JPH10313881A - aroE - Google Patents

aroE

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JPH10313881A
JPH10313881A JP10084862A JP8486298A JPH10313881A JP H10313881 A JPH10313881 A JP H10313881A JP 10084862 A JP10084862 A JP 10084862A JP 8486298 A JP8486298 A JP 8486298A JP H10313881 A JPH10313881 A JP H10313881A
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JP
Japan
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sequence
polypeptide
polynucleotide
seq
aroe
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Withdrawn
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JP10084862A
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English (en)
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Martin K R Burnham
マーティン・ケイ・アール・バーナム
James R Brown
ジェイムズ・アール・ブラウン
David J Payne
デイビッド・ジェイ・ペイン
Christopher M Traini
クリストファー・エム・トライニ
Ming Hwang
ミン・ワン
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SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0006Oxidoreductases (1.) acting on CH-OH groups as donors (1.1)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

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  • Public Health (AREA)
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規aroEポリペプチドおよび該ポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドが望まれている。 【解決手段】 本発明は、配列番号2のアミノ酸配列か
らなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対
して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチ
ドからなる単離ポリヌクレオチド;aroEポリペプチド
およびaroEポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドおよび組換え技法により該ポリペプチドの製法を提供
するものである。さらには、抗菌化合物についてスクリ
ーニングするのにaroEポリペプチドを利用する方法を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は1997年2月21日付けの米国
仮特許出願60/038913の権利を請求するもので
ある。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規に同定された
ポリヌクレオチドおよびポリペプチド、その製造および
使用、ならびにその変種、アゴニストおよびアンタゴニ
スト、ならびにその使用に関する。特に、本発明は、ar
oファミリー(以下、「aroE」と称する)の新規なポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。
【0003】
【従来の技術】抗生物質の開発するための標的としてス
タフィロコッカス(Staphylococcal)遺伝子および遺伝
子産物を利用することが特に好ましい。スタフィロコッ
カス属(Staphylococci)は医学的に重要な微生物属を
形成している。そのスタフィロコッカス属は、侵襲性と
毒素産生性の2つの型の疾患を引き起こすことが知られ
ている。侵襲性感染は、一般に、皮膚表面と深部組織の
両方に影響を及ぼす膿瘍の形成により特徴付けられる。
スタフィロコッカス・アウレウス(S.aureus)が癌患者
における菌血症の第2の誘発因である。骨髄炎、敗血症
性関節炎、敗血症性血栓静脈炎および急性菌心内膜炎で
も相対的に共通している。スタフィロコッカス属の毒素
産生特性に由来するものとして少なくとも3種の臨床症
状がある。これらの疾患の顕在化は組織侵襲および菌血
症に対抗するような外毒素の作用に起因するものであ
る。これらの症状として、スタフィロコッカス食中毒、
熱傷皮膚症候群および毒性ショック症候群が挙げられ
る。
【0004】スタフィロコッカス・アウレウス感染の頻
度は過去2、30年間に劇的に上昇している。これは多
重抗生物質耐性株の出現、および免疫系が低下した人の
母集団の増加に起因している。いくつかのまたは全ての
標準的な抗生物質に対して耐性を有するスタフィロコッ
カス・アウレウス株を単離することはもはやめずらしい
ことではない。この現象がこの生物に対する新しい抗菌
剤、ワクチンおよび診断試験についての必要性を形成し
た。
【0005】抗生物質活性に関して化合物をスクリーニ
ングするために有用であるという利点を有した、本発明
のaroE具体例のごとき因子に対する要望があることは
明白である。かかる因子はまた、感染、機能不全および
疾患の発生病理における役割を決定するのに有用であ
る。感染、機能不全および疾患を予防、改善または治癒
するための方法を見出すために、かかる因子ならびにそ
のアンタゴニストおよびアゴニストを同定および特徴づ
けする必要もある。特定の本発明のポリペプチドは、既
知のAROE BACSU SHIKIMATE 5−DEHYDROGENASEに対して
アミノ酸配列相同性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的
は、表1[配列番号2または4]に示すアミノ酸配列と、
AROE BACSU SHIKIMATE 5−DEHYDROGENASEタンパク質な
どの他のタンパク質の既知のアミノ酸配列(複数でも
可)の間の相同性により、新規aroEポリペプチドと同
定されたポリペプチドを提供することである。本発明の
さらなる目的は、aroEポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド、特に本明細書においてaroEと称するポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のとりわけ好まし
い具体例では、該ポリヌクレオチドは、完全長の遺伝子
を含む、表1[配列番号1または3]に示す配列を有し
てなるaroEポリペプチドをコードする領域、またはそ
の変種を有してなる。本発明の別の特に好ましい具体例
には、表1[配列番号2または4]のアミノ酸配列を有し
てなるスタフィロコッカス・アウレウスに由来する新規
aroEタンパク質またはその変種がある。本発明のさら
なる態様として、mRNA、cDNA、ゲノムDNAを含め、aro
E、特にスタフィロコッカス・アウレウスaroEをコー
ドする単離核酸分子を提供する。本発明のさらなる具体
例は、生物学的、診断学的、予防的、臨床的または治療
的に有用なその変種、およびそのものを含んでなる組成
物を包含する。
【0008】本発明の別の態様によれば、治療または予
防目的で、特に遺伝的免疫における本発明のポリヌクレ
オチドの使用を提供する。本発明の特に好ましい具体例
には、aroEの天然の対立遺伝子変種およびそれにより
コードされるポリペプチドがある。本発明の別の態様と
して、本明細書でaroEと称するスタフィロコッカス・
アウレウスの新規なポリペプチド、ならびに生物学的、
診断学的、予防的、臨床的または治療的に有用なその変
種、およびそのものを含んでなる組成物を提供する。本
発明のとりわけ好ましい具体例には、aroE遺伝子の天
然の対立遺伝子によりコードされるaroEポリペプチド
の変種がある。本発明の好ましい具体例において、前記
のaroEポリペプチドの製造方法を提供する。
【0009】本発明のさらに別の態様によれば、例え
ば、抗体を含め、抗菌剤として有用な、かかるポリペプ
チドに対する阻害剤が提供される。本発明の特定の好ま
しい具体例によれば、aroE発現を評価し、疾病を治療
し、遺伝的変異を評価し、生物にaroEポリペプチドま
たはポリヌクレオチドを投与して細菌、特にスタフィロ
コッカス・アウレウス細菌に対する免疫応答を生じさせ
るための物質、組成物および方法が提供される。本発明
のこのおよび他の態様の特定の好ましい具体例によれ
ば、aroEポリヌクレオチド配列に、特にストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが
提供される。本発明の特定の好ましい具体例では、aro
Eポリペプチドに対する抗体を提供する。
【0010】本発明の他の具体例では、本発明のポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドに結合し、そうでなけれ
ば相互作用し、その活性を阻害または活性化する化合物
を同定する方法であって、スクリーニングすべき化合物
が本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドと結合
し、そうでなければ相互作用できる条件下で、該ポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドを該化合物と接触させ
て、該化合物との結合まあは相互作用を評価し(かかる
結合または相互作用はポリペプチドまたはポリヌクレオ
チドと化合物との結合または相互作用に応答して検出可
能なシグナルを提供できる2次成分に関連するものであ
る);化合物と該ポリペプチドまたはポリヌクレオチド
との結合または相互作用から生じるシグナルの有無を検
出することにより、化合物がポリペプチドまたはポリヌ
クレオチドと結合するか、そうでなければ相互作用し、
その活性を活性化または阻害するかどうかを決定するこ
とからなる方法を提供する。
【0011】本発明のさらに別の態様によれば、aroE
アゴニストおよびアンタゴニスト、好ましくは静菌性ま
たは殺菌性アゴニストおよびアンタゴニストを提供す
る。本発明のさらなる態様では、aroEポリヌクレオチ
ドまたはaroEポリペプチドを有してなる、細胞または
多細胞生物に投与するための組成物が提供される。
【0012】本発明のもう一つ別の態様において、配列
番号1または3の配列を有してなるポリヌクレオチド;
配列番号2または4の配列を有してなるポリペプチド;
少なくとも1つの配列が配列番号1または3の配列を有
してなる一連のポリヌクレオチド配列;少なくとも1つ
の配列が配列番号2または4の配列を有してなる一連の
ポリペプチド配列;配列番号1または3の配列を有して
なるポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番
号2または4の配列を有してなるポリペプチド配列をコ
ードするポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配
列番号1の配列を有してなるポリヌクレオチド;配列番
号2の配列を有してなるポリペプチド;少なくとも1つ
の配列が配列番号1の配列を有してなる一連のポリヌク
レオチド配列;少なくとも1つの配列が配列番号2の配
列を有してなる一連のポリペプチド配列;配列番号1の
配列を有してなるポリヌクレオチド配列を表すデータセ
ット;配列番号2の配列を有してなるポリペプチド配列
をコードするポリヌクレオチド配列を表すデータセッ
ト;からなる群より選択される要素をその上に記録した
コンピューター読み取り媒体が提供される。
【0013】本発明のさらなる具体例は、相同性を同定
するためのコンピューターをベースとする方法であっ
て、配列番号1の配列を有してなるポリヌクレオチド配
列をコンピューター読み取り媒体に記録し、そのポリヌ
クレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドま
たはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程
からなる方法を提供する。本発明のさらなる具体例は、
相同性を同定するためのコンピューターをベースとする
方法であって、配列番号2の配列を有してなるポリペプ
チド配列をコンピューター読み取り媒体に記録し、その
ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチド
またはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工
程からなる方法を提供する。
【0014】本発明のさらなる具体例は、ポリヌクレオ
チドのアセンブリーに関するコンピューターをベースと
する方法であって、配列番号1の配列を有してなる第1
のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み取り媒体
に記録し、その第1のポリヌクレオチド配列と第2のポ
リヌクレオチド配列の間にある少なくとも1つの重複領
域をスクリーニングする工程からなる方法を提供する。
開示した本発明の精神および範囲内での種々の変更およ
び修飾は、以下の記載および本明細書のその他の部分を
読むことにより、当業者に容易に明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明は、以下により詳細に記載
されるような新規aroEポリペプチドおよびポリヌクレ
オチドに関する。特に、本発明は、AROE BACSU SHIKIMA
TE 5−DEHYDROGENASEポリペプチドとアミノ酸相同性に
より関連付けられる、スタフィロコッカス・アウレウス
の新規aroEのポリペプチドおよびポリヌクレオチドに
関する。本発明は、特に、各々、表1にて配列番号1お
よび配列番号2で示されるヌクレオチドおよびアミノ酸
配列を有するaroEに関する。
【0016】
【表1】aroEポリヌクレオチドおよびポリペプチド配
【0017】 (A)スタフィロコッカス・アウレウスaroEポリンクレオチド配列由来の配列 [配列番号1] 5'- ATGAAATTTGCAGTTATCGGAAATCCTATTTCACATTCCTTGTCGCCCGTTATGCATAGAGCAAATTTTA ATTCTTTAGGATTAGATGATACTTATGAAGCTTTAAATATTCCAATTGAAGATTTTCATTTAATTAAAGA AATTATTTCGAAAAAAGAATTAGATGGCTTTAATATCACAATTCCTCATAAAGAACGTATCATCCCGTAT TTAGATTATGTTGATGAACAAGCGATTAATGCAGGTGCAGTTAACACTGTTTTGATAAAAGATGGCAAGT GGATAGGGTATAATACAGATGGTATTGGTTATGTTAAAGGATTGCACAGCGTTTATCCAGATTTAGAAAA TGCATACATTTTAATTTTGGGCGCAGGTGGTGCAAGTAAAGGTATTGCTTATGAATTAGCAAAATTTGTA AAGCCCAAATTAACTGTTGCGAATAGAACGATGGCTCGTTTTGAATCTTGGAATTTAAATATAAACCAAA TTTCATTGGCAGATGCTGAAAAGTATTTAGCTGAATTCGATATCGTTATTAATACAACACCAGCGGGTAT GGCTGGAAATAACGAAAGTATTATTAATTTAAAACATCTTTCTCCCAATACTTTAATGAGTGATATTGTT TATATACCGTATAAAACACCTATTTTAGAGGAAGCAGAGCGCAAGGGAAACCATATTTATAAGGGCTTAG ATATGTTGGTCCACCAAGGTGCGGAAAGCTTTAAAATTGGGACTAATAAAGATGCTGATATTAATTCTAT GAAAACAGCAGTTTTACAACAATTAAAAGGAGAATAA-3'
【0018】 (B)この表のポリヌクレオチド配列より推定されるスタフィロコッカス・アウ レウスaroEポリペプチド配列[配列番号2] NH2- MKFAVIGNPISHSLSPVMHRANFNSLGLDDTYEALNIPIEDFHLIKEIISKKELDGFNITIPHKERIIPY LDYVDEQAINAGAVNTVLIKDGKWIGYNTDGIGYVKGLHSVYPDLENAYILILGAGGASKGIAYELAKFV KPKLTVANRTMARFESWNLNINQISLADAEKYLAEFDIVINTTPAGMAGNNESIINLKHLSPNTLMSDIV YIPYKTPILEEAERKGNHIYKGLDMLVHQGAESFKIGTNKDADINSMKTAVLQQLKGE-COOH
