JPH0930980A - 骨形成促進剤,その製造方法及びそれを用いた骨形成組成物 - Google Patents
骨形成促進剤,その製造方法及びそれを用いた骨形成組成物Info
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Abstract
製造方法,それを用いた骨形成組成物を提供することに
ある。 【解決手段】 骨形成促進剤は,動物の骨から抽出され
た生成物であって,Mg,Si,Ca,Naを必須成分
として含む。この骨形成促進剤を製造するには,獣皮又
は酸浸漬した動物の骨を石灰漬けとし,中和し,加熱抽
出し,濃縮して乾燥し,得られたゼラチンを加熱して抽
出する。生成物は,ハイドロキシアパタイト粉末と混合
されて,硬化性中性骨形成物を作り,また,キトサンゾ
ルと混合されて骨形成促進用シートを作ることができ
る。
Description
その製造方法及び骨形成促進剤を含む骨形成組成物に関
し,詳しくは,歯科治療用に用いられる新生骨形成促進
剤と,その製造方法及び骨形成促進剤を用いた骨形成組
成物に関する。
2388号)として、動物の骨から抽出された生成物で
あって,MgCO3 ,Ca2 SiO4 ,CaO,Ca
(OH)2 を含む骨形成促進剤を提案した。
骨形成剤を埋入することによって,骨の再生を促す試み
が行われている。
キトサンゾル,及びハイドロキシアパタイトとを混合し
て,組成物を形成すると,単に硬化性骨形成物として利
用できるだけでなく,骨形成用シートとしても利用でき
るものである。
いる。図5に示すように,動物の骨をリンゴ酸又はマロ
ン酸等の酸に浸漬して,水洗して,2〜3か月放置した
ものを石灰づけにする。次に,水洗して,水溶性物質と
ケラチンと脂肪とを除去して原料を作る。更に,この原
料をリンゴ酸,マロン酸,希塩酸等の酸で中和して,水
洗いした後,40〜90℃で,8時間加熱する。このよ
うにして,抽出された抽出物を濾過して母液を集める。
この母液を減圧濃縮して,10℃で冷却し凝固させる。
凝固したものを切断して,28℃で乾燥するとゼラチン
が得られる。このゼラチンの歩留りは,牛骨では10〜
12%である。次にゼラチンを600〜1000℃,1
〜2時間加熱して,残渣として収率5wt%でpH1
2.5の生成物が得られる。
パタイトに少量添加しても,新生骨の生成に有効であ
る。
性質を有しているため,骨形成促進用シートを制作する
ことができ,キトサン等と混合することにより,硬化性
中性骨成形物に比較して,CaO及びZnOの添加量を
減少させ得ることも確認された。
ンは、600〜1000℃,1〜2時間加熱して生成物
が得られるが、ゼラチンを加熱して生成物を得る過程に
おいて、加熱中に悪臭が発生するために悪臭に対応する
特殊な加熱装置を用意して生成物を製造しなければなら
ないという問題がある。
れるため熱源や装置を考慮して生成する必要があるため
経済性に劣るという問題がある。
るとともに骨形成に有用である骨形成促進剤、その製造
方法、それを用いた骨形成組成物を提供することにあ
る。
形成物としてだけでなく,シート状等にしても使用する
ことができ,これによって,広範囲の用途に供すること
ができる骨形成促進剤を提供することにある。
骨を石灰漬けとし,中和し,加熱抽出し,濃縮して乾燥
して得られたゼラチンをNaOH水溶液で溶解処理し抽
出して作られた生成物であって,Mg,Si,Ca,N
aを含むことを特徴とする骨形成促進剤が得られる。
イドロキシアパタイト粉末とを含むことを特徴とする骨
形成組成物が得られる。
トサンとを含むことを特徴とする骨形成組成物が得られ
る。
骨を石灰漬けとし,中和し,加熱抽出し,濃縮して乾燥
し,得られたゼラチンをNaOH水溶液で溶解処理した
後に、濾過して生成物を抽出することを特徴とする骨形
成促進剤の製造方法が得られる。
図面を参照して説明する。
の抽出方法を示す図である。図1に示すように,動物の
骨をリンゴ酸又はマロン酸等の酸に浸漬して,水洗し
て,2〜3か月放置したものを石灰づけにする。次に,
水洗して,水溶性物質とケラチンと脂肪とを除去して原
料を作る。更に,この原料をリンゴ酸,マロン酸,希塩
酸等で中和して,水洗いした後,40〜90℃で,8時
間加熱する。このようにして,抽出された抽出物を濾過
して母液を集める。この母液を減圧濃縮して,10℃で
冷却し凝固させる。凝固したものを切断して,28℃で
乾燥するとゼラチンが得られる。このゼラチンの歩留り
は,牛骨では10〜12%である。次に、ゼラチンを水
酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で溶解処理して除タ
ンパクした後に濾過して生成物を得る。
べるために,誘導結合プラズマ発光分析法により定性お
よび含有量の推定を行った。この結果,生成物中にはM
g,Si,S,Ca及びNaが含まれていることが判明
した。次に,誘導結合プラズマ発光分析法によりMg,
Si,S,Ca及びNaの含有量を推定した。なお,こ
の測定には,誘導結合プラズマ発光分析装置(島津製作
所 ICPV−1000)を使用した。
している。図2では、Si,S,Cl,Ca,Mgが認
められる。なお、図2においてMgはSiによって重複
している。
aOH水溶液で処理して,除タンパクし濾過して残渣と
して収率5〜6wt%でpH12.5の生成物を得た。
生成物の分析結果では、Na,Mg,Si,Caが認め
られる。
認められる。なお、NaOHで溶解した場合、残渣は得
られなかった。
2gを塩酸で加熱分解し濾過した後,濾液を純水で50
ミリリットルに調整した。濾過の残渣を灰化し,アルカ
リ融解した後,塩酸に溶解し,融解液を純水で50ミリ
リットルに定容した。このようにして得られた融解液を
ICP装置に導入した。測定の結果,波長,383.2
3nm(Mg),251.61nm(Si),180.
