JPH1031256A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Publication number
JPH1031256A
JPH1031256A JP18618596A JP18618596A JPH1031256A JP H1031256 A JPH1031256 A JP H1031256A JP 18618596 A JP18618596 A JP 18618596A JP 18618596 A JP18618596 A JP 18618596A JP H1031256 A JPH1031256 A JP H1031256A
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JP
Japan
Prior art keywords
battery
main battery
charging
camera
main
Prior art date
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Pending
Application number
JP18618596A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nishitani
泰浩 西谷
Akita Namioka
顕太 波岡
Yutaka Yoshida
豊 吉田
Yoshinobu Takahashi
美宣 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd, Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP18618596A priority Critical patent/JPH1031256A/ja
Publication of JPH1031256A publication Critical patent/JPH1031256A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】残量が所定の容量以上で繰り返し放充電される
カメラ用電池の放電量を管理し、電池の性能を長期間維
持するとともに安全に充電できるカメラを提供する。 【解決手段】主電池34からカメラ回路に電力を供給す
るとともに、単3型乾電池等の補助電池40を充電電源
として充電器80により主電池34を定電流充電する。
そして、主電池34の充電中にシャッターボタン等のカ
メラ操作が施された場合には、主電池34の充電を中止
しカメラ処理を優先し、CPU70の処理負担を軽減す
る。また、ショットカウンタによって主電池34の放電
量を監視し、ショットカウンタがゼロ以外のときには主
電池34の充電を許容して、主電池34を常にフル充電
に近い状態に保つようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラに係り、特に
メタルリチウム系の充電可能な電池を利用して、ストロ
ボやフイルム巻き上げ手段等の回路に大容量大電流を供
給し得る電源装置を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカメラは、マンガン系あるいはリ
チウム系の1次電池を電源とする場合と、ニカド電池等
の2次電池を電源とする場合がある。また、太陽電池を
利用してカメラ内蔵の2次電池を充電する電源装置も提
案されている(特開昭63−91641号公報)。しか
し、マンガン系の1次電池は電圧が低いため、高い電圧
を得るために複数本の電池を必要とし、また大容量電流
を得ることが難しいため、ストロボの充電時間が長くな
るとともに、ズームモータ等を有する近年の大電流を消
費するカメラには適しないという問題があった。また、
リチウム系の1次電池は、高い電圧と大容量電流を得る
ことができるという利点があるが、電池自体が高価にな
るとともに廃棄時の環境問題も指摘されている。更に、
リチウム系の1次電池は、マンガン系或いはアルカリ系
1次電池と比べて旅行先や海外等では入手するのが困難
な場合があり、このような場合に電池が消耗した時はカ
メラの使用を断念するか、かかる事態を防ぐため予め予
備の電池を携帯する配慮が必要であり煩雑であるという
問題がある。
【0003】ところで、1次電池の充電は一般には禁止
されているが、特開平7−130400号公報並びに特
開平8−84619号公報に詳細に記載されているよう
にリチウム系の1次電池であっても、一定条件下であれ
ば安全に充電することができる。これらの公報に記載さ
れているリチウム系の電池(特にメタルリチウム系の電
池)は、残量が容量Cの5〜95%の範囲内にあるとき
に、2μC〜5mC程度の時間率電流で充電することに
より、本来の1次電池としての性質を損なうことなく、
充放電を繰り返すことが可能である。上記各公報には、
このリチウム系1次電池と太陽電池とを組み合わせてカ
メラに適用し、太陽電池で発生した電力によってリチウ
ム系1次電池を充電する技術が開示されている。
【0004】本明細書中では、このような1次電池的な
性質と2次電池的な性質を併せ持つ電池を「改良電池」
と呼ぶことにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、太陽電
池を有する電源装置は、太陽電池自身が高価であり、充
電時はカメラを高照度下にさらす必要があるため、カメ
ラの温度が上昇して故障するおそれがあった。更に、二
次電池(又は改良電池)が急速に消費された場合には、
太陽電池の発生する電力量が小さく充電に時間がかかる
ため、カメラが使用できなくなるという問題が解決され
ていない。
【0006】かかる観点から本出願人は既に、上記改良
電池を単3型乾電池等の補助電池によって充電する構成
を備えた電源装置を提案している(特願平7−2730
50号明細書参照)。改良電池は、完全に充電した状態
から規定のエネルギー値を下回わるまで放電すると、そ
の後の充電によって蓄えることができるエネルギー量が
大幅に減少するとともにサイクルライフが著しく低下す
るという性質を有しているので、改良電池をカメラ用の
電源として利用するには、かかる性質を考慮して蓄電池
としての性能を長期間維持するように配慮しなければな
らない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、高電圧大容量大電流を供給することができると
ともに、電池の消耗時には安価で容易に入手可能な補助
電池のみを交換するだけでよく、また、電池の性能を長
期間維持することができるカメラを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記目的を達成するために、1次電池の自己放電率と略等
しく、且つ残量が所定の容量以上の場合に繰り返し放充
電が可能な主電池から撮影動作に必要な電力消費手段に
電力を供給するように構成されたカメラにおいて、前記
主電池に充電エネルギーを供給する補助電池と、前記補
助電池の出力電圧を昇圧する昇圧手段、及び該昇圧手段
を介して前記主電池に供給される電流を一定に保つ定電
流手段を有し、前記主電池を充電する充電手段と、を備
えたことを特徴としている。
【0009】本発明によれば、補助電池によって主電池
を充電し、主電池から撮影動作に必要な電力消費手段に
電力を供給するようにしたので、電源(補助電池)の消
耗時には、補助電池のみを交換するだけでよい。従っ
て、補助電池としてマンガン系の単3型乾電池等の安価
で入手容易なものを利用することにより、主電池を交換
する場合に比べて経済的で入手し易いという安心感もあ
り、環境にも好ましいという利点がある。特に、主電池
としてメタルリチウム系の2次電池を使用することによ
り、主電池からカメラ内の電力消費手段に大容量大電流
を供給することができるとともに、自然放電が少ないた
め、長期間使用しなくてもいつでも撮影ができるという
安心感がある。また、補助電池の出力電圧を昇圧して主
電池に印加するようにしたので、電圧の小さい補助電池
によって主電池を充電でき、補助電池の電気エネルギー
を無駄なく利用できるという利点がある。
【0010】そして、主電池の充電手段に定電流手段を
設け、主電池を常に一定の電流で充電するようにしたの
で、主電池の充電状態によらず、主電池内の化学反応を
一定の速度で進行させることができ安全に充電すること
ができる。また、使用に伴って補助電池の電圧が変化し
ても、主電池を一定電流で充電することができ、補助電
池を無駄なく利用できるという利点がある。
【0011】請求項2記載の発明は前記目的を達成する
為に、1次電池の自己放電率と略等しく、且つ残量が所
定の容量以上の場合に繰り返し放充電が可能な主電池か
ら撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給するよう
に構成されたカメラにおいて、前記主電池に充電エネル
ギーを供給する補助電池と、前記補助電池の出力電圧を
昇圧する昇圧手段を有し、該昇圧手段を介して電力を前
記主電池に供給し、該主電池を充電する充電手段と、前
記主電池がフル充電に満たない場合に前記充電手段によ
る主電池の充電を許容し、前記主電池がフル充電に達し
た場合に前記充電手段による主電池の充電を終了させる
充電制御手段と、外部操作手段の操作に応じて前記電力
消費手段の動作を制御する動作制御手段と、前記外部操
作手段によってカメラの操作が行われた場合に、前記充
電手段による主電池の充電を禁止し、前記外部操作手段
の操作に応じた前記電力消費手段の動作が終了した後に
前記充電手段による主電池の充電を許容する充電禁止手
段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】本発明によれば、主電池の充電中にシャッ
ターボタン等の外部操作手段によってカメラ操作が施さ
れた場合には主電池の充電を中止して、外部操作手段の
操作に応じたカメラ処理を優先させ、その処理動作が終
了した後に主電池の充電を再び許容するようにしてい
る。このように、外部操作手段の操作によるカメラ処理
の実行期間中は主電池の充電を行わないようにしたの
で、外部操作手段の操作によるカメラ処理と主電池の充
電処理を同時に実行する場合に比べて制御系の負担を軽
