JPH10315447A - 医用画像形成装置及び方法とそれに用いる医用画像形成用フィルム及びインク - Google Patents

医用画像形成装置及び方法とそれに用いる医用画像形成用フィルム及びインク

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JPH10315447A
JPH10315447A JP12403597A JP12403597A JPH10315447A JP H10315447 A JPH10315447 A JP H10315447A JP 12403597 A JP12403597 A JP 12403597A JP 12403597 A JP12403597 A JP 12403597A JP H10315447 A JPH10315447 A JP H10315447A
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ink
film
medical image
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image forming
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Application number
JP12403597A
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English (en)
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Takayuki Kato
孝行 加藤
Kazumasa Matsumoto
和正 松本
Fumio Shimada
文生 島田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でありデジタルの形で診断評価に好適な
画像を出力する医用画像形成方法及び装置を提供する。
更に、その方法及び装置に用いる医用画像形成用フィル
ム及びインクを提供する。 【解決手段】 医用画像をフィルム上に記録する画像形
成装置において、インク粒により画像を形成する手段
と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する手段
と、画像形成後に化学反応で定着を行う手段を有するこ
とを特徴とした医用画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療診断で得られ
た人体の内部の画像を表示するための医用画像形成方法
及び装置とそれに用いる医用画像形成用フィルム及びイ
ンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体の内部の画像を与える検査法
として、超音波検査、医療サーモグラフィ、磁気共鳴画
像形成、陽電子放出断層撮影法(PET)、及びX線等
の放射線を使用する方法などがある。
【0003】今日の医用診断としてポピュラーな放射線
写真システムは、放射線が人体を透過して人体の内部情
報を持つ放射線画像を出力し、いわゆる増感紙(X線変
換スクリーン)によって、ハロゲン化銀乳剤の感度のあ
る波長に変換され、ハロゲン化銀写真フィルムを露光す
る。次に露光されたフィルムは現像定着後に洗浄・乾燥
して、放射線画像と一致した銀塩写真フィルム画像とな
る。診断は、この銀塩写真フィルム画像を見て行われ、
銀塩写真フィルムはハロゲン化銀記録層と透明支持体か
らなる。
【0004】一方、デジタル医用画像の場合は、ディス
プレイスクリーン又は透明フィルムハードコピーに画像
を出力することが可能である。
【0005】医用画像検査法(以下、医用画像検査法と
は前記人体の内部の画像を与える各種検査法のことを示
す)は、近年、デジタルの形で診断評価に好適なデジタ
ル医用画像(以下、医用画像とは前記医用画像検査法に
より得られた画像のことを示す)を提供している。デジ
タルの形で診断評価に好適な画像を提供する医用画像の
例としては、デジタル減算方式血管造影法、磁気共鳴画
像形成法、コンピューター断層撮影法、コンピューター
使用放射線写真などが挙げられる。
【0006】通常、医用画像は一人或いは数人の医師に
より詳細に診断される。つまり、医用画像は容易に適時
に見られることが必要であり、多くの場合に、場所の制
限があってはならない。更に詳細な観察を必要とする場
合には、ディスプレイスクリーンにかけて評価する。こ
の場合には高解像度/高ダイナミックレンジを有するデ
ィスプレイ装置が必要となる。従ってこれら種々の事情
により、診断には透明フィルムハードコピーが必要とな
っている。
【0007】デジタル医用画像のハードコピーはレーザ
イメージャによって主に提供される。レーザイメージャ