【0019】 (C)スタフィロコッカス・アウレウスaroE・ORF配列を有してなるポリヌ クレオチド配列[配列番号3] 5'-GTAACGCACAGAGCAGATTTTAATTCTTTAGGATTAGATGATACTTATGAAGCTTTAAAT ATTCCAATTGAAGATTTTCATTTAATTAAAGAAATTATTTCGAAAAAAGAATTAGATGGC TTTAATATCACAATTCCTCATAAAGAACGTATCATACCGTATTTAGATTATGTTGATGAA CAAGCGATTAATGCAGGTGCAGTTAACACTGTTTTGATAAAAGATGGCAAGTGGATAGGG TATAATACAGATGGTATTGGTTATGTTAAAGGATTGCACAGCGTTTATCCAGATTTAGAA AATGCATACATTTTAATTTTGGGCGCAGGTGGTGCAAGTAAAGGTATTGCTTATGAATTA GCAAAATTTGTAAAGCCCAAATTAACTGTTGCGAATAGAACGATGGCTCGTTTTGAATCT TGGAATTTAAATATAAACCAAATTTCATTGGCAGATGCTGAAAAGTATTTAGCTGAATTC GATATCGTTATTAATACAACACCAGCGGGTATGGCTGGAAATAACGAAAGTATTATTAAT TTAAAACATCTTTCTCCCAATACTTTAATGAGTGATATTGTTTATATACCGTATAAAACA CCTATTTTAGAAGAAGCAGAGCGCAAGGGATACCATATTTATAATGGCTTAAATATGTTT GTTTTACAAGGTGCGGAAAGCTTTAAATTTGGACTAATAAAGATGCTGATATTAATTCTA -3'
【0020】 (D)この表のポリヌクレオチドORF配列より推定されるスタフィロコッカス ・アウレウスaroEポリペプチド配列[配列番号4] NH2-V T H R A D F N S L G L D D T Y E A L N I P I E D F H L I K E I I S K K E L D G F N I T I P H K E R I I P Y L D Y V D E Q A I N A G A V N T V L I K D G K W I G Y N T D G I G Y V K G L H S V Y P D L E N A Y I L I L G A G G A S K G I A Y E L A K F V K P K L T V A N R T M A R F E S W N L N I N Q I S L A D A E K Y L A E F D I V I N T T P A G M A G N N E S I I N L K H L S P N T L M S D I V Y I P Y K T P I L E E A E R K G Y H I Y N G L N M F V L Q G A E S F K F G L I K M L I L I L -COOH
【0021】寄託材料 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29株を含む
寄託株を、1995年9月11日に、スコットランド、
AB2 1RY、アバディーン、マチャードライブ23
St.のナショナル・コレクション・オブ・インダストリ
アル・アンド・マリーン・バクテリア・リミテッド(本
明細書にて「NCIMB」という)に、NCIMB受託
番号40771の下で寄託した。その寄託株は、寄託に
より、スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29と
命名された。このスタフィロコッカス・アウレウス株寄
託を、本明細書では「寄託株」または「寄託株のDNA」
と称する。
【0022】寄託株は完全長aroE遺伝子を含んでい
る。寄託株に含まれるポリヌクレオチドの配列ならびに
それによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列
は、本明細書における配列の記載とのいずれの不一致も
調節するものである。寄託株の寄託は、特許手続き上の
微生物寄託の国際承認に関するブタペスト条約の条件下
で行われている。特許が発行されると何ら制限または条
件もなく、最終的に株は分譲される。寄託株は当業者の
便宜のためにのみ提供され、35U.S.C.112条の
下に要求されるような、寄託が実施可能要件であること
を承認するものではない。
【0023】寄託株、それに由来の化合物を製造、使用
または販売するには、ライセンスが必要であるが、その
ようなライセンスはここで付与されるものではない。本
発明の一の態様は、寄託株に含まれるスタフィロコッカ
ス・アウレウスWCUH29株により発現可能な成熟ポ
リペプチドをコードする単離核酸分子を提供することで
ある。さらには、本発明は寄託株中のDNAのaroEヌクレ
オチド配列およびそれによりコードされるアミノ酸配列
を提供する。また、本発明は寄託株より単離されたaro
Eポリペプチド配列およびそれに由来のアミノ酸配列を
提供する。
【0024】ポリペプチド 本発明のポリペプチドは、表1[配列番号2または4]
のポリペプチド(とりわけ成熟ポリペプチド)ならび
に、特に、aroEの生物活性を有し、表1[配列番号1
または3]のポリペプチドまたはその該当部分と少なく
とも70%の同一性、好ましくは表1[配列番号2また
は4]のポリペプチドと少なくとも80%の同一性、よ
り好ましくは表1[配列番号2または4]のポリペプチ
ドと少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは
表1[配列番号2または4]のポリペプチドと少なくと
も95%の同一性を有するポリペプチドおよびフラグメ
ントを包含し、さらに、一般に、少なくとも30個のア
ミノ酸、より好ましくは、少なくとも50個のアミノ酸
を含むポリペプチドの部分を有するかかるポリペプチド
の部分も包含する。
【0025】本発明はまた、
【数1】X−(R1m−(R2)−(R3n−Y
【0026】[式中、アミノ末端のXは水素または金属
であり、カルボキシル末端のYは水素または金属であ
り、R1およびR3はいずれかのアミノ酸残基であり、mは
1〜1000の整数または0であり、nは1〜1000
の整数または0であり、R2は本発明のアミノ酸配列、特
に表1のアミノ酸配列を意味する]で示されるポリペプ
チドを包含する。上記の式中、R2はアミノ末端残基がそ
の左側でR1に結合し、そのカルボキシ末端残基がその右
側でR3に結合するように方向づけられる。mおよび/ま
たはnが1より大きい場合、いずれかのR基で表される
アミノ酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマ
ーのいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好まし
い。
【0027】フラグメントは、その全体が、上記したポ
リペプチドのアミノ酸配列の全部ではないが、一部と同
じであるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドであ
る。aroEポリペプチドと同様、フラグメントは「自立
している」であるか、またはそれらが一の部分または領
域、最も好ましくは単一の連続した領域、単一のより大
きなポリペプチドを形成するより大きなポリペプチドの
中に含まれていてもよい。
【0028】好ましいフラグメントは、例えば、表1
[配列番号2または4]のアミノ酸配列または、アミノ
末端を含む連続した一連の残基またはカルボキシル末端
を含む連続した一連の残基のような、その変種の一部を
有する末端切断ポリペプチドを包含する。宿主細胞、特
に、スタフィロコッカス・アウレウス中の本発明のポリ
ペプチドの分解型も好ましい。さらに、アルファヘリッ
クスおよびアルファヘリックス形成領域、ベータシート
およびベータシート形成領域、ターンおよびターン形成
領域、コイルおよびコイル形成領域、親水領域、疎水領
域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可変
領域、界面形成領域、基質結合領域、および高抗原指数
領域を含んでなるフラグメントのような、構造的または
機能的属性によって特徴づけられるフラグメントもまた
好ましいフラグメントである。
【0029】生物学的に活性なフラグメントも好ましい
フラグメントである。生物学的に活性なフラグメント
は、類似活性または改良活性を有するもの、または望ま
しくない活性が減少したフラグメントを含め、aroEの
活性を媒介するフラグメントである。さらに、動物、特
にヒトにおいて抗原性または免疫原性であるフラグメン
トも含まれる。特に好ましいものは、スタフィロコッカ
ス・アウレウスの生存に必須の機能または個体、特に、
ヒトにおける疾患の開始または原因維持能力を与える酵
素群の受容体またはドメインからなるフラグメントであ
る。本発明のポリペプチドのフラグメントである変種
は、ペプチド合成法により対応する完全長のポリペプチ
ドの製造に使用することができる。したがって、これら
の変種は、本発明の完全長ポリペプチドを製造するため
の中間体として使用できる。
【0030】アミノ酸に関する標準的1文字および3文
字表記に加えて、「X」または「Xaa」なる語もま
た、本発明のあるポリペプチドを記載するのに用いられ
る。「X」および「Xaa」は、20種の天然に存在す
るいずれかのアミノ酸がポリペプチド配列のそのような
指定する位置にあってもよいことを意味する。
【0031】ポリヌクレオチド 本発明のもう一つの態様は、表1[配列番号2または
4]の推定アミノ酸配列を有するaroEポリペプチドを
コードする単離ポリヌクレオチド、それに密接に関連す
るポリヌクレオチドおよびそれらの変種に関する。表1
[配列番号1または3]に示すポリヌクレオチド配列の
ような本明細書の情報を使用し、出発材料としてスタフ
ィロコッカス・アウレウスWCUH29を使用し、細菌
からの染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列
決定し、つづいて完全長クローンを得る標準的クローニ
ングおよびスクリーニング法を使用して、aroEポリペ
プチドをコードする本発明のポリヌクレオチドを得るこ
とができる。例えば、表1[配列番号1または3]に示
す配列のような本発明のポリヌクレオチド配列を得るに
は、典型的には、エシェリキア・コリまたは他の適当な
宿主中のスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29
の染色体DNAのクローンのライブラリーを、部分配列か
ら由来する放射標識したオリゴヌクレオチド、好ましく
は17倍量以上の長さのオリゴヌクレオチドでプローブ
する。ついで、該プローブと同じDNAを有するクローン
をストリンジェントな条件を使用して区別できる。該オ
リジナル配列から設計された配列決定プライマーで同定
された個々のクローンを配列決定することにより、該配
列を両方の方向に伸長し、完全長を決定することが可能
である。都合よくは、プラスミド・クローンから調製さ
れた変性二本鎖DNAを用いてかかる配列決定を行う。適
当な技法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.およびSambroo
kら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd E
d.;Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spri
ng Harbor, New York(1989)(特に、ハイブリダイゼ
ーションによるスクリーニング1.90および変性二本
鎖DNA鋳型の配列決定13.70を参照のこと)により記
載されている。例えば、表1[配列番号1または3]に
示すポリヌクレオチドは、スタフィロコッカス・アウレ
ウスWCUH29から由来するDNAライブラリー中で見
いだしたものである。
【0032】表1[配列番号1または3]のDNA配列
は、表1[配列番号2または4]に示す概数のアミノ酸
残基を有し、公知のアミノ酸残基の分子量から計算でき
る推定分子量を有するタンパク質をコードするオープン
リーディングフレームを有する。ヌクレオチド番号1
と、配列番号1のヌクレオチド番号805で始まる停止
コドンの間の配列番号1のポリヌクレオチドが、配列番
号2のポリペプチドをコードする。本発明のaroEは、a
roファミリーの他のタンパク質に構造的に関連付けられ
る。
【0033】本発明は、表1[配列番号1または3]の
コード配列と、その全長にわたって同一であるポリヌク
レオチド配列を提供する。また、本発明は、成熟ポリペ
プチドまたはそのフラグメント用のコード配列自体なら
びにリーダーまたは分泌配列、プレ、プロまたはプレプ
ロタンパク質配列をコードするコード配列のような他の
コード配列を有するリーディング・フレーム中の成熟ポ
リペプチドまたはフラグメントのコード配列を提供す
る。ポリヌクレオチドはまた、例えば、転写配列、非翻
訳配列、終止シグナル、リボソーム結合部位、mRNAを
安定化する配列、イントロン、ポリアデニル化シグナル
および別のアミノ酸をコードする付加コード配列のよう
な非コード5’および3’配列を含む、非コード配列を
含むが、これに限定するものではない。例えば、融合ポ
リペプチドの精製を促進するマーカー配列をコードする
ことができる。本発明のある種の具体例において、マー
カー配列は、pQEベクター(Qiagen,Inc.)において
提供され、Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)8
6:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペ
プチドであるか、またはHAタグである(Wilsonら、C
ell,37:767(1984))。本発明のポリヌクレオチドは、
限定するものではないが、構造遺伝子および遺伝子の発
現を調節する天然に伴う配列からなるポリヌクレオチド
を包含する。
【0034】本発明の好ましい具体例は、表1の配列番
号1に示されるヌクレオチド1からヌクレオチド805
の直ぐ上流にあるヌクレオチドまたはそのヌクレオチド
を含むヌクレオチドまでを有するポリヌクレオチドであ
り、それは共にaroEポリペプチドをコードする。
【0035】本発明はまた、式:
【数2】X−(R1m−(R2)−(R3n−Y
【0036】[式中、分子の5’末端のXは水素または
金属あるいはYと一緒になって共有結合を形成し、分子
の3’末端のYは水素または金属あるいはXと一緒にな
って共有結合を形成し、R1およびR3は、各々、独立して
いずれかの核酸残基であり、mは1〜3000の整数ま
たは0であり、nは1〜3000の整数または0であ
り、R2は本発明の核酸配列、特に表1より選択される核
酸配列を意味する]で示されるポリヌクレオチドを包含
する。上記した式のポリヌクレオチド中、R2は5’末端
残基がその左側でR1に結合し、その3’末端残基がその
右側でR3に結合するように方向付けられる。mおよび/
またはnが1より大きい場合、いずれかのR基で表され
る核酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマー
のいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。
好ましい具体例において、XおよびYが一緒になって共
有結合を形成する場合、前記した式のポリヌクレオチド
は閉鎖した環状ポリヌクレオチドであり、それはその式
が第2の鎖が相補性を有する第1の鎖を示す二本鎖ポリ
ヌクレオチドであり得る。もう一つ別の具体例におい
て、mおよび/またはnは1と1000の間の整数であ
る。
【0037】本発明のポリヌクレオチドはスタフィロコ
ッカス・アウレウスから誘導されるのが最も好ましい
が、分類学上同じ属の生物より得ることも好ましい。ま
た、例えば、分類学上同じ科または目から得てもよい。
本明細書で使用する「ポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド」なる用語は、本発明のポリペプチド、特
に、細菌性ポリペプチド、より詳しくは、表1[配列番
号2または4]に示すアミノ酸配列を有するスタフィロ
コッカス・アウレウスaroEのポリペプチドをコードす
る配列を含むポリヌクレオチドを包含する。この用語は
コードおよび/非コード配列を含んでもよいさらなる領
域と共に、該ポリペプチドをコードする単一の連続また
は非連続領域(例えば、組み込まれたファージまたは挿
入された配列またはエデティング(editing)により中
断されている)を含むポリヌクレオチドを包含する。本
発明はさらに、表1[配列番号2または4]の推定アミ
ノ酸配列を有するポリペプチドの変種をコードする、本
明細書に記載したポリヌクレオチドの変種に関する。本
発明のポリヌクレオチドのフラグメントである変種は本
発明の完全長ポリヌクレオチドの合成に使用できる。
【0038】さらに好ましい具体例は、数個、わずか
な、5〜10、1〜5、1〜3、2または1個あるいは
0個のアミノ酸残基が、いずれかの組み合わせで置換、
欠失または付加された表1[配列番号2または4]のar
oEポリペプチドのアミノ酸配列を有する、aroE変種を
コードするポリヌクレオチドである。特に好ましくは、
aroEの特性、活性を変化させないサイレント置換、付
加および欠失である。
【0039】本発明のさらに好ましい具体例は、表1
[配列番号2または4]に示すアミノ酸配列をを有する
aroEポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの完
全長にわたって少なくとも70%の同一性を有するポリ
ヌクレオチドおよびそのようなポリヌクレオチドに相補
性のポリヌクレオチドである。また、最も好ましいもの
は、aroEポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
と完全長にわたって少なくとも80%の同一性を有する
領域からなるポリヌクレオチドおよびそれと相補性のポ
リヌクレオチドである。この点で、その同じものと完全
長にわたって少なくとも90%の同一性を有するポリヌ
クレオチドが特に好ましく、中でも少なくとも95%の
同一性を有するものが特に好ましい。さらには、少なく
とも95%の同一性を有するものの中で少なくとも97
%の同一性を有するものがより好ましく、中でも少なく
とも98%および少なくとも99%の同一性を有するも
のが特に好ましい。少なくとも99%の同一性を有する
ものがより好ましい。好ましい具体例は、表1[配列番
号1または3]のDNAによってコードされている成熟ポ
リペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保