減することができる。
【0013】従って、動作制御手段と充電制御手段とを
一つの中央演算処理装置(CPU)に兼備させることが
できるという利点がある。通常、一つのCPUでカメラ
処置と充電処理を行うことにすると、両方の処理をリア
ルタイムで並列に処理できないので、カメラ処理を行っ
ている間は充電量を正確に管理できず、過充電となる可
能性があるが、外部操作に応答してカメラ処理を実行し
ている期間中は充電を禁止し、カメラ処理の動作終了後
に充電を許容するようにしたので、一つのCPUで動作
制御手段と充電制御手段とを兼ねることができ、主電池
の過充電を防止することができる。
【0014】請求項3記載の発明は前記目的を達成する
ために、1次電池の自己放電率と略等しく、且つ残量が
所定の容量以上の場合に繰り返し放充電が可能な主電池
から撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給するよ
うに構成されたカメラにおいて、前記主電池に充電エネ
ルギーを供給する補助電池と、前記補助電池の出力電圧
を昇圧する昇圧手段を有し、該昇圧手段を介して電力を
前記主電池に供給し、該主電池を充電する充電手段と、
レリーズ操作に伴う一連の撮影動作を1ショットとし、
レリーズ操作毎にショット数を加算して計数するショッ
トカウンタと、前記充電手段によって前記主電池が完全
に充電された状態に達したときに、前記ショットカウン
タのカウント値をゼロにリセットするリセット手段と、
前記補助電池から前記昇圧手段を介して前記主電池にエ
ネルギーが供給され、前記主電池に供給されるエネルギ
ーが増大するに連れて、前記ショットカウンタのカウン
ト値を減少させるデクリメント手段と、前記ショットカ
ウンタのカウント値に基づいて前記主電池の残量を求め
る残量検出手段と、前記ショットカウンタのカウント値
がゼロの場合に前記充電手段による主電池の充電を禁止
し、前記ショットカウンタのカウント値がゼロ以外の場
合に前記充電手段による主電池の充電を許容する充電制
御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】本発明は、主電池の残量を検出する具体的
な方策として、ショットカウンタを利用し、主電池が完
全に充電された状態(フル充電の状態)に達したとき
に、ショットカウンタを0にリセットし、レリーズ操作
によって撮影が実行される毎にショット数を1づつイン
クリメントしていく。そして、補助電池から主電池に電
気エネルギーが供給されて主電池に蓄えられるエネルギ
ーの増加に合わせて、前記ショットカウンタのカウント
値を随時デクリメントさせる構成にすることで、撮影動
作に伴って消費されるエネルギー量(主電池の放電量)
を監視することができる。
【0016】そして、ショットカウンタがゼロ以外のと
きには常に充電を許容し、主電池をフル充電の状態に保
つようにしている。これにより、主電池の過放電を防止
することができ、補助電池が消耗しても主電池は十分に
充電されているという安心感があるという利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るカメラの好ましい実施の形態について詳説する。図1
から図3は、本発明が適用されたカメラの内部透視図で
あり、図1は正面図、図2は上面図、図3は左側面図で
ある。図1に示すカメラ10の中央部の符号12は、撮
影レンズ鏡胴(不図示)が収納される鏡胴収納部であ
り、該鏡胴収納部12を挟んで右側にはフイルムカート
リッジ(不図示)が収納されるフイルムカートリッジ室
14が形成され、左側にはフイルム巻取室16が形成さ
れている。カートリッジ室14の上部、即ち、カメラ正
面右上隅部にはストロボ装置18が設けられている。ま
た、該ストロボ装置の左には順にAF投光部20、AF
受光部22、及びファインダー部24が設けられてい
る。
【0018】前記カートリッジ室14には、該室内に装
填されるフイルムカートリッジのスプールに係合するス
プール駆動軸26が設けられている。一方、フイルム巻
取室16には、前記フイルムカートリッジから送り出さ
れたフイルムを巻き取る巻取スプール28が設けられ、
該巻取スプール28内にはフイルム給送用モータ30が
組み込まれている。前記フイルム給送用モータ30の回
転力は、巻取スプール28に伝達されるとともに、図2
に示したギヤ列32A、32B、……32I、32Jを
介して前記スプール駆動軸26に伝達されるようになっ
ている。
【0019】即ち、フイルム給送用モータ30が正転す
ると、カートリッジ室14に装填されているフイルムカ
ートリッジからフイルムが送り出され、巻取スプール2
8に巻き取られる。また、フイルム給送用モータ30が
反転すると、カートリッジ室14のスプール駆動軸26
が反転し、巻取スプール28に巻き取られていたフイル
ムがフイルムカートリッジ内に巻き戻される。フイルム
給送用モータ30の回転は、後述する中央演算処理装置
(CPU)70を含む制御装置によって制御され、フイ
ルムの一コマ送り(巻き上げ)や巻戻しが行われる。
【0020】巻取スプール28の左側には、カメラ内の
各種回路に電力を供給する主電池34とメインコンデン
サ36とが縦方向に上下に並んで配置されている。即
ち、円柱形状メインコンデンサ36の上部に主電池34
が同軸上に並んで配置されている。なお、主電池34と
メインコンデンサ36との間には、仕切り板38が設け
られている。
【0021】主電池34は、自己放電の少ない充電可能
なカメラ専用の電池であって、1次電池と2次電池の性
質を併せ持つ改良電池が用いられている。主電池34の
構成について詳しくは後述するが、例えば、自己放電率
が5%/年以内のものが使用され、適正に充電された状
態ではその電圧は 3.25 Vである。また、主電池34の
形状は、特に限定されないが、例えば、現行のCR2型
の電池と同形状に形成されている。
【0022】この主電池34とメインコンデンサ36の
後方には、主電池34に充電エネルギーを供給する補助
電池40が配置されている(図3参照)。補助電池40
は、前記主電池34及びメインコンデンサ36の配列方
向と平行に縦向きに配置される。また、当該カメラ10
の背面隅部には、電池蓋42が軸42Aに開閉自在に設
けられており、該電池蓋42の内側に形成された補助電
池収納室に補助電池40が収納されている。この電池蓋
42を開放することによって補助電池収納室に収納した
補助電池40を取り出し、交換することができるように
構成されている。更に、補助電池40を取り出した状態
で、奥に配置された主電池34を取り出すことができる
ようになっている。なお、前記電池蓋は、カメラ10の
背面又は底面に設けてもよい。
【0023】前記補助電池収納室は、例えば1本の単3
型乾電池が収納できるように形成され、補助電池40と
してマンガン系の単3型乾電池が収納される。補助電池
40は単3型乾電池に限らず、他の形態の1次電池でも
よいが、マンガン系の単3型乾電池は広く普及してお
り、世界中どこでも安価で容易に入手することができる
という利点がある。
【0024】図1中二点鎖線で示した符号43はカメラ
の制御回路、符号44は充電用の昇圧回路、符号46は
メインコンデンサ36の充電回路の各実装スペースを表
している。当該カメラ10の電源装置は、前記主電池3
4、補助電池40及び昇圧回路44等から構成され、主
電池34からストロボ装置18、フイルム給送用モータ
30、ズームモータ48及び制御回路等に電力が供給さ
れるようになっている。
【0025】次に、主電池について説明する。主電池3
4には、前述の通り改良電池が用いられている。改良電
池の正極活物質としては、二酸化マンガンが好ましい
が、特に電解により合成された二酸化マンガンや化学的
に合成された二酸化マンガンが好ましい。負極活物質と
して使用できる材料としては、リチウム金属、リチウム
合金(リチウムと合金をつくる金属ならなんでもよい
が、特にAl、Mn、Sn、Mg、Cd、Inが好まし
い。なかでもAlを含む合金)を用いることが好まし
い。
【0026】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子導電性材料であ
れば何でもよい。その添加量は、特に限定されないが、
1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ま
しい。結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム
弾性を有するポリマーの一種またはこれらの混合物を用
いることができる。その結着剤の添加量は、特に限定さ
れないが、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重
量%が好ましい。
【0027】フィラーは、構成された電池において、化
学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いるこ
とができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用
いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0
〜30重量%が好ましい。非水電解質は、一般に、溶媒
と、その溶媒に溶解するリチウム塩(アニオンとリチウ
ムカチオン)とから構成され、プロビレンカーポネート
および/またはプチレンカーポネートと1、2−ジメト
キシエタンおよび/あるいはジエチルカーポネートの混
合液にLiCF3 SO3 、LiCl04 、LiBF4
よび/あるいはLiPF6 を含む電解質が好ましい。こ
れら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されない
が、正極活物資や負極活物資の量や電池のサイズによっ
て必要量用いることができる。
【0028】溶媒の体積比率は、特に限定されないが、
プロビレンカーポネートおよび/またはプチレンカーポ
ネート対1、2−ジメトキシエタンの混合液の場合、
0.4/0.6〜 0.6/ 0.4が好ましい。支持電解質の濃度
は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり0.
