JPH10307455A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10307455A
JPH10307455A JP7352898A JP7352898A JPH10307455A JP H10307455 A JPH10307455 A JP H10307455A JP 7352898 A JP7352898 A JP 7352898A JP 7352898 A JP7352898 A JP 7352898A JP H10307455 A JPH10307455 A JP H10307455A
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純 平林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触帯電方式、転写方式、トナーリサイクル
プロセスの画像形成装置において、接触帯電部材として
帯電ローラやファーブラシ等の簡易な部材を用いて、し
かも該接触帯電部材の転写残トナーによる汚染にかかわ
らず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に
渡り安定に維持させて実現する、即ち帯電ローラ等の接
触帯電部材を用いた簡易な構成で、直接注入帯電と、ト
ナーリサイクルプロセスを実現すること。 【解決手段】 現像手段4の現像剤4dはトナーt及び
導電性を有する帯電促進粒子mを含み、像担持体1の静
電潜像の現像は該現像剤4dによりなされ、少なくとも
帯電部材2と像担持体1とのニップ部nに、現像部aで
像担持体に付着し転写後の像担持体上に残留した前記現
像剤中に含有の帯電促進粒子が持ち運ばれて介在してい
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法、及び
複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、接触帯電方式、転写方式、
トナーリサイクルプロセスの画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置や静電記録
装置等の画像形成装置において、電子写真感光体・静電
記録誘電体等の像担持体を所要の極性・電位に一様に帯
電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ
帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0004】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシール
ド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に
対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に
高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャ
ワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定に
帯電させるものである。
【0005】近時は、中低速機種の画像形成装置にあっ
ては、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロナ
帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることか
ら接触帯電装置が多く提案され、また実用化されてい
る。
【0006】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部
材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定
の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電
位に帯電させるものである。
【0007】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電機構と直接注入帯電機構
の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的で
あるかにより各々の特性が現れる。
【0008】.放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。
【0009】放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体に
一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな
電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロ
ナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電
生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾ
ンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】.直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、ある
いは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。よ
り詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用
いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものであ
る。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下
の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位
に帯電することができる。
【0011】この帯電系はイオンの発生を伴わないため
放電生成物による弊害は生じない。しかし、直接注入帯
電であるため、接触帯電部材の被帯電体への接触性が帯
電性に大きく効いてくる。そこで接触帯電部材はより密
に構成し、また被帯電体との速度差を多く持ち、より高
い頻度で被帯電体に接触する構成をとる必要がある。
【0012】A)ローラ帯電 接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電
ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という
点で好ましく、広く用いられている。
【0013】このローラ帯電はその帯電機構は前記の
放電帯電機構が支配的である。
【0014】帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム
材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを
積層して所望の特性を得たものもある。
【0015】帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記
す)との一定の接触状態を得るために弾性を持たせてい
るが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、感光体
に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従っ
て、直接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低
下や接触性の不足やローラ状のムラや感光体の付着物に
よる帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電で
はその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0016】図3は接触帯電における帯電効率例を表わ
したグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイ
