JPH10306847A - 可変速度型ダンパ - Google Patents

可変速度型ダンパ

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JPH10306847A
JPH10306847A JP13042997A JP13042997A JPH10306847A JP H10306847 A JPH10306847 A JP H10306847A JP 13042997 A JP13042997 A JP 13042997A JP 13042997 A JP13042997 A JP 13042997A JP H10306847 A JPH10306847 A JP H10306847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸に連結される可変速度型ダンパを容易
に高い精度で構成できるようにする。 【解決手段】 アウタレース11、インナレース12及
びボール13からなるベアリングアッセンブリ10内
へ、円板状のダンパウエイト20を圧入してダンパウエ
イトアッセンブリ3を構成し、フライホイール1の側面
に周方向へ等間隔で形成された複数の円形凹部2内へ、
それぞれダンパウエイトアッセンブリ3を圧入して可変
速度型ダンパ4が構成され、ダンパウエイト20の両側
面にそれぞれ同形状の凹部20aが形成されて、ダンパ
ウエイト20の重心Gが凹部2の中心線O2 から偏奇し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン出力軸等
のトルク変動を低減させるためフライホイール等に設け
られる定次数ダイナミックダンパ、すなわち、可変速度
型ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可変速度型ダンパは、実公昭63
−11405号公報に示されているように、内燃機関の
フライホイール本体にその軸心と平行な中心線をもつ有
底丸穴を形成し、くりぬき空洞部の形成により偏心した
平たい円柱状のダンパウエイトを上記丸穴に挿入して、
ダンパウエイトの外周面と有底丸穴の内周面との間の環
状空間にローラベアリングを介装し、ローラベアリング
によりダンパウエイトを有底丸穴内で回動自在に保持さ
せると共に、有底丸穴内に封入されたオイルによりロー
ラベアリングを潤滑するように構成して、ダンパウエイ
トの低騒音化を図っている。
【0003】しかしながら、ダンパウエイトの重心位置
を偏奇させるためダンパウエイトを貫通する比較的大き
な空洞部がダンパウエイトに形成されていて、その空洞
部ではダンパウエイトに壁部が全く存在していないの
で、ダンパウエイトの径方向における剛性が大幅に低下
することは避けられず、従って、ダンパウエイトの形状
に歪みや加工誤差等が発生しやすい問題があって、結果
的にダンパウエイトに対して十分な精度を確保すること
ができず、内燃機関の運転中にダンパウエイトがフライ
ホイール本体から脱落するおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、回転
軸に連結される可変速度型ダンパを容易に高い精度で構
成できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかか
る可変速度型ダンパは、回転軸と同軸的に連結された円
板状ダンパ本体に形成され上記ダンパ本体の回転軸心と
直角な断面が円形で中心線が上記回転軸心と平行な凹部
または孔部と、上記凹部または孔部内に配置され重心の
位置が上記中心線から偏奇した略円板状のダンパウエイ
トと、上記ダンパウエイトの外周側と上記凹部または孔
部の内周側との間に配置され上記ダンパウエイトを上記
中心線の回りに揺動自在に支持する軸受部材とを有する
可変速度型ダンパにおいて、上記ダンパウエイトは、上
記中心線から偏心して形成された有底の空洞部により上
記重心の位置設定が行われている。
【0006】すなわち、可変速度型ダンパにおける略円
板状のダンパウエイトが、円板状ダンパ本体に形成され
た断面円形の凹部または孔部内で軸受部材により揺動自
在に支持されているにもかかわらず、ダンパウエイトの
重心を凹部または孔部の中心線から偏奇した位置へ設定
するためダンパウエイトに有底の空洞部が形成されてい
ても、その空洞部には底部が設けられているので、上記
中心線に直角なダンパウエイトの断面内にはダンパウエ
イトの外周面内を中実とする円形壁部が必ず存在するこ
ととなって、ダンパウエイトに十分の剛性を与えること
ができ、従って、ダンパウエイトの外周面に変形や誤差
が生じにくくなり、ダンパウエイトの精度を常に良好に
確保することができて、ダンパ本体からダンパウエイト
