JPH10309932A - 車両空調監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 健康上及び燃料消費の観点から車両の空調を
監視し、適当な空調状態について利用者に通報すること
ができる車両空調監視装置を提供する。 【構成】 車両空調監視装置１は、車両外部温度と車両
内部温度との大きすぎる差及び／又は車両内部空間の小
さすぎる空気湿度及び／又は走行を中断させる空気の悪
すぎる品質に関して、車両空調運転を監視する。更に車
両空調監視装置１は、必要な場合、設定される空調運転
に応じて車両到達距離の評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に電動駆動又はハイ
ブリツド駆動の車両において有利に使用可能な車両用車
両空調監視装置に関する。ここで空調という概念は、簡
単にするため、純粋な暖房装置の機能も、暖房及び冷房
の機能を持つ空調装置の機能も意味する。

【０００２】最近の車両空調装置は、通常のように費用
のかかる電子装置を介して、車両内部空間目標温度及び
フアン回転数のような種々の入力量の予備選択後、利用
者により駆動され、それから電子制御される。その際空
調の快適さに、一次的な重要性が与えられる。特に電気
駆動車両にも適しているこのような空調装置は、雑誌の
論文Ｒ・Ｂｕｒｋ，Ｈ・Ｊ・Ｋｒａｕｓｓ ｕｎｄ Ｍ
・Ｌｏｅｈｌｅ，″Ｉｎｔｅｇｒａｌｅｓ Ｋｌｉｍａ
ｓｙｓｔｅｍ ｆｕｅｒ Ｅｌｅｋｔｒｏａｕｔｏｍｏ
ｂｉｌｅ″，ＡＴＺ Ａｕｔｏｍｏｂｉｌｔｅｃｈｎｉ
ｓｃｈｅ Ｚｅｉｔｓｃｈｒｉｆｔ ９４（１９９２）
１１，Ｓｅｉｔｅ ５８２に記載されている。

【０００３】ドイツ連邦共和国特許第１９５０９４９５
号明細書には、車両内部空間の通風制御方法が開示され
ており、この方法は特に空気供給運転と空気循環運転と
の間の自動切換えを行う。ここでは、車両窓ガラスの曇
り及び車両内部空間の酸素供給不足を防止するため、引
続く現在の空気循環運転でも、そのつどの空気循環運転
を空気供給運転段階により中断することが提案される。
空気供給運転と空気循環運転との間の切換えは、空調装
置の運転状態、車両外部温度、車両内部温度制御偏差及
び／又は走行速度に応じて行われる。更にこの刊行物か
ら、そこに引用されている別の従来技術に関連して、空
気供給運転と空気循環運転との間の切換えを、車両内部
空間及び／又は車両外都空間における有害物質濃度に応
じて行い、そのつどの有害物質濃度を適当な位置にある
有害物質センサにより検出することが公知である。車両
外部空間における有害物質濃度が高いと、空気循環運転
を開始し、別の手段として、車両内部空間における有害
物質濃度が車両外部空間におけるより大きいと、空気供
給運転への戻し切換えを行うことができる。

【０００４】最近の空調装置及びその操作表面の快適さ
を強調される設計によつて、暖房装置及び／又は空調装
置の使用が燃料消費及び乗客の健康にどの程度影響を及
ぼすかは、利用者にはしばしばわからない。特に電気駆
動又はハイブリツド駆動される車両では、車両到達距離
を考慮した経済的燃料消費は特別に問題となる。健康に
関する観点は、例えば車両外部温度とは著しく相違する
車両内部温度目標値を利用者が設定する際、風邪、乾燥
した粘膜のような健康上の苦痛が起こることである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従つて技術的問題とし
て、特に健康上及び燃料消費の観点から車両の空調を監
視し、適当な空調状態について利用者に通報することが
できる車両空調監視装置を提供することが、本発明の基
礎となつている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１、
２、３又は４の特徴を持つ車両空調監視装置の提供によ
つてこの課題を解決する。

【０００７】請求項１による装置は、特に車両外部温度
とは過度に著しく相違する車両内部空間の温度のため乗
客の健康上の苦痛を回避するのに投立つ。そのため本発
明による装置は、それぞれセンサ装置により検出される
外部温度と内部温度との差を計算し、この差を所定の温
度差警報値と比較する。警報値は、例えば空気湿度及び
外部温度又は内部温度自体の値のような別のパラメータ
に関係する適当な特性曲線により、可変に規定すること
ができる。測定された温度の差の値がこの温度差警報値
を超過すると、装置は利用者のために適当な温度差警報
情報を発生し、それにより利用者は、不利な健康上の結
果を防止するため、適当に反応することができる。

