JPH10307314A - 観察光学装置 - Google Patents

観察光学装置

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JPH10307314A
JPH10307314A JP9134522A JP13452297A JPH10307314A JP H10307314 A JPH10307314 A JP H10307314A JP 9134522 A JP9134522 A JP 9134522A JP 13452297 A JP13452297 A JP 13452297A JP H10307314 A JPH10307314 A JP H10307314A
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observer
diopter
image
eye
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JP9134522A
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Inventor
Shuichi Kobayashi
秀一 小林
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ファインダ等で観察者の視度を簡便に合わせ
る。 【解決手段】 光源29a、29b、29cの何れかが
点灯すると、その光束は先ず第2の光反射手段25で偏
向し、続いて第1の光反射手段22により偏向し、接眼
レンズ21aを通り眼Eを照明する。このとき、光源2
9は平行光として眼Eを照明する。これらの光の眼Eに
おける反射光は再び接眼レンズ21aを通り、第1の光
反射手段22で反射され、第2の光反射手段25を透過
し、絞り26、結像レンズ27、受光素子28上に到達
する。絞り26は接眼レンズ21aの焦点位置に存在す
るので、光源29が発光した位置と観察者の視度に応じ
て、受光素子28上で得られた画像中の瞳像の光の強度
分布が変化する。これを画像解析回路30により解析
し、眼Eの視度を得ることが可能となる。この得られた
視度情報に基に、画像表示素子24をアクチュエータ3
3により所定量駆動し、視度調整を完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラやビ
デオカメラ等のファインダや双眼鏡、望遠鏡等の観察光
学機器の視度調整を自動化する観察光学装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラやビデオカメラのファイン
ダの視度調整方法として、固定のファインダに視度補正
レンズを付加して観察者の視度を合わせる方法、可動の
ファインタレンズを備え、そのファインダレンズの位置
を調整して視度を合わせる方法、或いはビデオカメラ等
の液晶表示装置等の画像表示装置を光軸方向に移動させ
ることで視度を調整する方法などが知られている。
【0003】しかしながら、このような方法はファイン
ダの観察者が直接ファインダの像を確認しながら、自分
の視度に対して調整するものであり、極めて煩わしい作
業である。
【0004】この問題を解決し、ファインダの視度を観
察者の視度に自動的に合わせるために、特開昭63−2
06731号公報、特開平6−301081号公報、特
開平8−286144号公報などの技術が開示されてい
る。
【0005】先ず、特開昭63−206731号公報に
ついて図24を用いて説明する。観察者の眼19をファ
インダレンズ10、ファインダ系12を介して観察し、
眼屈折力を眼屈折計14によって測定する。眼屈折計1
4は光源30の像P1を眼19の網膜上に投影する送光系
16と、網膜上の光源像22のピントを観察するための
受光系18を有している。なお、ファインダ系、送光
系、受光系の光路はハーフミラー38、48及びミラー
36により構成されている。
【0006】送光系16はレンズ34により光源30か
らの光束をファインダレンズ10のピント位置P2に結像
する。このとき、光路中に観察者の瞳24と共役の位置
にスリット40を設け、これを通して送光する。従っ
て、観察者の瞳24上にはスリット像が結像される。
【0007】受光系18はファインダレンズ10により
得られる網膜上の光源像22の像P3を、スリット58の
2つの開口部54、56を通してレンズ50、52によ
りラインセンサ64上に瞳分割して結像し、2つの光源
像P4、P5を形成する。これは、カメラの自動焦点検出に
用いる方法と同様なものであり、2つの光源像P4、P5の
間隔を像間距離演算部70で検出することによって、像
P3のピント状態を検出するものである。
【0008】この検出された情報を基に、ファインダの
制御部26はルーペ移動部28によりレンズ10を駆動
し視度調整を行う。スリット58の開口部54、56は
観察者の瞳24と共役の位置に設けており、スリット4
0と共に瞳24を分割するように構成されている。
【0009】次に、特開平6−301081号公報につ
いて図25を用いて説明する。物体を観察するためのフ
ァインダ装置と、ファインダを観察する観察者の眼屈折
力を測定するための手段とを有し、眼屈折力測定値に基
づいて観察者の眼屈折力を光学的に補償することによ
り、観察者の視力に拘わらずファインダ内の像のぼけを
なくしたものである。また、本従来例はビデオカメラ等
の撮像系を表しており、ここでは従来例の視度調節部分
に関する機能にのみ簡単に説明する。
【0010】図25において、人眼1、ファインダ内の
表示装置2、ハーフミラー3、接眼レンズ4は光軸x上
に配置されている。人眼1は接眼レンズ4を通してファ
インダ内の表示装置2を観察する。光軸xの途中に設け
られた第1のハーフミラー3により光軸xは分岐されて
おり、分岐された光軸上に別のハーフミラー8が配置さ
れている。この第2のハーフミラー8の透過側には、眼
