JPH10310568A - N−アルコキシカルボニル−l−アスパラギン - Google Patents

N−アルコキシカルボニル−l−アスパラギン

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JPH10310568A
JPH10310568A JP12075297A JP12075297A JPH10310568A JP H10310568 A JPH10310568 A JP H10310568A JP 12075297 A JP12075297 A JP 12075297A JP 12075297 A JP12075297 A JP 12075297A JP H10310568 A JPH10310568 A JP H10310568A
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JP
Japan
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asparagine
water
formula
alkoxycarbonyl
solvent
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Pending
Application number
JP12075297A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Yuuzou Kasuga
優三 春日
Ken Okamoto
謙 岡本
Takeshi Murakami
健 邑上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬、農薬用中間体として有用な化合物を新
規に提供する。 【解決手段】 式(1)で表されるN−アルコキシカル
ボニル−L−アスパラギンを提供する。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−アルコキシカ
ルボニル−L−アスパラギンに関するものである。本発
明のこの化合物は新規化合物であり、医薬や農薬などの
合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】雑誌「Bioorganic & Me
dicinal ChemistryLetters.
Vol.6,No.3,339(1996)」には、式
(2)
【0003】
【化2】
【0004】(式中、Rは炭素数1〜4の直鎖のアルキ
ル基を示す。)で表される化合物が、心臓病用医薬とし
て有用な旨記載する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上式(2)
で表される医薬の製造用原料の中間体として有用なN−
アルコキシカルボニル−L−アスパラギン酸の提供を目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは炭素数1〜4の直鎖のアルキ
ル基を示す。)で表されるN−アルコキシカルボニル−
L−アスパラギンを提供するものである。
【0009】
【作用】式(1)で表されるN−アルコキシカルボニル
−L−アスパラギンから式(2)で表される医薬は次の
工程を経て製造される。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の式(1)で表されるN−アルコキシカルボニル
−L−アスパラギンは、例えば、L−アスパラギンをア
ルカリ水溶液に溶解させ、次いで脱塩酸剤の存在下にク
ロロ蟻酸アルキルと反応させることにより容易に製造す
ることができる。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4の直鎖のアルキ
ル基を示す。) 具体的には、L−アスパラギンをアルカリで塩とするこ
とにより溶媒に溶解せしめ、次いで、脱酸剤を添加して
pHを制御しつつ、クロロ蟻酸アルキルを添加していく
方法が用いられる。L−アスパラギンの溶解では、アル
カリ水溶液にL−アスパラギンを添加、あるいは水に懸
濁後にアルカリ水溶液を添加する方法のいずれで行って
もかまわない。この際に使用されるアルカリ量は、L−
アスパラギンに対して等モルあればよい。
【0015】溶媒としては、水が最も好ましいが、水溶
性有機溶媒と水との混合溶媒を使用してもかまわない。
水溶性有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、テト
ラヒドロフラン、メタノール、エタノール等が挙げられ
る。溶媒量は、L−アスパラギンに対して通常2倍体積
以上、好ましくは3〜10倍量である。
【0016】L−アスパラギンの溶解に使用されるアル
カリは、生成するカルボン酸塩が前記の溶媒中に溶解す
るものであればよく、通常、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等が使用される。また、これらのアルカリは、
固体状態および溶液状態のいずれで供給してもよい。反
応中のpHは、副反応を抑制するために、通常8〜13
のアルカリ性に保たれる。好ましくはpH11〜13の
範囲である。
【0017】pH制御に使用される脱酸剤は、通常、水
酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムの固体もしくは
水溶液、アンモニア水等が用いられる。反応温度は、通
常0〜80℃、好ましくは20〜40℃である。反応終
了後は、塩酸、硫酸等の強酸の添加によって反応液を酸
性にしてカルボキシル基を遊離させ、析出した結晶を濾
別することにより、N−アルコキシカルボニル−L−ア
スパラギンを高純度、高収率で得ることができる。
【0018】N−アルコキシカルボニル−L−アスパラ
ギン酸の取り出し方法は、前述の如き酸析法や、酸性に
した反応液を濃縮乾固した後に溶媒抽出する方法等、特
に制限されるものではない。式(1)で表されるN−ア
ルコキシカルボニル−L−アスパラギン酸のRとして
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基が挙げられる。従って、2−N−アルコキシカルボニ
ル−L−アスパラギンの具体例としては、2−N−メト
キシカルボニル−L−アスパラギン、2−N−エトキシ
カルボニル−L−アスパラギン、2−N−n−プロポキ
シカルボニル−L−アスパラギン、2−N−n−ブトキ
シカルボニル−L−アスパラギンが挙げられる。これら
