JPH10309287A - 骨補填材、及びその製造方法 - Google Patents
骨補填材、及びその製造方法Info
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- JPH10309287A JPH10309287A JP9120669A JP12066997A JPH10309287A JP H10309287 A JPH10309287 A JP H10309287A JP 9120669 A JP9120669 A JP 9120669A JP 12066997 A JP12066997 A JP 12066997A JP H10309287 A JPH10309287 A JP H10309287A
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Abstract
脱アセチル化することによって作られるキチン・キトサ
ンと動物の骨粉末とを含み、前記N−脱アセチル化度が
異なる複数種の前記キチン・キトサンを含む。
Description
製造方法に属し、特に、歯科治療用として新生骨を形成
するために用いられる骨補填材,及びその製造方法に属
する。
ある切除した歯骨部分に人口的に骨補填材を埋入するこ
とによって骨の再生を促す試みが行われている。骨補填
材は動物の焼成された骨粉末と、キチン・キトサンゾル
と、ハイドロキシアパタイト粉末、α型トリカルシウム
ホスヘイト粉末、β型トリカルシウムホスヘイト粉末の
うち一種類あるいは2種類以上と混合して組成物を形成
すると、硬化性骨補填材として利用でき、さらに骨補填
用のフィルムとしても利用できることが知られている。
セチル化度が100%に近いものを用いている。また、
動物の骨粉末としては牛骨や魚骨などが用いられてい
る。
・キトサンはN−脱アセチル化度が100%(N−脱ア
セチル化度が高い)に近いものであるため生体内に分解
・吸収されるのが遅いことから、骨の形成が早期に終了
しないという問題がある。
しては、顎骨部分に充填された骨補填材や骨補填用のフ
イルムの内部に、新生された血管が侵入しずらいため
に、骨芽細胞の発生が早期に生じないことが原因であ
り、骨と置換することが遅くなることが理由として挙げ
られる。
キトサンを用いた場合には、骨芽細胞が発生するよりも
前にキチン・キトサンが生体内で早期に分解・吸収され
てしまい、骨補填材を用いない時間経過をたどることに
なる。
期に骨形成が終了する骨補填材、及びその製造方法を提
供することにある。
・キトサンと、動物の骨粉末とを含む骨補填材におい
て、前記キチン・キトサンはN−脱アセチル化度が異な
る複数種を含むことを特徴とする骨補填材が得られる。
でN−脱アセチル化することによってN−脱アセチル化
度が異なる複数種のキチン・キトサンゾルを作る工程
と、動物の骨を焼成・粉砕して骨粉末を作る工程と、前
記キチン・キトサンゾルと前記骨粉末とを混合して練和
する工程とを含む骨補填材の製造法が得られる。
と、N−脱アセチル化度が高いキチン・キトサンと、N
−脱アセチル化度が低いキチン・キトサンを混合して用
いることで、始めにN−脱アセチル化度が低いキチン・
キトサンが生体内で早く分解・吸収され、その部分に骨
形成に最も必要不可欠な新生血管の侵入が生じて骨芽細
胞が発生する。
アセチル化度が高いキチン・キトサンによって骨補填材
もしくは骨補填用のフィルムが分解・吸収され、連続し
て骨芽細胞が発生し骨が形成され骨補填材は骨と置換し
て早期に骨形成が終了する。
その製造方法の一実施の形態例を説明する。骨補填材は
キチン・キトサンと、動物の骨粉末とを含んでいる。キ
チン・キトサンはN−脱アセチル化度が異なる複数種を
含んでいる。
ドロキシアパタイト粉末、α型トリカルシウムホスヘイ
ト、β型トリカルシウムホスヘイトのような合成アパタ
イト粉末を少なくとも一種を含んでいる。骨補填材は、
単に組成物としの形状を呈しているもの、もしくはフイ
ルム形状を呈している。
施の形態例について説明する。骨補填材の製造方法にお
いては、キチンを水酸化ナトリウム溶液中でN−脱アセ
チル化することによってN−脱アセチル化度が異なる複
数種のキチン・キトサンゾルを作る工程と、動物の骨を
焼成・粉砕して骨粉末を作る工程と、キチン・キトサン
ゾルと骨粉末とを混合して練和する工程とを含む。ま
た、他の骨補填材の製造方法の例としては、合成アパタ
イト粉末であるハイドロキシアパタイト粉末、α型トリ
カルシウムホスヘイト粉末、βトリカルシウムホスヘイ
ト粉末の少なくとも一種をキチン・キトサンゾルと骨粉
末とを混合する際に添加し、キチン・キトサンゾルと骨
粉末とともに混合し練和する工程を含む。なお、骨補填
材は、単に組成物としの形状を呈しているものが形成さ
れるが、練和する工程の後、さらにフィルム形状に形成
することができる。
る。骨補填材はキチンを水溶液である水酸化ナトリウム
の水溶液中でN−脱アセチル化することによって作られ
るキチン・キトサンを用いている。キチンはN−脱アセ
チル化度が高いキチン・キトサンと、N−脱アセチル化