持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであ
る。
【0040】さらに本発明は、本明細書にて上記した配
列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。こ
の点において、本発明は特に、本明細書にて上記したポ
リヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で用い
る場合、「ストリンジェントな条件」および「ストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件」という語は、
ハイブリダイゼーションが、配列間に少なくとも95
%、好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合に
のみ起こることを意味する。ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件の一例として、50%ホルムアル
デヒド、5xSSC(150mM NaCl、15mM ク
エン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(p
H7.6)、5xデンハート(Denhardt’s)溶液、10
%硫酸デキストランおよび20μg/ml変性切断サケ
精子DNAを含んでなる溶液中、42℃で一夜インキュベ
ーションし、ついでハイブリダイゼーション支持体を
0.1xSSC(約65℃)で洗浄することが挙げられ
る。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は公知であ
り、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MA
NUAL,Second Edition,Cold Spring Harbor, N.Y.(19
89)、特に、第11章に例示されている。
【0041】本発明は、実質的に、配列番号1に示した
ポリヌクレオチド配列の完全遺伝子を含む適当なライブ
ラリーを、ストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下、配列番号1に示す該ポリヌクレオチド配列の配
列を有するプローブまたはそのフラグメントでスクリー
ニングし、該DNA配列を単離することにより得ることが
できるポリヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
を提供する。そのようなポリヌクレオチドを得るのに有
用なフラグメントには、例えば、本明細書に記載するプ
ローブおよびプライマーが包含される。
【0042】本明細書において本発明のポリヌクレオチ
ドの分析についてさらに説明するように、例えば、上記
したような本発明のポリヌクレオチドを、RNA、cDNAお
よびゲノムDNAに対するハイブリダイゼーション・プロ
ーブとして使用し、aroEをコードする完全長cDNAおよ
びゲノムクローンを単離し、aroE遺伝子に対して高い
配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクロ
ーンを単離することができる。そのようなプローブは、
一般に、少なくとも15塩基を有してなるであろう。好
ましくは、そのようなプローブは少なくとも30塩基か
らなり、少なくとも50塩基を有してもよい。特に好ま
しいプローブは、少なくとも30塩基を有し、50以下
の塩基を有する。例えば、aroE遺伝子のコード領域
は、表1(配列番号1または3)のDNA配列を使用して
スクリーニングしてオリゴヌクレオチド・プローブを合
成することにより単離できる。ついで、本発明の遺伝子
の配列と相補性の配列を有する標識したオリゴヌクレオ
チドを用いてcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリ
ーをスクリーニングし、ライブラリーのどのメンバーが
プローブとハイブリダイズするか決定する。
【0043】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、本明細書においてポリヌクレオチド分析に関し
てさらに説明するように、例えば、疾患、特にヒトの疾
患に対する治療および診断の発見のための研究試薬およ
び研究材料として用いることができる。表1(配列番号
1または2または3または4)の配列から由来するオリ
ゴヌクレオチドである本発明のポリヌクレオチドは、本
明細書に記載の方法に使用できるが、好ましくはPCR
に使用し、本明細書で同定したポリヌクレオチドが全体
として、または部分的に感染組織において細菌中で転写
されるか否か測定する。そのような配列はまた、病因が
達した感染の段階およびタイプの診断においても有用性
がある。
【0044】また、本発明は、成熟蛋白に、さらなるア
ミノまたはカルボキシ末端アミノ酸が加わるか、成熟ポ
リペプチドの内部にアミノ酸が加わった(例えば、成熟
形態が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。この
ような配列は、とりわけ、前駆体から成熟形態へのタン
パク質のプロセッシングにおいて役割を果たし、タンパ
ク質を運び、タンパク質の半減期を長くしたり、短くし
たり、あるいは分析または生産のためのタンパク質の操
作を容易にすることができる。インビボで一般的なよう
に、該付加アミノ酸は細胞酵素により成熟タンパク質か
らプロセッシングにより除かれる。一またはそれ以上の
プロ配列に融合したポリペプチドの成熟形態を有する前
駆体タンパク質は該ポリペプチドの不活性形でもよい。
プロ配列がそのような不活性前駆体から除かれると、一
般に活性化される。プロ配列の幾らかまたは全体を、活
性化の前に除去できる。一般に、そのような前駆体はプ
ロタンパク質と称される。
【0045】核酸塩基に関する標準記号A、G、C、T
/Uに加えて、また「N」なる語を、本発明の特定のポ
リヌクレオチドを記載するのに用いることができる。
「N」は、隣接するヌクレオチド位置と一緒になって作
用する場合、正確なリーディング・フレームを読み取る
場合で、Nがそのようなリディング・フレームにて成熟
前末端コドンを形成する効果を有する塩基でないことが
好ましい場合を除き、4種のDNAまたはRNA塩基のいずれ
かがDNAまたはRNA配列のその指定位置にあることを意味
する。
【0046】総じて、本発明のポリヌクレオチドは成熟
タンパク質、リーダー配列の加わった成熟タンパク質
(プレタンパク質とも称される)、プレタンパク質のリ
ーダー配列ではない1またはそれ以上のプロ配列を有す
る成熟タンパク質の前駆体、またはリーダー配列と、一
般に、ポリペプチドの活性な成熟形態を生成するプロセ
ッシング工程の間に除去される1またはそれ以上のプロ
配列を有するプロタンパク質の前駆体であるプレプロタ
ンパク質をコードする。
【0047】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリヌ
クレオチドを含んでなるベクター、本発明のベクターで
遺伝子操作される宿主細胞および組換え技術による本発
明のポリペプチドの産生に関する。さらに無細胞翻訳系
を用い、本発明のDNA構築物由来のRNAを使用してかかる
タンパク質を製造することができる。組換え体産生のた
めに、宿主細胞を遺伝子操作し、発現系もしくはそれら
の一部、または本発明のポリヌクレオチドを取り込むこ
とができる。ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、
リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デ
キストラン媒介トランスフェクション、トランスベクシ
ョン、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介ト
ランスフェクション、エレクトロポレーション、トラン
スダクション、スクレープ・ローディング、弾道導入お
よび感染のような、Davisら、BASIC METHODS IN MOLECU
LAR BIOLOGY(1986)およびSambrookら、MOLECULAR CLO
NING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed. Cold Spring Har
bor Laboratory Press,Cold Spring Harbor, N.Y.(198
9)のごとき複数の標準的研究室マニュアルに記載され
ている方法によって行うことができる。
【0048】適当な宿主の代表例は、レンサ球菌(stre
ptococcus)、ブドウ球菌(staphylococcus)、腸球菌
(enterococcus)、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイ
セス(streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtili
s)細胞のごとき細菌細胞;酵母細胞およびアスペルギ
ルス(Aspergillus)細胞のごとき真菌細胞;ドロソフ
ィラ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodopte
ra)Sf9細胞のごとき昆虫細胞;CHO、COS、HeLa、C1
27、3T3、BHK、HEK293およびボーウェス(Bowes)メラ
ノーマ細胞のごとき動物細胞;および植物細胞を包含す
る。
【0049】本発明のポリペプチド産生のために非常に
多様な発現系を使用することができる。かかる系は、と
りわけ、染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、
例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由
来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因
子由来、酵母染色体因子由来、バキュロウイルス、SV
40のごときパポーバウイルス、ワクシニアウイルス、
アデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、偽狂犬病
ウイルスおよびレトロウイルスのようなウイルス由来の
ベクター、およびコスミドおよびファージミドなどのプ
ラスミドおよびバクテリオファージの遺伝因子由来のベ
クターのごとき、それらの組み合わせに由来するベクタ
ーを包含する。発現系構築物は、発現を制御ならびに引
き起こす調節領域を有していてもよい。一般に、宿主に
おいてポリヌクレオチドを維持、増幅または発現し、お
よび/またはポリペプチドを発現するのに適した系また
はベクターを、この点にて発現に使用してもよい。適当
なDNA配列を、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONIN
G,A LABORATORY MANUAL(前掲)に示されている技術の
ごとき、種々のよく知られた慣用的技術のいずれかによ
って、発現系に挿入してもよい。
【0050】翻訳されたタンパク質を、小胞体内腔、周
辺腔または細胞外環境に分泌するために、適当な分泌シ
グナルを発現されるポリペプチドに挿入してもよい。こ
れらのシグナルは、ポリペプチドに固有のものであって
もよく、または異種のシグナルであってもよい。本発明
のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール
沈澱、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグ
ラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水
相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ
ーおよびレクチンクロマトグラフィーを包含する、よく
知られた方法によって組換え細胞培養物から回収および
精製できる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフ
ィーが精製に使用される。ポリペプチドが単離および/
または精製の間に変性する場合、タンパク質を再生する
ための周知方法を用いて、再び活性な立体配座とするこ
とができる。
【0051】診断および予後アッセイ 本発明はまた診断試薬として使用するための本発明のar
oEポリヌクレオチドの使用にも関連付けられる。真核
生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトにおけるaroEの検
出は、疾患の診断のための診断方法を提供する。真核生
物(本明細書において「個体」とも称する)、とりわけ
哺乳動物、特にヒトがaroE遺伝子を含む生物に感染す
るか、または感染している恐れがあると、種々の方法に
より核酸レベルで検出できる。
【0052】診断に供する核酸は、感染した個体の細胞
および組織、例えば骨、血液、筋肉、軟骨および皮膚よ
り得ることができる。ゲノムDNAは直接的に検出するの
に使用できるか、または分析に付す前にPCRもしくは
その他の増幅法を用いることにより酵素的に増幅でき
る。RNA、cDNAおよびゲノムDNAも同じ方法にて使用でき
る。増幅すると、個体に存在する原核生物の種および株
を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけす
ることができる。対照配列の遺伝子型と比較した増幅生
成物の大きさの変化により、欠失および挿入を検出でき
る。点突然変異は、増幅DNAを標識したaroEポリヌクレ
オチド配列にハイブリダイズすることにより同定でき
る。完全に対合した配列は、RNase消化により、また
は融解温度の差により、誤対合二重らせんと区別でき
る。DNA配列の差はまた、変性剤と共にまたは無しでゲ
ル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化によ
り、または直接的なDNAの配列決定により検出できる。
例えば、Myersら、Science,230:1242(1985)を参照の
こと。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアー
ゼ保護アッセイ、例えば、RNaseおよびS1保護また
は化学的切断法によっても明らかにすることができる。
例えば、Cottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:4397
-4401(1985)を参照のこと。
【0053】本発明の遺伝子中に変異または多型性(対
立遺伝子変異)を担持する細胞はまた、種々の技術によ
り、DNAまたはRNAレベルで、例えばセロタイピングする
ことにより検出できる。例えば、RT−PCRを用いて
RNAの変異を検出することができる。RT−PCRを自
動検出系、例えばGeneScan等と組み合わせて用いるの
が特に好ましい。RNA、cDNAまたはゲノムDNAもまた同じ
目的でPCRまたはRT−PCRに用いることができ
る。一例として、aroEをコードする核酸に相補的なP
CRプライマーを用いて変異を同定および分析すること
ができる。代表的プライマーの例を表2に示す。
【0054】
【表2】 aroEポリヌクレオチドの増幅用プライマー 配列番号 プライマー配列 5 5’−TCCCGTATTTAGATTATGTTGATG−3’ 6 5’−CTTGCGCTCTGCTTCCTCTA−3’
【0055】本発明はまた、式:
【数3】X−(R1m−(R2)−(R3n−Y
【0056】[式中、分子の5’末端のXは水素または
金属であり、分子の3’末端のYは水素または金属であ
り、R1およびR3はいずれかの核酸残基であり、mは1〜
20の整数または0であり、nは1〜20の整数または
0であり、R2は本発明のプライマー配列、特に表2より
選択されるプライマー配列を意味する]で示されるプラ
イマーを包含する。上記した式のポリヌクレオチド中、
R2はその5’末端残基がその左側でR1に結合し、その
3’末端残基が右側でR3に結合するように方向付けられ
る。mおよび/またはnが1より大きい場合、いずれか
のR基で表される核酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまた
はホモポリマーのいずれであってもよく、表1のポリヌ
クレオチド領域に相補的なヘテロポリマーが好ましい。
好ましい具体例において、mおよび/またはnは1と1
0の間の整数である。
【0057】本発明はさらに5’および/または3’末
端より除去した1、2、3または4個のヌクレオチドを
含むこれらプライマーを提供する。これらのプライマー
を用いて、とりわけ、個体に由来するサンプルから単離
したaroE DNAを増幅することができる。該プライマー
を用いて、感染した個体から単離した遺伝子を増幅して
もよく、ついで、該遺伝子をDNA配列を調べるための種
々の技法に供することができる。このように、DNA配列
における変異を検出し、これを用いて感染を診断し、感
染性物質をセロタイプおよび/または分類することがで
きる。
【0058】本発明はさらに、疾患、好ましくは細菌感
染、さらに好ましくはスタフィロコッカス・アウレウス
による感染の診断方法であって、表1[配列番号1また
は3]の配列を有するポリヌクレオチドの発現レベルの
上昇を、個体由来のサンプルから決定することを特徴と
する方法を提供する。aroEポリヌクレオチドの発現の
増加または低下は、ポリヌクレオチドの定量法として当
該分野で周知の方法である任意の方法、例えば増幅、P
CR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッテ
ィングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用い
て測定できる。
【0059】加えて、正常対照組織サンプルと比較して
aroEタンパク質の過剰発現を検出するための本発明に
よる診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出す