は、通常ハロゲン化銀記録層と透明支持体からなる記録
媒体上に医用画像を形成する。
【0008】レーザイメージャ構成は、フィルム取り扱
い部分とレーザ露光部分と現像処理部分と洗浄・乾燥処
理部分からなっており、かなり複雑な構成を有してい
る。従って、現在市販されているレーザイメージャは非
常に高価な装置である。一般の使用方法としては、1台
のレーザイメージャが病院の中心的な場所に設置され、
各種医用画像検査法により得られたデジタル医用画像を
画像ネットワークで結び、印刷できるようにシステム化
されている。つまり、レーザイメージャをネットワーク
の核としてシステム化している。このようなシステムの
最大の懸念点は、レーザイメージャやネットワークの故
障により、レーザイメージャによる医用画像出力ができ
なくなった場合である。周知のごとく、医用診断には時
間が緊迫している場合が多々あり、重大な欠点となる。
多くの場合は、このような問題を回避するために数台の
レーザイメージャを設置したり、緊急用回線を設置して
いる。従って、高価なレーザイメージャを安全対策のた
めに数台設置することを余儀なくされている。
【0009】これらの行為は最終的には医療費のコスト
アップへつながっていく。更に、小規模な病院では高価
なレーザイメージャのためにデジタル化への対応が遅れ
るという大きな問題をも有している。従って、上記状況
より、安価なイメージャが望まれている。
【0010】ところで、上記と異なる分野であるが、オ
フィス用やパーソナル用向けにコンピュータやワードプ
ロセッサの画像出力装置が開発されている。
【0011】画像出力方式としては、例えばワイヤード
ット出力方式、感熱発色出力方式、感熱溶融転写出力方
式、感熱昇華転写出力方式、電子写真出力方式、インク
ジェット出力方式などが開発されている。これらの画像
形成出力装置の主な使用方法は、コンピュータなどによ
って作成された文字、図形などを紙などの不透明支持体
に出力することである。また、会議や各種学会発表など
においてOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)などの
原稿としても使用される場合がある。そして近年の技術
動向としては、文字、図形などの一部を強調するために
カラー化技術が開発されている。
【0012】ここで医用画像の形成と類似した手段とし
て、OHP上への文字や図形の画像出力が挙げられる。
本技術は、透明支持体上に文字、図形などの画像情報を
形成するものであり、医用画像の透明支持体上への形成
と構成が類似している。
【0013】しかしながら、先に述べたようにオフィス
用装置の主な目的が紙への出力であり、付随的にOHP
への出力能力も兼ね備える構成となっている。従って、
画像形成物質は、支持体である紙への適正化が図られて
おり、一般的には透明支持体であるOHPフィルムベー
スに何かしらの処理を行って用いている。
【0014】例えば、インクを用いた出力の場合は、紙
への適正化のためインク成分は、染料、樹脂、添加剤な
どを水及びアルコールに溶解したものとなり、紙への付
着時に“にじみ”や“乾燥性”の適正化が図られてい
る。このインクに合わせて、OHPフィルムベースの構
成は、透明支持体上にインク受容層を形成し、インクの
吸収性を高める手段が講じられている。
【0015】ここでいうインク受容層の機能は、インク
の水分を吸収し乾燥を容易にするものである。従って、
本技術では一般的に耐水性がなく、粘着性を有し、長期
保存においては変色が生じる。
【0016】つまり、本技術の目的とするものは、文字
や図形などの画像出力を主眼として捉え、カラーマッチ
ングや解像度などに力点を置き、安価な画像出力装置を
提供するものである。従って、医用画像で必要不可欠な
高階調性(大きなダイナミックレンジ)を達成すべき技
術を有していない。
【0017】即ち、本技術のOHPフィルムベースへの
出力は、付随的に出力が出来ることを主眼とし主目的は
紙などへの出力に置かれている。又、OHPフィルムベ
ースの画像は、短期における会議や学会発表などをニー
ズとしていることより、その必要性から耐水性などの耐
候性についての考慮をしたものではない。従って、医用
画像で必要不可欠な耐候性(特に耐水性)技術を有して
いないのでそのまま転用することは出来ない。
【0018】このように各種安価な一般画像出力装置を
医用画像出力装置として転用することができず、前述し
たレーザイメージャを使用せざるを得なかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、安価でありデジタルの形で診断評価に好適な画像を
出力する医用画像形成方法を提供することである。
【0020】本発明の第2の目的は、安価でありデジタ
ルの形で診断評価に好適な画像を出力する医用画像形成
装置を提供することにある。