屈折力測定のために遮光部材11と、人眼1の瞳を受光
素子13上に結像させるための結像レンズ12が存在す
る。更に、第2のハーフミラー8の反射側には光源7が
設けられている。
【0011】光源7からは赤外光が放射され、この光束
は第2のハーフミラー8、第1のハーフミラー3で反射
され、接眼レンズ4を通り人眼1に向かって照明され
る。照明された光は人眼1の瞳孔6を通り眼底5に導か
れる。光束は眼底5で反射され、瞳孔6を通り接眼レン
ズ4側に向かう。光束の一部は接眼レンズ4を通り、第
1のハーフミラー3で反射し、第2のハーフミラー8を
透過し、更に結像レンズ12を透過し受光素子13によ
り受光される。受光素子13は結像レンズ12により人
眼1の瞳孔6と共役関係があるため、眼底5からの反射
光は受光素子13上に広がりを持つ光量の分布を形成す
る。
【0012】第2のハーフミラー8と結像レンズ12の
間の遮光部材11により、人眼1の屈折力に応じて光量
分布が変化するために、受光素子13上に得られる瞳像
中は或る傾きを有する光強度分布を形成する。従って、
この傾きに基づいて視度を算出する。
【0013】更に、特開平8−286144号公報の技
術について、図26を用いて説明する。観察者の眼球1
は観察光学系2を介して画像表示素子の画像を観察する
ようにされている。画像観察系2の途中には第1の光反
射手段31が設けられ、光路を画像観察系2と視度検出
系3とに分岐している。P1は眼を照明するための第1の
光源であり、32は視度検出系中の投光系と受光系とに
光路を分岐するための第2の反射手段である。第1の光
源P1は接眼レンズ21の焦平面上に置かれ、投光系は2
つの反射手段32、31を介して、接眼レンズ21を通
して眼球1を照明する。投光系の第1の光源P1は第1の
アクチュエータ37に接続され、光源P1は時間的にその
光学的位置を変えることができるようにされている。
【0014】受光系は絞り33と結像レンズ34と受光
素子35より形成されており、投光系によって照明され
た眼球1の瞳像を受光する。受光素子35と観察者の眼
球1の瞳は共役な関係にあり、観察者の眼球1の眼底1
2と絞り33は共役関係にある。受光素子35の出力は
画像解析手段36に接続されている。視度測定は光源P1
の位置を第1のアクチュエータ37により変化させたと
きの瞳像中の光の強度分布を解析して行う。
【0015】一方、自動的にファインダの観察者の視度
とファインダの光学系における視度設定を合わせるとい
う前述の特開平6−1081号公報、特開昭63−67
31号公報のような技術の他に、特開平1−24151
1号公報、特開平2−5号公報に開示されているような
ファインダの観察者の視線方向を検出するという技術が
知られている。これは、撮影者の意志をより正確に反映
した撮影を実現することを目的としているものであり、
1眼レフカメラやビデオカメラなどにこの視線方向を検
出するという技術が搭載され、商品化されている。
【0016】図27はビデオカメラのファインダに視線
検出の機能が搭載された場合の例を示している。ここで
は、視線を検出するための構成のみを簡単に説明する。
観察者の眼Eの前方には、接眼レンズ1a、ハーフミラ
ーから成る光反射手段2、接眼レンズ1b、観察するた
めの表示装置3が配列されている。光反射手段2の反射
方向には、絞り4、レンズ5、受光素子6が配置され、
受光素子6の出力は画像解析回路7に接続されている。
また、接眼レンズ1aと眼Eの間には光源8が眼Eの眼
を照明するために設けられている。
【0017】光源8は赤外光を観察者の眼Eに向かって
照射する。眼Eの表面で反射された光は、接眼レンズ1
aを透過し光反射手段2で反射され、絞り4、結像レン
ズ5を通り、受光素子6上に結像され、受光素子6上に
は眼Eの像が形成される。
【0018】図28において、受光素子6上には角膜で
の光の反射によるプルキンエ像P、眼Eの瞳孔像Eiが形
成されている。受光素子6は制御回路9によって駆動さ
れる受光素子駆動回路10により駆動され、受光素子6
で受光された画像の出力は画像解析回路7に接続されて
おり、その画像解析回路7でプルキンエ像P、瞳孔部像
Eiが画像中から解析される。そして、この解析結果を基
に視線方向を検出する。
【0019】先に説明した特開平6−1081号公報と
特開平8−286144号公報は、この視線検出機能と
観察者の視度測定機能を併せ持つファインダを実現する
ことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−6731号公報に開示されている所謂眼屈折計に
おいては、瞳分割を行って網膜上の像を観察するため
に、眼屈折力の測定が可能となる瞳の位置が屈折力計の
スリットの位置により一義的に定まってしまうため、観
察者の眼を或る特定の位置に固定しなければならないと
う問題を生ずる。また、送光系と受光系のスリットの像
の位置を瞳上に正確に形成する必要があり、構成が複雑
になるという問題も生ずる。更には、前述の観察者の視
線方向を検出する機能を付加するためには、新たに視線
方向を検出するための光学系を別途設ける必要があり、
ファインダが更に大型化してしまうという欠点もある。
【0021】また、特開平6−1081公報では視線方
向が検知できるものの、視度の調整量によっては眼の像
と受光素子との共役関係が変化してしまうという問題が
生ずる可能性がある。
【0022】また、特開平8−286144公報は光源
を時間的に変化させる照射角変更手段を必要とするため
に構造が複雑になる。
【0023】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
観察者の視度に簡便に合わせることができる観察光学装
置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像観察装
置は、照明手段と、受光手段と、画像解析手段とを有
し、前記照明手段は、少なくとも2つ以上の複数の光源