73nm(S),317.93nm(Ca),589.
55nm(Na)でピークが発生し,生成物には,M
g,Si,S,Ca,及びNaが含まれていることが確
認された。誘導結合プラズマ発光分析法により定性およ
び含有量の推定は,定性された元素について,誘導結合
プラズマのピーク強度とバックグラウンド強度との比か
ら含有量を推定した。その結果を表1に示した。
O3 ,Ca2 SiO4 ,CaO,Ca(OH)2 で存在
するものと推定される。
ンゾルをゲル化する効果を有していることが判明した。
このため,この生成物は単に,硬化性骨形成物としてだ
けではなく,キトサン膜へ添加することにより,骨形成
促進用シートをも作成できる。
前記生成物を混合した骨形成促進用シートを作成する場
合について説明する。
酸0.4g,生理食塩水8cc)に生成物0.05g,
及びハイドロキシアパタイト1.5gを混合して,生成
物含有のキトサン膜,即ち,骨形成促進用シートを作っ
た。このキトサン膜の硬化時間は,1分20秒,硬化体
のpHは7.3,引張りの強さは1200g/cm2 ,伸
び40%であった。
4g,生理食塩水8cc)に対して生成物0.03g及
びハイドロキシアパタイト1.5gを混合して,生成物
含有のキトサン膜を作った。このキトサン膜の硬化時間
は,2分50秒,硬化体のpHは7.1,引張りの強さ
は1030g/cm2 ,伸び38%であった。
トサン0.5g,マロン酸0.4g,生理食塩水8c
c)に対して生成物0.02g及びハイドロキシアパタ
イト1.5gを混合して,キトサン膜を作った。硬化時
間は,3分10秒,硬化体のpHは6.8,引張りの強
さは970g/cm2 ,伸び32%であった。
部分に貼付けることにより,骨成長が促進されることが
判明した。
化型中性骨形成物へ生成物を混合した場合について説明
する。
塩水2ccにて,キトサゾルとし,CaO 0.02
g, ZnO 0.02g,ハイドロアパタイト0.4
g,生成物を0.02g添加して組成物を得た。この組
成物の硬化時間は,25分29秒であり,この硬化体の
PHは,7.7であった。また,硬化した組成物の圧縮
強さは,14kg/cm2 であった。
塩水2ccにて,キトサゾルとし,CaO 0.02
g, ZnO 0.03g,ハイドロアパタイト0.4
g,及び生成物を0.02g添加して組成物を得た。こ
の組成物の硬化時間は,7分であり,この硬化体のPH
は,7.9であった。また,硬化した組成物の圧縮強さ
は,22kg/cm2 であった。
2ccにて,キトサゾルとし,CaO 0.01g,
ZnO 0.01g,ハイドロアパタイト0.4g,及
び生成物を0.03g添加して組成物を得た。この組成
物の硬化時間は5分であり,硬化体のPHは,7.2で
あった。硬化した組成物の圧縮強さは,15kg/cm2
であった。
アパタイトと混合することによっても,骨形成促進剤と
して有効であることが判った。以下の実施例6では,上
記生成物をハイドロオキシアパタイト粉末と混合した場
合について説明する。
トを用い,頭蓋骨に直径2mm,深さ0.3mmに注水
下で,骨バーにて穿孔した。この穿孔部にハイドロアパ
タイト粉末単体と,図1によって抽出した抽出物0.5
gと,ハイドロキシアパタイト粉末5gを混合して埋入
した。術後,2週間と4週間にて屠殺し,脱灰後,Hema
toxyline-eosinにて染色した。観察の結果,ハイドロキ
シアパタイト粉末単体の場合には,骨形成は2週間及び
4週間の双方のラットとも骨形成は,認められなかった
が,生成物を混合した場合の実験群では,幼若な新生骨
と一部には成熟した骨が,Hematoxyline-eosinに赤く染
まった状態で確認された。また,4週目のラットでは,
かなり成熟した骨組織を確認することができた。
が動物の骨としては,他の動物の骨,例えば魚の骨でも
よい。
びそれを用いた組成物によれば、NaOHによってゼラ
チンを生成して生成物をつくることから、高温による加
熱生成を必要とせず、また悪臭を伴わずに廉価な骨形成
促進剤を提供することができる。
おり,生成物はアパタイトに少量添加しても,新生骨の
生成に有効である。このことは,生成物単独あるいは生
成物を各種アパタイトとキトサンとの混合により,骨形
成剤が得られることを示している。
性質を有しているため,骨形成促進用シートを制作する
ことができ,キトサン等と混合することにより,硬化性
中性骨成形物に比較して,CaO及びZnOの添加量を
減少させ得ることも確認された。
を示す概略工程図である。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 動物の骨を石灰漬けとし,中和し,加熱
抽出し,濃縮して乾燥して得られたゼラチンをNaOH
水溶液で溶解処理し抽出して作られた生成物であって,
Mg,Si,Ca,Naを含むことを特徴とする骨形成
促進剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の骨形成促進剤とハイドロ
キシアパタイト粉末とを含むことを特徴とする骨形成組
成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の骨形成促進剤とキトサン
とを含むことを特徴とする骨形成組成物。 - 【請求項4】 酸浸漬した動物の骨を石灰漬けとし,中
和し,加熱抽出し,濃縮して乾燥し,得られたゼラチン
をNaOH水溶液で溶解処理した後に、濾過して生成物
を抽出することを特徴とする骨形成促進剤の製造方法。
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