アス、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位を表わす
ものである。ローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わさ
れる。即ち凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電
が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−10
00Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500V
直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に
持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加し
て感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的であ
る。
【0017】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合
には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面
電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1
で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯
電開始電圧Vthと定義する。
【0018】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vth
という必要とされる以上のDC電圧が必要となる。この
ようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電
を行なう方法を「DC帯電方式」と称する。
【0019】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感
光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変
動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難し
かった。
【0020】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
り、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるV
dに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0021】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0022】また、帯電均一化のためにAC帯電を行な
った場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界に
よる接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の
発生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0023】B)ファーブラシ帯電 ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維の
ブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、
その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接
触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させるものである。
【0024】このファーブラシ帯電もその帯電機構は前
記の放電帯電機構が支配的である。
【0025】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2 程度のも
のが比較的容易に得られるが、直接注入帯電により十分
均一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、
直接注入帯電により十分均一な帯電を行うには感光体に
対し機械構成としては困難なほどに速度差を持たせる必
要があり、現実的ではない。
【0026】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図3のBに示される特性をとる。従って、フ
ァーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプど
ちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し放電現象を用
いて帯電を行っている。
【0027】C)磁気ブラシ帯電 磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子
をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成し
た磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用
い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触
させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の
極性・電位に帯電させるものである。
【0028】この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構
は前記の直接注入帯電機構が支配的である。
【0029】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一に直接注入帯電を可能にす
る。
【0030】図3の帯電特性グラフのCにあるように、
印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能
になる。
【0031】しかしながら、機器構成が複雑であるこ
と、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落
して感光体に付着する等他の弊害もある。
【0032】特開平6−3921号公報等には感光体表
面にあるトラップ準位または電荷注入層の導電粒子等の
電荷保持部材に電荷を注入して接触注入帯電を行なう方
法が提案されている。放電現象を用いないため、帯電に
必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであ
り、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しな
いので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べる
と、オゾンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0033】D)トナーリサイクルプロセス(クリーナ
ーレスシステム) 転写方式の画像形成装置においては、転写後の感光体
(像担持体)に残存する転写残トナーはクリーナー(ク
リーニング装置)によって感光体面から除去されて廃ト
ナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出な
いことが望ましい。そこでクリーナーをなくし、転写後
の感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同
時クリーニング」で感光体上から除去し現像装置に回収
・再用する装置構成にしたトナーリサイクルプロセスの
画像形成装置も出現している。
【0034】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き
続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の
