JPH10314711A - 積層板からの資源回収方法及び資源回収装置 - Google Patents

積層板からの資源回収方法及び資源回収装置

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JPH10314711A
JPH10314711A JP12671197A JP12671197A JPH10314711A JP H10314711 A JPH10314711 A JP H10314711A JP 12671197 A JP12671197 A JP 12671197A JP 12671197 A JP12671197 A JP 12671197A JP H10314711 A JPH10314711 A JP H10314711A
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laminate
resin
heating
temperature
gas
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JP12671197A
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English (en)
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Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Koji Sato
晃二 佐藤
Takeshi Yasuda
健 安田
Ryokichi Yamada
良吉 山田
Hisao Yamashita
寿生 山下
Tsutomu Hasegawa
勉 長谷川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント回路基板等の積層板から、有価資源を
回収する。 【解決手段】積層板を加熱炉2で加熱して樹脂からガス
を放出させ、これにより樹脂を消失させてから、表面に
歯が付いたロール式破砕機にかけ、更に比重選別を行っ
て、銅箔とガラスとを分別回収する。 【効果】プリント回路基板に使用されている銅箔を、箔
のままで回収することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基材と樹脂
と金属箔よりなる積層板から資源を回収する方法と回収
装置に係り、特に銅張り積層板から銅箔、更にはガラス
類を回収する方法と回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層
板の代表的なものに、プリント回路基板があり、プリン
ト回路基板の1つに銅張り積層板がある。銅張り積層板
は、ガラス布,ガラス不織布などにより構成されたガラ
ス基材の表面に、樹脂を塗布,含浸したのち、銅箔を重
ねて多層に積み重ねたものである。プリント回路基板
は、更に電子部品を搭載して電子機器等の部品として使
用されている。
【0003】プリント回路基板には、通常、銅箔等の金
属箔が20〜30重量%程度も使用されている。ガラス
も多量に使用されている。従って、プリント回路基板が
廃棄品になったならば、シュレッダ処理して埋め立て処
分するのではなく、銅箔等の金属箔やガラス類を有価資
源として回収することが望まれる。
【0004】積層板から資源を回収する方法として、特
開平6−256863 号公報には、銅張り積層板等の回路基板
を、還元性雰囲気下で500〜1000℃の温度で乾留
し、残留物を大気に接触しても酸化されない程度の温度
まで冷却してから粉砕し、その後、銅などの金属とガラ
ス等の基材構成物とを分別することが記載されている。
【0005】また、特開平7−75771号公報には、廃棄さ
れた銅張り積層板を数cm平方の大きさに切断し、300
〜500℃程度の温度に加熱保持しつつ浮遊状態で相互
に衝突させて、衝撃力により銅とその他の材料とに分離
する方法が記載されている。銅箔は、顆粒状になって分
離されると記載されている。
【0006】更に特開平7−24439号公報には、金属で強
化されたプラスチック成型品の分離回収方法として、細
かく破砕された複合材を回転駆動される容器中に収容
し、プラスチックの軟化温度よりも高温に加熱した熱風
を送りこみながら容器を回転させて、容器の回転による
衝撃力によって金属とプラスチックを分離させて回収す
ることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−256863 号公
報に記載されている方法のように、還元性雰囲気にする
ものでは、雰囲気制御が難しく、また作業がしにくいと
いう問題がある。更に500〜1000℃という高温の
加熱によって、金属とガラスとが反応してガラス化する
という問題がある。ガラス化は、ガラスの中に金属が浸
透していくことによって生ずる現象である。
【0008】特開平7−75771号公報或いは特開平7−244
39号公報に記載の方法のように、積層板を300〜50
0℃程度の温度に加熱保持し、積層板相互の衝撃力を利
用して金属と樹脂とガラスとに分離する方法は、衝撃力
が弱すぎて、実際上、金属と樹脂とガラスとに分離する
のは難しい。また、この方法では、数十cmの大きさの積
層板をそのまま処理して、銅箔を殆ど切断することなく
回収するのは不可能に近い。
【0009】本発明の目的は、プリント回路基板等の積
層板から、金属箔,ガラス類を効率よく回収できるよう
にした処理方法及び処理装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、プリント回路基板の
構成材料である銅箔を、そのまま箔の形で分離,回収で
きるようにした処理方法及び処理装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の処理方法は、ガ
ラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層板を金属箔がガラ
ス化しない温度に加熱し、樹脂からガスを放出させたの
ちに、該積層板にせん断力を加えて、積層構造を破壊し
て各構成材料に分離するようにしたことにある。
【0012】本発明の処理装置は、ガラス基材と樹脂と
金属箔よりなる積層板を、樹脂からガスが放出する温度
まで加熱するための積層板加熱炉と、該加熱炉で加熱さ
れた前記積層板を破壊して各構成材料に分離するための
鬼歯付きロール破砕機とを備えたことにある。
【0013】本発明においては、鬼歯付きロール破砕機
のあとに、比重選別装置等の分別設備を備えることが望
ましい。
【0014】プリント回路基板等の積層板は、銅箔の両
面にエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と
ガラス基材とが配置されている。積層板はこのような構
造になっていることを十分に考慮した上で、本発明の処
理方法及び処理装置が見出された。
【0015】積層板を加熱して、熱硬化性樹脂からガス
を放出させると、樹脂が消失し、炭化によって生じた残
渣のみになる。また、樹脂中に硬化剤或いは難燃剤とし
て含まれている臭素などのハロゲン物質が、加熱によっ
てハロゲン化炭化水素となって放出する。
【0016】熱硬化性樹脂からのガスの放出は、積層板
を300℃以上に加熱することによって顕著に現れるよ
うになり、積層板を450℃近くの温度まで加熱する
と、樹脂はもはや炭化した残渣のみになる。このように
樹脂が消失した状態で、積層板にせん断力を加えると、
銅箔とガラスと樹脂残渣とに容易に分離することができ
る。
【0017】せん断力を加える手段としては、表面に多
数の歯が付いたロールを用いることが好ましく、特に鬼
歯付きロール破砕機を用いることが望ましい。鬼歯付き
ロール破砕機を使用すれば、銅箔のままの形で回収する
ことが可能になる。このほかに、ジョークラッシャーを
用いることも可能である。
【0018】積層板に熱可塑性樹脂が使用されている場
合でも、熱硬化性樹脂が使用されている場合と全く同様
に、加熱によって樹脂が消失し鬼歯付きロール破砕機等
を通すことによって銅箔とガラスと樹脂とに容易に分離
することができる。
【0019】本発明の処理方法においては、積層板を加
熱したのち冷却してから、せん断力を加えるようにして
も良い。このようにしても、積層板が壊れにくくなるこ
とはない。この点は、特開平7−75771号公報において、
加熱された銅張り積層板を冷却すると、銅箔の引き剥が
し強度が再び元に戻ると記載されていることと、大きく
相違する。
【0020】冷却温度は、特に限定されない。常温まで
冷却してもよい。強いて言えば、積層板を表面に歯の付
いた一対のロール間に通した際に、ロールによる加圧力
によって、ガラスと銅箔とが固着したりしない温度まで