が脱落するおそれを容易に解消させることが可能とな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施形
態例について、各実施形態例の同等部分にはそれぞれ同
一符号を付けて説明する。図1において、ディーゼルエ
ンジンの出力軸と同軸的に連結された円板状フライホイ
ール1の側面には、複数の、例えば6個の有底凹部2が
周方向へ等間隔に形成され、各凹部2はフライホイール
1の回転軸心O1 と直角な断面が円形で、その中心線O
2 がそれぞれ回転軸心O1 に平行となっており、各凹部
2内にそれぞれダンパウエイトアッセンブリ3が嵌合固
定されて、可変速度型ダンパ4が構成されている。
【0008】ダンパウエイトアッセンブリ3は、図2〜
図4に示されているように、ベアリングアッセンブリ1
0及びダンパウエイト20からなり、ベアリングアッセ
ンブリ10は環状のアウタレース11と、環状のインナ
レース12と、両レース11、12間に配置された多数
のセラミック製ボールあるいはセラミック製ローラ13
とにより形成され、アウタレース11及びインナレース
12はステンレス製や特殊鋼製、もしくは、セラミック
製であって、ボールあるいはローラ13がセラミック製
で表面がちみつのため自己潤滑性があり、または、図5
に示されているように、ベアリングアッセンブリ10は
環状のアウタレース11と、環状のインナレース12
と、両レース11、12間に配置された環状の固体潤滑
材14とにより形成されていて、いずれの場合も、アウ
タレース11及びインナレース12はボールあるいはロ
ーラ13、または、固体潤滑材14によりそれぞれ相対
的に回動自在に構成され、ベアリングアッセンブリ10
は耐熱性を有していると同時に、流動性の潤滑材である
潤滑油をとくに必要としないものである。
【0009】なお、上記固体潤滑材14としては、含浸
された油による流体潤滑、境界潤滑を基本とする含油軸
受、例えば、含油アセタール樹脂、含油ポリオレフィン
樹脂、含油ポリアミド樹脂、含油ポリエステル樹脂、粉
末焼結含油材、成長鋳鉄含油材等からなる軸受材と、剪
断抵抗がきわめて小さい黒鉛、二硫化モリブデン、金属
石けん、軟質金属、プラスチック等の固体潤滑剤による
固体潤滑を基本とする乾燥摩擦軸受、例えば、黒鉛系耐
熱材、黄銅系もしくは青銅系固体潤滑剤埋込材、鋳鉄系
固体潤滑剤埋込材、アルミ青銅系固体潤滑剤埋込材、固
体潤滑剤分散型焼結材、耐摩耗銅合金、金属系表面処理
材、四ふっ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノー
ル樹脂等からなる軸受材とがある。
【0010】また、ダンパウエイト20は、凹部2の中
心線O2 と直角の断面外周が円形である略円板状であっ
て、その両側端面にはそれぞれ有底の空洞部である同一
形状の凹部20aが鋳造もしくは鍛造により形成され、
この凹部20aによりダンパウエイト20の重心Gの位
置が中心線O2 から偏奇していて、インナレース12内
へ冷し嵌め、あるいは、圧入により固定される。
【0011】すなわち、ベアリングアッセンブリ10の
インナレース12内にダンパウエイト20を固定するこ
とにより、ダンパウエイトアッセンブリ3が予め製作さ
れていて、そのダンパウエイトアッセンブリ3をフライ
ホイール1の各凹部2内へ冷し嵌め、あるいは、圧入に
よりそれぞれ嵌合固定することにより、可変速度型ダン
パ4が構成されている。
【0012】可変速度型ダンパ4におけるダンパウエイ
ト20は、ベアリングアッセンブリ10により凹部2の
中心線O2 の回りに揺動自在に支持されていて、その重
心Gの位置が中心線O2 から偏奇しており、また、中心
線O2 と直角なベアリングアッセンブリ10の中心面O
3 上に重心Gが位置しているため、フライホイール1の
回転軸心O1 と凹部2の中心線O2 との距離、凹部2の
中心線O2 とダンパウエイト20の重心Gとの距離、及
び、ダンパウエイト20の質量を適宜選定することによ
り、ディーゼルエンジン出力軸のトルク変動に基づく定
次数角加速度を効果的に低減させて、上記トルク変動を
抑制することができると共に、フライホイール1の凹部
2内に固定されたベアリングアッセンブリ10によりダ
ンパウエイト20が支持されていて、エンジンの起動時
やエンジンの停止時に、ダンパウエイト20が自重で凹
部2の内周面へ落下して衝突するようなことは全くない
ため、ダンパウエイト20の装着により騒音が発生した
り、凹部2の内周面等が損傷することを確実に防止する
ことができる。
【0013】また、アウタレース11と、インナレース
12と、両レース11、12間に配置された多数のボー
ルあるいはローラ13とにより構成されたベアリングア
ッセンブリ10は市販製品をそのまま使用することがで
き、他方、アウタレース11と、インナレース12と、
両レース11、12間に配置された固体潤滑材14とに