ることができる。宿主由来のサンプル中のaroEタンパ
ク質のレベルを決定するために用いることができるアッ
セイ技法は、当業者に周知である。このようなアッセイ
法は、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウ
ェスタンブロット分析およびELISAアッセイを包含
する。
【0060】本発明のポリヌクレオチド配列はまた、染
色体を同定するのに有用である。該配列は個々の微生物
の染色体、特にスタフィロコッカス・アウレウスの染色
体上の特定の位置を特異的に標的とし、それとハイブリ
ダイズしうる。本発明にかかる染色体に関連する配列の
地図作成は、その配列を微生物病原性および疾患に付随
する遺伝子と、または生長、生存および/または生態的
地位に臨界的な染色体領域に相関付ける重要な第1工程
である。一旦、配列を正確な染色体位置にマッピングし
たならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝地図のデ
ータと相関させることができる。そのようなデータは、
例えば、World Wide Webより入手可能な微生物のゲノム
配列にて見られる。ついで、遺伝子と微生物の病原性の
間の関係、または同じ染色体領域にマッピングされた生
長、生存および/または生態的位置に対して臨界的なゲ
ノム領域との関係を、連鎖分析(物理的に隣接する遺伝
子の共同遺伝)などの、該遺伝子と別の遺伝子または表
現型の間の遺伝的関係を特定する方法を用いて同定す
る。
【0061】表現型の異なる微生物の間のRNAまたはゲ
ノム配列における違いもまた測定できる。特定の表現型
の微生物のいくつかまたはすべての微生物にて配列の変
異が観察されるが、その表現型を欠くいずれの微生物に
おいても変異が観察されないならば、その配列の変異が
表現型の原因であると考えられる。このように、微生物
の病原性、生長特性、生存特性および/または生態的位
置特性を付与する染色体領域を同定することができる。
【0062】ディファレンシャル発現 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドはディフ
ァレンシャルスクリーニング法用試薬として用いること
ができる。当該分野にて公知の多数のディファレンシャ
ルスクリーニングおよびディファレンシャルディスプレ
イ法があり、その方法に本発明のポリヌクレオチドおよ
びポリペプチドを用いることができる。例えば、ディフ
ァレンシャルディスプレイ法は、Chuangら、J.Bacterio
l. 175:2026−2036(1993)に記載さ
れている。この方法は無作為にプライムされたRT−P
CRを用いて存在するmRNAを同定することで生物にて発
現される遺伝子を同定するものである。感染の前後の特
徴を比較することにより、感染の間にアップレギュレー
トおよびダウンレギュレートした遺伝子を同定し、RT
−PCR産物を配列決定し、「不明」であるORFと適
合させることができる。
【0063】インビボ発現法(IVET)が、Camilli
ら、Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA.91:2634−2
638(1994)に記載されている。IVETは、実
験室培養と比較した場合に、感染における重要な役割を
示唆する、感染の間にアップレギュレートした遺伝子を
同定する。この方法により同定されたORFは感染の確
立および/または維持にて有意な役割を有すると思われ
る。この方法では、標的生物のランダムな染色体フラグ
メントを、プラスミドベクター中のプロモータを欠くリ
コンビナーゼ遺伝子の上流にクローンする。この構築物
を側面にリソルバーゼ部位を付加した抗生物質耐性遺伝
子を有する標的生物に導入する。抗生物質の存在下での
増殖は、母集団からリコンビナーゼ遺伝子の転写を支持
する能力を有するプラスミドベクター中にクローンされ
たフラグメントを除去し、したがって、抗生物質耐性を
喪失させる。耐性株のプールを宿主に導入し、感染後の
種々の時期に、細菌を回収し、抗生物質耐性の存在につ
いて評価する。各抗生物質感受性細菌を有する染色体フ
ラグメントは、通常、感染の間にアップレギュレートし
たプロモータまたは遺伝子の一部を有するはずである。
リコンビナーゼ遺伝子の上流を配列決定することでアッ
プレギュレートした遺伝子の同定が可能となる。
【0064】RT−PCRを用いて、遺伝子発現のパタ
ーンを分析することもできる。本発明のポリヌクレオチ
ドを用いるRT−PCRでは、メッセンジャーRNA
を、例えば、48時間ネズミ肺感染の、細菌感染の組織
より単離し、ランダム・ヘキサヌクレオチドでプライム
したRNAサンプルを逆転写し、つづいて遺伝子特異的
プライマー対でPCRに付すことで各mRNA種の量を
評価する。得られたPCR産物を定量することで個々の
mRNA種の存在および量を測定すると、感染組織にて
転写された細菌性遺伝子に関する情報が得られる。遺伝
子転写の分析を感染の種々の時点で行い、遺伝子産物が
新規な抗菌物質をスクリーンするための標的であること
のより明確な理解を可能とする細菌発生病理における遺
伝子の制御について詳細な知識を得ることができる。利
用するPCRプライマーの遺伝子特異性のため、細菌性
mRNAの調製には哺乳動物性RNAのないことを必要
としないことが理解されるであろう。これは研究者が感
染組織から簡易かつ迅速にRNAを調製し、細菌中で極
めて短命(略2分程度の半減期)である、細菌性mRN
A種を得ることを可能とする。最適には、細菌性mRN
Aは、感染したネズミ肺組織を、極めて短期間、TRI
zole(GIBCO-BRL)の存在下で機械的に破壊し、その後、
TRIzole試薬の製造者の指示に従って処理し、DNA
ase処理に付し、夾雑しているDNAを除去することに
より調製する。好ましくは、ノーザン(Northers)を適
宜標識化した配列特異的オリゴヌクレオチドプローブで
プローブすることにより検出されるスタフィロコッカス
・アウレウス16SリボソームのRNAが最大量で得ら
れる条件を見出すことで該方法を最適化する。典型的に
は、5’ダイ標識化プライマーを、最適には8と25サ
イクルの間で終了する、PCRプライマー反応における
各PCRプライマー対に用いる。PCR産物をGeneScan
ner(ABI製)を用いて6%ポリアクリルアミドゲル
上で分離し、検出および定量を行う。これらの技法は、
各々、個々の適用に応じて有利な点および不利な点を有
する。当業者であれば個々の目的に最も適する方法を選
択するであろう。
【0065】抗体 本発明のポリペプチドもしくはその変種、またはそれら
を発現する細胞は、このようなポリペプチドに免疫特異
的な抗体を産生する免疫原として用いることができる。
本明細書で用いる「抗体」は、モノクローナルおよびポ
リクローナル抗体、キメラ、一本鎖、サル化抗体および
ヒト化抗体、ならびにFab免疫グロブリン発現ライブ
ラリーの生成物を含むFabフラグメントを包含する。
本発明のポリペプチドに拮抗して得られる抗体は、ポリ
ペプチドあるいはエピトープが付いたフラグメント、ア
ナログまたは細胞を、好ましくはヒト以外の動物に、慣
用的プロトコルを用いて投与することにより得ることが
できる。モノクローナル抗体を調製する場合、連続的細
胞系培養により産生される抗体を提供する当該分野にて
周知の技術を用いることができる。例えば、Kohler, G.
およびMilstein, C., Nature,256:495−497(197
5);Kozborら、Immunology Today, 4:72(1983);Co
leら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Al
an R Liss,Inc.、77−96頁(1985)に記載されるような
種々の技法が挙げられる。
【0066】一本鎖抗体を製造するための技術(米国特
許第4946778号)を用いて、本発明のポリペプチ
ドに対する一本鎖抗体を産生することができる。また、
トランスジェニックマウスまたは他の生物、例えば他の
哺乳動物を用いて、ヒト化抗体を発現させることができ
る。別法として、ファージディスプレイ(phage displa
y)技法を利用して、抗aroEの保持に関してスクリーニ
ングしたヒトのリンパ球のPCR増幅したv遺伝子のレ
パートリー由来の、または無処理のライブラリー由来
の、ポリペプチドに対する結合活性を有する抗体遺伝子
を選択してもよい(McCafferty,J.ら、Nature348:552-
554(1990);Marks,J.ら、Biotechnology 10:779-783
(1992))。これらの抗体の親和性はチェインシャフリン
グ(chain shuffling)により改善することもできる(C
lackson,T.ら、Nature 352:624-628(1991))。
【0067】二つの抗原結合ドメインが存在する場合、
各ドメインは異なるエピトープに向けることができ、そ
れを「二特異性」抗体と称する。前記の抗体を用いてポ
リペプチドを発現するクローンを単離または同定するこ
とができ、アフィニティークロマトグラフィーにより該
ポリペプチドを精製することができる。従って、とりわ
け、aroEポリペプチドに対する抗体を用いて、感染、
とりわけ細菌感染を治療することができる。
【0068】ポリペプチド変種は、本発明の特定の態様
を形成する、抗原的、エピトープ的または免疫学的に等
価な変種を包含する。本明細書で用いる「抗原的に等価
な誘導体」なる用語は、本発明に係るタンパク質または
ポリペプチドに対して誘起された場合、病原体および哺
乳動物宿主間での即時的な物理的相互作用を妨害するあ
る種の抗体により特異的に認識されるポリペプチドまた
はその同等物を包含する。本明細書で用いる「免疫学的
に等価な誘導体」なる用語は、脊椎動物において抗体を
誘起させるのに適した処方を用いた場合、抗体が病原体
および哺乳動物宿主間での即時的な物理的相互作用を妨
害するように作用するペプチドまたはその等価物を包含
する。
【0069】ポリペプチド、例えば抗原的、免疫学的に
等価な誘導体、またはその融合タンパク質は、マウスま
たは他の動物、例えばラットもしくはニワトリを免疫す
るための抗原として使用される。融合タンパク質はポリ
ペプチドに安定性を付与できる。抗原は、例えば抱合す
ることにより、免疫原性キャリヤタンパク質、例えばウ
シ血清アルブミン(BSA)またはキーホール・リムペ
ット・ヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin:K
LH)に結合させることができる。別法として、タンパ
ク質もしくはポリペプチド、またはその抗原的もしくは
免疫学的に等価なポリペプチドの多重コピーを含む多重
抗原性ペプチドは、免疫原性を改良するのに十分な抗原
性を有しており、キャリヤを使用しなくてすむ。
【0070】抗体またはその変種を修飾し、個体におけ
る免疫原性を減少させることが好ましい。例えば、個体
がヒトである場合、抗体は最も好ましくは「ヒト化」さ
れており;例えばJones,P.ら、Nature 321:522−525
(1986)またはTempestら、Biotechnology 9:266-273
(1991)に記載されているように、ハイブリドーマ由来
の抗体の相補性決定領域がヒトモノクローナル抗体に移
植されている。
【0071】本発明のポリヌクレオチドの遺伝的免疫に
おける使用は、好ましくは、プラスミドDNAの筋肉への
直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet 1:363(1992);M
anthorpeら、Hum.Gene Ther. 4:419(1963))、特異
的タンパク質キャリヤを複合させたDNAの送達(Wuら、
J.Biol Chem. 264:16985(1989))、リン酸カルシウ
ムを用いるDNA共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS USA 8
3:9551(1986))、種々の形態のリポソーム中へのDNA
封入(Kanedaら、Science 243:375(1989))、微粒子
爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenbraun
ら、DNA Cell Biol12:791(1993))およびクローン化
レトロウイルスベクターを用いたインビボ感染(Seeger
ら、PNAS USA 81:5849(1984))などの適当な送達方
法を用いる。
【0072】アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセ
イおよび分子 さらに、本発明のポリペプチドを用いて、例えば、細
胞、無細胞調製物、化学的ライブラリー、および天然産
物の混合物中の、小分子基質とリガンドとの結合を評価
することもできる。これらの基質およびリガンドは天然
の基質およびリガンドでよく、または構造上もしくは機
能上の擬似物質でもよい。例えば、Coliganら、Current
Protocols in Immunology 1(2):第5章(1991)を参
照のこと。
【0073】本発明はまた、aroEポリペプチドまたは
ポリヌクレオチドの作用、特に静菌および/または殺菌
性である化合物の作用を亢進(アゴニスト)または遮断
(アンタゴニスト)する化合物を同定するための化合物
のスクリーニング方法を提供する。スクリーニング方法
には高処理量(high−throughput)技術が包含される。
例えば、アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニ
ングするために、aroEポリペプチドおよびかかるポリ
ペプチドの標識基質またはリガンドを含んでなる合成反
応混合物、膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁のごと
き細胞コンパートメント、またはそれらのいずれかの調
製物を、aroEアゴニストまたはアンタゴニストである
かもしれない候補分子の存在下または不在下でインキュ
ベートする。候補分子がaroEポリペプチドに作動また
は拮抗する能力は、標識リガンドの結合の低下またはか
かる基質からの生成物の生成低下に反映される。結合し
ても影響を及ぼさない分子、すなわちaroEポリペプチ
ドの効果を誘起しない分子は、ほとんどの場合、良好な
アンタゴニストであろう。よく結合し、基質からの生成
物の生成速度を高める分子はアゴニストである。基質か
らの生成物の生成速度またはレベルの検出はリポーター
システムを用いることにより増強できる。この点に関し
て有用なリポーターシステムは、生成物に転換される比
色標識基質、aroEポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ド活性の変化に応答するリポーター遺伝子、および当該
分野で公知の結合アッセイを包含するが、これらに限定
するものではない。
【0074】aroEアンタゴニストのアッセイの別の例
は、競争阻害アッセイに適した条件下で、aroEおよび
潜在的なアンタゴニストを、aroE結合分子、組換えaro
E結合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質も
しくはリガンド擬似物質と混合する、競合アッセイであ
る。aroEを例えば放射活性または比色化合物により標
識し、結合分子に結合するか、または生成物に変換した
aroE分子の数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニ
ストの効果を評価できる。
【0075】潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチドに結合し、それにより
その活性を阻害し、消滅させる小有機分子、ペプチド、
ポリペプチドおよび抗体を包含する。潜在的アンタゴニ
ストはまた、aroE誘発活性を誘導しない結合分子のよ
うな、結合分子の同一部位に結合し、aroEを結合より
排除することによりaroEの作用を妨げる、密接に関連
したタンパク質または抗体のような小有機分子、ペプチ
ド、ポリペプチドであってもよい。
【0076】潜在的なアンタゴニストは、ポリペプチド
の結合部位に結合してその部位を占領し、それにより細
胞性結合分子との結合を防御して、正常な生物学的活性
を防御する小分子を包含する。小分子の例は、小有機分
子、ペプチド、ペプチド様分子を包含するが、これらに
限定するものではない。その他の潜在的なアンタゴニス
トはアンチセンス分子を包含する(これらの分子につい
ての記載に関しては、Okano,J.,Neurochem. 56:560(1
991);OLIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTISENSEINHIBTORS
OF GENE EXPRESSION、CRCプレス、ボッカラート
ン、フロリダ州(1988)を参照のこと)。好ましい潜在
的アンタゴニストは、aroEに関連する化合物およびそ
の変種を包含する。
【0077】本明細書で得られるDNA配列は、各々、抗
菌化合物の発見および開発に用いることができる。発現
でコードされたタンパク質は、抗菌薬物をスクリーニン
グするための標的として用いることができる。加えて、
コードされたタンパク質のアミノ末端領域をコードする
DNA配列あるいはシャイン・ガルガーノまたは他の個々
のmRNAの翻訳容易化配列を用いて、目的とするコーデ
ィング配列の発現を調節するアンチセンス配列を構築す
ることができる。
【0078】本発明はまた、感染の続発症に関与する、
病原体および哺乳動物宿主間の最初の物理的相互作用を
妨害するための、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオ
チドまたは阻害物質の使用を提供する。特に本発明の分
子は;細菌、特にグラム陽性菌が内在装置上の哺乳動物
細胞外マトリックスタンパク質、または創傷部の細胞外
マトリックスタンパク質に付着することを防御するの
に;例えば、哺乳動物チロシンキナーゼのリン酸化を開
始することによる、aroEタンパク質介在の哺乳動物細
胞侵入を遮断するために(Rosenshineら、Infect.Immun.