2〜3モルが好ましい。かかる構成のメタルリチウム系
電池は、自己放電率が1次電池と同程度に小さく、ま
た、完全に充電した状態から規定のエネルギー値を下回
るまで放電してしまうと、以後2次電池としての機能が
急激に低下するという性質を有している。完全に充電し
た状態の電気容量を基準の100として、放電したエネ
ルギー量を全エネルギーに対する使用率で表し、「放電
深度」と呼ぶことにする。
【0029】実験によれば、放電深度が5%を超えない
範囲で放電と充電を繰り返した場合には、主電池の劣化
は小さくサイクル寿命も大きく、3000ショット以上
の撮影が十分に可能である。一方、放電深度30%で使
用すると、主電池の2次電池としての性能が低下し、サ
イクル寿命が小さくなる。この場合、1000ショット
程度の繰り返し撮影しか確保できないことになる。放電
深度を深くするほどサイクル寿命が急激に小さくなり、
また、一旦放電深度を深く放電させてしまうと、蓄電池
としての性能が低下し、以後の再充電よって主電池に蓄
えられる電気容量は小さくなり、サイクル寿命も小さく
なる。
【0030】即ち、主電池は、浅い放電深度の範囲で放
充電を繰り返すように使用することが望ましい。したが
って、この改良電池を実際に使用する場合には、カメラ
としての使用限界の設定に合わせて、適正な放電深度を
設定し、その放電深度の範囲を超えないように放充電を
繰り返すように管理する必要がある。図4には、主電池
34を補助電池40によって充電するための充電回路の
構成の一例が示されている。充電回路50は、同図に示
すように充電制御回路52と昇圧回路54とから成る。
充電制御回路52は、それぞれ主電池34の電圧VCR
び補助電池40の電圧VE を検出し、例えば主電池34
の電圧VCRが、フル充電状態の電圧値3.25Vよりも小さ
くなり( VCR< 3.25 V) 、且つ補助電池40の電圧V
E がVE ≧ 0.9V (補助電池40の終止電圧) の場合に
昇圧回路54を動作させ、主電池34の充電を行わせ
る。
【0031】一方、充電制御回路52は、主電池34が
フル充電された場合 (電圧VCR= 3.25 Vになった場
合) 、又は補助電池40が消耗して補助電池40の電圧
E がVE < 0.9Vになった場合に、昇圧回路54を停
止させる。更に、充電制御回路52は、補助電池40の
残量等を液晶パネル60に表示させるために、補助電池
40の電圧を示す信号を表示制御回路62に出力する。
【0032】表示制御回路62は、前述したように充電
制御回路52から補助電池40の電圧を示す信号が加え
られるとともに、フイルム残量を示すフイルムカウンタ
からの信号、ストロボスイッチ、シャッターボタン、セ
ルフタイマースイッチからの信号が加えられており、こ
れらの入力信号に基づいて液晶パネル60に所要の表示
を行わせる。なお、液晶パネル60の表示内容の詳細に
ついては後述する。なお、充電制御回路52は主電池3
4から駆動電源が供給されている。
【0033】次に、前記昇圧回路54について説明す
る。図5は昇圧回路の一例を示す回路図である。同図に
示すように、この昇圧回路54は、プッシュプルタイプ
のものであり、補助電池40の電源を、充電制御回路5
2によって交互にONされるトランジスタQ1、Q2で
交流に変換し、トランスTを介して昇圧し、整流回路5
5によって整流することにより、主電池34を充電する
ために必要な直流電圧に変換する。
【0034】ここで、トランスTの1次側及び2次側の
巻数をn1,2 とすると、トランスTの1次側の電圧V
1 と2次側の電圧V2 とは、次式(1)、
【0035】
【数1】 V1 /V2 =n1 /n2 …(1) の関係がある。一方、トランスTの1次側と2次側にお
いて必要とされる電圧V1 、V2 は、
【0036】
【数2】 V1 = 0.9−VDS=0.7[V] (Min) …(2)
【0037】
【数3】 V2 = 3.25 + 0.7×2+ 0.5=5.15[ V] …(3) (但し、 0.9:補助電池40の終止電圧 VDS:トランジスタQ1、Q2のドレイン−ソース間の
飽和電圧 3.25 :主電池34の最大電圧 0.7×2:整流回路55での電圧降下)である。従っ
て、トランスTの巻数比n2 /n1 は、
【0038】
【数4】 n2 /n1 = V2 /V1 ≒ 7.3 …(4) となる。このように図4に示した充電回路50は、主電
池34の電圧VCRが、VCR< 3.25 Vとなる毎に、補助
電池40の充電エネルギーを主電池34に移送し、主電
池34を充電する。そして、主電池34がフル充電され
ると(電圧VCR= 3.25Vとなると)、充電動作を停止
する。
【0039】そして、主電池34がフル充電された後、
カメラの使用によって主電池34の電気容量が減少する
と、補助電池40から充電エネルギーが移送される。主
電池34の電気容量は充電時間とともに増加し、補助電
池40の電気容量は減少する。このように、主電池34
のエネルギー消費に応じて補助電池40のエネルギーを
主電池34に移送するようにしたので、主電池34は常
にフル充電に近い状態に保たれる。
【0040】こうすることにより、主電池34の過放電
劣化の心配がなく、取扱いが容易であるという利点があ
る。また、主電池34はリチウム系の電池であるため、
補助電池40に比べて高電圧大電流をカメラに供給する
ことができ、大電流を必要とするカメラに対応できると
ともに、ストロボの充電時間も短縮することができる。
【0041】さて、補助電池40の充電エネルギーが主
電池34に移送され、補助電池40の容量がほぼ0に達
すると(補助電池40の電圧がその終止電圧 0.9Vに達
すると) 、その後は、補助電池40を交換しない限り、
補助電池40から充電エネルギーが主電池34に供給さ
れなくなる。しかしながら、主電池34は、その電圧V
CRがフル充電に近い充電状態に保持されているため、電
圧VCRが所定のバッテリーチェックレベルに達するま
で、ある程度の消費可能な電気量 (例えば、100ショ
ットの撮影が可能な電気量)を有している。従って、補
助電池40を直ちに新品に交換しなくてもカメラを継続
して使用することができる。
【0042】また、補助電池40を交換する場合も、補
助電池40は単3型乾電池でよいため、世界中どこでも
安価で容易に入手することができるという利点がある。
更に、充電回路50に昇圧回路54を有しているので、
他の機器などで使い古した単3型乾電池でもある程度使
用することができる。なお、本実施の形態では、主電池
34の電圧VCRが、3.25Vを下回ると直ちに補助電池4
0の充電エネルギーを主電池34に移送するようにした
が、これに限らず、主電池34の電圧が所定の電圧値
(例えば3.0 V) に達してから充電を開始することも考
えられる。また、フル充電の状態以後のショット数をカ
ウントし、ショット数が所定の値(例えば、100ショ
ット)に達したら、補助電池40の充電エネルギーを主
電池34に移送するようにしてもよい。ただし、この場
合には、充電制御回路52はカメラ側からショット数を
示す信号を受入する必要がある。
【0043】図6は、カメラの制御系の構成を示すブロ
ック図である。制御系の中心的役割を担う中央演算処理
装置(CPU)70には、メインスイッチSm やレリー
ズスイッチSr 、エマージェンシースイッチSEMG 等の
ON/OFF状態を含むカメラの動作状態を示す各種信
号が入力されるとともに、シャッター駆動回路72、ス
トロボ回路74、フイルム給送回路76、レンズ駆動回
路77等のカメラの各種動作に対応した回路(以下「カ
メラ回路」と総称する。)が接続されている。CPU7
0は、主電池34から電源の供給を受けて作動し、カメ
ラ回路の動作を制御するとともに、ショット数をカウン
トするカウンタの役割も兼備している。
【0044】また、CPU70には、データの読み出し
及び書き込みが可能なEEPROM78や、カメラの状
態表示、及びモード設定入力の為の液晶パネル(LC
D)60が接続されている。即ち、このCPU70が、
図4で示した表示制御回路62と充電制御回路52の役
割も果していることになる。補助電池40のエネルギー