現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流
電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電
位差Vback)によって回収する方法である。この方法に
よれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以
後に再用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンス
に手を煩わせることも少なくすることができる。またク
リーナーレスであることでスペース面での利点も大き
く、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0035】E)接触帯電部材に対する粉末塗布 接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安定した均一
帯電を行なうために、接触帯電部材に被帯電体面との接
触面に粉末を塗布する構成が特公平7−99442号公
報に開示されているが、接触帯電部材(帯電ローラ)が
被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は前述のローラ帯電の場合と同様に以前として放電帯電
機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性を
得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加
するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多く
なってしまう。よって、長期に装置を使用した場合や、
クリーナーレスの画像形成装置を長期に使用した場合に
おいて、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れや
すい。
【0036】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにトナー粒子やシリカ微粒子が帯
電手段の表面に付着することによる帯電阻害を防止する
ために、現像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子
より小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有すること
が開示されている。しかし、この接触帯電は放電帯電機
構によるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電
による前述の問題がある。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
1)上記の従来の技術の項に記載したように、接触帯電
において、接触帯電部材として帯電ローラあるいはファ
ーブラシを用いた簡易な構成では直接注入帯電を行なう
には該接触帯電部材の表面が粗くて被帯電体としての像
担持体との密な接触が確保されず、直接注入帯電は不可
能であった。
【0038】そのため接触帯電においては、接触帯電部
材として帯電ローラやファーブラシ等の簡易な部材を用
いた場合でも、より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安
定した直接注入帯電を実現する、即ち、低印加電圧でオ
ゾンレスの直接注入帯電を簡易な構成で実現することが
期待されている。
【0039】2)またトナーリサイクルプロセスの画像
形成装置において、像担持体の帯電手段として接触帯電
装置を採用した場合においては、転写後の像担持体面に
残存の転写残トナーを除去するクリーナーを用いないた
め、転写後の像担持体面に残存の転写残トナーが像担持
体と接触帯電部材の接触部である帯電部に像担持体面の
移動でそのまま持ち運ばれて接触帯電部材がトナーで汚
染されるために接触帯電部材から像担持体への電荷の直
接注入が阻害されることも直接注入帯電を不可能にして
いる。また帯電不良が生じると更に接触帯電器へのトナ
ー混入が増加し帯電不良を激化させる。
【0040】そこで本発明は、接触帯電方式、転写方
式、トナーリサイクルプロセス(クリーナーレスシステ
ム)の画像形成装置において、接触帯電部材として帯電
ローラやファーブラシ等の簡易な部材を用いて、しかも
該接触帯電部材の転写残トナーによる汚染にかかわら
ず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡
り安定に維持させて実現する、即ち帯電ローラやファー
ブラシ等の接触帯電部材を用いた簡易な構成で、直接注
入帯電と、トナーリサイクルプロセスを実現することを
目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。
【0042】(1)像担持体と、該像担持体を帯電する
帯電手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画
像情報書き込み手段と、その静電潜像をトナーによりト
ナー画像として可視化する現像手段と、そのトナー画像
を記録媒体に転写する転写手段を有し、前記現像手段が
トナー画像を記録媒体に転写した後に像担持体上に残留
したトナーを回収するクリーニング手段を兼ねており、
像担持体は繰り返して作像に供される画像形成装置であ
り、前記像担持体を帯電する帯電手段が、電圧が印加さ
れ、像担持体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材で
あり、前記現像手段の現像剤はトナー及び導電性を有す
る帯電促進粒子を含み、像担持体の静電潜像の現像は該
現像剤によりなされ、少なくとも帯電部材と像担持体と
のニップ部に、現像部で像担持体に付着し転写後の像担
持体上に残留した前記現像剤中に含有の帯電促進粒子が
持ち運ばれて介在していることを特徴とする画像形成装
置。
【0043】(2)前記帯電促進粒子の粒子抵抗が10
12Ω・cm以下であり、粒径が50μm以下であること
を特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0044】(3)前記帯電促進粒子の粒子抵抗が10
10Ω・cm以下であり、粒径が50μm以下であること
を特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0045】(4)ニップ部を形成する前記帯電部材の
表面と前記像担持体の表面には速度差を設けることを特
徴とする(1)から(3)の何れか1つに記載の画像形
成装置。
【0046】(5)前記帯電部材と前記像担持体は互い
に逆方向に移動することを特徴とする(1)から(4)
の何れか1つに記載の画像形成装置。
【0047】(6)前記帯電部材は弾性導電ローラであ
ることを特徴とする(1)から(5)の何れか1つに記
載の画像形成装置。
【0048】(7)前記帯電部材は導電性繊維から構成
されるブラシであることを特徴とする(1)から(5)
の何れか1つに記載の画像形成装置。
【0049】(8)前記像担持体の最表面層の体積抵抗
が1×109 (Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)
以下であることを特徴とする(1)から(7)の何れか
1つに記載の画像形成装置。
【0050】(9)像担持体の帯電面に静電潜像を形成
する画像情報書き込み手段が像露光手段であることを特
徴とす(1)から(8)の何れか1つに記載の画像形成
装置。
【0051】〈作 用〉 a)現像手段の現像剤に含有させた導電性を有する帯電
促進粒子は、現像手段による像担持体側の静電潜像のト
ナー現像時にトナーとともに適当量が像担持体側に移行
する。
【0052】像担持体上のトナー画像は転写手段部にお
いて転写バイアスの影響で記録媒体側に引かれて積極的
に転移するが、像担持体上の帯電促進粒子は導電性であ
ることで記録媒体側には積極的には転移せず、像担持体
上に実質的に付着保持されて残留する。
【0053】そしてトナーリサイクルプロセスの画像形
成装置はクリーナーを用いないため、転写後の像担持体
