JPH10310580A - クラウンc60錯体およびその製造法 - Google Patents

クラウンc60錯体およびその製造法

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JPH10310580A
JPH10310580A JP5985498A JP5985498A JPH10310580A JP H10310580 A JPH10310580 A JP H10310580A JP 5985498 A JP5985498 A JP 5985498A JP 5985498 A JP5985498 A JP 5985498A JP H10310580 A JPH10310580 A JP H10310580A
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ether
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JP5985498A
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Zenichi Yoshida
善一 吉田
Yoshio Matsubara
凱男 松原
Hitohiro Yamaguchi
仁宏 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性物質として有望なクラウンC60錯体お
よびその製造法を提供すること。 【解決手段】 一般式〔I〕 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、N−RまたはP−
Rを示し、ここでRは低級アルキル基またはアリール基
を表わす。)で示されるクラウンC60錯体、その製造法
および超大環状クラウンエーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性物質として
有望なクラウンC60錯体およびその製造法に関する。さ
らには、その合成前駆体となる超大環状クラウンエーテ
ルおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明のクラウンC60錯体は文献未記載
の新規化合物であり、本発明者らによって初めて見出さ
れたものである。
【0003】従って、該クラウンC60錯体の具体的な物
性値はもちろんのこと、その製造法についても従来知ら
れていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のクラ
ウンC60錯体およびその製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式〔I〕 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、N−RまたはP−
Rを示し、ここでRは低級アルキル基またはアリール基
を表わす。)で示されるクラウンC60錯体およびその製
造法、さらにはその合成前駆体である一般式〔V〕 (式中、nは6〜12の整数を表わす。)で示される超
大環状クラウンエーテルおよびその製造法を提供するも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】クラウンC60錯体〔I〕の具体例として
は、例えば以下の化合物が挙げられる。 28−クラウ
ン−4−C60錯体、32−クラウン−4−C60錯体、3
6−クラウン−4−C60錯体、36−クラウン−8−C
60錯体、36−クラウン−12−C60錯体、40−クラ
ウン−4−C60錯体、42−クラウン−14−C60
体、44−クラウン−4−C60錯体、48−クラウン−
4−C60錯体、48−クラウン−16−C60錯体。
【0008】本発明のクラウンC60錯体〔I〕は、 C
60と一般式〔II〕 (式中、Xは、前記と同じ意味を表わす。)で示される
クラウン類とを反応させる方法またはC60ラジカルアニ
オンと一般式〔II〕で示されるクラウン類とを反応させ
てC60ラジカルアニオン−クラウン錯体を得、次いで該
錯体を酸化する方法により製造することができる。
【0009】本発明の製造法に用いられる一般式〔II〕
で示されるクラウン類の具体例としては、例えば以下の
化合物が挙げられる。28−クラウン−4、32−クラ
ウン−4、36−クラウン−4、36−クラウン−8、
36−クラウン−12、40−クラウン−4、42−ク
ラウン−14、44−クラウン−4、48−クラウン−
4、48−クラウン−16。
【0010】まず、C60と一般式〔II〕で示されるクラ
ウン類とを反応させる方法について説明する。クラウン
類〔II〕の使用量は、反応原料のC60に対して通常0.