【0021】本発明の第3目的は、上記本発明を達成す
るための医用画像形成用フィルム(ここでいうフィルム
とは透明支持体フィルムをさす)を提供することにあ
る。
【0022】更に、本発明の第4の目的は上記本発明を
達成するための医用画像形成用インクを提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】我々は種々検討を重ねた
結果、医用画像が要求する性能を有した安価な医用画像
形成方法及び装置の発明に至った。更に、本発明の医用
画像形成方法及び装置に用いる医用画像形成用フィルム
(透明重合体支持体)及びインクの発明に至った。
【0024】(1) 医用画像をフィルム上に記録する
画像形成装置において、インク粒により画像を形成する
手段と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する手
段と、画像形成後に化学反応で定着を行う手段を有する
ことを特徴とする医用画像形成装置。
【0025】(2) 医用画像をフィルム上に記録する
画像形成装置において、少なくとも前記インク粒による
画像形成手段とインク濃度階調と面積階調で階調を形成
する手段がインクジェットで達成されることを特徴とす
る(1)記載の医用画像形成装置。
【0026】(3) 医用画像をフィルム上に記録する
画像形成装置において、前記定着を行う手段が熱及び/
又は光によるエネルギーとアルカリ性物質及び/又は水
からなる材料を媒介して反応させることを特徴とする
(1)記載の医用画像形成装置。
【0027】(4) (1)記載のインク粒を構成する
医用画像形成用インクが、同一インク染料からなり濃度
が異なる少なくとも2種類以上のインクであることを特
徴とする医用画像形成用インク。
【0028】(5) 前記インクが反応染料からなるこ
とを特徴とする(4)記載の医用画像形成用インク。
【0029】(6) 前記インク染料がジスアゾ系であ
ることを特徴とする(5)記載の医用画像形成用イン
ク。
【0030】(7) 前記インク染料がモノアゾ系であ
ることを特徴とする(5)記載の医用画像形成用イン
ク。
【0031】(8) 前記インクが3種類以上の染料か
らなることを特徴とする(4)〜(7)記載の医用画像
形成用インク。
【0032】(9) (1)記載のフィルムがセルロー
スエステルからなることを特徴とする医用画像形成用フ
ィルム。
【0033】(10) 前記フィルム上にアルカリ性を
有する層が形成されていることを特徴とする(9)記載
の医用画像形成用フィルム。
【0034】(11) 前記フィルムに少なくともにじ
み防止層が形成されていることを特徴とする(9)又は
(10)記載の医用画像形成用フィルム。
【0035】(12) 医用画像をフィルム上に記録す
る画像形成方法において、インク粒により画像を形成す
る手段と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する
手段と、画像形成後に化学反応で定着を行う手段を有す
ることを特徴とする医用画像形成方法。
【0036】本発明は、医用画像をフィルム上に記録す
る手段において、インク粒により画像を形成する手段
と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する手段
と、画像形成後に化学反応で定着する手段を有すること
を特徴とした医用画像形成方法である。ここでいう化学
反応で定着する手段とは、染料のフィルムへの吸収、
染料とフィルムの反応による固着の工程を指す。反応
とは、共有結合が中心であるが、水素結合や場合によっ
てはイオン結合や配位結合も含む。
【0037】本発明の好ましい態様は、医用画像をフィ
ルム上に記録する装置において、インク粒による画像を
形成する手段とインク濃度階調と面積階調で階調を形成
する手段がインクジェット装置である。本発明に用いら
れるインクジェット装置はフィルム搬送部、インク供給
部、インク粒出射部等からなるハード部分と画像データ
処理部、装置駆動変換部等からなるソフト処理部分から
なる。ここで例えば、インク粒出射部とは、ヘッド本体
の他、ヘッドクリーニング機構やヘッド内インク蒸発防
止機構など安定に駆動するための種々の機能を含む。同
様に各部分はインクジェット装置として安定に画像を得
るための各種機能を含むものである。
【0038】インクジェット装置としてのキーパーツで
あるヘッドとしては、サーマル出射方式、ピエゾ素子に
よる出射方式などがあるが、インク粒を形成するもので
あればどの方式でも使用できる。また、インク粒による
画像形成手段としてはオンデマンド方式やコンティニア
ス方式などがあるが、医用画像を形成するに必要な解像
度を有していれば、どの方式でも構わない。特に、オン
デマンド方式の場合は、フィルム縦横幅方向に多数の吐
出口(以下ノズル)を配列したエリアタイプを使用する
