JPH10306719A - Egr機構を具えた往復動内燃機関の浄化方法とその装置 - Google Patents

Egr機構を具えた往復動内燃機関の浄化方法とその装置

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JPH10306719A
JPH10306719A JP9130531A JP13053197A JPH10306719A JP H10306719 A JPH10306719 A JP H10306719A JP 9130531 A JP9130531 A JP 9130531A JP 13053197 A JP13053197 A JP 13053197A JP H10306719 A JPH10306719 A JP H10306719A
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Masahide Sugihara
正英 杉原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスの汚染度の高い往復動内燃機関におい
てもEGR機構が採用可能となりNOx低減が図れる往
復動内燃機関を提供する事。 【解決手段】 排気ガスの一部を吸入系統側の燃焼用空
気に混入させ通常の空気より酸素濃度を低下させる事に
よって、燃焼速度を遅らせ火炎の最高温度を低下させN
Ox生成を抑制するEGR機構を具えた往復動内燃機関
において、前記吸入系統側に導入する循環用排ガスを、
海水等の洗浄水と接触させて洗浄し、排ガス中から油分
・すす及び硫黄化合物等を除去した後に、燃焼用空気に
混入することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はEGR機構を具えた
往復動内燃機関に係り、特に海上を運航する船舶或いは
沿岸近辺に位置するプラント等浄化水が容易に補給でき
る場所に用いる往復動内燃機関の排ガス浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、NOx低減対策として最も多
く採用されている排ガス浄化装置として三元触媒システ
ムやEGR機構(エキゾースト ガス リサーキュレー
ション、排ガス循環燃焼装置)等が提案されている。
【0003】三元触媒システムは、例えば白金系触媒を
内燃機関の排気管途中に配置し、排ガスを通過させる事
により排ガス中のNOx、O2 が酸化剤、又、CO、H
C、H2 が還元剤となって N2、 H2O、CO2 に中和
され有害排出物であるNOx、CO、HCが同時に低減
できるものであり、この反応は理論空燃比近傍でのみ行
われる為、常に供給空燃比を一定に保てる電子制御燃料
噴射装置を備えた内燃機関(例えば自動車用ガソリンエ
ンジン)でのみ採用されている。
【0004】一方、EGR機構は、排気ガスの一部を吸
入系統側の燃焼用空気に混入させ通常の空気より酸素濃
度を低下させる事によって、燃焼速度を遅らせ火炎の最
高温度を低下させNOx生成を抑制するもので、ガソリ
ンエンジンのみならず、燃焼室内温度が高いディーゼル
エンジンに多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、往復動内燃機関
の排ガス中には油分及び燃焼残査等のばいじんが含ま
れ、特に硫黄分を含む燃料を使用した場合の燃焼ガス中
に、亜硫酸ガス及び無水硫酸等の硫黄化合物が含まれ、
これらの物質は、容易に水に溶解し、亜硫酸及び硫酸と
なる。この為EGR機構のように、これらの排出物を多
量に含んだ排ガスを機関内に燃焼用空気として循環させ
た場合、空気冷却器掃気室、過給器等の吸入空気及び排
ガス通路全体における硫酸腐食及びすすによる汚染と、
ピストリング・シリンダライナ等の摺動部においては硫
酸腐食に加え、すすによる潤滑不良等の問題が発生する
為に、EGR機構を採用するのが困難である。
【0006】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、往
復動内燃機関の排ガス中に油分やばいじんが含まれる場
合、又硫黄分を含む燃料を使用する往復動内燃機関にお
いてもEGR機構を円滑に採用出来、これにより排ガス
の汚染度の高い往復動内燃機関においてもEGR機構が
採用可能となりNOx低減が図れる往復動内燃機関を提
供する事にある。本発明の他の目的は、海上を運航する