と、観察者が観察対象を観察するための光学系とその一
部を共有し観察者の眼を照明する照明光学系とを有し、
前記受光手段は、観察者が観察対象を観察するための光
学系とその一部を共有する受光光学系と、観察者が所定
の視度のときにおける観察者の眼底と共役の位置にある
開口絞りと、前記照明手段により照明した観察者の眼球
の像を受光する受光素子とを有し、前記画像解析手段は
前記照明手段の複数の光源が順次に点灯したときの前記
受光素子上で得られる観察者の眼球像を解析することを
特徴とする。
【0025】また、本発明に係る画像観察装置は、観察
光学系と、観察者の眼の視度を検出するための視度検出
手段と、該視度検出手段により得られた観察者の視度情
報により前記観察光学系の視度を調整する視度調整手段
とを有し、観察者の視度を測定する際に前記観察光学系
の視度を或る特定の位置に設定した状態において観察者
の視度を測定することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図23に図示の実
施例に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施例を
説明するための主要部の概略図である。本実施例では、
ビデオカメラ等に採用されている液晶等の画像表示素子
の画像を倍率を変えて観察するような観察光学系が用い
られている。Eは観察者の眼を表しており、Rはその眼
底、Iは虹彩、Cは角膜を表している。人間の眼Eには
これら以外に様々な部位が存在するが、ここでは省略す
る。
【0027】眼Eの前方には、接眼レンズ21a、ハー
フミラーから成る第1の光反射手段22、接眼レンズ2
1bから成る観察光学系23、画像表示素子24が配列
されている。第1の光反射手段22の反射方向にはハー
フミラーから成る第2の光反射手段25、絞り26、撮
像レンズ27、CCD等から成る受光素子28が配列さ
れ、第2の光反射手段25の反射方向には赤外光を発す
る3個の光源29a、29b、29cが設けられてい
る。
【0028】また、受光素子28の出力は画像解析回路
30に接続され、画像解析回路30の出力は図示しない
カメラ側の回路と接続する制御回路31に接続されてい
る。更に、制御回路31の出力は画像表示素子24の画
像表示を駆動する画像表示装置駆動回路32、画像表示
素子24を光軸方向に移動するアクチュエータ33、受
光素子28を駆動する受光素子駆動回路34、光源29
a、29b、29cに接続されている。
【0029】視度検出系35は眼を照明するための投光
系35aと眼Eから反射した光を受光するための受光系
35bとから構成されている。光源29a、29b、2
9cは、眼Eと光源29の間にある接眼レンズ21aの
焦平面上に位置している。また、絞り26も同様に接眼
レンズ21aの焦平面上に位置している。受光素子28
は結像レンズ27及び接眼レンズ21aに対して眼Eの
表面と共役関係になるように配置されている。
【0030】観察者は接眼レンズ21a、21bを通し
て画像表示素子24による画像を観察している。制御回
路31からの信号により、光源29a、29b、29c
の何れかが点灯すると、その光束は先ず第2の光反射手
段25で偏向し、続いて第1の光反射手段22により偏
向し、接眼レンズ21aを通り眼Eを照明する。このと
き、光源29は接眼レンズ21bの焦平面上に配置され
ているため、平行光として眼Eを照明する。これらの光
は眼Eの角膜Cなどの表面で反射及び角膜C等を透過し
た光は眼底Rで反射する。これらの反射光は再び接眼レ
ンズ21aを通り、第1の光反射手段22で反射され、
第2の光反射手段25を透過し、絞り26、結像レンズ
27、受光素子28上に到達する。
【0031】受光素子28は眼Eの表面と共役関係にあ
るため、受光素子28上には眼球の像が形成される。ま
た、絞り26は接眼レンズ21aの焦点位置に存在する
ので、光源29が発光した位置と観察者の視度に応じ
て、受光素子28上で得られた画像中の瞳像の光の強度
分布が変化する。これを画像解析回路30により解析
し、眼Eの視度を得ることが可能となる。この得られた
視度情報に基に、画像表示素子24をアクチュエータ3
3により所定量駆動し、視度調整を完了する。
【0032】図2は投光系35bの作用説明図であり、
簡単のために光路を展開して示している。図2(a) は光
軸上に位置した光源29aによる投光時における光路を
示し、光源29aからの投光光は平行光で眼Eを照明す
る。この光源29aの照明により、眼Eの内部に入射し
た光は眼底R上に光源29aの像Paを形成する。
【0033】図2(b) は光源29bからの照明を行った
場合の光路を示し、光源29bは光軸からΔx離れた位
置にあるために、眼Eに対して角度θ傾いて照明するこ
とになる。なお、θは光源29bと眼Eの間にある接眼
レンズ21aの焦点距離fを用いて、 θ= tan-1(Δx/f) のように表される。この傾いて入射した光により、眼底
Rには光軸からΔx’だけ離れた点に光源29bの像Pb
が形成される。これらの像Pa、Pbは、2次光源として作
用する。
【0034】図2では、像Pa、Pbが眼底R上で結像した
ように示したが、眼Eの視度によっては、光源29a、
29bと眼Eの眼底R上との結像関係が崩れ、図3の近
視眼の場合に示すように眼底R上にぼけた状態で照明す
ることがある。
【0035】視度測定のための原理について説明する。
図4は受光系の配置を簡略化して示したものであり、L1
は眼Eの屈折力を表すレンズを表し、全体として眼Eの
光学系を表している。また、L2は観察光学系のレンズで
あり、Nは光軸に垂直に配置されたナイフエッジを表
し、観察光学系のレンズL2の焦点位置にあり、光軸に対
して片側を通る光を遮光する。
【0036】図4(a) は観察者の眼Eが正視眼の状態を
表している。正視眼の場合には、眼底Rにある2次光源
からの光は図4(a) に示すように平行光となる。このた