冷却することであろう。
【0021】本発明において、積層板の加熱温度は、熱
硬化性樹脂が用いられている場合には、300〜450
℃の範囲が好ましい。300℃以上に加熱することによ
って、数分ないし数十分という短時間で速やかに樹脂か
らガスを放出させることができる。450℃よりも高温
に加熱すると、銅とガラスとが反応するようになり、銅
がガラス化するようになって分離しにくくなる。
【0022】積層板の加熱処理或いは積層板からの各構
成材料の分離は、大気中のように酸素含有雰囲気中で行
うことが望ましい。酸素含有雰囲気中で積層板を加熱す
ると、樹脂からハロゲン化炭化水素のほかに炭酸ガスが
放出するようになり、還元雰囲気中で積層板を加熱した
場合に比べて、ハロゲン化炭化水素の発生量を減らすこ
とができる。
【0023】ハロゲン化炭化水素は有害であるため、ア
ルカリ性溶液を用いて中和処理することが必要になる。
ハロゲン化炭化水素の発生量が多ければ、それだけ多く
のアルカリ性溶液が必要になるので、酸素を含む雰囲気
で積層板を加熱処理してハロゲン化炭化水素の発生量を
減らすことは、その意味でも好ましい。
【0024】本発明による積層板から資源を回収する方
法においては、積層板を加熱したときに有害なハロゲン
化炭化水素ガスが発生することは避けられない。そこ
で、このガスを無害化するために、加熱処理によって積
層板から放出されたガスを、更に850℃以上の温度に
酸素を含んだ雰囲気中で加熱して、ハロゲン化炭化水素
をハロゲンとハロゲン化水素と二酸化炭素と水分とに分
解し、その後、ハロゲン化合物をアルカリ性溶液例えば
水酸化ナトリウム溶液により中和して、ハロゲン化ナト
リウムとして回収することが望ましい。
【0025】本発明の方法において、プリント回路から
資源を回収する場合には、まずプリント回路から電子部
品を取り除き、次いで熱媒体中に投入して電子部品の接
合材であるハンダを除去し、その後、本発明の処理方法
を実施することが望ましい。この場合に、熱媒体の温度
はハンダの溶融温度とし且つ流動状態に保持しておくこ
とが望ましい。熱媒体には、砂或いは油を用いることが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の処理方法及び処理
装置を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下に述
べる装置或いは方法に限られるものではない。
【0027】図1は、プリント基板から資源を分別回収
するまでの全体の工程を示している。図2は、プリント
基板の代表的な例である銅張り積層板の加熱処理前と加
熱処理後の断面図を示している。銅張り積層板は、銅箔
1aと熱硬化性樹脂1bとガラス繊維1cとから構成さ
れている。銅張り積層板等の積層板1は、積層板加熱炉
2に入れられて300〜450℃の温度に加熱され、こ
れによって熱硬化性樹脂からガスを放出させる。ガス放
出によって樹脂が消失し、隙間1dが生じる。積層板加
熱炉2の加熱方法は、電気加熱式,熱風加熱式等のいず
れでもよく、限定されない。
【0028】図3に、ガラスエポキシ基板を加熱したと
きの基板の重量減少と加熱温度との関係を示す。5℃/
min の速度で昇温したときの重量減少を示している。こ
の傾向は、熱硬化性樹脂がフェノール樹脂に変わっても
殆ど変わらない。ガラスエポキシ基板は、300℃以上
に加熱することによって、ガスの放出が始まり、450℃
付近の温度まで昇温するとほぼガスが抜け切る。ガスが
抜け切った状態では、樹脂は消失し残渣のみになってい
た。
【0029】積層板1の加熱を終えたならば、鬼歯付き
ロール破砕機3に投入する。図1では、積層板加熱炉2
の後段に冷却装置が備えられていないが、冷却装置を設
けてもよい。図1の鬼歯付きロール破砕機3は、ホッパ
ー3bと鬼歯付きロール3a及び分離された材料を収容
する収納容器3cとから構成されている。
【0030】積層板1は、積層板加熱炉2で加熱される
ことによって、樹脂が消失し、炭化した残渣のみになっ
ているために、鬼歯付きロール破砕機3を通すことによ
って、容易に銅箔1aとガラス繊維1cと樹脂残渣1e
とに分離される。鬼歯付きロール破砕機3を用いること
により、積層板にせん断力が加わり、ガラスと銅箔とが
分離される。樹脂残渣1eは収納容器3cに収容され
る。
【0031】次いで、収納容器に収容された銅箔とガラ