60:2211(1992));哺乳動物細胞外マトリックスタンパ
ク質と組織損傷を媒介する細菌性aroEタンパク質との
間の細菌付着を遮断するために;内在装置の埋め込みま
たは他の外科的手技以外により開始した感染における病
因の通常の進行を遮断するために使用することができ
る。
【0079】本発明のアンタゴニストおよびアゴニスト
を用いて、例えば、疾患を阻害し、治療することができ
る。ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)
(本明細書中、エッチ・ピロリともいう)菌は、胃癌、
潰瘍、胃炎を発病している世界中の人々の3分の1以上
の胃に感染している(国際癌研究機関(International
Agency for Research on Cancer)(1994)Schistomose
s,Liver Flukes and Helicobacter Pylori(Internati
onal Agency for Research on Cancer,Lyon,France;
http://www.uicc.ch/ecp/ecp2904.htm))。さ
らに、この国際癌研究機関は、最近になって、ヘリコバ
クター・ピロリと胃腺癌の間の因果関係を認識し、その
細菌をグループI(限定的)発癌物質と分類した。本発
明により提供されるスクリーン法を用いて見出された本
発明の好ましい抗菌化合物(aroEのアゴニストおよび
アンタゴニスト)、特に広域スペクトルの抗生物質は、
ヘリコバクター・ピロリ感染の治療にて有用である。こ
のような治療はヘリコバクター・ピロリ誘発性癌、例え
ば胃腸癌の出現を減少させる。かかる治療はまた胃潰瘍
および胃炎も治癒する。
【0080】ワクチン 本発明の別の態様は、個体、特に哺乳動物における免疫
学的応答を誘発する方法であって、抗体および/または
T細胞免疫応答を生成するのに適当なaroE、またはそ
のフラグメントもしくは変種を個体に接種し、該個体を
感染、特に細菌感染、最も好ましくはスタフィロコッカ
ス・アウレウス感染から防御することからなる方法に関
する。さらに、そのような免疫学的応答による細菌複製
を遅らせる方法も提供する。本発明のさらにもう一つ別
の態様は、個体における免疫学的応答を誘発する方法で
あって、インビボでaroEまたはそのフラグメントまた
は変種を発現するために、該aroEまたはそのフラグメ
ントまたは変種の発現を指向する核酸ベクターを該個体
にデリバリーし、例えば、サイトカイン産生T細胞また
は細胞毒性T細胞を含め、抗体および/またはT細胞免
疫応答を生じさせるように免疫学的応答を誘発し、該個
体にて疾患が既に確立されているか、否かにかかわらず
該個体を疾患から保護することからなる方法に関する。
遺伝子を投与する一の方法は、粒子等のコーティングと
して遺伝子を所望の細胞に投与することによるものであ
る。このような核酸ベクターはDNA、RNA、修飾核酸また
はDNA/RNAハイブリッドからなっていてもよい。
【0081】本発明のさらなる態様は、その中に免疫学
的応答を誘発する能力を有するか、または誘発している
個体に導入されると、その個体においてaroEまたはそ
れからコードされるタンパク質に対する免疫学的応答を
誘発する免疫学的組成物であって、該aroEまたはそれ
からコードされるタンパク質の抗原をコードし、発現す
るDNAを含む組換えaroEまたはそれからコードされるタ
ンパク質からなる組成物に関する。免疫学的応答は、治
療的および予防的に使用でき、抗体免疫またはCTLま
たはCD4+T細胞から生ずるような細胞免疫から得る
ことができる。
【0082】aroEポリペプチドまたはそのフラグメン
トは、それ自体抗体を産生しないが、第一タンパク質の
安定化ならびに免疫原性および保護特性を有するであろ
う融合タンパク質の産生能を有する補タンパク質(co−
Protein)と融合させることができる。このような融合
組換えタンパク質は、好ましくは、さらに、ヘモフィラ
ス・インフルエンザ(Hemophilus influenzae)からの
リポプロテインD、グルタチオン−S−トランスフェラ
ーゼ(GST)またはベータガラクトシダーゼのような
抗原性補タンパク質、タンパク質を可溶化し、その産生
および精製を容易にするような比較的大きい補タンパク
質からなる。さらに、補タンパク質は、免疫系の汎化し
た刺激を与える上で、アジュバントとして作用してもよ
い。補タンパク質は第一タンパク質のアミノまたはカル
ボキシ末端のいずれかに結合してもよい。本発明は、本
発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよび、Sa
to,Y.ら,Science,273:352(1996)に記載されるよう
な免疫刺激DNA配列からなる組成物、特にワクチン組成
物および方法を提供する。
【0083】また、本発明は、スタフィロコッカス・ア
ウレウス感染の動物モデルにおけるそのような遺伝的免
疫実験において使用したDNA構築物中で細菌細胞表面タ
ンパク質の非可変領域をコードすることが明らかにされ
た記載のポリヌクレオチドまたはその特定のフラグメン
トを使用する方法も提供するもので、予防的または治療
的免疫応答を起こさせることのできるタンパク質エピト
ープの同定に特に有用である。この方法により、動物、
とりわけヒトにおける細菌感染、特にスタフィロコッカ
ス・アウレウス感染の予防剤または治療剤の開発のため
に、動物の必要な器官から感染の抵抗または除去に特に
有用なモノクローナル抗体を産生させることができる。
【0084】該ポリペプチドを宿主を免疫化するための
抗原として用い、例えば、損傷組織への細菌の付着を遮
断することにより、細菌の侵入を妨げる特異抗体を生じ
させることができる。組織損傷の例としては、例えば、
機械的、化学的または熱的損傷による、または内在装置
の埋め込みによる皮膚や結合組織の傷、あるいは口、乳
腺、子宮または膣のような粘膜における傷が挙げられ
る。
【0085】本発明はまた、本発明の免疫原性組換えタ
ンパク質と、適当な担体とからなるワクチン処方も包含
する。タンパク質は胃で破壊されうるので、非経口的投
与(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、皮内等の投与を包
含する)が望ましい。非経口投与に適した処方は、抗酸
化剤、緩衝剤、抗菌剤、およびその処方を個体の体液、
好ましくは血液と等張にする溶質を含有してもよい、水
性および非水性滅菌注射溶液;懸濁化剤または増粘剤を
含有してもよい、水性および非水性滅菌懸濁液を包含す
る。処方は、単位投与または複数投与用コンテナ、例え
ば、密封されたアンプルおよびバイアルにて提供され、
使用直前に滅菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥
状態で貯蔵することができる。ワクチン処方はまた、水
中油系のごとき処方の免疫原性を高めるアジュバント系
および当該分野において知られている他の系を有しても
よい。投与量はワクチンの比活性に依存し、慣用的実験
操作によって容易に決定できる。本発明をある種のaro
Eタンパク質について記載したが、この記載は天然のタ
ンパク質のフラグメントおよび組換えタンパク質の免疫
原性を実質的に変化させない付加、欠失または置換を有
する同様なタンパク質も包含することが理解されるであ
ろう。
【0086】組成物、キットおよび投与 本発明はまた、上記したポリヌクレオチドまたはポリペ
プチドあるいはそれらのアゴニストまたはアンタゴニス
トからなる組成物に関する。本発明のポリペプチドは、
対象への投与に適した医薬担体のような細胞、組織また
は器官用の非滅菌または滅菌担体と組み合わせて使用で
きる。かかる組成物は、例えば、媒体添加または治療上
有効量の本発明のポリペプチドと、医薬上許容される担
体または賦形剤を含有してなる。かかる担体は、限定す
るものではないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロー
ス、水、グリセロール、エタノールおよびその組み合わ
せを包含する。処方は投与方法に適していなければなら
ない。本発明は、さらには、上記した本発明の組成物の
一またはそれ以上の成分を充填した、一またはそれ以上
のコンテナを有してなる診断および医薬用パックおよび
キットに関する。
【0087】本発明のポリペプチドおよび他の化合物
を、単独で、または、治療用化合物などの他の化合物と
組み合わせて用いてもよい。該医薬組成物は、例えば、
とりわけ、局所、経口、経肛門、経膣、静脈内、腹腔
内、筋肉内、皮下、経鼻、経皮経路による投与を含む、
いずれかの有効な、都合のよい方法で投与される。治療
および予防において、活性成分は個体に注射用組成物、
例えば、好ましくは等張の滅菌水性分散液として投与さ
れる。
【0088】また、組成物は、例えば、軟膏、クリー
ム、ローション、眼軟膏、点眼剤、点耳剤、マウスウォ
ッシュ、含浸包帯および縫合糸ならびにエアゾルの形態
の局所用処方とすることができ、適当な通常の添加剤、
例えば、保存料、薬剤浸透を助ける溶媒、軟膏やクリー
ムにおけるエモリエント等を含むことができる。そのよ
うな局所用処方はまた、適合する通常の担体、例えば、
クリームまたは軟膏基剤、ローション用のエタノールま
たはオレイルアルコールも含有することができる。この
ような担体は、処方の約1〜98重量%を構成してもよ
く、より一般的には、処方の約80重量%までを構成す
る。
【0089】哺乳動物、特にヒトに投与するには、一日
の活性薬剤の用量は、0.01mg/kg〜10mg/
kg、典型的には約1mg/kgである。いずれにして
も、個体に最も適した実際の用量は医者により決定さ
れ、個体の年齢、体重および応答により変化する。上記
の用量は、平均的な場合の例示である。もちろん、より
高いまたは低い用量範囲が適当な個体もあり、それらも
本発明の範囲内である。内在装置には外科移植、補綴お
よびカテーテル、すなわち、個体の体内に導入され、そ
の位置に長時間止まる装置が包含される。例えば、その
ような装置としては、人工関節、心臓弁、ペースメーカ
ー、血管グラフト、血管カテーテル、脊髄液シャント、
尿カテーテル、連続歩行腹膜透析(continuous ambulat
ory peritoneal dialysis:CAPD)カテーテルが挙
げられる。
【0090】本発明の組成物は、内在装置の挿入の直前
に関連する細菌に対する全身的効果を達成するために注
射で投与できる。治療は、手術の後、装置が体内にある
間継続できる。加えて、組成物は、細菌の傷汚染、特
に、スタフィロコッカス・アウレウスの傷汚染を防止す
るために、いずれの手術用の手術周辺カバーの拡張にも
使用できる。多くの整形外科医は、補綴関節を有するヒ
トは、菌血症を生じ得る歯の治療前に抗生物質による予
防を考慮すべきと考えている。後の重い感染は、重篤な
合併症となり、時に、補綴関節の損失および著しい罹病
率、致死率を伴う。したがって、該活性物質を、この状
況の予防的抗生物質の代替品として使用することにまで
拡張することができる。
【0091】上記した治療に加えて、本発明の組成物
は、一般に、傷組織に露出したマトリックス・タンパク
質への細菌付着を予防するための傷治療剤、抗生物質予
防に代え、あるいは共に、歯の治療における予防的用途
に使用できる。別法として、本発明の組成物は挿入直前
に内在装置を浸すのに使用できる。該活性物質は、好ま
しくは、傷または内在装置を浸す場合、1μg/ml〜
10mg/mlの濃度で使用できる。
【0092】ワクチン組成物は、都合よくは、注射剤の
形態である。通常のアジュバントを使用して免疫応答を
高めることができる。ワクチン用の適当な単位投与量は
抗体0.5〜5μg/kgであり、この用量を、好まし
くは1〜3週間の間隔で1〜3回投与する。指示した用
量範囲で、本発明の化合物では、その化合物の適当な個
体への投与を妨げる、有害な毒作用は何も観察されな
い。
【0093】配列のデータベースおよびアルゴリズム 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列は、
研究分析に有用なデータベースならびに配列分析アルゴ
リズムの成分として特に有用である。この標記したデー
タベースおよびアルゴリズムに、およびこの関連する請
求の範囲に用いる場合、「本発明のポリヌクレオチド」
および「本発明のポリヌクレオチド配列」なる語は、コ
ンピューター読み取り形態、例えば、クロタトグラフィ
ック(chrotatographic)・スキャン・データまたはピ
ークデータ、写真データまたはベースと称される、その
スキャンデータ、および質量分析データなどに変形され
ているか、または変形されていてもよい、あるいはその
形態にて記録されている、本発明のポリヌクレオチドの
検出可能ないずれの化学的または物理的特性をも意味す
る。この標記したデータベースおよびアルゴリズムに、
およびこの関連する請求の範囲に用いる場合、「本発明
のポリペプチド」および「本発明のポリペペド配列」な
る語は、コンピューター読み取り形態、例えば、クロタ
トグラフィック・スキャン・データまたはピークデー