面に残存の転写残トナーおよび上記の残存帯電促進粒子
は像担持体と接触帯電部材のニップ部に像担持体面の移
動でそのまま持ち運ばれて接触帯電部材に付着・混入す
る。
【0054】したがって、像担持体と接触帯電部材との
ニップ部にこの帯電促進粒子が存在した状態で像担持体
の接触帯電が行なわれる。
【0055】この帯電促進粒子の存在により、接触帯電
部材にトナーが付着・混入した場合でも、接触帯電部材
の像担持体への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるた
め、接触帯電部材が帯電ローラやファーブラシ等の簡易
な部材であり、しかも接触帯電部材の転写残トナーによ
る汚染にかかわらず、該接触帯電部材による像担持体の
直接注入帯電を行なわせることができる。
【0056】つまり、接触帯電部材が帯電促進粒子を介
して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持体
のニップ部に存在する帯電促進粒子が像担持体表面を隙
間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の
帯電は帯電促進粒子の存在により放電現象を用いない安
定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のロー
ラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、接
触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体
に与えることができる。
【0057】また接触帯電部材に付着・混入した転写残
トナーは接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出さ
れて像担持体面の移動とともに現像部に至り、現像手段
において現像同時クリーニング(回収)される(トナー
リサイクルプロセス)。
【0058】また接触帯電部材から帯電促進粒子が脱落
しても、画像形成装置が稼働されることで、現像手段の
現像剤に含有させてある帯電促進粒子が現像部で像担持
体面に移行し該像担持面の移動により転写部を経て帯電
部に持ち運ばれて接触帯電部材に逐次に供給され続ける
ため、帯電促進粒子の存在による良好な帯電性が安定し
て維持される。
【0059】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として帯電ローラやファーブラシ等の簡易な部材
を用いて、しかも該接触帯電部材の転写残トナーによる
汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入
帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な
帯電性を与えることが出来、オゾン生成物による障害、
帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コストな
画像形成装置を得ることができる。
【0060】b)接触帯電部材と像担持体とのニップ部
に帯電促進粒子を介在させることにより、該帯電促進粒
子の潤滑効果(摩擦低減効果)により接触帯電部材と像
担持体との間に容易に効果的に速度差を設けることが可
能となる。
【0061】接触帯電部材と像担持体との間に速度差を
設けることにより、接触帯電部材と像担持体のニップ部
において帯電促進粒子が像担持体に接触する機会を格段
に増加させ、高い接触性を得ることができ、容易に直接
注入帯電を可能にする。
【0062】速度差を設ける構成としては、接触帯電部
材を回転駆動して像担持体と該接触帯電部材に速度差を
設けることになる。好ましくは帯電部に持ち運ばれる像
担持体上の転写残トナーを接触帯電部材に一時的に回収
し均すために、接触帯電部材を回転駆動し、さらに、そ
の回転方向は像担持体表面の移動方向とは逆方向に回転
するように構成することが望ましい。即ち、逆方向回転
で像担持体上の転写残トナーを一旦引離し帯電を行なう
ことにより優位に直接注入帯電を行なうことが可能であ
る。
【0063】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて速度差をもたせることも可能である
が、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材
の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得る
には順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて
大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回
転数の点で有利である。ここで記述した周速比は 周速比(%)=(帯電部材周速−像担持体周速)/像担
持体周速×100 である(帯電部材周速はニップ部において帯電部材表面
が像担持体表面と同じ方向に移動するとき正の値であ
る)。
【0064】c)接触帯電部材として弾性導電ローラあ
るいは導電性繊維から構成されるブラシをもちいること
により、像担持体上の転写残トナーを一時的に回収する
とともに帯電促進粒子を担持し直接注入帯電を優位に実
行する。
【0065】d)像担持体の最表面層の体積抵抗を1×
109 (Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)以下と
することで、静電潜像を維持するとともに、プロセスス
ピードの速い装置においても、十分な帯電性を与え、直
接注入帯電を優位に実現することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
〈実施形態例1〉(図1) 図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模型
図である。
【0067】本例の画像形成装置は、転写式電子写真プ
ロセス利用、直接注入帯電方式、トナーリサイクルプロ
セス(クリーナーレスシステム)のレーザープリンタ
(記録装置)である。
【0068】(1)本例プリンタの全体的な概略構成 1は像担持体としての、φ30mmの回転ドラム型のO
PC感光体(ネガ感光体)であり、矢印の時計方向に5
0mm/secの周速度(プロセススピード)をもって
回転駆動される。
【0069】2は接触帯電部材としての導電性弾性ロー
ラ(以下、帯電ローラと記す)である。
【0070】この帯電ローラ2は芯金2a上に可撓性部
材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成す
ることにより作成される。中抵抗層2bは樹脂(例えば
ウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、
硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金2aの上にロー
ラ状に形成した。その後必要に応じて表面を研磨して直
径12mm、長手長さ250mmの導電性弾性ローラで
ある帯電ローラ2を作成した。
【0071】本例の帯電ローラ2のローラ抵抗を測定し
たところ100kΩであった。ローラ抵抗は、帯電ロー
ラ2の芯金2aに総圧1kgの加重がかかるようφ30
mmのアルミドラムに帯電ローラ2を圧着した状態で、
芯金2aとアルミドラムとの間に100Vを印加し、計
測した。
【0072】ここで、導電性弾性ローラである帯電ロー
ラ2は電極として機能することが重要である。つまり、
弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同
時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有
する必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの
欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要
がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場