の中でも、2−N−n−ブトキシカルボニル−L−アス
パラギンが収率、安定性の面で好ましい。2−N−te
rt−ブトキシカルボニル−L−アスパラギンは、酸性
中での安定性が極めて悪く、有機合成上非常に有用なア
スパラギン誘導体の利用範囲を著しく制限するので好ま
しくない。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明する。 (実施例1)水 2.81リットルにL−アスパラギン
1水和物 0.703kgを懸濁させた後に25%水酸
化ナトリウム水溶液 0.749kgを添加し、L−ア
スパラギンをカルボン酸ナトリウム塩とした。このと
き、pHは12.0で、L−アスパラギンナトリウム塩
は完全に溶解した。次いで、クロロ蟻酸−n−ブチル
0.684kgと25%水酸化ナトリウム水溶液 0.
801kgとを、反応液中のpHを12±0.5に、温
度を25〜26℃に維持しながら4時間かけて添加し
た。
【0020】反応液を2時間熟成した後、40℃まで昇
温し、35%塩酸 0.488kgを添加した。この
際、pHが約4付近から結晶が析出し始め、最終的に
は、pHは0.6になった。次いで、反応液を5℃まで
冷却した後、析出した結晶を濾別し、水 0.7リット
ルで洗浄した。得られた結晶を、水 3.8リットルに
懸濁し、室温で約1時間撹拌した後に濾別し、再度、水
0.7リットルで洗浄し、湿N−n−ブトキシカルボニ
ル−L−アスパラギン 1.54kg(収率92%)を
得た。この湿ケーキの固形分は65%で、乾燥品の純度
は100%であった。
【0021】1H-NMR(d6-DMSO,400MHz) δ(ppm) 0.87(t,J=7.2Hz,3H), 1.31(sex.,J=7.2Hz,2H) 1.51(quin.,J=6.8Hz,2H), 2.35 〜2.55(m,2H), 3.90(t,J=6.4Hz,2H), 4.27(m,1H), 6.90(s,1H) 7.20(d,J=8.0Hz,1H), 7.31(s,1H), 12.60(s,1H) IR(KBr) ν(cm-1) 3360, 2945, 1607, 1581, 1542, 1263, 1067
【0022】(実施例2)水 140.5ミリリットル
にL−アスパラギン1水和物 35.15gを懸濁させ
た後に25%水酸化ナトリウム水溶液 35.95gを
添加し、L−アスパラギンをカルボン酸ナトリウム塩と
した。このとき、pHは12.1で、L−アスパラギン
ナトリウム塩は完全に溶解した。ついで、クロロ蟻酸メ
チル 42.02gと25%水酸化ナトリウム 85.
32gとを、反応液中のpHを12.5±0.5に、温
度を20〜25℃に維持しながら3時間かけて添加し
た。次いで、反応液を1時間熟成してから35%塩酸
25.8gを添加してpHを1.5にした後、反応液を
濃縮乾固し、残さにメタノール 270ミリリットルを
添加して30分攪拌した後、不溶物を濾別した。濾液を
無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過して固体を取
り除き、濾液からメタノール 200ミリリットルを留
去し、これにテトラヒドロフラン 300ミリリットル
を添加して30分攪拌した。不溶物を濾別した後、濾液
を蒸発乾固し、N−メトキシカルボニル−L−アスパラ
ギン 38.0g(収率75%)を得た。この純度は9
9%であった。
【0023】1H-NMR(d6-DMSO,400MHz) δ(ppm) 3.52(s,3H), 4.25 〜4.29(m,1H) 2.38 〜2.54(m,2H), 6.87(s,1H), 7.23(d,J=8.0Hz,1H), 7.34(s,1H) 13.7 〜11.7(br-s,1H) IR(KBr) ν(cm-1) 3435, 3320, 2990, 1719, 1693, 1631, 1576,
1532,1450, 1359, 1300, 1253, 1225, 1061,
【0024】
【発明の効果】本発明により、医薬、農薬用の中間体と
して有用なN−アルコキシカルボニルアスパラギンを新
規に提案することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 謙 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所開発研究所 内 (72)発明者 邑上 健 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所開発研究所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基を示
    す。)で表されるN−アルコキシカルボニル−L−アス
    パラギン。
  2. 【請求項2】 式(1)において、Rがn−ブチル基で
    ある請求項1記載のN−アルコキシカルボニル−L−ア
    スパラギン。
  3. 【請求項3】 L−アスパラギンをアルカリ水溶液に溶
    解させ、次いで脱塩酸剤の存在下にクロロ蟻酸アルキル
    と反応させて請求項1の式(1)で表されるN−アルコ
    キシカルボニル−L−アスパラギンを製造する方法。
JP12075297A 1997-05-12 1997-05-12 N−アルコキシカルボニル−l−アスパラギン Pending JPH10310568A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6674615B2 (en) 1999-12-14 2004-01-06 Nec Corporation Magneto-resistance effect head and magnetic storage device employing the head
JP2011063590A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Sekisui Medical Co Ltd N−保護アミノ酸の製造方法

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US6674615B2 (en) 1999-12-14 2004-01-06 Nec Corporation Magneto-resistance effect head and magnetic storage device employing the head
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