JPH10310047A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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Publication number
JPH10310047A
JPH10310047A JP12232597A JP12232597A JPH10310047A JP H10310047 A JPH10310047 A JP H10310047A JP 12232597 A JP12232597 A JP 12232597A JP 12232597 A JP12232597 A JP 12232597A JP H10310047 A JPH10310047 A JP H10310047A
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JP
Japan
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guide
cup
communication hole
piston
inner peripheral
Prior art date
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Application number
JP12232597A
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English (en)
Inventor
Haruo Arakawa
荒川  晴生
Toshihiro Nakano
利博 中野
Hideaki Iijima
英明 飯島
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガイドによるカップのかじりを防止するととも
にガイドから圧力室へのオイル流通性の向上を実現した
マスタシリンダを提供すること。 【解決手段】ハウジング1の内周面にリング状のガイド
14と環状弾性体からなるシ−ル用のカップ13とが保
持され、ピストン16がガイド14およびカップ13の
内周面に摺動自在に接しつつハウジング1内を軸方向へ
進退する。本発明では、ガイド14のカップ13隣接側
の内周角部14aを面取りしている。したがって、カッ
プ13が圧力室の圧力増大によりガイド14の内周角部
14aへ侵入する方向へ弾性変形したとしても、このガ
イド14の面取り部により形成される隙間空間43の存
在により、カップ13の内周角部13aがガイド14の
内周角部14aに食い込んで上記かじり問題が生じるこ
とがなく、マスタシリンダの動作性能特にカップ13の
シ−ル性能が低下するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスタシリンダに関
し、特にハウジングに保持されたガイド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】実公平5−41094号公報は、一端に
開口を有するハウジングと、前記ハウジングの内周面に
保持されるリング状のガイドと、このガイドに隣接して
ハウジングの内周面に保持される環状弾性体からなるシ
−ル用のカップと、ガイドおよびカップの内周面に摺動
自在に接しつつハウジング内に出入するピストンと、ハ
ウジングの側壁に形成されたオイル流通用の連通孔と、
ピストンの側壁に形成されて内端がハウジングおよびピ
ストンに囲まれる圧力室に連通するオイル流通用の連通
孔と、ガイドに形成されたオイル流通用の連通孔とを備
える形式のマスタシリンダを開示している。
【0003】このマスタシリンダにおいて、ガイドの連
通孔は、ピストンの連通孔に連通するピストンストロ−
ク位置にてハウジングの連通孔とピストンの連通孔とを
連通し、ピストンの連通孔がカップよりも軸方向反ガイ
ド側に位置するピストンストロ−ク位置にて圧力室がガ
イドの連通孔よりも負圧となる場合にピストンの外周面
とカップの内周との隙間を通じて前記圧力室に連通し、
更に、ピストンの連通孔がカップよりも軸方向反ガイド
側に位置しかつ圧力室がガイドの連通孔よりも正圧とな
る場合に上記した隙間を通じての連通がカップの弾性変