船舶或いは沿岸近辺に位置するプラントに用いる往復動
内燃機関の排ガス浄化装置を提供する事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
排気ガスの一部を吸入系統側の燃焼用空気に混入させ通
常の空気より酸素濃度を低下させる事によって、燃焼速
度を遅らせ火炎の最高温度を低下させNOx生成を抑制
するEGR機構を具えた往復動内燃機関において、前記
吸入系統側に導入する循環用排ガスを、海水等の洗浄水
と接触させて洗浄し、排ガス中から油分・すす及び硫黄
化合物等を除去した後に、燃焼用空気に混入することを
特徴とする往復動内燃機関である。請求項2記載の発明
は海上を運航する船舶或いは沿岸近辺に位置するプラン
トに用いる往復動内燃機関の浄化装置において、前記船
舶若しくはプラント外から洗浄水を組み上げるポンプ
と、該ポンプにより洗浄水が供給される洗浄室と、該洗
浄室から洗浄水を外部に排出する排出手段と、エンジン
からの排気ガスを洗浄室に導く第1の循環路と、洗浄後
の排気ガスをエンジンの吸気側に戻す第2の循環路とを
有することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、循環用排ガスを水と接触
させる事で排ガス中の油分及びすす等を水中に捕捉させ
ると同時に亜硫酸ガス、無水硫酸等の硫黄化合物を下記
反応式に基づいて、水分と結合させ海水中に溶解させ排
ガス中から除去する事が出来る。 SO2+H2O=H2SO3 (亜硫酸ガス+水=亜硫酸) SO3+H2O=H2SO4 (無水硫酸+水=硫酸) となる。したがってかかる発明によれば、排ガスの汚染
度の高い往復動内燃機関において、EGR機構が採用可
能となりNOx低減が図れる。
【0009】又、循環用排ガスの洗浄を行なう洗浄用水
は、硫酸濃度が高くなりpH値が低下する。従って、洗
浄用水を頻繁に交換、又は常に新規の洗浄用水を使用す
る必要がある。このため循環用排ガスを清水にて洗浄し
た場合、清水が大量に必要になる為に、洗浄用水を備蓄
しておく巨大な水タンク或いは船舶であれば船内造氷器
の大幅な容量拡大が必要であり、清水の調達に非常に高
いコストが発生する。この為中和処理装置やフィルタ等
を用いて閉サイクルにて前記洗浄用水を循環するように
構成してもよいが、海上を運航する船舶或いは沿岸近辺
に位置するプラントに用いる往復動内燃機関において
は、前記循環用排ガスと接触させる水に海水を用いるの
がよい。けだし海水の場合、海上を運航する船舶或いは
沿岸近辺に位置する発電プラントならば機外から容易に
且つ大量に調達でき、頻繁な入れ替え或いは常に新規の
洗浄用水を供給する事が可能となり非常に経済的とな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。図1に本発明の実施形態に係る海上を
運行する船舶におけるディ−ゼル機関1の排気ガス浄化
装置の概略構成を示す。1はディーゼル機関、3は過給
機で、過給機コンプレッサにより過給された燃焼用空気
は吸入管1aを介して不図示の燃焼室内に送り込まれて
所定の燃焼を行なった後、その燃焼後の排気ガスは排気
管1bより排出されて過給機タ−ビン3aを回転させた
後外部に排出される。そして前記排気ガスの一部は、過
給機タ−ビン3a出口よりバイパス弁A4にて一定流量
バイパスさせ、ブロアA6によってバイパス路(第1の
循環路)16より洗浄槽2へ送り込み海水洗浄を行な
い、その後バイパス路(第2の循環路)17よりブロア
B7とバイパス弁B5によって一定流量に調整しなが
ら、過給機コンプレッサ−3bとディ−ゼル機関1との
間の吸気管1aに送り込み、前記燃焼用空気と混合させ
て燃焼させる事によって燃焼温度を低下させてNOx低
減を図ることが出来る。
【0011】洗浄槽2では、船外海中より海水ポンプA
8にて吸い上げられた海水を流量調整弁A10にて流量
を調整しながら、該洗浄槽2内で循環排ガスと接触させ
る事により、排ガス中の油分及びすす等を水中に捕捉さ
せると同時に亜硫酸ガス、無水硫酸等の硫黄化合物を水
分と結合させ海水中に溶解させ、排ガス中から除去した
後、洗浄槽2に溜まった海水を海水ポンプB9にて流量
調整弁B11を介して船外海中へ排出している。なお、
前記洗浄後の溶解水をそのまま海中に排出する開放サイ
クルを構成する事なく、破線で示すように硫酸や亜硫酸
の中和処理装置13及びフィルタ14で油分及びすす等