より構成されたベアリングアッセンブリ10は部品個数
が極めて少なくて構造が簡単であるため、いずれの場合
もベアリングアッセンブリ10に高い精度を持たせるこ
とが容易であると共に、ダンパウエイト20をベアリン
グアッセンブリ10内に固定してダンパウエイトアッセ
ンブリ3を構成させた上、ダンパウエイトアッセンブリ
3をフライホイール1の凹部2内へ嵌合固定させるの
で、可変速度型ダンパ4の組立て作業が簡単であって、
その組立てによりベアリングアッセンブリ10の精度が
何ら損なわれることはなく、ダンパウエイト20はベア
リングアッセンブリ10により常に揺動自在に支持さ
れ、従って、精度の高い可変速度型ダンパ4を比較的容
易に、かつ、安価に製作することができる大きな長所が
ある。
【0014】さらに、ベアリングアッセンブリ10はそ
れぞれ耐熱性を有していると同時に、劣化、消失あるい
は偏在しやすいオイルやグリース等の流動性潤滑材をと
くに必要としないので、ディーゼルエンジンの出力軸に
連結されたフライホイール1のように、比較的高温度で
高遠心力が作用しても、可変速度型ダンパ4としての機
能を長期間にわたって良好に維持させることができる特
色がある。
【0015】しかも、ダンパウエイト20における凹部
20aは有底の空洞部を形成しているため、凹部2の中
心線O2 と直角なダンパウエイト20の断面内には、ダ
ンパウエイト20の外周面内を中実とする円形壁部が必
ず存在していて、ダンパウエイト20の径方向に対する
剛性は十分に高く、従って、ダンパウエイト20の製作
時はもちろんのこと、可変速度型ダンパ4としての長期
にわたる使用中においても、ダンパウエイト20の外周
面に変形や誤差が生じにくくなり、ダンパウエイト20
における外形寸法の精度を常に良好に確保することがで
きて、フライホイール1からダンパウエイト20が脱落
するおそれを容易に解消させることが可能となる。
【0016】また、ダンパウエイト20の両側端面にお
ける凹部20aがそれぞれ同一形状であるため、ダンパ
ウエイト20の重心Gが中心線O2 と直角なベアリング
アッセンブリ10の中心面O3 上に位置していて、フラ
イホイール1の回転によってダンパウエイト20に遠心
力が作用しても、ベアリングアッセンブリ10に対して
ダンパウエイト20がこじれを起こすことが防止されて
おり、従って、ベアリングアッセンブリ10の軸受作用
を常に効果的に維持させて、可変速度型ダンパ4として
の機能を良好に保持させることができる。
【0017】なお、ベアリングアッセンブリ10により
凹部2内でダンパウエイト20が揺動自在に支持されて
いるが、ダンパウエイト20の周速は余り大きくないの
で、セラミック製のボールあるいはローラ13を使用し
ていても、ベアリングアッセンブリ10は十分の強度を
有していて、ダンパウエイト20の揺動性を確保させる
ことができる。
【0018】また、上記第1実施形態例では、ダンパウ
エイトアッセンブリ3がフライホイール1の有底凹部2
内に嵌合固定されているが、フライホイール1の回転軸
心O1 と平行にフライホイール1を貫通する複数の孔部
を周方向へ等間隔に形成し、その孔部内にダンパウエイ
トアッセンブリ3をそれぞれ嵌合固定するようにして
も、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することがで
きるものであり、また、上記実施形態例におけるダンパ
ウエイト20の凹部20aに代えて、図6に示されてい
るように、凹部2の中心線O2 とダンパウエイト20の
重心Gとを通る平面に対称形で、かつ、中心線O2 と直
角なベアリングアッセンブリ10の中心面O3 に対称形
の中空部20a´が、消失中子の使用等により有底の空
洞部としてダンパウエイト20内に形成され、中空部2
0a´の存在により、ダンパウエイト20の重心Gの位
置が中心線O2 から偏奇すると共に、中心面O3 上に重
心Gが位置するようにしても、上記実施形態例と同等の
作用効果を奏することができるものである。
【0019】次に、図7及び図8に示す第2実施形態例
では、第1実施形態例の場合と同様に、円板状フライホ
イール1に複数の有底凹部2が周方向へ等間隔に形成さ
れ、凹部2はフライホイール1の回転軸心と直角な断面
が円形で、その中心線O2 が上記回転軸心に平行となっ
ており、各凹部2内にそれぞれダンパウエイトアッセン
ブリ3が嵌合固定されて、可変速度型ダンパ4が構成さ
れているが、ダンパウエイトアッセンブリ3におけるベ
アリングアッセンブリ10は、第1実施形態例の場合と
同様に、環状アウタレース11、環状インナレース1
2、及び、多数のセラミック製ボールあるいはローラ1
3により構成されていて、インナレース12内に冷し嵌
め、あるいは、圧入により固定された略円板状のダンパ
ウエイト20は、一方の側端部にフランジ21が形成さ