形により遮断される構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
前者の公報が開示するマスタシリンダでは、以下の問題
点があった。まず、カップの内周角部がそれに隣接する
ガイドの内周角部に食い込んでしまうという問題(以
下、かじり問題と略称する)があった。この問題は、圧
力室側が正圧となり、カップがその圧力によりガイド側
およびピストン側に弾性変形して押し付けられる場合に
特に顕著となる。
【0005】また、このかじり問題を改善するために、
ガイドの内周面とピストンの外周面との間のクリアラン
スを減少すると、この部位を通じてのオイル流通が悪化
し、圧力室の液圧解除の遅れやエア抜き時のオイル吸い
込み不足が生じてしまう。本発明は上記問題点に鑑みな
されたものであり、ガイドによるカップのかじりを防止
するとともにガイドから圧力室へのオイル流通性の向上
を実現したマスタシリンダを提供することを、その解決
するべき課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の構成によ
れば、ハウジングの内周面にリング状のガイドと環状弾
性体からなるシ−ル用のカップとが保持され、ピストン
がガイドおよびカップの内周面に摺動自在に接しつつハ
ウジング内を軸方向へ進退する。リザ−バは所定のピス
トンストロ−ク位置にてハウジングの連通孔、ガイドの
連通孔およびピストンの連通孔を通じてハウジング内部
の圧力室に連通している。
【0007】ピストンが圧力室容積縮小方向へ押し込ま
れ、ピストンの連通孔がカップによりガイドの連通孔か
ら遮断される位置に達する状態では、容積の縮小により
圧力室の圧力が増大し、この圧力増大によりカップが径
内側およびガイド側へ弾性変形して上記遮断を一層完全
な状態とする。ピストンが圧力室容積拡大方向へ引き下
がり、まだピストンの連通孔がカップによりガイドの連
通孔から遮断される位置にある状態では、容積の拡大に
より圧力室の圧力が低下し、この圧力低下によるカップ
の弾性変形により、ガイドの連通孔からカップの内周面
とピストンの外周面との間の隙間を通じてオイルが圧力
室へ補給される。
【0008】本構成では特に、ガイドのカップ隣接側の
内周角部に面取り部を設けている。したがって、カップ
が上述したように圧力室の圧力増大により径内側および
ガイド側すなわちガイドの内周角部へ侵入する方向へ弾
性変形したとしても、このガイドの面取り部により形成
される隙間空間の存在により、カップの内周角部がガイ
ドの内周角部に食い込んで上記かじり問題が生じること
がなく、マスタシリンダの動作性能特にカップのシ−ル
性能が低下するのを防止することができる。
【0009】また、本構成によれば、カップのガイド側
の内周角部の膨張変形を上記かじり問題を生じることな
く吸収する上記隙間空間が存在するために、カップの内
周角部は上記膨張変形した後、更にガイドの内周面とピ
ストンの外周面との間のクリアランスに食い込むだけの
膨張変形をすることが困難であるので、このクリアラン
スを上記かじりを顧慮することなく十分広く確保するこ
とができ、この結果、このクリアランス部分を通じての
オイルの流通性を従来より格段に向上することができ
る。
【0010】請求項2記載の構成によれば、上記面取り
部は所定曲率の凸曲面とされる。このようにすれば、こ
の面取り部を斜め平面とする場合に比べてカップの膨張
変形による上記隙間空間への侵入を相対的に良好に抑止
できる。請求項3記載の構成によれば、ピストンの連通
孔の径方向外端がピストンの非作動位置にて面取り部に
対面しているので、この状態におけるガイドの連通孔と
ピストンの連通孔との連通性すなわちオイルの流れを悪
化させることなく、ピストンの圧縮動作においてピスト
ンの連通孔とガイドの連通孔との連通を速やかに遮断す
ることができ、これによりこの圧縮動作時における圧力
室からのオイルの逃げ量を低減でき、レスポンスの向上
も図ることができる。
【0011】請求項4記載の構成によれば請求項3記載
の構成において更に、ガイドとカップとの間にピストン
の連通孔とガイドの連通孔とを連通するための軸方向の
ギャップを形成するスペ−サを設けたので、オイルの流
れの一層の向上を図ることができる。
【0012】
【発明を実施するための形態】本発明の好適な態様を以
下の実施例を参照して説明する。
【0013】
【実施例】