合、十分な帯電性と耐リークを得るには104 〜107
Ωの抵抗が望ましい。
【0073】帯電ローラ2の硬度は、硬度が低すぎると
形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くな
り、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部を確保で
きないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が
悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好
ましい範囲である。
【0074】帯電ローラ2の材質としては、弾性発泡体
に限定するものでは無く、弾性体の材料として、EPD
M、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵
抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電
性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたも
のがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、
イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能
である。
【0075】帯電ローラ2は被帯電体としての感光体1
に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し
てある。nは感光体1と帯電ローラ2のニップ部である
帯電ニップ部である。この帯電ニップ部幅は3mmであ
る。本例では、この帯電ローラ2を帯電ニップ部nにお
いて帯電ローラ表面と感光体表面と互いに逆方向に等速
で移動するよう凡そ80rpmで矢印の時計方向に回転
駆動させた。即ち接触帯電部材としての帯電ローラ2の
表面は被帯電体としての感光体1の面に対して速度差を
持たせるようにした。
【0076】また帯電ローラ2の芯金2aには帯電バイ
アス印加電源S1から−700Vの直流電圧を帯電バイ
アスとして印加するようにした。本例では感光体1の表
面は帯電ローラ2に対する印加電圧とほぼ等しい電位
(−680V)に直接注入帯電方式にて一様に帯電処理
される。これについては後述する。
【0077】3はレーザーダイオード・ポリゴンミラー
等を含むレーザービームスキャナ(露光器)である。こ
のレーザービームスキャナは目的の画像情報の時系列電
気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ
ー光を出力し、該レーザー光で上記回転感光体1の一様
帯電面を走査露光Lする。この走査露光Lにより回転感
光体1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成
される。
【0078】4は現像装置である。回転感光体1面の静
電潜像はこの現像装置によりトナー画像として現像され
る。本例の現像装置は磁性一成分絶縁トナー(ネガトナ
ー)を用いた反転現像装置である。4aはマグネットロ
ール4bを内包させた、現像剤担持搬送部材として非磁
性回転現像スリーブであり、この回転現像スリーブ4a
に規制ブレード4cで現像剤4dが薄層にコートされ
る。現像剤4dのトナーは規制ブレード4cで回転現像
スリーブ4aに対する層厚が規制され、また電荷が付与
される。回転現像スリーブ4aにコートされた現像剤は
スリーブ4aの回転により、感光体1とスリーブ4aの
対向部である現像部(現像領域部)aに搬送される。ま
たスリーブ4aには現像バイアス印加電源S2より現像
バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧は、−5
00VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電
圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い
た。これにより、感光体1側の静電潜像がトナーで現像
される。
【0079】現像剤4dはトナーtと帯電促進粒子(帯
電補助粒子)mの混合物であり、トナーtは結着樹脂、
磁性体粒子、電荷制御剤を混合し、混練、粉砕、分級の
各工程を経て作成し、これに、帯電促進粒子mや流動化
剤を外添剤として添加して作成されたものである。トナ
ーtの重量平均粒径(D4)は7μmであった。帯電促
進粒子mは本例においては粒径3μmの導電性酸化亜鉛
粒子を用いた。また本例ではトナーt100重量部に対
して帯電促進粒子mを2重量部外添した。
【0080】導電性を有する帯電促進粒子mは本例では
比抵抗が106 Ω・cm、二次凝集体を含めた平均粒径
3μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いたけれども、帯電促
進粒子mの材料としては、他の金属酸化物などの導電性
無機粒子や有機物との混合物など各種導電粒子が使用可
能である。
【0081】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012 Ω・cm以下が必要であ
り、好ましくは1010 Ω・cm以下が望ましい。
【0082】抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化し
て求めた。即ち、底面積2.26cm2 の円筒内に凡そ
0.5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を
行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、そ
の後正規化して比抵抗を算出した。
【0083】粒径は良好な帯電均一性を得るために50
μm以下が望ましい。粒径の下限値は粒子が安定して得
られるものとして10nmが限界である。
【0084】本発明において、粒子が凝集体として構成
されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径
として定義した。
【0085】粒径の測定には、光学あるいは電子顕微鏡
による観察から、100個以上抽出し、水平方向最大弦
長をもって体積粒度分布を算出し、その50%平均粒径
をもって決定した。
【0086】以上述べたように帯電促進粒子mは、一次
粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した
状態で存在することもなんら問題はない。どのような凝
集状態であれ、凝集体として帯電促進粒子としての機能
が実現できればその形態は重要ではない。
【0087】帯電促進粒子mは特に感光体1の帯電に用
いる場合に潜像露光時に妨げにならないよう、無色ある
いは白色に近い粒子が適切である。さらに、カラー記録
を行なう場合、帯電促進粒子mが感光体上から記録材P
に転写した場合を考えると無色、あるいは白色に近いも
のが望ましい。また、画像露光時に帯電促進粒子による
光散乱を防止するためにのもその粒子は構成画素サイズ
以下であることが望ましい。
【0088】また、帯電促進粒子mは露光の妨げになら
ないように非磁性であることが好ましい。
【0089】5は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラであり、感光体1に所定に圧接させて転写ニップ部
bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給
紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材P
が給紙され、かつ転写ローラ5に転写バイアス印加電源
S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、
感光体1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転
写材Pの面に順次に転写されていく。本例ではローラ抵
抗値は5×108 Ωのものを用い、+2000VのDC