め、この光は観察光学系のレンズL2の焦点位置に結像す
る。図4(a) の場合に、このナイフエッジNの位置で眼
Eからの光束が結像するため、受光素子28上には均一
の光量分布が得られる。
【0037】図4(b) は観察眼が近視眼の場合について
の眼底Rにある2次光源からの光の経路を示す。近視眼
の場合に、眼底Rからの光束が結像する位置がナイフエ
ッジNよりも眼E側で結像することになり、受光素子2
8で得られる光量分布は上半分が遮光されたような形と
なる。
【0038】図4(c) は観察者の眼Eが遠視眼の場合を
示したものであり、この場合に受光素子28上の光量分
布は下半分が遮光されたような状態になる。
【0039】なお、図4では各視度によって光量分布が
異なることを示したが、投光系35aの説明で述べたよ
うに、実際は外部から眼Eを照明するために、眼底Rで
の光源の像は観察者の視度によりぼけ方が異なってい
る。
【0040】図5はぼけ像を加味した時の光量の分布の
説明図である。なお、L3は眼球像を受光素子35上に結
像するためのレンズである。眼Eが正視眼のとき眼底R
とナイフエッジNはレンズL1、L2に関して共役関係にな
り、またレンズL1の表面と受光素子28はレンズL2、L3
を介して共役関係になっている。従って、眼Eの瞳径を
Puとし、瞳のレンズL2、L3に対する倍率をβとしたと
き、受光素子28上での瞳像の直径Buは、次式のよう
になる。 Bu=β・Pu
【0041】図5(a) 、(b) 、(c) は正視眼、近視眼、
遠視眼のそれぞれの場合の瞳像の光の強度分布を示し、
光源29のぼけを考慮したときの光源29のナイフエッ
ジNによる光路を示している。正視眼の場合は図5(a)
に示すようにナイフエッジNにより遮光されることはな
いため、図4(a) の場合と同様に均一の光量分布が得ら
れる。
【0042】また、図5(b) は近視眼の場合を示したも
のであり、ナイフエッジNにより下方が明るい勾配を有
する光量分布が現れる。このように眼Eの視度により、
瞳中の光の強度分布が変化することから、その光の強度
分布を受光素子28上に得られた画像により解析するこ
とで、観察者の視度情報が得られる。
【0043】図5(c) は遠視眼の場合の光量分布の様子
を示したものであり、図5(b) の近視眼の場合と光量分
布が異なっていることが分かる。このときの視度の計測
については、特開平6−301081公報や特開平2−
252432公報などに記載されている通りである。
【0044】図4、図5はナイフエッジNが光軸に対し
て片側を遮光する場合について説明したが、本実施例で
はナイフエッジNのような光軸に対して片側を遮光する
部材は存在せず、その位置に開口絞り26が配置されて
いる。そして、図2、図3で説明したように、光源29
を光軸からオフセットして配置することにより、この効
果を発揮させるようにしている。
【0045】本実施例の場合の受光系の動作について、
正視眼、近視眼、より度が強い近視眼、遠視眼の場合を
それぞれ図6、図7、図8、図9を用いて説明する。な
お、理解し易いように各視度における眼底Rに形成され
た2次光源Pa、Pbを点で示している。
【0046】図6は観察者が正視眼の時の2次光源Paか
らの光線の経路とそのとき得られる受光素子28上の画
像、及びその画像上での図中のY断面における電気信号
の様子を模式的に示したものであり、図6(a) は光軸上
にある光源29aが点灯した状態を示し、F0は観察者の
眼Eの周りを表しており、F1は黒眼部像、F2は瞳孔部
像、F3は角膜からの反射像であるプルキエンエ像であ
る。
【0047】図6(b) 、(c) は光軸からオフセットした
光源29bが点灯したときの2次光源Pbからの光路、及
びそのとき得られる画像、及び画像中のY断面の光の強
度分布に対する電気信号の出力を模式的に表現したもの
である。眼底Rに形成された2次光源Pbは絞り26によ
っても遮光されていない場合であり、この場合に瞳孔部
像F2の受光素子28上での位置が変化するものの、瞳像
中の光の強度分布は均一なものが得られる。
【0048】図6(c) は光軸からオフセットされた光源
29bがより光軸から離れたときであり、この場合に眼
底R上に形成される2次光源Pbの像の絞り26上に形成
される像は、絞り26によって完全に遮光されてしま
う。このため、そのとき得られる受光素子28上の画像
中の瞳孔部像F2は暗くなり、そのときの電気信号の出力
F4が得られる。
【0049】図7は観察者の眼Eが近視眼の場合の2次
光源の光路、及びそのとき得られる受光素子28上の画
像及び画像中のY断面における電気信号の出力F4を示し
ている。図7(a) は光源29aが点灯した状態を示し、
近視眼であるために眼底Rに形成された2次光源Paは絞
り26よりも接眼レンズ21a側に結像する。
【0050】図7(b) は光軸からオフセットされた光源
29bによる2次光源Pbの場合であり、絞り26の位置
で光線が或る割合で遮ぎられるために、眼Eの画像F0〜
F3、電気信号出力F4が得られる。図7(c) は光軸からの
オフセット量がより大きい光源による場合を示し、この
場合に絞り26において光線が遮光されてしまうため、
(c) に示すような光路により画像及びY断面の信号とな
る。
【0051】図8は図7の場合よりも近視眼の度合いが
強い場合であり、近視の度合いがより強くなった場合
に、眼底Rの2次光源の像は絞り26に対してより接眼
レンズ21a側に結像する。図8(a) は光軸上にある光
源29aにより照明した場合であり、光軸上に位置する
光源29aから照明された場合に近視の度合いが強い
と、2次光源Paからの光が絞り26で一部が遮光されて
しまい、対称的な勾配を持った光量分布の出力F4にな
る。
【0052】また、図(b) 、(c) に示すように光軸から
オフセットされた光源29bからの場合の2次光源Pbか
らの光線の光路、そのときの画像及び電気信号は視度に
応じて出力F4の勾配が変化している。