ことにより一層の高速化が図れる。また、多数ノズルを
有したヘッドを少なくとも2つ以上装着すると更に高速
化が図れる。
【0039】コンティニアスの場合は、より高精細な医
用画像を印字できる。また、上述したように、多数のノ
ズルや多数のヘッドを有することにより高速化が図れ
る。
【0040】更に、インクジェット装置に発色処理機能
を付加することにより、容易に最終医用画像を得ること
ができる。
【0041】本発明は、好ましくは化学反応で定着する
手段が熱及び/又は光のエネルギーを用いて、アルカリ
性物質及び/又は水からなる材料を媒介して反応を促進
させることを特徴とする医用画像形成方法及び装置であ
る。特にアルカリ性物質をフィルム上に塗布しておき、
熱で反応を促進させる方法が、インクジェット装置への
一体化が容易で、かつ安価な方法である。
【0042】熱の発生手段としては熱ローラやハロゲン
ランプなどが容易性、コストやメンテナンスの上で優れ
ている。ここでいうアルカリ性物質の例としては、重炭
酸ソーダ、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰などが挙げら
れる。化学反応を画像形成後に行なっても良い。その場
合は、蒸気(熱と水)による反応促進方法がよい。ま
た、どの方法においても後に未反応物を取り除くための
水洗処理を行うと良い。
【0043】本発明を達成すべき医用画像形成インクに
おいて、インクが同一染料からなり、インクの濃度が少
なくとも2種類以上で構成されているものが良い。イン
ク濃度は、濃色インクは染料濃度が2wt%以上が望ま
しく、更に望ましくは5wt%以上である。淡色インク
は濃色インクの染料濃度の25%以下が連続階調性の点
でよい。
【0044】また、染料濃度が医用画像の最高光学濃度
を達成しない場合は、目的の最高本目的を達成するため
に例えば複数のヘッドに同一濃度のインクを吐出させて
達成することも可能である。装置としては複数のヘッド
を有していたのがインク同士の混合を防ぐ点や描画速度
の点で良い。
【0045】前記医用画像形成インクが反応染料からな
るインクであることが好ましい。本発明に用いられる反
応染料の基本構造は、染料分子中に、ヒドロキシル基又
はアミノ基に対して反応し得る活性基を有し、その構造
は次のような一般式で表すことが出来る。
【0046】D−T−X ここで、D:色素母体 T:反応基を色素母体に結合させるための連結基 X:反応基部分 である。
【0047】反応基部分がヘテロ環系であるものの例と
しては、ピリジン系、ピリダジン系、ピリダゾン系、ピ
リミジン系、S−トリアジン系、1,2,4−トリアジ
ン系、5員環系、ベンゾオキサゾール系、ベンゾチアゾ
ール系、(イソ)キノリン系、キノキサリン系、キナゾ
リン系、フタラジン系などが挙げられる。炭素環芳香族
系であるものの例としては、ベンゼン系が挙げられる。
脂肪族系であるものの例としては、飽和アルカンモノカ
ルボン酸アミド系、飽和アルカンジカルボン酸アミド
系、飽和アルカンモノカルボン酸系、シクロアルカンカ
ルボアミド系、アルケンモノカルボアミド系、アルケン
ジカルボキシアミド系、飽和脂肪族ケトン系、飽和脂肪
族スルホン酸アミド系、ビニルスルホアミド系、β−飽
和エチルスルホン系、ビニルスルホン系、エポキシ系等
が挙げられる。酸誘導体であるものの例としては、炭酸
系、カルボン酸系、スルホン酸系、ホスホン酸系等が挙
げられる。ホルムアルデヒド誘導体の例としてはホルム
アルデヒド系が挙げられる。そのほかとして複数の反応
基を有していても良い。以上の中で特に、スルファトエ
チルスルホン系やS−トリアジン系やピリミジン系が良
い。本発明に用いられる反応染料の媒体としては水又は
水と水溶性の有機媒体との混合物がよく、水溶性の有機
媒体の例としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトン
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類、アルキレン
基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール
類;多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジン等が挙げられる。上記の中でも少なくとも1種
類の高沸点有機溶剤、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールと水
の混合物が望ましい。また上記以外についても表面張力
調整剤、粘度調整剤、消泡剤、浸透剤、防カビ剤、pH
調整剤、均染剤などを適宜添加すると良い。
【0048】前記インクの染料がジスアゾ系であること
を特徴とする医用画像形成用インクが好ましく、ジスア
ゾ系の例としては、ビニルスルホン系として、C.I.