度が低いキチン・キトサンとからなり、これらのN−脱
アセチル化度が異なる複数種を用いる。
ナトリウム溶液中でキチンを加熱しながらN−脱アセチ
ル化することによって得られる。N−脱アセチル化度は
N−脱アセチル化処理時間の違いによって得られ、得ら
れた残量0〜95%のキチン・キトサンを用いる。
1で示し、N−脱アセチル化度が異なる各キチン・キト
サンのN−脱アセチル化度(%)と、これらのキチン・
キトサンの混合比(%)を示している。図1の1から7
はそれぞれ脱アセチル化度の異なるキチン・キトサンで
あり、図1の8から11はこれらを混合することを示し
ている。
ン・キトサンをそれぞれに0.5g用い、リンゴ酸(も
しくはマロン酸)0.5gを生理食塩水10mlの水溶
液で溶融し、キチン・キトサンゾルとする。
粉末とMg0,Zn0,CaOを混合した混合粉末とを
練和することによって骨補填材を得る。得られた骨補填
材の各種類に対する圧縮強さ[gf/mm2 ]の測定結
果を図2に示した。図3は各種類の測定データを示して
いる。なお、図3におけるSDは偏差を示している。
サンの骨補填用のフィルムは、以下に説明するように製
造する。図1に示した各キチン・キトサンをそれぞれに
0.5g用い、リンゴ酸(もしくはマロン酸)0.5g
を生理食塩水10mlの水溶液で溶融し、キチン・キト
サンゾルとする。
形成し、3/%の水酸化カルシウム溶液、5%のZnO
を含有した溶液、あるいは3%のポリリン酸ナトリウム
溶液をそれぞれ単独あるいは混合して中和し、アパタイ
ト粉末を含むキチン・キトサンの骨補填用のフィルムを
作る。この骨補填用フィルムの各種類に対する引張強さ
[gf/mm2 ]を図4に示した。図5は各種類の測定
データを示している。
用いた生体反応について説明する。図6は骨補填材の種
類1〜11と骨形成率(%)/週との関係を示してい
る。図6に示した表によって骨補填材を用いて動物実験
を行った結果、早期に骨形成が進行する結果が得られ
た。
1では骨形成率27%であり、週7では骨形成率99%
である。ラットの頭蓋骨に2mmの穴を開け、この部分
に骨補填材を埋込し、各週毎にラットを屠殺して組織切
片を作成し、顕微鏡観察を行った。最初の2mmの穴に
対して骨がどれだけ形成されているかについて、画像解
析装置で解析したものである。図6において、数字の大
きいものほど骨が多く出来ていることを示している。
る。図7を参照して、牛、豚、もしくは魚などの骨をリ
ンゴ酸又はマロン酸等の酸に浸漬して,水洗してた後,
2〜3か月放置したものを石灰づけにする。次に,水洗
して,水溶性物質と、ケラチンと、脂肪とを除去して粉
末原料を作る。更に,この原料をリンゴ酸と,マロン酸
と,希塩酸等の酸によって中和し,水洗いした後,40
〜90℃で,8時間加熱する。
して母液を集める。この母液を減圧濃縮して,10℃で
冷却し凝固させる。凝固したものを切断して,28℃で
乾燥するとゼラチンが得られる。
0〜12%程度である。次に、ゼラチンを水酸化ナトリ
ウム(NaOH)水溶液で水溶解処理して除タンパクし
た後に濾過して生成物を得る。生成物は単に、骨形成物
としてだけではなく,キチン・キトサンへ添加すること
により骨補填用のフィルムをも作成できる。
することによっても骨補填材として有効である。
は、上述したように、N−脱アセチル化度が高いキチン
・キトサンと、N−脱アセチル化度が低いキチン・キト
サンとを混合して用い、N−脱アセチル化度が低いキチ
ン・キトサンが生体内で早く分解・吸収され、その部分
に新生血管が侵入して骨芽細胞が発生し、時間経過にと
もなって暫時、骨補填材もしくは骨補填用のフィルムが
分解・吸収され骨と置換して早期に骨形成が終了するこ
とが確認された。
製造方法によれば、N−脱アセチル化度が異なるキチン
・キトサンを用いることによって、時間経過にともなっ
て暫時、骨補填材や補填フィルムが分解・吸収されるの
で骨と置換して早期に骨の形成ができる。
ルをゲル化する性質を有しているため,骨形成形用のフ
イルムを製作することができ,キトサン等と混合するこ
とにより,硬化性中性骨形成物に比較して,MgO,C
aO及びZnOの添加量を減少させることができる。
の形態例に係る骨補填材の各種類に対する圧縮強さ測定
結果を示したデータ図である。
の形態例に係る骨補填材の各種類に対する圧縮強さ測定
結果を示したグラフである。
定例を示すデータ図である。
の形態例に係る骨補填材の各種類に対する引張強さ測定
結果を示したグラフである。
定例を示すデータ図である。
示した図である。
としてゼラチンの抽出方法を示す概略工程図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 キチン・キトサンと、動物の骨粉末とを
含む骨補填材において、前記キチン・キトサンはN−脱
アセチル化度が異なる複数種を含むことを特徴とする骨
補填材。 - 【請求項2】 請求項1記載の骨補填材において、少な
くともハイドロキシアパタイト粉末、α型トリカルシウ
ムホスヘイト、β型トリカルシウムホスヘイトの一種を