【０００８】請求項２による装置は、特に、車両内部空
間の低い空気湿度従つて健康上不利な空気湿長を検出
し、適当な空気湿度警報情報の発生により利用者に適時
に表示するように設計されているので、利用者は適当な
対抗手段をとることができる。

【０００９】請求項３による装置は、特に乗客用呼吸空
気中における高い有害物質濃度の不利な結果という観点
から、車両空調を監視する。そのため適当な位置にある
有害物質センサから、車両外部空間及び車両内部空間に
おける有害物質濃度についての情報が装置へ供給され
る。これらの情報は、必要な場合通常のように、車両外
部空間の有害物質濃度が高い場合空気循環運転に切換
え、車両内部空間の有害物質濃度が高い場合空気供給運
転に切換えるために使用することができる。更に監視装
置は、両方の有害物質濃度が前もつて適当に選ばれた有
害物質濃度警報値以上である場合、この有害物質濃度情
報を、走行中断推奨情報の発生に利用する。この走行中
断推奨情報は、この状態では走行の中断が望ましいこと
を利用者に表示する。なぜならば、高い有害物質濃度の
ため、例えば運転者の走行適格性がもはや保証されない
からである。

【００１０】請求項４による車両空調監視装置は、特
に、電気駆動又はハイブリツド駆動される車両におい
て、それぞれまだ期待できる車両到達距離の算定を、利
用音がどんな車両内部空間温度を希望しているかに応じ
て行うように、設計されている。このような車両は、伝
統的にできるだけ少ないエネルギー消費となるように設
計されているので、空調装置の運転態様が車両のエネル
ギー収支に著しい影響を及ぼす。監視装置はこれを考慮
し、予想される車両到達距離についての情報を運転者に
与え、その際特に設定される車両内部空間目標値のよう
な空調装置の運転状態の影響や、車両システム制御装置
から監視装置に利用される車両到達距離に関する他の情
報を考慮する。これらの情報は、例えば車両駆動用電気
エネルギーの蓄電池の充電状態及び／又は存在する燃料
量についての情報を含んでいる。

【００１１】

【実施例】本発明の好ましい実施例が図面に示されてお
り、以下に説明される。

【００１２】図示した車両空調監視装置１は、電気駆動
又はハイブリツド駆動される車両にも使用可能である。
なぜならば、できるだけ僅かなエネルギー消費となるよ
うに設計されるこのような車両では、空調は全エネルギ
ー消費の著しい割合を持つているからである。車両空調
監視装置１は、車両のため暖房装置又は空調装置の形で
設けられている空調システムのそのつど最適な運転状態
の設定の際、運転者を援助する。この目的のため車両空
調監視装置１は、中央の知能装置としてのマイクロコン
トローラ２、必要な種々の特性量を記憶するデータメモ
リ３、及び音響表示素子のような任意の別の表示素子の
ほかになるべく計器盤の範囲にある液晶表示素子から成
る光表示素子を含む表示装差４を含んでいる。その代り
に、後で埋込まれる表示器具としても光表示素子を実現
することができる。更に車両空調監視装置１は、後で説
明する機能を果たすため当業者には自明であり従つてこ
れ以上説明しない別の図示しない別の構成部分を含んで
いる。特に車両空調監視装置１は、マイクロコントロー
ラ２において評価されるか又は発生されるデータ信号を
車両電気装置の接続されている部品から受信しかつこれ
らの構成部分へ送信するように設計され、これらの構成
部分のうち最も重要なものが図に示されている。

【００１３】車両空調監視装置１は、特に空調に関係す
る種々のセンサの出力信号、しかも内部温度センサ５か
らの車両内部温度Ｔｉ、外部温度センサ６からの車両外
部温度Ｔａ，内部空間有害物質センサ７からの車両内都
空間における有害物質濃度Ｓｋｉ、外部空間有害物質セ
ンサ８からの車両外部空間における有害物質濃度Ｓｋ
ａ、及び空気湿度センサ９又は窓ガラス曇りセンサから
の車両内都空間における空気湿度Ｌｆｉについての情報
を受信する。更に車両空調監視装置１は、とりわけ電気
駆動又はハイブリツド駆動の車両にとつて普通であるよ
うな電気車両システム制御装置１０からの車両到達距離
に関する信号を受信する。更に車両空調監視装置１へ、
電動機又は手により操作可能な空気循環フラツプのそれ
ぞれの位置についての情報が、適当な空気循環フラツプ
位置センサ１１から供給される。更になるべく外部タイ
マ１２が設けられて、車両空調監視装置１に接続されて
いる。その代りにタイマを車両空調監視装置１に統合す
ることもできる。