Reactive Black 5がよい。又、前記イ
ンクの染料がモノアゾ系であることを特徴とする医用画
像形成用インクも好ましく、モノアゾ系の例としては、
例えば金属錯塩モノアゾ系として、C.I.React
ive Black1がよい。
【0049】更に前記インクが3種類以上の染料からな
る医用画像形成用インクである事が好ましい。一般に医
用画像は黒のモノトーンで表現され、医用画像独特の彩
度、色相、濃度を有す。イエロー、マゼンタ、シアンの
少なくとも3色の染料混合調整により医用画像特有の黒
のモノトーンを形成する事が出来る。例えばイエロー色
素母体の例としては、ピラゾロンアゾ系、ベンゼンアゾ
及びナフタレンアゾ系、ピリドンアゾ系等が挙げられ
る。マゼンタ色素母体の例としてはJ酸アゾ系、γ酸ア
ゾ系、H酸アゾ系、K酸アゾ系等が挙げられる。シアン
色素母体の例としてはアントラキノン系、ホルマザン
系、フタロシアニン系などが挙げられる。
【0050】医用画像形成用フィルムに関しては、フィ
ルムがセルロースからなることが好ましい。例としては
トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ニト
ロセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。特
にトリアセチルセルロースが医用媒体としての透明性、
耐熱性、寸法安定性、剛性等の点でよい。
【0051】前記フィルム上にアルカリ性を有する層が
形成することが良く、前述したようにアルカリ性物質と
しては重炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰な
どが挙げられる。これらを含有した層を例えば塗布など
でフィルム上に形成する。
【0052】更に前記フィルムに少なくともにじみ防止
層が形成されているものが好ましい。にじみ防止層とし
ては、水溶性高分子や非水溶性高分子バインダーに吸水
性ゲルを分散させたもの、或いは水溶性高分子とインク
の水分を吸収し乾燥を容易にするためのシリカ等の充填
剤を含有させたものなどが挙げられる。該にじみ防止層
はフィルム上に塗布して形成し、インク着弾時のにじみ
を防止する。
【0053】本発明によると、医用画像が必要とするダ
イナミックレンジを、インク粒を使用してインクの濃度
とインクの着弾分布で階調を出すことによって達成する
ことが可能となり、また、フィルムにインクの染料分子
を化学反応で定着することにより、耐水性に優れた医用
画像フィルムを提供することが可能となる。
【0054】本発明により記録手段のコンパクトが容易
で、ノンインパクト方式であるので雑音がない。
【0055】発明における定着には、熱及び/又は光に
よるエネルギーとアルカリ性物質又は/及び水からなる
材料を媒介させて定着する手段が、化学反応で定着する
のに適し、耐候性に優れた医用診断に適した画像が得ら
れる。
【0056】本発明によると、濃度階調を容易に達成す
ることができ、医用画像に必要不可欠なダイナミックレ
ンジを得ることができる。又、化学反応による定着を容
易に達成することができる。
【0057】本発明において、異なる染料の調合/配合
を行わないで黒色が得られることにより、インクの製造
工程を簡略化できる。また、従来の医用画像に類似した
色の形成が可能となり、医用判断時の違和感を削減する
ことができる。
【0058】更にセルロースからなるフィルムを使用す
ることにより本発明を容易に達成することができる。特
に事前にフィルム上にアルカリ性を有する層が存在する
と、化学反応で定着する工程が迅速に容易に行われ、工
程の時間の短縮化が図れる。また、フィルムににじみ防
止層を付加することで、同一エリア上に多段に着弾した
インク粒が広がることを防ぎ、画像のシャープネスを向
上させることが出来る。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本文中
「部」とは「重量部」を表す。
【0060】図1は、本発明のインクジェットプリンタ
100の全体構成を示す斜視図である。
【0061】画像を記録するフィルムFの搬送部材であ
る搬送ローラ101と、本発明における化学反応(定
着)をもたらすための搬送加熱ローラ103は、軸10
2,104を介してインクジェットプリンタ100に回
転自在に設けられている。搬送ローラ101の軸102
には搬送ローラ101を回転してフィルムFを搬送する
ため、駆動手段である駆動モータMが連結して設けられ
ている。搬送ローラ101でフィルムFを搬送する場
合、例えば、フィルムカセット内より供給されたフィル
ムFを搬送ローラ101の一部に保持させ、フィルムF
を移動する。即ち、副走査方向に給送する。
【0062】108は記録ヘッドで、フィルムFの給送