電圧を印加して転写を行なった。即ち、転写ニップ部b
に導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送
されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持さ
れているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写
されていく。
【0090】6は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部bに給紙されて感光体1側のトナー像の転写を
受けた転写材Pは回転感光体1の面から分離されてこの
定着装置6に導入され、トナー像の定着を受けて画像形
成物(プリント、コピー)ととして装置外へ排出され
る。
【0091】本例のプリンタはクリーナーレスであり、
転写材Pに対するトナー像転写後の回転感光体1面に残
留の転写残トナーはクリーナーで除去されることなく、
感光体1の回転にともない帯電部nを経由して現像部a
に至り、現像装置4において現像同時クリーニング(回
収)される(トナーリサイクルプロセス)。
【0092】(2)感光体1の直接注入帯電について a)現像装置4の現像剤4dに含有させた導電性を有す
る帯電促進粒子mは、現像装置4による感光体1側の静
電潜像のトナー現像時にトナーとともに適当量が感光体
1側に移行する。
【0093】感光体1上のトナー画像は転写ニップ部b
において転写バイアスの影響で転写材P側に引かれて積
極的に転移するが、感光体1上の帯電促進粒子mは導電
性であることで転写材P側には積極的には転移せず、感
光体1上に実質的に付着保持されて残留する。また感光
体1面に実質的に付着保持される帯電促進粒子mの存在
によりトナー画像の感光体1側から転写剤P側への転写
効率が向上する効果もえられる。
【0094】そしてトナーリサイクルプロセスの画像形
成装置はクリーナーを用いないため、転写後の感光体1
面に残存の転写残トナーおよび上記の残存帯電促進粒子
mは感光体1と接触帯電部材である帯電ローラ2の帯電
ニップ部nに感光体1の回転でそのまま持ち運ばれて帯
電ローラ2に付着・混入する。
【0095】したがって、感光体1と帯電ローラ2との
ニップ部nにこの帯電促進粒子mが存在した状態で感光
体1の接触帯電が行なわれる。なお、印字初期において
は帯電ローラ表面に帯電促進粒子が供給されず帯電が行
なえないので帯電ローラ表面には予め帯電促進粒子を塗
布しておくを可とする。
【0096】この帯電促進粒子mの存在により、帯電ロ
ーラ2にトナーが付着・混入した場合でも、帯電ローラ
2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できる
ため、接触帯電部材が帯電ローラのような簡易な部材で
あり、しかも帯電ローラの転写残トナーによる汚染にか
かわらず、該帯電ローラ2による感光体1の直接注入帯
電を行なわせることができる。
【0097】つまり、帯電ローラ2が帯電促進粒子mを
介して密に感光体に接触して、帯電ローラ2と感光体1
のニップ部に存在する帯電促進粒子mが感光体1表面を
隙間なく摺擦することで、帯電ローラ2による感光体1
の帯電は帯電促進粒子mの存在により放電現象を用いな
い安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来の
ローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得ら
れ、帯電ローラ2に印加した電圧とほぼ同等の電位を感
光体1に与えることができる。
【0098】また帯電ローラ2に付着・混入した転写残
トナーは帯電ローラ2から徐々に感光体1上に吐き出さ
れて感光体1面の移動とともに現像部aに至り、現像装
置4において現像同時クリーニング(回収)される(ト
ナーリサイクルプロセス)。現像同時クリーニングは前
述したように、転写後に感光体1上に残留したトナーを
引き続く画像形成工程の現像時、即ち引き続き感光体を
帯電し、露光して潜像を形成し、その潜像の現像時にお
いて、現像装置のかぶり取りバイアス、即ち現像装置に
印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差である
かぶり取り電位差Vback によって回収するものであ
る。本実施例におけるプリンタのように反転現像の場合
では、この現像同時クリーニングは、感光体の暗部電位
から現像スリーブにトナーを回収する電界と、現像スリ
ーブから感光体の明部電位へトナーを付着させる電界の
作用でなされる。
【0099】また帯電ローラ2から帯電促進粒子mが脱
落しても、画像形成装置が稼働されることで、現像装置
4の現像剤4dに含有させてある帯電促進粒子mが現像
部aで感光体1面に移行し該感光体1の回転により転写
ニップ部bを経て帯電部nに持ち運ばれて帯電ローラ2
に逐次に供給され続けるため、帯電促進粒子mの存在に
よる良好な帯電性が安定して維持される。
【0100】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として帯電ローラを用いて、しかも該帯電ローラ
2の転写残トナーによる汚染にかかわらず、低印加電圧
でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持さ
せることができ、均一な帯電性を与えることが出来、オ
ゾン生成物による障害、帯電不良による障害等のない、
簡易な構成、低コストな画像形成装置を得ることができ
る。
【0101】b)帯電ローラ2と感光体1とのニップ部
nに帯電促進粒子mを介在させることにより、該帯電促
進粒子mの潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電ローラ
2と感光体1との間に容易に効果的に速度差を設けるこ
とが可能となる。
【0102】帯電ローラ2と感光体1との間に速度差を
設けることにより、帯電ローラ2と感光体1のニップ部
nにおいて帯電促進粒子mが感光体1に接触する機会を
格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、容易に
直接注入帯電を可能にする。
【0103】速度差を設ける構成として、好ましくは帯
電部nに持ち運ばれる感光体1上の転写残トナーを帯電
ローラ2に一時的に回収し均すために、帯電ローラ2を
回転駆動し、さらに、その回転方向は感光体1表面の移
動方向とは逆方向に回転するように構成することが望ま
しい。即ち、逆方向回転で感光体1上の転写残トナーを
一旦引離し帯電を行なうことにより優位に直接注入帯電
を行なうことが可能である。
【0104】像担持体としての感光体1と接触帯電部材
としての帯電ローラ2とのニップ部nにおける帯電促進
粒子mの介在量は、少なすぎると、該粒子による潤滑効
果が十分に得られず、帯電ローラ2と感光体1との摩擦
が大きくて帯電ローラ2を感光体1に速度差を持って回
転駆動させることが困難である。つまり、駆動トルクが
過大となるし、無理に回転させると帯電ローラ2や感光
体1の表面が削れてしまう。更に該粒子による接触機会
増加の効果が得られないこともあり十分な帯電性能が得
られない。一方、該介在量が多過ぎると、帯電促進粒子
の帯電ローラ2からの脱落が著しく増加し作像上に悪影
響が出る。
【0105】実験によると該介在量は103 個/mm2
以上が望ましい。103 個/mm2より低いと十分な潤
滑効果と接触機会増加の効果が得られず帯電性能の低下
が生じる。
【0106】より望ましくは103 〜5×105 個/m
2 の該介在量が好ましい。5×105 個/mm2 を超
えると、該粒子の感光体1へ脱落が著しく増加し、粒子
自体の光透過性を問わず、感光体1への露光量不足が生
じる。5×105 個/mm2以下では脱落する粒子量も
低く抑えられ該悪影響を改善できる。該介在量範囲にお
いて感光体1上に脱落した粒子の存在量を測ると102
〜105 個/mm2 であったことから、作像上弊害がな
い該存在量としては105 個/mm2 以下が望まれる。
【0107】該介在量及び感光体1上の該存在量の測定
方法について述べる。該介在量は帯電ローラ2と感光体
1の接触面部を直接測ることが望ましいが、帯電ローラ