【００１４】車両空調監視装置１は、乗客のための空調
快適さを高める種々の機能を果たすが、これらの機能は
普通の空調システムには統合されておらず、以下詳細に
説明される。車両空調監視装置１は、外部温度Ｔａ及び
内部温度Ｔｉについての供給された情報を、なるべく隣
接する２つのバー表示により、表示装置４の光表示素子
上に表示する。車両空調監視装置１は更に外部温度Ｔａ
と内部温度Ｔｉとの差を求め、この計算された温度差の
値が所定の温度差警報値より大きいと、温度差警報情報
を発生する。温度差警報情報は、例えば表示装置４を介
して光警報信号を与えることである。温長差警報値は、
なるべく生理的又は健康上の観点を考慮する種々の気候
パラメータに応じて、適当な特性曲線の形でメモリ３に
記憶されている。こうして温度差警報値は、例えば外部
温度Ｔａ及び／又は内部温度Ｔｉの値及び／又は空気湿
度Ｌｆｉに応じて可変に規定することができる。それに
より運転者は、存在する外部温度に依存しすぎる内部温
度目標値を設定すると、極端な湿度予備選択をしないよ
うに警告される。なぜならば、このような温度差を持つ
空調は、健康上の苦痛の危険例えば風邪又は乾燥する粘
膜のため望ましくないからである。

【００１５】別の機能として車両空調監視装置１は、供
給された空気湿度情報Ｌｆｉを例えば百分率表示として
表示装置４に表示する。更に車両空調監視装置１は、車
両内部空間で測定されたこの空気湿度Ｌｆｉを、適当な
空調パラメータに応じて特性曲線の形でメモリ３に記憶
することができる所定の空気湿度警報値と比較する。測
定された空気湿度Ｌｆｉがこの空気湿度警報値を下回つ
ていると、車両空調監視装置１が、例えば表示装置４を
介して与えられる光警報信号の形で、空気湿度警報情報
を発生する。それにより運転者は、車両内部空間の乾燥
し過ぎた空気に気づかされる。

【００１６】別の機能として車両空調監視装飾１は車両
到達距離の評価を行う。特に電気駆動又はハイブリツド
駆動の車両では、車両内部空間の空調に必要なエネルギ
ーは、車両の全エネルギー消費の著しい部分を示すの
で、車両にそのつど存在するエネルギー量でまだ進むこ
とができる距離即ち車両到達距離は、利用者により行わ
れる空調システムの設定、特に設定される内部温度目標
値及び設定されるフアン出力に強く左右される。空調エ
ネルギー消費を確認して車両空調監視装置１は、現在の
状況においてまだ期待される車両到達距離を、利用者に
より行われる空調システムの設定についての情報、及び
車両システム制御装置から伝送されかつ車両到達距離に
関係する他のデータ例えば牽引用蓄電池の充電状態及び
／又は存在する燃料量及び車両駆動装置及びエネルギー
を消費する他の車両構成部分の平均エネルギー消費を含
む信号に基いて求める。車両空調監視装置１は、こうし
て評価された車両到達距離を表示装置４に表示する。そ
れにより運転者は、現在の状況で運転者の必要とする車
両到達距離がまだ残つているように、空調システムを設
定することができる。

【００１７】乗客の呼吸空気中の有害物質濃度を少なく
するか、又は高すぎる有害物質濃度とならないように警
告するため、車両空調監視装置１は、車両外部空間にお
ける有害物質濃度Ｓｋａ及び車両内部空間における有害
物質濃度Ｓｋｉについて供給される情報を、それぞれ所
定の有害物質濃度警報値と比較する。車両外部空間にお
ける有害物質濃度が警報値を超過すると、車両空調監視
装置１は表示装置４を介して光警報信号を与え、それに
基いて利用者は、例えば空調システムを空気供給運転か
ら空気循環運転へ切換えることにより、外気の供給を中
止することができる。電動機で操作可能な空気循環フラ
ツプが存在する場合、自動的に内部温度に切換え、これ
を車両空調監視装置１により表示装置４を介して表示す
ることができる。この目的のため車両空調監視装置１
は、空気循環フラツプ位置センサ１１から空気循環フラ
ツプのそのつどの現在位置についての情報を得る。消費
を最適化される車両では、この運転方法においてエネル
ギー的に有利な車両内部空間の暖房／冷房のため、及び
消費を最適化される内燃機関の場合万一の少なすぎる機
関廃熱のため、比較的高い空気循環運転割合を持つ空調
が行われるので、有害物質濃度が車両内部空間でも警報
値を超過することがある。車両空調監視装置１は、適当
な警報信号の発生によりこの場合も表示し、それにより
利用者は外気を供給させられ、そのため利用者は空調シ
ステムを空気供給運転に切換える。その代りに空気供給
運転の動作を自動的に行うことができ、これを再び表示
装置４を介して表示することができる。