【0053】図9は遠視眼の場合の2次光源Pa、Pbから
の光路及びそのときの画像F0〜F3、及び電気信号の出力
F4を示し、図9(b) は図7、図8の(b) と比べると、瞳
像中の光量分布の出力F4の向きが異なっていることが分
かる。
【0054】図10は光軸上にある光源29aが点灯し
た場合の受光素子28で得られた画像F0と、そのときの
瞳像の拡大図F5及び電気信号の出力F4を示している。光
軸上の光源29aが点灯した場合に、眼Eの視度によら
ずに対称性のある光量分布が得られる。この状態におい
て、得られた瞳像の中に1画素以上から成る領域S1、S2
を選択する。光源29aによるそれぞれのエリアS1、S2
における出力を、Out(S1)a、Out(S2)aとし、図10に示
すようにエリアS1、S2を光軸に対して対称な位置に選択
すれば、次式のようになる。Out(S1)a=Out(S2)a
【0055】次に、光源29bを点灯させ、そのときの
それぞれのエリアS1、S2の出力をOut(S1)b、Out(S2)bと
し、次式を算出する。 Δb=Out(S1)b−Out(S2)b
【0056】同様に、光源29bと光軸に対して対称な
位置にある光源29cを点灯させ、それぞれのエリアS
1、S2の出力から、次式を算出する。 Δc=Out(S1)c−Out(S2)c
【0057】図11、図12は近視眼の場合の光源29
b及び29cを点灯した状態を表したものであり、Δb
<0、Δc>0が得られ、これらが近視であることを表
し、またS1とS2の間の距離をdとしたとき、Δb/d、
Δc/dの大きさが視度を表す。このことから、視度情
報を得るためには光源29b又は29cの出力だけで求
まるが、それぞれを平均化することで検出の誤差を減ら
すことができる。
【0058】以上のような原理によって観察者の眼Eの
視度を算出することができる。そして、この算出された
量に基づいて画像表示素子24をアクチュエータ33に
より駆動すれば、眼Eに視度を合わせることが可能とな
る。
【0059】本実施例はビデオカメラ等のファインダで
あり、次にこれらの視度調節の動作アルゴリズムを図1
3のフローチャート図により説明する。
【0060】ステップ1:電源を投入する。
【0061】ステップ2:制御上のパラメータの読み込
みやカメラを動作させるための設定が行われ、自動視度
調節を行うかどうかのパラメータもこのとき読み込まれ
る。また、画像表示素子24を初期設定の位置に移動す
る。なお、本実施例の場合にファインダの視度を0ジオ
プタに設定する。
【0062】ステップ3:ステップ2において読み込ま
れたパラメータに従い、自動視度調節が行われるかどう
かの判定をする。
【0063】ステップ4:アクチュエータ33を駆動
し、視度検出を行うための視度に画像表示素子24を移
動する。
【0064】ステップ5:光軸上にある光源29aを発
光し、受光素子28で眼Eの像を取り込み、光源29a
を消灯する。
【0065】ステップ6:ステップ5で読み込まれた画
像を解析し、眼Eが画像中に確認されているか、瞳孔部
の光量が或る許容範囲内で均一化されているかなどをチ
ェックする。
【0066】ステップ7:瞳像中の光量分布を計測する
エリアを設定する。
【0067】ステップ8:光軸からオフセットされた光
源29bを発光し、そのときの眼像を取り込む。
【0068】ステップ9:光軸からオフセットされた光
源29cを発光しそのときの眼像を取り込む。
【0069】ステップ10:ステップ8、ステップ9で
得られた画像を解析し、視度情報を得る。
【0070】ステップ1l:ステップ10で得られた結
果の信頼性を判定する。
【0071】ステップ12:ステップ11で得られた視
度にするためのアクチュエータ33の移動量を算出す
る。
【0072】ステップ13:アクチュエータ33を駆動
し視度調節を行う。
【0073】ステップ14:視度調節を終了し、撮影な
どを行う。
【0074】本実施例では、電源を投入した状態におけ
る視度調節に関するアルゴリズムについて述べたが、視
度調節を行うのはこれに限定するものでなく、ファイン
ダの観察者が視度調節を行いたいとの意志をカメラ側に
伝えるスイッチ等を設け、それに基づいて視度調節を行
えるようにしてもよいし、或る時間間隔をおいて自動的
に行えるようにしてもよい。
【0075】また本実施例では、光軸上に位置している
光源29aからの照明により、観察者の瞳孔の状態を検
出し、視度測定のためのエリアS1、S2を設定したが、瞳
孔等の検出に当っては、光源29aの位置を限定するも
のでなく、例えば光軸からオフセットされている対称位
置にある光源29b、29cを同時に点灯するなどして
もよいし、照明によって瞳孔部を特定できれば同様の効
果が得られる。更に、本実施例では、視度算出に当って
瞳像中の2つのエリアS1、S2の光量の勾配から算出した
が、これは2つのエリアということに限定するものでは
なく、より多くのエリアを基にして視度を算出すること
も可能である。
【0076】また光学的な配置として、絞り26を正視
眼のときの眼底Rと共役な関係になるように設定した
が、この位置に限定するものでない。例えば、ファイン
ダの基準となる視度が−1ジオプタであったとき、その
位置に絞り26を設定すれば、その基準視度のときに光
軸上の光源29aを発光したときの光量分布が対称とな
り、視度算出に対しては同様の効果が得られる。
【0077】また、光源と絞り26の位置関係について
は、眼底Rに形成される2次光源からの光線の中心光線
が、絞り26のエッジに掛かるようにすると、図6、図
9や特開平2−252432号公報や特開平6−301
081号公報のように、光軸上に光源29aがあるとき
のナイフエッジと同様の効果が得られる。
【0078】本実施例では、3つの光源29a、29
b、29cを順次に点灯する場合について説明したが、
2つ以上の光源29があり、光軸に関して垂直な方向に
配置されていれば同様の作用効果が得られる。例えば、
図14に示すように投光系35aの光源29を2つにし