を主電池34に移送する充電器80は、昇圧回路54と
定電流回路82から成り、昇圧回路54は、CPU70
から出力される充電コントロール信号によって制御され
ている。また、該充電器80と主電池34の間には、C
PU70からの充電コントロール信号に応じてオン/オ
フするスイッチ84が設けられている。そして、CPU
70から充電実行を指令する充電コントロール信号が加
えられると、昇圧回路54が動作するとともにスイッチ
84がONし、補助電池40から主電池34へのエネル
ギー移送が許容される。また、充電を行わない旨を指令
する充電コントロール信号がCPU70から出力される
と、昇圧回路54の動作が停止するとともにスイッチ8
4がOFFして補助電池40から主電池34へのエネル
ギー移送が禁止される。
【0045】主電池34の正極は、CPU70からの制
御信号に応じてオン/オフするスイッチ86を介してコ
ンパレータ88の入力端に接続されており、該スイッチ
86がONすると、主電池34の電圧が分圧されてコン
パレータ88の入力端に加えられる。コンパレータ88
の他の入力端には一定の電圧Vsが加えられており、主
電池34の電圧の分圧値と所定電圧Vsの比較結果がコ
ンパレータ88からCPU70に通知される。これによ
り、主電池34の電圧を監視することができる。
【0046】図7には、定電流回路82の具体的な構成
が示されている。なお、便宜上、昇圧回路54について
は省略して説明する。同図に示す定電流回路は、補助電
池40にツェナーダイオードZD1 と抵抗R1 が直列に
接続され、前記ツェナーダイオードZD1 と抵抗R1 の
端子間にベース端子が接続されたトランジスタQ3 が設
けられている。該トランジスタQ3 のエミッタ端子は抵
抗R2 を介してツェナーダイオードZD1 と並列に前記
補助電池40と接続されており、トランジスタQ3 のコ
レクター端子から主電池34に電流が流れることにな
る。
【0047】かかる構成により、補助電池40の電圧
は、ツェナーダイオードZD1 及びR1 で分圧され、こ
の分圧された電圧がトランジスタQ3 のベース端子に印
加される。そして、ツェナーダイオードZD1 の逆方向
に電流iz が流れ、前記トランジスタQ3 のベース端子
にベース電流が流れてトランジスタQ3 が通電する。こ
のとき、ツェナーダイオードZD1 の端子間電圧VZ は
一定であり、トランジスタQ3 のベース−エミッタ間電
圧VBEも一定であることから、抵抗R2 の端子間電圧は
一定となり、該抵抗R2 を流れる電流は、次式(5)
【0048】
【数5】i=(VZ −VBE)/R2 …(5) に示すように一定となる。従って、コレクタ端子に流れ
る電流も式(5)で求めた電流に略等しく一定となる。
【0049】これにより、補助電圧40の電圧が変動し
ても、ツェナーダイオードZD1 の端子間電圧VZ は一
定であるため、抵抗R2 を流れる電流は一定に保たれ、
主電池34は常に一定の電流で充電されることになる。
図8には、定電流回路の他の構成例が示されている。図
7に示した定電流回路の代わりに、図8に示すように3
端子レギュレータを用いてもよい。補助電池40の正極
を3端子レギュレータ90の入力端子(IN)に接続
し、3端子レギュレータ90の出力端子(OUT)を抵
抗R3 を介して主電池34(図8中不図示)に接続す
る。そして、抵抗R3 の帰還電圧を3端子レギュレータ
90の共通(コモン)端子(COM)に印加する。3端
子レギュレータ90はコモン電圧を基準として出力電圧
を一定に保つものであり、コモン−出力端子間の電圧V
sが一定となることから抵抗R3 を流れる電流iは、次
式(6)
【0050】
【数6】i=Vs/R3 …(6) に従い一定となる。これにより、補助電圧40の電圧が
変動しても、抵抗R3 を流れる電流は一定に保たれ、主
電池34は常に一定の電流で充電されることになる。
【0051】図7、図8には、昇圧回路54を省略して
説明したが、補助電池40の出力電圧を昇圧回路54で
昇圧して上述の定電流回路82に導く場合も同様であ
り、補助電池40が消耗して電圧が低下し、昇圧回路5
4の出力電圧が変動した場合でも、定電流回路82の作
用によって主電池には一定の電流が供給される。これに
より、主電池34の充電状態によらず、主電池34を常
に一定の電流で充電でき、主電池34内の化学反応を一
定の速度で進行させることができ安全に充電することが
できる。また、使用に伴って補助電池40の電圧が変化
しても、主電池34を一定電流で充電することができ、
補助電池40を無駄なく利用できるという利点がある。
【0052】次に、主電池の残量の管理方法について説
明する。図9は、主電池の充電量及び放電量を管理する
ための管理手段の構成を示すブロック図である。同図に
示す管理手段は、補助電池40から主電池34に充電さ
れる充電エネルギーを監視するとともに、主電池34か
ら放電される放電エネルギーを監視して両者の比較に基
づいて主電池34の残量を把握するものである。
【0053】補助電池40の充電エネルギーは、充電器
80、抵抗R4 、定電圧ダイオードZD2 を経由して主
電池34に移送される。抵抗R4 の両端電圧は差動アン
プ92に加えられ、該差動アンプ92の出力はA/Dコ
ンバータ93を介してCPU70に導かれる。また、主
電池34から放出される電気エネルギーは、抵抗R5を
経由してカメラ回路94に導かれ、該カメラ回路94に
おいて消費される。抵抗R5 の両端電圧は差動アンプ9
6に加えられ、該差動アンプ96の出力はA/Dコンバ
ータ97を介してCPU70に加えられるようになって
いる。
【0054】かかる構成によれば、補助電池40から充
電器80を介して主電池34へ電流が供給される際、充
電電流は抵抗R4 を流れるので、抵抗R4 の両端電圧を
差動アンプ92で監視すれば主電池34に充電された電
荷量が求められる。即ち、抵抗R4 の両端電圧をVR4と
すると、主電池34に充電された充電電荷量QI は、次
式(7)
【0055】
【数7】QI =∫VR4/R4 ×Δt …(7) で表され、充電電流が流れている時間Δt毎に積分演算
することによって充電電荷量QI を求めることができ
る。一方、カメラ回路94を動作させるための電力は、
主電池34から抵抗R5 を介してカメラ回路94に供給
されるので、抵抗R5 の両端の電圧を差動アンプ96で
監視すれば、上記と同様に主電池34から供給された電
荷量、即ち、放電量(消費量)を求めることができる。
【0056】即ち、抵抗R5 の両端電圧をVR5とする
と、主電池34から放電された放電電荷量QD は、次式
(8)
【0057】
【数8】QD =∫VR5/R5 ×Δt …(8) で表され、放電電流が流れている時間Δt毎に積分演算
することによって放電電荷量QD を求めることができ
る。式(7)で求めた充電電荷量QI と、式(8)で求
めた放電電荷量QD の差分ΔQを求めて充電量と放電量
とを比較する。つまり、前記差分ΔQ=(充電電荷量Q
I −放電電荷量QD )が、所定のレベルAを下回るか否
かを監視する。
【0058】前記所定のレベルAの値は、予め設定され
CPU70のROM又はEEPROM78に記憶された
値であり、ΔQがレベル値Aを下回り、次式(9)
【0059】
【数9】 ΔQ=(充電電荷量QI −放電電荷量QD )<A …(9) となったら、レリーズ操作を受付ないようにシャッター
ロックし、撮影を禁止する。なお、主電池34の放電量
を監視する為のレベル値を段階的に複数設定し、各段階
毎に主電池34に蓄えられているエネルギー量に応じた
残量表示又は警告表示を行うことも考えられる。
【0060】次に、主電池の放電量を撮影が実行された
ショット数によって管理する方法を説明する。レリーズ
操作が行われると、通常は図10に示すように、AFに
よるフォーカシング動作から始まって、シャッター開、
ストロボ発光、シャッター閉、撮影レンズ位置の復帰、
フイルム1コマ給送、ストロボ充電と連続して実行さ
れ、ストロボ充電完了後にスタンバイ状態となる。この
一連の動作を1ショットと定義し、1ショットで消費さ