(実施例1)本発明のマスタシリンダの一実施例を図1
を参照して説明する。このマスタシリンダのハウジング
1は、内部に円筒状の穴2をもつ一端開口のボディ本体
3と、この穴2の開口部分に螺入された有孔キャップ4
とからなり、ボディ本体3の外周面にはジョイントプレ
−ト5が締結されている。
【0014】ハウジング1および有孔キャップ4からな
るハウジング1の内部空間には、カップ7、ガイド8、
カップ9、スリ−ブ11、カップ13、ガイド14、カ
ップ15からなる各嵌入部材が同軸状に順次嵌入されて
いる。これら嵌入部材の内径側、有孔キャップ4の孔部
およびスリ−ブ11に、プライマリピストン16が摺動
自在に保持されている。同様に、嵌入部材の内径側、ス
リ−ブ11、ボデイ本体3に、セカンダリピストン17
が摺動自在に保持されている。
【0015】有孔キャップ4およびスリ−ブ11に軸方
向に挟まれて一対の環状弾性体からなるカップ13、1
5が保持され、カップ13、15に軸方向に挟まれてガ
イド14が保持され、プライマリピストン16の外周面
は、有孔キャップ4に嵌入されたこれらカップ13、1
5およびガイド14に摺動可能に接している。同様に、
ボディ本体3およびスリ−ブ11に軸方向に挟まれて一
対の環状弾性体からなるカップ7、9が保持され、カッ
プ7、9に軸方向に挟まれてガイド8が保持され、セカ
ンダリピストン17の外周面は、ボディ本体3に嵌入さ
れたこれらカップ7、9およびガイド8に摺動可能に接
している。
【0016】18は座板であり、スプリング19の基端
部によりボディ本体3の穴2の底部に付勢されて着座し
ている。座板18の中央孔にはストッパ20が所定範囲
内軸方向変位可能に保持されており、セカンダリピスト
ン17はストッパ20を介してスプリング19の付勢端
部により軸方向反底部側へ付勢されている。21は座板
であり、スプリング22の基端部によりセカンダリピス
トン17の頂面に付勢されて着座している。座板21の
中央孔にはストッパ23が所定範囲内軸方向変位可能に
保持されており、プライマリピストン16はストッパ2
3を介してスプリング21の付勢端部により軸方向反底
部側へ付勢されている。
【0017】25〜27はOリングであり、それぞれの
部位のオイルシ−ルをなしている。29a、29bはジ
ョイントプレ−ト5に設けられて図示しないリザ−バに
連通する連通孔である。図1において、連通孔29aは
ボディ本体3の連通孔30、有孔キャップ4とスリ−ブ
11との間の隙間、ガイド14の連通孔31、ガイド1
4の内周面とプライマリピストン16の外周面との間の
隙間、プライマリピストン16の連通孔32を通じて圧
力室33に連通している。同様に、連通孔29bはボデ
ィ本体3の連通孔34、ガイド8の連通孔35、ガイド
8の内周面とセカンダリピストン17の外周面との間の
隙間、セカンダリピストン17の連通孔36を通じて圧
力室37に連通している。
【0018】圧力室33はボディ本体3に設けた連通孔
38を通じて前後輪の一方のホィ−ルシリンダに連通
し、圧力室37はボディ本体3に設けた連通孔39を通
じて前後輪の他方のホィ−ルシリンダに連通している。
以下、基本的なマスタシリンダの作動を簡単に説明す
る。ブレーキペダルの踏込みにより付勢されて、プライ
マリピストン16が圧力室33を圧縮する方向に移動
し、プライマリピストン16の連通孔32がカップ13
より反ガイド側に変位して、連通孔31、32間が遮断
され、更に圧力室33の容積縮少により、圧力室33内
のオイルが連通孔38から図示しないホイールシリンダ
へ圧送される。
【0019】更に、プライマリピストン16に付勢され
てセカンダリピストン17が圧力室37を圧縮する方向
に移動し、セカンダリピストン17の連通孔36がカッ
プ7より反ガイド側に変位して、連通孔35、36間が
遮断され、更に圧力室37の容積縮少により、圧力室3
7内のオイルが連通孔39から図示しないホイールシリ
ンダへ圧送される。
【0020】本実施例の要部を図1の一部拡大断面図で
ある図2を参照して説明する。環状のガイド14の外周
面には環状溝40が凹設され、上述したように、リザ−
バは、隙間41、環状溝40、連通孔31、隙間42、
43、44を通じて、ピストン16の連通孔32に連通
している。更に詳しく説明すると、ガイド14のカップ
13側の内周角部(本発明で言う面取り部)14aは、
