付板部12aの後半部21の上下両面との摺動により、上記後部支持ブラケット10aの変位開始が円滑に行われる。この結果、二次衝突に伴って運転者の身体に加わる衝撃荷重をより低減できる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
【0032】
更に、図14〜15は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、前述の図21〜24に示した先発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の場合と同様に、前半部20の一部に、断面L字形の係止片22を、プレス加工でコ字形の切れ目の内側を上方に折り立てる事により形成して、前方が開口した係止溝23を形成している。そして、この係止溝23に、各エネルギ吸収部材24b、24bの前端部に設けた前側折り返し部25、25の先端縁を係止している。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、運転者を保護する本来の機能を損なう事なく、構成部品を少なく、しかも加工を容易にして、コスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、二次衝突前の状態で示す部分縦断側面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】一部を省略して図1の上方から見た図。
【図4】図3のB部拡大図。
【図5】エネルギ吸収部材を、後側折り返し部を形成する以前の状態で示す平面図。
【図6】同じく側面図。
【図7】エネルギ吸収部材を未装着の状態で後部支持ブラケット部分を示す側面図。
【図8】エネルギ吸収部材を装着する途中の状態で後部支持ブラケット部分を示す側面図。
【図9】同じく図8に続く状態を示す、後部支持ブラケット部分を示す側面図。
【図10】エネルギ吸収部材の装着を完了した状態で後部支持ブラケット部分を示す側面図。
【図11】車体に装着した状態を、二次衝突前の状態で示す側面図。
【図12】同じく二次衝突後の状態で示す側面図。
【図13】本発明の実施の形態の第2例を示す、図10と同様の図。
【図14】同第3例を示す、図2と同様の図。
【図15】図14の上方から見た図。
【図16】従来構造の1例を示す部分縦断側面図。
【図17】図16の拡大C−C断面図。
【図18】図17のD−D断面図。
【図19】図18のE矢視図。
【図20】二次衝突後の状態を示す、図18と同様の図。
【図21】先発明の構造例を、二次衝突前の状態で示す、要部側面図。
【図22】エネルギ吸収部材の斜視図。
【図23】図22のF矢視図。
【図24】二次衝突後の状態を示す、図21と同様の図。
【符号の説明】
1、1a ステアリングコラム
2、2a ステアリングシャフト
3 ステアリングホイール
4 自在継手
5 伝達軸
6 自在継手
7 入力軸
8、8a 前部支持ブラケット
9 車体
10、10a 後部支持ブラケット
11 エネルギ吸収部材
12、12a 取付板部
13 切り欠き
14 折り返し部
15 通孔
16 滑り板
17 ボルト
18 通孔
19 段部
20 前半部
21 後半部
22 係止片
23 係止溝
24、24a、24b エネルギ吸収部材
25 前側折り返し部
26 後側折り返し部
27 通孔
28 ニードル軸受
29 玉軸受
30 アウターコラム
31 インナーコラム
32 アウターシャフト
33 インナーシャフト
34 チルト機構
35 固定ブラケット
36 横軸
37 係止孔
38 係止突片
39 脆弱部
40 透孔
41 滑り層

Claims (1)

  1. 内側に挿通したステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、このステアリングコラムの中間部を固定する支持ブラケットと、この支持ブラケットに設けられて上記ステアリングコラムの左右両側から突出した左右1対の取付板部と、これら各取付板部に、各取付板部の後端縁に開口する状態で形成した切り欠きと、塑性変形自在な板材の少なくとも後端部に折り返し部を形成すると共に、前半部を塑性変形により全長を伸長自在な形状とした1対のエネルギ吸収部材とを備え、上記折り返し部を構成する互いに平行な1対の板部に、同一のボルトを挿通自在とすべく互いに整合する状態で形成した1対の通孔と上記切り欠きとを挿通した1対のボルトにより、上記1対の取付板部を車体に支持すると共に、上記エネルギ吸収部材の後端部を車体に結合しており、上記1対のエネルギ吸収部材の前端部は上記ステアリングコラム自体又はこのステアリングコラムに固定の部分で二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位する部分に結合しており、上記各板材の一部で上記折り返し部を構成する部分に、これら板材の一部でこの折り返し部に対応する部分の幅方向中央部に、この部分の幅寸法よりも小さな長さ寸法を有する透孔を形成する事により、この透孔の両側部分に、幅寸法が小さくて折り曲げ易く、上記板材の折り返しを容易にする為の脆弱部を設けており、上記各折り返し部は、上記各取付板部の後端縁と上記各板材の脆弱部とを整合させてこれら各板材をこれら各脆弱部で折り返す事により形成している衝撃吸収式ステアリング装置。
JP32545496A 1996-12-05 1996-12-05 衝撃吸収式ステアリング装置 Expired - Lifetime JP3644162B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32545496A JP3644162B2 (ja) 1996-12-05 1996-12-05 衝撃吸収式ステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32545496A JP3644162B2 (ja) 1996-12-05 1996-12-05 衝撃吸収式ステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10167083A JPH10167083A (ja) 1998-06-23
JP3644162B2 true JP3644162B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=18177055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32545496A Expired - Lifetime JP3644162B2 (ja) 1996-12-05 1996-12-05 衝撃吸収式ステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3644162B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5327164B2 (ja) 2010-08-24 2013-10-30 日本精工株式会社 電動式パワーステアリング装置を備えた衝撃吸収式ステアリング装置
JP5499995B2 (ja) * 2010-08-26 2014-05-21 日本精工株式会社 電動式パワーステアリング装置を備えた衝撃吸収式ステアリング装置
JP5327165B2 (ja) * 2010-08-26 2013-10-30 日本精工株式会社 電動式パワーステアリング装置を備えた衝撃吸収式ステアリング装置
KR102175396B1 (ko) * 2015-03-17 2020-11-06 현대자동차주식회사 스티어링 컬럼의 충격흡수 유닛

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10167083A (ja) 1998-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5511823A (en) Impact absorbing type steering column apparatus with a motorized power steering device
US5547221A (en) Energy absorbing member for shock absorbing steering column apparatus
WO2012017854A1 (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
US5052716A (en) Shock-absorbing steering column apparatus
US6345842B1 (en) Shock absorbing type steering apparatus and a structure for mounting to an automobile body the steering apparatus
JP2005075250A (ja) テレスコピック機構付衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3409572B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JP3409513B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JPH082026Y2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
US5230533A (en) Shock absorbing steering apparatus
JP3052731B2 (ja) 自動車のステアリング装置
JP3644162B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JP3564154B2 (ja) エネルギー吸収ステアリング装置
EP0581432B1 (en) Impact absorbing type steering column apparatus with a motorized power steering device
JPH07329796A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置用エネルギ吸収プレート
JP2978788B2 (ja) 自動車用ステアリングコラム
JPH08295251A (ja) 衝撃吸収式ステアリングコラム装置
JPH10315986A (ja) 電動パワーステアリング装置付衝撃吸収式ステアリング装置
JP3070445B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JP3881859B2 (ja) 衝撃吸収ステアリング装置
JP2001114113A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置用エネルギ吸収部材
JP2014177267A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JPS5946828B2 (ja) 衝撃吸収ステアリング装置
JPH11171026A (ja) ステアリングメインシャフトのコラムチューブへの支持構造
KR100466055B1 (ko) 전기구동동력보조장치를갖는충격흡수형의스티어링칼럼장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term