れる電気エネルギーを単位として充電量及び放電量を把
握することができる。
【0061】例えば、定常光が明るい等の理由でレリー
ズ操作でストロボ発光を行わなかった場合には、一コマ
送り後のストロボ充電は不要となるので、定義した1シ
ョットに比べて、消費されるエネルギー量は少ない。従
って、完全な1ショットに対するエネルギー比率で、
0.2ショットという具合に換算する。また、カメラ操
作入力が無い状態でも、時計機能は作動している場合が
あり、操作入力待ち受け中にCPU70のみが動作して
いる時にも、低消費電力ではあるが、主電池34のエネ
ルギーは消費されている。従って、無操作状態で消費さ
れる電力を無操作時間の経過時間に応じて回路電流×時
間tから求め、1ショットに対するエネルギー比率で、
例えば待ち受け時間がT1 経過したら0.01ショット
という具合に換算する。
【0062】更に、主電池34は、化学的組成の変化や
大気中への自然放電により時間の経過とともに僅かなが
らエネルギーが減少していく。改良電池は、自己放電率
が1次電池と同等に小さいが、完全に無視することはで
きないので、自己放電をも考慮して時間経過Tとともに
失われるエネルギー量を、1ショットに対するエネルギ
ー比率で、例えば時間T2 経過したら0.01ショット
という具合に換算する。
【0063】このように、1ショット分に満たず消費さ
れた電気容量をショットカウンタの小数部として表し、
カメラの操作状態や時間経過に合わせて、該ショットカ
ウンタの小数部をインクリメントして主電池34の放電
量をショットカウンタのカウント値に基づいて管理する
ことができる。ショットカウンタのカウント値はEEP
ROM78内に記憶され、該カウンタ値は、撮影1ショ
ット毎にインクリメントされるとともに、上述のように
時間経過とともにその小数部がインクリメントされる。
また、主電池34が充電された場合には、その充電時間
(充電量)に応じて、カウント値をデクリメントする。
なお、主電池34の充電量は、次式(10)、
【0064】
【数10】 充電量=充電電流×充電時間×効率 …(10) によって求めることができる。一方、補助電池の残量の
検出は、公知のバッテリィーチェック方法が適用され、
内部抵抗のある負荷に電流を流し、このときの電池両端
電圧値VE を検出する。そしてVE が所定の値より小さ
い場合には警告を発する。
【0065】次に、液晶パネル60の表示内容について
説明する。図11には、液晶パネル60の表示内容の一
例が示されている。液晶パネル60には、補助電池(単
3型乾電池)の形状を模したグラフィック表示部602
が設けられ、補助電池40の残量又は交換時期を表示す
るようにしている。具体的には、図4に示した充電制御
回路52から出力される補助電池40の電圧を示す信号
に基づいて表示制御回路62が前記グラフィック表示部
602を全点灯、半点灯、点滅、消灯と段階的に表示を
切り替え、補助電池40の残量をユーザに知らせるとと
もに、電池の交換を促すようになっている。
【0066】また、液晶パネル60には、主電池(CR
2同型改良電池)の形状を模したグラフィック表示部6
04が設けられ、主電池34の残量又は交換時期を表示
するようになっている。ただし、主電池34は、補助電
池40と異なりユーザが頻繁に交換するものではなく、
カメラの内蔵電池として使用するものであるため、主電
池34の残量を常時表示する必要性は乏しい。したがっ
て、主電池34に関するグラフィック表示部604は、
通常消灯させておき、補助電池40の容量がほぼ0に達
して、補助電池40から充電エネルギーが主電池34に
供給されなくなった場合に全点灯し、補助電池40の交
換までの間に消費が可能な電気量を表示することにす
る。そして、この表示と合わせて、補助電池40を交換
せずに撮影が可能な枚数を表示部605に表示させる。
【0067】前述したように、補助電池40が消耗して
も、主電池34にはある程度の消費可能な電気量 (例え
ば、100ショットの撮影が可能な電気量)があるた
め、補助電池40が完全に消耗した後も続けて撮影が可
能である。従って、補助電池40が消耗した場合に、例
えば、表示部605に撮影可能な枚数「99」を表示さ
せ、その後、1ショット毎に前記撮影可能な枚数を1ず
つカウントダウンした枚数を表示させる。
【0068】また、この液晶パネル60には、上記撮影
可能な枚数とフイルム残量とが混同されないように、表
示部606にフイルム残量を表示するようにしており、
フイルム残量の表示は、前記撮影可能な枚数の表示より
も大きな文字で表示されるようになっている。このよう
に、補助電池40のバッテリーチェック(BC)表示部
(602)と主電池34のBC表示部(604)とを別
個に設けることにより、どちらの電池が消耗したのかを
ユーザに明確に認識させることができる。
【0069】液晶パネル60には、この他左上から順
に、自動発光モード、赤目軽減モード、逆光下撮影モー
ドといったストロボモードを表示するストロボモード表
示部608、撮影レンズを遠距離撮影用に設定した際に
点灯する遠距離モード表示部610、タイマーモードに
セットされた場合に点灯するタイマーモード表示部61
2、及び日付や時間等を表示するデート表示部614が
設けられている。なお、前記撮影可能枚数を表示する表
示部605は、デート表示部614の一部として共用さ
れるとともに、マニュアルフォーカス(MF)モードに
おける被写体距離の表示部として共用される。
【0070】尚、撮影可能な枚数の表示方法は上記形態
に限らず、例えば主電池34の電圧を検出し、その電圧
に基づいて表示するようにしてもよい。また、撮影可能
な枚数の表示は、数字に限らず、大体の枚数が認識でき
るようにグラフィックで表示するようにしてもよい。図
12には、補助電池40の残量と主電池34の残量を液
晶パネル60に表示する他の表示形態が示されている。
同図に示すように、主電池34の形状を模した第1の図
形620の内側に、補助電池40の形状を模した第2の
図形630が重なって表示されるように構成する。
【0071】そして、補助電池40の残量が十分にある
場合には、図12(a)に示すように、第1の図形62
0の内側に設けた第2の図形630表示部を全点灯させ
る。そして補助電池40の残量の減少に伴って第2の図
形630の前半分を消灯(即ち、半点灯)させる。更
に、補助電池40の残量が減少し、終止電圧に達した際
には、図12(b)に示すように、第2の図形630を
完全に消灯し、代わって主電池34の残量を示す表示と
する。同図(b)に示したグラフィック表示によって、
補助電池40を交換せずに撮影が可能なおよその枚数が
認識できるようになっている。
【0072】このように、主電池34の形状を模した第
1の図形620の内側に補助電池40の形状を模した第
2の図形630を重ねて表示することにより、液晶パネ
ル60の表示領域を省スペース化できるとともに、双方
の表示内容も認識し易いという利点がある。次に、カメ
ラの処理について説明する。
【0073】図13には、補助電池40のバッテリーチ
ェックの処理の流れが示されている。補助電池40の残
量は、該補助電池40に接続された負荷に電流を流して
いる期間中の電池両端電圧VE を測定することによって
検出される。即ち、測定された補助電池の電圧VE を電
池残量が十分であることを意味する第1のBCレベルV
1 と比較して(ステップS10、以下ステップ番号のみ
を示す。)、電池両端電圧VE が前記第1のBCレベル
V1 よりも大きい場合には、液晶パネル60のグラフィ
ック表示部602を全点灯させ(S12)、電池残量が
十分である旨をユーザに知らせる。
【0074】S10において、電池両端電圧VE が第1
のBCレベルV1 よりも小さい場合には、更に、補助電
池40の終止電圧を意味する第2のBCレベルV2 と比
較する(S14)。そして、電池両端電圧VE が、第2
のBCレベルV2 よりも大きい場合には、液晶パネル6
0のグラフィック表示部602が半点灯し(S16)、
残量が僅かである旨をユーザに知らせて電池交換を促
す。
【0075】S14において、電池両端電圧値VE が第