5〜20モル倍、好ましくは1〜12モル倍である。
【0011】本反応は無溶媒でも溶媒中でも行われ、溶
媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系
溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル
系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリ
ル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等
のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール系溶媒、水等の単独または
混合物が挙げられ、これらの使用量は特に制限されな
い。
【0012】反応温度は通常0〜250℃、好ましくは
50〜200℃であり、反応時間は特に制限されること
はなない。反応終了後、例えば反応混合物をろ過、洗浄
し、目的とするクラウンC60錯体〔I〕を得ることがで
きる。
【0013】次に、 C60ラジカルアニオンと一般式〔I
I〕で示されるクラウン類とを反応させてC60ラジカル
アニオン−クラウン錯体を得、次いで該錯体を酸化する
方法について説明する。クラウン類〔II〕の使用量は、
反応原料のC60ラジカルアニオンに対して通常0.5〜
20モル倍、好ましくは1〜12モル倍である。
【0014】本反応は通常溶媒中で行われ、溶媒として
は、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オ
クタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド
系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶
媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール系溶媒、水等の単独または混合物が挙げられ、
これらの使用量は特に制限されない。
【0015】C60ラジカルアニオン−クラウン錯体は、
60ラジカルアニオンとクラウンエーテル〔II〕を混合
することにより得られ、通常は単離せずに次の酸化反応
に用いることができる。反応温度は通常0〜100℃で
あり、反応時間は特に制限されることはない。
【0016】酸化反応に用いられる酸化剤としては、例
えば、次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ等の塩素酸
塩、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安息香酸等
の過酸類、t−ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒド
ロペルオキシド等のアルキルヒドロペルオキシド類、ジ
−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等の
アルキルペルオキシド類、ヨードシルベンゼン等のヨー
ドシル芳香族類、過酸化水素、酸素、空気等が挙げら
れ、その使用量は、反応原料のC60ラジカルアニオン−
クラウン錯体に対して通常0.5〜10モル倍、好まし
くは1〜5モル倍である。
【0017】本反応は通常溶媒中で行われ、溶媒として
は、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オ
クタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド
系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶
媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール系溶媒、水等の単独または混合物が挙げられ、
これらの使用量は特に制限されない。
【0018】反応温度は通常0〜100℃である。反応
時間は特に制限されることはない。反応終了後、例えば
反応混合物から溶媒を留去すると、目的とするクラウン
60錯体〔I〕を得ることができる。
【0019】反応原料であるC60ラジカルアニオンは公
知のC60と還元剤とをアルカリ存在下反応させることに
より製造される。
【0020】還元剤の具体例としては、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、亜鉛、スズ等の金属類、ハイド
ロサルファイト等が挙げられ、好ましくは、亜鉛または
ハイドロサルファイトである。その使用量はC60に対し
て通常、1〜200モル倍である。
【0021】アルカリとしては、例えば、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネ
シウム等の水酸化塩が挙げられ、好ましくは、水酸化ナ
トリウムである。その使用量はC60に対して通常、1〜
500モル倍、好ましくは200〜500モル倍であ
る。
【0022】本反応は通常水と有機溶媒との混合系中で
行われ、有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系
溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等の
スルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール系溶媒等の単独または混合物
が挙げられ、これらの使用量は特に制限されない。
【0023】反応温度は通常、−20〜100℃であ
る。反応終了後、生成したC60ラジカルアニオンは単離
してもよいが、通常反応混合物のまま次の工程に供する
ことができる。
【0024】次に一般式[V] (式中、nは6〜12の整数を表わす。)で示される新
規な超大環状クラウンエーテルの製造方法について説明
する。該化合物は一般式〔III〕 (式中、nは前記と同じ意味を表わす。)で示されるジ
(ヒドロキシアルキル)エーテルと一般式〔IV〕 (式中、R'は低級アルキル基またはアリール基、nは
前記と同じ意味を表わす。)で示されるジ(スルホニル
オキシアルキル)エーテルとを塩基共存下反応させるこ
とにより製造される。
【0025】ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル[III]
の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
ジ(ヒドロキシヘキシル)エーテル、ジ(ヒドロキシヘ
プチル)エーテル、ジ(ヒドロキシオクチル)エーテ
ル、ジ(ヒドロキシノニル)エーテル、ジ(ヒドロキシ