れ、フランジ21はインナレース12の側端面に当接し
ていると共に、小隙を隔ててベアリングアッセンブリ1
0におけるアウタレース11の側端面の全部もしくは一
部と、両レース11、12間に配置されたボールあるい
はローラ13の側面とを覆っている。
【0020】また、ダンパウエイト20におけるフラン
ジ21側の端面22には、凹部2の中心線O2 とダンパ
ウエイト20の重心Gとを通る平面に対称形の比較的大
きい凹部23が有底の空洞部として形成され、ダンパウ
エイト20の他方の端面24には、やはり上記平面に対
称形の比較的小さい凹部25が有底の空洞部として形成
されていて、凹部23、25の形成により、ダンパウエ
イト20の重心Gの位置が中心線O2 から偏奇すると共
に、中心線O2 と直角なベアリングアッセンブリ10の
中心面O3 上に重心Gが位置していて、フライホイール
1の回転によってダンパウエイト20に遠心力が作用し
ても、ベアリングアッセンブリ10に対してダンパウエ
イト20がこじれを起こすことが防止されている。
【0021】この第2実施形態例では、ダンパウエイト
20における凹部23、25が有底の空洞部を形成し
て、凹部2の中心線O2 と直角なダンパウエイト20の
断面内に、ダンパウエイト20の外周面内を中実とする
円形壁部が存在しているため、第1実施形態例と同等の
作用効果を奏することができるばかりでなく、ダンパウ
エイト20のフランジ21がインナレース12の側端面
に当接していて、ダンパウエイト20とインナレース1
2との接触面積が比較的大きいため、ダンパウエイト2
0がベアリングアッセンブリ10から脱落することを容
易に防止できると同時に、フランジ21がベアリングア
ッセンブリ10におけるアウタレース11側端面の全部
もしくは一部と、ボールあるいはローラ13の側面とを
覆っているため、ベアリングアッセンブリ10に対する
異物の侵入を抑制することができ、また、中心線O2 か
ら比較的離れたダンパウエイト20の側端外周部にフラ
ンジ21を形成させることにより、ダンパウエイト20
の慣性を簡単に増大させうる利点がある。
【0022】図9及び図10に示す第3実施形態例で
は、第2実施形態例の凹部23、25に代えて、凹部2
の中心線O2 とダンパウエイト20の重心Gとを通る平
面に対称形で、かつ、中心線O2 と直角なベアリングア
ッセンブリ10の中心面O3 に対しフランジ21側が他
の側より大きい中空部26が、消失中子の使用等により
有底の空洞部としてダンパウエイト20内に形成され、
中空部26の存在により、ダンパウエイト20の重心G
の位置が中心線O2 から偏奇すると共に、中心面O3 上
に重心Gが位置していて、第2実施形態例と同等の作用
効果を奏することができる。
【0023】図11に示す第4実施形態例は、第2実施
形態例及び第3実施形態例におけるダンパウエイト20
のフランジ21外周面形状を変更したものであり、ま
た、図12に示す第5実施形態例は、第2実施形態例及
び第3実施形態例におけるダンパウエイト20のフラン
ジ21側の端面22がフライホイール1の側端面と略一
平面上に配置されるように構成されていて、第2実施形
態例及び第3実施形態例と同等の作用効果を奏すること
ができる外、ダンパウエイト20にフランジ21が形成
されていても、フライホイール1の厚みの増大を抑止で
きる効果がある。
【0024】図13に示す第6実施形態例では、上記各
実施形態例の場合と同様に円板状フライホイール1に形
成された各有底凹部2内に、ダンパウエイトアッセンブ
リ3が嵌合固定されて、可変速度型ダンパ4が構成され
ているが、ダンパウエイトアッセンブリ3におけるベア
リングアッセンブリ10の環状インナレース12内に固
定された略円板状のダンパウエイト20は、一方の端面
22がフライホイール1及びベアリングアッセンブリ1
0の各側端面と略一平面上に配置されるように構成され
ているのに対し、凹部2の底面側に位置する他方の端面
24にはフランジ27が形成されていて、フランジ27
がインナレース12の側端面にまで張り出している。
【0025】また、一方の端面22側に形成された凹部
28と比較して、他方の端面24側に大きな凹部29が
形成されており、上記各実施形態例と同様にして、ダン
パウエイト20の重心Gの位置が凹部2の中心線O2 か
ら偏奇すると共に、中心線O2 と直角なベアリングアッ
センブリ10の中心面O3 上に重心Gが位置していて、
フライホイール1の回転によってダンパウエイト20に
遠心力が作用しても、ベアリングアッセンブリ10に対
してダンパウエイト20がこじれを起こすことが防止さ
れている。なお、有底の空洞部としては、凹部28、2
9に代えて、上記他方の端面側に片寄って位置した中空
部を設け、上記と同様に重心Gの位置を凹部2の中心線
O2 から偏奇するように設定することも可能である。