スと樹脂残渣との混在物を比重選別装置の一種である風
力選別機4に投入する。この風力選別機において、前記
混在物を落下させる過程でブロアー4aにより風力を与
え、混在物を吹き飛ばすことによって銅箔1aとガラス
繊維1cとに分別される。熱硬化性樹脂の残渣1eは、
銅箔1aとガラス繊維1cにそれぞれくっついて回収さ
れるが、粉末状であるので、その後、銅箔とガラス繊維
から容易に分離することができる。
【0032】一方、積層板加熱炉2において、積層板1
の加熱過程で熱硬化性樹脂から放出されたハロゲン化炭
化水素ガスは、排気ガス加熱炉8へ導かれて850℃以
上の温度に加熱され、ハロゲンとハロゲン化水素と二酸
化炭素及び水分に分解される。
【0033】排気ガス加熱炉8でハロゲン化炭化水素が
分解することによって生成したガスは、次いで中和処理
装置に入れられる。
【0034】中和処理装置は、中和処理槽9aと中和液
回収槽9bと中和液9cと中和液循環ポンプ9dとシャ
ワーノズル9e及び排気ポンプ9fにより構成されてい
る。中和処理槽9aでは、中和液回収槽9b内の中和液
9cが中和液循環ポンプ9dにより吸引され、シャワー
ノズル9eにより噴射される。
【0035】排気ガス加熱炉8から送られてきたガス
は、中和液によって中和され、排気口12から大気中に
排気される。中和液には、水酸化ナトリウム,水酸化カ
ルシウム等のアルカリ水溶液を用いることが出来る。
【0036】積層板にせん断力を加える手段について、
具体的に例を掲げて説明する。
【0037】図4は、鬼歯付きロール3aの側面図を示
している。鬼歯付きロール3aは、ロール表面に多数の
凸部を有しており、二つのロールを一対として用いられ
る。積層板1は、加熱処理により樹脂を消失させたの
ち、図5に示すように一対の鬼歯付きロール間に通され
る。鬼歯付きロール間に噛み込まれた積層板には、歯と
歯の噛み合いによってせん断力が加えられ、歯の方にガ
ラス繊維が引っ掛かり、銅箔は下方に落下するようにな
る。
【0038】図6は、歯車の形状をした一対のロールを
示している。このような構造のロールを使用しても、積
層板にせん断力を加えることが出来る。
【0039】図7は、ジョークラッシャーに積層板を投
入した状態及び積層板がガラス繊維と銅箔とに分離され
た状態を示している。ジョークラッシャーは、固定歯と
可動歯とからなっており、可動歯が左右に動くことによ
って、歯と歯の間に積層板を噛み込ませ、せん断力を加
えてガラス繊維と銅箔とを分離する。鬼歯付きロールを
使用した場合と同じように、歯の方にガラス繊維が引っ
掛かり、銅箔は下方に落下する。
【0040】以下、実験例について説明する。
【0041】(実験例1)縦,横の大きさが23cm×1
9cmのガラス布エポキシ樹脂基板の廃材から、予めハン
ダと電子部品を取り除いたのち、電気炉に入れて含酸素
雰囲気中で数通りの温度に加熱した。その後、鬼歯付き
ロール破砕機(以下、ダブルロールクラッシャーとい
う)に投入し、基板にせん断力を加えることによって各
構成材料を分離した。鬼歯付きロールの寸法,形状を図
8,図9,図10,図11に示す。図10,図11は鬼
歯の拡大図である。その後、風力選別を行った。各温度
における基板の加熱時間は、いずれの場合も10分間と
した。加熱温度によって基板の分離性がどのように変化
するか及び銅の回収率がどのように変化するかを検討
し、表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】基板の加熱温度が270℃では、ダブルロ
ールクラッシャーにかけても基板を各構成材料に分離さ
せることは全くできず、銅の回収率は0%であった。ま
た、この温度では、基板に凹みが発生し、数cmの大きさ
に破砕してしまった。
【0044】加熱温度を300℃にして加熱後に同様に
ダブルロールクラッシャーにかけたものは、銅の細線が
ガラス布にからまった状態になって分離できなかったも
のが一部に見られたが、大部分は基板中の銅箔とガラス
布とが破砕されずにほぼ完全に分離した。直径1mm前後
のスルーホールや細線等は、残渣中に含まれて回収され
た。このときの、銅の回収率は96.5 重量%(wt
%)であった。
【0045】加熱温度を350℃,400℃及び450
℃に変えた場合でも、300℃のときと同様であり、ダ
ブルロールクラッシャーによるせん断力で銅箔とガラス
布はほぼ完全に分離した。銅の回収率は96.2〜98.