R面取りされている。この面取りにより、内周角部14
aの連通孔31側の円筒面部分は、プライマリピストン
16の外周面に対して上記隙間42を隔てて対面し、内
周角部14aはプライマリピストン16の外周面に対し
て上記隙間43を隔てて対面している。
【0021】また、ガイド14の内周角部14aに隣接
するカップ13の内周角部13aはすり鉢状に面取りさ
れており、カップ13の内周角部13aはプライマリピ
ストン16の外周面に対して上記隙間44を隔てて対面
しており、プライマリピストン16は非作動(非圧縮)
ストロ−ク位置にて、プライマリピストン16の連通孔
32の外周側開口に直結している。
【0022】以下、上記説明したガイド14の内周角部
14aを面取りしたことによる作用を以下に説明する。
プライマリピストン16が図1に示す非作動(非圧縮)
ストロ−ク位置にある時、リザ−バは、隙間41、環状
溝40、連通孔31、隙間42、43、44、ピストン
16の連通孔32を通じて圧力室33に連通している。
【0023】この実施例では、隙間43の流路断面積が
上記面取り分だけ広いので、その分、上記オイル経路の
流体抵抗が小さくでき、連通孔32をガイド14とカッ
プ13との軸方向境界部に設けても、オイル流通に支障
が生じないという利点がある。なお、連通孔32をガイ
ド14とカップ13との軸方向境界部すなわちカップ1
3に近接して配設できるということは、プライマリピス
トン16の進退に伴う無駄なオイル流通を低減できると
いう効果も奏する。
【0024】プライマリピストン16が圧力室33を圧
縮する方向に移動すると、連通孔32がカップ13によ
り隙間44から遮断され、圧力室33の圧縮が開始さ
れ、圧力室33からホィ−ルシリンダに圧油が供給され
る。この時、圧力室33からの圧油の影響により、カッ
プ13の内周角部13aは図2に点線で示すように、ガ
イド14の内周角部13aに向けて膨張変形する。
【0025】この実施例では、ガイド14の内周角部1
4aが面取りされているので、たとえカップ13の内周
角部13aが大きく膨張変形したとしても、それがガイ
ド14の内周面とプライマリピストン16の外周面との
間の狭小な隙間42に食い込むことがなく、カップ13
の信頼性および動作信頼性に悪影響を生じることがな
い。
【0026】特に好ましくは、ガイド14の内周角部1
4aを、ガイド14の径方向肉厚の少なくとも半分から
数倍程度の範囲の曲率半径に設定すると、これ以外の曲
率半径を採用する場合に比べて無駄なオイル流通(アイ
ドルストロ−ク量)を低減し、カップ13の食い込みを
良好に防止できる。また、このガイド14の面取り加工
はガイド14の内周面全体の加工を必要としないので、
比較的簡単に実施でき、形状の単純であるので樹脂成形
も容易である。
【0027】更に、ガイド14の内周角部14aの上記
面取りにより、プライマリピストン16の連通孔32の
軸方向位置が多少ばらついてもオイル流通性がほとんど
変動することがなく、性能特性の変動が安定し、精度上
の制約が少ないという利点もある。なお上記説明ではカ
ップ13およびガイド14について説明したが、カップ
7およびガイド8についても構成および作用は同じであ
るので、その説明は省略する。 (実施例2)本発明の他の実施例をこのマスタシリンダ
の要部拡大軸方向断面図である図3を参照して説明す
る。ただし、理解を容易とするために実施例1と主機能
が同じ構成要素には同一符号を付す場合もある。
【0028】この実施例では、カップ7およびガイド8
の形状を変更した他、カップ7とガイド8との間に輪板
形状のスペ−サ50を介設することにより、カップ7の
R面取りされた内周角部7aと、ガイド8のR面取りさ
れた内周角部8aとの間の隙間空間51を軸方向に拡大
した点、および、ガイド8の軸方向中央部に径方向に連
通孔52を貫設して、オイルを連通孔34、35、5
2、隙間53、51、連通孔36を順に介して圧力室3
7に供給する構成を採用している。
【0029】なお、スペ−サ50は、皿ワッシャを波板
状に湾曲させることにより、その径方向に連通用の隙間
53を形成した点に特徴がある。圧力室37が高圧とな
り、カップ7がスペ−サ50側に膨張変形した場合、ス
ペ−サ50が平面状態となり、スペ−サ50とガイド8
との間の隙間はなくなる。この実施例によれば、スペ−