2のBCレベルV2 にも満たない場合には、液晶パネル
60のグラフィック表示部602が消灯し(S18)、
補助電池40のエネルギーが完全に消耗した旨をユーザ
に知らせる。図14には、主電池の充電のシーケンスの
一例が示されている。主電池34への充電が許容される
と(S20)、図13で説明したように補助電池40の
バッテリーチェックが行われ(S22)、補助電池が消
耗していないことが確認されてから、主電池34の充電
が開始される(S24)。
【0076】充電期間中、カメラ操作が行われたか否か
が監視され(S26)、何らかのスイッチ操作による入
力、例えばレリーズ操作があった場合には、充電は終了
する(S40)。このように、カメラ操作が行われた場
合には、操作に応じた処理を優先させ、カメラ処理の実
行期間中は主電池34の充電を行わないようにしたの
で、CPU70の処理負担を軽減することができる。通
常、一つのCPU70でカメラ処理と充電処理をリアル
タイムで並列に処理できないので、カメラ処理を行って
いる間は充電量を正確に管理できず、過充電となる可能
性があるが、カメラ操作に応答してカメラ処理を実行し
ている期間中は充電を禁止し、カメラ処理の動作終了後
に充電を許容するようにしたので、一つのCPU70で
カメラの動作制御と主電池の充電制御とを行うことがで
き、主電池の過充電も防止することができる。
【0077】S26においてスイッチ入力がなければ、
主電池34の電圧が3.25V(フル充電状態)に達するま
で充電が続けられる(S26〜S32)。主電池34の
電圧が3.25Vに満たない間は、経過時間に応じて充電量
が増大していくことになるので、経過時間Tに応じてシ
ョットカウンタをデクリメントする(S30、S3
2)。S26からS32を繰り返すことにより、主電池
34にエネルギーが蓄えられる。そして、主電池の電圧
が3.25Vに達すると、処理はS34に進み、ショットカ
ウンタは0にリセットされて(S34)、充電が終了す
る(S40)。
【0078】図15には、主電池34の残量レベルと放
充電の可否の関係が示されている。主電池34が完全に
充電された状態を示すフル充電レベル(LF )に対し、
放電深度5%の水準を第1のレベル(L1 )、該主電池
34を繰り返し充放電可能な放電深度の水準、例えば、
放電深度30%の水準を第2のレベル(L2 )、主電池
34を使用できる限界の残量水準を示す第3のレベル
(L3 )が予め設定されている。
【0079】主電池34の残量はショットカンウタのカ
ウント値で把握することができるので、主電池34の残
量を示す各レベルL1 、L2 、L3 は、ショットカウン
タのカウント値に対応付けられて設定されている。各レ
ベルL1 、L2 、L3 を示すデータは、図6に示したE
EPROM78に格納され、レベルの設定変更に応じて
データを書き換えられるようになっている。
【0080】主電池34の残量は、カメラが使用される
につれてフル充電レベルLF から次第に低下するが、補
助電池40の残量が十分にある場合には、補助電池40
によって主電池34の充電が行われ、主電池34は常に
フル充電に近い状態に維持される。しかしながら、補助
電池40が消耗して主電池34に充電エネルギーを供給
できなくなると、撮影動作に伴ってショットカウンタの
カウント値はインクリメントされ続け、主電池34の残
量が低下する。ショットカウンタの値が第1のレベルL
1 を意味する第1のカウント値に達した場合には(主電
池34の残量が第1のレベルL1 に達した場合には)、
シャッターボタンの動作をロック(第1のロック)し、
レリーズ操作を受付ないようにするとともに、主電池3
4が充電不足である旨を警告する第1の警告を液晶パネ
ル60に表示する。
【0081】シャッターボタンがロックされることで、
図10に示した一連の動作が禁止され主電池34のエネ
ルギー消費が抑制されるとともに、補助電池40による
主電池34の充電が許容される。このとき、補助電池4
0が交換されれば、新たな補助電池40によって主電池
34の充電が行われ、主電池34に供給される充電エネ
ルギーに応じて、即ち、充電時間に応じてショットカウ
ンタがデクリメントされる。そして、充電にともなって
ショットカウンタの値が第1のレベルL1 を意味する第
1のカウント値よりも小さくなった時点で前記第1の警
告が解除されるとともに、シャッターロックが解除さ
れ、再び撮影を行うことができるようになる。
【0082】一方、第1のロックによって補助電池40
による主電池34の充電が許容された後、補助電池40
が交換されない場合には、該補助電池40によって主電
池34の充電を行うことができない。しかし、CPU7
0は主電池34から電力の供給を受けて動作しており、
また、回路の構成上避けることのできないリーク電流も
あるため、主電池34の残量は徐々に低下していくこと
になる。
【0083】補助電池40が交換されることなく長期間
放置され、主電池34の残量が第2のレベルL2 に達す
ると、該主電池34を再充電して使用するのに危険を伴
う場合があり、また、たとえ再充電してもサイクル寿命
が大幅に低下することになるので、主電池の残量が第2
のレベルL2 以下になった場合には、主電池34の充電
を禁止するようにしている。したがって、その後補助電
池40が交換されても該主電池34は再充電されること
はなく、主電池34を安全に使用することができる。
【0084】ところで、主電池34の残量が第1のレベ
ルL1 を下回り、シャッターボタンがロックされた状態
であっても、主電池34には未だ電気エネルギーが残っ
ている。このエネルギーを有効に活用するために、ロッ
クを解除するエマージェンシースイッチSEMG が設けら
れている(図6参照)。即ち、エマージェンシースイッ
チSEMG を操作することによって、その信号がCPU7
0に加えられ、シャッターボタンのロックを解除できる
ようになっている。そして、シャッターロックが解除さ
れると、主電池34の残量、又は主電池34によって撮
影が可能な枚数が液晶パネル60に表示されるようにな
っている。こうすることにより、消耗した補助電池40
をすぐに交換できない場合でも緊急的な措置として撮影
をすることができ、安心感があるという利点がある。
【0085】エマージェンシースイッチSEMG によって
シャッターボタンのロックを解除し、撮影を行うのは例
外的な使用形態であり、この状態で主電池34の放電を
無制限に容認すると該主電池34を再充電使用できなく
なることから、主電池34の再充電使用を希望する場合
には、エマージェンシースイッチSEMG によってシャッ
ターボタンのロックを解除した場合でも、主電池34の
残量が第2のレベルL2 を下回らない範囲で使用するこ
とが望ましい。
【0086】特に、エマージェンシースイッチSEMG を
操作してロックを解除した際に、CPU70がフイルム
カウンタからの信号に基づいてフイルム残量を検出し、
現に装填されている(使用中の)フイルムカートリッジ
の残枚数分の撮影を保証する限度において主電池34の
使用を許容し、それ以上の撮影は行えないように第2の
ロックをかけるようにしておくのがよい。
【0087】このように、フイルム残量に応じて第2の
ロックレベルを自動的に設定することにより、使い始め
たフイルムカートリッジについては最後まで撮影を行え
るという安心感があり、主電池34の放電が過度に進行
することもなく、主電池34の寿命を延ばすことができ
るという利点がある。他方、主電池34の再使用を考慮
せず、主電池34のエネルギーを使い尽くしてから交換
することを望む場合には、主電池34の残量が図13に
示した第3のレベルL3 に達するまで主電池34に蓄え
られているエネルギーを取り出してもよい。この場合、
主電池34が完全に消耗し主電池34の残量が第3のレ
ベルL3 に達した後、シャッターボタンをロック(第2
のロック)し、レリーズ操作を受付ないようにするとと
もに、主電池34の交換を促す警告を液晶パネル60に
表示するようにする。
【0088】次に、上記の如く構成されたカメラの処理
の流れについて説明する。図16は、カメラの処理の流
れを示すフロー図である。補助電池装填時のパワーON