方向に対して直角方向に移動出来るように、案内部材1
09に設けられている。記録ヘッド108をフィルムF
幅で往復移動出来るように、滑車112,113に懸架
した駆動ワイヤ111の一部に前記記録ヘッド108を
固定し、滑車113をモータM1に連結し、モータM1
の駆動により駆動ワイヤ111を介して記録ヘッド10
8をフィルムF幅で、前記案内部材109で往復移動さ
せる。
【0063】前記記録ヘッド108の構成は、該記録ヘ
ッド108の一側方に、インク滴が噴出する噴出口を多
数設けたものを2列に並べ、画像信号によりインク濃度
の異なるインク滴を噴出口より噴出させて画像を形成す
るものである。
【0064】なお、本発明で用いるインクの作製方法と
しては、下記のごときものがある。
【0065】反応染料原体として、 C.I.REACTIVE BLACK 5 9.2部 高沸点有機材料として グリセリン 24.0部 純水 66.8部 上記成分を混合して、0.2μmPTFEメンブランフ
ィルタで濾過し、高濃度インク(9.2%)を得た。
【0066】同様にして、反応染料原体として、 C.I.REACTIVE BLACK 5 1.2部 高沸点有機材料として グリセリン 24.0部 純水 74.8部 上記成分を混合して、0.2μmPTFEメンブランフ
ィルタで濾過し、低濃度インク(1.2%)を得た。
【0067】又、前記水平方向に配置された搬送ローラ
101と、搬送加熱ローラ103間で、フィルムFが搬
送される方向と同方向にベルト状に形成され、PETシ
ートで構成された被検知部材105が懸架されている。
そして、該被検知部材105は、搬送ローラ101の回
転により、フィルムFの移動速度と同一速度で且つ同一
方向に並行して移動するように設けられている。
【0068】なお、トリアセテート医用画像形成用フィ
ルムの作製例を挙げれば下記のごときものがある。
【0069】第1にアルカリ性物質作製方法としては、 スノーアルギンM(富士化学社製、アルギン酸ソーダ) 1.5部 尿素 8.0部 メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ(還元防止剤) 4.0部 重炭酸ナトリウム 1.0部 純水 85.5部 上記材料を混合してアルカリ性物質を作製する。
【0070】次に、トリアセチルセルロース(TAC)
フィルムを上記アルカリ性物質に約24時間浸積し、乾
燥させてアルカリ性物質層が存在する医用画像形成用フ
ィルムを作製する。
【0071】また、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタク
リレート溶液をTAC上にコーティングし、乾燥した後
上記アルカリ性物質を塗布/乾燥させて、にじみ防止層
を備えたアルカリ性層を有する医用画像画像形成用フィ
ルムを作製しても良い。
【0072】画像形成時に、被検知部材105が通過す
る一部に検知部材107が設けられており、被検知部材
105には検知部材107で検知される被検知用マーク
106が被検知部材105の長手方向に沿って複数設け
られている。
【0073】Cは制御手段で、入出力手段C1を介して
前記被検知用マーク106を検知部材107で検知した
検知信号を入力し、前記駆動手段である駆動モータM,
M1の駆動と停止の制御を行っている。
【0074】駆動モータMにより、前記搬送ローラ10
1を矢印方向に回転し、フィルムFが副走査方向に搬送
され、前記記録ヘッド108が主走査方向に移動しなが
ら画像を形成するが、特に記録ヘッド108により記録
を行う位置のフィルムFを安定して搬送するように、記
録ヘッド108と対峙してフィルム案内板114が設け
られ、フィルムFはフィルム案内板114で案内される
ため、フィルムFの弯曲が防止される。
【0075】画像信号は外部より制御手段Cに入力され
処理された後、インク濃度階調信号、面積階調信号に分
けて入出力手段C1を介して記録ヘッド108に伝えら
れる。この信号に基づきインク粒が噴出されて画像形成
が行われる。
【0076】図1に示すようにフィルムFの給送が開始
され、搬送ローラ101が軸102を介して駆動モータ
Mで矢印方向に回転することにより、フィルムFが搬送
ローラ101に付制して記録ヘッド108方向に搬送さ
れる。同時に並設された被検知部材105も搬送ローラ
101でフィルムFと同一方向で、且つ同一速度で並行
移動することにより、検知部材107により被検知部材
105の被検知用マーク106が順次読み取られる。フ
ィルムFに画像を形成するため、記録ヘッド108に対
して正確な位置に到達し停止する。
【0077】次に、モータM1で滑車113を回動し、
駆動ワイヤ111を介して主走査方向に記録ヘッド10
8を案内部材109で案内しながら移動し、画像出力部
よりの出力信号でインク粒を噴出しながらフィルムF上