タ、写真データまたはそのスキャンデータ、および質量
分析データなどに変形されているか、または変形されて
いてもよい、あるいはその形態にて記録されている本発
明のポリペプチドの検出可能ないずれかの化学的または
物理的特性をも意味する。
【0094】本発明は、本発明の配列をその上に保存し
ているコンピューター読み取り媒体を提供するものであ
る。例えば、本発明のポリヌクレオチドの配列を有して
なるポリヌクレオチド;本発明のポリペプチド配列の配
列を有してなるポリペプチド;少なくとも1つの配列が
本発明のポリヌクレオチド配列を有してなる一連のポリ
ヌクレオチド配列;少なくとも1つの配列が本発明のポ
リペプチド配列の配列を有してなる一連のポリペプチド
配列;本発明のポリヌクレオチド配列の配列を有してな
るポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明の
ポリペプチド配列の配列を有してなるポリペプチド配列
をコードするポリヌクレオチド配列を表すデータセッ
ト;本発明のポリヌクレオチド配列の配列を有してなる
ポリヌクレオチド;本発明のポリペプチド配列の配列を
有してなるポリペプチド;少なくとも1つの配列が本発
明のポリヌクレオチド配列の配列を有してなる一連のポ
リヌクレオチド配列;少なくとも1つの配列が本発明の
ポリペプチド配列の配列を有してなる一連のポリペプチ
ド配列;本発明のポリヌクレオチド配列の配列を有して
なるポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明
のポリペプチド配列の配列を有してなるポリペプチド配
列をコードするポリヌクレオチド配列を表すデータセッ
ト;からなる群より選択される要素をその上に記録した
コンピューター読み取り媒体が提供される。コンピュー
ター読み取り媒体は、例えば、市販されているフロッピ
ーディスク、テープ、ハードドライブ、コンパクトディ
スクおよびビデオデッキを含め、情報またはデータを記
録するのに使用されるいずれの構成体とすることもでき
る。
【0095】また、本発明によって、特性配列、特に遺
伝的配列の分析のための方法が提供される。配列を分析
する好ましい方法として、配列の相同性を分析する方
法、例えば、同一および類似性分析、RNA構造分析、配
列アセンブリー、分岐学的分析、配列モチーフ分析、オ
ープンリーディングフレーム決定、核酸塩基コーリング
および配列決定クロマトグラム・ピーク分析方法が挙げ
られる。
【0096】相同性の同定を行うためのコンピューター
をベースとする方法が提供される。この方法は、本発明
のポリヌクレオチドの配列をコンピューター読み取り媒
体に提供し、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つ
のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較し、
相同性を同定する工程からなる。また、相同性の同定を
行うためのコンピューターをベースとする方法が提供さ
れ、該方法は本発明のポリペプチドの配列からなるポリ
ペプチド配列をコンピューター読み取り媒体に提供し、
該ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチド配列と比較し、相同性を同定する
工程からなる。
【0097】その上さらに、ポリヌクレオチド・アセン
ブリーのためのコンピューターをベースとする方法が提
供され、その方法は、本発明のポリヌクレオチドの配列
を有してなる第1のポリヌクレオチド配列をコンピュー
ター読み取り媒体に提供し、その第1のポリヌクレオチ
ド配列と第2のポリヌクレオチド配列の間にある少なく
とも1つの重複領域をスクリーニングする工程からなる
ものである。本発明のさらなる具体例は、相同性を同定
するためのコンピューターをベースとする方法であっ
て、本発明のポリヌクレオチドの配列を有してなるポリ
ヌクレオチド配列をコンピューター読み取り媒体に提供
し、そのポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較し、相同性
を同定する工程からなる方法を提供する。
【0098】本発明のさらなる具体例は、相同性を同定
するためのコンピューターをベースとする方法であっ
て、本発明のポリペプチドの配列を有してなるポリペプ
チド配列をコンピューター読み取り媒体に提供し、その
ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチド
またはポリペプチド配列と比較し、相同性を同定する工
程からなる方法を提供する。本発明のさらなる具体例
は、ポリヌクレオチドをアセンブリーするためのコンピ
ューターをベースとする方法であって、本発明のポリヌ
クレオチドの配列を有してなる第1のポリヌクレオチド
配列をコンピューター読み取り媒体に提供し、その第1
のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列
の間にある少なくとも1つの重複領域をスクリーニング
する工程からなる方法を提供する。
【0099】本明細書に開示の引例は出典明示によりそ
の内容を本明細書の一部とする。本願が優先権を主張す
るいずれの特許出願もまた出典明示により本明細書の一
部とする。
【0100】定義 本明細書中で頻繁に使用されるある種の用語をその理解
を容易にするために以下に定義する。「疾患(複数でも
可)」は、上気道感染(例えば、中耳炎、細菌性気管
炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、
蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感染(例えば、感染性心内膜
炎)、胃腸感染(例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜
後膿瘍)、CNS感染(例えば、大脳膿瘍)、眼感染
(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、前中隔お
よび眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎および尿管感染(例え
ば、副睾丸炎、腎内および腎周囲膿瘍、トキシックショ
ック症候群)、皮膚感染(例えば、膿痂疹、毛嚢炎、皮
膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細菌性筋炎)、ならびに骨
および関節感染(例えば、敗血症性関節炎、骨髄炎)な
どの疾患を含め、細菌による感染により引き起こされ
る、または該感染に関連する疾患を意味する。「宿主細
胞」は外来性ポリヌクレオチド配列によって形質転換ま
たはトランスフェクトされた、あるいは形質転換または
トランスフェクトされることのできる細胞である。
【0101】「同一性」は、当該分野で公知であり、配
列の比較で測定されるような、2またはそれ以上のポリ
ペプチド配列あるいは2またはそれ以上のポリヌクレオ
チド配列の間の関係である。また、当該分野では、「同
一性」は、場合によっては、配列の鎖間の対合によって
測定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオチ
ド配列間の配列の関連性の度合を意味する。「同一性」
は、限定するものではないが、Computational Molecula
r Biology,Lesk,A.M.編,Oxford UniversityPress,N
ew York,1988;Biocomputing:Informatics and Genom
e Projects, Smith, D.W.編,Academic Press,New Yor
k,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part
I,Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編,Humana Pres
s,NewJersey,1994;Sequence Analysis in Molecular
Biology,Von Heinje,G.Academic Press,1987;およ
びSequence Analysis Primer,Gribskov,M.およびDever
eux, J.編,M Stockton Press,New York,1991;およ
びCarllio,HおよびLipman,D.,SIAM J.Applied Math.,
48:1073(1988)に記載されている方法を含め、公知方法
により容易に決定することができる。同一性を測定する
好ましい方法は、テストする配列間に最大の対合を与え
るように設計されている。その上、同一性を測定する方
法は公に入手できるコンピュータ・プログラムに組み込
まれている。2つの配列の間の同一性を測定する好まし
いコンピュータ・プログラム方法には、限定するもので
はないが、例えば、GCSプログラムパッケージ(Deve
reux,J.ら,Nucleic Acids Research(1984)12(1):
387)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S. F.ら,
J.Molec.Biol.(1990)215:403−410)が包含され
る。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の源(BLAST Man
ual,Altshul, S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD2089
4;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.,215:403−410(19
90))から公に入手できる。また、周知のスミス・ウォ
ーターマン(SmithWaterman)アルゴリズムを用いて同一
性を測定することもできる。
【0102】ポリペプチド配列を比較するためのパラメ
ータは、以下のパラメータを包含する: 1)アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch、J.Mol Bi
ol.48:443−453(1970) 比較マトリックス:HentikoffおよびHentikoff、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA89:10915−10919
(1992)のBLOSSUM62 ギャップ・ペナルティ:12 ギャップ・レングス・ペナルティ:4 これらのパラメータで有用なプログラムは、ウィスコシ
ン州、マジソン、Genetics Computer Groupより「ga
p」プログラムとして公に利用できる。前記したパラメ
ータはペプチドを比較するための省略時(default)パ
ラメータ(エンドギャップにペナルティのない)であ
る。
【0103】ポリヌクレオチドを比較するためのパラメ
ータは、以下のパラメータを包含する: 1)アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch、J.Mol Bi
ol.48:443−453(1970) 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップ・ペナルティ:50 ギャップ・レングス・ペナルティ:3 ウィスコシン州、マジソン、Genetics Computer Group
より「gap」プログラムとして利用できる。これらは
核酸を比較するための省略時パラメータである。
【0104】場合によっては、ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドを「同定」するための好ましい手段は、以
下の(1)および(2)で得られる。
【0105】(1)ポリヌクレオチドの例として、さら
に、配列番号1の対照配列と少なくとも50、60、7
0、80、85、90、95、97または100%の同
一性を有するポリヌクレオチド配列を有してなる単離ポ
リヌクレオチドが挙げられる。ここで、該ポリヌクレオ
チド配列は配列番号1の対照配列と同一であってもよ
く、あるいはその対照配列と比較した場合にある整数ま
での数のヌクレオチドが変わっていてもよく、その変形
は、少なくとも1つのヌクレオチドの欠失、転位および
転換を含む置換または挿入からなる郡より選択され、か
つその変形は、対照ヌクレオチド配列の5’または3’
末端位置で、またはそれら末端位置の間のどこで起こっ
てもよく、対照配列中のヌクレオチド間に個々に、また
は対照配列内の一またはそれ以上の隣接する基において
点在してもよく、そのヌクレオチド変形の数は、配列番
号1のヌクレオチドの総数に同一性のパーセントを10
0で割って定めた数を掛け、ついで配列番号1のヌクレ
オチドの総数からこの積を減じることにより、あるい
は、式:
【数4】nn≦Xn−(Xn・y) [式中、nnはヌクレオチド変形の数であり、Xnは配列
番号1のヌクレオチドの総数であり、yは50%で0.