ても、或いは図15に示すようにより多くの光源29を
設けても同様の効果が得られる。特に、投光系35aに
レンズを付加し、光源29の位置に対して光線のふれ角
を小さくするような配置にすると、精度の良い視度検出
が可能となる。
【0079】また本実施例では、ビデオカメラ等に採用
されている画像表示素子24を観察するためのファイン
ダについて示したが、ビデオカメラに限定されるもので
ない。また本実施例では、受光素子28上に眼像が得ら
れるため、瞳孔中心及びプルキンエ像の位置を算出する
ことができる。従って、この2つの量から眼Eの回転角
即ち眼Eの視線方向を検知することが可能である。
【0080】更に本実施例は、観察者の眼Eの視度を計
測する目的があるため、眼Eに対して平行光で照明し眼
底Rからの反射光の瞳像における強度分布を測定できる
ようにしたが、視線検知の目的のためには瞳孔中心とプ
ルキンエ像の位置が特定できればよい。従って、図16
に示すように、観察光学系の接眼レンズ21aと眼Eの
間に制御回路31で制御される第2の光源群36を設
け、この照明によって視線検知を行うようにすることも
できる。
【0081】なお本実施例では、眼を平行光で照明し受
光素子28で受光を行うため、受光素子28上で瞳像が
検知できれば視度測定を行うことができ、眼Eを或る一
点に固定する必要がない。
【0082】人間の眼は調整能力があるため、例えば近
視の人は或る距離よりも近いものを見ることができる。
従って、観察光学系の視度が近視寄りに設定されている
状態で、正常眼の観察者或いは近視眼の観察者が観察し
た場合に、観察者は自らの眼を調節して視度を観察光学
系に合わせてしまう可能性がある。従って、自動視度調
節を行う場合に、観察者の眼Eにできるだけ調節機能を
働かせない状態で、遠点視度を検出しその視度に対して
観察光学系の視度調節を行うことが望ましい。本実施例
では、自動視度調節を行うときに、図13のフローチャ
ートのステップ4で視度測定用の視度位置設定を行って
いる。この視度は0ジオプタに設定しているが、この視
度については限定するものでなく、観察眼に強い調節作
用を強いないものであれば同様の効果が得られる。
【0083】図17は第2の実施例の主要部概略図であ
り、第1の実施例と同一の符号は同一の部材を示してい
る。本実施例はプリズム形状をした画像観察光学素子を
有する画像観察装置に、第1の実施例の視度検出及び調
整手段を適用したものである。画像観察光学素子41は
第1の光学作用面41aと、反射層を有する第2の光学
作用面41bと、第3の光学作用面41cを有し、全体
として正の屈折力を有する。接眼レンズとして作用する
ものであり、観察者は画像観察光学素子41を通して画
像表示素子24の画像を観察する。画像観察光学素子4
1と画像表示素子24の間には、光路を分けるためのガ
ラス平板42がありガラス平板42中のハーフミラー4
2aにより光路を分岐する。
【0084】ハーフミラー42aの反射方向には、赤外
光を反射するハーフミラーである光反射手段25、絞り
26、結像レンズ27、受光素子28が配列され、光反
射手段25の反射方向には光源29a、29b、29c
が設けられている。
【0085】この第2の本実施例の画像観察装置は、画
像表示素子24を光軸に垂直な方向に移動させて視度調
整を行う。画像表示素子24からの光は、ガラス平板4
2を透過して画像観察素子41の第3の光学作用面41
cを屈折透過して、第1の光学作用面41aに向かい、
この面41aで全反射して第2の光学作用面41bに向
かい、この光学作用面41bの反射層で反射して、再び
第1の光学作用面41aに向かう。そして、この光学作
用面41aを屈折透過し拡大した虚像を形成すると共
に、観察者の眼Eに入射して虚像を観察させる。
【0086】観察光学素子41は像性能と歪みを補正
し、画像表示素子24に対してテレセントリックな系と
するために3つの作用面41a、41b、41cをそれ
ぞれ回転対称な軸を有さない3次元曲面で構成されてい
る。ここでいう光軸とは、例えば観察者がアイポイント
の位置で真っ直ぐ画像を観察したときの瞳孔中心を通る
光線などの基準となる軸のことである。
【0087】光源29は光反射手段25で反射しハーフ
ミラー42aで反射され、画像観察光学素子41を通
り、観察者の眼Eを照明する。このとき、光源29は眼
Eを照明するための光束が平行になるような位置に置か
れている。この照明により、照明時と逆の経路をたどっ
て反射像が戻り、光反射手段25を透過し、絞り26、
結像レンズ27を介して受光素子28上に結像する。絞
り26は観察眼が正視眼のときの反射光が集光する位
置、つまり観察者の眼Eの視度が0ジオプタのときの集
光する位置に設定されている。
【0088】受光素子28上には眼Eの像が得られる
が、その画像中の瞳の光の強度分布を解析することによ
り視度を検出する。視度により光の強度分布が変化する
原理は、第1の実施例で説明した通りである。そして、
検出された視度に基づいて第1のアクチュエータ33を
駆動し画像観察装置の視度を調整する。
【0089】図18、図19、図20は図10、図1
1、図12と同様に、眼Eが近視眼であるときの光源2
9a、29b、29cである時の状態の眼像及び眼像中
の瞳像、そして瞳像中のY断面における電気信号の分布
を模式的に示したものであり、光源29a、29b、2
9cが点灯した場合がそれぞれ図18、図19、図20
に対応する。
【0090】図18は光源29aが点灯した場合に得ら
れる画像であるため、瞳像の光の強度分布の電気信号の
出力F4に対称性がある。光源29b及び29cが点灯し
た状態では、眼Eが近視眼、遠視眼である場合に、瞳像
中の光の強度分布が図18及び図19に示すようにそれ
ぞれ変化する。瞳像の中にある強度分布を検出するため
の領域S1、S2を、図に示したように設定する。
【0091】ここで、Out(S1)a、Out(S1)b、Out(S1)c、