8重量%であった。
【0046】ところが、加熱温度を更に高くして480
℃にしたものは、銅箔の一部がガラスと反応してガラス
化し、このため、銅の回収率は62.1 重量%に低下し
てしまった。
【0047】積層板にせん断力を加える手段について、
具体的に例を掲げて説明する。
【0048】図4は、鬼歯付きロール3aの側面図を示
している。鬼歯付きロール3aは、ロール表面に多数の
凸部を有しており、二つのロールを一対として用いられ
る。積層板1は、加熱処理により樹脂を消失させたの
ち、図5に示すように一対の鬼歯付きロール間に通され
る。鬼歯付きロール間に噛み込まれた積層板には、歯と
歯の噛み合いによってせん断力が加えられ、歯の方にガ
ラス繊維が引っ掛かり、銅箔は下方に落下するようにな
る。
【0049】図6は、歯車の形状をした一対のロールを
示している。このような構造のロールを使用しても、積
層板にせん断力を加えることが出来る。
【0050】図7は、ジョークラッシャーに積層板を投
入した状態及び積層板がガラス繊維と銅箔とに分離され
た状態を示している。ジョークラッシャーは、固定歯と
可動歯とからなっており、可動歯が左右に動くことによ
って、歯と歯の間に積層板を噛み込ませ、せん断力を加
えてガラス繊維と銅箔とを分離する。鬼歯付きロールを
使用した場合と同じように、歯の方にガラス繊維が引っ
掛かり、銅箔は下方に落下する。
【0051】(実験例2)プリント回路基板加熱時の雰
囲気を含酸素雰囲気から無酸素雰囲気(アルゴン雰囲
気)に変えて、実験例1と同様の実験を行った。その結
果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実験例1のときと同様に、加熱温度が27
0℃では、樹脂分は殆ど基板に残存し、銅箔とガラス布
とが分離しなかった。加熱温度を300℃〜450℃に
したものは、いずれの場合も銅箔とガラス布とがほぼ完
全に分離し、銅の回収率は93.7〜97.8重量%であ
った。加熱温度を480℃にしたものは、銅とガラスと
の反応が生じ、銅の回収率は58.4 重量%に低下し
た。
【0054】これより、雰囲気を無酸素雰囲気にして
も、銅箔とガラス布との分離のしやすさには変わりはな
く、高い分離性と銅の回収率が得られることが確認され
た。
【0055】(実験例3)プリント回路基板の加熱時に
発生するハロゲン化炭化水素ガスの中和に関する実験を
行った。
【0056】20cm×20cmの大きさのガラス布エポキ
シ樹脂プリント回路基板の廃材から、予め電子部品とハ
ンダを除去したのち、電気炉に入れて含酸素雰囲気中で
室温から400℃に加熱した。この加熱過程で発生した
ガスに大気を加えたのち、各温度に加熱保持した排気ガ
ス加熱炉に導入して昇温した。その後、0.1 規定の水
酸化ナトリウム水溶液の入った5連のガス洗浄瓶に導入
して中和した。基板から放出されたガスを加熱したのち
のガス成分と、中和処理後のガス成分とを定量分析し
た。その結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】基板を300〜450℃に加熱したときに
樹脂から放出されるガスの主成分は、炭化水素系ガスで
あり、基板の樹脂中に難燃剤,硬化剤等として含まれて
いる臭素が臭化メチル,臭化エチル等のハロゲン化炭化
水素として存在する。臭化炭化水素は、アルカリ溶液中
に通しても殆ど中和されることはない。そこで、加熱昇
温して燃焼させて、臭素或いは臭化水素に転換する。こ
のようにすれば、アルカリ溶液により中和することがで
きる。
【0059】しかしながら、ハロゲン化炭化水素ガスを
燃焼させるための温度が、750℃或いは800℃程度
の低温であると、ハロゲン化炭化水素ガスを完全に燃焼
させることができず、臭化メチル或いは臭化エチルとし
て一部残ってしまうために、十分に中和できない。85
0℃以上の温度に加熱すれば臭化メチル或いは臭化エチ
ルとして残ることはなく、水酸化ナトリウム水溶液によ
り中和することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、プリント回路基板のよ
うに銅箔とガラスと樹脂とが積層された積層板から、銅
箔とガラスを効率よく回収することが出来る。また、銅
箔のままで回収することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるもので、積層板から資
源を回収する全体の工程を示す概略工程図。
【図2】銅張り積層板の加熱処理前と加熱処理後の断面
図。
【図3】ガラスエポキシ基板を加熱したときの加熱温度
とガス発生による基板の重量減少割合との関係を示す
図。
【図4】鬼歯付きロールの平面図。
【図5】鬼歯付きロールによる積層板の分離機構を示す
概念図。
【図6】鬼歯以外の歯付きロールの例を示す平面図。
【図7】ジョークラッシャーによる積層板の分離機構を
示す概念図。
【図8】実験に使用した鬼歯付きロールの寸法,形状を
示す平面図。
【図9】実験に用いた鬼歯付きロールの寸法,形状を示
す側面図。
【図10】鬼歯の拡大図。
【図11】鬼歯の拡大図。
【符号の説明】
1…積層板、2…積層板加熱炉、3…鬼歯付きロール破