【００１８】有害物質濃度に関する監視機能の別の特徴
として、車両空調監視装置１は、車両外部空間における
有害物質濃度Ｓｋａ及び車両内部空間における有害物質
濃度Ｓｋｉが、例えば空気循環運転と空気供給運転との
間の切換えのために重要な上記２つの有害物質濃度警報
値のうち小さい方の値と同じ大きさに選ぶか又はこれら
の値とは異なる値に選ぶことができる所定の警報値を超
過するか否かを、連続的に検査する。この超過が存在
し、それにより同じ程度に悪い空気の品質が車両内部空
間でも車両外部空間でも推論されると、車両空調監視装
置１が、表示装置４で与えられる適当な信号の形の走行
中断推奨情報を発生し、この信号が引続く走行を中止す
る推奨として用いられる。なぜならば、この悪い空気の
品質では、運転者の走行適格性がもはや保証されないか
らである。

【００１９】接続されるか又は統合されるタイマ１２に
より、必要な場合車両空調監視装置１は所定の時刻に応
じて所望の機能を果たすことができる。上述した実施例
により、本発明による車両空調監視装置が付加的な機能
により車両内部空間空調に関する警報システムの機能を
持ち、それにより利用者が、車両（内燃機関を持つ車両
又は電気駆動又はハイブリツド駆動される車両）の暖房
装置又は空調装置を、経済的及び健康上の観点で最適に
使用でき、適当な機能例えば空気供給運転と空気循環運
転との間の必要な切換えを手動でも自動的にも行うこと
ができることが、明らかになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両空調監視装蓋のブロツクダイヤグラムであ
る。

【符号の説明】

１ 車両空調監視装置 ５ 内部温度センサ ６ 外部温度センサ ７，８ 有害物質センサ ９ 空気湿度センサ １０ 車両システム制御装置

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年６月２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴオルフガング・ヘンゼレル ドイツ連邦共和国テユービンゲン・ヴオル フガング−シユトツク−シユトラーセ19 (72)発明者 ユルゲン・ホイベルゲル ドイツ連邦共和国プリーツハウゼン・デル ナツヘル・シユトラーセ30 (72)発明者 アルフレート・イエツケル ドイツ連邦共和国ロツテンブルク・ジーベ ンリンデンシユトラーセ105 (72)発明者 ヤン・マルテイン ドイツ連邦共和国ジンデルフインゲン・ト ウルムガツセ７

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両空調監視装置が外部温度センサ
   （６）により測定される車両外部温度（Ｔａ）と内部温
   度センサ（５）により測定される車両内部温度との差を
   計算し、計算された温度差の値が所定の温度差警報値よ
   り大きい場合、車両空調監視装置が温度差警報情報を発
   生することを特徴とする、車両空調監視装置。
2. 【請求項２】 車両空調監視装置が、空気湿度センサ
   （９）により測定される車両内部空間の空気湿長（Ｌｆ
   ｉ）を所定の空気湿度警報値と比較し、測定された空気
   湿度が所定の空気湿度警報値より小さい時、車両空調監
   視装置が空気湿度警報情報を発生することを特徴とす
   る、特に請求項１に記載の車両空調監視装置。
3. 【請求項３】 第１の有害物質センサ（８）により測定
   される外部空気有害物質濃度（Ｓｋａ）及び第２の有害
   物質センサにより測定される内部空気有害物質濃度（３
   ２）が所定の有害物質濃度警報値と比較され、測定され
   た外部空気有害物質濃度（Ｓｋａ）及び内部空気有害物
   質濃度（Ｓｋｉ）が所定の有害物質濃度警報値以上であ
   る時、車両空調監視装置が走行中断推奨情報を発生する
   ことを特徴とする、特に請求項１又は２に記載の車両空
   調監視装置。
4. 【請求項４】 車両空調監視装門が車両システム制御装
   置（１０）から車両システム制御装置に関するデータを
   受信し、これらのデータ及び利用者により設定される空
   調装置状態に応じて、予想される車両到達距離を求める
   ことを特徴とする、特に請求項１ないし３の１つに記載
   の車両空調監視装置。