・・・は、それぞれエリアS1における光源29a、29
b、29cの出力を表し、Out(S2)a、Out(S2)b、Out(S
2)c、・・・は、それぞれエリアS2における光源29
a、29b、29cの出力を表しているものとする。
【0092】図21は光源29b、29cを交互に点灯
させたときの信号の変化を示し、光源29b、29cの
変化と光の強度変化の位相情報が、近視眼であることを
表し、そのときの変化量情報の次式の Δb=Out(S1)b−Out(S2)b
【0093】或いは、次式の Δc=Out(S1)c−Out(S2)c が視度を表している。このΔb又はΔcを時間的に平均
化することにより精度を向上させることができる。ま
た、原理的にはΔb又はΔcの一方が求まれば視度が検
出できるが、本実施例のように複数の光源29b、29
cからの情報で視度を算出することにより、視度検出量
の信頼性を向上させることができる。
【0094】また、視度情報は次式からも求めることが
できる。 Δ1=Out(S1)b−Out(S1)c
【0095】遠視眼の場合には、光源29b、29cの
変化と光の強度分布の位相情報が近視眼の状態の逆にな
る。
【0096】この第2の実施例では、光源29の点灯の
状態と瞳像中の光量変化の位相と変化量から視度情報を
得たが、この方法に限定するものでなく、第1の実施例
のようにその勾配から検出するようにしてもよく、受光
素子28上で得られた画像の瞳像中の光源の変化と光量
分布との相関関係を画像解析回路30により解析するこ
とにより、同様の効果が得られる。このように、光源2
9b、29cを順次に点灯することで動的な応答が検出
できるため、精度の高い視度検出が行える。また、その
ために第1の実施例の図15に示すようにより多くの光
源を配置してもよい。本実施例の画像観察装置は、第1
の実施例と同様の自動視度調節アルゴリズムにより調節
を行うことができる。
【0097】図22は第3の実施例の主要部の概略図で
あり、本実施例は位置Gに形成された像を観察するため
の観察光学装置に、第1の実施例の視度検出手段及び調
整手段を取り入れたものである。観察者は位置Gに配し
た例えば画像表示素子24によって形成された像を観察
するように構成されている。なお、第1、第2の実施例
と同じ符号のものは同じ部材を表すものとして説明を省
略する。
【0098】本実施例では、観察光学系23の一部の接
眼レンズ21bを光軸方向に移動させて光学系の視度を
変更するように構成されている。そのため、視度調節を
行うためのアクチュエータ33が観察光学系23の接眼
レンズ21bに接続されており、視度検出光学系3によ
り検出された観察者の眼Eの視度に合わせて、制御回路
31からの信号により駆動される。視度検出方法は第
1、第2の実施例と同様の方法で行うことができる。
【0099】また、第3の実施例の視度検出系35内の
受光素子28は、第1、第2の実施例と同様に観察者の
眼Eの像を受光しており、瞳像の光の強度分布から視度
を検出している。この受光素子28上の画像中には、瞳
孔、プルキンエ像を含み、それらの画像から瞳孔中心、
プルキンエ像位置を算出することによって、観察者の視
線方向を得ることも可能である。また、そのために瞳孔
をより特定し易くするために、眼底Rからの反射光をな
くす目的で、図23に示すような観察者の眼Eと接眼光
学系2の間に視線方向検知用の照明の光源36を配置し
これにより照明してもよい。
【0100】また、本実施例において観察画像の位置に
図示しない光学系からの実像を形成させると、双眼鏡等
の観察光学系に自動視度調節装置が適用できる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る観察光
学装置は、観察者が観察対象を観察する際に観察者が視
度を調整しなくとも、自動的に観察者の視度に視度を調
整することができる。また、観察者が眼の位置を固定せ
ずに、観察者が或る空間的な範囲内にあれば観察者の視
度を検出することができ、比較的簡単な構成によりその
機能を実現し得る。更に、観察者の視度を検出できるば
かりでなく、観察者の視線方向を検出することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】正視眼における作用説明図である。
【図3】近視眼における作用説明図である。
【図4】ナイフエッジ法を用いた場合の視度検出の説明
図である。
【図5】ナイフエッジ法の説明図である。
【図6】正視眼の場合の説明図である。
【図7】近視眼の場合の説明図である。
【図8】より度が強い近視眼の場合の説明図である。
【図9】遠視眼の場合の説明図である。
【図10】正視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図11】近視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図12】遠視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図13】フローチャート図である。
【図14】変形例の構成図である。
【図15】他の変形例の構成図である。
【図16】視線検知のための光源を付加した構成図であ
る。
【図17】第2の実施例の構成図である。
【図18】正視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図19】近視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図20】遠視眼の場合の瞳部の光量分布及び測定エリ
アの説明図である。
【図21】光量変化のグラフ図である。
【図22】第3の実施例の構成図である。
【図23】視線検知のための光源を付加した構成図であ
る。
【図24】従来例の構成図である。
【図25】従来例の構成図である。
【図26】従来例の構成図である。
【図27】従来例の構成図である。
【図28】従来例の構成図である。