デシル)エーテル、ジ(ヒドロキシウンデシル)エーテ
ル、ジ(ヒドロキシドデシル)エーテル。
【0026】一般式〔IV〕で示されるジ(スルホニルオ
キシアルキル)エーテル中のR'としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基等の低級アルキル基またはフ
ェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル
基、 o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、
p−クロロフェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙
げられ、ジ(スルホニルオキシアルキル)エーテルの具
体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。ジ
(メシロキシヘキシル)エーテル、ジ(メシロキシヘプ
チル)エーテル、ジ(トシロキシオクチル)エーテル、
ジ(トシロキシノニル)エーテル、ジ(トシロキシデシ
ル)エーテル、ジ(メシロキシウンデシル)エーテル、
ジ(トシロキシドデシル)エーテル。
【0027】ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル[III]
の使用量はジ(スルホニルオキシアルキル)エーテル
〔IV〕に対して通常0.5〜5モル倍、好ましくは1〜
3モル倍である。
【0028】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、
カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カ
リウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、
ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基が挙げられ、そ
の使用量はジ(ヒドロキシアルキル)エーテル[III]に
対して通常1〜8モル倍、好ましくは2〜5モル倍であ
る。
【0029】反応温度は通常、−20〜100℃であ
り、ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル[III]に塩基を
仕込んだ後、ジ(スルホニルオキシアルキル)エーテル
[IV]を仕込もことにより反応を行う。反応終了後、例え
ば塩化アンモニウム水溶液を加え、分液、濃縮後シリカ
ゲルカラムクロマトにより精製し、超大環状クラウンエ
ーテル[V]を得ることができる。
【0030】原料の一つであるジ(ヒドロキシアルキ
ル)エーテル[III]は相当するジオールより例えば以下
に示す公知の方法で製造することができる。
【0031】ジオールをN−ブロモサクシンイミド、
臭素等の臭素化剤によりモノ臭素化後、p−トルエン
スルホン酸ピリジニウム等の酸触媒存在下ジヒドロピラ
ンと反応させ、テトラヒドロピラニルエーテルに変換す
る。該エーテルを原料ジオールのジアニオンと反応
後、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
酸により脱保護することによりジ(ヒドロキシアルキ
ル)エーテル[III]を得る。
【0032】また、もう一方の原料であるジ(スルホニ
ルオキシアルキル)エーテル〔IV〕はジ(ヒドロキシア
ルキル)エーテル[III]をトリエチルアミン、N,N−
ジメチルアミノピリジン等の3級アミン存在下トシルク
ロリド、メシルクロリド等のスルホニル化剤を反応させ
る公知の方法により製造することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば一般式〔I〕で示される
クラウンC60錯体を好収率、容易に得ることができ、工
業的に極めて有利である。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明がこれによって限定されるものでないことはいうま
でもない。
【0035】実施例1 36−クラウン−4の合成 (1)8−ブロモ−1−オクタノールの合成 1,8−オクタンジオール5.85gをベンゼン100
mlに溶かし、常温で数分間攪拌した。この溶液に47
%臭化水素14mlを加え、100℃で14.5時間還
流した。次に、室温に戻した後、水50mlを加え、ベ
ンゼン200mlにより反応生成物を抽出した。このベ
ンゼン溶液を水、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩
水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ベンゼン
を留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、8−ブロ
モ−1−オクタノール8.08g(収率96.6%)を
得た。 (2)8−ブロモ−1−オクタノールのテトラヒドロピ
ラニルエーテル化 8−ブロモ−1−オクタノール7.69gをジクロロメ
タン60mlに溶かし、常温で数分間攪拌した。この溶
液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン10.1mlと触
媒量のp−トルエンスルホン酸ピリジニウムを加え、塩
化カルシウム管を付け常温で11時間攪拌した。200
mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分液後、
水層をさらにジクロロメタンで抽出し、先の有機層と合
わせたジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥、
濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、(8−ブ
ロモ−1−オクチル)テトラヒドロピラニルエーテル1
0.78g(収率94.8%)を得た。 (3)ジ(ヒドロキシオクチル)エーテルのモノテトラ
ヒドロピラニルエーテル体の合成 1,8−オクタンジオール10.21gに60%水素化
ナトリウム8.38gを加え、窒素雰囲気下でジメチル
スルホキシド100mlを加え常温で2時間攪拌した
後、(8−ブロモ−1−オクチル)テトラヒドロピラニ
ルエーテル10.78gのジメチルスルホキシド100
ml 溶液を滴下し、常温でさらに14時間攪拌した。
500mlの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エー
テルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得
られた残さをシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢
酸エチル=4:1→1:1)で精製し、ジ(ヒドロキシ
オクチル)エーテルのモノテトラヒドロピラニルエーテ
ル7.83g(収率62.7%)を得た。 (4)ジ(ヒドロキシオクチル)エーテルの合成 ジ(ヒドロキシオクチル)エーテルのモノテトラヒドロ
ピラニルエーテル7.83gをメタノール200mlに
溶かし、p−トルエンスルホン酸1.09gを加え、常
温で1.5時間攪拌した。400mlの飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、硫酸
マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残さをシリカ
ゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)
で精製し、ジ(ヒドロキシオクチル)エーテル5.57
g(収率93.5%)を得た。1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ3.63
(4H,t,J=6.5Hz),3.39(4H,
t,J=6.6Hz),1.50−1.62(8H,
m),1.33(16H,bs) (5)ジ(トシロキシオクチル)エーテルの合成 ジ(ヒドロキシオクチル)エーテル2.79gをジクロ
ロメタン100mlに溶かし、トリエチルアミン8.5
ml、p−トルエンスルホニルクロリド5.91g、触
媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを加え、塩化カ
ルシウム管を付け常温で45分間攪拌した。300ml
の飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン
で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られ
た残さをシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1)で精製し、ジ(トシロキシオクチル)エ
ーテル6.00g(収率99.9%)を得た。1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ7.79a
nd7.34(AA’XX’system,8H,JAX=J
A'X'=8.1Hz)4.02(4H, t,J=6.5
Hz),3.38(4H, t,J=6.5Hz),
2.45(6H,s),1.47−1.68(8H,
m)、1.25(16H,bs) (6)36−クラウン−4の合成 ジ(ヒドロキシオクチル)エーテル340mgにカリウ
ムt−ブトキシド421mgを加え、窒素雰囲気下でジ
メチルスルホキシド30mlを加え100℃で2時間攪
拌した後、常温まで冷却し、ジ(トシロキシオクチル)
エーテル0.68gのジメチルスルホキシド30ml
溶液を滴下し、常温で14時間攪拌した。300mlの
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残さ
をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=
20:1→10:1)で精製し、36−クラウン−4を
66mg(収率11%)得た。 mp:44.0−45.0℃1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ3.39
(16H,t,J=6.5Hz),1.56(16H,
m),1.32(32H,bs)13 C−NMR(125MHz,CDCl3)δ70.7
(t),29.7(t),29.3(t),26.0
(t) 高分解能マススペクトル:m/Z 512.4804(計
算値512.4804)
【0036】実施例2 40−クラウン−4の合成 (1)9−ブロモ−1−ノナノールの合成 1,9−ノナンジオール6.40gをベンゼン100m
lに溶かし、常温で数分間攪拌した。この溶液に47%
臭化水素14mlを加え、100℃で16時間還流し
た。次に、室温に戻した後、水50mlを加え、ベンゼ
ン200mlにより反応生成物を抽出した。このベンゼ
ン溶液を水、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の
順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ベンゼンを留
去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト(ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、9−ブロモ−
1−ノナノール8.13g(収率91.1%)を得た。 (2)9−ブロモ−1−ノナノールのテトラヒドロピラ
ニルエーテル化9−ブロモ−1−ノナノール8.13g
をジクロロメタン60mlに溶かし、常温で数分間攪拌
した。この溶液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン1
0.0mlと触媒量のp−トルエンスルホン酸ピリジニ
ウムを加え、塩化カルシウム管を付け常温で1時間攪拌
した。200mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、分液後、水層をさらにジクロロメタンで抽出し、先
の有機層と合わせたジクロロメタン溶液を硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラ
ムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製
し、(9−ブロモ−1−ノニル)テトラヒドロピラニル
エーテル11.22g(収率99.5%)を得た。 (3)ジ(ヒドロキシノニル)エーテルのモノテトラヒ
ドロピラニルエーテル体の合成 1,9−ノナンジオール11.62gに60%水素化ナ
トリウム8.7gを加え、窒素雰囲気下でジメチルスル
ホキシド100mlを加え常温で2時間攪拌した後、
(9−ブロモ−1−ノニル)テトラヒドロピラニルエー
テル11.14gのジメチルスルホキシド100ml
溶液を滴下し、常温でさらに20時間攪拌した。500
mlの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで
抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた
残さをシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチ
ル=10:1→4:1)で精製し、ジ(ヒドロキシノニ
ル)エーテルのモノテトラヒドロピラニルエーテル8.