2に接触する前に感光体1上に存在した粒子の多くは逆
方向に移動しながら接触する帯電ローラ2に剥ぎ取られ
ることから、本発明では接触面部に到達する直前の帯電
ローラ2表面の粒子量をもって該介在量とした。具体的
には、帯電バイアスを印加しない状態で感光ドラム1及
び帯電ローラ2の回転を停止し、感光体1及び帯電ロー
ラ2の表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS
製OVM1000N)及びデジタルスチルレコーダ(D
ELTIS製SR−3100)で撮影した。帯電ローラ
2については、帯電ローラ2を感光ドラム1に当接する
のと同じ条件でスライドガラスに当接し、スライドガラ
スの背面からビデオマイクロスコープにて該接触面を1
000倍の対物レンズで10箇所以上撮影した。得られ
たデジタル画像から個々の粒子を領域分離するため、あ
る閾値を持って2値化処理し、粒子の存在する領域の数
を所望の画像処理ソフトを用いて計測した。また、感光
体1上の該存在量についても感光体1上を同様のビデオ
マイクロスコープにて撮影し同様の処理を行い計測し
た。
【0108】該介在量の調整は、現像装置4の現像剤4
dにおける帯電促進粒子mの配合量を設定することによ
り行った。一般には現像剤(トナー)t100重量部に
対して帯電促進粒子mは0.01〜20重量部である。
【0109】〈実施形態例2〉(図2) 本例は前記実施形態例1の画像形成装置において、像担
持体である感光体1の表面抵抗を調整することで更に安
定して均一に帯電を行なうものである。
【0110】つまり、接触帯電部材に転写残トナーが混
入し感光体1との接触面積が低下した場合でも、帯電促
進粒子の介在と、感光体側の表面抵抗を潜像形成可能な
領域で低く設定することにより、一層効率良く電荷の授
受を行なうものである。
【0111】本例では感光体1の表面に電荷注入層を設
けて感光体表面の抵抗を調節している。図2は、本例で
使用した、表面に電荷注入層を設けた感光体1の層構成
模型図である。即ち該感光体1は、アルミドラム基体
(Alドラム基体)11上に下引き層12、正電荷注入
防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重
ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムに電荷注入層
16を塗布することにより、帯電性能を向上したもので
ある。
【0112】電荷注入層16は、バインダーとしての光
硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)
としてのSnO2 超微粒子16a(径が約0.03μ
m)、4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの
滑剤、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法に
より膜形成したものである。
【0113】電荷注入層16として重要な点は、表層の
抵抗にある。電荷の直接注入による帯電方式において
は、被帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷
の授受が行えるようになる。一方、感光体として用いる
場合には静電潜像を一定時間保持する必要があるため、
電荷注入層16の体積抵抗値としては1×109 〜1×
1014(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0114】また本構成のように電荷注入層16を用い
ていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範
囲に或る場合は同等の効果が得られる。
【0115】さらに、表層の体積抵抗が約1013Ωcm
であるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な
効果が得られる。
【0116】〈実施形態例の評価〉比較例とともに本発
明の優位性を表1にまとめた。
【0117】
【表1】 〔比較例1〕比較例1は、帯電部材として帯電ローラを
用い、該帯電ローラを感光体に従動する構成とした。ま
た現像剤4dに帯電促進粒子mを配合しない構成とし
た。即ち帯電促進粒子mを用いない装置である。
【0118】〔比較例2〕比較例2は、比較例1の構成
において、予め帯電促進粒子を塗布した帯電ローラを用
いた。
【0119】〔評 価〕各々の例において帯電性の評価
は印刷速度の異なる画像記録装置を用いゴースト画像の
優劣で評価した。
【0120】本例は反転現像系で行っているので、ここ
で意味するゴーストとは、感光体の1周目において画像
露光した部分(トナー画像部である)が、感光体2周目
で帯電不足を起こすため、感光体上の前回の画像パター
ンのところがより強く現像され、ゴースト画像が発生す
ることを言う。
【0121】ここでは、その画像評価を以下の基準で行
った。
【0122】×:ベタ黒後の白地部においてゴーストが
見られる。
【0123】○:ベタ黒後の白地部においてゴーストが
見られないが、中間調部において若干ゴーストパターン
が見られる。
【0124】◎:ベタ黒後の白地部及び中間調部の何れ
においてゴーストが見られない。
【0125】また、評価は印字初期と1000枚(A4
縦方向)の印字を行った後に行った。表中のスラッシュ
線(斜線)上段は初期、下段は印字後の評価結果を表わ
している。
【0126】表から明らかなように、比較例1では初期
において既に、何れの速度でも帯電性を満足することが
なかった。つまり、これは帯電部材(帯電ローラ)が感
光体に充分接触できないため直接帯電が不可能であるこ
とを表わしている。
【0127】また、比較例2は、帯電促進粒子を塗布し
た初期はゴーストは見られないが、印字を続けると急速
に帯電ローラの汚れが進むと同時に、帯電促進粒子が脱
落し画像は大幅に劣化した。
【0128】実施形態例1では、現像剤4dに帯電促進
粒子mを混合し感光体を経由し該粒子を帯電部材へ安定
して供給することが可能であるため、感光体に対し充分
な接触性が得られ帯電性を満足し、かつそれを維持する
ことができる。更に、感光ドラムと帯電部材の速度をと
もに増加した場合にも良好な帯電性を示すが、帯電部材
の速度が低下すると若干の帯電不足が生じる。従って、
帯電部材と感光体は速度差を設けた方がより効率良く帯
電が行うことができる。
【0129】また、実施形態例2においては、感光体表
層の抵抗を静電潜像を維持できる範囲で低めに設定する
ことにより、接触状態としては同じであってもより効率
良く電荷の授受を行える。それは、よりプロセスが高速
で実行される場合に効果があり、表中の感光体速度が1
00mm/sec、帯電部材速度50mm/secの評
価を満足できることから明確である。
【0130】〈その他〉 1)接触帯電部材としての帯電ローラ2は実施形態例の
帯電ローラに限られるものではない。
【0131】また可撓性の接触帯電部材は弾性帯電ロー
ラの他に、ファーブラシ、フェルト、布などの材質・形
状のものも使用可能である。また、これらを積層し、よ
り適切な弾性と導電性を得ることも可能である。
【0132】2)接触帯電部材2や現像スリーブ4aに
対する印加帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは直
流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0133】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成された矩形波で
あっても良い。このように交番電圧の波形としては周期
的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0134】3)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成する
レーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常
のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子で