に画像を形成する。
【0078】次に、制御手段Cより入出力手段C1を介
して駆動モータMで搬送ローラ101の回転を開始する
と同時に検知部材107により被検知部材105の被検
知用マーク106が順次読み取られるように構成されて
いるので、画像形成時の搬送が正確に行われる。画像形
成後のフイルムFは、更に搬送されて搬送加熱ローラ1
03に達し、このローラに巻き付くように付勢されて搬
送されこの間に定着が完了する。
【0079】
【発明の効果】本発明により、下記の効果を得ることが
出来る。
【0080】本発明の第1の効果、安価でありデジタル
の形で診断評価に好適な画像を出力する医用画像形成方
法を提供する。
【0081】本発明の第2の効果、安価でありデジタル
の形で診断評価に好適な画像を出力する医用画像形成装
置を提供する。
【0082】本発明の第3の効果、上記本発明を達成す
るための医用画像形成用フィルムを提供する。
【0083】更に、本発明の第4の効果として、上記本
発明を達成するための医用画像形成用インクを提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの全体構成を
示す斜視図。
【符号の説明】
100 インクジェットプリンタ 101 搬送ローラ 103 搬送加熱ローラ 105 被検知部材 107 検知部材 108 記録ヘッド 114 フィルム案内板 C 制御手段 C1 入出力手段 F フィルム M 駆動モータ M1 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 11/00 B41J 3/04 103X 29/00 H

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医用画像をフィルム上に記録する画像形
    成装置において、インク粒により画像を形成する手段
    と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する手段
    と、画像形成後に化学反応で定着を行う手段を有するこ
    とを特徴とする医用画像形成装置。
  2. 【請求項2】 医用画像をフィルム上に記録する画像形
    成装置において、少なくとも前記インク粒による画像形
    成手段とインク濃度階調と面積階調で階調を形成する手
    段がインクジェットで達成されることを特徴とする請求
    項1記載の医用画像形成装置。
  3. 【請求項3】 医用画像をフィルム上に記録する画像形
    成装置において、前記定着を行う手段が熱及び/又は光
    によるエネルギーとアルカリ性物質及び/又は水からな
    る材料を媒介して反応させることを特徴とする請求項1
    記載の医用画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインク粒を構成する医用
    画像形成用インクが、同一インク染料からなり濃度が異
    なる少なくとも2種類以上のインクであることを特徴と
    する医用画像形成用インク。
  5. 【請求項5】 前記インクが反応染料からなることを特
    徴とする請求項4記載の医用画像形成用インク。
  6. 【請求項6】 前記インク染料がジスアゾ系であること
    を特徴とする請求項5記載の医用画像形成用インク。
  7. 【請求項7】 前記インク染料がモノアゾ系であること
    を特徴とする請求項5記載の医用画像形成用インク。
  8. 【請求項8】 前記インクが3種類以上の染料からなる
    ことを特徴とする請求項4〜7記載の医用画像形成用イ
    ンク。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のフィルムがセルロースエ
    ステルからなることを特徴とする医用画像形成用フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 前記フィルム上にアルカリ性を有する
    層が形成されていることを特徴とする請求項9記載の医
    用画像形成用フィルム。
  11. 【請求項11】 前記フィルムに少なくともにじみ防止
    層が形成されていることを特徴とする請求項9又は10
    記載の医用画像形成用フィルム。
  12. 【請求項12】 医用画像をフィルム上に記録する画像
    形成方法において、インク粒により画像を形成する手段
    と、インク濃度階調と面積階調で階調を形成する手段
    と、画像形成後に化学反応で定着を行う手段を有するこ
    とを特徴とする医用画像形成方法。
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