含むことを特徴とする骨補填材。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の骨補填材におい
て、フイルム形状を呈していることを特徴とする骨補填
材。 - 【請求項4】 キチンを水溶液中でN−脱アセチル化す
ることによってN−脱アセチル化度が異なる複数種のキ
チン・キトサンゾルを作る工程と、動物の骨を焼成・粉
砕して骨粉末を作る工程と、前記キチン・キトサンゾル
と前記骨粉末とを混合して練和する工程とを含む骨補填
材の製造法。 - 【請求項5】 請求項4記載の骨補填材において、少な
くともハイドロキシアパタイト粉末、α型トリカルシウ
ムホスヘイト粉末、βトリカルシウムホスヘイト粉末の
一種を添加し、前記キチン・キトサンゾルと前記骨粉末
とともに混合し練和する工程とを含むことを特徴とする
こを特徴とする骨補填材の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の骨補填材の製造方
法において、前記練和する工程の後、さらにフィルム形
状に形成する工程を含むことを特徴とする骨補填材の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9120669A JPH10309287A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 骨補填材、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9120669A JPH10309287A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 骨補填材、及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10309287A true JPH10309287A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14791997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9120669A Pending JPH10309287A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 骨補填材、及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10309287A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100482651B1 (ko) * | 2002-06-19 | 2005-04-13 | 한국화학연구원 | 조직공학용 천연/합성 하이브리드 담체 및 이의 제조방법 |
JP2010512220A (ja) * | 2006-12-11 | 2010-04-22 | チット2ジェル リミテッド | ヒドロゲルを形成する新規な注入可能なキトサン混合物 |
JP2011522879A (ja) * | 2008-06-11 | 2011-08-04 | チ2ジェル リミテッド | キトサン混合物を形成する注入可能なヒドロゲル |
US9034348B2 (en) | 2006-12-11 | 2015-05-19 | Chi2Gel Ltd. | Injectable chitosan mixtures forming hydrogels |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP9120669A patent/JPH10309287A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100482651B1 (ko) * | 2002-06-19 | 2005-04-13 | 한국화학연구원 | 조직공학용 천연/합성 하이브리드 담체 및 이의 제조방법 |
JP2010512220A (ja) * | 2006-12-11 | 2010-04-22 | チット2ジェル リミテッド | ヒドロゲルを形成する新規な注入可能なキトサン混合物 |
US9034348B2 (en) | 2006-12-11 | 2015-05-19 | Chi2Gel Ltd. | Injectable chitosan mixtures forming hydrogels |
JP2011522879A (ja) * | 2008-06-11 | 2011-08-04 | チ2ジェル リミテッド | キトサン混合物を形成する注入可能なヒドロゲル |
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A521 | Written amendment |
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|
A02 | Decision of refusal |
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