50、60%で0.60、70%で0.70、80%で
0.80,85%で0.85、90%で0.90、95%
で0.95、97%で0.97または100%で1.00
であり、・は乗算オペレーターの記号であり、Xnとy
の積が整数でない場合、それをXnから減ずる前に端数
を切り捨て、最も近い整数にする]により決定される。
配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド配列の変形は、このコード配列にてノンセンス、ミス
センスまたはフレームシフト変異を形成し、それにより
そのように変形したポリヌクレオチドによりコードされ
るポリペプチドが変化する。
【0106】一例に、本発明のポリヌクレオチド配列
は、配列番号2の対照配列と同一であってもよく、すな
わち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列
と比較した場合にある整数までの数のアミノ酸が変わっ
ていてもよく、その結果として同一性のパーセントは1
00%同一よりも小さくなる。かかる変形は、少なくと
も1つの核酸の欠失、転位および転換を含む置換または
挿入からなる郡より選択され、かつその変形は、対照ポ
リヌクレオチド配列の5’または3’末端位置で、また
はそれら末端部位の間のどこで起こってもよく、対照配
列中の核酸の間に個々に、または対照配列内の一または
それ以上の隣接する基において点在してもよい。所定の
パーセントの同一性についての核酸の変形の数は、配列
番号2のアミノ酸の総数にその同一性のパーセントを1
00で割って定めた数を掛け、ついで配列番号2のアミ
ノ酸の総数からこの積を減じることにより、あるいは、
式:
【数5】nn≦Xn−(Xn・y) [式中、nnはアミノ酸変形の数であり、Xnは配列番号
2のアミノ酸の総数であり、yは、例えば、70%で
0.70、80%で0.80,85%で0.85等であ
り、・は乗算オペレーターの記号であり、Xnとyの積
が整数でない場合、それをXnから減ずる前に端数を切
り捨て、最も近い整数にする]により決定される。
【0107】(2)ポリヌクレオチドの例として、さら
に、配列番号2のポリペプチドの対照配列と少なくとも
50、60、70、80、85、90、95、97また
は100%の同一性を有するポリペプチドを有してなる
単離ポリペプチドが挙げられる。ここで、該ポリペプチ
ド配列は配列番号2の対照配列と同一であってもよく、
あるいはその対照配列と比較した場合にある整数までの
数のアミノ酸が変わっていてもよく、その変形は、少な
くとも1つのヌクレオチドの欠失、同類および非同類置
換を含む置換または挿入からなる郡より選択され、かつ
その変形は、対照ポリペプチド配列のアミノまたはカル
ボキシ末端位置で、またはそれら末端位置の間のどこで
起こってもよく、対照配列中のアミノ酸間に個々に、ま
たは対照配列内の一またはそれ以上の隣接する基におい
て点在してもよく、そのアミノ酸変形の数は、配列番号
2のアミノ酸の総数に同一性のパーセントを100で割
って定めた数を掛け、ついで配列番号2のアミノ酸の総
数からこの積を減じることにより、あるいは、式:
【数6】na≦Xa−(Xa・y) [式中、naはアミノ酸変形の数であり、Xaは配列番号
2のアミノ酸の総数であり、yは50%で0.50、6
0%で0.60、70%で0.70、80%で0.80,
85%で0.85、90%で0.90、95%で0.9
5、97%で0.97または100%で1.00であ
り、・は乗算オペレーターの記号であり、Xaとyの積
が整数でない場合、それをXaから減ずる前に端数を切
り捨て、最も近い整数にする]により決定される。
【0108】一例に、本発明のポリヌクレオチド配列
は、配列番号2の対照配列と同一であってもよく、すな
わち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列
と比較した場合にある整数までの数のアミノ酸が変わっ
ていてもよく、その結果として同一性のパーセントは1
00%同一よりも小さくなる。かかる変形は、少なくと
も1つのアミノ酸の欠失、同類および非同類置換を含む
置換または挿入からなる郡より選択され、かつその変形
は、対照ポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末
端位置で、またはそれら末端位置の間のどこで起こって
もよく、対照配列中のアミノ酸の間に個々に、または対
照配列内の一またはそれ以上の隣接する基において点在
してもよい。所定のパーセントの同一性についてのアミ
ノ酸の変形の数は、配列番号2のアミノ酸の総数にその
同一性のパーセントを100で割って定めた数を掛け、
ついで配列番号2のアミノ酸の総数からこの積を減じる
ことにより、あるいは、式:
【数7】na≦Xa−(Xa・y) [式中、naはアミノ酸変形の数であり、Xaは配列番号
2のアミノ酸の総数であり、yは、例えば、70%で
0.70、80%で0.80,85%で0.85等であ
り、・は乗算オペレーターの記号であり、Xaとyの積
が整数でない場合、それをXnから減ずる前に端数を切
り捨て、最も近い整数にする]により決定される。
【0109】「単離された」とは、「ヒトの手によ
り」、その天然の状態から変えられること、すなわち、
天然物の場合、その本来的な環境から変化または除去あ
るいは両方されたことを意味する。例えば、生体に天然
に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単
離された」ものではないが、その天然状態で共存する物
質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドは、本明細書で用いる用語としての「単離された」
ものである。さらには、形質転換、遺伝的操作により、
またはいずれか他の方法により生物に導入されているポ
リヌクレオチドまたはポリペプチドは、まだ生物内にあ
り、その生物が生きているまたは死んでいるとしても、
「単離された」ものである。
【0110】「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、
一般に、ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボ
ヌクレオチドのいずれをもいい、それらは非修飾RNAま
たはDNA、あるいは修飾RNAまたはDNAであってもよい。
「ポリヌクレオチド」は、単鎖および二本鎖DNA、単鎖
および二本鎖領域または単鎖、二本鎖および三本鎖領域
の混合物であるDNA、単鎖および二本鎖RNA、単鎖および
二本鎖領域の混合物であるRNA、および単鎖またはより
典型的には二本鎖または三本鎖領域または一本鎖および
二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含有
してなるハイブリッド分子を包含するが、これに限定さ
れない。加えて、本明細書にて用いる「ポリヌクレオチ
ド」は、RNAまたはDNA、あるいはRNAおよびDNAの両方か
らなる三本鎖領域をいう。これらの領域の鎖は同じ分子
からのものでも、異なる分子からのものでもよい。該領
域は、これら分子の一またはそれ以上の全てを含んでも
よいが、より典型的には、分子の幾つかの領域のみを含
む。三本螺旋領域の分子の一つは、しばしば、オリゴヌ
クレオチドである。本明細書にて用いる場合、ポリヌク
レオチド(複数でも可)なる用語はまた、一つまたはそ
れ以上の修飾された塩基を含有する上記DNAまたはRNAを
包含する。すなわち、安定性または他の理由で修飾され
た骨格を有するDNAまたはRNAも該用語が本明細書で意図
するところのポリヌクレオチド(複数でも可)である。
さらに、イノシンなどの通常でない塩基、またはトリチ
ル化された塩基などの修飾塩基を有してなるDNAまたはR
NA(2つの例だけを示す)も、その用語を本明細書で用
いる場合のポリヌクレオチドである。多種の修飾がDNA
およびRNAになされており、当業者に公知のように多く
の有用な目的に使用されている。本明細書で用いる「ポ
リヌクレオチド」なる語は、ポリヌクレオチドのこのよ
うな化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、な
らびにウイルスおよび、例えば、単純型細胞および複雑
型細胞などの細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態
を包含する。「ポリヌクレオチド(複数でも可)」はま
た、しばしばオリゴヌクレオチド(複数でも可)と称さ
れる比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0111】「ポリペプチド(複数でも可)」は、ペプ
チド結合または修飾ペプチド結合で互いに結合した2つ
またはそれ以上のアミノ酸を含有してなるいずれのペプ
チドまたはタンパク質をもいう。「ポリペプチド(複数
でも可)」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドまたは
オリゴマーと称される短い鎖、および一般にタンパク質
と称される長い鎖の両方をいう。ポリペプチドは、遺伝
子コードされている20個のアミノ酸以外のアミノ酸を
含有してもよい。「ポリペプチド(複数でも可)」は、
プロセッシングおよび他の翻訳後の修飾のごとき自然の
工程、または化学修飾技法のいずれかによって修飾され
たものを有する。かかる修飾は、基本テキストにて、お
よびより詳細な研究論文にて、ならびに膨大な研究文献
にて詳しく記載されており、それらは当業者に周知であ
る。同じ型の修飾が、所定のポリペプチド中、いくつか
の部位で、同じまたは異なる程度にて存在してもよいこ
とは明らかであろう。また、所定のペプチドは多くの型
の修飾を有していてもよい。修飾は、ペプチド骨格、ア
ミノ酸側鎖、アミノまたはカルボキシル末端を含め、ポ
リペプチドのどこででも起こりうる。修飾は、例えば、
アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド
化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレ
オチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質また
は脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの
共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱
メチル化、共有交差結合の形成、システインの形成、ピ
ログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマーカルボキ
シル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキシル
化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白
分解的プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ
化、糖鎖形成、リピド付加、硫酸化、グルタミン酸残基
のガンマーカルボキシル化、ヒドロキシル化およびAD
P−リボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化
などの転移RNA媒介の蛋白質へのアミノ酸付加、および
ユビキチン化を包含する。例えば、PROTEINS−STRUCTUR
E AND MOLECULAR PROPERTIES, 第2版,T.E.Creight
on,W.H.Freeman and Company,New York(1993)
およびWold,F.,POSTTRANSLATIONALCOVALENT MODIFIC
ATION OF PROTEINS,Posttranslational Protein Modif
ications:Perspectives and Prospects,pgs. 1−12,
B.C.Johnson編,Academic Press,New York(1983);S
eifterら,Meth Enzymol.(1990)182:626−646、およ
びRattanら, Protein Synthesis:Posttranslational M
odifications and Aging,Ann N.Y. Acad Sci(1992)6
63:48-62を参照のこと。ポリペプチドは、分枝しても
よく、分枝と共にまたはなしで環状であってもよい。環
状、分枝化および分枝化環状ポリペプチドは、翻訳後の
天然の工程の結果であり、同様に全く合成的な方法で合
成できる。
【0112】本明細書中で使用される「変種」なる語
は、各々、対照標準のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドと異なるが、本質的な特性を保持しているポリヌク
レオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチド
の典型的な変種は、別の対照標準のポリヌクレオチドと
ヌクレオチド配列において異なっている。変種のヌクレ
オチド配列における変化は、対照標準のポリヌクレオチ
ドによってコードされたポリペプチドのアミノ酸配列と
変わっていてもよいし、または変わっていなくてもよ
い。ヌクレオチドの変化は、後記するように、対照標準
の配列によってコードされたポリペプチドにおいて、ア
ミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断をもたらしう
る。ポリペプチドの典型的な変種は、別の対照標準のポ
リペプチドとはアミノ酸配列において異なっている。一
般に、差異は、対照標準のポリペプチドとその変種の配
列が全体的に非常に類似しており、多くの領域において
は同一であるように限定される。変種および対照標準の
ポリペプチドは、一またはそれ以上の置換、付加、欠失
のいずれかの組み合わせによって、アミノ酸配列におい
て異なってもよい。置換または挿入されたアミノ酸残基
は、遺伝コードによってコードされたものであってもな
くてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変
種は、対立遺伝子変種のような天然に存在するものであ
ってもよく、または天然に存在することが知られていな
い変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドの天然に存在しない変種は、変異誘発法または直
接合成あるいは当業者に公知の他の組換え法によって作
られてもよい。
【0113】
【実施例】以下の実施例は、別に詳細に記載したこと以
外は、当業者に周知で慣用的な標準的な技法を用いて実
施する。実施例は例示であって、本発明を限定するもの
ではない。
【0114】実施例1 株の選択、ライブラリーの製
造および配列決定 表1(配列番号1または3)に示すDNA配列を有するポ
リヌクレオチドは、エシェリキア・コリ中のスタフィロ
コッカス・アウレウスの染色体DNAのクローンライブラ
リーより得た。重複するスタフィロコッカス・アウレウ
スDNAを含有する2個またはそれ以上のクローンからの
配列データを用いて、配列番号1の連続したDNA配列を
構築した。ライブラリーは常套手段、例えば以下の方法
1および2により製造してもよい。全細胞DNAをスタフ
ィロコッカス・アウレウス0100993より、標準法
に従って単離し、二つの方法のいずれかによりサイズ分
画する。
【0115】方法1 標準的方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNA
をニードルに通して機械的に剪断する。11kbpまで
の大きさのDNAフラグメントをエキソヌクレアーゼおよ
びDNAポリメラーゼで処理することによって末端切断
し、EcoRIリンカーを付加する。フラグメントを、
EcoRIで切断したベクター、ラムダZapIIに連
結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージング
し、次いでパッケージングしたライブラリーでエシェリ
キア・コリを感染させる。ライブラリーを標準方法によ
り増幅させる。
【0116】方法2 全細胞DNAをライブラリーベクターにクローニングする
ための一連のフラグメントを得るのに適当な1つの制限
酵素(例えば、RsaI、PalI、AluI、Bsh
l235I)またはその組み合わせで部分的に加水分解
し、かかるフラグメントを標準的方法に従ってサイズ分
画する。EcoRIリンカーをDNAに連結し、次いでそ
のフラグメントをEcoRIで切断したベクター、ラム
ダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリー
をパッケージングし、パッケージングしたライブラリー
でエシェリキア・コリを感染させる。ライブラリーを標
準方法により増幅させる。
【0117】
【配列表】
(1)一般的情報: (i)出願人:ロネット,マイケル・エイ バーナム,マーティン・ケイ・アール ブラウン,ジェイムズ・アール ペイン,デイビッド・ジェイ トライニ,クリストファー・エム ワン,ミン (ii)発明の名称: aroE (iii)配列の数:6 (iv)連絡先: (A)宛名: デチャート・プライス&ローズ (B)通り名: 4000・ベル・アトランティック・
タワー、1717アーク・ストリート (C)都市名: フィラデルフィア (D)州名: ペンシルベニア州 (E)国名: アメリカ合衆国 (F)郵便番号: 19103−2793 (v)コンピューター・リーダブル・フォーム: (A)媒体形態:ディスケット (B)コンピューター:IBM コンパチブル (C)オペレーティングシステム:DOS (D)ソフトウェア:ウィンドウズ・バージョン2.0
用のFastSEQ (vi)現出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先の出願データ (A)出願番号:60/038913 (B)出願日:1997年2月21日 (viii)代理人等の情報: (A)氏名:フォーク,ステファン・ティ (B)登録番号:36,795 (C)代理人等における処理番号:GM50014 (ix)テレコミュニケーションの情報: (A)電話番号:215−994−2488 (B)テレファックス番号:215−994−2222 (C)テレックス:
【0118】(2) 配列番号1の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:807塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号1: ATGAAATTTG CAGTTATCGG AAATCCTATT TCACATTCCT TGTCGCCCGT TATGCATAGA 60 GCAAATTTTA ATTCTTTAGG ATTAGATGAT ACTTATGAAG CTTTAAATAT TCCAATTGAA 120 GATTTTCATT TAATTAAAGA AATTATTTCG AAAAAAGAAT TAGATGGCTT TAATATCACA 180 ATTCCTCATA AAGAACGTAT CATCCCGTAT TTAGATTATG TTGATGAACA AGCGATTAAT 240 GCAGGTGCAG TTAACACTGT TTTGATAAAA GATGGCAAGT GGATAGGGTA TAATACAGAT 300 GGTATTGGTT ATGTTAAAGG ATTGCACAGC GTTTATCCAG ATTTAGAAAA TGCATACATT 360 TTAATTTTGG GCGCAGGTGG TGCAAGTAAA GGTATTGCTT ATGAATTAGC AAAATTTGTA 420 AAGCCCAAAT TAACTGTTGC GAATAGAACG ATGGCTCGTT TTGAATCTTG GAATTTAAAT 480 ATAAACCAAA TTTCATTGGC AGATGCTGAA AAGTATTTAG CTGAATTCGA TATCGTTATT 540 AATACAACAC CAGCGGGTAT GGCTGGAAAT AACGAAAGTA TTATTAATTT AAAACATCTT 600 TCTCCCAATA CTTTAATGAG TGATATTGTT TATATACCGT ATAAAACACC TATTTTAGAG 660 GAAGCAGAGC GCAAGGGAAA CCATATTTAT AAGGGCTTAG ATATGTTGGT CCACCAAGGT 720 GCGGAAAGCT TTAAAATTGG GACTAATAAA GATGCTGATA TTAATTCTAT GAAAACAGCA 780 GTTTTACAAC AATTAAAAGG AGAATAA 807