砕機、4…風力選別機、8…排気ガス加熱炉。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 良吉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山下 寿生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 長谷川 勉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層板
    を加熱し、外力を加えて積層構造を破壊して該積層板に
    使用されている材料を回収するようにした資源回収方法
    において、前記積層板を前記金属箔がガラス化しない程
    度の温度に加熱して樹脂からガスを放出させた後に、該
    積層板にせん断力を加えて金属箔と基材とを分離するよ
    うにしたことを特徴とする積層板からの資源回収方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、前記せん
    断を加える手段として、歯が付いた一対のロール又はジ
    ョークラッシャーを用いることを特徴とする積層板から
    の資源回収方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、前記積層
    板を加熱後、常温に冷却してからせん断力を加えるよう
    にしたことを特徴とする積層板からの資源回収方法。
  4. 【請求項4】ガラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層板
    から資源を回収する方法において、前記積層板を前記金
    属箔がガラス化しない程度の温度に加熱して樹脂からガ
    スを放出させたのち、該積層板にせん断力を加えて金属
    箔を基材から分離し、更に、比重選別を行って各材料毎
    に分別するようにしたことを特徴とする積層板からの資
    源回収方法。
  5. 【請求項5】ガラス基材と熱硬化性樹脂と銅箔よりなる
    銅張り積層板から資源を回収する方法において、前記積
    層板を300〜450℃の温度に加熱して熱硬化性樹脂
    からガスを放出させたのち、鬼歯付きロール破砕機に投
    入してガラス基材と銅箔と熱硬化性樹脂の残渣とに分離
    し、その後、風力選別を行ってガラス基材と銅箔とを分
    別するようにしたことを特徴とする積層板からの資源回
    収方法。
  6. 【請求項6】請求項1又は4又は5に記載の方法におい
    て、前記積層板から資源を回収する処理をいずれも酸素
    含有雰囲気中で行うようにしたことを特徴とする積層板
    からの資源回収方法。
  7. 【請求項7】ガラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層板
    を加熱する積層板加熱炉と、該加熱炉で加熱された該積
    層板に外力を加えて積層構造を破壊する外力付加設備と
    を有する資源回収装置において、前記積層板加熱炉とし
    て積層板を樹脂からガスが放出する温度まで加熱できる
    加熱炉を備え、前記外力付加設備として鬼歯付きロール
    破砕機を備えたことを特徴とする積層板からの資源回収
    装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の装置において、前記積層
    板加熱炉の後に、積層板の冷却設備を備えたことを特徴
    とする積層板からの資源回収装置。
  9. 【請求項9】ガラス基材と樹脂と金属箔よりなる積層板
    を加熱する積層板加熱炉と、該加熱炉で加熱された該積
    層板に外力を加えて積層構造を破壊する外力付加設備と
    を有する資源回収装置において、前記積層板加熱炉とし
    て積層板の構成材料である樹脂をガス放出温度まで加熱
    できる加熱炉を備え、前記外力付加設備として鬼歯付き
    ロール破砕機を備え、更に該鬼歯付きロール破砕機の後
    に比重選別機を備えたことを特徴とする積層板からの資
    源回収装置。
  10. 【請求項10】請求項7又は9に記載の装置において、
    前記積層板加熱炉による加熱によって積層板から放出さ
    れたガスを加熱昇温して該ガス中のハロゲン化炭化水素
    をハロゲン,ハロゲン化水素,二酸化炭素及び水に分解
    する排気ガス加熱炉と、該排気ガス加熱炉によって生成
    したガスを中和処理する中和処理設備とを備えたことを
    特徴とする積層板からの資源回収装置。
  11. 【請求項11】プリント回路から電子部品を取り除いた
    後、該プリント回路をハンダが溶融する温度に加熱され
    且つ流動状態に保持された熱媒体中に投入してハンダを
    溶融除去し、残りのプリント回路基板を該熱媒体から取
    り出して300〜450℃の温度に加熱し、これにより
    該プリント回路基板中の樹脂分からガスを放出させ、そ
    の後、該プリント回路基板を鬼歯付きロール破砕機に投
    入して銅箔とガラスと樹脂残渣とに分離し、更に比重選
    別によって銅箔とガラスとに分別するようにしたことを
    特徴とするプリント回路からの資源回収方法。
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