も構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等
の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電
潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0135】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。
【0136】4)現像手段4は実施形態例では一成分磁
性トナーによる現像装置を例に説明したが現像装置構成
について特に限定するものではない。
【0137】5)像担持体からトナー画像の転写を受け
る記録媒体は転写ドラム等の中間転写体であってもよ
い。
【0138】6)トナー粒度の測定方法の1例を述べ
る。測定装置としては、コールターカウンターTA−2
型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、
電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製する。
【0139】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、
アルキルベンゼンスルホン酸塩0.1〜5ml加え、更
に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0140】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンタ
ーTA−2型により、アパーチャーとして100μアパ
ーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定
して、体積平均分布を求める。これらの求めた体積平均
分布より体積平均粒径を得る。
【0141】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、接触帯電方
式、転写方式、トナーリサイクルプロセス(クリーナー
レスシステム)の画像形成装置において、接触帯電部材
として帯電ローラやファーブラシ等の簡易な部材を用
い、現像手段の現像剤に帯電促進粒子を混合すること
で、トナーをリサイクルすると同時に接触帯電部材の像
担持体への接触密度の向上を図り直接注入帯電を長期に
渡り維持することを可能にした。本構成では、絶縁体で
あるところのトナーが接触帯電部材に混入した場合にお
いても、同時に導電性粒子である帯電促進粒子を安定し
て供給することにより接触帯電部材と像担持体間に介在
させて接触帯電部材の像担持体への接触性を向上させる
ことで直接注入帯電を持続することができた。
【0142】また、像担持体と接触帯電部材は速度差を
もって接触させる。より好ましくは逆方向に移動するよ
う回転させて帯電することにより、像担持体と接触帯電
部材の接触性と接触機会を一層増加させるとともに、転
写残トナーの影響を抑え良好な帯電を維持することが可
能である。
【0143】さらに、像担持体表面の抵抗を調節するこ
とで、更に高速帯電にも適した帯電装置を構成すること
が可能になった。高速の記録装置においては、部材の長
寿命が要求されるため帯電部材の速度を下げて、感光体
など各部材の削れを低減することが望ましい。その意味
では、像担持体の表層の抵抗調整をすることにより帯電
効率を向上することで、帯電部材が低速度で駆動されて
いるときも十分な帯電性能を得て、それを長期に渡り維
持することが可能になった。
【0144】このように本発明は、接触帯電方式、転写
方式、トナーリサイクルプロセスの画像形成装置におい
て、接触帯電部材として帯電ローラやファーブラシ等の
簡易な部材を用いて、しかも該接触帯電部材の転写残ト
ナーによる汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレス
の直接注入帯電を長期に渡り安定に維持させて実現す
る、即ち帯電ローラやファーブラシ等の接触帯電部材を
用いた簡易な構成で、直接注入帯電と、トナーリサイク
ルプロセスを実現することができ初期の目的がよく達成
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における画像形成装置の概略構成
【図2】実施形態例2における、表面に電荷注入層を設
けた感光体の層構成模型図
【図3】帯電特性グラフ
【符号の説明】
1 感光体(像担持体、被帯電体) 2 帯電ローラ(接触帯電部材) 3 レーザービームスキャナ(露光器) 4 現像装置 4a 現像スリーブ 4d 現像剤(トナーt+帯電促進粒子m) 5 転写ローラ 6 定着装置 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永瀬 幸雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電
    手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情
    報書き込み手段と、その静電潜像をトナーによりトナー
    画像として可視化する現像手段と、そのトナー画像を記
    録媒体に転写する転写手段を有し、前記現像手段がトナ
    ー画像を記録媒体に転写した後に像担持体上に残留した
    トナーを回収するクリーニング手段を兼ねており、像担
    持体は繰り返して作像に供される画像形成装置であり、 前記像担持体を帯電する帯電手段が、電圧が印加され、
    像担持体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材であ
    り、 前記現像手段の現像剤はトナー及び導電性を有する帯電
    促進粒子を含み、像担持体の静電潜像の現像は該現像剤
    によりなされ、 少なくとも帯電部材と像担持体とのニップ部に、現像部
    で像担持体に付着し転写後の像担持体上に残留した前記
    現像剤中に含有の帯電促進粒子が持ち運ばれて介在して
    いることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記帯電促進粒子の粒子抵抗が1012Ω
    ・cm以下であり、粒径が50μm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記帯電促進粒子の粒子抵抗が1010Ω
    ・cm以下であり、粒径が50μm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 ニップ部を形成する前記帯電部材の表面
    と前記像担持体の表面には速度差を設けることを特徴と
    する請求項1から3の何れか1つに記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記帯電部材と前記像担持体は互いに逆
    方向に移動することを特徴とする請求項1から4の何れ
    か1つに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記帯電部材は弾性導電ローラであるこ
    とを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記帯電部材は導電性繊維から構成され
    るブラシであることを特徴とする請求項1から5の何れ
    か1つに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記像担持体の最表面層の体積抵抗が1
    ×109 (Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)以下
    であることを特徴とする請求項1から7の何れか1つに
    記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 像担持体の帯電面に静電潜像を形成する
    画像情報書き込み手段が像露光手段であることを特徴と
    する請求項1から8の何れか1つに記載の画像形成装
    置。
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