を除去した後、閉サイクルで循環再使用するように構成
してもよい。
【0012】図2に図1の浄化装置に用いられる第1実
施例の洗浄槽の構成を示す。洗浄槽2内頂部には海水を
噴霧する噴霧器12が取り付けられており、船外海中よ
り海水ポンプA8にて吸い上げられた海水を流量調整弁
A10にて流量を調整しながら噴霧器12によって噴射
させて排ガスと接触させており、又、洗浄槽2下部に溜
まった海水を海水ポンプB9にて流量調整弁B11を介
して船外海中へ排出している。この洗浄槽2内に循環用
排ガスを通過させる事によって霧化海水とが接触し、該
海水中に硫黄化合物を硫酸として溶解させ、又、油分・
すす等を補捉させ排ガスを洗浄する事が出来る。
【0013】図3に図1の浄化装置に用いられる第2実
施例の洗浄槽の構成を示す。洗浄槽2はバブリングによ
る気液接触構成を取り、洗浄槽2内は船外海中より海水
ポンプA8によって吸い上げられ、流量調整弁A10に
て流量を一定に保たれた海水にて満たされており、又同
時に、海水ポンプB9と流量調整弁B11によって、洗
浄槽2内の海水レベルを一定に保つよう調整しながら船
外海中へと排出している。そしてブロアA6よりのバイ
パス路(第1の循環路)16は排ガス導入管15として
洗浄槽2底部に開口している。この洗浄槽2内の海水中
に排ガス導入管15より循環用排ガスをバブリングさせ
ながら通過させる事によって海水中に硫黄化合物を硫酸
として溶解させ、又、油分・すす等を捕捉させ、排ガス
を洗浄することが出来る。
【0014】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、往復
動内燃機関の排ガス中に油分やばいじんが含まれる場
合、又硫黄分を含む燃料を使用する往復動内燃機関にお
いてもEGR機構を採用出来、NOxが円滑に低減でき
る。又、本発明によれば、海上を運航する船舶或いは沿
岸近辺に位置するプラントに用いる往復動内燃機関にお
いては、海水を用いる事により、非常に経済的な排ガス
浄化装置を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る海上船舶におけるディ
−ゼル機関の排気ガス浄化装置の概略構成を示す全体構
成図である。
【図2】図1の浄化装置に用いられる第1実施例の洗浄
槽の構成を示す。
【図3】図1の浄化装置に用いられる第2実施例の洗浄
槽の構成を示す。
【符号の説明】
1 ディ−ゼル機関 2 洗浄槽 3 過給機 3a 過給機タ−ビン 3b 過給機コンプレッサ− 4 バイパス弁A 5 バイパス弁B 6 ブロアA 7 ブロアB 8 海水ポンプA 9 海水ポンプB 10 流量調整弁A 11 流量調整弁B 12 噴霧器 13 中和処理装置 14 フィルタ 15 排ガス導入管 16 バイパス路(第1の循環路) 17 バイパス路(第2の循環路)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスの一部を吸入系統側の燃焼用空
    気に混入させ通常の空気より酸素濃度を低下させる事に
    よって、燃焼速度を遅らせ火炎の最高温度を低下させN
    Ox生成を抑制するEGR機構を具えた往復動内燃機関
    において、 前記吸入系統側に導入する循環用排ガスを、海水等の洗
    浄水と接触させて洗浄し、排ガス中から油分・すす及び
    硫黄化合物等を除去した後に、燃焼用空気に混入するこ
    とを特徴とする往復動内燃機関の浄化方法。
  2. 【請求項2】 海上を運航する船舶或いは沿岸近辺に位
    置するプラント等浄化水が容易に補給できる場所に用い
    る往復動内燃機関の浄化装置において、 前記船舶若しくはプラント外から洗浄水を組み上げるポ
    ンプと、該ポンプにより洗浄水が供給される洗浄室と、
    該洗浄室から洗浄水を外部に排出する排出手段と、エン
    ジンからの排気ガスを洗浄室に導く第1の循環路と、洗
    浄後の排気ガスをエンジンの吸気側に戻す第2の循環路
    とを有することを特徴とする往復動内燃機関の浄化装
    置。
JP9130531A 1997-05-06 1997-05-06 Egr機構を具えた往復動内燃機関の浄化方法とその装置 Withdrawn JPH10306719A (ja)

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