リセット、又は主電池の交換によって、カメラシステム
で必要とされる初期処理を行う(S50)。初期処理に
は、例えば、時計表示の初期値のセット、主電池への充
電開始などが含まれる。
【0089】主電池34への充電が行われると(S5
2)、図14でも示したように、カメラはスイッチ操作
の受付を待機する(S54、S56)。スイッチ操作が
行われず、受付待機時間が所定の時間間隔tを経過する
毎に(S56)、予め定めたエネルギー比率の換算値に
従ってショットカウンタの小数部をインクリメントし
(S58)、処理はS54に戻る。
【0090】S54においてスイッチ入力が検出される
と処理はS60に進み、レリーズスイッチの入力である
か否かが判別される。シャッターボタンが押圧操作さ
れ、半押操作(SP1 オン)が検出されると、続いて主
電池34及び補助電池40のバッテリーチェックが行わ
れる(S72)。このときのバッテリーチェックは、図
6で示した主電池の両端電圧に基づいて行ってもよい
し、図9で示した主電池の充放電量の測定に基づいて行
ってもよい。なお、バッテリーチェックのサブルーチン
については後述する(図17)。
【0091】S72において、主電池34に蓄えられて
いる電気容量が不十分と判定された場合には、レリーズ
動作にロックをかけてレリーズ動作を禁止するとともに
(S74)、処理は(A)に戻る。S72において、主
電池34に蓄えられている電気容量が十分と判定された
場合には、測光、測距が行われ(S76、S78)、そ
の結果に基づいて露光値(AE値)及びフラッシュマチ
ック(FM)演算が行われる(S80)。続いて、レリ
ーズボタンが全押しされたか否かが検出され(S8
2)、全押しが確認された場合(SP2 オン)には、フ
ォーカシング動作が実行されて撮影レンズが合焦位置に
移動し(S84)、シャッターが開閉する(S86)。
なお、シャッター開中にストロボの発光が行われる。
【0092】撮影終了後、フイルムの1コマ巻き上げが
行われ(S88)、ショットカウンタがインクリメント
される(S90)。ところで、S60においてシャッタ
ーボタンの半押操作を示すSP1 以外のスイッチ、例え
ばズームスイッチ入力があった場合には、ズームモータ
が駆動され、ズームレンズが移動するなど操作に応じた
動作が実行される(S62)。そして、動作負荷に応じ
て消費されるエネルギー量を1ショットに対するエネル
ギー比率に換算し、ショットカウンタの小数部に加える
(S64)。同様に、S60において、その他の設定ス
イッチの入力があった場合には、それぞれの操作に応じ
た動作が行われ(S66)、各動作負荷に応じて消費さ
れるエネルギー量を1ショットに対するエネルギー比率
に換算し、ショットカウンタの小数部に加える(S6
8)。
【0093】このように、レリーズ操作以外の各種スイ
ッチの操作によるエネルギー消費もショットカウンタの
小数部として考慮することで、主電池の放電量を正確に
把握することができるようになっている。S90におい
て、ショットカウンタがインクリメントされると、総シ
ョットカウンタもまたインクリメントされる(S9
2)。総ショットカウンタは、主電池34の充電ともな
ってデクリメントされることなく、一つの主電池に対し
てショット数の総和をカウントし続ける。この総ショッ
トカウンタの値に基づいて、主電池34の寿命が判断さ
れる。
【0094】その後、ストロボ充電が許容される(S9
4)。続いて、ショットカウンタのカウント値が確認さ
れ(S96)、カウント値がゼロ以外であれば、処理は
(A)に戻り、主電池34へ充電を行う。このように、
ショットカウンタがゼロ以外のときには常に充電を許容
し、主電池をフル充電の状態に保つようにしている。こ
れにより、主電池の過放電を防止することができ、補助
電池が消耗しても主電池は十分に充電されているという
安心感があるという利点がある。
【0095】一方、S96においてカウント値がゼロの
場合は、主電池34は充電を必要としないほど十分なエ
ネルギーが蓄えられていることを意味するので、主電池
34への充電は省略し、処理は(B)に戻る。そしてス
イッチ入力待機状態(スタンバイ状態)となる。図17
は、図16に示したステップS72に関するバッテリー
チェックの処理の流れを示すフロー図である。
【0096】バッテリーチェックが開始されると(S1
02)、まず、補助電池(1次電池)40の残量がチェ
ックされる。補助電池40の残量が主電池34を充電す
るに足る所定のレベル以上あれば、処理はS116に進
み、図16に示したメインルーチンに戻り前述したS7
6以降の処理が実行される。S104において、補助電
池40の残量が所定のレベルに満たない場合(以下、バ
ッテリーチェックNGといい、図ではBCNGと略記す
る。)、続いて主電池(改良電池)34の残量が確認さ
れる(S106)。主電池34の残量が図15に示した
第1のレベルL1 よりも大きい場合、処理はS116に
進み、図16に示したメインルーチンに戻り前述したS
76以降の処理が実行される。
【0097】S106において、主電池34の残量が前
記第1のレベルL1 に到達している場合には、次いでエ
マージェンシースイッチSEMG が操作されたか否かを判
別する(S108)。エマージェンシースイッチSEMG
がオフの場合には、液晶パネル60に補助電池40を交
換すべき旨を示す警告を表示するとともに、主電池34
の残量が低下している旨を示す警告を表示する(S11
0)。そして、補助電池40及び主電池34ともにバッ
テリーチェックNGであることを示すフラグをセットす
る(S112)。このフラグがセットされると、図16
に示したメインルーチンに戻ったときに処理はS74に
進み、シャッターボタンの操作が禁止される。
【0098】ところで、S108において、エマージェ
ンシースイッチSEMG がオンの場合には、フイルムカウ
ンタからの信号に基づいてフイルム残量を検出し、残り
撮影枚数分の撮影に必要な電力を求め、主電池34の放
電を容認する限界を示すレベルを設定するとともに、エ
マージェンシースイッチSEMG による緊急使用状態であ
る旨を意味するフラグをセットする(S114)。その
後は図16に示したメインルーチンに戻り、設定された
残枚数分の撮影が可能となる。
【0099】上記実施の形態では、補助電池及び充電回
路は、主電池と共にカメラの内部にに組み込む場合につ
いて説明したが、補助電池及び充電回路はカメラと分離
された別体の充電装置とすることもできる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るカメラ
によれば、補助電池によって主電池を充電し、主電池か
ら撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給するよう
にしたので、補助電池としてマンガン系の単3型乾電池
等の安価で入手容易なものを利用することにより、電源
(補助電池)の消耗時には、補助電池のみを交換するだ
けでよく、主電池を交換する場合に比べて経済的で入手
し易いという安心感もあり、環境にも好ましいという利
点がある。特に、主電池としてメタルリチウム系の2次
電池を使用することにより、主電池からカメラ内の電力
消費手段に大容量大電流を供給することができるとも
に、自然放電が少ないため、長期間使用しなくてもいつ
でも撮影ができるという安心感がある。また、補助電池
の出力電圧を昇圧して主電池に印加するようにしたの
で、電圧の小さい補助電池によって主電池を充電でき、
補助電池の電気エネルギーを無駄なく利用できるという
利点がある。
【0101】そして、主電池の充電手段に定電流手段を
設け、主電池を常に一定の電流で充電するようにしたの
で、主電池の充電状態によらず、主電池内の化学反応を
一定の速度で進行させることができ安全に充電すること
ができる。また、使用に伴って補助電池の電圧が変化し
ても、主電池を一定電流で充電することができ、補助電
池を無駄なく利用できるという利点がある。
【0102】また、本発明によれば、主電池の充電中に
シャッターボタン等の外部操作手段によってカメラ操作