【0119】(2) 配列番号2の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:268アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号2: Met Lys Phe Ala Val Ile Gly Asn Pro Ile Ser His Ser Leu Ser Pro 1 5 10 15 Val Met His Arg Ala Asn Phe Asn Ser Leu Gly Leu Asp Asp Thr Tyr 20 25 30 Glu Ala Leu Asn Ile Pro Ile Glu Asp Phe His Leu Ile Lys Glu Ile 35 40 45 Ile Ser Lys Lys Glu Leu Asp Gly Phe Asn Ile Thr Ile Pro His Lys 50 55 60 Glu Arg Ile Ile Pro Tyr Leu Asp Tyr Val Asp Glu Gln Ala Ile Asn 65 70 75 80 Ala Gly Ala Val Asn Thr Val Leu Ile Lys Asp Gly Lys Trp Ile Gly 85 90 95 Tyr Asn Thr Asp Gly Ile Gly Tyr Val Lys Gly Leu His Ser Val Tyr 100 105 110 Pro Asp Leu Glu Asn Ala Tyr Ile Leu Ile Leu Gly Ala Gly Gly Ala 115 120 125 Ser Lys Gly Ile Ala Tyr Glu Leu Ala Lys Phe Val Lys Pro Lys Leu 130 135 140 Thr Val Ala Asn Arg Thr Met Ala Arg Phe Glu Ser Trp Asn Leu Asn 145 150 155 160 Ile Asn Gln Ile Ser Leu Ala Asp Ala Glu Lys Tyr Leu Ala Glu Phe 165 170 175 Asp Ile Val Ile Asn Thr Thr Pro Ala Gly Met Ala Gly Asn Asn Glu 180 185 190 Ser Ile Ile Asn Leu Lys His Leu Ser Pro Asn Thr Leu Met Ser Asp 195 200 205 Ile Val Tyr Ile Pro Tyr Lys Thr Pro Ile Leu Glu Glu Ala Glu Arg 210 215 220 Lys Gly Asn His Ile Tyr Lys Gly Leu Asp Met Leu Val His Gln Gly 225 230 235 240 Ala Glu Ser Phe Lys Ile Gly Thr Asn Lys Asp Ala Asp Ile Asn Ser 245 250 255 Met Lys Thr Ala Val Leu Gln Gln Leu Lys Gly Glu 260 265
【0120】(2) 配列番号3の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:720塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号3: GTAACGCACA GAGCAGATTT TAATTCTTTA GGATTAGATG ATACTTATGA AGCTTTAAAT 60 ATTCCAATTG AAGATTTTCA TTTAATTAAA GAAATTATTT CGAAAAAAGA ATTAGATGGC 120 TTTAATATCA CAATTCCTCA TAAAGAACGT ATCATACCGT ATTTAGATTA TGTTGATGAA 180 CAAGCGATTA ATGCAGGTGC AGTTAACACT GTTTTGATAA AAGATGGCAA GTGGATAGGG 240 TATAATACAG ATGGTATTGG TTATGTTAAA GGATTGCACA GCGTTTATCC AGATTTAGAA 300 AATGCATACA TTTTAATTTT GGGCGCAGGT GGTGCAAGTA AAGGTATTGC TTATGAATTA 360 GCAAAATTTG TAAAGCCCAA ATTAACTGTT GCGAATAGAA CGATGGCTCG TTTTGAATCT 420 TGGAATTTAA ATATAAACCA AATTTCATTG GCAGATGCTG AAAAGTATTT AGCTGAATTC 480 GATATCGTTA TTAATACAAC ACCAGCGGGT ATGGCTGGAA ATAACGAAAG TATTATTAAT 540 TTAAAACATC TTTCTCCCAA TACTTTAATG AGTGATATTG TTTATATACC GTATAAAACA 600 CCTATTTTAG AAGAAGCAGA GCGCAAGGGA TACCATATTT ATAATGGCTT AAATATGTTT 660 GTTTTACAAG GTGCGGAAAG CTTTAAATTT GGACTAATAA AGATGCTGAT ATTAATTCTA 720
【0121】(2) 配列番号4の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:240アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号4: Val Thr His Arg Ala Asp Phe Asn Ser Leu Gly Leu Asp Asp Thr Tyr 1 5 10 15 Glu Ala Leu Asn Ile Pro Ile Glu Asp Phe His Leu Ile Lys Glu Ile 20 25 30 Ile Ser Lys Lys Glu Leu Asp Gly Phe Asn Ile Thr Ile Pro His Lys 35 40 45 Glu Arg Ile Ile Pro Tyr Leu Asp Tyr Val Asp Glu Gln Ala Ile Asn 50 55 60 Ala Gly Ala Val Asn Thr Val Leu Ile Lys Asp Gly Lys Trp Ile Gly 65 70 75 80 Tyr Asn Thr Asp Gly Ile Gly Tyr Val Lys Gly Leu His Ser Val Tyr 85 90 95 Pro Asp Leu Glu Asn Ala Tyr Ile Leu Ile Leu Gly Ala Gly Gly Ala 100 105 110 Ser Lys Gly Ile Ala Tyr Glu Leu Ala Lys Phe Val Lys Pro Lys Leu 115 120 125 Thr Val Ala Asn Arg Thr Met Ala Arg Phe Glu Ser Trp Asn Leu Asn 130 135 140 Ile Asn Gln Ile Ser Leu Ala Asp Ala Glu Lys Tyr Leu Ala Glu Phe 145 150 155 160 Asp Ile Val Ile Asn Thr Thr Pro Ala Gly Met Ala Gly Asn Asn Glu 165 170 175 Ser Ile Ile Asn Leu Lys His Leu Ser Pro Asn Thr Leu Met Ser Asp 180 185 190 Ile Val Tyr Ile Pro Tyr Lys Thr Pro Ile Leu Glu Glu Ala Glu Arg 195 200 205 Lys Gly Tyr His Ile Tyr Asn Gly Leu Asn Met Phe Val Leu Gln Gly 210 215 220 Ala Glu Ser Phe Lys Phe Gly Leu Ile Lys Met Leu Ile Leu Ile Leu 225 230 235 240
【0122】(2) 配列番号5の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号5: TCCCGTATTT AGATTATGTT GATG 24
【0123】(2) 配列番号6の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:線状 (xi)配列の記載:配列番号6: CTTGCGCTCT GCTTCCTCTA 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/566 G01N 33/566 A61K 37/02 ABD //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:445) (C12N 1/21 C12R 1:19) (71)出願人 595047190 スミスクライン・ビーチャム・パブリッ ク・リミテッド・カンパニー SmithKline Beecham p.l.c. イギリス国ミドルセックス・ティーダブリ ュ8・9イーピー、ブレンフォード、ニュ ー・ホライズンズ・コート(番地の表示な し) (72)発明者 マーティン・ケイ・アール・バーナム アメリカ合衆国19504ペンシルベニア州バ ート、フォージデイル・ロード565番 (72)発明者 ジェイムズ・アール・ブラウン アメリカ合衆国19312ペンシルベニア州バ ーウィン、ロビンズ・レイン9番 (72)発明者 デイビッド・ジェイ・ペイン アメリカ合衆国19460ペンシルベニア州フ ェニックスビル、ウォーターフォール・ウ ェイ618番 (72)発明者 クリストファー・エム・トライニ アメリカ合衆国19063ペンシルベニア州メ ディア、ポッター・コート50番 (72)発明者 ミン・ワン アメリカ合衆国19422ペンシルベニア州ブ ルー・ベル、センテニアル・ドライブ302 番

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも7
    0%の同一性を有するポリヌクレオチドからなる単離ポ
    リヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 スタフィロコッカス・アウレウス(Stap
    hylococcus aureus)に含まれるaroE遺伝子によって発
    現されるのと同じ成熟ポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチドと少なくとも70%の同一性を有するポリヌ
    クレオチドからなる単離ポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも
    70%同一であるアミノ酸配列からなるポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチドからなる単離ポリヌクレオ
    チド。
  4. 【請求項4】 請求項1のポリヌクレオチドに対する相
    補性を有する単離ポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 ポリヌクレオチドがDNAまたはRNAである
    請求項1記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号1に示される核酸配列からなる
    請求項1記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1に示されるヌクレオチド1な
    いしヌクレオチド番号805より開始する停止コドンか
    らなる請求項1記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリ
    ペプチドをコードする請求項1記載のポリヌクレオチ
    ド。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のポリヌクレオチドを含む
    ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のベクターを含む宿主細
    胞。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の宿主細胞からそのDN
    Aによってコードされるポリペプチドを発現させること
    を特徴とするポリペプチドの製造法。
  12. 【請求項12】 aroEポリペプチドまたはフラグメン
    トを産生するのに十分な条件下で、請求項10記載の宿
    主を培養することを特徴とする該ポリペプチドまたはフ
    ラグメントの製造法。
  13. 【請求項13】 配列番号2のアミノ酸配列と少なくと
    も70%同一であるアミノ酸配列を有してなるポリペプ
    チド。
  14. 【請求項14】 配列番号2に示されるアミノ酸配列を
    有してなるポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のポリペプチドに対す
    る抗体。
  16. 【請求項16】 請求項14記載のポリペプチドの活性
    または発現を阻害するアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 aroEポリペプチドの必要な個体の治
    療方法であって、請求項14記載のポリペプチドの治療
    上有効量を該個体に投与することからなる治療方法。
  18. 【請求項18】 aroEポリペプチドの阻害の必要な個
    体の治療方法であって、請求項16記載のアンタゴニス
    トの治療上有効量を該個体に投与することからなる治療
    方法。
  19. 【請求項19】 個体における請求項14記載のポリペ
    プチドの発現または活性に関係する疾患の診断方法であ
    って、該個体から由来する試料中の(a)該ポリペプチ
    ドをコードする核酸配列を測定すること;および/また
    は(b)該ポリペプチドの存在または量を分析すること
    からなる方法。
  20. 【請求項20】 請求項14記載のポリペプチドと相互
    作用し、その活性を阻害または活性化する化合物の同定
    方法であって、 スクリーニングすべき化合物が該ポリペプチドと相互反
    応できる条件下、該ポリペプチドからなる組成物を該化
    合物と接触させて、該化合物の相互反応を評価し(かか
    る相互反応は該ポリペプチドと化合物の相互反応に応じ
    て検出可能なシグナルを与えることのできる第2の成分
    に関与する);該ポリペプチドと化合物との相互反応か
    ら生じるシグナルの有無を検出して、該化合物が該ポリ
    ペプチドと相互反応し、その活性を活性化するか、阻害
    するかを測定することからなる方法。
  21. 【請求項21】 哺乳動物において免疫応答を誘導する
    方法であって、請求項14記載のaroEポリペプチドあ
    るいは抗体および/またはT細胞の免疫応答を生じさせ
    るのに適当なそのフラグメントまたは変種を該哺乳動物
    に接種し、該動物を疾患から保護する方法。
  22. 【請求項22】 哺乳動物において免疫応答を誘導する
    方法であって、請求項14記載のaroEポリペプチドの
    発現を指向するための核酸ベクター、あるいは該aroE
    ポリペプチドを発現するためのそのフラグメントまたは
    変種、またはインビボで免疫応答を誘発し、抗体および
    /またはT細胞の免疫応答を生じさせるためのそのフラ
    グメントまたは変種をデリバリーして該動物を疾患から
    保護する方法。
  23. 【請求項23】 配列番号1または3の配列を有してな
    るポリヌクレオチド;配列番号2または4の配列を有し
    てなるポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号
    1または3の配列を有してなる一連のポリヌクレオチド
    配列;少なくとも1つの配列が配列番号2または4の配
    列を有してなる一連のポリペプチド配列;配列番号1ま
    たは3の配列を有してなるポリヌクレオチド配列を表す
    データセット;配列番号2または4の配列を有してなる
    ポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を
    表すデータセット;配列番号1の配列を有してなるポリ
    ヌクレオチド;配列番号2の配列を有してなるポリペプ
    チド;少なくとも1つの配列が配列番号1の配列を有し
    てなる一連のポリヌクレオチド配列;少なくとも1つの
    配列が配列番号2の配列を有してなる一連のポリペプチ
    ド配列;配列番号1の配列を有してなるポリヌクレオチ
    ド配列を表すデータセット;配列番号2の配列を有して
    なるポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配
    列を表すデータセット;からなる群より選択される要素
    をその上に記録したコンピューター読み取り媒体。
  24. 【請求項24】 相同性を同定するためのコンピュータ
    ーをベースとする方法であって、配列番号1の配列を有
    してなるポリヌクレオチド配列をコンピューター読み取
    り媒体に提供し、そのポリヌクレオチド配列を少なくと
    も1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比
    較して相同性を同定する工程からなる、コンピューター
    をベースとする方法。
  25. 【請求項25】 ポリヌクレオチドのアセンブリーに関
    するコンピューターをベースとする方法であって、配列
    番号1の配列を有してなる第1のポリヌクレオチド配列
    をコンピューター読み取り媒体に提供し、その第1のポ
    リヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列の間
    にある少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする
    工程からなる、コンピューターをベースとする方法。
  26. 【請求項26】 配列番号4のアミノ酸配列を有してな
    るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なく
    とも70%の同一性を有するポリヌクレオチドを有して
    なる単離ポリヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 配列番号3のポリヌクレオチド配列と
    少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドを
    有してなる単離ポリヌクレオチド。
JP10084862A 1997-02-21 1998-02-23 aroE Withdrawn JPH10313881A (ja)

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