【0026】この第6実施形態例では、第1実施形態例
と同等の作用効果を奏することができるばかりでなく、
ダンパウエイト20のフランジ27がインナレース12
の側端面にまで張り出しているため、ダンパウエイト2
0がインナレース12内から脱落することを確実に防止
できるので、インナレース12内に対するダンパウエイ
ト20の固定精度をゆるめることが可能となり、また、
中心線O2 から比較的離れたダンパウエイト20の側端
外周部にフランジ27を形成させることにより、ダンパ
ウエイト20の慣性を簡単に増大させうる利点がある。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかる可変速度型ダンパにおい
ては、可変速度型ダンパにおける略円板状のダンパウエ
イトが、円板状ダンパ本体に形成された断面円形の凹部
または孔部内で軸受部材により揺動自在に支持され、ま
た、ダンパウエイトに空洞部が形成されていても、上記
凹部または孔部の中心線に直角なダンパウエイトの断面
内に存在する中実の円形壁部により、ダンパウエイトに
十分の剛性を与えることができるので、ダンパウエイト
の外周面に変形や誤差が生じにくくなり、ダンパウエイ
トの精度を常に良好に確保することができて、ダンパ本
体からダンパウエイトが脱落するおそれを容易に解消さ
せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例における概略側面図。
【図2】図1のII−II縦断面拡大図。
【図3】図2の III−III 縦断面図。
【図4】図2のIV矢視図。
【図5】図3の変形図。
【図6】第1実施形態例の変形図。
【図7】本発明の第2実施形態例における要部縦断面
図。
【図8】図7のVIII矢視図。
【図9】本発明の第3実施形態例における要部縦断面
図。
【図10】図9のX矢視図。
【図11】本発明の第4実施形態例における要部縦断面
図。
【図12】本発明の第5実施形態例における要部縦断面
図。
【図13】本発明の第6実施形態例における要部縦断面
図。
【符号の説明】
1 フライホイール 2 凹部 3 ダンパウエイトアッセンブリ 4 可変速度型ダンパ 10 ベアリングアッセンブリ 11 アウタレース 12 インナレース 13 ボールあるいはローラ 14 固体潤滑材 20 ダンパウエイト 20a 凹部 20a´ 中空部 21 フランジ 23、25 凹部 26 中空部 27 フランジ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と同軸的に連結された円板状ダン
    パ本体に形成され上記ダンパ本体の回転軸心と直角な断
    面が円形で中心線が上記回転軸心と平行な凹部または孔
    部と、上記凹部または孔部内に配置され重心の位置が上
    記中心線から偏奇した略円板状のダンパウエイトと、上
    記ダンパウエイトの外周側と上記凹部または孔部の内周
    側との間に配置され上記ダンパウエイトを上記中心線の
    回りに揺動自在に支持する軸受部材とを有する可変速度
    型ダンパにおいて、上記ダンパウエイトは、上記中心線
    から偏心して形成された有底の空洞部により上記重心の
    位置設定が行われた可変速度型ダンパ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記中心線と直角な
    上記軸受部材の中心面上に上記ダンパウエイトの重心が
    位置するように、上記空洞部が形成された可変速度型ダ
    ンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、上記
    ダンパウエイトの側端部に、上記軸受部材の側面を覆う
    フランジが一体的に形成され、上記空洞部は、上記ダン
    パウエイト内における上記中心線方向の中心部に対して
    上記フランジ側に大きく形成された可変速度型ダンパ。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、上記
    凹部の底面側における上記ダンパウエイトの側端部に、
    上記軸受部材の側端面に張り出したフランジが一体的に
    形成され、上記空洞部は、上記ダンパウエイト内におけ
    る上記中心線方向の中心部に対して上記フランジ側に大
    きく形成された可変速度型ダンパ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012225381A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Toyota Motor Corp ダイナミックダンパ

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