サ50の追加により、カップ7の内周角部7aとガイド
8の内周角部8aをピストン非作動状態(無圧状態)で
一層離すことができ、オイルはガイド8の内周面とセカ
ンダリピストン17の外周面との間の隙間を通じて必ず
しも流れる必要がなく、流路抵抗の低減、隙間精度の緩
和も実現することができる。
【0030】更に、隙間51の軸方向幅を増大できる分
だけ、連通孔36の位置精度を緩和できる利点も生じ
る。 (実施例3)本発明の他の実施例を図1のマスタシリン
ダの要部拡大軸方向断面図である図4を参照して説明す
る。
【0031】ボディ本体3の内周面には、軸方向断面が
直線となるすり鉢形状の斜行段差面3aが形成され、斜
行段差面3aは有孔キャップ4の外周先端角部4aに面
的に密着している。60はリザ−バに連通するとともに
隙間41を通じてガイド14の連通孔31に連通する空
間である。
【0032】このように構成することにより、以下の作
用効果を奏する。空間60は比較的低圧であるので、空
間60からボディ本体3および有孔キャップ4の螺合部
61を通じての外部へのオイル漏れを、Oリングを用い
ることなく防止することができる。特に、この実施例に
よれば、この面接触により、有孔キャップ4の軸方向位
置を同時に正確に確定でき、これにより図4から容易に
わかるようにガイド14の軸方向位置を正確に確定で
き、これによりその連通孔31の軸方向位置を正確に確
定できるという利点も生じる。
【0033】更に説明すると、プライマリピストン16
の非作動位置はボディ本体3の底部を基準として設定さ
れるので、プライマリピストン16の非作動状態におけ
るその連通孔32の軸方向位置もボディ本体3を基準と
して設定されることになる。結局、ボディ本体3の斜行
段差面3aに、有孔キャップ4の斜行段差面4aを斜面
接触させることにより、面接触による良好なシ−ル機能
を実現するとともに、連通孔31と連通孔32との良好
な位置合わせ行うことができる。また、上記斜面接触に
より、有孔キャップ4をボディ本体3に螺入するととも
に有孔キャップ4とボディ本体3の穴22との芯合わせ
を行うこともできる。
【0034】結局、上記斜行段差面3aと4aとのペア
を高精度に作製する工程だけで、上記3つの作用効果を
奏することができる。 (実施例4)本発明のマスタシリンダの他の実施例を図
5に示すその要部拡大軸方向断面図を参照して説明す
る。ただし、理解を容易とするために実施例1と主機能
が同じ構成要素には同一符号を付す場合もある。
【0035】この実施例は、実施例1のマスタシリンダ
において、有孔キャップ4およびカップ15の形状を変
更した点を特徴としている。すなわち、この実施例にお
ける有孔キャップ4は、ボディ本体3の穴2に螺入され
ることなく嵌入されて、サ−クリップ63で抜け止めさ
れている。この実施例では、カップ15の外周面はボデ
ィ本体3の内周面に密着しており、オイルが充填される
空間60および連通孔31と外部空間との間のオイルシ
−ル機能をも有している。
【0036】有孔キャップ4の先端面と、それと接触す
るカップ15の端面とはこれらの端面全体で密着してい
る。更に、カップ15の軸方向、特に径内方向への変形
による上記オイルシ−ル機能の低下を防止するために、
有孔キャップ4の先端面は環状突起部4eをもち、この
環状突起部4eが、それと対面するカップ15の端面に
形成された環状溝15eに嵌入する構成となっている。
【0037】環状突起部4eの径方向肉厚は、環状溝1
5eの径方向幅よりもわずかに大きく形成しておけばよ
い。このようにすれば、カップ15は径方向内側および
外側に所定量だけ圧縮付勢されるので、それらのシ−ル
性および無用な変形防止性を向上することができる。ま
た、有孔キャップ4を押し込むことにより、カップ15
を軸方向へ圧縮変形させて同様なシ−ル性向上効果を得
ることもできる。
【0038】また、環状突起部4eと環状溝15eとの
上記嵌合により嵌合15の不所望な姿勢変形も防止する
ことができ、一層のシ−ル性向上を実現することができ
る。なお、有孔キャップ4はボディ本体3へのこのよう
な単純な嵌入だけでなく、ボディ本体3への螺入であっ
てもよく、有孔キャップ4の先端面と、それと接触する
カップ15の端面とは他の形状であってもよい。
【0039】要するに、この実施例では、カップ15が
有孔キャップ4の内、外周面と、プライマリピストン1