15g(収率58.5%)を得た。 (4)ジ(ヒドロキシノニル)エーテルの合成 ジ(ヒドロキシノニル)エーテルのモノテトラヒドロピ
ラニルエーテル8.51gをメタノール200mlに溶
かし、p−トルエンスルホン酸1.50gを加え、常温
で1時間攪拌した。400mlの飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネ
シウムで乾燥、濃縮した。得られた残さをシリカゲルカ
ラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製
し、ジ(ヒドロキシノニル)エーテル5.83g(収率
88.2%)を得た。1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ3.63
(4H,t,J=6.5Hz),3.39(4H,
t,J=6.6Hz),1.51−1.62(8H,
m),1.31(20H,bs) (5)ジ(トシロキシノニル)エーテルの合成 ジ(ヒドロキシノニル)エーテル2.91gをジクロロ
メタン100mlに溶かし、トリエチルアミン8.0m
l、p−トルエンスルホニルクロリド5.5g、触媒量
のN,N−ジメチルアミノピリジンを加え、塩化カルシ
ウム管を付け常温で1時間攪拌した。500mlの飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残さ
をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で精製し、ジ(トシロキシノニル)エーテル
5.83g(収率定量的)を得た。1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ7.79a
nd7.34(AA’XX’system,8H,JAX=J
A'X'=8.1Hz)4.02(4H, t,J=6.5
Hz),3.38(4H, t,J=6.5Hz),
2.45(6H,s),1.48−1.68(8H,
m)、1.23(20H,bs) (6)40−クラウン−4の合成 ジ(ヒドロキシノニル)エーテル120mgに水素化ナ
トリウム48mgを加え、窒素雰囲気下でジメチルスル
ホキシド15mlを加え常温で2時間攪拌した後、ジ
(トシロキシノニル)エーテル130mgのジメチルス
ルホキシド15ml溶液を滴下し、常温でさらに15時
間攪拌した。300mlの飽和塩化アンモニウム水溶液
を加え、エーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、
濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
(ヘキサン:酢酸エチル=20:1→10:1)で精製
し、40−クラウン−4を11mg(収率9.7%)得
た。 mp:58.0−59.0℃1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ3.40
(16H,t,J=6.5Hz),1.56(16H,
m),1.32(40H,bs)13 C−NMR(68MHz,CDCl3)δ70.8
(t),29.7(t),29.4(t),29.2
(t),26.1(t) 高分解能マススペクトル:m/Z 568.5451(計
算値568.5430)
【0037】実施例3 アルゴン雰囲気下、C6021.6mg、亜鉛末300m
g、水酸化ナトリウム600mg、テトラヒドロフラン
15ml、水10mlの混合物を室温で15分攪拌す
る。反応混合物を分液して得られるテトラヒドロフラン
層(C60ラジカルアニオン含有)に36−クラウン−1
2が15.9mg含有されたテトラヒドロフラン溶液1
0mlを加え、50分還流させる(C60ラジカルアニオ
ン−クラウン錯体が生成する。)。反応溶液に水15m
lを加え、還流下に空気を1時間通気させた後、不溶物
をろ去する。ろ液を減圧濃縮してテトラヒドロフランを
留去した水溶液を塩化ナトリウムにより塩析させると褐
色の沈殿が析出する。遠心分離後、該沈殿を水により抽
出し、得られた水溶液を減圧濃縮し、36−クラウン−
12−C60錯体16mgを得た。 IR: (単位:cm- )2920,1429,1259,1183,110
0,807,576,527 紫外・可視スペクトル(トルエン溶液):図1に記載
【0038】実施例4 C6036mgと42−クラウン−14(308mg)を
混合し、トルエン中2日間還流した。室温まで冷却後、
沈殿をベンゼンで洗浄し、42−クラウン−14−C60