が施された場合には主電池の充電を中止し、外部操作手
段の操作に応じたカメラ処理を優先させるようにしたの
で、外部操作手段の操作に応じたカメラ処理と主電池の
充電を同時に実行する場合に比べて制御系の負担を軽減
することができる。従って、動作制御手段と充電制御手
段とを一つの中央演算処理装置(CPU)に兼備させる
ことができるとともに、主電池の過充電を防止すること
ができるという利点がある。
【0103】更に、また、本発明によれば、レリーズ操
作によって撮影が実行される毎にショット数を1づつイ
ンクリメントするとともに、補助電池から主電池に電気
エネルギーが供給されて主電池に蓄えられるエネルギー
の増加に合わせて、前記ショットカウンタのカウント値
を随時デクリメントさせる構成にすることで、主電池の
放電量を監視し、ショットカウンタがゼロ以外のときに
は常に充電を許容するようにしたので、主電池の過放電
を防止することができ、補助電池が消耗しても主電池は
十分に充電されているという安心感があるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されたカメラの正面内部
透視図である。
【図2】図2は、本発明が適用されたカメラの上面内部
透視図である。
【図3】図3は、本発明が適用されたカメラの側面内部
透視図である。
【図4】図4は、主電池を補助電池によって充電するた
めの充電回路を含むブロック図である。
【図5】図5は、昇圧回路の一例を示す回路図である。
【図6】図6は、カメラの制御系の構成を示すブロック
図である。
【図7】図7は、定電流回路の具体的な構成を示す回路
図である。
【図8】図8は、定電流回路の他の具体的な構成を示す
回路図である。
【図9】図9は、主電池の充電量及び放電量を管理する
ための管理手段の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、レリーズ操作に伴う1ショット分
の一連の動作を説明するためのフロー図である。
【図11】図11は、液晶パネルの表示内容の一例を説
明するために用いた液晶パネルの平面図である。
【図12】図12は、液晶パネルに表示する他の表示形
態を説明するために用いた説明図であり、(a)は、補
助電池の残量が十分にある場合の表示を示す説明図、
(b)は、補助電池が消耗した後の表示を示す説明図で
ある。
【図13】図13は、補助電池のバッテリーチェックの
処理の流れを示すフロー図である。
【図14】図14は、主電池の充電のシーケンスの一例
を示すフロー図である。
【図15】図15は、主電池の残量レベルと放充電の可
否の関係を説明するために用いた説明図である。
【図16】図16は、カメラの処理の流れを示すフロー
図である。
【図17】図17は、バッテリーチェックの処理の流れ
を示すフロー図である。
【符号の説明】
10…カメラ 14…カートリッジ室 16…フイルム巻取室 18…ストロボ装置 28…巻取スプール 30…フイルム給送用モータ 34…主電池 40…補助電池 43…制御回路実装スペース 44…昇圧回路実装スペース 50…充電回路 52…充電制御回路 54…昇圧回路 60…液晶パネル(LCD) 70…中央演算処理装置(CPU) 72…シャッター駆動回路 74…ストロボ回路 76…フイルム給送回路 78…EEPROM 82…定電流回路 92、96…差動アンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 豊 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 高橋 美宣 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士 写真光機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次電池の自己放電率と略等しく、且つ
    残量が所定の容量以上の場合に繰り返し放充電が可能な
    主電池から撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給
    するように構成されたカメラにおいて、 前記主電池に充電エネルギーを供給する補助電池と、 前記補助電池の出力電圧を昇圧する昇圧手段、及び該昇
    圧手段を介して前記主電池に供給される電流を一定に保
    つ定電流手段を有し、前記主電池を充電する充電手段
    と、 を備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 1次電池の自己放電率と略等しく、且つ
    残量が所定の容量以上の場合に繰り返し放充電が可能な
    主電池から撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給
    するように構成されたカメラにおいて、 前記主電池に充電エネルギーを供給する補助電池と、 前記補助電池の出力電圧を昇圧する昇圧手段を有し、該
    昇圧手段を介して電力を前記主電池に供給し、該主電池
    を充電する充電手段と、 前記主電池がフル充電に満たない場合に前記充電手段に
    よる主電池の充電を許容し、前記主電池がフル充電に達
    した場合に前記充電手段による主電池の充電を終了させ
    る充電制御手段と、 外部操作手段の操作に応じて前記電力消費手段の動作を
    制御する動作制御手段と、 前記外部操作手段によってカメラの操作が行われた場合
    に、前記充電手段による主電池の充電を禁止し、前記外
    部操作手段の操作に応じた前記電力消費手段の動作が終
    了した後に前記充電手段による主電池の充電を許容する
    充電禁止手段と、 を備えたことを特徴とするカメラ。
  3. 【請求項3】 1次電池の自己放電率と略等しく、且つ
    残量が所定の容量以上の場合に繰り返し放充電が可能な
    主電池から撮影動作に必要な電力消費手段に電力を供給
    するように構成されたカメラにおいて、 前記主電池に充電エネルギーを供給する補助電池と、 前記補助電池の出力電圧を昇圧する昇圧手段を有し、該
    昇圧手段を介して電力を前記主電池に供給し、該主電池
    を充電する充電手段と、 レリーズ操作に伴う一連の撮影動作を1ショットとし、
    レリーズ操作毎にショット数を加算して計数するショッ
    トカウンタと、 前記充電手段によって前記主電池が完全に充電された状
    態に達したときに、前記ショットカウンタのカウント値
    をゼロにリセットするリセット手段と、 前記補助電池から前記昇圧手段を介して前記主電池にエ
    ネルギーが供給され、前記主電池に供給されるエネルギ
    ーが増大するに連れて、前記ショットカウンタのカウン
    ト値を減少させるデクリメント手段と、 前記ショットカウンタのカウント値に基づいて前記主電
    池の残量を求める残量検出手段と、 前記ショットカウンタのカウント値がゼロの場合に前記
    充電手段による主電池の充電を禁止し、前記ショットカ
    ウンタのカウント値がゼロ以外の場合に前記充電手段に
    よる主電池の充電を許容する充電制御手段と、 を備えたことを特徴とするカメラ。
  4. 【請求項4】 前記主電池はメタルリチウム系の2次電
    池であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカ
    メラ。
  5. 【請求項5】 前記補助電池はマンガン系の1次電池で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカメ
    ラ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6841780B2 (en) 2001-01-19 2005-01-11 Honeywell International Inc. Method and apparatus for detecting objects
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