6の外周面およびボディ本体3の内周面との間に2箇所
のシ−ルを果たすという独特の作用効果を奏するので、
性能低下をもたらすことなしに部品点数の削減を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のマスタシリンダの軸方向断面図であ
る。
【図2】実施例1のマスタシリンダの要部拡大軸方向断
面図である。
【図3】実施例2のマスタシリンダの要部拡大軸方向断
面図である。
【図4】実施例3のマスタシリンダの要部拡大軸方向断
面図である。
【図5】実施例4のマスタシリンダの要部拡大軸方向断
面図である。
【符号の説明】
1はハウジング、3はボディ本体、4は有孔キャップ、
8、14はガイド、7、9、13、15はカップ、14
aはガイド14の内周角部、16はプライマリピストン
(ピストン)、17はセカンダリピストン(ピスト
ン)、30、34はボディ本体(ハウジング)の連通
孔、32、35はガイド8、14の連通孔、32、36
はピストン16、17の連通孔、33、37は圧力室、
50はスペ−サ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に開口を有するハウジングと、前記
    ハウジングの内周面に保持されるリング状のガイドと、
    前記ガイドに隣接して前記ハウジングの内周面に保持さ
    れる環状弾性体からなるシ−ル用のカップと、前記ガイ
    ドおよびカップの内周面に摺動自在に接しつつ前記ハウ
    ジング内を軸方向に進退するピストンと、前記ハウジン
    グの側壁に形成されたオイル流通用の連通孔と、前記ピ
    ストンの側壁に形成されて内端が前記ハウジングおよび
    ピストンに囲まれる圧力室に連通するオイル流通用の連
    通孔と、前記ガイドに形成されて前記ピストンの連通孔
    が前記カップよりも軸方向ガイド側に位置する場合に前
    記ハウジングの連通孔と前記ピストンの連通孔とを連通
    するオイル流通用の連通孔とを備え、 前記ガイドの連通孔は、前記ピストンの連通孔が前記カ
    ップよりも軸方向反ガイド側に位置しかつ前記圧力室が
    前記ガイドの連通孔よりも負圧となる場合に前記ピスト
    ンの外周面と前記カップの内周との隙間を通じて前記圧
    力室に連通するとともに、前記ピストンの連通孔が前記
    カップよりも軸方向反ガイド側に位置しかつ前記圧力室
    が前記ガイドの連通孔よりも正圧となる場合に前記隙間
    を通じての連通が前記カップの弾性変形により遮断さ
    れ、 前記ガイドの前記カップ隣接側の内周角部は、面取りさ
    れていることを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマスタシリンダにおい
    て、 前記ガイドの前記カップ隣接側の内周角部は、所定曲率
    の凸曲面からなることを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のマスタシリンダ
    において、 前記ピストンの連通孔の外端は前記ピストンの非圧縮位
    置にて前記ガイドの前記カップ隣接側の内周角部に面し
    て形成されることを特徴とするマスタシリンダ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のマスタシリンダにおい
    て、 前記ガイドとカップとの間に前記ピストンの連通孔と前
    記ガイドの連通孔とを連通するための軸方向のギャップ
    を形成するスペ−サを有することを特徴とするマスタシ
    リンダ。
JP12232597A 1997-05-13 1997-05-13 マスタシリンダ Pending JPH10310047A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197050A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用液圧マスタシリンダ
CN105814330A (zh) * 2013-12-09 2016-07-27 舍弗勒技术股份两合公司 主动缸

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