錯体12mgを得た。 IR: (単位:cm- )2868,1429,1258,1182,109
9, 807,576,526 紫外・可視スペクトル(トルエン溶液):図1に記載
【0039】実施例5 42−クラウン−14(308mg)の代わりに48−
クラウン−16(352mg)を使用する以外は実施例
4と同様の操作を行い、48−クラウン−16−C60
体10mgを得た。 IR: (単位:cm- )2864,1429,1258,1183,110
2, 808,576,527 紫外・可視スペクトル(トルエン溶液):図1に記載
【0040】実施例6 ナス型フラスコにC6041.3mgと36−クラウン−
4(83.4mg)を入れ、容器内をアルゴンで置換し
150℃の油浴につけ82時間攪拌した。反応容器を室
温まで冷却しシクロヘキサン10mlを加え十分攪拌し
た後、遠心分離(3000rpm)を5分間行い、シク
ロヘキサン溶液と残さに分画した。残さに再びシクロヘ
キサン10mlを加え十分攪拌した後、遠心分離(30
00rpm)を5分間行い、シクロヘキサン溶液と残さ
に分画した。このようにして得られた残さにトルエン1
0mlを加え十分攪拌した後、遠心分離(3000rp
m)を5分間行い、36−クラウン−4−C60錯体2
8.5mgを得た。 IR: (単位:cm- )2921,2850,1729,1430,118
3,1072, 577,527 紫外・可視スペクトル(トルエン溶液):図2に記載
【0041】実施例7 36−クラウン−4の代わりに40−クラウン−4を使
用する以外は実施例6と同様の操作を行い、40−クラ
ウン−4−C60錯体を得た。 IR: (単位:cm- )2923,2851,1429,1183,110
1, 576,527 紫外・可視スペクトル(トルエン溶液):図2に記載
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例3、4、5の紫外・可視スペクト
ルである。
【図2】図2は実施例6、7の紫外・可視スペクトルで
ある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、N−RまたはP−
    Rを示し、ここでRは低級アルキル基またはアリール基
    を表わす。)で示されるクラウンC60錯体。
  2. 【請求項2】一般式〔I〕においてXが、酸素原子であ
    る請求項1に記載のクラウンC60錯体。
  3. 【請求項3】C60と一般式〔II〕 (式中、Xは、前記と同じ意味を表わす。)で示される
    クラウン類とを反応させることを特徴とする前記一般式
    〔I〕で示されるクラウンC60錯体の製造法。
  4. 【請求項4】C60ラジカルアニオンと一般式〔II〕で示
    されるクラウン類とを反応させC60ラジカルアニオン−
    クラウン錯体を得、該錯体を酸化することを特徴とする
    前記一般式〔I〕で示されるクラウンC60錯体の製造
    法。
  5. 【請求項5】C60と還元剤とをアルカリ存在下に反応さ
    せてC60ラジカルアニオンを得、次いで該C60ラジカル
    アニオンと一般式〔II〕で示されるクラウン類とを反応
    させC 60ラジカルアニオン−クラウン錯体を得、次いで
    該錯体を酸化することを特徴とする前記一般式〔I〕で
    示されるクラウンC60錯体の製造法。
  6. 【請求項6】一般式〔III〕 (式中、nは6〜12の整数を表わす。)で示されるジ
    (ヒドロキシアルキル)エーテルと一般式〔IV〕 (式中、R'は低級アルキル基またはアリール基、nは
    前記と同じ意味を表わす。)で示されるジ(スルホニル
    オキシアルキル)エーテルとを塩基共存下反応させるこ
    とを特徴とする一般式〔V〕 (式中、nは前記と同じ意味を表わす。)で示される超
    大環状クラウンエーテルの製造方法。
  7. 【請求項7】一般式〔III〕、〔IV〕、〔V〕におい
    て、nが8または9である請求項6記載の超大環状クラ
    ウンエーテルの製造方法。
  8. 【請求項8】一般式〔V〕で示される超大環状クラウン
    エーテル。
  9. 【請求項9】請求項8記載の一般式〔V〕で示される超
    大環状クラウンエーテルにおいて、nが8である36−
    クラウン−4またはnが9である40−クラウン−4。
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