【符号の説明】
21a、21b 接眼レンズ 22、23 光反射手段 24 画像表示素子 26 開口絞り 27 結像レンズ 28 受光素子 29、36 光源 30 画像解析回路 31 制御回路 32 画像表示装置駆動回路 33 アクチュエータ 34 受光素子駆動回路 41 画像観察光学素子 42 平板ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/225 G02B 7/11 N

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明手段と、受光手段と、画像解析手段
    とを有し、前記照明手段は、少なくとも2つ以上の複数
    の光源と、観察者が観察対象を観察するための光学系と
    その一部を共有し観察者の眼を照明する照明光学系とを
    有し、前記受光手段は、観察者が観察対象を観察するた
    めの光学系とその一部を共有する受光光学系と、観察者
    が所定の視度のときにおける観察者の眼底と共役の位置
    にある開口絞りと、前記照明手段により照明した観察者
    の眼球の像を受光する受光素子とを有し、前記画像解析
    手段は前記照明手段の複数の光源が順次に点灯したとき
    の前記受光素子上で得られる観察者の眼球像を解析する
    ことを特徴とする観察光学装置。
  2. 【請求項2】 前記照明手段の複数の各光源は赤外光を
    発光する光源であり、前記各光源は光軸に対して垂直な
    面内に存在する請求項1に記載の観察光学装置。
  3. 【請求項3】 前記照明手段中の各光源は、観察者の眼
    と前記各光源との間に存在する光学系の焦平面上に配置
    した請求項2に記載の観察光学装置。
  4. 【請求項4】 前記受光手段の受光素子は、光軸に対し
    て垂直な面内に広がりを有する二次元的な配列を有する
    光電変換素子とした請求項3に記載の観察光学装置。
  5. 【請求項5】 観察者が観察対象を観察する光学系中
    に、前記受光手段の光路と観察者が観察対象を観察する
    ための光路とを分岐する第1の光反射手段を有し、該第
    1の光反射手段と前記受光手段との光路中に、観察者の
    眼球を照明するための前記照明手段と前記受光手段との
    光路を分岐する第2の光反射手段を有する請求項4に記
    載の観察光学装置。
  6. 【請求項6】 前記受光素子上で得られた瞳像の光の強
    度分布から観察者の眼の視度に関する値を検出する請求
    項5に記載の観察光学装置。
  7. 【請求項7】 観察者の眼の視度に合わせて観察光学系
    の視度を調整するための手段を有し、前記観察光学系の
    視度を調整する視度変更手段が前記第1の光反射手段に
    対し観察対象側にあり、前記瞳像中の光の強度分布から
    得られた観察者の視度に関する値を基に、前記視度調整
    手段により視度を変更する請求項6に記載の観察光学装
    置。
  8. 【請求項8】 前記受光素子上で得られた画像から、観
    察者の眼球の瞳孔位置と角膜反射光の位置を算出し、そ
    れに基づき観察者の視線方向を検知する請求項7に記載
    の観察光学装置。
  9. 【請求項9】 観察者の眼球と最も眼球側のレンズとの
    間に眼球を照明するための第2の照明手段を有する請求
    項8に記載の観察光学装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の照明手段は赤外光を発光す
    る請求項9に記載の観察光学装置。
  11. 【請求項11】 観察光学系と、観察者の眼の視度を検
    出するための視度検出手段と、該視度検出手段により得
    られた観察者の視度情報により前記観察光学系の視度を
    調整する視度調整手段とを有し、観察者の視度を測定す
    る際に前記観察光学系の視度を或る特定の位置に設定し
    た状態において観察者の視度を測定することを特徴とす
    る観察光学装置。
  12. 【請求項12】 前記視度検出手段は観察者が観察対象
    を観察するための光学系とその光路の一部を共有し、前
    記視度検出手段の位置は或る所定の位置に固定し、前記
    視度調整手段が前記共有した光路中に存在しないように
    した請求項11に記載の観察光学装置。
  13. 【請求項13】 前記視度検出手段は、前記共有した光
    路を通して観察者の眼球を照明するための照明手段と、
    眼球の瞳孔部と略共役の関係になるように配置した受光
    手段とから成り、前記照明手段により照明されたときの
    観察者の眼球の像中の瞳像の光の強度分布から観察者の
    視度情報を得て、該視度情報により前記観察光学系の視
    度を前記視度調整手段により調整する請求項12に記載
    の観察光学装置。
  14. 【請求項14】 前記照明手段は赤外光を発光する固定
    され複数の光源から成る請求項13に記載の観察光学装
    置。
  15. 【請求項15】 前記照明手段により観察者の眼球が照
    明されたときに前記受光手段により得られる観察者の眼
    球の画像中から観察者の瞳孔部と角膜反射光の位置を算
    出し、それにより観察者の視線方向を検出する請求項1
    4に記載の観察光学装置。
  16. 【請求項16】 観察者の眼と前記観察光学系との間に
    第2の照明手段を設け、該第2の照明手段は前記観察光
    学系の光軸からオフセットした位置に配置した光源群と
    し、前記第2の照明手段により観察者の眼球を照明した
    ときに得られる受光素子上の観察者の眼球の画像から観
    察者の視線方向を検出する請求項13に記載の観察光学
    装置。
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